JP4882342B2 - 光制御シート、面光源装置 - Google Patents
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Description
しかし、直角プリズムを並べたシートでは、不必要に大きな出射角度方向に出射してしまう光が多いという問題があった。
なお、以下の説明において、入射角度、出射角度とは、シート面(光制御シート全体としてみたときのシート面)に対する角度であって、シート面における法線と光の進む方向とが成す角度を示すものとする。
この不必要に大きな出射角度方向に出射してしまう光を防止するために、出射側にレンズを設け、入射側には、出射側のレンズに対応した遮光部を配置した例が、特許文献1〜3に記載されている。
また、入射側と出射側とで表面積が異なるため、吸水性や熱伝達性が異なり、入射面側と出射面側とで環境変化に伴う寸法変形量が異なる等、耐環境性が悪いといった問題があった。
さらに、入射側に設けられる遮光部は、出射側のレンズ位置に対応して正確に位置合わせする必要があり、その形成が困難であるという問題があった。
請求項1の発明は、直下型の面光源装置に設けられ、光源(13)から出射した光を均一化、及び/又は、収束させる光制御シートであって、出射側に突出して多数並べて配列された少なくとも1種類の単位レンズ(141)と、入射側に突出した凸部(142)と前記凸部に挟まれた領域であって前記凸部よりも高さの低い凹部(143)とが多数順番に並べられた凹凸形状と、を備え、前記単位レンズは、長軸が該光制御シート全体としてみたときのシートの平面方向となるシート面に直交する楕円筒の一部形状であり、前記単位レンズの頂点と前記凹部の中央とは、前記シート面に対する法線方向から見たときに重なる位置に配置されており、前記凸部には、反射層(144)が形成され、前記凹部は、入射側に凸の曲面形状であり、長軸が前記シート面に平行な楕円筒の一部形状であって、前記凹部の接線が前記シート面となす角度が前記凹部の前記凸部側から中央に向かうにつれて小さくなること、を特徴とする光制御シート(14)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の光制御シートにおいて、前記反射層(144)は、光を拡散反射すること、を特徴とする光制御シート(14)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の光制御シートにおいて、前記凸部(142)の前記凹部(143)の頂点からの突出量は、5μm以上60μm以下であること、を特徴とする光制御シート(14)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、前記単位レンズと前記凸部(142)及び前記凹部(143)は、一体で成型されていること、を特徴とする光制御シート(14)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、入射側の表面積をSi、出射側の表面積をSoとしたときに、0.8<Si/So<1.2の関係を満足すること、を特徴とする光制御シート(14)である。
請求項6の発明は、透過型表示部(11)を背面から照明する面光源装置であって、複数の光源(13)を並べた光源部(12,13)と、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の光制御シート(14)と、を備える面光源装置である。
(1)単位レンズの頂点と凹部の中央とは、シート面に対する法線方向から見たときに重なる位置に配置されており、凸部には、反射層が形成され、凹部は、入射側に凸の曲面を含む形状となっているので、ニュートンリングが発生することなく照明光を必要な範囲内に効率よく集光でき、かつ、生産性をよくできる。また、不要な方向へ出射する光を抑制し、必要な方向へより多くの光を集光できる。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
本実施例における透過型表示装置10は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル11,反射板12,発光管13,光制御シート14,乳白板16等を備え、LCDパネル11に形成される映像情報を背面から照明して表示する装置である。なお、LCDパネル11を背面から照明する面光源装置としては、反射板12,発光管13,光制御シート14,乳白板16が該当している。
発光管13は、バックライトの光源部を形成する線光源の冷陰極管であり、本実施例では、略75mm間隔で等間隔に6本が並列に並べられている。発光管13の背面には、反射板12が設けられている。
反射板12は、発光管13の光制御シート14とは反対側(背面側)の全面にわたって設けられており、背面側へ進む照明光を拡散反射して光制御シート14方向(出射方向)へ向かわせ、入射光照度を均一に近付ける働きを持つ。
乳白板16は、無指向性の光拡散特性を有した拡散板であり、光制御シート14の光源側に配置されている。
光制御シート14は、発光管13から出射した光の輝度ムラを低減させて均一化するとともに必要な出射角度範囲内に出射光を集光するレンズシートであり、出射側に光を収束して出射する単位レンズ141が形成されている。単位レンズ141は、連続する楕円筒の一部の形状となっており、光制御シート14の出射側表面は、この単位レンズ141が平行に多数並べて配置されている。単位レンズ141の並ぶ方向は、発光管13の並ぶ方向と一致している(図1参照)。
本実施例の光制御シート14は、屈折率1.49の透明なPMMA(Polymethyl Methacrylate:アクリル樹脂)を用いた押し出し成型により一体成型されている。
なお、光制御シート14は、PMMAに限らず、光透過性の有る他の熱可塑性樹脂を適宜選択して使用してもよい。また、光制御シート14は、紫外線硬化樹脂を用いた紫外線成型と呼ばれる方法により作製してもよい。
単位レンズ141は、図3に示した断面において、長半径が400μm、短半径が200μmの楕円筒の一部形状がピッチ300μmで並べられており、その長軸が光制御シート14のシート面に対して直交している。
光制御シート14の入射側には、凸部142,凹部143,反射層144が設けられている。
凹部143は、その中心がシート面に対する法線方向から見たときに単位レンズ141の頂点と重なる位置に幅150μmで配置されており、その形状は、入射側に凸の曲面形状となっている。本実施例の凹部143の曲面形状は、長半径が100μm、短半径が50μmの楕円筒の一部形状となっており、その長軸が光制御シート14のシート面に対して平行な方向となっている。
凸部142は、凹部143に挟まれた部分に凹部143の頂点からの突出量が50μmとなるように設けられており、その幅は、150μmである。
また、光制御シート14の厚さは、350μmである。
図4は、比較例の光制御シート514に入射する光の進み方を説明する図である。
図4に示す比較例は、凹部が平面となっている他は、本実施例の光制御シート14と同一のものである。
凹部が平面となっている場合、光線Aのように大きな入射角度で凹部の両端付近(凸部に近い位置)に入射する光は、入射した凹部からシート面の法線方向に進んだ位置にある単位レンズに到達せずに、その隣の単位レンズに到達してしまい、本来予定していた方向よりも大きな出射角度で出射してしまう。この光線Aのように隣の単位レンズから出射してしまう光を少なくするためには、シートの厚さを薄くすると効果的である。しかし、シートの厚さを薄くしてしまうと、製造が困難になってしまい、また、耐環境性も悪化する。そこで、シートの厚さを薄くしなくとも、この光線Aのように進む光を無くすために、本実施例の光制御シート14では、凹部143を入射側に凸の曲面形状としている。
光線Bは、図4に示した光線Aと同一角度で入射する光であるが、凹部143が入射側に凸の曲面形状となっていることから、光制御シート14内における光線の進む方向が変わり、入射した凹部からシート面の法線方向に進んだ位置にある単位レンズから出射している。そして、この光線の出射角度は、小さくなっており、光をより有効に集光している。
なお、本実施例の光制御シート14の凹部143の曲面形状は、楕円筒の一部形状であってその長軸が光制御シート14のシート面に対して平行な方向となるようにしている。この理由は、凹部143の中央付近の形状は、シート面に対して平行に近い方が凹部の中央付近に入射する光に影響を与えなくするために望ましく、凸部142に近い位置ほど曲率が大きくなることが不要な方向へ出射する光を抑制し、必要な方向へより多くの光を集光するために望ましいからである。言い換えると、凹部の曲面形状は、その中央付近の接線がシート面となす角度が小さく、凸部に近い位置の接線がシート面となす角度が大きいことが望ましい。したがって、凹部143の曲面形状は、楕円筒に限らず、例えば、中央付近がシート面に平行な平面であり、その両端付近が入射側に凸の曲面となっていてもよい。
比較例の光制御シート514では、出射角度±50度付近に不要な輝度ピークが存在しているのに対して、本実施例の光制御シート14では、これが解消している。また、この不要な方向(大きな出射角度となる方向)に出射していた光が、より小さな出射角度となる方向へ集まることから、出射角度0度付近の輝度も上昇している。
また、光制御シート14を同一の材料により一体成型し、かつ、入射側と出射側の表面積を略等しくしたので、高い耐環境性を実現した。さらに、光制御シート14を押し出し成型により一体成型し、かつ、凸部142に反射層144を印刷により形成したので、生産性をよくできる。
さらにまた、凹部143の形状を入射側に凸の曲面を含む形状としたので、大きな出射角度方向に出射して生じる不自然な輝度ピークを抑制し、必要な範囲へ出射する光を増加させることができる。
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)本実施例において、線光源を並列に並べた面光源装置を例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば、点光源を用いる面光源装置であってもよい。
11 LCDパネル
12 反射板
13 発光管
14 光制御シート
141 単位レンズ
142 凸部
142a 側面
143 凹部
144 反射層
16 乳白板
Claims (6)
- 直下型の面光源装置に設けられ、光源から出射した光を均一化、及び/又は、収束させる光制御シートであって、
出射側に突出して多数並べて配列された少なくとも1種類の単位レンズと、
入射側に突出した凸部と前記凸部に挟まれた領域であって前記凸部よりも高さの低い凹部とが多数順番に並べられた凹凸形状と、
を備え、
前記単位レンズは、長軸が該光制御シート全体としてみたときのシートの平面方向となるシート面に直交する楕円筒の一部形状であり、
前記単位レンズの頂点と前記凹部の中央とは、前記シート面に対する法線方向から見たときに重なる位置に配置されており、
前記凸部には、反射層が形成され、
前記凹部は、入射側に凸の曲面形状であり、長軸が前記シート面に平行な楕円筒の一部形状であって、前記凹部の接線が前記シート面となす角度が前記凹部の前記凸部側から中央に向かうにつれて小さくなること、
を特徴とする光制御シート。 - 請求項1に記載の光制御シートにおいて、
前記反射層は、光を拡散反射すること、
を特徴とする光制御シート。 - 請求項1又は請求項2に記載の光制御シートにおいて、
前記凸部の前記凹部の頂点からの突出量は、5μm以上60μm以下であること、
を特徴とする光制御シート。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、
前記単位レンズと前記凸部及び前記凹部は、一体で成型されていること、
を特徴とする光制御シート。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光制御シートにおいて、
入射側の表面積をSi、出射側の表面積をSoとしたときに、
0.8<Si/So<1.2
の関係を満足すること、
を特徴とする光制御シート。 - 透過型表示部を背面から照明する面光源装置であって、
複数の光源を並べた光源部と、
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の光制御シートと、
を備える面光源装置。
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