JP2008096904A - 面光源装置、透過型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】出射側に微細凸形状が形成された拡散シート16を光制御シート15の入射側に重ねて配置する。拡散シート16は、透明基材フィルム16aの表面に拡散材をコーティングしたタイプである。拡散シート16が有する微小ビーズがレンズ効果を発揮して、集光効果、及び、拡散効果を得る。これにより、出射特性が滑らかに変化するようになり、正面輝度が高くなる。
【選択図】図1
Description
例えば、直下型では、背面より並列の冷陰極管を用いて光を導入するようになっており、冷陰極管とLCDパネル等の透過型表示部との距離を適度に空け、その間に光拡散効果や光収束効果等を有した光学シート(光学フィルム)を複数組み合わせて使用していた。
面光源装置に使用される光学シートとしては、視野角(光の出射角度)の制御を目的としたレンズ又はプリズム等の光学的形状が多数形成された光学シートと、光の拡散を目的とした拡散シートがある。
また、特許文献1では、単に光学シートと拡散シート(拡散フィルム)とを組み合わせることのみが示されており、どのような特性の光学シート及び拡散シートを組み合わせるかについては、全く言及されていない。
請求項1の発明は、透過型表示部を背面から照明する面光源装置であって、略完全拡散光を出射面から出射する光源部(12,13,14)と、前記光源部よりも出射側に設けられ、出射側に微細凸形状が形成された拡散シート(16)と、前記拡散シートよりも出射側に設けられ、前記拡散シートを通過した光を集光及び/又は拡散する作用を有する単位光学形状(151,251)が形成された光制御シート(15,25)と、を備える面光源装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の面光源装置において、前記光源部(12,13,14)は、光を発光する発光部(13)と、前記発光部が発光する光を略完全拡散光とする完全拡散シート(14)と、を有すること、を特徴とする面光源装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の面光源装置において、前記拡散シート(16)は、基材層(16a)と、前記基材層上に設けられた拡散層(16b,16c)とを有し、前記拡散層は、複数の微小ビーズ(16b)と、前記微小ビーズを固着するバインダ(16c)とを有しており、前記微小ビーズが固着されている部分は、前記微小ビーズが固着されずに前記バインダのみとなっている部分よりも出射側へ突出して前記微細凸形状が形成されていること、を特徴とする面光源装置である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の面光源装置において、前記拡散シート(16)のヘイズ値は、70%以上であること、を特徴とする面光源装置である。
請求項5の発明は、請求項4に記載の面光源装置において、前記光制御シート(15,25)に完全拡散光が入射したときに出射する光の半値角であって、面光源装置の通常使用状態における上下方向の半値角である垂直半値角をαVとし、前記光制御シートに完全拡散光が入射したときに出射する光の半値角であって、面光源装置の通常使用状態における左右方向の半値角である水平半値角をαHとしたとき、90°<αV+αH<115°の関係を満たすこと、を特徴とする面光源装置である。
請求項6の発明は、請求項5に記載の面光源装置において、35°<αV<45°、55°<αH<70°の関係を満たすこと、を特徴とする面光源装置である。
請求項7の発明は、請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載の面光源装置において、前記完全拡散シート(14)の全光線透過率は、50%〜70%であること、を特徴とする面光源装置である。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の面光源装置において、前記光制御シート(25)に形成されている前記単位光学形状(251)は、断面形状が非対称な形状であって出射側に突出して一次元方向に多数並べて配列されていること、を特徴とする面光源装置である。
請求項9の発明は、請求項8に記載の面光源装置において、前記光制御シート(25)に形成されている前記単位光学形状(251)は、平面により形成された平面側(251D)と、曲面により形成された曲面側(251U)とを有すること、を特徴とする面光源装置である。
請求項10の発明は、請求項9に記載の面光源装置において、前記光制御シート(25)に形成されている前記単位光学形状(251)の前記曲面側(251U)は、使用状態で上側となるように設けられていること、を特徴とする面光源装置である。
請求項11の発明は、請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載の面光源装置において、前記光制御シート(25)に形成されている前記単位光学形状(251)の頂点(T)は、前記頂点を挟んで非対称に形成された各面を滑らかに繋げる曲面により形成されていること、を特徴とする面光源装置である。
請求項12の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の面光源装置において、前記光制御シート(15)に形成されている前記単位光学形状(151)は、出射側に突出して二次元方向に多数並べて配列されていること、を特徴とする面光源装置である。
請求項13の発明は、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の面光源装置において、前記光制御シート(15)に形成されている前記単位光学形状(151)は、略楕円筒の一部形状、又は、略回転楕円体の一部形状を含み、出射側に突出して多数並べて配列されていること、を特徴とする面光源装置である。
請求項14の発明は、請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載の面光源装置において、前記光制御シート(25)は、1種類の熱可塑性樹脂により形成されていること、を特徴とする面光源装置である。
請求項15の発明は、請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載の面光源装置において、前記光制御シート25よりも出射側に、第2の拡散シート(36)を設けたこと、を特徴とする面光源装置である。
請求項16の発明は、請求項15に記載の面光源装置において、前記第2の拡散シート(36)のヘイズ値は、35%〜55%であること、を特徴とする面光源装置である。
請求項17の発明は、透過型表示部(11)と、請求項1から請求項16までのいずれか1項に記載の面光源装置と、を備える透過型表示装置(10,20)である。
請求項18の発明は、請求項17に記載の透過型表示装置において、前記光制御シート(25)の前記単位光学形状(251)のピッチをLP とし、前記透過型表示部(11)の画素ピッチをPP とし、整数をnとしたとき、PP /(n+0.6)≦LP ≦PP /(n+0.4)の関係をいずれかの整数nにおいて満たす、又は、整数をmとしたとき、LP <PP /5、LP ≠PP /mの関係の少なくとも一方を、いずれの整数mにおいても満たすこと、を特徴とする透過型表示装置である。
(1)光源部と、光制御シートと、光制御シートよりも光の入射側に設けられ、出射側に微細凸形状が形成された拡散シートとを備えるので、正面輝度を高くできる。
また、これらの組み合わせの条件を明らかにし、その条件を満たすことにより出射特性が滑らかで正面輝度が高い面光源装置、透過型表示装置を容易に得ることができるようにした。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用しているが、この使い分けには、技術的な意味が無いので、特許請求の範囲の記載は、シートという記載で統一して使用した。したがって、シート、板、フィルムの文言は、適宜置き換えることができるものとする。例えば、光制御シートは、光制御板としてもよいし、光制御フィルムとしてもよい。
なお、完全拡散光とは、出射面の法線方向(正面方向)の輝度を100%とした場合に、出射面の法線方向から30度傾いた方向の輝度が80%以上であり、かつ、出射面の法線方向から60度傾いた方向の輝度が60%以上ある拡散光を指すものとする。
発光管13は、面光源装置の光源部を形成する線光源の冷陰極管であり、本実施例では、略20mm間隔で等間隔に20本が並列に並べられている。発光管13の背面には、反射板12が設けられている。
反射板12は、発光管13の光制御シート15とは反対側(背面側)の全面にわたって設けられており、背面側へ進む照明光を拡散反射して光制御シート15方向(出射方向)へ向かわせ、入射光照度を均一に近付ける働きを持つ。
また、乳白板14は、耐湿度性を向上させるために、多層構造とすることもできる。例えばMS材やMBS材では、スチレンリッチな材料でサンドイッチすること等が考えられる。さらに、光源から発生する紫外線を除去するために基材中にUV吸収剤を混ぜたり、光源側の表面にUV吸収剤をコーティングすることもできる。
乳白板の拡散度合いを増していけば、管ムラは低減されていくが、後方散乱が増えて光利用効率が悪化して、正面輝度低下に繋がる。したがって、両者のバランスが重要となる。完全拡散シートの拡散度合いの目安としては、全光線透過率がある。
そこで、全光線透過率の異なる複数種類の乳白板を用意し、管ムラと正面輝度について評価した。
全光線透過率の測定は、ヘイズメーター(JISK7136)を用いて測定を行った。
正面輝度の測定は、対角40インチ(885mm×498mm)の図1の構成において、LCDパネル11を取り除いた状態で行った。その状態で、乳白板を5種類(全光線透過率を変更した5種類のサンプル)交換して、輝度計(BM−9:トプコン社製)を面光源装置より1m離して面光源装置に対して垂直となるようにセッティングを行い測定した。また測定ポイントは、面光源装置の略中心部分とした。全光線透過率60%の乳白板を基準として、正面輝度の変動を測定した。この評価結果を表1に示す。
全光線透過率が55%の場合、管ムラは無く、正面輝度も4%の低下で済んだので、使用に適している。
全光線透過率が65%の場合、管ムラは殆ど無く、正面輝度が3%上昇しており、使用に適している。
全光線透過率が75%の場合、管ムラが発生しており、正面輝度が8%上昇したものの、使用には適さない。
以上の表1の結果から、乳白板の全光線透過率は、50%〜70%であることが望ましいといえる。
拡散シート16は、乳白板14と光制御シート15との間に配置され、出射側に微細凸形状が形成された光拡散作用を有したシートである。
拡散シートとして使用されるものには、透明基材フィルムの表面に拡散材をコーティングしたタイプ、拡散材を基材に練り込んだタイプ、表面を粗面にしたタイプ、及びこれらの組み合わせが存在する。
本実施例の拡散シート16は、これらの内で、透明基材フィルム16aの表面に拡散材をコーティングしたタイプである。具体的には、PET(PolyEthylene Terephthalate)樹脂製の厚さ188μmの透明基材層(フィルム)上に、バインダ(16c)中に微小ビーズ(16b)を混練した拡散層をコートして形成している。この拡散層は、微小ビーズをバインダよりも突出させることにより、表面に微細凸形状が形成されている。本実施例で使用した拡散シート16は、恵和(株)製の光拡散フィルムBS−702であり、ヘイズ値は、89.2%(メーカーカタログ値)、総厚は、220μmである。
また、表面にコーティングする拡散材の量を変えることにより、レンズ効果(集光及び拡散効果)を調整することが可能となる。拡散材の量が少ないと拡散材の密度が小さいため、レンズ効果よりも粗面による散乱効果が大きくなり、視野角の広い拡散光に対する集光効果が小さくなる。
なお、練り込みタイプや表面が粗面タイプの拡散シートは、レンズ効果ではなく、散乱効果や屈折効果により、拡散効果のみを発揮する点で、本実施例の拡散シート16とは異なる。
本実施例において、拡散シート16を光制御シート15の入射側に配置する主な目的は、輝度向上を図ることである。ある程度、光を集光して光制御シート15に入射した方が、輝度向上効果が高くなるからである。
単位光学形状151は、略半球形状の凸形状であり、光制御シート15の出射側に、水平方向及び垂直方向に並べて配置されている。
本実施例の光制御シート15は、屈折率1.53の透明なMS材を用いた押し出し成型により形成されている。なお、光制御シート15は、MS材に限らず、ポリカーボネート、MBS、PMMA、スチレン等の光透過性の有る他の熱可塑性樹脂を適宜選択して使用してもよいし、熱硬化性樹脂を用いてもよい。さらに、紫外線硬化樹脂を用いた紫外線成型と呼ばれる方法により作製してもよい。
図3は、単位光学形状151の形状を表す模式図である。
単位光学形状151は、半径Rの半球が、凸量Hとなるように光制御シート15に設けられている。
なお、光制御シートの単位光学形状としては、本実施例のようなレンズ形状の他に、三角錐や四角錐等のプリズム形状であってもよい。また、配列方法は、四角形状や六角形状に並べるいわゆる細密配置とすることが望ましい。
ここで、この説明のために、本実施例では、以下の表2に示す15−1〜15−4の4種類の光制御シート15を用意した。表中のH,Rは、図3に示した寸法である。
図4は、光制御シート15−1〜15−4の出射角度(視野角)特性の測定結果を示す図である。図4の横軸は出射角度を示し、縦軸は輝度(単位:cd/m2 (=nit))を示している。
この図4の測定結果から求めた各半値角を先に示した表2に併記した。
図5は、乳白板14と光制御シート15−1との間に拡散シート16を重ねた場合の出射角度特性の測定結果を示す図である。
図6は、乳白板14と光制御シート15−2との間に拡散シート16を重ねた場合の出射角度特性の測定結果を示す図である。
図7は、乳白板14と光制御シート15−3との間に拡散シート16を重ねた場合の出射角度特性の測定結果を示す図である。
図8は、乳白板14と光制御シート15−4との間に拡散シート16を重ねた場合の出射角度特性の測定結果を示す図である。
したがって、拡散シート16を、光制御シート15−1の入射側に重ねることは、集光効果が得られ、ピーク輝度を上昇させるという効果があるという点では、有効である。しかし、上述した半値角を上下方向で35°〜45°程度、左右方向で45〜55°程度としてピーク輝度を上昇させるという狙いに対しては、未達である。よって、光制御シート15でより集光させる必要があるといえる。
したがって、拡散シート16を、光制御シート15−2の入射側に重ねることは、有効である。そして、拡散シート16を、光制御シート15の入射側に重ねて有効な結果を得るためには、光制御シート15は、垂直方向の半値角αV及び水平方向の半値角αHが55°に相当する程度まで集光することができる光学的な特性を有している必要があるといえる。
したがって、拡散シート16を、光制御シート15−3の入射側に重ねることは、非常に有効である。
したがって、拡散シート16を、光制御シート15−4の入射側に重ねることは、集光効果及びピーク輝度の観点からは、理想的ではない。
この図8の結果から、拡散シート16を、光制御シート15の入射側に重ねて有効な結果を得るためには、光制御シート15の集光度合いを高めたとしても、垂直方向の半値角αV及び水平方向の半値角αHが45°程度までが限界であるといえる。
(1)半値角55°以上である光制御シート15の入射側に拡散シート16を配置すると、集光効果はあるが、視野角を絞りきれずに正面輝度が低い。
(2)半値角45°以下である光制御シート15の入射側に拡散シート16を配置しても、拡散シート16の微小ビーズ16bの集光効果が、光制御シート15からの出射光に反映されない。
すなわち、本実施例で使用した拡散シート16を使用して、集光効果を得ながらピーク輝度の上昇を図るには、拡散シート16の出射側に重ねられる光制御シート15は、以下の条件を満たすことが望ましい。
90°<αV+αH<115° ・・・式(1)
上記式(1)の上限の115°という値は、図6の結果から、拡散シート16を重ねたときに有効な結果が得られるために最大の半値角(55°)を持つ光制御シート15−2の垂直方向の半値角αV=55°と水平方向の半値角αH=55°とを足した値を含むように設定された値である。
また、上記式(1)の下限の90°という値は、図8の結果から得られた下限値である垂直方向の半値角αV=45°と水平方向の半値角αH=45°とを足した値である。
35°<αV<45°、55°<αH<70° ・・・式(2)
なお、本実施例で使用した拡散シート16は、上述したように、ヘイズ値が89.2%であるが、拡散シート16のヘイズ値が低くなると、十分な集光効果を得ることができない。このヘイズ値の影響を調べるために、ヘイズ値が47.9の拡散シートを比較例として用意し、これを拡散シート16に代えて使用した場合の出射角度特性を調べた。
図14は、光制御シート15−1の出射側に比較例の拡散シートを重ねた場合の出射角度特性の測定結果を示す図である。
図14の結果を図5の結果と比較すると、ヘイズ値の低い図14の比較例では、垂直方向の半値角αVが54.5°〜55.5°、水平方向の半値角αHが55.5°〜56.5°であり、殆ど集光効果が発揮されず、ピーク輝度も8495.6(cd/m2 )であり、光制御シート15単体の場合と殆ど変化がなかった。また、レンズピッチと画素とのモアレ、また、発光管13の管ムラが見えた。
なお、本実施例で使用した拡散シート16は、上述したように、ヘイズ値が89.2%であるが、ヘイズ値が70%以上あれば、十分な集光効果が得られて、図5とほぼ同様な結果が得られる。
実施例2の透過型表示装置20は、実施例1における光制御シート15を単位光学形状の異なる光制御シート25に置き換えた例である。したがって、前述した実施例1と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
光制御シート25は、発光管13から出射した光の輝度ムラを低減させて均一化するとともに集光効果を有した光学シートであり、出射側に光を収束して出射する単位光学形状251が形成されている。単位光学形状251は、平面と曲面とを組み合わせた形状となっており、光制御シート25の出射側表面には、この単位光学形状251が平行に多数並べて配置されている。単位光学形状251の並ぶ方向は、発光管13の並ぶ方向と一致している。
単位光学形状251の形状については、頂点Tを基準として上側の上側形状251Uと、下側の下側形状251Dとに分けて説明する。
下側形状251Dは、位置Aから頂点Tまでのシート面に平行な方向の幅が0.09mm、すなわち図10に示した断面において上下方向の幅WD=0.09mmの平面(平面側)であり、シート面に対して46度の角度を持って形成されている。
上側形状251Uは、図10に示した断面において、位置Aからシート面に平行に上方へ0.189mmにある位置Bを置き、この位置Bと頂点Tとを通る半径0.195mmの円筒面(曲面側)である。したがって、この上側形状251Uの上下方向の幅WU=0.099mmであり、単位光学形状251中に占める平面側と曲面側との比は、シート面に平行な方向の幅の比WD:WU=1:1.1となっている。
なお、出射角度特性の測定は、図9に示す状態からLCDパネル11及び拡散シート16を取り外し、視野角特性測定装置EZContrastを用いて行った。
光制御シート25の垂直方向の半値角αV=38°〜39°であり、水平方向の半値角αH=64.5°〜65.5°であるから、実施例1の説明中に示した式(1)及び式(2)を満足している。
図12は、比較例の光制御シートの出射角度特性の測定結果を示す図である。
まず、垂直方向で図11と図12とを比較すると、比較例では、出射角度40°付近で急激な輝度の低下があり、出射角度0°付近の輝度ピークの他に、60°〜80°程度の大きな出射角度方向に第2の輝度ピークが存在している。そして、観察すると黒表示時に、光の漏れ光が多くなり、コントラストが劣化してしていた。これに対して本実施例の光制御シート25の場合には、出射角度0°付近の輝度が若干下がり、出射角度0°付近の輝度ピークの他に、60°〜80°程度の大きな出射角度方向に第2の輝度ピークが存在しているものの、その付近の裾部分が広がり、出射角度0°付近の輝度ピークと第2の輝度ピークとの間の輝度の落ち込み方が緩やかになっている。
このように、本実施例の光制御シート25を用いると、水平、垂直のいずれの方向においても、視野角特性の変化が緩やかになる。また、垂直方向において、不要な輝度ピークを解消、又は、抑制できる。
以下、この理由について説明する。比較例における急激な輝度の変化は、平面からなる三角プリズムを用いていることから当然に生じるものである。この急激な変化を抑制して緩やかな変化とし、不要なピークを無くすには、曲面からなる単位光学形状とするとよい。しかし、その一方で、出射角度0°付近の輝度を高くするには、平面を利用することが有効である。
このように、本実施例の光制御シート25を用いると、平面と曲面とを組み合わせた非対称の単位光学形状を有しているので、画面を観察する位置によらずムラのない均一な照明を行うことができ、特に大きな出射角度方向に生じる不要な輝度ピークを抑制でき、輝度変化を緩やかにできる。
なお、出射角度特性の測定は図9に示す状態からLCDパネル11を取り外し、視野角特性測定装置EZContrastを用いて行った。
拡散シート16を光制御シート25の入射側に重ねることにより、垂直方向の半値角αVが36.5°〜37°、水平方向の半値角αHが52.5°〜53°となり、集光効果が発揮され、ピーク輝度が8757.7(cd/m2 )から10292.4(cd/m2 )へと大幅に向上した。
(条件1)
PP /(n+0.6)≦LP ≦PP /(n+0.4) ・・・式(3)
の関係をいずれかの整数nにおいて満たす。
(条件2)
LP <PP /5 ・・・式(4−1)
LP ≠PP /m ・・・式(4−2)
の関係の少なくとも一方を、いずれの整数mにおいても満たす。
PP /(n+0.6)≦LP ≦PP /(n+0.4)
0.46mm/2.6≦0.189mm≦0.46mm/2.4
0.177mm≦0.189mm≦0.192mm
LP <PP /5
0.189mm<0.46mm/5
0.189mm<0.092mm
以上のように、式(4−1)は満たさない。
(式(4−2)に代入)
LP ≠PP /m
0.189mm≠0.46mm/m
m=2:0.189mm≠0.23mm
m=3:0.189mm≠0.15mm
以上のように、式(4−2)は満たしている。
また、画素ピッチと単位光学形状のピッチが離れるほどモアレが薄くなっていく。そこで、様々なピッチを試した結果、式(3)を満たさなくても式(4−1)又は式(4−2)を満たすことにより、モアレが回避でき、実際に使用できることを見出した。
実施例3の透過型表示装置30は、実施例2におけるLCDパネル11と光制御シート25との間に、第2の拡散シート36を配置した点のみが、実施例2と異なる例である。したがって、前述した実施例2と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2の拡散シート36は、LCDパネル11と光制御シート25との間に配置されており、拡散シート16と同様に出射側に微細凸形状が形成された光拡散作用を有したシートである。第2の拡散シート36は、ヘイズ値が異なる他は、拡散シート16と同様な形態をしており、PET樹脂製の厚さ188μmの透明基材層(フィルム)上に、バインダ中に微小ビーズを混練した拡散層をコートして形成している。本実施例の第2の拡散シート36は、恵和(株)製の光拡散フィルムBS−072であり、ヘイズ値は、47.9%(メーカーカタログ値)、総厚は、210μmである。
ここで、第2の拡散シート36の位置に拡散シート16を配置してしまうと、拡散効果が大きすぎるため、輝度低下が大きくなってしまう。そこで、第2の拡散シート36としては、ヘイズ値がどの程度の値であることが望ましいかを実験的に検討した。具体的には、ヘイズ値の異なる第2の拡散シートを用意し、輝度の低下とモアレの発生を評価した。以下の表3は、その評価結果である。
光制御シート25の入射側に拡散シート16を重ね、出射側に第2の拡散シート36を重ねた図16の結果を、図13(拡散シート16を光制御シート25の入射側に重ねたもの)と比較する。そうすると、図16では、垂直方向の半値角αVが36.5°〜38°、水平方向の半値角αHが53°〜54.5°となり、図13の場合と大きな変化が無く、ピーク輝度は、10292.4(cd/m2 )から10100.5(cd/m2 )へと僅かに減少したものの、光制御シート25のみの図11の結果と比べて十分な集光効果を維持している。また、出射角度80°付近に存在していた不自然な輝度上昇が改善され、よりなめらかな輝度変化となった。さらに、LCDパネル11を重ねたところ、実施例2の場合と比べて、モアレの改善効果も得られた。
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)各実施例において、光制御シート15,25は、1種類の単位光学形状が出射側に並べられている例を示したが、これに限らず、例えば、複数種類の単位光学形状を組み合わせて出射側に配置してもよい。
11 LCDパネル
12 反射板
13 発光管
14 乳白板
15,25 光制御シート
151,251 単位レンズ
251U 上側形状
251D 下側形状
16 拡散シート
Claims (18)
- 透過型表示部を背面から照明する面光源装置であって、
略完全拡散光を出射面から出射する光源部と、
前記光源部よりも出射側に設けられ、出射側に微細凸形状が形成された拡散シートと、
前記拡散シートよりも出射側に設けられ、前記拡散シートを通過した光を集光及び/又は拡散する作用を有する単位光学形状が形成された光制御シートと、
を備える面光源装置。 - 請求項1に記載の面光源装置において、
前記光源部は、光を発光する発光部と、
前記発光部が発光する光を略完全拡散光とする完全拡散シートと、
を有すること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の面光源装置において、
前記拡散シートは、基材層と、
前記基材層上に設けられた拡散層とを有し、
前記拡散層は、複数の微小ビーズと、前記微小ビーズを固着するバインダとを有しており、
前記微小ビーズが固着されている部分は、前記微小ビーズが固着されずに前記バインダのみとなっている部分よりも出射側へ突出して前記微細凸形状が形成されていること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の面光源装置において、
前記拡散シートのヘイズ値は、70%以上であること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項4に記載の面光源装置において、
前記光制御シートに完全拡散光が入射したときに出射する光の半値角であって、面光源装置の通常使用状態における上下方向の半値角である垂直半値角をαVとし、
前記光制御シートに完全拡散光が入射したときに出射する光の半値角であって、面光源装置の通常使用状態における左右方向の半値角である水平半値角をαHとしたとき、
90°<αV+αH<115°
の関係を満たすこと、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項5に記載の面光源装置において、
35°<αV<45°
55°<αH<70°
の関係を満たすこと、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載の面光源装置において、
前記完全拡散シートの全光線透過率は、50%〜70%であること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の面光源装置において、
前記光制御シートに形成されている前記単位光学形状は、断面形状が非対称な形状であって出射側に突出して一次元方向に多数並べて配列されていること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項8に記載の面光源装置において、
前記光制御シートに形成されている前記単位光学形状は、平面により形成された平面側と、曲面により形成された曲面側とを有すること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項9に記載の面光源装置において、
前記光制御シートに形成されている前記単位光学形状の前記曲面側は、使用状態で上側となるように設けられていること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載の面光源装置において、
前記光制御シートに形成されている前記単位光学形状の頂点は、前記頂点を挟んで非対称に形成された各面を滑らかに繋げる曲面により形成されていること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の面光源装置において、
前記光制御シートに形成されている前記単位光学形状は、出射側に突出して二次元方向に多数並べて配列されていること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の面光源装置において、
前記光制御シートに形成されている前記単位光学形状は、略楕円筒の一部形状、又は、略回転楕円体の一部形状を含み、出射側に突出して多数並べて配列されていること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載の面光源装置において、
前記光制御シートは、1種類の熱可塑性樹脂により形成されていること、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載の面光源装置において、
前記光制御シートよりも出射側に、第2の拡散シートを設けたこと、
を特徴とする面光源装置。 - 請求項15に記載の面光源装置において、
前記第2の拡散シートのヘイズ値は、35%〜55%であること、
を特徴とする面光源装置。 - 透過型表示部と、
請求項1から請求項16までのいずれか1項に記載の面光源装置と、
を備える透過型表示装置。 - 請求項17に記載の透過型表示装置において、
前記光制御シートの前記単位光学形状のピッチをLP とし、前記透過型表示部の画素ピッチをPP とし、整数をnとしたとき、
PP /(n+0.6)≦LP ≦PP /(n+0.4)
の関係をいずれかの整数nにおいて満たす、
又は、
整数をmとしたとき、
LP <PP /5
LP ≠PP /m
の関係の少なくとも一方を、いずれの整数mにおいても満たすこと、
を特徴とする透過型表示装置。
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