JP2004354963A - 反射型スクリーン - Google Patents

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Abstract

【課題】明室においても明るくコントラストの高い鮮明な投射画像を形成する。
【解決手段】反射型スクリーン1は、シート状の基材10と、基材10の片面に設けた拡散層40と、拡散層40の反対側の基材面に設けた反射層30とを有する。基材10の反射面側表面には、シリンドリカル形状部20による凸条列が形成され、その凸条列の形状に沿って反射層30が形成される。シリンドリカル形状部20の長手方向は、スクリーン1の設置時の垂直方向に一致するように構成され、これによって水平方向の視野角特性を改善している。また反射層30は、銀/アルミニウムを蒸着またはスパッタリングするか、または反射シート32を貼り合わせて、ミラーとなるように構成することにより、反射効率とスクリーン正面方向のゲインを向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射型スクリーン、より詳細には、投射装置等によって映像を投射するために使用する反射型スクリーンであって、特に明室において明るく、コントラストの高い投射画像を得ることができる反射型スクリーンに関する。
従来の反射型スクリーンとしては、例えば、ガラス繊維や合成繊維等の織布シート、あるいはこれらの織布シートに塩化ビニル等の樹脂を含浸させた含浸シート、あるいは塩化ビニル等の合成樹脂シートやアルミニウムの金属シートなどをスクリーン基材として使用し、これらの素材によるスクリーン基材表面に反射層を形成したものが知られている。
上記の反射層は、例えば、表面に二酸化チタンを被覆した粉末もしくはマイカ鱗粉薄片を光透過性樹脂であるバインダに分散したパール塗料やパールインキ、またはアルミニウム等の金属粉を用いた銀色塗料やインキなどを、上記のスクリーン基材表面に塗布することによって形成されている。またこの他、多数の微小透明ビーズを配列して回帰性を付与した反射層が知られている。
さらに、光の吸収性が少ない光拡散剤として作用する方解石の結晶微粒子をバインダ内に分散させた拡散層を、上記の反射層上に積層したスクリーンも知られている。
例えば、特許文献1には、シリンドリカル形状を入射面に有し、この上に拡散層が形成され、基材のもう一方の面に反射面を有する構成の高輝度広拡散スクリーンが開示されている。このスクリーンは、シリンドリカル形状部の曲率と空気/拡散層の屈折率の違いにより、視野角特性が改善されるという特徴を有している。
しかしながら、上記のごとくの従来の反射型スクリーンでは、視野角を広くとることによってスクリーン正面方向へのゲイン、すなわち画面輝度が低下するとともに、明室においては投射装置からの入射光だけでなく、室内灯などの外乱光もスクリーン面にて観察者側に反射されてしまうため、スクリーン上における画像コントラストが、投射装置本来の画像コントラトよりも劣化してしまうという問題があった。
また、スクリーンの拡散材の量を減少させることにより、スクリーン正面方向へのゲインを大きくすることができるが、このときに、視野角/CCR(周辺輝度)などの視野角特性の劣化が生じる。
特開昭58−166335号公報
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、明室においても明るくコントラストの高い鮮明な投射画像を形成することができる反射型スクリーンを提供することを目的とするものである。
本発明の第1の技術手段は、シート状の基材と、基材の片面に設けた拡散層と、拡散層の反対側の基材面に設けた凸条列と、凸条列の形状に沿って凸条列の上に形成された反射層を有することを特徴としたものである。
本発明の第2の技術手段は、上記第1の技術手段において、凸条列を構成する各凸条が、その凸条の長手方向が反射型スクリーンの設置時の垂直方向に一致するように形成されていることを特徴としたものである。
本発明の第3の技術手段は、上記第1または第2の技術手段において、凸条列が、円筒面の一部であるシリンドリカル形状の凸条が連続して配設された形状を有することを特徴としたものである。
本発明の第4の技術手段は、上記第1ないし第3の技術手段において、反射層が、凸条列表面に銀/アルミニウムを蒸着またはスパッタリングすることによって形成されていることを特徴としたものである。
本発明の第5の技術手段は、上記第1ないし第4の技術手段において、反射層が、凸条列表面に積層した反射シートによって形成されていることを特徴としたものである。
本発明の第6の技術手段は、上記第1ないし第5の技術手段において、拡散層が、ビーズ及び/または顔料による拡散材が分散した透明樹脂バインダによって形成されていることを特徴としたものである。
本発明の第7の技術手段は、上記第6の技術手段において、拡散層が、拡散材の粒径,材質,含有量,粒度のいずれかまたは複数が異なる複数の層によって構成され、拡散層の表面粗さと拡散層の内部ヘイズとが個別に制御されていることを特徴としたものである。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、明室においても明るくコントラストの高い鮮明な投射画像を形成することができる反射型スクリーンを提供することができる。特に、凸条列の形状に沿った反射面を備えることによって、凸条の長手方向に直交する方向の視野角特性を改善することができる。本発明では、凸条列の各凸条の長手方向をスクリーン設置時の垂直方向に合わせることによって、水平方向の視野角特性を改善することができる。また、反射層を蒸着やスパッタ層、あるいは金属箔によってミラーとなるように構成することにより、反射効率とスクリーン正面方向のゲインを向上させることができる。
また、拡散層を多層構成とし、入射面の表面の表面粗さと拡散層の内部ヘイズとを別々に制御することにより、拡散層の表面における反射光の拡散と、ホットスポットの低減とを実現することができる。また、本発明の反射型スクリーンは、凸条列を有するにもかかわらず、多層構成の一枚のシートとして構成することができ、これにより、生産性が高く、かつ利用者の取り扱いを容易にすることができる。
本発明の反射型スクリーンは、従来反射層として使用されていた金属粉/マイカ粉入りのバインダの代わりに、蒸着などにより形成されたミラーを反射面として使用し、反射効率を高めるとともに、投射映像の正面方向のゲインを改善する。また、蒸着によるミラーを反射層として使用することにより、スクリーン正面方向から入射する投射装置からの光をスクリーン正面の観察者側により多く反射させ、かつスクリーンに対して大きな入射角で入射する外乱光は観察者側に反射しないようにスクリーンの側方へ反射させ、これによってコントラストの高い投射映像を実現する。例えば、斜め上方より入射する室内灯からの光を床方向に反射させることにより、コントラストの低下を防ぐことができる。
上記の反射層によって、入射光の拡散度合いが減少して視野角特性の劣化を招くが、本発明ではこれを補うために、連続して凸条が配列した幾何形状の凸条列を追加して、この凸条列に合わせた反射層を形成することにより、凸条の配列方向に対する視野角特性を補償する。このときに、スクリーンの設置時に、凸条の長手方向が垂直方向となるように構成することにより、スクリーンの水平方向の反射成分の拡散範囲が広がって、これにより視野角特性を向上させることができる。凸条列を構成する各凸条は、円筒面の一部であるシリンドリカル形状とすることが好適である。以下の実施例では、シリンドリカル形状の凸条列を備えた構成例を説明する。
以下に本発明の反射型スクリーンの具体的な実施例を添付された図面を参照して説明する。なお、実施例を説明するための全図において、同様の機能を有する部分には同じ符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、本発明の反射型スクリーンの一実施例を説明するための図で、スクリーンの水平断面の構成を概略的に示すものである。図1において、1は反射型スクリーン、10は基材、20はシリンドリカル形状部、30は反射層、40は拡散層、41はビーズ、42は透明樹脂バインダである。
反射型スクリーン1(以下単にスクリーンとする)は、透明樹脂シート等による基材10の片面に、シリンドリカル形状が連続して配列したシリンドリカル形状部20を形成する。シリンドリカル形状部20は、各シリンドリカル形状の長手方向(円筒軸方向)がスクリーン1の設置時に垂直方向となるように構成されている。シリンドリカル形状部20は、後述する反射層30の形状を規定するもので、上記のように構成することにより、スクリーン1の水平方向の反射成分の拡散範囲を広げることができ、スクリーン1の視野角特性を向上させることができる。
シリンドリカル形状部20の上には、反射層30が形成されている。また、基材10のシリンドリカル形状部20の形成側と逆の面には、拡散層40が積層される。この拡散層40の表面を投射光の入射面として使用する。すなわち、上記実施例のスクリーン1は、投射光の入射側から順に、拡散層40,基材10,シリンドリカル形状部20,及び反射層30が一体的に配設された構成を有している。
基材10は、透明の樹脂シートを好適に使用することができる。透明の樹脂シートとしては、例えば、ポリエステル、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ナイロン等の樹脂シートを使用することができる。
シリンドリカル形状部20は、基材10の片側に光硬化性樹脂層を塗布し、目的のシリンドリカル形状を有する型もしくはロールによってエンボスすることによって、シリンドリカル形状を形成した後、これを光硬化させることによって作成する。あるいは、基材10のシート成形時に、もしくは後工程で、エンボスロールによって片面にシリンドリカル形状を直接形成するようにしてもよい。
反射層30は、シリンドリカル形状部20に対して直接に銀またはアルミニウムを蒸着することによって形成することができる。また上記の銀またはアルミニウムによる反射層30は、蒸着ではなくスパッタリングによって層形成を行うようにしてもよい。
図2は、図1の実施例における反射層の反射光路の一例を示す図で、図中iは入射光、oは出射光である。上記のごとくの反射層30をシリンドリカル形状部20に積層して形成することにより、スクリーン1の水平方向(図2では上下方向)の反射成分の拡散範囲を広げることができ、スクリーン1の視野角特性を向上させることができる。
また、反射層30は、銀またはアルミニウムを蒸着またはスパッタリングによって形成したミラー層であるため、反射効率を高くすることができ、スクリーン1の正面方向へのゲインを向上させ、またスクリーン1に対して大きな入射角で入射する外乱光を観察者側に反射しないようにすることができる。本発明の反射型スクリーンは、これらの機能によりコントラストの高い投射映像を提供することができる。
拡散層40は、光拡散特性を付与する拡散材を透明樹脂バインダ42に分散させて層形成することによって作製する。拡散材としては、アクリルビーズやスチレンビーズ、あるいはウレタンビーズ等の透明樹脂ビーズ、あるいはガラスビーズ等のビーズ41を好適に使用することができる。ビーズ41の粒径は、例えば、2〜25μm程度のものを好適に用いることができる。また粒度分布を最適に制御したビーズ41を使用してもよい。さらに拡散材としては、光拡散特性を最適化するために、必要に応じて燐片状アルミペースト等の顔料系の光反射剤をビーズとともに併用してもよい。
拡散層40の透明樹脂バインダ42としては、酢酸ビニル系樹脂、変性酢酸ビニル/アクリル共重合樹脂、エチレン/酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル共重合樹脂、アクリルシリコン系樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、変性ポリビニルアルコール系樹脂、アクリロニトリルゴム等、を使用することができるが、本発明では、これらの樹脂に限らず適宜最適な樹脂を選択することができる。
拡散層40を基材10の表面に形成する手法としては、例えば、上記の拡散材を混合した樹脂バインダを溶剤に溶かし、もしくは溶剤に膨潤させて混合材料を作成し、この混合材料を基材10の表面に塗布した後に、乾燥して溶剤を蒸散させることによって、拡散材が分散した樹脂バインダ層を形成する手法を採用することができる。溶剤は樹脂バインダに使用する樹脂材料に応じて適宜選択すればよい。
またこの他、拡散材が分散した樹脂バインダによる光拡散シートを予め作成し、その光拡散シートを基材10の表面に貼り合わせることによって、拡散層40を形成するようにしてもよい。
この他、拡散層40を形成する手法として、光拡散材を混合した樹脂バインダ42のパウダーまたはビーズを押し出し機によってTダイスから押し出して、溶融状態または半溶融状態で基材10の表面に層形成し、その後冷却する手法を採ってもよい。
図3は、本発明の反射型スクリーンの他の実施例を説明するための図で、スクリーンの水平断面の構成を概略的に示すものである。図3の構成例では、シリンドリカル形状部20として、片面にシリンドリカル形状を形成した透明異形シートを予め作成し、これを基材10の表面に貼り合わせている。図3の構成例において、他の要素及びそれらの機能については図1の構成例と同様であるため、その繰り返しの説明は省略する。
図4は、本発明の反射型スクリーンの更に他の実施例を説明するための図で、スクリーンの水平断面の構成を概略的に示すものである。図4において、30は反射層、31は基材、32は反射層及び基材よりなる反射シートである。
図4の構成例において、反射層30は、反射機能を有する反射シート32をシリンドリカル形状部20に対して貼り付けることによって形成している。すなわち、基材31の表面に反射層30が形成された反射シート32を用意し、この反射シート32をシリンドリカル形状部20に貼り合わせることによって、図1の実施例と同様の機能を得ることができる。基材31は樹脂シートを使用することができ、この樹脂製の基材31に蒸着やスパッタリング等によって銀またはアルミニウム層を反射層30として形成した反射シート32を用いることができる。また、基材31に貼り合わせる反射層30として、アルミニウムや銀の金属箔を用いてもよく、また、樹脂製の基材31を用いずに、上記のような金属箔の単体を反射シートとして用いてもよい。
図4の構成例において、他の要素については図1の構成例と同様であるため、その繰り返しの説明は省略する。
図5は、本発明の反射型スクリーンの更に他の実施例を説明するための図で、スクリーンの水平断面の構成を概略的に示すものである。図5において、40a,40bは拡散層、41a,41bは拡散材として使用するビーズ、42a,42bは透明樹脂バインダである。
図1の構成では、拡散層40は単層構成であったが、本構成では拡散層40を多層構成としている。ここでは、2層の拡散層40a,40bを積層して構成している。本構成では、各拡散層40a,40bにそれぞれ分散させるビーズ41a,41bの粒径,材質,含有量,粒度分布を変えて層構成することにより、入射面の表面の表面粗さと拡散層40の曇り度(表面粗さに依存しない内部ヘイズ)とを別々に制御することができる。ここでは、複数の粒度のビーズを混合してその混合比によって上記の粒度分布を制御するようにしてもよい。
入射面側の拡散層40aの表面粗さを適度に大きくして最適化することにより、拡散層40aの表面における反射光を拡散させ、例えば、観察者から見た投影装置の瞳像や、室内の蛍光灯の像などを目立ちにくくすることができる。
また、反射面側の拡散層40bのヘイズを大きくすることにより、ホットスポットを低減させることができる。
なお、上記の各実施例において、シリンドリカル形状部20,反射層30、拡散層40のいずれかまたは複数を貼り合わせによって相手部材と貼り合わせる構成を採る場合、貼り合わせを行うために、接着剤または粘着剤を使用することができる。または溶融樹脂を接着層として用いてもよい。また貼り合わせの強度を向上させるために、貼り合わせを行う2つの部材の一方または両方に、コロナ放電等の表面活性化処理を行ったり、アンカー剤を塗布しておくようにしてもよい。これら接着剤や粘着剤、あるいは接着用樹脂材やアンカー剤は、スクリーンの光学特性を阻害しないように物性が選択される。
上記のごとくの構成によって、本発明に係わる反射型スクリーンは、シリンドリカル形状部20のような凸条列を有するにもかかわらず、多層構成の一枚のシートとして構成することができ、これにより、生産性が高く、かつ利用者の取り扱いを容易にすることができる。
本発明の反射型スクリーンの一実施例を説明するための図である。 図1の実施例における反射層の反射光路の一例を示す図である。 本発明の反射型スクリーンの他の実施例を説明するための図である。 本発明の反射型スクリーンの更に他の実施例を説明するための図である。 本発明の反射型スクリーンの更に他の実施例を説明するための図である。
符号の説明
1…反射型スクリーン、10…基材、20…シリンドリカル形状部、30…反射層、31…基材、32…反射シート、40,40a,40b…拡散層、41,41a,41b…ビーズ、42,42a,42b…透明樹脂バインダ。

Claims (7)

  1. シート状の基材と、該基材の片面に設けた拡散層と、該拡散層の反対側の基材面に設けた凸条列と、該凸条列の形状に沿って該凸条列の上に形成された反射層を有することを特徴とする反射型スクリーン。
  2. 請求項1に記載の反射型スクリーンにおいて、前記凸条列を構成する各凸条は、該凸条の長手方向が前記反射型スクリーンの設置時の垂直方向に一致するように形成されていることを特徴とする反射型スクリーン。
  3. 請求項1または2に記載の反射型スクリーンにおいて、前記凸条列は、円筒面の一部であるシリンドリカル形状の凸条が連続して配設された形状を有することを特徴とする反射型スクリーン。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1に記載の反射型スクリーンにおいて、前記反射層は、前記凸条列表面に銀/アルミニウムを蒸着またはスパッタリングすることによって形成されていることを特徴とする反射型スクリーン。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1に記載の反射型スクリーンにおいて、前記反射層は、前記凸条列表面に積層した反射シートによって形成されていることを特徴とする反射型スクリーン。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1に記載の反射型スクリーンにおいて、前記拡散層は、ビーズ及び/または顔料による拡散材が分散した透明樹脂バインダによって形成されていることを特徴とする反射型スクリーン。
  7. 請求項6に記載の反射型スクリーンにおいて、前記拡散層は、拡散材の粒径,材質,含有量,粒度のいずれかまたは複数が異なる複数の層によって構成され、前記拡散層の表面粗さと該拡散層の内部ヘイズとが個別に制御されていることを特徴とする反射型スクリーン。
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