JPH0895038A - 液晶ディスプレイ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶パネルに入射される光のほとんどを、垂
直方向とする。 【構成】 液晶パネル（図示せず）に対向する位置にＷ
字型蛍光灯１を配置し、これから照射された光は遮光マ
スク７に向う。その光のうち遮光マスク７の開口部７ａ
の中心部付近の成分１１は、拡散枚３で拡散され、微小
凸レンズアレイ５で垂直方向に光路を修正されて液晶パ
ネルに入射される。遮光マスク７の開口部７ａの中心部
から大きく外れた成分１３は、遮光マスク７裏面の鏡面
で反射され、これがランプハウス９の内面で更に反射さ
れて、遮光マスク７の開口部７ａの中心部に入射する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液晶ディスプレイ装置
に関し、特にこれの液晶パネル用バックライトシステム
に関する。

【０００２】

【従来の技術】図５に、直下型方式と呼ばれる従来の液
晶ディスプレイ装置の液晶パネル用バックライトシステ
ムを示す。

【０００３】図６に、図５の一部拡大断面図を示す。
尚、図５及び図６において液晶パネルは省略している。

【０００４】液晶パネルの裏面側に拡散板１０３を介し
てＷ字型蛍光ランプ１０１が配置されている。そして、
内面が反射鏡からなるランプハウス１０５が、蛍光ラン
プ１０１を囲うようにして拡散板１０３に取り着けられ
ている。

【０００５】このバックライトシステムは、光源を密に
配置できるため、車載用テレビ・モニターなど明るい部
屋・屋外に対応するような高輝度を必要とするディスプ
レイ装置に適する。その反面、蛍光ランプが液晶パネル
の直下に配置されるために輝度斑が出来やすく、それを
補償し、透過光を均一化するために厚めの拡散板１０３
を介在している。しかしながら、この拡散板１０３によ
る輝度の低下を補償するために、高輝度の蛍光ランプを
使用しなければならない。この為この直下型方式のバッ
クライトシステムでは消費電力が大きく、また薄型化が
困難であるという欠点を有していた。

【０００６】図７に、サイドライト方式と呼ばれる従来
の液晶ディスプレイ装置の液晶パネル用バックライトシ
ステムの断面を示す。図８は、図７の一部拡大断面図で
ある。図７及び図８において液晶パネルは省略してい
る。

【０００７】液晶パネル裏面に対向する位置に、プリズ
ムシート１１５及び拡散板１１３を介して、透明樹脂よ
りなる導光板１１７を配置している。２個の蛍光灯１１
１及び１１１が、導光板１１７の両側面に配置されてい
る。導光板１１７裏面に対向する位置に、乱反射用印刷
ドット１１９と反射シート１２１をこの順に配置してい
る。１２３は、蛍光ランプ１１１，印刷ドット１１９と
反射シート１２１を囲むケースである。

【０００８】このバックライトシステムは、透過光の均
一化が比較的容易であり、高効率な光学系が設計しやす
い反面、光源を密に配置することが困難であり、ブック
型コンピュータなど主としてそれほど輝度を必要としな
いＯＡ機器等に使われているのが現状である。

【０００９】近年、拡散板１１３を通して液晶パネルに
入射する光線の方位を垂直に近づけ、輝度を改善する方
法として拡散板１１３の上にプリズムシート１１５を配
置している。

【００１０】図８に、このプリズムシート１１５と拡散
板１１３の一部拡大断面図を示す。１１５ａは、プリズ
ムシート１１５の要素である微小プリズムであり、通常
は頂角９０度程度の一次元分布となるように成形されて
いる。そして、プリズムシート１１５の稜線方向は、蛍
光ランプ１１１と平行に配置されている。拡散板１１３
の透過光１３１のようにほぼランバート則に従うランダ
ム方向の光に対して、プリズムシート１１５を使用する
ことによって１．５倍近い輝度の改善が出来る。

【００１１】プリズムシート１１５を採用した場合、例
えば１３１のように特定な位置・方向の入射光成分は、
プリズム１１５ａから射出する際に液晶パネルに対して
垂直に近くなり、確かに有効に機能する。しかしなが
ら、例えば１３３のような位置・方向の入射光成分は、
プリズム１１５ａから射出する際に液晶パネルに対して
垂直とはならず効率を落すことになる。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】上記直下型方式のバッ
クライトシステムでは、消費電力が大きく、また薄型化
が困難である。また、上記サイドライト方式のバックラ
イトシステムでは、まだ輝度を改善する必要が有る。

【００１３】本発明は、消費電力を抑え、液晶パネルへ
の入射光をほぼ垂直にすることが可能な液晶ディスプレ
イ装置を提供することを目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】液晶パネルと、この液晶
パネルの裏面側に配置されたバックライト光源を具備
し、この光源から前記液晶パネル裏面に向けて順に、透
過光を調整する開口部を設けた遮光マスクと、この遮光
マスクの開口部に対向する射出光方向制御用微小光学系
とを配置する。

【００１５】

【作用】バックライト光源から遮光マスクに向けて照射
された光の一部は、遮光マスクの開口部を通過して射出
光方向制御用微小光学系に入射され、光路の方向を垂直
方向に近くなるよう修正された後、液晶パネルに入射さ
れる。このとき、開口部を外れた照射光は、本来多くが
前記微小光学系で光路が垂直方向に修正されない成分で
あり、前記遮光マスクで遮断される。

【００１６】前記遮光マスクの光源側の面を鏡面にし、
前記光源を囲むランプハウスの内面に例えば反射鏡を備
えていれば、前記遮光マスクで遮断される光を再度利用
することが出来る。

【００１７】

【実施例】図１に、直下型方式の本発明の液晶ディスプ
レイ装置の液晶パネル用バックライトシステムの断面図
を示す。本発明の液晶パネル用バックライトシステムの
全体的な外観は、図５と同様である。尚、液晶パネルは
省略している。

【００１８】バックライト光源１が、液晶パネルの裏面
に対向するように配置される。このバックライト光源１
は、複数の直管型蛍光灯を液晶パネルに対して並列配置
してもよいし、主要部分が並列直管状となるよう一体成
形された例えばＷ字型蛍光灯でもよいし、一本の直管型
蛍光灯でもよい。

【００１９】光源１から照射された光は、遮光マスク７
に向かう。遮光マスク７には、円や多角形等の点対称の
形状の開口部７ａがあけられている。そして、遮光マス
ク７の光源１側の面が鏡面となっている。

【００２０】遮光マスク７の液晶パネル側の面には、拡
散板３が配置されている。更に拡散板３上には、射出光
方向制御用微小光学系としての微小凸レンズアレイ５が
配置され、この微小凸レンズアレイ５上に液晶パネルが
配置されている。微小凸レンズアレイ５は、各微小凸レ
ンズ５ａの軸が遮光マスク７の各開口部７ａの中心軸と
一致するように配置されている。また、光源１側の内面
が反射鏡或いは高反射率散乱面或いは前記反射鏡と前記
高反射率散乱面との中間的な性質を持つ面であるランプ
ハウスが、光源１を囲むようにして拡散板３に取り着け
られている。

【００２１】光源１から照射され遮光マスク７の開口部
７ａの中心部を通過した光成分１１は、拡散板３により
ランバート則に従うランダム方向の光となる。拡散板３
から光は、微小凸レンズアレイ５により光路の方向を垂
直方向に近くなるよう修正された後、液晶パネルに入射
される。そして光源１から照射された光の内、遮光マス
ク７の開口部７ａの中心部から大きく外れた光成分１３
は、遮光マスク７の裏面の鏡面で反射され、これがまた
ランプハウス９の内面で反射されて、遮光マスク７の開
口部７ａの中心部に入射されることになる。この様にし
て、従来活用されていなかった照射光を効率良く利用す
ることが可能になる。

【００２２】このため、バックライトシステムの高効率
化・省電力化が図れ、更に遮光マスク７の開口部７ａの
大きさを光源１からの照射光の強度によって変化させれ
ば、液晶パネルへの入射光分布の改善効果があらわれ、
さらにランプハウス９空間及び拡散板３の薄型化が可能
になる。

【００２３】図２に、直下型方式の本発明の液晶ディス
プレイ装置の他の実施例としての液晶パネル用バックラ
イトシステムの断面図を示す。図１と異なるのは、微小
凸レンズアレイ５に代え微小角錐型プリズムアレイ１５
を拡散板３上に配置している点である。微小角錐型プリ
ズムアレイ１５は、各微小角錐型プリズム１５ａの軸が
遮光マスク７の各開口部７ａの中心軸と一致するように
配置される。

【００２４】この実施例の作用と効果は、図１の実施例
と同じであるため、その作用と効果の記載は省略する。

【００２５】更に、図１の微小凸レンズアレイ５や図２
の微小角錐型プリズムアレイ１５に代えて、微小円錐型
プリズムアレイを拡散板３上に配置してもよい。この場
合でも、微小円錐型プリズムアレイは、各微小円錐型プ
リズムの軸が遮光マスク７の各開口部７ａの中心軸と一
致するように配置される。

【００２６】更にまた、微小凸レンズアレイ５や微小角
錐型プリズムアレイ１５に代えて、各セルの中心軸近辺
の屈折率が大きくなるように分布したレンズ面が平面状
に形成されているロッドレンズアレイを拡散板３上に配
置してもよい。この場合でも、他の実施例と同様にロッ
ドレンズアレイは、各セルの中心軸が遮光マスク７の各
開口部７ａの中心軸と一致するように配置される。

【００２７】図３に、サイドライト方式の本発明の液晶
ディスプレイ装置の液晶パネル用バックライトシステム
の断面図を示す。本発明の液晶パネル用バックライトシ
ステムの全体的外観は、図７と同様である。尚、液晶パ
ネルとバックライト光源は省略している。

【００２８】例えばアクリル樹脂板のように少なくとも
可視領域に対して透明な矩形導光板２１が、液晶パネル
の裏面に対向するように配置されている。直管型蛍光灯
のようなバックライト光源が、導光板２１の少なくとも
１側面に配置される。

【００２９】前記光源から照射された光は、後述する散
乱面２９を介するなどして遮光マスク２７に向かう。遮
光マスク２７には、円や多角形等の点対称の形状の開口
部２７ａがあけられている。そして、遮光マスク２７の
導光板２１側の面が鏡面となっている。

【００３０】遮光マスク２７の液晶パネル側の面には、
拡散板２３が配置されている。更に拡散板２３上には、
射出光方向制御用微小光学系としての微小凸レンズアレ
イ２５が配置され、この微小凸レンズアレイ２５上に液
晶パネルが配置されている。微小凸レンズアレイ２５
は、各微小凸レンズ２５ａの軸が遮光マスク２７の各開
口部２７ａの中心軸と一致するように配置される。ま
た、導光板２１側の内面に鏡面或いは全反射面２９ａと
例えばアルミニウム等からなる散乱面２９ｂを重ならな
いように配備したランプハウス２９を導光板２１裏面と
光源を囲む様に配置する。前記光源から照射され導光板
２１を伝わる光は、ランプハウス２９の散乱面２９ｂに
より遮断マスク２７方向に導かれる。

【００３１】遮光マスク２７の開口部２７ａの中心部を
通過した光成分３１は、拡散板２３によりランバート則
に従うランダム方向の光となる。拡散板２３からの光
は、微小凸レンズアレイン２５により光路の方向を垂直
方向に近くなるよう修正された後、液晶パネルに入射さ
れる。遮光マスク２７の開口部２７ａの中心部から大き
く外れた光成分３３は、遮光マスク２７の裏面の鏡面で
反射され、これがまたランプハウス２９の鏡面或いは全
反射面２９ａと散乱面２９ｂにより反射されて、遮光マ
スク２７の開口部２７ａの中心部に入射されることにな
る。この様にして、従来活用されていなかった照射光を
効率良く利用することが可能になる。

【００３２】このため、バックライトシステムの高効率
化・省電力化が図れ、更に遮光マスク２７の開口部２７
ａの大きさを光源からの照射光の強度によって変化すれ
ば、液晶パネルへの入射光分布の改善効果があらわれ
る。

【００３３】図４に、サイドライト方式の本発明の液晶
ディスプレイ装置の液晶パネル用バックライトシステム
の断面図を示す。図３と異なるのは、微小凸レンズアレ
イ２５に代え微小角錐型プリズムアレイ３５を拡散板２
３上に配置している点である。微小角錐プリズムアレイ
３５は、各微小角錐プリズム３５ａの軸が遮光マスク３
５ａの各開口部２７ａの中心軸と一致するように配置さ
れる。

【００３４】この実施例の作用と効果は、図３の実施例
と同じであるため、その作用と効果の記載は省略する。

【００３５】更に、図３の微小凸レンズアレイ２５や図
４の微小角錐型プリズムアレイ３５に代えて、微小円錐
型プリズムアレイを拡散枚２３上に配置してもよい。こ
の場合でも、微小円錐型プリズムアレイは、各微小円錐
型プリズムの軸が遮光マスク２７の各開口部２７ａの中
心軸と一致するように配置される。

【００３６】更にまた、微小凸レンズアレイ２５ａや微
小角錐型プリズムアレイ３５に代えて、各セルの中心軸
近辺の屈折率が大きくなるように分布したレンズ面が平
面状に形成されているロッドレンズアレイを拡散板２３
上に配置してもよい。この場合でも、ロッドレンズアレ
イは、各セルの中心軸が遮光マスク２７の各開口部２７
ａの中心と一致するように配置される。

【００３７】

【発明の効果】本発明によれば、液晶パネルに入射され
る光のほとんどをこの液晶パネルに対し垂直方向に修正
することが出来る。また、遮光マスクの裏面を鏡面にす
ることで、従来活用されていなかった光を効率良く活用
することが出来、バックライトシステムの高効率化・省
電力化が図れる。さらにバックライトシステムの薄型化
が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】直下型方式の本発明の液晶ディスプレイ装置の
液晶パネル用バックライトシステムの断面図である。

【図２】直下型方式の本発明の液晶ディスプレイ装置の
液晶パネル用バックライトシステムの断面図である。

【図３】サイドライト方式の本発明の液晶ディスプレイ
装置の液晶パネル用バックライトシステムの断面図であ
る。

【図４】サイドライト方式の本発明の液晶ディスプレイ
装置の液晶パネル用バックライトシステムの断面図であ
る。

【図５】 直下型方式の従来の液晶ディスプレイ装置の
液晶パネル用バックライトシステムの外観図である。

【図６】 図５の一部拡大断面図である。

【図７】 サイドサイト方式の従来の液晶ディスプレイ
装置の液晶ディスプレイ装置の液晶パネル用バックライ
トシステムの断面図である。

【図８】 図７の一部拡大断面図である。

【符号の説明】

１…バックライト光源、３…拡散板、５…微小凸レンズ
アレイ、５ａ…微小凸レンズ、７…遮光マスク、７ａ…
遮光マスクの開口部、９…ランプハウス、１５…微小角
錐型プリズムアレイ、１５ａ…微小角錐型プリズム、２
１…導光板、２３…拡散枚、２５…微小凸レンズアレ
イ、２５ａ…微小凸レンズ、２７…遮光マスク、２７ａ
…遮光マスクの開口部、２９…ランプハウス、２９ａ…
鏡面或いは全反射面、２９ｂ…散乱面、３５…微小角錐
型プリズムアレイ、３５ａ…微小角錐型プリズム。

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液晶パネルと、 この液晶パネルの裏面側に配置されたバックライト光源
   を具備し、 この光源から前記液晶パネル裏面に向けて順に、前記光
   源からの光の量を調整する開口部を設けた遮光マスク
   と、この遮光マスクの開口部に対向して設けられ前記遮
   光マスクの開口部を通過した光の光路を制御する射出光
   方向制御用微小光学系とを配置したことを特徴とする液
   晶ディスプレイ装置。
2. 【請求項２】 前記微小光学系は凸レンズアレイである
   ことを特徴とする請求項１記載の液晶ディスプレイ装
   置。
3. 【請求項３】 前記微小光学系は円錐型或いは角錐型プ
   リズムアレイであることを特徴とする請求項１記載の液
   晶ディスプレイ装置。
4. 【請求項４】 前記微小光学系は各セルの中心軸近辺の
   屈折率が大きくなるように分布したロッドレンズアレイ
   であることを特徴とする請求項１記載の液晶ディスプレ
   イ装置。
5. 【請求項５】 前記遮光マスクの開口部は点対称の形状
   からなり、前記微小光学系はその軸が前記遮光マスクの
   開口部の中心軸に位置するよう配置されていることを特
   徴とする請求項１或いは２或いは３或いは４記載の液晶
   ディスプレイ装置。
6. 【請求項６】 前記光源は、前記液晶パネル裏面に対向
   する位置に配置された直管型放電灯或いは並列配置され
   た複数の直管型放電灯或いは主要部分が並列直管状とな
   るよう一体成形された少くとも１つの放電灯であること
   を特徴とする請求項１或いは２或いは３或いは４或いは
   ５記載の液晶ディスプレイ装置。
7. 【請求項７】 前記光源が、その背面側から、内面が反
   射鏡或いは高反射率散乱面或いは前記反射鏡と前記高反
   射率散乱面との中間的な性質を持つ面を備えたランプハ
   ウスにより囲われたことを特徴とする請求項６記載の液
   晶ディスプレイ装置。
8. 【請求項８】 前記遮光マスク裏面に対向する位置に、
   少なくとも可視領域に対して透明な導光板を備え、前記
   光源は前記導光板の少なくとも１側面に配置された放電
   灯であることを特徴とする請求項１或いは２或いは３或
   いは４或いは５記載の液晶ディスプレイ装置。
9. 【請求項９】 前記導光板裏面に、光を反射或いは散乱
   或いは両者の機能を有する素子を備えたランプハウスを
   配置したことを特徴とする請求項８記載の液晶ディスプ
   レイ装置。
10. 【請求項１０】 前記遮光マスクは、その光源側の面が
    鏡面であることを特徴とする請求項１或いは２或いは３
    或いは４或いは５或いは７或いは９記載の液晶ディスプ
    レイ装置。