JP4978436B2 - スクリーン及び投射システム - Google Patents

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本発明は、前方のプロジェクタ等の投影装置からの投射光を反射して投影画像を映し出すスクリーン及び当該スクリーンを用いた投射システムに関する。
スクリーンにレンチキュラーレンズを用いるものとして、拡散性をもたせて視野角を拡大させるものが知られており、例えば拡散性を有するために光拡散材を用いるもの(特許文献1参照)や、拡散用の凹凸を設けるものが知られている(特許文献2参照)。また、透過型スクリーンとして、光の拡散を行うために表面層にビーズを配置するもの(特許文献3及び4参照)や、光の入射側と射出側とで光拡散性微粒子の重量濃度を変えているもの(特許文献5参照)が知られている。この他に、スクリーンの中央部に比べ上下端部で光拡散性を大きくするものが知られている(特許文献6参照)。
特開平4−322240号公報 特開平4−297640号公報 特開平4−282625号公報 特開平1−161328号公報 特開平5−61120号公報 特開平8−334837号公報
しかしながら、前方のプロジェクタ等の投影装置からの投射光を反射して投影画像を映し出す反射型のスクリーンの使用において、スクリーンの中心位置から離れた周辺側に行くほど投影装置からの入射光に角度がつく。このため、スクリーンの周辺側に入射した光は、より外側に反射・拡散されるものとなる。この場合、特にスクリーンの左右方向についての周辺側で反射・拡散された光は、より外側のスクリーンの観察者のいない方向に反射・拡散してしまい有効に利用されないという問題がある。
また、別の問題として、反射型のスクリーンの使用において、不要光である外光の一部がスクリーンの観察者のいる方向へ反射されてしまう可能性があり、反射された外光が投影画像のコントラスト低下を生じさせる原因となる可能性がある。
そこで、本発明は、外光による影響を低減し、明るい部屋等での投影画像のコントラストを改善でき、さらに、スクリーンの周辺側のうち特に左右方向の周辺側について、投射光を有効に利用することができるスクリーン及び投射システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るスクリーンは、(a1)複数のシリンドリカルレンズを各シリンドリカルレンズの長手方向に対して垂直方向に配列することにより表面を形成するとともに、(a2)垂直方向に対して傾斜した底面を有する溝を複数のシリンドリカルレンズの裏側に長手方向に沿って有する(a)レンチキュラーレンズと、(b1)底面に塗布され、(b2)光を散乱させる散乱成分を含むとともに入射した光を再び入射方向に反射させる回帰性を有する回帰成分を含み、(b3)レンチキュラーレンズの中心位置から長手方向に沿って離れるに従って回帰成分を多く含む、(b)散乱材とを備える。ここで、「回帰性」とは、入射した光が再び入射方向へ帰る反射現象を指し、通常の反射のように入射角と反射角が等しくなるものとは異なり、受けた光をそのまま光の発生側にはね返す再帰反射性を意味する。
まず、上記スクリーンでは、複数のシリンドリカルレンズの裏側に設けた溝が配列方向に対して傾斜した底面を有し、当該底面に散乱材を塗布する構造を有することで、スクリーンに入射する投射光を適切に散乱した状態で反射することができる。また、この際、外光による影響を低減することも可能であり、明るい部屋等での投影画像のコントラストを改善できる。さらに、上記スクリーンでは、散乱材に含まれる散乱成分により光を散乱させるとともに、回帰成分によりスクリーンに入射した光を再び入射方向に反射させる回帰性を有し、特に、散乱材がレンチキュラーレンズの中心位置即ちスクリーンの中心位置から長手方向に離れるに従って散乱成分に対して回帰成分を多く含む。つまり、散乱材がスクリーンの左右方向についての周辺側により多くの回帰成分を含むので、周辺側により強い回帰性が生じ、スクリーンの左右方向についての周辺側に投射される光を正面側に戻す傾向が生じ、投射光を有効に利用することができる。
また、本発明の具体的な態様として、散乱材は、底面の長手方向の位置に応じて塗布される厚さを変えることにより回帰成分による回帰性を調整する。この場合、底面の位置に応じて塗布される散乱材の厚さが異なることで、回帰性を調整することができる。より具体的には、例えばレンチキュラーレンズの中心位置から長手方向に離れる側即ちスクリーンの周辺側ほど散乱材を厚く塗ることで、スクリーンの単位面積当たりの回帰成分の量を増やして回帰性を強くすることができる。
また、本発明の具体的な態様として、散乱材は、底面の長手方向の位置に応じて回帰成分の含有率を変えることにより回帰成分による回帰性を調整する。この場合、底面の位置に応じて回帰成分の含有率が異なることで、回帰性を調整することができる。より具体的には、例えばレンチキュラーレンズの中心位置から長手方向に離れるに従って、段階的に回帰成分の含有率即ち濃度が大きくなる散乱材を用いて塗布することで、回帰性を調整することができる。
また、本発明の具体的な態様として、回帰成分が、略球形の透過性ガラスビーズである。この場合、透過性ガラスビーズが球形のレンズとして作用することにより、入射する光を再帰反射して入射再び入射方向へ戻すことができる。
また、本発明の具体的な態様として、スクリーンは、レンチキュラーレンズの裏側のうち、少なくとも散乱材の塗布された底面の周囲に、光吸収性素材をさらに有する。この場合、光吸収性素材により、外光等の不要光を吸収させて高コントラストな画像を形成することができる。
また、本発明の具体的な態様として、光吸収性素材が、散乱材の塗布された底面を除いたレンチキュラーレンズの裏側一面に配置される。この場合、よりコントラストの高い画像を形成することができる。
また、本発明の具体的な態様として、レンチキュラーレンズが、表面に反射防止コートを有する。これにより、スクリーン表面での反射を防止することができる。
また、本発明の具体的な態様として、レンチキュラーレンズが、ロール巻き取り可能となっており、ロールする軸の方向に沿って複数のシリンドリカルレンズの長手方向を配置した構造を有する。これにより、スクリーンをロールして収納した際に、複数のシリンドリカルレンズ間の境界部分が主に曲がるため、シリンドリカルレンズの本体部分の変形量を少なくすることができる。
また、本発明の具体的な態様として、本発明に係る投射システムは、(a)上記いずれかに記載のスクリーンと、(b)スクリーンに投影画像を投射する画像投射装置とを備える。この場合、上記スクリーンを用いることにより、投射システムは、投射光を有効に利用でき、また、外光による影響を低減し、明るい部屋等での投影画像のコントラストを改善できる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係るスクリーンについて図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係るスクリーンを模式的に示した側断面図である。また、図2(a)及び2(b)は、それぞれスクリーンの表側及び裏側の状態を模式的に示す図である。図3は、スクリーン全体及び使用状態を説明する図である。本実施形態のスクリーン10は、反射型のスクリーンであり、レンチキュラーレンズ1と、レンチキュラーレンズ1の裏面側に局所的に塗布される散乱材2と、散乱材2が塗布されたレンチキュラーレンズ1の裏面全体に塗布される光吸収膜3とを備える。
レンチキュラーレンズ1は、図1及び図2(a)に示すように、x方向に延びる多数のシリンドリカルレンズCLを長手方向に対して垂直なy方向に配列して連ねることにより全体としてxy面に平行に広がる表面10aを構成している(図3参照)。つまり、これらシリンドリカルレンズCLは、スクリーン10の表面10aを構成すべく2次元的に配置されている。各シリンドリカルレンズCLは、投射光PLを入射させて集光させるとともに、スクリーン10の内部で散乱・反射された投射光PLを所定の発散角で射出させる。また、レンチキュラーレンズ1の裏面側には、図1及び図2(b)に示すように、各シリンドリカルレンズCLの長手方向即ちx方向に沿って断面楔形の溝GTが形成されている。つまり、図1に示すように、溝GTのyz断面の形状は、各シリンドリカルレンズCLの配列されたy方向に対して略垂直な側面SSと、傾斜した底面BSとによって画定されている。底面BSは、各シリンドリカルレンズCLで集光されて斜め上方向に傾いて入射する投射光PLを正面方向即ち+z方向に反射する傾向を高めるべく、図示の例ではz方向に対して一律に所定の傾斜角度α1で傾いている。
散乱材2は、原料となるインクを各シリンドリカルレンズCLの溝GTに充填し、少なくとも底面BSをくまなく覆うように塗布することで形成されている。散乱材2は、散乱成分を主成分として含む材料からなり、底面BSから入射する光を+z方向に反射する際、上下方向即ちy方向に関して傾きのない適当な分散特性で散乱させた状態とする。これにより、近接した下方からスクリーン10に入射した投射光PLを正面に導く効果を生じさせることができる。散乱成分としては、例えば、硫酸バリウムまたは硫酸バリウムに白色の反射性インク(例えば白色のパール系インク)を混ぜたもの等を用いる。さらに、散乱材2には、散乱成分である硫酸バリウム、反射性成分であるパール系インクに、回帰成分である透過性ガラスビーズTBが添加されている。透過性ガラスビーズTBは、略球形であり、入射した光を球状のビーズ内部で反射させることで入射方向に逆行する方向に反射させる回帰性の反射特性を示す。散乱材2は、これらの散乱成分及び回帰成分を含有することにより、散乱性によって適度に散乱された状態の射出光を形成するとともに、回帰性によって入射光に対する光の射出方向を調整する。さらに、散乱材2は、後に詳述するが、各シリンドリカルレンズCLの中心位置を基準として長手方向即ちx方向に沿って離れるに従って、回帰成分の量が増加するように調整されている。これにより、スクリーン10の左右両側に入射した投射光PLを正面に戻す効果を生じさせることができる。
光吸収膜3は、散乱材2を充填した後、レンチキュラーレンズ1の裏面側全体に光吸収性を有する材料を塗布することで形成される。光吸収膜3は、外光等の不要光を吸収させる。
図3に示すように、投影装置等の有する投射レンズPOの投射光源点Sから投射光PLがスクリーン10上に投射されることにより、画像投影がなされる。投射光源点Sは、スクリーン10に近接した下方位置に設置されている。また、ここでは、図のように、投射光PLのスクリーン10の中心位置Oに入射する光束軸AXが投射角度αとなっており、投射光源点Sからスクリーン10までの距離が投射距離dとなっている状態で、下方から上方に向けて投射されている。図3に示すような所謂フロント投射型の場合、スクリーン10は、中心位置Oを中央位置の基準として光学的な設計がなされている。ここで、投射光PLの光束軸AXは、中心位置Oを通ってスクリーン10の水平方向即ちx方向に延びる軸HXと垂直に交わるものとなっている。図3のような場合、左右方向即ちx方向については、スクリーン10上で中心位置Oを通り軸HXと垂直に交わりy方向に延びる軸LXを基準として、軸LXから離れて周辺側に行くほど投射光PLに角度がつきやすくなる。特に、近接投射を行う場合即ち投射距離dの値が小さい場合、例えば図3に示すような周辺側に入射する投射光PLの入射角度βが大きくなる。このため、スクリーンの左右方向の周辺側に入射した投射光PLは、スクリーン10上でより外側に反射され、スクリーン10の前方即ちスクリーン10正面の+z方向側にいる観察者の視野から外れた方向に投射光PLが反射されてしまう傾向があるが、本実施形態では、このような傾向を抑えることによって比較的見やすい画像を表示できるようにしている。
以下、図1に戻って、スクリーン10での投影画像の形成について説明することにより、スクリーン10の構造を詳しく説明する。画像投射装置といった投影装置等から射出された投射光PLは、上述のように、標準的な投射角度αを中心としてスクリーン10に形成された複数のシリンドリカルレンズCLのレンズ表面11aから入射する。入射した投射光PLは、各シリンドリカルレンズCLにより裏面側の底面BSに集光される。ここで、底面BSの傾斜角度α1は、シリンドリカルレンズCLの集光によって方向を変えられた投射光PLの底面BSでの標準的な入射角度の半分と略等しくなるように設計されている。この場合、例えば底面BSにおける入射角度が傾斜角度α1の2倍に等しい状態で入射した投射光PLが通常+z方向に正反射されることになる。従って、投射光PLの底面BSでの標準的な入射角度が傾斜角度α1の略2倍となるようにすることで、底面BSに入射する投射光PLを正面方向即ち+z方向に反射する傾向を高めるものとなる。また、投射光PLは、底面BSにおいて、底面BSに塗布された散乱材2の散乱成分によって適度に散乱されて底面BSから射出される。さらに、散乱材2の回帰成分である透過性ガラスビーズTBに入射した光は、回帰性の反射特性により、入射方向に逆行する向きに反射される。このようにして底面BSから射出された投射光PLは、シリンドリカルレンズCLにより適度な発散角に広げられてスクリーン10から射出される。以上により、スクリーン10に入射した投射光PLによる投影画像は、正面方向即ち+z方向に反射する傾向を保ちつつも散乱の効果により適度な視野角特性を有し、かつ、シリンドリカルレンズCLの周辺側においては、回帰性の反射特性により反射方向をスクリーン10の正面側に偏らせるよう調整されたものとなる。
一方、画像投影には不要である外光OLを発生する照明光等は、例えば室内の天井側に設置されて室内を照明する場合が多い。このように、上方から投射される外光OLは、そのほとんどが、スクリーン10のうち、溝GTの側面SS或いは光吸収膜3が露出した部分に入射する。溝GTの側面SSに入射する外光OLは、側面SSの角度から観察者のいるスクリーン10の前方に向かうことなく反射等され、また、光吸収膜3に入射する外光OLも、スクリーン10の前方に向かうことなく吸収される。
なお、レンチキュラーレンズ1の表面を構成する複数のシリンドリカルレンズCLの表面には反射防止コートであるARコートCTが施されている。これにより、光の反射を防止している。
また、スクリーン10は、図2(a)及び2(b)において示す矢印AWの方向にロール巻き取り可能となっている。この場合、レンチキュラーレンズ1の各シリンドリカルレンズCL間を繋ぐ境界部分BPが主に曲がることでシリンドリカルレンズCLそのものはあまり変形することなくスクリーン10をロールして収納することができる。
図4(a)及び4(b)は、散乱材2に含まれる回帰成分である透過性ガラスビーズTBの特性について説明するための図である。上述のように、透過性ガラスビーズTBは、略球状である。球の対称性により、透過性ガラスビーズTBの内部に入射した光は、透過性ガラスビーズTB内で反射して、進行方向が入射したときの方向と反対向きとなった状態で透過性ガラスビーズTBから射出される回帰性の反射をする。従って、図4(a)に示すように、散乱材2が塗布された領域のうち、より多くの透過性ガラスビーズTBが存在する領域FPに入射する投射光PLは、通常の反射とは異なる回帰性の反射がより多く生じる。つまり、領域FPに入射した投射光PLの返り光RLは、通常の反射とは異なり、投射光PLが入射してきた方向に逆行して戻っていく成分が多くなる。一方、透過性ガラスビーズTBが少ない領域CPに入射した投射光PLの返り光RLは、透過性ガラスビーズTBに入射することなく通常の反射をする成分が多くなる。
図4(b)は、スクリーン10の一部を示す図であり、レンチキュラーレンズ1のうちシリンドリカルレンズCL1つ分を取り出して示したものである。スクリーン10では、各シリンドリカルレンズCLの中央付近を図4(a)に示す透過性ガラスビーズTBが少ない領域CPとし、シリンドリカルレンズCLの長手方向の周辺側を図4(a)に示すより多くの透過性ガラスビーズTBが存在する領域FPとしている。つまり、図1等における散乱材2は、レンチキュラーレンズ1の中心位置から長手方向に沿って離れるに従って透過性ガラスビーズTBを多く含む状態となっている。具体的には、透過性ガラスビーズTBの含有量は、図3の鉛直軸VLから±x方向に離れる距離に応じて比例的に単調増加する。これにより、スクリーン10の左右方向についての周辺側ではより強い回帰性の反射が生じるものとなっている。
図5(a)及び5(b)は、散乱材2の一例として用いる透過性ガラスビーズTBを含むインクの性質について説明する図である。図5(a)は、透過性ガラスビーズTBを含むインクの回帰性を示す図であり、図5(b)は、透過性ガラスビーズTBを含まないインク(つまり、散乱成分のみ含有)による比較例である。いずれも、入射角度に対する光の回帰性について示す分布図であり、図5(a)と図5(b)とを比較して分かるように、透過性ガラスビーズTBを含むインクの回帰性はいずれの入射角度に対しても大きいが、透過性ガラスビーズTBを含まないインクの回帰性は入射角度依存性が高い。従って、例えば、図中白矢印の方向から光が入射すると、図5(a)の透過性ガラスビーズTBを含む場合では回帰性の高い反射を示すが、図5(b)の透過性ガラスビーズTBを含まない場合では図中黒矢印で示すような通常の反射をする成分が多くなる。散乱材2に含まれる透過性ガラスビーズTBの量を調整することで、回帰性の度合いを調整することができる。
図6(a)及び6(b)は、本実施形態の変形例について説明するための図であり、それぞれスクリーン10の中央付近での側断面と周辺側での側断面とを模式的に示す図である。図6(a)及び6(b)を比較して分かるように、底面BSに塗布される散乱材2の厚さがスクリーン10の中央位置では、周辺側よりも薄くなっている。ここでは、特に、散乱材2の厚さは、スクリーン10の中央付近から周辺側に行くに従って連続的に厚くなっていく構造となっている。これにより、散乱材2の含有量が中央位置から周辺側に向かうに従って徐々に増加している。従って、透過性ガラスビーズTBの量も、スクリーン10の中央位置から周辺側にかけて多くなっていく。この場合、スクリーン10において、左右方向についての周辺側ではスクリーン10の単位面積当たりの回帰成分の量が増えるので、より強い回帰性の反射が生じるものとなっている。
なお、ここで、本変形例におけるスクリーン10の製法について説明すると、散乱材2は、レンチキュラーレンズ1を成形した後に、レンチキュラーレンズ1の溝GTに沿って回帰性インクをスプレーすることで塗布される。図6(a)及び6(b)に示した例について、当該塗布による散乱材2の充填の際、例えばスプレーにより一定の割合でインクを射出しながら溝GTに沿ってx方向にインクを吹き付けて塗布していくのであれば、溝GTの中央付近を通過するときはスプレーの移動を相対的に早くし、周辺側に向かうほどスプレーの移動を遅くすることにより、散乱材2の充填量を加減して散乱材2の厚さを調整することができる。このようにスプレーの移動のスピードを連続的に変化させて、例えば散乱材2の厚さの分布を溝GTの中央からの距離や、投射光PLの入射角度に応じて比例させることができる。なお、散乱材2の充填量が少ない中央付近では、溝GTが散乱材2だけでは埋まらない場合もある。この場合、例えば図6(a)に示すように、散乱材2の裏側に光吸収膜3と同等の光吸収性を有する材料3aを塗布すればよい。
以上のように、本実施形態に係るスクリーン10では、まず、底面BSがz方向に対して傾斜角度α1で傾いていることにより、下方からの投射光PLを観察者側へ正反射させることができるとともに、側面SSや光吸収膜3により上方からの外光OLは観察者側へは反射させず、明るい部屋等での使用においても、コントラストの高い画像を形成することができる。さらに、スクリーン10の上下方向即ちy方向について、底面BSでの散乱材2の散乱効果により投射光PLを適当な分散特性で散乱された状態として観察者側へ射出させることができる。以上に加えさらに、スクリーン10の左右方向即ちx方向について、散乱材2における透過性ガラスビーズTBの含有量を鉛直軸VLから±x方向に離れる距離に応じて比例的に単調増加することにより、投射光PLに適度な回帰性をもたせている。これにより、スクリーン10の周辺側に入射する投射光PLがより外側のスクリーンの観察者のいない方向に向かってしまうという状態を回避し、投射光PLを有効に利用することができる。
〔第2実施形態〕
図7は、第2実施形態のスクリーンについて説明するための図である。図7は、本実施形態に係るスクリーン110の裏面を模式的に示した図であり、各シリンドリカルレンズCLに対応して形成された溝GTに塗布された散乱材2の状態を示している。なお、本変形例のスクリーン110は、散乱材2の構成を除いて図1等のスクリーン10と同等であるから、散乱材2の構成以外の構成については図示及び詳しい説明を省略する。
本実施形態のスクリーン110において、散乱材2として、回帰成分の濃度が異なる4種類のインクを用いて散乱材2の含有量を段階的に変化させている。つまり、散乱材2は、各シリンドリカルレンズCLの長手方向の位置に応じて回帰成分の含有率を変え、これにより回帰性を調整している。散乱材2の塗布される溝GTは、当該4種類のインクによって7つの領域に塗り分けられている。以下、より具体的に説明すると、まず、回帰成分の濃度は、濃度が最も低いものから最も高いものまでの4種類がある。一方、溝GTは、これら4種類のインクの塗り分けにより図7のように縦に7つの領域に区分されている。つまり、溝GTは、中央付近である領域C1と、領域C1の左右について両隣の2領域である領域L1、R1と、領域L1、R1それぞれの周辺側に位置する2領域である領域L2、R2と、最も端の2領域である領域L3、R3の7つの領域に塗り分けられている。溝GTの7つの領域C1、R1〜R3、L1〜L3のうち、中央付近の領域C1には回帰成分の濃度が最も低いインクが塗布されており、領域L1、R1には2番目に濃度の低いインクが塗布されており、領域L2、R2には3番目に濃度の低いインクが塗布されており、領域L3、R3には回帰成分の濃度の最も高いインクが塗布されている。これにより、スクリーン10の左右方向について周辺側ほど回帰性の強いインクが塗布された状態となる。
〔第3実施形態〕
第3実施形態では、本願発明のスクリーンを用いた投射システムについて説明する。図8は、本実施形態に係る投射システムの一例を示す図であり、第1及び第2実施形態のスクリーン10、110に画像投射装置としてプロジェクタを用いた場合の投射システムを示している。図8において、プロジェクタ100は、プロジェクタ本体50と、投射レンズ20と、反射ミラーRMとを備える。なお、プロジェクタ100の各機構は、筐体SC内に収容されている。なお、ここでは、スクリーン10(110)及びプロジェクタ100の設置環境として、室内に天吊りされた照明装置200により、上方からの外光OLによる照明がなされており、プロジェクタ100は、スクリーン10の下方から投射を行うものとする。
プロジェクタ50での制御により形成された画像光は、投射レンズ20から射出され、さらに、反射ミラーRMでの反射により、所望の角度が付けられた状態でプロジェクタ100からの投射光PLとして射出される。従って、この場合、プロジェクタ100は、スクリーン10(110)の法線に対して投射光PLの光束軸が傾いた斜め投射が行われる。スクリーン10(110)に投射された投射光PLは、上述したようにスクリーン10(110)上で反射される。この際、上述したように、投射光PLの投射角度に対応してスクリーン10(110)が構成されているため、投影される画像は、外光OLによる影響を低減し、明るい部屋等での投影画像のコントラストを改善できるだけでなく、さらに、スクリーン10(110)の周辺側のうち特に左右方向の周辺側について、投射光PLを有効に利用することができる。
なお、この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
まず、散乱材2に用いる回帰成分として透過性ガラスビーズを用いているが、回帰性を有する材料であれば、透過性ガラスビーズ以外のものであってもよく例えば、透過性樹脂による球状のビーズを用いてもよい。また、透過性ガラスビーズの大きさも種々のものを用いることができる。また、散乱成分も硫酸バリウムに限らず適度な散乱作用を示すものであればこれ以外のものであってもよい。さらに、反射成分もパール系に限らず適度な反射作用を示すものであればこれ以外であってもよい。
また、上記第2実施形態において、4種類の濃度の異なる回帰性インクを用いて7つの領域に塗り分けているが、回帰性インクによる塗り分けは、これに限らず例えばもっと多くの濃度の段階分けを行い、さらに細かく塗り分けをしてもよい。また、塗り分けられる領域のうち、中央付近については、回帰性成分を含まなくてもよく、例えば、図7の領域C1には散乱成分のみを有するインクを用いて散乱材2を形成してもよい。
また、上記の実施形態では、回帰成分を含む散乱材のインクを塗布することにより散乱材2を形成しているが、散乱材2は、インク以外にも、例えば回帰性を有する散乱シートを底面BSに貼り付けることにより形成してもよい。
また、光吸収膜3は、レンチキュラーレンズ1の裏面側全体を覆うものとしているが、例えばコントラストをあげるために、散乱材2の塗布された底面BSの周囲等部分的に施すといった必要に応じて設けるものとしてもよい。
また、上記実施形態において、溝GTのピッチについては特に規定していないが、スクリーン10(110)の垂直方向についての溝GTのピッチを投射光PLの入射角度等に応じて変化させてもよい。この場合、さらに、各溝GTにおいて、塗布する散乱材2の厚さや濃度の変化の度合いを変えてもよい。
また、上記実施形態において、底面BSの傾斜角度α1は一律であるものとしているが、これについてもスクリーン10(110)の溝GTごとに傾斜角度が異なっていてもよい。
上記実施形態では、一般的な投影装置等の使用環境を考慮して、投射光PLについての光束軸AXの方向が下方からであり、これに対応してレンチキュラーレンズ1の底面BSの形状等を構成しているが、投射光PLが下方以外の場合には、これに応じて、レンチキュラーレンズ1の構成を異なるものとしてもよい。つまり、例えば、プロジェクタからの投射がスクリーンの側方からなされる場合には、底面BSの傾きを投射光PLの入射方向に対応させて変更してもよい。また、正面投射の場合にも適用可能であり、この場合、底面BSに傾きを設けることなくz方向に対して垂直に配置することで、投射光PLを正面方向即ち+z方向に反射する傾向を高めることができる。
第1実施形態に係るスクリーンを模式的に示した側断面図である。 (a)、(b)は、スクリーンの表面及び裏面を説明する図である。 投影装置等からスクリーンへの投射について説明する図である (a)、(b)は、散乱材の回帰成分の特性について説明するための図である。 (a)、(b)は、回帰成分の特性についての比較のための図である。 (a)、(b)は、第1実施形態の一例について説明するための図である。 第2実施形態に係るスクリーンについて説明するための図である。 第3実施形態に係る投射システムについての模式図である。
符号の説明
10、110…スクリーン、 1…レンチキュラーレンズ、 2…散乱材、 3…光吸収膜、 CL…シリンドリカルレンズ、 GT…溝、 BS…底面、 TB…透過性ガラスビーズ、 100…プロジェクタ、 200…照明装置

Claims (9)

  1. 複数のシリンドリカルレンズを各シリンドリカルレンズの長手方向に対して垂直方向に配列することにより表面を形成するとともに、前記垂直方向に対して傾斜した底面を有する溝を前記複数のシリンドリカルレンズの裏側に前記長手方向に沿って有するレンチキュラーレンズと、
    前記底面に塗布され、光を散乱させる散乱成分を含むとともに入射した光を再び入射方向に反射させる回帰性を有する回帰成分を含み、前記レンチキュラーレンズの中心位置から長手方向に沿って離れるに従って前記回帰成分を多く含む散乱材と
    を備えるスクリーン。
  2. 前記散乱材は、前記底面の前記長手方向の位置に応じて塗布される厚さを変えることにより前記回帰成分による回帰性を調整する、請求項1記載のスクリーン。
  3. 前記散乱材は、前記底面の前記長手方向の位置に応じて前記回帰成分の含有率を変えることにより前記回帰成分による回帰性を調整する、請求項1記載のスクリーン。
  4. 前記回帰成分は、略球形の透過性ガラスビーズである、請求項1から請求項3までのいずれか一項記載のスクリーン。
  5. 前記レンチキュラーレンズの裏側のうち、少なくとも前記散乱材の塗布された前記底面の周囲に、光吸収性素材をさらに有する、請求項1から請求項4までのいずれか一項記載のスクリーン。
  6. 前記光吸収性素材は、前記散乱材の塗布された前記底面を除いた前記レンチキュラーレンズの裏側一面に配置される、請求項5記載のスクリーン。
  7. 前記レンチキュラーレンズは、表面に反射防止コートを有する、請求項1から請求項5までのいずれか一項記載のスクリーン。
  8. 前記レンチキュラーレンズは、ロール巻き取り可能となっており、ロールする軸の方向に沿って前記複数のシリンドリカルレンズの長手方向を配置した構造を有する、請求項1から請求項7までのいずれか一項記載のスクリーン。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一項記載のスクリーンと、
    前記スクリーンに投影画像を投射する画像投射装置と
    を備える投射システム。
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