JP4730340B2 - 面光源装置、透過型表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、直下型の面光源装置、及び、これを備える透過型表示装置に関するものである。
透過型の液晶ディスプレイ等を背面から照明する面光源(バックライト)として、各種方式の面光源装置が提案、実用化されている。面光源装置には、主として、面光源ではない光源を面光源に変換する方式により、エッジライト型と直下型とがある。
例えば、直下型では、複数配列された発光体からなる光源部と液晶パネル等との距離を適度にあけ、その間に拡散板や、光を収束させる作用を有する光学シート等を複数組み合わせて使用していた。
従来、このような面光源装置では、主に一方向における光の出射角度等を制御可能な光制御シートと、光拡散作用を有する拡散シート等を組み合わせて、視野角の制御と輝度ムラの低減を図っていた(特許文献1参照)。しかし、拡散シートの拡散作用によって、正面方向での輝度が低下し、十分な輝度の向上が得られなかった。
特開2004−6256号公報
本発明の課題は、効率よく輝度ムラを低減でき、明るさが均一であり、正面輝度が高い面光源装置、及び、これを備える透過型表示装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、透過型表示部を背面から照明する直下型の面光源装置であって、照明光を発光する光源部(13)と、前記光源部より出射側に配置され、出射側に凸となるように形成された第1の単位レンズ(141,241)が、該面光源装置の使用状態における垂直方向に複数配列された第1の光制御シート(14,24)と、前記第1の光制御シートより出射側に配置され、出射側に凸となるように形成された第2の単位レンズ(151)が、該面光源装置の使用状態における水平方向に複数配列された第2の光制御シート(15)と、を備え、前記第2の光制御シートは、前記第2の単位レンズの表面凸形状に沿って形成され、光を散乱する第2の散乱層(152)を有し、前記第2の光制御シートの前記第2の単位レンズのレンズ形状以外の散乱成分による散乱特性は、前記第1の光制御シートの前記第1の単位レンズのレンズ形状以外の散乱成分による散乱特性より大きく、前記第1の光制御シートの厚さ(W1)は、前記第2の光制御シートの厚さ(W2)よりも厚いこと、を特徴とする面光源装置(12,13,14,24,15,16)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の面光源装置において、前記第1の単位レンズ(141,241)及び前記第2の単位レンズ(151)は、長軸がシート面に対して直交して連続する楕円筒の一部、又は、長軸がシート面に対して直交する回転楕円体の一部であること、を特徴とする面光源装置(12,13,14,24,15,16)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の面光源装置において、前記第1の光制御シート(14)は、前記第1の単位レンズ(141)の表面凸形状に沿って形成され、光を散乱する第1の散乱層(142)を有し、前記第2の散乱層(152)は、前記第
1の散乱層に比べて散乱特性が大きいこと、を特徴とする面光源装置(12,13,14,15,16)である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の面光源装置において、前記第1の散乱層(142)及び前記第2の散乱層(152)は、それぞれ拡散材を含有しており、前記第2の散乱層が含有する拡散材と前記第2の散乱層のベースとなる樹脂との屈折率差(Δn2)は、前記第1の散乱層が含有する拡散材と前記第1の散乱層のベースとなる樹脂との屈折率差(Δn1)に比べて大きいこと、を特徴とする面光源装置(12,13,14,15,16)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の面光源装置において、前記第2の散乱層(152)は拡散材を含有しており、前記第2の散乱層が含有する拡散材の少なくとも一部は、内部に微細な気泡を複数含有する粒子であること、を特徴とする面光源装置(12,13,14,15,16)である。
請求項6の発明は、請求項5に記載の面光源装置において、前記粒子は、有機化合物を用いて形成されていること、を特徴とする面光源装置(12,13,14,15,16)である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の面光源装置において、前記第1の単位レンズ(141,241)が配列されるピッチをP1とし、前記第2の単位レンズ(151)が配列されるピッチをP2とするとき、P2≦P1という関係を満たすこと、を特徴とする面光源装置(12,13,14,24,15,16)である。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の面光源装置において、前記光源部は複数配列された発光体(13)を有し、隣り合う前記発光体間の距離をLとし、前記発光体から前記第1の光制御シート(14,24)と前記第2の光制御シート(15)のうち少なくともいずれかのシート(14,24)までの距離をd、前記いずれかのシートの隣り合う単位レンズ間(141,241)の谷部におけるレンズ面に対する接面(T)と前記いずれかのシートのシート面の法線(H)方向とがなす角度の最小値をθ、前記単位レンズの屈折率をnとするとき、arccos(n×cos(φ+θ))≦θ、φ=arcsin(sin(arctan(L/(2d)))/n)という関係を満たすこと、を特徴とする面光源装置(12,13,14,24,15,16)である。
請求項9の発明は、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の面光源装置(12,13,14,24,15,16)と、前記面光源装置によって背面から照明される透過型表示部(11)と、を備える透過型表示装置(10,20)である。
請求項10の発明は、請求項9に記載の透過型表示装置において、前記透過型表示部(11)の画素ピッチをP0、前記第1の単位レンズ(141,241)が配列されるピッチをP1、前記第2の単位レンズ(151)が配列されるピッチをP2とするとき、P2≦P1<P0という関係を満たすこと、を特徴とする透過型表示装置(10,20)である。
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明による面光源装置は、光源部より出射側に配置され、出射側に凸となるように形成された第1の単位レンズが、面光源装置の使用状態における垂直方向に複数配列された第1の光制御シートと、第1の光制御シートより出射側に配置され、出射側に凸となるように形成された第2の単位レンズが、面光源装置の使用状態における水平方向に複数配列された第2の光制御シートとを備えるので、面光源装置の使用状態における垂直方向及び水平方向の両方向において、光を独立して制御することができ、視野角を自由に設定することができる。
第2の光制御シートは、第2の単位レンズの表面凸形状に沿って形成され、光を散乱する第2の散乱層を有し、第2の光制御シートの第2の単位レンズのレンズ形状以外の散乱
成分による散乱特性は、第1の光制御シートの第1の単位レンズのレンズ形状以外の散乱成分による散乱特性より大きいので、第2の単位レンズによる光の収束作用に加えて、光の拡散作用を付与することができる。これにより、第2の散乱層が存在しない場合には、第2の光制御シートに大きな角度で入射して所望する視野角外への大きな出射角度で出射する光が存在するが、第2の散乱層を設けることにより、大きな出射角度で出射する光を散乱して視野角範囲内の出射角度で出射させることができる。また、第2の散乱層が存在しない場合に大きな出射角度で出射する光が、第2の散乱層によって大きく散乱され、光源側へ戻されて再利用されることにより、第2の光制御シートに初めに入射した位置とは離れた位置に入射し、出射させることができ、また、所望する視野角内へ出射する光の割合を増やすことができる。従って、輝度ムラの低減や正面輝度の向上を高めることができ、視野角範囲外に不要な輝度のピークが発生することを低減できる。さらに、単位レンズのレンズ形状以外の散乱成分による散乱特性が大きい第2の光制御シートと、散乱特性が小さい第1の光制御シートと用いることにより、輝度ムラを低減する効果を高めながら、過度に光を散乱させることによる正面輝度の低下を抑制できる。
第1の光制御シートは、その厚さが第2の光制御シートの厚さよりも厚いので、第2の光制御シートよりも剛性が高く、第2の光制御シート等の他の光学シートを保持する機能を有する。また、第1の光制御シートを吸湿性が無い材料で形成した場合には、光源部からの熱等によって出射側に凸となる反りが生じ難いので、反りによる輝度ムラを防止できるという効果が期待できる。さらに、第2の光制御シートは、第1の光制御シートよりも薄いので、例えば、押し出し成形等によって第2の光制御シートを作製する際に、成形が容易である。
(2)第1の単位レンズ及び第2の単位レンズは、長軸がシート面に対して直交して連続する楕円筒の一部、又は、長軸がシート面に対して直交する回転楕円体の一部であるので、光の収束効果を高めることができる。また、所望する収束効果に合わせて、設計が容易に行える。
(3)第1の光制御シートは、第1の単位レンズの表面凸形状に沿って形成され、光を散乱する第1の散乱層を有するので、散乱層が無い場合に大きな出射角度で視野角範囲外へ出射する光を、第1の散乱層と第2の散乱層とによって散乱させ、視野角範囲内への出射角度に修正して出射させることができる。また、そのような光を散乱させて光源側へ戻して再利用することによって、輝度ムラを低減したり、所望する視野角範囲内へ出射する光の割合を増やして正面輝度を高めたりすることができる。
また、第2の散乱層は、第1の散乱層に比べて散乱特性が大きいので、第2の散乱層によって拡散され、出射角度を視野角範囲内の光源部側へ戻され再利用される光の割合が増え、かつ、再利用された光が初めに第2の光制御シートに入射した位置に対して、より離れた位置に入射して出射するので、より効率よく輝度ムラを防止する効果が得られる。また、第2の散乱層を設けない場合に大きな出射角度で出射する光を、第2の散乱層によって散乱することにより、視野角範囲内の出射角度で出射させることができ、正面輝度の向上や、視野角範囲外に発生する不要な輝度のピークを低減できる。
(4)第1の散乱層及び第2の散乱層は、それぞれ拡散材を含有しており、第2の散乱層が含有する拡散材と第2の散乱層のベースとなる樹脂との屈折率差は、第1の散乱層が含有する拡散材と第1の散乱層のベースとなる樹脂との屈折率差に比べて大きいので、第2の散乱層による散乱作用は、第1の散乱層による散乱作用よりも大きい。従って、第2の散乱層が存在しない場合に大きな出射角度で所望する視野角範囲外へ出射する光が、第2の散乱層の拡散材によって大きく散乱され、光源側へ戻されて再利用される割合が増える。また、再利用された光が第2の光制御シートに対して、初めに入射した位置から離れた位置に入射し、所望する視野角範囲内へ出射する光の割合が増える。これにより、効率よく輝度ムラを低減することができ、かつ、所望する視野角範囲内の輝度を向上させること
ができる。さらに、第2の散乱層を設けない場合には大きな出射角度で出射する光を、第2の散乱層によって散乱することにより、視野角範囲内の出射角度で出射させることができ、正面輝度の向上や、視野角範囲外に発生する不要な輝度のピークを低減できる。
(5)第2の散乱層が含有する拡散材の少なくとも一部は、内部に微細な気泡を複数含有する粒子であるので、拡散材による散乱作用を大きくすることができ、輝度ムラの低減や正面輝度の向上効果を高めることができる。
(6)粒子は、有機化合物を用いて形成されているので、微細な気泡を容易に形成できる。
(7)第1の単位レンズが配列されるピッチをP1とし、第2の単位レンズが配列されるピッチをP2とするとき、P2≦P1という関係を満たすので、第2の光制御シートに比べて厚さの厚い第1の光制御シートであっても、第1の単位レンズのレンズ形状による収束効果を保持しつつ、容易に形成できる。また、使用状態における垂直方向の光を制御する第2の光制御シートの収束効果を高めることができる。
(8)第1の光制御シートと第2の光制御シートのうち少なくともいずれかのシートは、arccos(n×cos(φ+θ))≦θ、φ=arcsin(sin(arctan(L/(2d)))/n)という関係を満たすので、隣り合う発光体間の略中央に対応する位置の単位レンズ間の谷部から出射する光のように、光制御シートへの入射角度が大きい光であっても、シート面の略法線方向へ出射される。従って、発光体に対応する位置は明るく、発光体間は暗くなるというような、発光体の位置による輝度ムラを低減でき、かつ、正面輝度を向上させることができる。
(9)本発明による面光源装置と、面光源装置によって背面から照明される透過型表示部とを備える透過型表示装置であるので、輝度ムラが少なく、均一に明るく、正面輝度が高い透過型表示装置とすることができ、良好な映像を表示できる。
(10)透過型表示部の画素ピッチをP0、第1の単位レンズが配列されるピッチをP1、第2の単位レンズが配列されるピッチをP2とするとき、P2≦P1<P0という関係を満たすので、モアレの発生を低減でき、良好な映像を表示できる。
本発明は、効率よく輝度ムラを低減でき、明るさが均一であり、正面輝度が高い面光源装置、及び、これを備える透過型表示装置をするという目的を、第1の単位レンズが面光源装置の使用状態における垂直方向に複数配列された第1の光制御シートと、第1の光制御シートより出射側に配置され、第2の単位レンズが面光源装置の使用状態における水平方向に複数配列された第2の光制御シートとを備え、第2の光制御シートは、第2の単位レンズの表面凸形状に沿って形成され、光を散乱する第2の散乱層を有し、第2の光制御シートの第2の単位レンズのレンズ形状以外の散乱成分による散乱特性は、第1の光制御シートの第1の単位レンズのレンズ形状以外の散乱成分による散乱特性より大きく、第1の光制御シートの厚さは、第2の光制御シートの厚さよりも厚く形成された面光源装置、及び、これを備える透過型表示装置とすることにより実現した。
(第1実施形態)
図1は、本発明による透過型表示装置の第1実施形態を示す図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、個数、形状等は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方と
して、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、特許請求の範囲の記載は、シートという記載で統一して使用した。従って、シート、板、フィルムの文言は、適宜置き換えることができるものとする。例えば、光制御シートは、光制御フィルムとしてもよいし、光制御板としてもよい。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本実施形態の透過型表示装置10は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル11,反射板12,発光管13,第1の光制御シート14,第2の光制御シート15,偏光反射シート16等を備え、LCDパネル11に形成される映像情報を背面から照明して表示する透過型液晶表示装置である。なお、LCDパネル11を背面から照明する面光源装置(バックライト装置)としては、反射板12,発光管13,第1の光制御シート14,第2の光制御シート15,偏光反射シート16が該当している。
第1の光制御シート14,第2の光制御シート15,偏光反射シート16は、それぞれのシート面が、互いに略平行となるように配置されている。
なお、シート面とは、各シートにおいて、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであり、以下の説明中、及び、特許請求の範囲においても同一の定義として用いている。例えば、第1の光制御シート14では、シート面は、第1の光制御シート14全体として見たときにおける、第1の光制御シート14の平面方向となる面であり、第1の光制御シート14の入射面(発光管13側の面)と平行な面である。
また、理解を容易にするため、以下の明細書中では、垂直方向、水平方向とは、特に断りがある場合を除いて、面光源装置又は透過型表示装置の使用状態における垂直方向、水平方向であるとする。
LCDパネル11は、透過型の液晶表示素子により形成された透過型表示部であり、本実施形態では、対角32インチサイズ(740mm×420mm)、1280×768ドットの表示を行うことができる。LCDパネル11は、発光管13の長手方向に沿った方向が水平方向として使用され、発光管13が並ぶ方向が垂直方向として使用される。
発光管13は、面光源装置の光源部を形成する発光体である。本実施形態では、発光管13は、線光源の冷陰極管であり、図1中には6本のみ示したが、実際には略20mm間隔で等間隔に18本が並列に並べられている。発光管13の背面には、反射板12が設けられている。
反射板12は、発光管13の第1の光制御シート14とは反対側(背面側)の全面にわたって設けられており、背面側へ進む照明光を拡散反射して第1の光制御シート14方向(出射方向)へ向かわせ、入射光照度を均一に近付ける働きを有している。
第1の光制御シート14は、発光管13より出射側(LCDパネル11側)に配置され、出射側に凸となる第1の単位レンズ141が、垂直方向に複数配列されている。この第1の光制御シート14は、主に垂直方向における光の制御作用を有する。
また、第2の光制御シート15は、第1の光制御シート14より出射側(LCDパネル11側)に配置され、出射側に凸となる第2の単位レンズ151が水平方向に複数配列されている。この第2の光制御シート15は、主に水平方向における光の制御作用を有している。
第1の光制御シート14と第2の光制御シート15とは、シート面の法線方向から見たときに、それぞれの単位レンズの配列方向が直交しており、それぞれの光の制御方向が直交しているので、面光源装置の使用状態における垂直方向と水平方向との2方向での光の制御がそれぞれ独立して可能であり、視野角を自由に設定することができる。
発光管13と第1の光制御シート14との間には、所定の間隔があけられるように、不図示のスペーサが設けられている。
偏光反射シート16は、第2の光制御シート15とLCDパネル11との間に配置されており、視野角を狭めることなく輝度を上昇させる作用を有する偏光分離シートである。本実施形態では、DBEF(住友スリーエム株式会社製)であり、その厚さは、0.4mmである。
第1の光制御シート14及び第2の光制御シート15の形状等の詳細について説明する。
図2は、第1の光制御シート14を、図1中に矢印で示したS1−S2で切断した断面の拡大図である。
第1の光制御シート14は、出射側に凸となるように形成された第1の単位レンズ141が垂直方向に複数配列されている。
第1の単位レンズ141は、図2に示した断面において、長半径a1=0.25mm(250μm)、短半径b1=0.12mm(120μm)の楕円形状の一部となっている。よって、第1の単位レンズ141は、その長軸が第1の光制御シート14のシート面に対して直交して連続した楕円筒の一部となっている。この第1の単位レンズ141は、そのレンズ高さ(厚さ方向における第1の単位レンズ141の頂部から谷部までの距離)h1=0.102mm(102μm)、配列されたピッチP1=0.204mm(204μm)となるように形成されている。
また、第1の光制御シート14の厚さW1=1.5mmであり、後述する第2の光制御シート15の厚さW2より厚い。なお、第1の光制御シート14の厚さとしては、1.0〜2.0mmの範囲内であることが、成形性や耐環境性の観点から好ましい。
第1の単位レンズ141の長半径a1と短半径b1との比は、a1:b1=1.5:1〜3:1の範囲内であることが、第1の単位レンズ141による集光性を向上させる観点から好ましい。本実施形態では、a1:b1=2:1である。
また、第1の単位レンズ141のレンズ高さh1とピッチP1との比は、P1:h1=1.8:1〜2.2:1の範囲内であることが、第1の単位レンズ141のレンズ形状による集光作用と、成形性や耐環境性の向上とを両立する観点から好ましい。本実施形態では、P1:h1=2:1である。
本実施形態では、第1の単位レンズ141は、屈折率1.59のPC(ポリカーボネート)樹脂を用いて形成されている。なお、第1の単位レンズ141を形成する樹脂としては、PC樹脂の他に、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂や、MS(メタクリレート−スチレン)樹脂、PMMA(メタクリル酸メチル)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、シクロオレフィン樹脂等を用いることができる。
なお、第1の光制御シート14は、吸湿性の低い材料(非晶性のPET樹脂等)を用いて形成されることが、発光管13からの熱によってシートの表裏に吸湿率差が生じることに起因するシートの反りを防止する観点から好ましい。
第1の単位レンズ141の観察面側(LCDパネル11側)の表層内側部分には、拡散材を含有する第1の散乱層142が第1の単位レンズ141の凸形状に沿って形成されている。第1の散乱層の膜厚t1は、第1の単位レンズ141の頂部に相当する位置で、約25μmである。
なお、第1の散乱層142は、図2では、第1の単位レンズ141の頂部付近が厚く、第1の単位レンズ141間の谷部付近が薄く形成されているように示したが、これに限らず、例えば、第1の単位レンズ141の頂部付近が薄く、谷部付近が厚く形成される形態としてもよいし、第1の単位レンズ141の形状に沿って略均一な厚みで形成される形態としてもよい。
第1の散乱層142は、拡散材を含有しているが、ベースとなる樹脂は、第1の単位レ
ンズ141と同一の樹脂(本実施形態では、PC樹脂)で形成されている。
第1の光制御シート14は、本実施形態では、拡散材を含有するPC樹脂層と、拡散材を含有しないPC樹脂層を2層押し出し成形し、成形時に拡散材を含有するPC樹脂層側に第1の単位レンズ141が形成されており、拡散材の有無で、第1の散乱層142と、第1の単位レンズ141の第1の散乱層142以外の部分とが判別できる形態となっている。
本実施形態では、第1の散乱層142に用いる拡散材としてアクリル樹脂によって形成された粒径r1=5μmの樹脂ビーズを用いている。この樹脂ビーズは、屈折率が1.49である。第1の散乱層142に用いる拡散材としては、樹脂製等の微小なビーズであり、第1の散乱層142のベースとなる樹脂、すなわち、第1の単位レンズ141を形成する樹脂との屈折率差Δn1が0.01以上、0.12以下であるものが散乱特性等の観点から好ましい。
拡散材としては、その拡散材を含有するベースとなる樹脂との屈折率差が、0.01以上のものを用いないと、光の散乱作用が得られない。また、第1の散乱層142は、正面輝度の向上や、視野角の制御等の観点から、後述の第2の散乱層152よりも散乱特性が小さいものが好ましい。この第2の散乱層152が含有する拡散材と第2の散乱層152のベースとなる樹脂との屈折率差Δn2は、大きな散乱特性を得る観点から、0.15以上が好ましい。従って、第1の散乱層142に用いる拡散材と第1の散乱層142のベースとなる樹脂との屈折率差Δn1は、上述の範囲内であるものが好ましい。本実施形態では、Δn1=0.10であり、この範囲を満たしている。
なお、散乱特性とは、散乱成分によって光が散乱される度合いを示すものであり、以下の説明中、及び、特許請求の範囲においても同一の定義として用いている。散乱成分とは、光学シート等から出射する光に対して散乱させる作用を及ぼす成分であり、本実施形態では、第1の光制御シート14及び第2の光制御シート15は、散乱成分として、それぞれ、第1の単位レンズ141,第2の単位レンズ151のレンズ形状と、第1の散乱層142,後述する第2の散乱層152とを有している。
図3は、第2の光制御シート15を、図1中に矢印で示したS3−S4で切断した断面の拡大図である。
第2の光制御シート15は、出射側に凸となるように形成された第2の単位レンズ151が水平方向に複数配列されている。
第2の単位レンズ151は、図3に示した断面において、長半径a2=0.12mm(120μm)、短半径b2=0.60mm(60μm)の楕円形状の一部となっている。よって、第2の単位レンズ151は、その長軸が第2の光制御シート15のシート面に対して直交して連続した楕円筒の一部となっている。第2の単位レンズ151のレンズ高さh2=0.05mm(50μm)であり、第2の単位レンズ151が配列されるピッチP2=0.10mm(100μm)となるように形成されている。また、第2の光制御シート15の厚さW2=0.60mmであり、第1の光制御シート14の厚さW1よりも薄い。第2の光制御シート15の厚さは、0.3〜1.0mmの範囲内が、成形性や耐環境性の観点から望ましい。
第2の単位レンズ151の長半径a2と短半径b2との比は、第1の単位レンズ141と同様に、a2:b2=1.5:1〜3:1の範囲内であることが、第2の単位レンズ151の集光性を向上させる観点から好ましい。本実施形態では、a2:b2=2:1である。
また、第2の単位レンズ151のレンズ高さh2とピッチP2との比は、P2:h2=1.8:1〜2.2:1の範囲内であることが、第2の単位レンズ151のレンズ形状による集光作用を維持しつつ、成形性や耐環境性の向上を図る観点から好ましい。本実施形
態では、P2:h2=2:1である。
本実施形態では、第2の単位レンズ151は、屈折率1.57のAS樹脂を用いて形成されている。なお、第2の単位レンズ151を形成する樹脂としては、PC樹脂や、MS樹脂、PMMA樹脂、PET樹脂、シクロオレフィン樹脂等も用いることができる。
第2の単位レンズ151の観察面側(LCDパネル11側)の表層内側部分には、拡散材を含有する第2の散乱層152が第2の単位レンズ151の凸形状に沿って形成されている。第2の散乱層152の膜厚t2は、第2の単位レンズ151の頂部に相当する位置で、約25μmである。
なお、第2の散乱層152は、図3では、第2の単位レンズ151の頂部付近が厚く、第2の単位レンズ151間の谷部付近が薄く形成されているように示したが、これに限らず、例えば、第2の単位レンズ151の頂部付近が薄く、谷部付近が厚く形成される形態としてもよいし、第2の単位レンズ151の形状に沿って略均一な厚みで形成される形態としてもよい。
本実施形態では、第2の光制御シート15は、第1の光制御シート14と同様に、2層押し出し形成により形成されており、第2の散乱層152は、拡散材を含有しているが、ベースとなる樹脂は、第2の単位レンズ151と同一の樹脂(AS樹脂)で形成されているので、拡散材の有無で、第2の散乱層152と、第2の単位レンズ151の第2の散乱層152以外の部分とが判別できる形態となっている。
本実施形態では、第2の散乱層152に用いる拡散材としてアクリル系樹脂によって形成された粒径r2=5μmの多泡ビーズを用いている。この多泡ビーズは、微細な気泡を多数含有した微小ビーズであり、その平均屈折率は、約1.27である。第2の散乱層152に用いる拡散材としては、第2の散乱層152のベースとなる樹脂、すなわち、第2の単位レンズ151を形成する樹脂との屈折率差Δn2が、0.15以上であるものが大きな散乱特性を得る等の観点から好ましい。本実施形態では、Δn2=0.30であり、0.15以上である。
ここで、多泡ビーズは、多数の微細な気泡を含有しているため、屈折率として平均屈折率を用いたが、この平均屈折率とは、多泡ビーズが含有する気泡の径が光の波長に対して十分に小さい場合に、多泡ビーズ全体として見たときの平均的な屈折率である。本実施形態では、多泡ビーズが含有する気泡の径は、光の波長に対して十分小さいので、屈折率として平均屈折率を用いた。なお、多泡ビーズが含有する気泡の径が光の波長に対してある程度の大きさを有する場合には、多泡ビーズの屈折率は含有する気泡(例えば、空気)の屈折率と略等しくなり、1.0程度となる。
Figure 0004730340
表1は、第1の光制御シート14,第2の光制御シート15の形状等に関してまとめた表である。
本実施形態では、第1の光制御シート14と第2の光制御シート15のうち、発光管13側に配置された第1の光制御シート14の厚さW1を、LCDパネル11側に配置され
た第2の光制御シート15の厚さW2よりも厚くした。これにより、第1の光制御シート14は、第2の光制御シート15等、第1の光制御シート14よりLCDパネル11側に配置される各種光学シートを保持することができる。
次に、第1の光制御シート14の第1の単位レンズ141が配列されるピッチP1と、第2の光制御シート15の第2の単位レンズ151が配列されるピッチP2は、LCDパネルの画素ピッチP0に対して、
P2≦P1<P0 ・・・(式1)
という関係を満たすことが、モアレ低減や、単位レンズの収束作用、成形性の容易さ等の観点から好ましい。
例えば、P1≧P0である場合には、モアレが発生し易くなる。そのため、P1<P0であることが好ましい。
また、通常、表示装置等においては、垂直方向における視野角が重要視され、垂直方向への集光作用が重要視されるため、垂直方向における光の制御作用を有する第1の単位レンズ141の形状は、レンズ高さh1に対する配列ピッチの比が小さく、その精度が高いものが望まれる。
一般に、単位レンズが複数配列された光制御シートを押し出し成形で作製する場合に、その厚さを厚くすると、成形性の観点から、レンズ形状とピッチの双方を高い精度で作製することは困難である。すなわち、レンズ形状の精度を高くしてピッチを大きくするか、又は、ピッチの精度を高くしてレンズ形状をレンズ高さの低いゆるやかなレンズ形状とするか、どちらかを選択する必要性がある。
従って、本実施形態では、第1の光制御シート14は、第2の光制御シート15より厚さが厚く、垂直方向における光の制御作用を有しているので、成形性とレンズ形状による集光性を両立するためには、第1の単位レンズ141のレンズ形状の精度を高くし、配列ピッチに関してはP2≦P1とすることが好ましい。
一方、LCDパネル11側に配置される第2の光制御シート15は、モアレ防止の観点から、第2の単位レンズ151の配列ピッチP2は、細かく、精度の高いものが望まれる。
このような観点から、ピッチP1,P2,P0に関しては、(式1)を満たすことが望ましい。本実施形態では、P1=204μm、P2=100μm、P0=510μmであり、(式1)を満たしている。
なお、第2の光制御シート15は、モアレ防止の効果を高める観点から、ピッチP2は、画素ピッチP0の1/5以下であることがより好ましい。本実施形態では、ピッチP2は、画素ピッチP0の1/5である102μmより小さく、高いモアレ防止効果が期待できる。また、これによりモアレを低減できるので、第2の光制御シート15よりLCDパネル側に、さらに光拡散作用を有する光学シート等を設けなくともよくなり、輝度の低下を防止でき、生産コストを低減できる。
第1の光制御シート14及び第2の光制御シート15にそれぞれ第1の散乱層142及び第2の散乱層152を設けることによる効果は、以下の通りである。
光制御シートに散乱層を設けない場合、発光管13間の略中央に対応する位置に形成された単位レンズへ入射する光等、光制御シートに大きな入射角度で入射する光は、光制御シートから大きな出射角度で出射する傾向がある。また、入射角度が小さい場合にも、単位レンズ界面で全反射する等して単位レンズの表面形状に沿って進む光は、光制御シートから大きな出射角度で出射する傾向がある。
そこで、第1の光制御シート14及び第2の光制御シート15に、それぞれ、第1の単位レンズ141の表面形状に沿って形成された第1の散乱層142、第2の単位レンズ151の表面形状に沿って形成された第2の散乱層152を形成することにより、大きな出
射角度で出射する光については、それぞれの散乱層を通過する距離が長くなり、多く散乱される。従って、各散乱層を設けない場合に大きな出射角度で出射していた光の一部は、小さな出射角度に修正されて各光制御シートから出射し、また他の光の一部は、発光管13側へ戻されて再利用され、大きな出射角度で出射する光はごく僅かとすることができる。従って、輝度ムラの低減や、正面輝度の向上、視野角範囲外に生じる不要な輝度のピークの低減を図ることができる。
さらに、第2の光制御シート15は、第2の散乱層152に用いる拡散材として多泡ビーズを用いており、多泡ビーズと第2の単位レンズ151を形成する樹脂との屈折率差Δn2=0.30である。これに対して、第1の光制御シート14は、第1の散乱層142に用いる拡散材として樹脂ビーズを用いており、樹脂ビーズと第1の単位レンズ141を形成する樹脂との屈折率差Δn1=0.10である。従って、Δn1<Δn2であり、拡散材による光の散乱特性は、第2の散乱層152の方が大きい。
また、拡散材を含有する各散乱層全体として見たときの散乱特性、すなわち、各光制御シートにおいて、各単位レンズのレンズ形状以外の散乱成分による散乱特性の大きさに関しては、各散乱層が含有する拡散材と散乱層のベースとなる樹脂との屈折率差をΔn、拡散材の粒径をrとすると、Δn/rという値を用いて、その散乱特性の大きさを比較することができる。
各散乱層において、拡散材の粒径rが大きい方が、拡散材に当たる光の割合が小さくなり、散乱層全体として見たときの光が散乱される割合が小さくなり、散乱特性が小さくなる。逆に、拡散材の粒径が小さい方が、拡散材に当たる光の割合が大きくなり、散乱層全体として見たときの散乱特性が大きくなる。従って、散乱層全体として見たときの散乱特性の大きさは、屈折率差Δnに比例し、拡散材の粒径rに反比例すると言える。
よって、このΔn/rの値が大きい方が、散乱特性は大きくなり、各散乱層のΔn/rの値を比較することによって、各散乱層の散乱特性の大きさを比較することができる。
本実施形態では、各散乱層の屈折率差Δn1=0.10、Δn2=0.30であり、各拡散材の粒径r1=5μm、r2=5μmであるので、Δn1/r1=0.10/5=0.02、Δn2/r2=0.30/5=0.06である。よって、Δn1/r1<Δn2/r2であり、第2の散乱層152全体の散乱特性(第2の光制御シート15の第2の単位レンズ151のレンズ形状以外の散乱成分による散乱特性)は、第1の散乱層142全体の散乱特性(第1の光制御シート14の第1の単位レンズ141のレンズ形状以外の散乱成分による散乱特性)より大きい。なお、本実施形態では、各拡散材の粒径が等しい(r1=5μm、r2=5μm)ので、屈折率差Δn1とΔn2の大小によっても、散乱層全体としての散乱特性が比較できる。
散乱特性の大きい第2の散乱層152を設けることにより、発光管13側へ戻って反射板12で反射される等して再利用される光を増やすことができ、正面輝度を向上させ、輝度ムラを低減できる。
また、散乱特性の大きい第2の散乱層152をLCDパネル11側に配置された第2の光制御シート15に形成することにより、第2の散乱層152と反射板12との距離が大きくなり、再利用された光は最初に第2の光制御シートに入射した位置に対して、より離れた位置へ入射させることができ、また、再利用することにより視野角範囲内の出射角度で出射する光を増やすことができる。従って、発光管13から発せられた光を、より効率よく拡散することができ、より均一に明るい面光源装置とすることができる。
さらに、第2の散乱層152を設けない場合には、第2の光制御シート15から大きな出射角度で出射する光によって、所望する視野角範囲外に輝度のピークが発生する場合がある。しかし、本実施形態では、散乱特性の大きい第2の散乱層152をLCDパネル11側に配置された第2の光制御シート15に形成することにより、そのような光が散乱さ
れ、視野角範囲外の不要な輝度のピークをより確実に低減することができる。
さらにまた、単位レンズのレンズ形状以外の散乱成分による散乱特性が大きい第2の光制御シート15と、小さい第1の光制御シート14とを組み合わせて用いることにより、過度の散乱による正面輝度の低下を抑制し、正面輝度を向上させつつ、輝度ムラを低減する効果を高めることができる。
なお、各光制御シートにシート面の略法線方向から入射又は小さな入射角度で入射する光の多くは、各散乱層に対して略垂直に入射又は小さい入射角度で入射し、各単位レンズからシート面の略法線方向へ出射又は視野角範囲内へ出射する。従って、そのような光は、各散乱層を通過する距離は短く、散乱層によって受ける影響は小さい。
しかし、各散乱層によって散乱させたい光、すなわち大きな出射角度で出射する光は、その多くが、各単位レンズの界面で全反射する等して、単位レンズの表層近傍を進むため、各散乱層の膜厚に関わらず、各散乱層を通過する距離が長く、散乱層によって受ける影響は大きい。
従って、本実施形態では、各散乱層の拡散材とベースとなる樹脂との屈折率差Δnや、屈折率差と拡散材の粒径との比Δn/rによって、散乱特性の大きさを定義している。
図4は、第1の光制御シート14と発光管13との関係を示す図である。なお、理解を容易にするために、第1の散乱層142は省略して示している。
第1の光制御シート14は、発光管13の位置に応じた輝度ムラを防止する観点から、隣り合う発光管13間の距離、すなわち、発光管13が配列されたピッチをL、発光管13と第1の光制御シート14との距離をd、第1の光制御シート14の隣り合う第1の単位レンズ141間の谷部における第1の単位レンズ141のレンズ面に対する接面Tと第1の光制御シート14のシート面の法線H方向とがなす角度の最小値をθ、第1の単位レンズ141の屈折率をnとするとき、以下の2式を満たすことが望ましい。
arccos(n×cos(φ+θ))≦θ ・・・(式2)
φ=arcsin(sin(arctan(L/(2d)))/n) ・・・(式3)
本実施形態では、図1に示すように、光源部には、発光体として線光源である発光管13が、垂直方向に所定の間隔で配置されている。一般的に、このような光源部を用いた面光源装置等では、発光体の位置に対応した線状の輝度ムラが発生し易い。
第2の光制御シート15は、水平方向に配列された第2の単位レンズ151により、主として水平方向における光の制御作用を有しており、第2の散乱層152を有しているといえども、垂直方向における制御作用は微弱である。
一方、第1の光制御シート14は、発光管13の配列方向である垂直方向の制御作用を有しているので、発光管13からの光を垂直方向に拡散及び収束することにより、発光管13の位置に対応した輝度ムラを低減する効果が得られる。
(式3)より、角度φは、発光管13間の略中央に対応する位置に形成された隣り合う第1の単位レンズ141間の最も谷部から出射する光L1が、第1の光制御シート14内でシート面の法線H方向となす角度である(図4参照)。
また、(式2)は、発光管13から発せられた光が、発光管13間の略中央に対応する位置に形成された隣り合う第1の単位レンズ141間の谷部から出射する際に、第1の単位レンズ141のレンズ形状によって屈折し、シート面の法線H方向(光L1)、もしくは図4中に破線で示す光L3のように、シート面の法線H方向に対してわずかに角度をなす方向(以下、これらの方向を略法線方向とする)へ出射することを意味している。
発光管13間の略中央に対応する位置に形成された隣り合う第1の単位レンズ141間の最も谷部から出射する光がレンズ面に対する接面Tとなす角度の最小値θが、(式2)を満たさない場合、第1の単位レンズ141間の最も谷部から出射する光は、第1の光制
御シート14から大きな出射角度で出射してしまう(光L2)。そのため、発光管13間が暗くなり、発光管13に対応する位置が明るくなるという輝度ムラが生じてしまう。
しかし、最小値θが(式2)を満たす場合、最も谷部から出射する光は、第1の光制御シート14の略法線方向へ出射する(光L1及び光L3)。
よって、第1の光制御シート14において、上記(式2),(式3)が満たされることにより、発光管13間においても、大きな出射角度で光が出射することなく、シート面の略法線方向へ出射することができる。従って、発光管13の位置に対応した輝度ムラを低減することができる。
なお、第1の光制御シート14が(式2),(式3)を満たす場合、図4中に示す光L1は、第1の散乱層142に対して略垂直に入射又は小さな入射角度で入射し、第1の散乱層142を通過する距離が短く、第1の散乱層142による影響は小さい。
本実施形態によれば、以下に示す効果を奏することができる。
(1)効率よく輝度を均一化及して輝度ムラを低減し、正面輝度を向上させることができるので、輝度ムラが少なく、明るさが均一であり、正面輝度の高い面光源装置、透過型表示装置とすることができる。
(2)第1の光制御シート14と第2の光制御シート15とは、シート面の法線方向から見たときに、各単位レンズの配列方向が直交しており、光の制御方向が直交するように配置されているので、垂直方向及び水平方向の2方向において光を容易に制御することができ、最適な視野角を得ることができる。
(3)第1の散乱層142及び第2の散乱層152を設けたので、各光制御シートから大きな出射角度で出射する光を散乱して、光源側へ戻して再利用したり、視野角範囲内の出射角度に修正して出射したりすることができる。従って、輝度ムラの低減や、正面輝度の向上を図ることができる。
(4)第2の散乱層152は、第2の単位レンズ151を形成する樹脂との屈折率差Δn2が大きい多泡ビーズを含有しているので、第1の散乱層142に比べて散乱特性の大きい第2の散乱層152を、LCDパネル11側の第2の光制御シート15に設ける形態となる。これにより、第2の散乱層152が無い場合には、第2の単位レンズ151からシート面の法線方向に対して大きくそれた方向へ出射する光を、第2の散乱層152によって散乱させて発光管13側へ戻し、再利用する光の割合を増やすことができる。従って、より明るさが均一で輝度ムラがなく明るい面光源装置、透過型表示装置とすることができる。また、第2の単位レンズ151からシート面の法線方向に対して大きくそれた方向へ出射する光を散乱させるので、視野角範囲外に生じる不要な輝度のピークを低減することができる。
(5)第1の光制御シート14は、第2の光制御シート15より厚いので、第2の光制御シート等、他の光学シートを保持できる。
(6)第1の光制御シート14及び第2の光制御シート15は、(式1)を満たすので、モアレの発生を低減することができ、また、容易に製造できる。
(7)第1の光制御シート14は、(式2),(式3)を満たすので、発光管13間の略中央に対応する位置の隣り合う第1の単位レンズ141間の谷部から、シート面の略法線方向へ出射する光を増やすことができ、正面方向の輝度を向上させることができ、発光管13の位置に対応した輝度ムラを低減できる。
(第2実施形態)
図5は、本発明による透過型表示装置の第2実施形態を示す図である。
第2実施形態の透過型表示装置20は、第1の光制御シート14の形態が異なる以外は、第1実施形態の透過型表示装置10と略同様の形態である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する

第2実施形態の透過型表示装置20は、LCDパネル11,反射板12,発光管13,第1の光制御シート24,第2の光制御シート15,偏光反射シート16を備えている。
第1の光制御シート24は、拡散材を含有する第1の散乱層を備えていない点以外は、第1実施形態に示した第1の光制御シート14と略同様の形態である。本実施形態の第1の光制御シート24は、出射側に凸となるように形成された第1の単位レンズ241が垂直方向に複数配列されている。この第1の単位レンズ241は、第1実施形態に示した第1の単位レンズ141と略同様の形状であるが、第1の散乱層を備えていない。
本実施形態によれば、第1の光制御シート24が第1の散乱層を備えていないので、製造が容易であり、生産コストを抑えることができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態において、発光体として線光源である発光管13が1次元方向に配列される例を示したが、これに限らず、例えば、2次元方向に配列された点光源であるLED(Light Emitting Diode)等の発光体を用いてもよい。この場合、第1の光制御シート14,24に加え、第2の光制御シート15も(式2),(式3)を満たすことが、輝度ムラ防止の観点から好ましい。
(2)各実施形態において、第1の単位レンズ141は、その配列ピッチP1とレンズ高さh1との比が、P1:h1=2:1である例を示したが、これに限らず、垂直方向において所望する集光性に合わせて、配列ピッチP1に対するレンズ高さh1の割合が小さい、ゆるやかなレンズ形状としてもよい。このような形態とすることにより、成形性を向上させることができる。
(3)各実施形態において、第2の散乱層152は、多泡ビーズを含有する例を示したが、これに限らず、ベースとなる樹脂、すなわち第2の単位レンズ151を形成する樹脂との屈折率差Δn1が、0.15以上である屈折率差の大きい拡散材であればよく、例えば、気泡を含有したガラスビーズや、酸化チタンや酸化バリウム等の無機物の微細粒子、酸化チタン等を含有したビーズ等を用いてもよい。
(4)各実施形態において、第1の単位レンズ141,241及び第2の単位レンズ151は、長軸がシート面に対して直交して連続する楕円筒の一部である例を示したが、これに限らず、例えば、長軸がシート面に対して直交する回転楕円体の一部としてもよい。
(5)各実施形態において、第2の光制御シート15とLCDパネル11との間に、偏光反射シート16を設ける例を示したが、これに限らず、例えば、光拡散作用を有し、出射側の面に微細な凹凸形状(マット形状)や、拡散材がコーティングされた拡散シート等を配置して、さらに輝度ムラ防止効果を高めてもよい。また、第2の光制御シート15とLCDパネル11との間に光学シートを設けず、反射板12,発光管13,第1の光制御シート14又は第1の光制御シート24,第2の光制御シート15で面光源装置を構成してもよい。
(6)各実施形態において、第1の単位レンズ141,241及び第2の単位レンズ151は、1種類のレンズ形状からなる例を示したが、これに限らず、例えば、複数種類のレンズからなる単位レンズとしてもよい。
本発明による透過型表示装置の第1実施形態を示す図である。 第1の光制御シート14を、図1中に矢印で示したS1−S2で切断した断面の拡大図である。 第2の光制御シート15を図1に矢印で示したS3−S4断面で切断した断面の拡大図である。 第1の光制御シート14と発光管13との関係を示す図である。 本発明による透過型表示装置の第2実施形態を示す図である。
符号の説明
10,20 透過型表示装置
11 LCDパネル
12 反射板
13 発光管
14,24 第1の光制御シート
141,241 第1の単位レンズ
142 第1の散乱層
15 第2の光制御シート
151 第2の単位レンズ
152 第2の散乱層
16 偏光反射シート

Claims (10)

  1. 透過型表示部を背面から照明する直下型の面光源装置であって、
    照明光を発光する光源部と、
    前記光源部より出射側に配置され、出射側に凸となるように形成された第1の単位レンズが、該面光源装置の使用状態における垂直方向に複数配列された第1の光制御シートと、
    前記第1の光制御シートより出射側に配置され、出射側に凸となるように形成された第2の単位レンズが、該面光源装置の使用状態における水平方向に複数配列された第2の光制御シートと、
    を備え、
    前記第2の光制御シートは、前記第2の単位レンズの表面凸形状に沿って形成され、光を散乱する第2の散乱層を有し、
    前記第2の光制御シートの前記第2の単位レンズのレンズ形状以外の散乱成分による散乱特性は、前記第1の光制御シートの前記第1の単位レンズのレンズ形状以外の散乱成分による散乱特性より大きく、
    前記第1の光制御シートの厚さは、前記第2の光制御シートの厚さよりも厚いこと、
    を特徴とする面光源装置。
  2. 請求項1に記載の面光源装置において、
    前記第1の単位レンズ及び前記第2の単位レンズは、長軸がシート面に対して直交して連続する楕円筒の一部、又は、長軸がシート面に対して直交する回転楕円体の一部であること、
    を特徴とする面光源装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の面光源装置において、
    前記第1の光制御シートは、前記第1の単位レンズの表面凸形状に沿って形成され、光を散乱する第1の散乱層を有し、
    前記第2の散乱層は、前記第1の散乱層に比べて散乱特性が大きいこと、
    を特徴とする面光源装置。
  4. 請求項3に記載の面光源装置において、
    前記第1の散乱層及び前記第2の散乱層は、それぞれ拡散材を含有しており、
    前記第2の散乱層が含有する拡散材と前記第2の散乱層のベースとなる樹脂との屈折率差は、前記第1の散乱層が含有する拡散材と前記第1の散乱層のベースとなる樹脂との屈折率差に比べて大きいこと、
    を特徴とする面光源装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の面光源装置において、
    前記第2の散乱層は拡散材を含有しており、
    前記第2の散乱層が含有する拡散材の少なくとも一部は、内部に微細な気泡を複数含有する粒子であること、
    を特徴とする面光源装置。
  6. 請求項5に記載の面光源装置において、
    前記粒子は、有機化合物を用いて形成されていること、
    を特徴とする面光源装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の面光源装置において、
    前記第1の単位レンズが配列されるピッチをP1とし、前記第2の単位レンズが配列さ
    れるピッチをP2とするとき、
    P2≦P1
    という関係を満たすこと、
    を特徴とする面光源装置。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の面光源装置において、
    前記光源部は複数配列された発光体を有し、隣り合う前記発光体間の距離をLとし、
    前記発光体から前記第1の光制御シートと前記第2の光制御シートのうち少なくともいずれかのシートまでの距離をd、前記いずれかのシートの隣り合う単位レンズ間の谷部におけるレンズ面に対する接面と前記いずれかのシートのシート面の法線方向とがなす角度の最小値をθ、前記単位レンズの屈折率をnとするとき、
    arccos(n×cos(φ+θ))≦θ
    φ=arcsin(sin(arctan(L/(2d)))/n)
    という関係を満たすこと、
    を特徴とする面光源装置。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の面光源装置と、
    前記面光源装置によって背面から照明される透過型表示部と、
    を備える透過型表示装置。
  10. 請求項9に記載の透過型表示装置において、
    前記透過型表示部の画素ピッチをP0、前記第1の単位レンズが配列されるピッチをP1、前記第2の単位レンズが配列されるピッチをP2とするとき、
    P2≦P1<P0
    という関係を満たすこと、
    を特徴とする透過型表示装置。
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