JP4910946B2 - 光制御シート、面光源装置、透過型表示装置 - Google Patents
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Description
例えば、直下型では、並列の冷陰極管を用いて背面から光を導入するようになっており、冷陰極管とLCD(Liquid Crystal Display)パネル等の透過型表示部との距離を適度に空け、その間に光を拡散する作用を有する拡散板や、光を収束させる作用を有する光学シート等を複数組み合わせて使用していた。
しかし、特許文献1に開示されている三角プリズムを有するフィルムでは、出射角度0度付近の輝度ピークの他に、60〜80度程度の大きな出射角度方向に第2の輝度ピークが存在し、黒表示時に、光の漏れが多くなり、コントラストが損なわれるという問題があった。また、特許文献1に記載されている三角プリズムを有するフィルムでは、垂直方向及び水平方向において、急激な輝度変化が生じてしまうという問題があった。
請求項1の発明は、直下型の面光源装置に設けられ、出射側に突出した形状である単位レンズ(151)が、一次元方向に複数配列された光制御シートであって、前記単位レンズは、シート面に直交かつ前記単位レンズの配列方向に平行な断面での断面形状が非対称な形状であり、前記単位レンズの配列ピッチ(P)の2倍以上である単一の曲率半径を有する面であるn個の大曲率面部(151a,151c,151e)と、前記単位レンズの配列ピッチ以下である単一の曲率半径を有する面である(n−1)個の小曲率面部(151b,151d)とを有し、前記大曲率面部と前記小曲率面部とは、前記断面形状に沿って交互に配置され、n個の前記大曲率面部は、ひとつの大曲率面部と他の大曲率面部との曲率半径とが同一又は異なる値であり、(n−1)個の前記小曲率面部は、ひとつの小曲率面部と他の小曲率面部との曲率半径とが同一又は異なる値であり、nは、3以上の整数であること、を特徴とする光制御シート(15)である。
請求項2の発明は,請求項1に記載の光制御シートにおいて、前記小曲率面部(151b,151d)は、出射側に凸となっていること、を特徴とする光制御シート(15)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の光制御シートにおいて、前記単位レンズ(151)の頂部は、前記小曲率面部(151b)によって形成されていること、を特徴とする光制御シート(15)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、前記小曲率面部(151b,151d)は、隣接する前記大曲率面部(151a,151c,151e)を滑らかに繋げていること、を特徴とする光制御シート(15)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、n=3であり、前記単位レンズ(151)は、前記断面において、前記単位レンズの頂部に対して一方側には、前記大曲率面部を1つ(151a)有し、前記単位レンズの頂部に対して他方側には、前記大曲率面部を2つ(151c,151e)有すること、を特徴とする光制御シート(15)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、前記大曲率面部(151a,151c,151e)は、曲率半径が無限大である平面部であること、を特徴とする光制御シート(15)である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、前記単位レンズ(151)は、熱可塑性樹脂を用いて形成されていること、を特徴とする光制御シート(15)である。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、前記単位レンズ(151)の頂部を形成する前記小曲率面部(151b)の曲率半径をRtとするとき、20μm≦Rt≦80μmであること、を特徴とする光制御シート(15)である。
請求項9の発明は、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の光制御シート(15)と、光を発する光源部(13)と、を備える面光源装置(12,13,14,15,16)である。
請求項10の発明は、請求項9に記載の面光源装置(12,13,14,15,16)と、前記面光源装置によって背面から照射される透過型表示装置(11)と、を備える透過型表示装置(10)である。
(1)本発明による光制御シートは、出射側に突出した形状である単位レンズが、一次元方向に複数配列された光制御シートであって、単位レンズは、シート面に直交かつ単位レンズの配列方向に平行な断面での断面形状が非対称な形状であり、単位レンズの配列ピッチの2倍以上である単一の曲率半径を有する面であるn個の大曲率面部と、単位レンズの配列ピッチ以下である単一の曲率半径を有する面である(n−1)個の小曲率面部とを有し、大曲率面部と小曲率面部とは、断面形状に沿って交互に配置され、n個の大曲率面部は、ひとつの大曲率面部と他の大曲率面部との曲率半径とが同一又は異なる値であり、(n−1)個の小曲率面部は、ひとつの小曲率面部と他の小曲率面部との曲率半径とが同一又は異なる値であり、nは、3以上の整数である。従って、大曲率面部と小曲率面部の曲率半径を適宜調節したり、nの値を適宜選択したりすることにより、光制御シートからの出射光を所望する輝度分布とすることができ、正面輝度の向上や、視野角範囲外の不要な輝度のピークの低減を容易に図ることができる。
図1は、本実施形態の透過型表示装置及び面光源装置を示す図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、個数、形状等は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、特許請求の範囲の記載は、シートという記載で統一して使用した。従って、シート、板、フィルムの文言は、適宜置き換えることができるものとする。例えば、光制御シートは、光制御フィルムとしてもよいし、光制御板としてもよい。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
なお、シート面とは、各シートにおいて、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであり、以下の説明中、及び、特許請求の範囲においても同一の定義として用いている。例えば、光制御シート15では、シート面は、光制御シート15全体として見たときにおける、光制御シート15の平面方向となる面であり、光制御シート15の入射面(発光管13側の面)と平行な面である。
また、理解を容易にするため、以下の明細書中では、垂直方向、水平方向とは、特に断りがある場合を除いて、面光源装置又は透過型表示装置の使用状態における垂直方向、水平方向であるとする。
発光管13は、面光源装置の光源部を形成する発光体である。本実施形態では、発光管13は、冷陰極管を線光源として用いている。なお、図1中には、発光管13は、6本のみ示したが、実際には略20mm間隔で等間隔に18本が並列に並べられている。発光管13の背面には、反射板12が設けられている。
反射板12は、発光管13の乳白板14とは反対側(背面側)の全面にわたって設けられており、背面側へ進む照明光を拡散反射して乳白板14方向(出射方向)へ向かわせ、入射光照度を均一に近付ける働きを有している。
光制御シート15は、乳白板14の出射側に設けられている。この光制御シート15の形状等の詳細については、後述する。
反射型偏光性シート16は、LCDパネル11と光制御シート15との間に配置され、視野角を狭めることなく、輝度を上昇させる偏光分離シートである。本実施形態では、DBEF(住友スリーエム株式会社製)を使用している。
本実施形態の光制御シート15は、出射側(観察面側)の面に、出射側に突出した形状である単位レンズ151が一次元方向に複数配列されている。光制御シート15は、光源から発せられた光を透過し、その出射方向を制御する機能を有する光学シートである。本実施形態では、単位レンズ151の配列方向は、発光管13の並ぶ方向と一致している(図1参照)。
単位レンズ151は、熱可塑性樹脂を用いて形成されおり、本実施形態では、屈折率1.49の透明なポリメタクリル酸メチル(PMMA:Polymethylmethacrylate)樹脂を用いている。
本実施形態では、光制御シート15は、PMMA樹脂を用いて、押し出し成形により形成されている。なお、光制御シート15は、PMMAに限らず、光透過性を有する他の熱可塑性樹脂を適宜選択して使用してもよい。
単位レンズ151は、出射側に突出した形状であり、そのレンズ高さ(単位レンズ151の頂点から単位レンズ151間の谷部の底までの厚さ方向(シート面の法線方向)における寸法)h=40μmであり、単位レンズ151の配列ピッチP=100μmである。
なお、nは、3以上の整数であり、本実施形態では、n=3である。従って、本実施形態の単位レンズ151は、3個の大曲率面部151a,151c,151eと、2個の小曲率面部151b,151dとを有している。
小曲率面部151b,151dは、それぞれ単位レンズ151の配列ピッチP以下の曲率半径を有しており、本実施形態では、2個の小曲率面部151b,151dは、曲率半径が同一の値であり、曲率半径が25μmの曲面である。また、小曲率面部151b,151dは、共に出射側(観察面側)に凸となっている。
大曲率面部151aは、単位レンズ151の頂部に対して垂直方向下側に形成された平面部であり、大曲率面部151aと光制御シート15のシート面に平行な平面とがなす角度α=45°である。
小曲率面部151bは、単位レンズ151の頂部を形成する曲面部であり、出射側に凸となっている。小曲率面部151bは、大曲率面部151aと大曲率面部151cとを滑らかに繋げている。
小曲率面部151dは、大曲率面部151cと大曲率面部151eとを滑らかに繋げる曲面部であり、出射側に凸となっている。
大曲率面部151eは、単位レンズ151の頂部に対して垂直方向上側(すなわち、大曲率面部151aとは反対側)であって、最も垂直方向上側の端部に形成された平面部である。この大曲率面部151eは、光制御シート15のシート面に平行な平面に対して角度γ=65°をなしている。
これに対して、垂直方向における輝度変化は、対称である必要はない。本実施形態のような表示装置は、垂直方向の下方から見ることが殆ど無いので、下方の輝度変化に関しては、急峻な変化として視野角を絞り、正面方向(シート面の法線方向)の輝度を向上させることが要求される。一方、垂直方向上方の輝度変化に関しては、緩やかな輝度変化が望ましく、また、視野角範囲外の不要な輝度のピークを抑える必要がある。
従って、本実施形態では、単位レンズ151の頂部に対して垂直方向下側に大曲率面部151aを形成することにより、正面方向(シート面に対して出射角度0°の方向)付近の輝度を向上させている。
単位レンズ151の頂部に対して垂直方向上側を、シート面に平行な面と45°をなすような平面のみで形成した場合(すなわち、単位レンズ151を対称な形状とした場合)、正面輝度は向上するが、輝度変化が急峻となって視野角が狭くなるうえに、視野角範囲外に不要な輝度のピークが発生する。そのため輝度ムラや黒表示時のコントラストの低下等の表示不良の原因となるという問題があった。
一方、単位レンズ151の頂部に対して垂直方向上側を、円筒面又は楕円筒面等で形成した場合には、輝度変化が緩やかとなり、不要な輝度のピークを低減することができる。しかし、この場合には、単位レンズの配列ピッチを小さくする(ファインピッチとする)と、単位レンズをシート面の法線方向から見たときの円筒面等の曲面部分が占める面積が、平面部分が占める面積よりも大きくなり、平面部分による光の収束効果に比べて曲面部分による光の拡散効果の方が大きくなり、正面輝度の低下を招く場合があるという問題があった。
また、大曲率面部151eと大曲率面部151cと組み合わせることにより、集光作用を有する平面部の面積を割合を増やし、正面輝度の向上を図ることができる。
さらに、小曲率面部151dにより、大曲率面部151cと大曲率面部151eが滑らかに繋がれているので、輝度変化を緩やかなものにできる。
さらにまた、単位レンズ151の頂部は、小曲率面部151bによって形成されているので、輝度変化を緩やかにできる。
例えば、Rt<20μmである場合には、光制御シート15の単位レンズ151側に他の光学シートを重ねた場合に、他の光学シートと光制御シート15とが接する面積が小さくなり、他の光学シートを傷付け易くなったり、単位レンズ151の変形や破損が生じ易くなったりする。また、Rt<20μmである場合には、小曲率面部151bの垂直方向における幅が狭くなり、光制御シート15から出射する光の輝度分布が、急峻に変化する。
また、Rt>80μmである場合には、小曲率面部151bの垂直方向における幅が広くなり、光制御シート15のシート面の法線方向へ出射する光(シート面に対して出射角度0°である光)が減少する等して、面光源装置の正面方向での輝度が十分得られない。
従って、単位レンズ151の頂部を形成する小曲率面部151bの曲率半径Rtは、上記範囲内であることが好ましい。
また、光制御シート15(単位レンズ151)は、熱可塑性樹脂を用いて押し出し成形によって形成できるので、製造が容易である。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態では、大曲率面部151a,151c,151eは、曲率半径が無限大である平面である例を示したが、これに限らず、出射側(観察面側)に凸又は凹となる曲面としてもよい。
また、本実施形態において、3個の大曲率面部151a,151c,151eの曲率半径が同一の値である例を示したが、これに限らず、n個の大曲率面部は、ひとつの大曲率面部と他の大曲率面部との曲率半径とが同一又は異なる値としてもよく、例えば、3個の大曲率面部の曲率半径がそれぞれ異なる値であってもよいし、いずれか2個の大曲率面部が同じ曲率半径であり、残りの大曲率面部とは異なる曲率半径としてもよい。
また、本実施形態において、2個の小曲率面部151b,151dの曲率半径は、ともに25μmであり、同一の値である例を示したが、(n−1)個の小曲率面部は、ひとつの小曲率面部と他の小曲率面部との曲率半径とが同一又は異なる値としてもよく、例えば、小曲率面部151bと小曲率面部151dとの曲率半径が異なっていてもよい。
なお、本実施形態及び各変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態及び各変形形態によって限定されることはない。
11 LCDパネル
12 反射板
13 発光管
14 乳白板
15 光制御シート
151 単位レンズ
151a,151c,151e 大曲率面部
151b,151d 小曲率面部
16 反射型偏光性シート
Claims (10)
- 直下型の面光源装置に設けられ、出射側に突出した形状である単位レンズが、一次元方向に複数配列された光制御シートであって、
前記単位レンズは、シート面に直交かつ前記単位レンズの配列方向に平行な断面での断面形状が非対称な形状であり、
前記単位レンズの配列ピッチの2倍以上である単一の曲率半径を有する面であるn個の大曲率面部と、
前記単位レンズの配列ピッチ以下である単一の曲率半径を有する面である(n−1)個の小曲率面部とを有し、
前記大曲率面部と前記小曲率面部とは、前記断面形状に沿って交互に配置され、
n個の前記大曲率面部は、ひとつの大曲率面部と他の大曲率面部との曲率半径とが同一又は異なる値であり、
(n−1)個の前記小曲率面部は、ひとつの小曲率面部と他の小曲率面部との曲率半径とが同一又は異なる値であり、
nは、3以上の整数であること、
を特徴とする光制御シート。 - 請求項1に記載の光制御シートにおいて、
前記小曲率面部は、出射側に凸となっていること、
を特徴とする光制御シート。 - 請求項1又は請求項2に記載の光制御シートにおいて、
前記単位レンズの頂部は、前記小曲率面部によって形成されていること、
を特徴とする光制御シート。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、
前記小曲率面部は、隣接する前記大曲率面部を滑らかに繋げていること、
を特徴とする光制御シート。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、
n=3であり、
前記単位レンズは、前記断面において、前記単位レンズの頂部に対して一方側には、前記大曲率面部を1つ有し、前記単位レンズの頂部に対して他方側には、前記大曲率面部を2つ有すること、
を特徴とする光制御シート。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、
前記大曲率面部は、曲率半径が無限大である平面部であること、
を特徴とする光制御シート。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、
前記単位レンズは、熱可塑性樹脂を用いて形成されていること、
を特徴とする光制御シート。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、
前記単位レンズの頂部を形成する前記小曲率面部の曲率半径をRtとするとき、20μm≦Rt≦80μmであること、
を特徴とする光制御シート。 - 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の光制御シートと
光を発する光源部と、
を備える面光源装置。 - 請求項9に記載の面光源装置と、
前記面光源装置によって背面から照射される透過型表示装置と、
を備える透過型表示装置。
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