JP4752493B2 - 光制御シート、面光源装置 - Google Patents

光制御シート、面光源装置 Download PDF

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Description

本発明は、液晶表示装置等の照明に用いられる光制御シート、面光源装置に関するものである。
このような光制御シートとしては、直角プリズムを複数並べたシートが知られている。
しかし、直角プリズムを並べたシートでは、不必要に大きな出射角度方向に出射してしまう光が多いという問題があった。
なお、以下の説明において、入射角度、出射角度とは、シート面(光制御シート全体としてみたときのシート面)に対する角度であって、シート面における法線と光の進む方向とが成す角度を示すものとする。
この不必要に大きな出射角度方向に出射してしまう光を防止するために、出射側にレンズを設け、入射側には、出射側のレンズに対応した遮光部を配置した例が、特許文献1〜4に記載されている。
しかし、特許文献1〜4に記載のレンズシートであっても、レンズ及び遮光部を適切な形態で形成しなければ、不必要に大きな出射角度方向に出射してしまう光が多量に発生してしまい、光の利用効率が悪くなるという問題があった。
また、特許文献1〜4に記載のレンズシートは、いずれも入射側が平面となっており、平坦な面を持つ他の光学シート等と重ね合わせた場合に、ニュートンリングが発生してしまうという問題があった。
さらに、光の利用効率をより高めようとすると、出射側のレンズ及び入射側の遮光部のみでは、限界があり、より高いレベルの要求を満足できないという問題があった。
さらにまた、入射側に設けられる遮光部は、出射側のレンズ位置に対応して正確に位置合わせする必要があり、その形成が困難であるという問題があった。
特開平8−95038号公報 特開平10−241434号公報 特開2000−284268号公報 特開2005−221619号公報
本発明の課題は、照明光を必要な範囲内に効率よく集光できる光制御シート、面光源装置を提供することである。
また、本発明の第2の課題は、ニュートンリングが発生することなく、かつ、生産性のよい光制御シート、面光源装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、直下型の面光源装置に設けられ、光源(13)から出射した光を均一化、及び/又は、収束させる光制御シートであって、出射側に突出して多数並べて配列された少なくとも1種類の出射側レンズ部(114)と、入射側であって、その中心がシート面の法線方向から観察して出射側レンズ部の頂点に重なる位置に設けられ、入射側の法線方向から観察したときの面積比である開口率が40%以上60%以下の面積を占め、入射側に凸のレンズ形状である入射側レンズ部が形成されている透過部(143)と、入射側の前記透過部が設けられている領域以外の領域に前記透過部と交互に設けられ、入射側に突出した凸部の入射側表面に形成された反射部(144)と、を備える光制御シート(14)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の光制御シートにおいて、前記出射側レンズ部(114)の並ぶピッチをP、前記透過部(143)の表面から前記出射側レンズ部の頂点までの厚さをt、前記透過部から前記出射側レンズ部までを形成する材料の屈折率の平均値をnとしたとき、sin-1(1/n)≦tan-1(P/t)の関係を満足すること、を特徴とする光制御シート(14)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の光制御シートにおいて、前記出射側レンズ部(114)は、長軸がシート面に対して直交する楕円筒の一部、又は、長軸がシート面に対して直交する回転楕円体の一部により形成されていること、を特徴とする光制御シート(14)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、前記出射側レンズ部(114)は、長軸がシート面に対して直交する楕円筒の一部により形成され、かつ、前記入射側レンズ部は、長軸がシート面に対して平行な楕円筒の一部により形成されていること、を特徴とする光制御シート(14)である。
請求項の発明は、求項3又は請求項4に記載の光制御シートにおいて、前記出射側レンズ部(114)の長半径は、短半径の1.5倍以上3.0倍以下であること、を特徴とする光制御シート(14)である
求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、前記入射側レンズ部(143)の高さをh、前記透過部の端部における前記入射側レンズ部のレンズ表面の接線とシート面とが成す角をθ、前記開口率をRとしたとき、sin-1(1/n)−θ≦tan-1{(2−R)*0.5*P/(t−h)}の関係を満足すること、を特徴とする光制御シート(14)である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、前記反射部(144)は、前記透過部よりも入射側に突出していること、を特徴とする光制御シート(14)である。
請求項8の発明は、請求項7に記載の光制御シートにおいて、前記透過部(143)の最も突出している部分と前記反射部(144)の表面との高さの差をΔhとしたとき、10μm≦Δh≦50μm、かつ、P/30≦Δh≦P/10、の関係を満足すること、を特徴とする光制御シート(14)である。
請求項9の発明は、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、前記反射部(143)は、印刷又は転写により形成されていること、を特徴とする光制御シート(14)である。
請求項10の発明は、透過型表示部(11)を背面から照明する面光源装置であって、複数の光源(13)が並べて配置された光源部(12,13)と、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の光制御シート(14)と、を備える面光源装置である。
請求項11の発明は、請求項10に記載の面光源装置において、前記光制御シート(14)は、使用状態における前記透過型表示部(11)の画面の上下方向の光を主に制御すること、を特徴とする面光源装置である。
請求項12の発明は、請求項10又は請求項11に記載の面光源装置において、光拡散作用を有した拡散シート(16)を少なくとも1枚有していること、を特徴とする面光源装置である。
請求項13の発明は、請求項10から請求項12までのいずれか1項に記載の面光源装置において、前記光制御シート(14)が光を主に制御する方向と直交する方向で光を主に制御する第2の光制御シート(17)を有すること、を特徴とする面光源装置である。
請求項14の発明は、請求項10から請求項13までのいずれか1項に記載の面光源装置において、面光源装置に含まれるシートの中の少なくとも1つには、光拡散効果を付与する粒子が添加されていること、を特徴とする面光源装置である。
請求項15の発明は、請求項10から請求項14までのいずれか1項に記載の面光源装置において、前記光制御シート(14)よりも前記光源(13)側に前記光制御シートよりも剛性の高い高剛性シート(16)を有すること、を特徴とする面光源装置である。
請求項16の発明は、請求項15に記載の面光源装置において、前記光制御シート(14)は、前記反射部(144)が前記高剛性シート(16)に接合されていること、を特徴とする面光源装置である。
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)出射側レンズ部と、入射側の法線方向から観察したときの面積比である開口率が40%以上60%以下の面積を占める透過部と、透過部と交互に設けられた反射部とを備えるので、斜め方向からの光が出射側レンズ部の頂部付近の平坦な部分に到達したり、出射側レンズ部の端部で全反射されるような光が到達したりしないようにでき、照明光を必要な範囲内に効率よく集光できる。
(2)sin-1(1/n)≦tan-1(P/t)の関係を満足するので、透過部の中央に入射した後に、その透過部と重なる位置に配置された出射側レンズ部に隣接する出射側レンズ部へ進む光が、そのまま出射しないようにできる。よって、照明光を必要な範囲内に効率よく集光できる。
(3)出射側レンズ部は、長軸がシート面に対して直交する楕円筒の一部、又は、長軸がシート面に対して直交する回転楕円体の一部により形成されているので、簡単で製造が容易なレンズ形状としながら高い集光効果を得られる。
(4)出射側レンズ部の長半径は、短半径の1.5倍以上3.0倍以下であるので、集光効果をより高めることができる。
(5)透過部には、入射側に凸のレンズ形状である入射側レンズ部が形成されているので、大きな入射角度で入射する光であっても、必要な範囲に集光できる。
(6)sin-1(1/n)−θ≦tan-1{(2−R)*0.5*P/(t−h)}の関係を満足するので、透過部の中央に入射した後に、その透過部と重なる位置に配置された出射側レンズ部に隣接する出射側レンズ部へ進む光が、その隣接する出射側レンズ部の中央(頂点付近)から出射することを防止でき、照明光を必要な範囲内に効率よく集光できる。
(7)反射部は、透過部よりも入射側に突出しているので、反射部の形成を容易に行える。また、ニュートンリングが発生することを防止できる。
(8)10μm≦Δh≦50μm、かつ、P/30≦Δh≦P/10、の関係を満足するので、反射部を形成する際、集光性を低下させることなく、透過部に反射部を形成する材料が付着することを防止できる。
(9)反射部は、印刷又は転写により形成されているので、反射部の形成を容易に行える。
(10)光制御シートは、使用状態における透過型表示部の画面の上下方向の光を主に制御するので、垂直方向に広がる光を集めて正面輝度を高めることができる。なお、一般的な表示装置では、垂直視野角よりも水平視野角が広いことが望まれるので、そのような多くの表示装置に好適に用いることができる。
(11)光拡散作用を有した拡散シートを少なくとも1枚有しているので、輝度ムラを低減することができる。
(12)光制御シートが光を主に制御する方向と直交する方向で光を主に制御する第2の光制御シートを有するので、垂直方向及び水平方向のいずれの方向についても、光の出射範囲を制御することができる。
(13)面光源装置に含まれるシートの中の少なくとも1つには、光拡散効果を付与する粒子が添加されているので、輝度ムラを低減することができる。
(14)光制御シートよりも光源側に光制御シートよりも剛性の高い高剛性シートを有するので、光制御シートの剛性が低くても、全体として剛性を高めることができ、平面度の高い面光源とできる。
(15)光制御シートは、反射部が前記高剛性シートに接合されているので、光制御シートの剛性が低くても、平面度の高い面光源とできる。
照明光を必要な範囲内に効率よく集光するという目的と、ニュートンリングが発生することなく、かつ、生産性をよくするという目的を、出射側及び入射側に設けられたレンズ形状、反射部等の寸法関係を最適化することにより実現した。
図1は、本発明による面光源装置を含む透過型表示装置の実施例を示す図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
本実施例における透過型表示装置10は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル11,反射板12,発光管13,光制御シート14,乳白板16,第2の光制御シート17等を備え、LCDパネル11に形成される映像情報を背面から照明して表示する装置である。なお、LCDパネル11を背面から照明する面光源装置としては、反射板12,発光管13,光制御シート14,乳白板16,第2の光制御シート17が該当している。
LCDパネル11は、透過型の液晶表示素子により形成されており、30インチサイズ、800×600ドットの表示を行うことができる透過型表示部である。LCDパネル11は、発光管13の長手方向に沿った方向が、水平方向として使用され、発光管13が並ぶ方向が、垂直方向として使用される。
発光管13は、バックライトの光源部を形成する線光源の冷陰極管であり、本実施例では、略75mm間隔で等間隔に6本が並列に並べられている。発光管13の背面には、反射板12が設けられている。
反射板12は、発光管13の光制御シート14とは反対側(背面側)の全面にわたって設けられており、背面側へ進む照明光を拡散反射して光制御シート14方向(出射方向)へ向かわせ、入射光照度を均一に近付ける働きを持つ。
乳白板16は、無指向性の光拡散特性を有した拡散シートであり、光制御シート14の光源側に配置されている。本実施例における乳白板16は、光制御シート14よりも曲げに対する変形強度(曲げ剛性)、及び、ねじりに対する変形強度(ねじり剛性)のいずれも高い高剛性シートである。そして、光制御シート14は、その反射部144がこの乳白板16に不図示の接着層により接着されている。これにより、光制御シート14の強度を乳白板16により補うことができる。
第2の光制御シート17は、光制御シート14とLCDパネル11との間に配置され、出射側に単位レンズが多数並べて配置されたレンチキュラーレンズシートである。第2の光制御シート17の単位レンズは、水平方向に並べられており、光を制御する主な方向は、水平方向である。したがって、第2の光制御シート17は、後述の光制御シート14が光を制御する主な方向(垂直方向)と直交する方向である水平方向で、光の制御を行っている。
図2は、光制御シート14を示す斜視図である。
光制御シート14は、発光管13から出射した光の輝度ムラを低減させて均一化するとともに必要な出射角度範囲内に出射光を集光するレンズシートであり、出射側に光を収束して出射する単位レンズ(出射側レンズ部)141が形成されている。単位レンズ141は、連続する楕円筒の一部の形状となっており、光制御シート14の出射側表面は、この単位レンズ141が平行に多数並べて配置されている。単位レンズ141の並ぶ方向は、発光管13の並ぶ方向と一致している(図1参照)。
本実施例の光制御シート14は、屈折率の平均n=1.53の透明なMS(メタクリルスチレン:アクリル樹脂とスチレン樹脂との共重合体)樹脂を用いた押し出し成型により一体成型されている。
このように、光制御シート14の成型に押し出し法を用いて両面の賦型を同時に行うことにより、生産性をよくできる。また、光制御シート14の入射側と出射側とが同じ材料により形成されているので、吸水率や線膨張係数が等しくなる。よって、温度及び湿度の変化があったとしても、入射側と出射側が略同様な挙動をして、片面のみに大きな変形や反り等が発生することがなく、耐環境性を高めることができる。
なお、光制御シート14は、PMMAに限らず、光透過性の有る他の熱可塑性樹脂を適宜選択して使用してもよい。また、光制御シート14は、紫外線硬化樹脂や電離放射線硬化樹脂等の光硬化樹脂を用いて作製してもよい。
図3は、光制御シート14を図2中に矢印で示したS1−S2断面で切断した断面図である。なお、図3は、図中の上方が出射側となっている。
単位レンズ141は、図3に示した断面において、長半径A1=400μm、短半径B1=200μmの楕円筒の一部形状により形成された出射側レンズ部であり、ピッチ300μmで並べられており、その長軸が光制御シート14のシート面に対して直交している。
光制御シート14の入射側には、凸部142,凹部143,反射部144が設けられている。
凸部142は、凹部143の頂点から反射部144の表面までの突出量Δh=30μmとなるように設けられており、その幅W2=171μmである。
凹部143は、凸部142に挟まれた部分にあって、光を透過可能な透過部である。
凹部143は、その中心がシート面に対する法線方向から見たときに単位レンズ141の頂点と重なる位置に幅W1=129μmで配置されており、その形状は、入射側に凸の曲面形状となっている。よって、凹部143は、入射側の法線方向から観察したときに面積比で43%の面積を占めている。なお、この凹部143が入射側の法線方向から観察したときに占める面積比を開口率Rとする。
本実施例の凹部143の曲面形状は、長半径A2=100μm、短半径B2=50μmの楕円筒の一部形状により形成された入射側レンズ部となっており、そのレンズ部の高さh=5μmであり、その長軸が光制御シート14のシート面に対して平行な方向となっている。また、凹部143の端部におけるレンズ表面の接線とシート面とが成す角θ=20°である。
なお、単位レンズ141の頂点と凹部143のレンズ形状の頂点との距離t=430μmとなっている。
反射部144は、凸部142の入射側表面に形成されており、照明光を拡散反射する拡散反射面となっている。本実施例の反射部144は、顔料として酸化チタンを使用した白色インキを凸部142の入射側表面に印刷することにより形成されている。上記白インキを使用すると、反射しない光は、拡散透過するので光の利用効率を高くできる。この反射部144を白色インキ等の拡散反射面とせずに、アルミニウムや銀等を用いた反射面としてしまうと、幾分かの光は吸収してしまい、光の利用効率がよくない。また、これらの金属を使用すると、酸化によって黒化や反射率低下の現象が起こることがあり、これを防ぐためオーバーコート層等を設ける必要があり、コストアップに繋がってしまう。よって、この反射部144は、白色インキ等の拡散反射面とすることが望ましい。なお、反射部144の形成は、印刷の他、転写によって行ってもよい。
ここで、光制御シート14は、以下の各条件を満足することが望ましい。
(条件1)凹部143が相当する透過部が、入射側の法線方向から観察したときに占める面積比(開口率)は、40%以上60%以下であることが、斜め方向からの光が単位レンズ141の頂部付近の平坦な部分に入射し、斜め方向へ出射したり、単位レンズ141の端部で全反射して単位レンズ141の反対側で屈折して斜め方向へ出射することで集光性が低下することがないようにするために望ましい。なお、凸部142(反射部144)の幅が広くなりすぎると光制御シート14の光透過率が極端に低下し、光の利用効率が劣化してしまうので、40%以上とすることが望ましい。
Figure 0004752493
上記表1は、開口率と正面輝度及び視野角との関係を示す表である。
開口率が40%よりも少なくなると、視野角が狭くなりすぎて使用に適さず、開口率が60%よりも大きくなると正面輝度が低下しすぎて使用に適さない。よって、開口率は、40%以上60%以下であることが望ましい。
本実施例では、凹部143は、開口率R=43%となる面積を占めており、この条件1を満足している。
(条件2)光制御シート14は、sin-1(1/n)≦tan-1(P/t)の関係を満足することが望ましい。この条件を満たすことにより、凹部143の中央に入射した後に、その入射した凹部143と重なる位置に配置された単位レンズ141に隣接する単位レンズ141へ進む光が、そのまま出射しないようにできる。
図4は、条件2を説明する図である。
単位レンズ141の頂点と凹部143のレンズ形状の頂点との距離tが大きくなると、この条件2を満たさなくなり、凹部143の中央に入射した後に、その入射した凹部143と重なる位置に配置された単位レンズ141Aに隣接する単位レンズ141B(以下、隣の単位レンズと呼ぶ)へ進む光がそのまま出射してしまう可能性が高くなってしまう。
しかし、この条件2を満足することにより、隣の単位レンズ141Bから出射する光は殆んどなくなる。
本実施例では、n=1.53,P=0.3mm,t=0.33mmであり、これを上記式に代入すると、以下のようにこの条件2を満足している。
sin-1(1/1.53)≦tan-1(0.3/0.33)
40.8°(左辺)≦42.3°(右辺)
(条件3)光制御シート14の出射側レンズ部の長半径は、短半径の1.5倍以上3.0倍以下であることが望ましい。この条件を満たすことにより、集光効果をより高めることができる。なお、1.5倍よりも小さいと集光性が得られず、3.0倍よりも大きくなると全反射して大きな出射角度で出射してしまう光が増加してしまう。
また、3.0倍よりも大きくなると、開口率が50%程度であっても隣の単位レンズから出射してしまう光が多くなり、斜め方向(大きな出射角度方向)の輝度が高くなり、コントラストの低下も生じてしまう。
本実施例では、単位レンズ141は、長半径A1=400μm、短半径B1=200μmであり、この条件3を満足している。
(条件4)光制御シート14は、sin-1(1/n)−θ≦tan-1{(2−R)*0.5*P/(t−h)}の関係を満足することが望ましい。この条件を満たすことにより、凹部143の端部に入射した後に、凹部143と重なる位置に配置された単位レンズ141に隣接する単位レンズ141へ進む光が、その隣接する単位レンズ141の中央(頂点付近)から出射することを防止できる。
図5は、条件4を説明する図である。
単位レンズ141の頂点と凹部143のレンズ形状の頂点との距離tが大きくなると、この条件4を満たさなくなり、凹部143の端部付近に入射した後に、隣の単位レンズ141Bへ進む光がそのまま出射してしまう可能性が高くなってしまう。
しかし、この条件4を満足することにより、隣の単位レンズ141Bから出射する光は殆んどなくなる。
本実施例では、n=1.53,θ=20°,R=43%,P=0.3mm,t=0.33mm,h=0.005mmであり、これを上記式に代入すると、以下のようにこの条件4を満足している。
sin-1(1/1.53)−20°≦tan-1{(2−0.33)*0.5*0.3/(0.33−0.005)}
20.8°(左辺)≦37.6°(右辺)
Figure 0004752493
(条件5)上記表2は、凹部143の最も突出している部分と反射部144の表面との高さの差をΔhの影響を示す表である。
光制御シート14は、10μm≦Δh≦50μm、かつ、P/30≦Δh≦P/10の関係を満足することが望ましい。この条件を満たすことにより、反射部144を形成する際、凹部143に反射部144を形成する材料が付着することを防止できる。なお、上限を設定したのは、Δhが大きすぎると反射部144の側面からの入射光が多くなり集光性が低下するからである。
本実施例では、Δh=0.03mm=30μmであり、上記前半の式を満足し、また、P=0.3mm=300μmであるから、これらを上記式に代入すると、以下のようにこの条件5を満足している。
300/30≦30≦300/10
10≦30≦30
図6は、本実施例の光制御シート14に大きな入射角度で入射する光の進み方を示す図である。
光線Aについては、上記条件1を満足することから、隣の単位レンズ141から斜め方向へ出射しないで再利用されている。
また、光線Bについては、上記条件2,3を満足することから、単位レンズ141の中央から出射せずに、光源側に戻されて再利用されている。
ここで、本実施例の効果を確認するため、比較例として出射側に頂角90度のプリズム形状が多数並べて配置された輝度上昇フィルム(BEF:住友スリーエム株式会社製)を配置した面光源装置と比較した。
なお、評価は、光制御シート14及び比較例のシートをそれぞれ単独で発光管13の上に配置したものにより行った。
本実施例の光制御シート14では、拡散半値角が略30度となり、高い収束性を有しながら、輝度ムラのない均一な照明光を出射した。
一方、比較例では、拡散半値角が略40度であり、拡散角60度以上の部分において輝度の不自然な上昇があり、輝度ムラが大きかった。
本実施例によれば、出射側に単位レンズ141を配置し、入射側に拡散反射を行う反射部144を設けたので、乳白板16と重ね合わせてもニュートンリングが発生することなく照明光を必要な範囲内に効率よく集光できる。
また、光制御シート14を同一の材料により一体成型し、かつ、入射側と出射側の表面積を略等しくしたので、高い耐環境性を実現した。
さらに、光制御シート14を押し出し成型により一体成型し、かつ、凸部142に反射部144を印刷により形成したので、生産性をよくできる。
さらにまた、出射側及び入射側に設けられたレンズ形状、反射部等の寸法関係を最適化した上述の条件1〜4を満足しているので、光の収束性を高め、必要な範囲へ出射する光を増加させることができる。
(変形例)
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)本実施例において、線光源を並列に並べた面光源装置を例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば、点光源を用いる面光源装置であってもよい。
(2)本実施例において、光制御シート14は、同一断面形状が一方向に延在する単位レンズを多数並べたレンチキュラーレンズシートである例を示したが、これに限らず、例えば、単位レンズを2次元方向に配列したレンズアレイ(いわゆる蝿の目レンズ)シートを光制御シートとしてもよい。なお、この場合にも、シートの法線方向から見たときに単位レンズと重なる位置に透過部を設け、それ以外の部分に反射部を設けるとよい。
(3)本実施例において、光制御シート14は、1種類の単位レンズが出射側に並べられている例を示したが、これに限らず、例えば、複数種類の単位レンズを組み合わせて出射側に配置してもよい。
(4)本実施例において、面光源装置に使用される各種光学シートの中の少なくともひとつに、光拡散作用を付与する光拡散粒子を添加して拡散特性を調節してもよい。
本発明による面光源装置を含む透過型表示装置の実施例を示す図である。 光制御シート14を示す斜視図である。 光制御シート14を図2中に矢印で示したS1−S2断面で切断した断面図である。 条件2を説明する図である。 条件4を説明する図である。 本実施例の光制御シート14に大きな入射角度で入射する光の進み方を示す図である。
符号の説明
10 透過型表示装置
11 LCDパネル
12 反射板
13 発光管
14 光制御シート
141 単位レンズ
142 凸部
143 凹部
144 反射部
16 乳白板
17 第2の光制御シート

Claims (16)

  1. 直下型の面光源装置に設けられ、光源から出射した光を均一化、及び/又は、収束させる光制御シートであって、
    出射側に突出して多数並べて配列された少なくとも1種類の出射側レンズ部と、
    入射側であって、その中心がシート面の法線方向から観察して出射側レンズ部の頂点に重なる位置に設けられ、入射側の法線方向から観察したときの面積比である開口率が40%以上60%以下の面積を占め、入射側に凸のレンズ形状である入射側レンズ部が形成されている透過部と、
    入射側の前記透過部が設けられている領域以外の領域に前記透過部と交互に設けられ、入射側に突出した凸部の入射側表面に形成された反射部と、
    を備える光制御シート。
  2. 請求項1に記載の光制御シートにおいて、
    前記出射側レンズ部の並ぶピッチをP、前記透過部の表面から前記出射側レンズ部の頂点までの厚さをt、前記透過部から前記出射側レンズ部までを形成する材料の屈折率の平均値をnとしたとき、
    sin-1(1/n)≦tan-1(P/t)
    の関係を満足すること、
    を特徴とする光制御シート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光制御シートにおいて、
    前記出射側レンズ部は、長軸がシート面に対して直交する楕円筒の一部、又は、長軸がシート面に対して直交する回転楕円体の一部により形成されていること、
    を特徴とする光制御シート。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、
    前記出射側レンズ部は、長軸がシート面に対して直交する楕円筒の一部により形成され、かつ、
    前記入射側レンズ部は、長軸がシート面に対して平行な楕円筒の一部により形成されていること、
    を特徴とする光制御シート。
  5. 求項3又は請求項4に記載の光制御シートにおいて、
    前記出射側レンズ部の長半径は、短半径の1.5倍以上3.0倍以下であること、
    を特徴とする光制御シート。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、
    前記入射側レンズ部の高さをh、前記透過部の端部における前記入射側レンズ部のレンズ表面の接線とシート面とが成す角をθ、前記開口率をRとしたとき、
    sin-1(1/n)−θ≦tan-1{(2−R)*0.5*P/(t−h)}
    の関係を満足すること、
    を特徴とする光制御シート。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、
    前記反射部は、前記透過部よりも入射側に突出していること、
    を特徴とする光制御シート。
  8. 請求項7に記載の光制御シートにおいて、
    前記透過部の最も突出している部分と前記反射部の表面との高さの差をΔhとしたとき、
    10μm≦Δh≦50μm、
    かつ、
    P/30≦Δh≦P/10、
    の関係を満足すること、
    を特徴とする光制御シート。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、
    前記反射部は、印刷又は転写により形成されていること、
    を特徴とする光制御シート。
  10. 透過型表示部を背面から照明する面光源装置であって、
    複数の光源が並べて配置された光源部と、
    請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の光制御シートと、
    を備える面光源装置。
  11. 請求項10に記載の面光源装置において、
    前記光制御シートは、使用状態における前記透過型表示部の画面の上下方向の光を主に制御すること、
    を特徴とする面光源装置。
  12. 請求項10又は請求項11に記載の面光源装置において、
    光拡散作用を有した拡散シートを少なくとも1枚有していること、
    を特徴とする面光源装置。
  13. 請求項10から請求項12までのいずれか1項に記載の面光源装置において、
    前記光制御シートが光を主に制御する方向と直交する方向で光を主に制御する第2の光制御シートを有すること、
    を特徴とする面光源装置。
  14. 請求項10から請求項13までのいずれか1項に記載の面光源装置において、
    面光源装置に含まれるシートの中の少なくとも1つには、光拡散効果を付与する粒子が添加されていること、
    を特徴とする面光源装置。
  15. 請求項10から請求項14までのいずれか1項に記載の面光源装置において、
    前記光制御シートよりも前記光源側に前記光制御シートよりも剛性の高い高剛性シートを有すること、
    を特徴とする面光源装置。
  16. 請求項15に記載の面光源装置において、
    前記光制御シートは、前記反射部が前記高剛性シートに接合されていること、
    を特徴とする面光源装置。
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