JPH07114107A

JPH07114107A - 背面投射型スクリーン

Info

Publication number: JPH07114107A
Application number: JP5261315A
Authority: JP
Inventors: Hideki Shiba; 英樹柴
Original assignee: Mitsubishi Rayon Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date: 1993-10-19
Filing date: 1993-10-19
Publication date: 1995-05-02

Abstract

(57)【要約】【目的】均一な明るさで、全光線透過率およびゲイン
（Ｇ₀ ）が高く、垂直方向の視野範囲を拡大できるとと
もに、モアレ現象の抑制された優れた画像の得られる背
面投射型スクリーンを提供する。【構成】出射面側にフレネルレンズ３が形成されたフ
レネルレンズシート１と、出射面側に縦方向のレンチキ
ュラーレンズ４が形成されたレンチキュラーレンズシー
ト２から構成さらる背面投射型スクリーンであって、フ
レネルレンズシート１および／またはレンチキュラーレ
ンズシート２の入射面側に、ピッチがフレネルレンズの
ピッチの１／５０〜９／１０である横方向のレンチキュ
ラーレンズ５形成され、該横方向のレンチキュラーレン
ズ５の少なくとも一部が、レンズ断面の一部に円弧状断
面を有する横方向の異形レンチキュラーレンズからなる
背面投射型スクリーン。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プロジェクションテレ
ビやマイクロフィルムリーダー等の画面として用いられ
るフレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシート
から構成される背面投射型スクリーンに関するものであ
り、さらに詳しくは、輝度が高く、モアレ現象が抑制さ
れるとともに、垂直方向の視野範囲の広い背面投射型ス
クリーンに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】背面投写型プロジェクションテレビ等に
おいては、画面の明るさおよび均一性が得られるよう
に、また斜め方向から観察した場合でもある程度の明る
い像が観察できるように、フレネルレンズシートとレン
チキュラーレンズシートから構成されたスクリーンが使
用されている。このような背面投射型スクリーンとして
は、図７に示したように、フレネルレンズシート１のレ
ンズ面３をレンチキュラーレンズシート２側に配置した
透過型スクリーンが一般的に使用されており、その輝度
を高めるとともに広い範囲で映像が観察できるように種
々の工夫がなされている。例えば、水平方向の視野角を
広げるためには、特開昭５７−１６５８３０号公報、特
開昭５７−２０７２３５号公報、特開昭５８−１４５９
３３号公報、特開昭５８−１７６６２８号公報等で提案
されているように、入射光の一部を縦方向のレンチキュ
ラーレンズのレンズの一部で全反射させて観察側に出射
させる等の方法によって達成されている。

【０００３】一方、垂直方向の視野角を広げるために
は、フレネルレンズシート１あるいはレンチキュラーレ
ンズシート２に拡散剤を混入したり、拡散剤層を形成す
る等の方法が行われていた。しかし、このような拡散剤
による拡散では、光を垂直方向にだけ拡散させるもので
はなく、あらゆる方向に光を拡散させるため、垂直方向
の十分な視野角の拡大が図れず、非常に効率が悪いとと
もに、拡散剤の濃度を増加させた場合には全光線透過率
やゲイン（Ｇ₀ ）が低下し輝度やコントラストが低下す
るという問題点を有していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで、特開昭５１−
１００７２３号公報、特開昭５８−１３４６２７号公
報、特開昭５９−４８７４４号公報、特開平４−５３９
９４号公報等には、横方向のレンチキュラーレンズを形
成した第２のレンチキュラーレンズシートを使用した
り、観察側に縦方向のレンチキュラーレンズを形成し、
光源側に横方向のレンチキュラーレンズを形成したレン
チキュラーレンズシートを使用したり、フレネルレンズ
シートの光源側に横方向のレンチキュラーレンズを形成
したりする方法等が提案されており、横方向のレンチキ
ュラーレンズによって光を垂直方向に拡散させ垂直方向
の視野角を広げようとする方法が行われてきている。

【０００５】しかしながら、従来の横方向のレンチキュ
ラーレンズは、そのピッチが数百μｍと比較的大きいた
めに、フレネルレンズの同心円状のレンズ模様との作用
によってモアレ現象が発生したり、レンチキュラーレン
ズの深さがピッチと比較して大きいために、十分な垂直
方向への視野角の拡大が行われない等の問題点を有して
いる。また、スクリーン面全体に一様な横方向のレンチ
キュラーレンズを形成しているために、スクリーン上端
近傍あるいは下端近傍で輝度が低下し、画面が暗くなる
という問題点も有している。そこで、本発明の目的は、
全光線透過率およびゲイン（Ｇ₀ ）が高く、モアレ現象
が抑制され、均一な明るさの画面が得られるとともに、
垂直方向の視野範囲を拡大することのできる背面投射型
スクリーンを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記従来
技術の有する問題点を鑑み、横方向のレンチキュラーレ
ンズの形状について鋭意検討を行った結果、横方向のレ
ンチキュラーレンズを特定のレンズピッチとするととも
に、特定の断面形状の横方向のレンチキュラーレンズを
形成することによって、モアレ現象を抑制でき、均一な
明るさの画面が得られ、垂直方向の視野角を拡大するこ
とができることを見出し、本発明に到達したものであ
る。

【０００７】すなわち、本発明の背面投射型スクリーン
は、フレネルレンズが形成されたフレネルレンズシー
トと、出射面側に縦方向のレンチキュラーレンズが形成
されたレンチキュラーレンズシートから構成される背面
投射型スクリーンであって、フレネルレンズシートおよ
び／またはレンチキュラーレンズシートの入射面側に、
ピッチがフレネルレンズのピッチの１／５０〜９／１０
である横方向のレンチキュラーレンズ形成され、該横方
向のレンチキュラーレンズの少なくとも一部が、レンズ
断面の一部に円弧状断面を有する異形レンチキュラーレ
ンズからなることを特徴とするものである。

【０００８】本発明の背面投射型スクリーンは、図１あ
るいは図２に示したように、出射面側にフレネルレンズ
３が形成されたフレネルレンズシート１と、出射面側に
縦方向のレンチキュラーレンズ４が形成されたレンチキ
ュラーレンズシート２から構成されている。本発明のフ
レネルレンズシート１は、アクリル系樹脂、ポリカーボ
ネート系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、塩
化ビニル系樹脂あるいはこれらの混合樹脂等の光透過性
の良い合成樹脂から構成されており、鋳込み成形法、射
出成形法、加熱プレス成形法あるいは活性エネルギー線
硬化型樹脂を用いる方法等の通常使用されている方法に
よって製造される。フレネルレンズシート１の出射面側
（観察側）には、サーキュラーフレネルレンズ３が形成
されている。サーキュラーフレネルレンズ３は、その中
心をスクリーンの中心と一致させるように配置してもよ
いし、中心をずらすようにして配置してもよい。

【０００９】本発明のレンチキュラーレンズシート２
は、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、オレフ
ィン系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂あるい
はこれらの混合樹脂等の光透過性の良い合成樹脂から構
成されており、押出成形法、鋳込み成形法、射出成形法
あるいは加熱プレス成形法等の通常使用されている方法
によって製造される。レンチキュラーレンズシート２の
出射面側に形成される縦方向のレンチキュラーレンズ４
のレンズ形状は、特に限定されるものではなく、通常使
用されている断面半円状、断面半楕円状等の断面形状を
有するレンチキュラーレンズの形状が使用できる。

【００１０】本発明のレンチキュラーレンズ４として
は、水平方向の視野角を拡大させるためには、レンチキ
ュラーレンズ４を構成する一部または全部のレンズを、
入射光の一部が一旦全反射した後に観察側に出射するよ
うなレンズ形状に設計されたもの、すなわち、図３に示
したように、一般的な断面円形のレンズ６と全反射面８
を有するレンズ７とを交互に配列したものが好ましい。
このようなレンチキュラーレンズ４によれば、レンズ７
に入射した光のうち全反射面８部分に入射した光は全反
射されて円弧状頂面９から左右に広がって出射し、断面
円形レンズ６および円弧状頂面９の部分に入射した光は
一般の断面円形レンズと同様に出射し、これらの出射光
が総合されて中心から相当に広い範囲にわたって視野角
を広げることができるものである。なお、全反射面８の
傾きは使用する材料の屈折率等によって設定でき、例え
ば、アクリル系樹脂板を使用する場合には７０〜８０度
程度の傾きにすればよい。

【００１１】また、本発明のレンチキュラーレンズシー
ト２としては、横方向のレンチキュラーレンズ５をフレ
ネルレンズシート１に形成する場合には、入射面側にも
縦方向のレンチキュラーレンズを形成した両面レンチキ
ュラーレンズシートを使用することもできる。さらに、
画像のコントラストを向上させる目的で、レンチキュラ
ーレンズ４の光不透過部に外光吸収層を形成させること
もできる。また、本発明においては、フレネルレンズシ
ート１のサーキュラーフレネルレンズ３とレンチキュラ
ーレンズシート２の縦方向のレンチキュラーレンズ４に
よるモアレ現象を抑止するために、サーキュラーフレネ
ルレンズ３のピッチを１としたときに、レンチキュラー
レンズ４のピッチがＮ＋０．３５〜０．４３、Ｎ＋０．
５５〜０．７３、１／（Ｎ＋０．３５〜０．４３）また
は１／（Ｎ＋０．５５〜０．７３）の範囲とすることが
好ましい。但し、Ｎは１〜１２の自然数である。

【００１２】上記のようなフレネルレンズシート１およ
びレンチキュラーレンズシート２とから構成される本発
明の背面投射型スクリーンにおいては、フレネルレンズ
シート１およびレンチキュラーレンズシート２の少なく
とも一方の入射面側の少なくとも一部に、レンズのピッ
チ（ｐ）がフレネルレンズのピッチ（ｐ_f ）の１／５０
〜９／１０である横方向のレンチキュラーレンズ５を形
成することを特徴とするもである。このように、横方向
のレンチキュラーレンズ５を形成することにより、入射
した光がまず横方向のレンチキュラーレンズ５で垂直方
向に広げられ、次に縦方向のレンチキュラーレンズ４で
水平方向に広げられることになり、水平方向および垂直
方向の視野角を同時に拡大することができるものであ
る。

【００１３】また、横方向のレンチキュラーレンズ５の
レンズのピッチ（ｐ）をフレネルレンズのピッチ（ｐ
_f ）の１／５０〜９／１０μｍの範囲とすることによっ
て、垂直方向の視野角を十分に広げるとともに、横方向
のレンチキュラーレンズ５とフレネルレンズ３によるモ
アレ現象の発生を抑止でき、モアレ現象のない視野角の
広いスクリーンを提供できるものである。横方向のレン
チキュラーレンズ５のレンズのピッチ（ｐ）がフレネル
レンズのピッチ（ｐ_f ）の９／１０を越えると、フレネ
ルレンズ３との干渉によるモアレ現象の発生が著しくな
り、逆に１／５０では加工が非常に困難になり生産性に
劣るためであり、好ましくはｐ／ｐ_f が１／１０〜４／
５の範囲である。また、横方向のレンチキュラーレンズ
５の加工性やモアレ現象の抑制効果を考慮すると、横方
向のレンチキュラーレンズ５のレンズピッチ（ｐ）は、
１０〜１００μｍの範囲であることが好ましい。

【００１４】さらに、本発明においては、横方向のレン
チキュラーレンズの少なくとも一部が、図４に示したよ
うに、レンズの断面が一部が円弧状断面１１から形成さ
れた断面形状を有する異形レンチキュラーレンズ１０か
らなることを特徴とするものである。円弧状断面１１以
外の断面１２は、楕円弧状等の曲面あるいは直線等の円
弧状以外の断面形状を有するものである。この様に、レ
ンズ断面の一部のみを円弧状断面をすることによって、
入射光の大部分を特定の垂直方向、すなわち有効方向へ
拡散させることにより、輝度の低下を防止することがで
き、スクリーン全体として均一な明るさの画面が得られ
るものである。

【００１５】本発明の背面投射型スクリーンにおいて
は、一部が円弧状の断面形状を有する横方向の異形レン
チキュラーレンズは、スクリーン全体に形成してもよい
し、スクリーンの設置位置等の使用形態によって特定の
一部分に形成してもよい。また、円弧状断面は、光の拡
散方向によってレンズの特定の部分に形成することがで
きるが、通常は上方部分あるいは下方部分に形成したレ
ンズ形状が使用される。さらに、一部が円弧状の断面形
状を有する種々の横方向の異形レンチキュラーレンズお
よび通常の円弧状断面の横方向のレンチキュラーレンズ
の２種以上を組み合わせて形成することもできる。

【００１６】例えば、スクリーン本体が高い位置に設置
され、下方からのみ観察するような場合には、図６に示
したような下方部分のみが円弧状断面１６である横方向
の異形レンチキュラーレンズ１５をスクリーン全体に形
成することによって、入射光の大部分が下方へ拡散され
る。また、スクリーンの前方または下方のみから観察
し、上方からの観察がほとんど行われないような場合に
は、図６に示したような下方部分のみが円弧状断面１６
である横方向の異形レンチキュラーレンズ１５をスクリ
ーン上端近傍に形成し、他の部分には図５に示したよう
な通常の円弧状断面１４の横方向のレンチキュラーレン
ズ１３を形成することによって、スクリーン上端近傍で
の入射光の大部分が下方に拡散され、スクリーン上端近
傍での輝度の低下を防止でき、スクリーン全体として均
一な明るさの画面が得られる。さらに、スクリーンの前
方のみから観察し、上方あるいは下方からの観察がほと
んど行われないような場合には、図６に示したような下
方部分のみが円弧状断面１６である横方向の異形レンチ
キュラーレンズ１５をスクリーン上端近傍に形成し、図
４に示したような上方部分のみが円弧状断面１１である
横方向の異形レンチキュラーレンズ１０をスクリーンの
下端近傍形成し、他の部分には図５に示したような通常
の円弧状断面１４の横方向のレンチキュラーレンズ１３
を形成することによって、スクリーン上端近傍および下
端近傍での入射光の大部分がそれぞれ下方および上方に
拡散され、スクリーン上端近傍および下端近傍での輝度
の低下を防止でき、スクリーン全体として均一な明るさ
の画面が得られる。

【００１７】本発明の横方向のレンチキュラーレンズ５
は、図４〜５に示したように凸状のレンチキュラーレン
ズでもよいし、凹状のレンチキュラーレンズであっても
よい。

【００１８】本発明においては、横方向のレンチキュラ
ーレンズ５は、フレネルレンズシート１あるいはレンチ
キュラーレンズシート２のいずれに形成してもよいが、
フレネルレンズシート１の入射面側に形成した方が、フ
レネルレンズシート１で発生する迷光等を防止して虹等
の発生を防止できるため好ましい。本発明の横方向のレ
ンチキュラーレンズ５の形成は、押出成形法、鋳込み成
形法、射出成形法、加熱プレス成形法あるいは紫外線等
の活性エネルギー線硬化型樹脂を用いた方法等の方法に
よって製造することができる。

【００１９】本発明の背面投射型スクリーンは、上記の
ような横方向のレンチキュラーレンズ５を形成すること
によって、垂直方向への拡散性が付与されるため、光拡
散剤の使用量を減少させることができ、全光線透過率お
よびゲイン（Ｇ₀ ）を高め輝度やコントラストを向上さ
せることができるが、フレネルレンズ３と縦方向のレン
チキュラーレンズ４によるモアレ現象の発生や写り込み
等を抑制する観点から、フレネルレンズシート１あるい
はレンチキュラーレンズシート２の少なくとも一方に
０．５〜３重量％程度の範囲で少量の光拡散剤を混入さ
せることが好ましい。光拡散剤としては、特に限定され
るものではなく公知の拡散剤が使用でき、例えば、シリ
カ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アル
ミナ、酸化亜鉛、ガラス等の無機系微粒子、架橋ポリマ
ー等の有機系微粒子等が挙げられる。また、光拡散剤を
混入する変わりに、あるいはこれと併用して、光拡散剤
を混入する光拡散剤層を形成してもよいし、フレネルレ
ンズシートあるいはレンチキュラーレンズシートの表面
に微細な凹凸を形成してもよい。さらに、光拡散剤の他
に、ティント剤、難燃剤、光安定剤、耐熱劣化防止剤等
の添加剤を必要に応じて添加することができる。

【００２０】

【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。

【００２１】実施例１平均粒径１０μｍのシリカ粉を１重量％含有した、屈折
率１．４９２、厚さ３ｍｍのメタクリル樹脂板を用い
て、その一方の表面に図３に示したようなピッチ０．４
ｍｍの断面円形のレンズ６と、ピッチ０．３ｍｍの全反
射面８を有するレンズ７とを交互に配列した縦方向のレ
ンチキュラーレンズ４を、他面の上端近傍に図６に示し
たようなピッチ８０μｍの下方部分に円弧状断面１６を
有する横方向の異形レンチキュラーレンズ１５、下端部
近傍に図４に示したようなピッチ８０μｍの上方部分に
円弧状断面１１を有する横方向の異形レンチキュラーレ
ンズ１０、他の部分に図５に示したようなピッチ８０μ
ｍの円弧状断面１４の横方向のレンチキュラーレンズ１
４を加熱プレス成形によって形成し、レンチキュラーレ
ンズシート２を得た。一方、屈折率１．４９２、厚さ３
ｍｍのアクリル系樹脂板を用いて、その一方の表面にピ
ッチ０．１３ｍｍのサーキュラーフレネルレンズ３を加
熱プレス成形によって形成したフレネルレンズシート１
を得た。

【００２２】得られたレンチキュラーレンズシート２お
よびフレネルレンズシート１を、図１に示したように、
フレネルレンズシート１をフレネルレンズ３が出射面側
となるように光源側に設置し、レンチキュラーレンズシ
ート２を縦方向のレンチキュラーレンズ４が出射面側と
なるように観察側に設置して１００インチの背面投射型
スクリーンを組み立てた。この背面投射型スクリーン
に、ソニー社製プロジェクターを用いて投射して画像を
観察したところ、垂直方向の視野角が広く、全光線透過
率が５２％、ゲイン（Ｇ₀ ）が４．５で、全体が均一な
明るさの画面が得られた。また、虹、二重像、モアレ現
象もほとんど見られない均一な画面であった。

【００２３】実施例２屈折率１．９４２、厚さ３ｍｍのアクリル系樹脂板を用
いて、その一方の表面にピッチ０．１３ｍｍのサーキュ
ラーフレネルレンズ３を、他面の上端近傍に図６に示し
たようなピッチ８０μｍの下方部分に円弧状断面１６を
有する横方向の異形レンチキュラーレンズ１５、下端部
近傍に図４に示したようなピッチ８０μｍの上方部分に
円弧状断面１１を有する横方向の異形レンチキュラーレ
ンズ１０、他の部分に図５に示したようなピッチ８０μ
ｍの円弧状断面１４の横方向のレンチキュラーレンズ１
４を加熱プレス成形によって形成し、フレネルレンズシ
ート１を得た。一方、平均粒径１０μｍのシリカ粉を１
重量％含有した、屈折率１．４９２、厚さ３ｍｍのアク
リル系樹脂板を用いて、その一方の表面に図３に示した
ようなピッチ０．４ｍｍの断面円形のレンズ６と、ピッ
チ０．３ｍｍの全反射面８を有するレンズ７とを交互に
配列した縦方向のレンチキュラーレンズ４を加熱プレス
成形によって形成しレンチキュラーレンズシート２を得
た。

【００２４】得られたレンチキュラーレンズシート２お
よびフレネルレンズシート１を、図１に示したように、
フレネルレンズシート１をフレネルレンズ３が出射面側
となるように光源側に設置し、レンチキュラーレンズシ
ート２を縦方向のレンチキュラーレンズ４が出射面側と
なるように観察側に設置して１００インチの背面投射型
スクリーンを組み立てた。この背面投射型スクリーン
に、ソニー社製プロジェクターを用いて投射して画像を
観察したところ、垂直方向の視野角が広く、全光線透過
率が５２％、ゲイン（Ｇ₀ ）で、全体が均一な明るさの
画面が得られた。また、虹、二重像、モアレ現象もほと
んど見られない均一な画面であった。

【００２５】比較例１平均粒径１０μｍのシリカ粉を１重量％含有した、屈折
率１．４９２、厚さ３ｍｍのアクリル系樹脂板を用い
て、その一方の表面に図３に示したようなピッチ０．４
ｍｍの断面円形のレンズ６と、ピッチ０．３ｍｍの全反
射面８を有するレンズ７とを交互に配列した縦方向のレ
ンチキュラーレンズ４を、他面に図５に示したようなピ
ッチ８μｍの断面円弧状の横方向のレンチキュラーレン
ズ５を加熱プレス成形によって形成し、レンチキュラー
レンズシート２を得た。一方、屈折率１．９４２、厚さ
３ｍｍのアクリル系樹脂板を用いて、その一方の表面に
ピッチ０．１３ｍｍのサーキュラーフレネルレンズ３を
加熱プレス成形によって形成したフレネルレンズシート
１を得た。

【００２６】得られたレンチキュラーレンズシート２お
よびフレネルレンズシート１を、図１に示したように、
フレネルレンズシート１をフレネルレンズ３が出射面側
となるように光源側に設置し、レンチキュラーレンズシ
ート２を縦方向のレンチキュラーレンズ４が出射面側と
なるように観察側に設置して１００インチの背面投射型
スクリーンを組み立てた。この背面投射型スクリーン
に、ソニー社製プロジェクターを用いて投射し画像を観
察したところ、垂直方向の視野角が広く、全光線透過率
が５２％、ゲイン（Ｇ₀ ）が４．５と明るく、虹、二重
像、モアレ現象もほとんど見られない画面であった。し
かし、スクリーンの前方中央部から観察すると、上端近
傍および下端近傍でやや暗い部分が観察された。

【００２７】

【発明の効果】本発明の背面投射型スクリーンは、特定
範囲のピッチを有する横方向のレンチキュラーレンズの
少なくとも一部を、レンズ断面の一部が円弧状断面であ
る異形レンチキュラーレンズとすることにより、均一な
明るさで、全光線透過率およびゲイン（Ｇ₀ ）が高く、
垂直方向の視野範囲を拡大できるとともに、モアレ現象
の抑制された優れた画像を得ることができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の背面投射型スクリーンの構成の概略を
示す部分斜視図である。

【図２】本発明の背面投射型スクリーンの他の構成の概
略を示す部分斜視図である。

【図３】本発明の縦方向のレンチキュラーレンズの形状
を示す部分断面図である。

【図４】本発明の横方向の異形レンチキュラーレンズの
形状を示す部分断面図である。

【図５】本発明の通常の横方向のレンチキュラーレンズ
の形状を示す部分断面図である。

【図６】本発明の横方向の異形レンチキュラーレンズの
他の形状を示す部分断面図である。

【図７】従来の背面投射型スクリーンの構成の概略を示
す部分斜視図である。

【符号の説明】

１：フレネルレンズシート２：レンチキュラーレンズシート３：フレネルレンズ４：縦方向のレンチキュラーレンズ５：横方向のレンチキュラーレンズ６：断面円形レンズ７：全反射面を有するレンズ８：全反射面９：円弧状頂面１０，１５：横方向の異形レンチキュラーレンズ１３：通常の横方向のレンチキュラーレンズ１１，１４，１６：円弧状断面１２，１７：楕円弧状断面

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】フレネルレンズが形成されたフレネルレ
ンズシートと、出射面側に縦方向のレンチキュラーレン
ズが形成されたレンチキュラーレンズシートから構成さ
れる背面投射型スクリーンであって、フレネルレンズシ
ートおよび／またはレンチキュラーレンズシートの入射
面側に、ピッチがフレネルレンズのピッチの１／５０〜
９／１０である横方向のレンチキュラーレンズ形成さ
れ、該横方向のレンチキュラーレンズの少なくとも一部
が、レンズ断面の一部に円弧状断面を有する横方向の異
形レンチキュラーレンズからなることを特徴とする背面
投射型スクリーン。
【請求項２】横方向のレンチキュラーレンズのピッチ
が１０〜１００μｍであることを特徴とする請求項１記
載の背面投射型スクリーン。