JP2006330057A - 反射式スクリーン - Google Patents

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和次 林
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Abstract

【課題】暗室および明室のいずれにおいても、かつ低輝度のプロジェクターによっても、視認性が高く、特に鮮明度、彩度の高いカラー画像を得ることのできる反射式スクリーンを提供する。
【解決手段】光反射層を有する基材と、該基材の光反射層上に積層された微小貫通孔を有する層とからなる反射式スクリーンであって、該微小貫通孔の平均開口面積が400〜4000平方ミクロンメートルであり、かつ該微小貫通孔の個数が1平方ミリメートルあたり800個〜50個であることを特徴とする反射式スクリーン。
【選択図】図1

Description

本発明は、オーバーヘッドプロジェクター(OHP)、スライド、映写機などのプロジェクターから投影された映像を反射光として映し出す反射式スクリーンに関する。
従来より、このような反射式スクリーンとしては、反射層として白色度を上げて表面の画像視認性を上げたものや、乱反射を防ぐ艶消しタイプのものや、光再帰反射特性を有するガラスビーズ、プラスチックビーズなどの微小球体を使用したものが提案されている。
しかし、これらのものは、投影される周囲の明るさに影響され、暗室では比較的コントラストがあり視認性の高い映像を得ることができるが、明室では急激にコントラストが低下して視認性の低い映像になっていた。またこれら欠点を補う方法として高輝度プロジェクターも提案されているが、高価である。
さらに、光反射層/光拡散層/遮光層(遮光層は光透過部と遮光部の混在パターンからなり、遮光部は黒色に着色されている)からなる3層構造の反射式スクリーンも提案され(特許文献1参照)、明るい環境下での投影においてコントラストに優れるとされているが、光拡散層において反射光が拡散されるので、やはり明室におけるコントラストが低下して好ましくなかった。
特開2004−61521号公報
本発明は、従来技術における前記の問題点を解決して、暗室および明室のいずれにおいても、かつ低輝度のプロジェクターによっても、視認性が高く、特に鮮明性、彩度の高いカラー画像を得ることのできる反射式スクリーンを提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、光反射層の上に微小貫通孔を有する層を積層した構成とし、微小貫通孔により投影光の反射量を調整することによって、反射画像のコントラストが向上されることを見出し、それに基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、光反射層を有する基材と、該基材の光反射層上に積層された微小貫通孔を有する層とからなる反射式スクリーンであって、該微小貫通孔の平均開口面積が400〜4000平方ミクロンメートルであり、かつ該微小貫通孔の個数が1平方ミリメートルあたり800個〜50個であることを特徴とする反射式スクリーンを提供する。
さらに、本発明は、微小貫通孔を有する層が白色度50%以上の白色に着色されてなる前記の反射式スクリーンを提供する。
本発明においては、前記のように、光反射層の上に微小貫通孔を有する層を積層した構成とし、微小貫通孔により投影光の反射量を調整することによって、反射画像のコントラストが向上されることが見出された。
スクリーンへの投影光をそのまま反射層で反射させると、鏡に投影することと同じで、光量が多く強い反射光により視認性が著しく悪くなる。また反射層の表面を粗面化することにより反射量を調整する方法もあるが、これは全体的な反射光の光量が低下して画像性が悪くなる。
本発明においては、光反射層の上に微小貫通孔を有する層を積層した構成により、光反射層への入射光を抑えると共に、反射光が微小な面積である貫通孔部分からの反射であるため、微小貫通孔の部分での単位面積当りの反射光量は多くても、ある一定の面積を有する微小貫通孔を単位面積当り一定の数量で実質的に規則的に配置することにより、見る者にとって極めてコントラストが高く見えることが見出された。これは微小貫通孔を有する層の貫通孔の無い部分における反射画像と貫通孔からの反射光による画像がうまく合成されてコントラストを高めて視認性を向上するものと推察される。
本発明においては、光反射層上に、平均開口面積が400〜4000平方ミクロンメートルである微小貫通孔を、1平方ミリメートルあたり50個から800個有する層を設けることにより、投影光である入射光が微小貫通孔を通過して反射層で反射される光量と、微小貫通孔を有する層において貫通孔の無い部分において反射する光量のバランスを適宜調整させて反射画像を得ることによって、高コントラストで、鮮明性、彩度も高く視認性の極めて良好な投影画像を得ることができる。
本発明の反射式スクリーンは、光反射層を有する基材と、該基材の光反射層上に積層された微小貫通孔を有する層とからなる反射式スクリーンであって、該微小貫通孔の平均開口面積が400〜4000平方ミクロンメートルであり、かつ該微小貫通孔の個数が1平方ミリメートルあたり800個〜50個であることを特徴とする。
以下、図面に基づいて本発明の反射式スクリーンを説明する。
図1は本発明の反射式スクリーンの一実施例を示す概略部分断面図である。図2は本発明の反射式スクリーンに用いる多孔フィルムを示す一部切欠斜視図である。図3〜5は多孔フィルムの製造方法の一実施例を示す説明図である。
図1において、1は反射層2を有する基材であり、反射層2の側に接着剤層または粘着剤層3を介して微小貫通孔6を有する層4が積層されている。微小貫通孔6を有する層4は、図2に示されるように、熱可塑性樹脂合成フィルム5に微小貫通孔6を有するフィルム(以下、多孔フィルム4という場合がある)である。
本発明で使用する多孔フィルム4は、たとえば、図3に示されるように、多数の同一形状の微小凸部11を表面に有する型押しロール10と、平滑な表面を有する支承ロール12との間に熱可塑性合成樹脂フィルム5を通し、エンボス加工を施すことにより、図4に示されるように、熱可塑性合成樹脂フィルム5に多数の微小な凹部6aを形成し、ついで該熱可塑性合成樹脂フィルム5の溶融温度より低くガラス転移温度より高い温度で熱処理を施すことにより、図5に示されるように、該凹部6aの部分に貫通孔を形成し、実質的に規則的な形状の微小貫通孔が配列されている構成とすることによって製造することができる。
図1〜2および図5に示されるように、本発明に使用する多孔フィルム4は、熱可塑性合成樹脂フィルム5に実質的に規則的な同一形状の微小貫通孔6が実質的に規則的に配列されている構成を有するものが好ましい。微小貫通孔6は、型押体のエンボス加工により形成される凹部に対応する部分6aと、熱処理により形成される孔に対応する部分6bとからなる。
ここで、実質的に規則的な形状の微小貫通孔とは、相分離法や延伸開孔法などにより製造される微多孔性高分子フィルムにおけるような孔同士が内部で連通していたり、孔が曲がりくねったり、枝分かれしていたりする連通孔とは異なり、各貫通孔は相互に独立しており、かつ熱可塑性合成樹脂フィルムの表から裏に直通しているものである。そして、実質的に規則的な形状の微小貫通孔は、実質的に同じ径を有し、単位面積(1平方ミリメートル)当りほぼ同じ個数存在する。
本発明における多孔フィルムの場合、その製法上、微小貫通孔については、エンボス加工により形成される凹部6a側のフィルム表面の開口部(以下、6a側開口部という場合がある)と、熱処理により形成される孔に対応する部分6b側のフィルム表面の開口部(以下、6b側開口部という場合がある)との大きさを比較すると、6b側開口部は6a側開口部と同一か、6a側開口部より小さい(図1〜2、図5参照)。本発明において、微小貫通孔の平均開口面積および多孔フィルムの開口率というときは、6b側開口部についての値をいう。
本発明においては、微小貫通孔の平均開口面積が400〜4000平方ミクロンメートル、好ましくは800〜2500平方ミクロンメートルであり、かつ、該微小貫通孔の個数が1平方ミリメートルあたり800個〜50個、好ましくは600〜60個である。ここで、微小貫通孔の開口面積とは、6b側開口部における孔の開口面積の単位面積当りの平均値をいう。微小貫通孔の平均開口面積とは、任意に選択された複数(10箇所)の領域の該単位面積当りの開口面積の平均値をいう。微小貫通孔の平均開口面積が前記範囲未満では、投影光の微小貫通孔部分からの反射量が少なくなり過ぎ、コントラストが低下し視認性が低下する傾向にある。一方、微小貫通孔の平均開口面積が前記範囲を超えると、投影光の微小貫通孔部分からの反射量が多くなり過ぎ、ギラツキが発生し視認性が低下する傾向にある。また、微小貫通孔の個数が前記範囲を超えると、エンボス加工に使用する型押体の凸部の加工精度が低下し、均一なエンボス加工ができず、均一な微小貫通孔を有する多孔フィルムが得られがたい傾向にある。一方、微小貫通孔の個数が前記範囲未満では、コントラストが低下して視認性が低下する傾向にある。
なお、本発明においては、微小貫通孔の平均開口面積が400〜4000平方ミクロンメートルであり、かつ、該微小貫通孔の個数が1平方ミリメートルあたり800個〜50個であると規定しているが、たとえば、微小貫通孔の平均開口面積が4000平方ミクロンメートルのとき、800個の微小貫通孔が存在することは物理的にありえない。したがって、本発明においては、微小貫通孔の平均開口面積が400〜4000平方ミクロンメートルの範囲内で大きくなるにつれて、微小貫通孔の個数を1平方ミリメートルあたり800個〜50個の範囲内で少なくするのが好ましい。より具体的には、多孔フィルムの開口率が好ましくは12〜40%、より好ましくは15〜30%になるように、微小貫通孔の平均開口面積と個数を調節するのがよい。ここで、多孔フィルムの開孔率とは、6b側開口部における孔の開口面積を単位面積について合計した値を求め、任意に選択された複数(10箇所)の領域の該単位面積当りの合計面積の平均値を求め、これを単位面積当りの百分率として表したものである。多孔フィルムの開口率が前記範囲未満では、コントラストが低下して視認性が低下する傾向にある。多孔フィルムの開口率が前記範囲を超えると、ギラツキが発生し視認性が低下する傾向にあり、さらに多孔フィルムの機械強度が劣り、多孔フィルムの製造工程、積層工程で問題が生じる傾向にある。
本発明の反射式スクリーンにおいては、基材として光反射層を有する基材を使用する。たとえば、高分子フイルムまたはシートや布製シート上に、アルミニウムや銀、ニッケルなどを蒸着させた蒸着フィルムまたはシートや、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系樹脂などの透明のバインダー樹脂に光回帰性の高い微粒子、例えばガラスビーズ、アクリルビーズおよびアルミニウム粉や銅粉などの金属粉などを適宜混合したものを塗布して反射性塗工層を形成したものなどが挙げられる。さらに反射性の良い鏡面加工された金属シートであっても良い。好ましいのは、蒸着フイルムまたはシートである。
本発明の反射式スクリーンにおいては、基材の光反射層側に熱可塑性合成樹脂フイルムに微小貫通孔を有する多孔フィルムを積層する。
多孔フィルムに使用する熱可塑性合成樹脂フイルムの材質としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルムなどのオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、それらの2種以上の共重合体、それらの2種以上のブレンド物などが適宜使用される。
多孔フイルムの厚さは、3〜25μmであるのが好ましく、より好ましくは5〜20μmである。多孔フィルムの厚さが前記範囲未満では、加工時の強度が不足して加工性が低下し、さらには微小貫通孔が形成されない部分が生じる傾向がある(微小貫通孔の無い部分では投影光が反射されず、コントラストが低下する)。多孔フィルムの厚さが前記範囲を超えると、強度は十分にあるが、微小貫通孔の加工性が著しく低下し微小貫通孔が形成されない部分が生じる傾向にある。また厚いフィルムはコスト的にも不利である。
微小貫通孔のフィルム面に沿った断面形状(または開口部形状)は、特に制限されず、各種形状をとりうるものであり、たとえば、円形、楕円形、多角形(四角形、5角形、6角形など)などが挙げられる。通常は円形が好ましい。微小貫通孔のフィルムの厚さ方向に沿った形状は、特に制限されず、各種形状をとりうるものであるが、フィルムの厚さ方向に、できるだけ同一の形状であることが好ましい。すなわち、円柱状、楕円柱状、多角柱状、またはこれらに近い形状であるのが好ましい。
微小貫通孔のフィルム面に沿った配列パターンは、特に制限されず、各種パターンをとりうるものであり、たとえば、格子状パターン、千鳥格子パターン、最密六方格子パターンなどが適宜選択使用される。
多孔フィルムは、多数の微小な凸部を有する型押体を用いるエンボス加工により熱可塑性合成樹脂フィルムに多数の微小な凹部を形成し、ついで該熱可塑性合成樹脂フィルムの溶融温度より低くガラス転移温度より高い温度で熱処理を施すことにより、該凹部に貫通孔を形成して製造することができる。
得られる多孔フィルムにおける微小貫通孔の開口面積、開口率は、使用する型押体の凸部の形状によってほぼ決まるが、熱処理温度とフィルムの熱収縮率によってもある程度制御できる。
前記エンボス加工の方法としては、多数の微小な凸部を表面に有する型押しロールを用いる方法、多数の微小な凸部を表面に有する型押し板を用いる方法などがあげられる。多数の微小な凸部を表面に有する型押しロールを用いる方法では、たとえば、図3に示されるように、多数の微小な凸部11を表面に有する型押しロール10と、平滑な表面を有する支承ロール12との間に熱可塑性合成樹脂フィルム5を通してエンボス加工を施すことにより、熱可塑性合成樹脂フィルム5に多数の微小な凹部6aを形成する。この場合、凹部6aの深さは、2つのロールの間隔を調整しニップ圧を調整することによって、調節できる。多数の微小な凸部を表面に有する型押し板を用いる方法では、たとえば、2つの平滑な表面を有するロールの間に、多数の微小な凸部を表面に有する型押し板と熱可塑性合成樹脂フィルムを重ね合わせて通してエンボス加工を施すことにより、熱可塑性合成樹脂フィルムに多数の微小な凹部6aを形成する。この場合、凹部の深さは、2つのロールの間隔を調整しニップ圧を調整することによって、調節できる。連続してエンボス加工できる点からは、多数の微小な凸部を表面に有する型押しロールを用いる方法が有利である。エンボス加工は、通常常温で行えばよいが、フィルムが収縮しない温度範囲内であれば、加熱下に行ってもよい。
型押体における多数の微小な凸部は、エッチング、彫刻、切削、放電、レーザー加工などの方法により形成することができる。微小な凸部の形状としては、たとえば、円柱状、楕円柱状、多角柱状(四角柱状、5角柱状、6角柱状など)、これらの形状が若干先細りになった形状(切頭円錐台状、切頭楕円錐台状、切頭多角錐台状など)、またはこれらに近い形状であるのが好ましい。微小な凸部の配列パターンは、特に制限されず、各種パターンをとりうるものであり、たとえば、格子状パターン、千鳥格子パターン、最密六方格子パターンなどがあげられる。
多数の微小な凸部を有する型押体を用いるエンボス加工により熱可塑性合成樹脂フィルムに形成される多数の微小な凹部は、型押体の凸部とほぼ同じサイズか、若干小さいサイズを有する。
熱可塑性合成樹脂フィルムに形成された微小な凹部の深さは、熱可塑性合成樹脂フィルムの厚さの50〜95%の範囲が好ましく、より好ましくは70〜90%の範囲である。微小な凹部の深さが前記範囲未満では、凹部の底部における熱可塑性合成樹脂フィルムが厚い場合、熱処理による貫通孔の形成が困難になる傾向がある。微小な凹部の深さが前記範囲を超えると、エンボス加工時に型押しロールが支承ロールに接触して型押しロールまたは支承ロールが損傷する場合がある。
前記エンボス加工によって多数の微小な凹部が形成された熱可塑性合成樹脂フィルムに熱処理を施すことによって、凹部の底部の樹脂が周辺方向に収縮して孔が穿たれ、貫通孔が形成される。この熱処理により、エンボス加工により形成された凹部の形状は収縮により寸法が僅かに異なり、例えばエンボス加工により形成された凹部の形状が四角形であっても収縮により丸みを帯びてくる。熱処理は、熱可塑性合成樹脂フィルムの溶融温度より低くガラス転移温度より高い温度で行なう。熱処理温度が熱可塑性合成樹脂フィルムのガラス転移温度以下であると、収縮が発生し難く、適正な貫通孔が形成されないか、貫通孔の有無にバラツキが生じ、適正な反射画像が得られない傾向にある。熱処理温度が熱可塑性合成樹脂フィルムの溶融温度以上であると、貫通孔が大きく変形したり、熱可塑性合成樹脂フィルムが破損したりする傾向にある。
熱処理により良好な貫通孔を形成するには、熱可塑性合成樹脂フィルムとして熱収縮性フィルムを用いるのが好ましい。熱収縮性フィルムとしては、少なくとも一軸方向に延伸され、該一軸方向における熱収縮率(100℃×10分)が5〜40%、なかんづく10〜30%であるのが好ましい。特に好ましい熱収縮性フィルムは、二軸延伸フィルムであって、各方向における熱収縮率(100℃×10分)がそれぞれ5〜40%(なかんづく10〜30%)であるものである。
熱処理は、熱可塑性合成樹脂フィルムを緊張した状態で所定温度(熱可塑性合成樹脂フィルムの溶融温度より低くガラス転移温度より高い温度)の雰囲気に所定時間(数秒〜数十秒)曝すことによって行なうことができる。熱処理の好ましい温度条件、時間条件は、熱可塑性合成樹脂フィルムの種類、熱可塑性合成樹脂フィルムの厚さ、熱収縮率、所望する貫通孔の孔径などにより変わり、一概に決められないが、たとえば、一例を示せば、厚さが5〜10μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(溶融温度250℃、ガラス転移温度70℃)であって、各方向における熱収縮率(100℃×10分)がそれぞれ10〜30%であるものの場合、処理温度100〜200℃程度、処理時間5〜30秒程度である。
熱可塑性合成樹脂フィルムを緊張状態に保持するのは、バッチ式熱処理では、型枠に熱可塑性合成樹脂フィルムを固定することによって行なうことができ、連続式熱処理では、フィルム延伸機を使用して行なうことができる。
基材の反射層の側に多孔フィルムを積層する。積層は、反射層と多孔フィルムとの間にアクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、酢酸ビニル系などの接着剤または粘着剤の層を介在させて行なうことができる。あるいは多孔フィルムを反射層に熱により圧着して積層させてもよい。また、多孔フィルムと反射層との間に光透過性の熱接着性高分子フイルムを間に挟んで熱圧着により積層してもよい。前記接着剤または粘着剤、熱接着性高分子フィルムとしては透明なものが好ましい。多孔フィルムのいずれの面を反射層の側に積層してもよい。本発明においては、反射層と多孔フィルムとの間に、特許文献1における光拡散層に相当する層を設けることは排除するものである。
本発明の好ましい実施態様においては、微小貫通孔を有する層(多孔フィルム)を白色度50%以上、より好ましくは70%以上の白色に着色することが好ましい。それにより、多孔フイルムの表面の光沢または平滑度に影響されることなく一定のコントラストが得られ、画像の視認性も高くなる。前記特許文献1においては、遮光部を黒色に着色しているが、その場合は遮光部表面の反射光による画像形成が全く無く、反射層による画像のみでは、暗室での視認性およびコントラストが極めて低いものとなると推定される。
微小貫通孔を有する層(多孔フィルム)を着色するには、図6に示されるように、微小貫通孔を有する層4(多孔フィルム4)の表面に白色塗膜層7を形成してもよいし、微小貫通孔を有する層4(多孔フィルム4)内に白色顔料を分散させてもよい。また多孔フィルムへの白色塗膜層の形成は、凸部を有する型押体を用いるエンボス加工の前が好ましいが、加工後に形成してもよい。この場合は、塗布した塗膜が孔部を塞ぐことのないように塗布する必要がある。好ましくは、白色に着色されたフイルムまたはフイルム表面に白色塗膜層を形成した後に凸部を有する型押体によるエンボス加工を施すことである。
白色塗膜層は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂などの樹脂バインダーに、酸化チタン、水酸化アルミニウム、カオリン、炭酸カルシウムなどの白色顔料を混合分散させて得られる白色塗料を塗布することによって形成することができる。多孔フィルム自体を白色に着色するには、前記白色顔料を分散させた熱可塑性合成樹脂フィルムを用い、エンボス加工および熱処理を施して微小貫通孔を形成する。
つぎに実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等限定されるものではない。
以下の実施例において使用される特性値の測定方法はつぎのとおりである。なお、微小貫通孔の平均開口面積および個数、ならびに多孔フィルムの開口率については、測定装置としてレーザーテック(株)製の走査型レーザー顕微鏡1LM21型を用い、画像処理ソフトとしてレーザーテック(株)製のLMeyeを用いて、画像処理により求めた。
(1)微小貫通孔の平均開口面積
前記走査型レーザー顕微鏡を用い、多孔フィルムの6b側のプロファイルをレーザースキャンにより取り込み、14インチモニタ上にモニタ倍率1000倍に拡大して画像化する。前記画像処理ソフトにより、取り込んだ画像の水平補正をした後、フィルタサイズ3×3のフィルタをかけてノイズを除去し、測定範囲を100μm(±5μm)×100μm(±5μm)の領域(単位面積)に指定し、該領域内を2値化して孔画像を得る(境界線上にある孔は除く)。2値化孔画像のうち、面積が1500ピクセル以下のものは削除を行なう。
次に、画像処理ソフトの測定項目「面積」を選択し、2値化孔画像の面積を求め、それらの平均値を微小貫通孔の開口面積とする。
前記操作を多孔フィルムの任意に選択した10箇所において行ない、10箇所で得られた測定値(微小貫通孔の開口面積)の平均値を微小貫通孔の平均開口面積とした。
(2)微小貫通孔の1平方ミリメートル当りの個数
前記走査型レーザー顕微鏡を用い、多孔フィルムの6b側のプロファイルをレーザースキャンにより取り込み、14インチモニタ上にモニタ倍率1000倍に拡大して画像化する。前記画像処理ソフトにより、取り込んだ画像の水平補正をした後、フィルタサイズ3×3のフィルタをかけてノイズを除去し、測定範囲を100μm(±5μm)×100μm(±5μm)の領域(単位面積)に指定する。
次に開口部を目視確認してチェックマークをそれぞれに付けることによりモニター画面の個数枠に微小貫通孔の個数が表示される(境界線上にある孔は除く)。
前記操作を多孔フィルムの任意に選択した10箇所において行ない、10箇所で得られた測定値の平均値(測定範囲である100μm×100μmの面積当りの個数の平均値)を求め、それを1平方ミリメートル当りの個数に換算(×100)した。
(3)多孔フィルムの開口率
前記走査型レーザー顕微鏡を用い、多孔フィルムの6b側のプロファイルをレーザースキャンにより取り込み、14インチモニタ上にモニタ倍率1000倍に拡大して画像化する。前記画像処理ソフトにより、取り込んだ画像の水平補正をした後、フィルタサイズ3×3のフィルタをかけてノイズを除去し、測定範囲を100μm(±5μm)×100μm(±5μm)の領域(単位面積)に指定し、該領域内を2値化して孔画像を得る(境界線上にある孔は除く)。2値化孔画像のうち、面積が1500ピクセル以下のものは削除を行なう。
次に、画像処理ソフトの測定項目「面積」を選択し、2値化孔画像の合計面積を求めた。
前記操作を多孔フィルムの任意に選択した10箇所において行ない、10箇所で得られた測定値(微小貫通孔の合計面積)の平均値を求め、測定範囲である100μm×100μmに対する百分率として開口率を求めた。
(4)白色度
東京電色(株)製分光白色度計を用い、JIS P8148に規定される拡散照明方式により測定した。測定を多孔フィルムの任意に選択した10箇所において行ない、10箇所で得られた測定値の平均値として求めた。
以下の実施例においては、多孔フィルム用の熱可塑性合成樹脂フィルムとして、つぎの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)および二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)を使用した。
PETフィルムA
厚さ:12.0μm、ガラス転移温度:60℃、溶融温度:220℃、熱収縮率(100℃×30分):二軸とも15.0%
PETフィルムB
厚さ:11.0μm、ガラス転移温度:70℃、溶融温度:250℃、熱収縮率(100℃×30分):二軸とも12.0%
PETフィルムC
厚さ:10.0μm、ガラス転移温度:70℃、溶融温度:250℃、熱収縮率(100℃×30分):二軸とも15.0%
PETフィルムD
厚さ:8.0μm、ガラス転移温度:70℃、溶融温度:250℃、熱収縮率(100℃×30分):二軸とも15.0%
OPPフィルム
厚さ:10.0μm、ガラス転移温度:−10℃、溶融温度:170℃、熱収縮率(100℃×30分):二軸とも8.0%
また、以下の実施例においては、エンボス加工における型押しロールとして、つぎのものを使用した。凸部の形状はいずれも切頭円錐台状とした。
型押しロールA
凸部サイズ:先端径35.0μm、根元径38μm、高さ12.0μm
凸部配列パターン:41.7μmピッチの格子状
型押しロールB
凸部サイズ:先端径47.0μm、根元径52μm、高さ10.0μm
凸部配列パターン:62.5μmピッチの格子状
型押しロールC
凸部サイズ:先端径71.0μm、根元径89μm、高さ11.0μm
凸部配列パターン:125μmピッチの格子状
型押しロールD
凸部サイズ:先端径22.0μm、根元径31μm、高さ9.0μm
凸部配列パターン:41.7μmピッチの格子状
型押しロールE
凸部サイズ:先端径110.0μm、根元径131μm、高さ12.0μm
凸部配列パターン:166μmピッチの格子状
実施例1〜4および比較例1〜2
(反射層を有する基材の製造)
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にアルミニウムを蒸着して反射層を有する基材を得た。
(多孔フィルムの製造)
図3に示される装置を使用し、前記熱可塑性合成樹脂フィルムと前記型押しロールを表1に示されるように組み合わせて用いて常温でエンボス加工を施し、フィルム厚さのほぼ80%の深さを有する微小凹部が形成された熱可塑性合成樹脂フィルムを得た。
この微小凹部が形成された熱可塑性合成樹脂フィルムを二軸フィルム延伸機にかけて、150℃で熱処理を行ない多孔フィルムを得た。
なお、実施例2、4、比較例2に使用した多孔フィルムはつぎのようにして製造した。表1に示されるフィルム上に、ポリエステル樹脂10重量%、酸化チタン10重量%、トルエン40重量%および酢酸ブチル40重量%からなる白色塗料を乾燥後の塗布量が2g/m2になるように塗布し、乾燥した。白色塗膜を形成したフィルムについて前記と同様にしてエンボス加工および熱処理を行ない、多孔フィルムを得た。なお、エンボス加工においては、フィルムの白色塗膜を形成した側に型押しロールがくるようにしてエンボス加工を施した。
得られた多孔フィルムについて、(1)微小貫通孔の平均開口面積、(2)微小貫通孔の1平方ミリメートル当りの個数、(3)開孔率、(4)白色度(実施例2、4および比較例2のみ)を測定した。結果を表1に示す。
(反射式スクリーンの製造)
基材の反射層の上にポリエステル樹脂液を乾燥後の塗布量が4g/m2になるように塗布し、前記多孔フィルムを3b側で貼り合わせて乾燥して、反射式スクリーンを得た。
得られた反射式スクリーンに、プロジェクター(松下電器産業(株)製PANASONIC TH―AE700)からパーソナルコンピュータで作成したカラー画像を投影し、反射画像の視認性をつぎの基準に基づいて評価した。結果を表1に示す。
○:反射画像の視認性および鮮明度、彩度が、暗室、明室のいずれにおいても一般の白色反射式スクリーンに比べて良好なもの
△:反射画像の視認性および鮮明度、彩度が、暗室では一般の白色反射式スクリーンと差が無いが、明室では僅かに良好なもの
×:反射画像の視認性および鮮明度、彩度が、暗室、明室のいずれにおいても一般の白色反射式スクリーンと同等なもの
Figure 2006330057
本発明の反射式スクリーンの一実施態様を示す概略部分断面図である。 本発明で使用する多孔フィルムを示す一部切欠斜視図である。 本発明で使用する多孔フィルムの製造方法の一実施例を示す説明図であり、多数の微小な凸部を有する型押体を用いるエンボス加工により熱可塑性合成樹脂フィルムに多数の微小な凹部を形成する工程を示す。 本発明で使用する多孔フィルムの製造方法の一実施例を示す説明図であり、図3に示される工程で得られた、多数の微小な凹部が形成された熱可塑性合成樹脂フィルムを示す。 本発明で使用する多孔フィルムの製造方法の一実施例を示す説明図であり、図4に示される多数の微小な凹部が形成された熱可塑性合成樹脂フィルムに熱処理を施して貫通孔を形成した状態を示す。 本発明の反射式スクリーンの他の実施態様を示す概略部分断面図である。
符号の説明
1 基材フィルム
2 反射層
3 接着剤層または粘着剤層
4 多孔フィルム
5 熱可塑性合成樹脂フィルム
6 貫通孔
6a 型押体のエンボス加工により形成される凹部に対応する部分
6b 熱処理により形成される孔に対応する部分
7 白色塗膜層
10 型押しロール
11 微小な凸部
12 支承ロール

Claims (2)

  1. 光反射層を有する基材と、該基材の光反射層上に積層された微小貫通孔を有する層とからなる反射式スクリーンであって、該微小貫通孔の平均開口面積が400〜4000平方ミクロンメートルであり、かつ該微小貫通孔の個数が1平方ミリメートルあたり800個〜50個であることを特徴とする反射式スクリーン。
  2. 微小貫通孔を有する層が白色度50%以上の白色に着色されてなる請求項1記載の反射式スクリーン。
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