JP4972412B2 - E.コリ発酵によるプラスミドdnaの大規模生産のための方法 - Google Patents

E.コリ発酵によるプラスミドdnaの大規模生産のための方法 Download PDF

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Description

本発明は、(a)DNAプラスミドを含有するE.コリ(E.coli)の株の高生産性クローンサブタイプを選択する段階(ここで、高生産性クローンサブタイプは、同じ株の非選択の形質転換E.コリクローンサブタイプと比較して、細胞あたりのプラスミドコピー数が多い。)、(b)既知組成(chemically−defined medium)の培地中で半回分発酵により該高生産性クローンサブタイプを培養する段階を含む、プラスミドDNAの調製のためのプロセスに関する。本発明のある実施形態において、本明細書中で述べるプラスミドDNA生産プロセスは、前記高生産性クローンサブタイプを工業スケールで培養する結果、大量のプラスミドDNAを生じさせる。本発明はさらに、これらに限定されないが、プラスミドDNAの生産のための、DH5細胞の高生産性クローンを含む、E.コリの株の高生産性クローンサブタイプを選択するための方法に関する。ポリヌクレオチドワクチン接種及び遺伝子治療処置計画用の、医薬グレードのDNAを生産させるために、本明細書中で開示されるプロセス及び方法を使用することができる。
DNAワクチンは、細胞へのプラスミドDNAの標的送達を包含する、特定の疾病に対する防御免疫を誘導するための革新的なアプローチである(Montgomery,D.L.ら、1993、Cell Biol.169:244−247;Ulmer,J.B.ら、1993、Science 259:1745−1749)。DNAワクチンは、中和抗体を生成させ、より好ましい細胞性免疫(「CMI」)反応を誘導することができる。一般に、DNAワクチンは、関心のある抗原をコードする遺伝子をプラスミドに最初に挿入することにより生成され、該プラスミドは、哺乳類細胞で活性のあるプロモーターを含有する。次に、このプラスミドを、それが増幅する、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli(E.コリ(E.coli)))などの組み換え細菌宿主に形質転換し、それを増幅し、次いで精製する。プラスミドDNAは、通常は生理食塩水に懸濁されて、筋肉細胞に直接注入するか、又は粒子衝突のいずれかで、身体に投与される。筋肉細胞に内在化させたプラスミドDNAは、転写され、翻訳され、発現タンパク質は、T細胞提示のために、細胞表面に運ばれる。この様式の作用の結果、続いて、発現された抗原に対する液性及びCMI反応が起こる。重要なことは、投与されるプラスミドDNAが、非感染性であり、複製せず、関心のあるタンパク質しかコードしない、ということである。疾患モデルにおける、DNAワクチンの、前臨床での免疫原性及び効率が、癌、アレルギー及び自己免疫疾患を含む多くの感染性疾患について明らかになっている(概説として、Gurunathan,S.ら、Ann.Rev.Immunol.2000;18:927−974)。HIV、マラリア、インフルエンザ、B型肝炎及び癌に対する、防御免疫反応を生じさせるためのDNAワクチンの能力を評価する臨床試験が報告されている(概説として、Gurunathan,S.ら、2000、Curr.Opin.Immunol.12:442−447;Shroff,K.ら、1999、PSTT 2:205−212;及びRestifo,N.&S.Rosenberg、1999、Curr.Open.Oncol.11:50−57を参照のこと。)。最近、混合モダリティーワクチン(mixed modality vaccine)により、DNAワクチンを他の遺伝子送達系と組み合わせる、有望なストラテジーが示された。前臨床データから、プラスミドDNAを初回刺激として投与し、次いで、追加免疫として、同じ抗原をコードする別の遺伝子に基づくベクター系を投与すると、いずれかのベクターを初回刺激及び追加免疫の両方に使用するよりも、大きな免疫反応が得られることが示された。
プラスミドDNAは、さらに、遺伝子治療処置に対して承認されている。遺伝子治療は、身体への機能的遺伝子の投与、該遺伝子の標的細胞への送達及び疾患状態を選択的に正常化するか又は緩和する目的の治療用産物の発現を包含する。遺伝子治療は、遺伝的欠陥の予防、処置又は治療に対する代替法に相当する。多くのプラスミドDNAに基づく遺伝子治療の臨床試験が開始されている(概説として、Mountain,A.,2000,TIBTECH 18:119−128;及びFerber,D.,2001,Science 294:1638−1642を参照のこと。)。
ポリヌクレオチドワクチン接種及び遺伝子治療計画両方での使用の場合、DNAプラスミドの形態での遺伝子を従来の医薬製品のように処方でき、直接患者に投与することができる。予防的又は治療的投与計画のいずれかの一部としての、疾患に有効であるための、DNAワクチン又は遺伝子治療に対するヒト使用者の潜在的人数は、非常に多く、プラスミドDNAに対する要望が高まっている。獣医学的疾患に対するDNAワクチンでも同じようにさらに要求が高まっている。さらに、細胞に与えられるプラスミド分子の少量しか、関心のある遺伝子が発現される核に到達しないことが示されているため、効果的な治療のためには、プラスミドDNAのミリグラム量が必要とされ得る(Leitner,Wら、2000、Vaccine 18:765−777)。したがって、大量の医薬グレードのDNAを製造し精製することが重要である。
高収率プラスミドDNA生産プロセスは、DNAワクチン及び遺伝子治療処置オプションの両方が与えなければならない長所を完全に開発し活用するために、必要である。これらの理由のために、プラスミドDNA製造及び精製法の生産性を向上させることが引き続き必要とされている。遺伝子治療又はポリヌクレオチドワクチン接種での使用のためのプラスミドDNA生産を増加させるための多くの既述の方法は、プラスミド精製段階、つまり、生成プロセスの後半、に焦点を当てている。しかし、プラスミドDNAの生成のための生産プロセスの最初の発酵段階を最適化する方法(特に、工業的スケールで生産するための方法)については、あまりよく分かっていない。小規模プラスミドDNA精製法に対する先行研究にもかかわらず、臨床グレードのプラスミドDNAの製造及び精製のスケールアップは困難である(Prazeres,D.M.F.ら、1999、TIBTECH 17:169−174)。プラスミドDNAの生産に対して、最適化されていない実験室条件を用いると、必ず、容量回収率が非常に低くなる(5から40mg/L)。
プラスミドDNA製造プロセスの生産性を向上させるには、プラスミドコピー数(つまり特異的収率)及びバイオマス濃度(つまり容量収率)を同時に最適化する必要がある。産業スケールでの、E.コリによる組み換えタンパク質生産のための発酵法の最適化に対して認められるいくつかの技術が、プラスミドの過剰生産を目的とするプロセスに対して転用可能である一方で、最適なタンパク質発現を促進する条件は、高プラスミドコピー数を得るのに必要なものとはある程度異なると思われる。
PCT国際出願PCT/US96/09764(国際公開番号WO96/40905)は、増殖率が最適収率に到達するように制限される、高効率での、微生物において医薬グレードのプラスミドDNAの生産規模量を生み出すための半回分発酵法を開示している。
PCT国際出願PCT/EP98/01122(国際公開番号WO98/37179)は、変異誘発処理後の既知組成の培地における高増殖株の選択に加えて、工業的スケールにおける、有用な化合物の発酵生産のための、既知組成の培地の使用を開示する。
1999年11月9日及び2003年1月7日にそれぞれ、Thathcherらに対して発行された、米国特許第5,981,735号及び同6,503,738号は、プラスミド含有細胞を高いバイオマスまで指数関数的に増殖させることと、染色体DNAが変性するがプラスミドDNAが可逆的に復元する値まで培養物のpHを上げることにより細胞を溶解することと、からなる、E.コリにおいて高精製プラスミドDNAを生産するための拡張可能な方法を開示する。
O’Kennedy,Rら、(2000,J.Biotechnol.76:175−183)は、一部既知組成の培地中でのプラスミドpSVβを含有するE.コリDH5α細胞の培養の結果、標準的で複雑なLuria Bertrani(「LB」)培地処方を凌ぐ、高いプラスミド特異的収率が得られることを示し、このことから、最適な炭素/窒素比が存在することが分かる。
本発明は、プラスミドDNAを生産するための、非常に生産性が高く、拡張可能で再現可能な方法を開示する。この方法は、E.コリの高生産性クローンの選択を、既知組成培地での制限された栄養補給法を利用する結果により起こる、発酵中のプラスミド増幅の誘導と組み合わせる。この方法は、HIV、C型肝炎及び狂犬病を含む、多くのヒト及び動物疾患に対する、遺伝子治療及び遺伝子ワクチン接種のためのプラスミドDNAの生産に有用である。
本発明は、(a)DNAプラスミドを含有するE.コリの株の高生産性クローンサブタイプを選択することと;(b)既知組成の培地中で半回分発酵により該高生産性クローンサブタイプを培養することと、を含む、プラスミドDNAの調製のための方法を開示する。本発明によると、DNAプラスミドを含有する、これらに限定されないがDH5細胞を含むE.コリの株の高生産性クローンサブタイプは、同様に試験される、同じ株の非選択の形質転換E.コリクローンサブタイプと比較して、細胞あたりのプラスミドコピー数が多い。本発明のある実施形態において、本明細書中で述べられるプラスミドDNA生産方法は、前記高生産性クローンサブタイプの工業スケールでの培養の結果、プラスミドDNAの新記録量を生じさせる。このように、本発明のDNA生産方法の結果、その他の大規模プラスミドDNA生産方法と比較した場合、プラスミドDNA収率が向上する。
本発明はさらに、上述のようなプラスミドDNA生産方法に関し、前記選択成分は、2段階の方法を含む。即ち、これらに限定されないがDH5株を含むE.コリの株の高生産性の可能性があるクローンサブタイプを単離する、第一の選択段階と、それに続く、どのクローンサブタイプが高生産性であるかを調べるために、前に単離した前記高生産性の可能性があるクローンサブタイプを小規模発酵系で試験する、第二の選択段階である。本発明のある実施形態において、前記高生産性の可能性があるクローンサブタイプを既知組成の培地において選択する。
本発明のある実施形態において、本明細書中で述べられる方法により選択される、E.コリの高生産性の可能性があるクローンサブタイプのコロニーは、指標として血液寒天に播種した場合、表現型で灰色である。本発明の別の実施形態において、E.コリの高生産性の可能性があるクローンサブタイプのコロニーは、既知組成の寒天培地に播種し、クリーム色のコロニー及び中心に丸い褐色部分があるクリーム色のコロニーの両方の集団が形成されるまでインキュベーションした場合、表現型でクリーム色である。
本発明のさらなる実施形態において、本発明の選択プロセスの段階1で選択される、これらに限定されないがDH5細胞を含むE.コリの前記高生産性の可能性があるクローンサブタイプの生産性(つまり、細胞あたりのプラスミドコピー数)を、小規模発酵系において前記クローンサブタイプを培養した後に調べる。本発明のある実施形態において、この小規模発酵系は、栄養補給法を用いた振盪フラスコ発酵からなる。振盪フラスコ発酵系は、所望するプラスミドDNAを得るために最終的な生産プロトコールで使用される発酵法を模倣する。本発明の別の実施形態において、これらに限定されないが振盪フラスコ発酵系を含む小規模発酵系を用いて評価されたクローンサブタイプを既知組成の培地中で培養する。さらなる実施形態において、前記クローンサブタイプが対数増殖中期にある際に、炭素及び/又は窒素溶液を連続的に前記小規模発酵系に補給する。
本発明は、DNAプラスミドを含有する、これらに限定されないがDH5細胞の高生産性クローンサブタイプを含む、高生産性E.コリクローンサブタイプを半回分(fed−batch)技術を用いて培養することを含む、プラスミドDNA生産のための方法に関する。本発明のある実施形態において、高生産性の可能性があるE.コリクローンサブタイプの選択は、本明細書中で述べるように、既知組成の培地で行われる。どのクローンが正常な特異的生産性よりも高くなるかを決定するための、前記高生産性の可能性があるE.コリクローンサブタイプのその後の評価と、最終発酵法との両方とも、既知組成の培地で行われる。本発明のある実施形態において、本明細書中で述べるようにして同定された高生産性クローンサブタイプは、DME−P5、DME−B12、培地C、培地D、培地E、培地F及び培地Gからなる群から選択される、既知組成の培地において選択及び/又は培養される。
本発明はさらに、本明細書中で述べるような、プラスミドDNAの生産のための、これらに限定されないが大規模発酵方法を含む、発酵方法に関し、これにより、この方法の培養方式は少なくとも1つの生産段階発酵期を含む。本発明のさらなる実施形態において、選択された、DNAプラスミドを含有する、E.コリの高生産性クローンサブタイプが対数増殖中期であるときに、炭素及び/又は窒素溶液を、生産段階発酵槽に補給する。本発明の別の実施形態において、この補給溶液は、約50%グリセロール(v/v)及び約25%グルタミン酸一ナトリウム(w/v)を含有する。さらなる実施形態において、この補給溶液は、約60%グリセロール(v/v)を含有する。
本発明は、プラスミドDNA生産のための、これらに限定されないがDH5細胞を含むE.コリの高生産性クローンサブタイプを選択するための方法に関する。本発明のある実施形態において、(a)指標として、血液寒天上に播種された場合、表現型で灰色である(灰色のコロニーは、高生産性クローンサブタイプである可能性があることを示す。)、DNAプラスミドを含有するE.コリの株のコロニーを精製する段階、および(b)該高生産性の可能性があるクローンサブタイプの生産性を試験する(同様の条件下で試験された、同じ株の、選択されない形質転換E.コリクローンサブタイプと比較して、高生産性クローンサブタイプは細胞あたりのプラスミドコピー数が多い。)段階を含む方法を介して、E.コリの株の前記高生産性クローンサブタイプを選択する。本発明の別の実施形態において、(a)クリーム色のコロニー及び中心に丸い褐色部分があるクリーム色のコロニーの両方の集団が形成されるまで、既知組成の寒天培地上に播種された、DNAプラスミドを含有するE.コリの株をインキュベーションする段階、(b)該クリーム色のコロニー(クリーム色のコロニーは、高生産性クローンサブタイプである可能性があることを示す。)を段階(a)から精製する段階、および(c)段階(b)の前記高生産性の可能性があるクローンサブタイプの生産性を試験する(同様の条件下で試験された、同じ株の、非選択の形質転換E.コリクローンサブタイプと比較して、高生産性クローンサブタイプは細胞あたりのプラスミドコピー数が多い。)段階を含む方法を介して、E.コリ細胞の高生産性クローンサブタイプを選択する。
本発明は、高生産細菌クローンを予め選択することから受ける長所を、既知組成の培地中での制限栄養補給法のもとで細菌を培養することに関する長所と組み合わせる、発酵方法を述べる。これらに限定されないが、大規模でのプラスミドDNA生産を含む、プラスミドDNA生産のための、E.コリの高生産性クローンの新規選択方法を開示する。本明細書中で述べられるプロセスには、選択されない形質転換細胞と比較して細胞あたりより大量のプラスミドDNAを生産できるE.コリ細胞の高生産性クローンサブタイプの選択、次いで、栄養補給を制限した、既知組成の培地中での発酵法のもとでの該細菌クローンの培養が含まれる。前記発酵法により、高い細胞密度でプラスミド生産性が増幅されるようになる。得られた方法は、高生産性であり、1から1.5gプラスミド/Lのオーダーの記録的に高い容積測定生産性を示し、拡大可能であり再現可能である。この発酵方法の際に、特異性の高い生産性(つまり細胞あたりのコピー数)及びプラスミドの高収率を達成することは、前記プラスミドDNAの効率的な後半の精製に寄与する重要な要素である。
本発明は、DNAプラスミドを含有するE.コリの株の高生産性クローンサブタイプを選択する第一の段階(ここで、高生産性クローンサブタイプは、同じ株の非選択の形質転換E.コリクローンサブタイプと比較して、細胞あたりのプラスミドコピー数が多い。)を含む、プラスミドDNA生産のための方法に関する。E.コリのDH5株を用いた、本明細書及び実施例の両方において、この選択方法を本明細書中で例示するが、この例示は、本明細書に記載の発酵方法に対するE.コリDH5細胞の使用にのみ本発明の範囲を限定することを意図するものではない。E.コリの代替株が本発明のDNA生産方法での使用のために提供することができることは、当業者にとって周知である。
本発明は、一部、多くのプラスミドDNAワクチン候補で形質転換したE.コリDH5細胞が培養不均一性を示し、識別培地及び/又は既知組成の寒天培地に播種した際に異なる形態を有する2種類のコロニー表現型を示すという観察に基づく。コロニー単離及びそれに続く各表現型の試験により、特異的表現型のクローン分離株が発酵の際にプラスミド増幅を増加させ、大量の臨床グレードのプラスミドDNAを生産させることができることが発見された。したがって、本発明は、プラスミドDNA生産のための、これらに限定されないがDH5株を含む、E.コリの株の高生産性のクローン分離株を選択する第一の段階を含む、新しい発酵プロセスを述べる。
既知組成の培地中において制限栄養供給法を用いた、これらに限定されないが、大規模の商業的発酵方法を含む発酵方法に、本発明で述べられる方法により選択される高生産性クローン分離株を供する。E.コリは、富栄養の複合有機培地ならびに有機炭素源を供給した塩類の既知組成の培地の両方で増殖することができる、選好性ではない微生物である。培養用培地組成物は、直接バイオマス生産に影響を与え、微生物の制御系に影響し、プラスミド容積測定回収率(つまり、gプラスミド/L培地)及び特異的収率(プラスミドコピー数/細胞)にそれぞれ影響を与える。実験室規模のDNAワクチン生産のための生産に対する細菌発酵プロセスでは通常、大型振盪フラスコ又は小型実験室用発酵槽のいずれかを用いた、複合培地及び富栄養培地での回分プロセスが用いられる。複合培地の長所は、構成成分の原料が安価で容易に入手可能であり、その微生物にとって、完全な、又はほぼ完全な栄養源を形成することである。回分発酵によってもまた、速い速度で細菌宿主細胞が増殖できる。しかし、複合発酵培地は、特に、大規模な商業的操作においては、重大ないくつかの欠点がある。最も重要なことは、複合原料が、様々な量の化学的によく分からない組成を有することである。細菌発酵に対して複合培地を使用する場合、大規模発酵の際に、撹拌速度、通気速度及び圧を高くすることで、酸素供給を高くする必要がある。主に酸素移動が悪いために、泡立ちが起こることが多く、その結果、プラスミド生産性が低下し、むらのある結果となる。したがって、これらの発酵法で得られる細胞量は少なく、1から7g乾燥細胞重量/リットルの範囲であり、得られるのは、限られた数の小型動物を用いる研究に対してしか適さない控えめな量のプラスミドである(例えば、Diego,Mら、2000、Biotechnol.Bioeng.68:576−583;Diego,Mら、2001、J.Gene Med.3:577−584;Drew,D.ら、2000,Vaccine 18:2522−2532;Wang,Z.ら、2001、Process Biochem.36:1085−1093;及びReinikainen,Pら、1989、Biotechnol.Bioeng.33:386−393)。
本発明は、既知組成の培地における連続的供給法を用いて、前もって選択した高生産性細菌クローンを培養することにより、上記の問題を解決する。過去に、工業的スケールで既知組成の培地を用いて得られた生産量は、通常、複合原料を含有する培地を用いて得られたものよりも、著しく低いと考えられていた。したがって、既知組成の培地は、従来より、研究用途のみ、又は比較的小規模の発酵方法のいずれかのためのプラスミドDNA生産に適用されてきた。本発明は、工業的スケールの生産方法でも記録的な量の生産物を与える、既知組成の培地を用いたプラスミドDNA生産のための発酵プロセスを述べる。この方法は、重要な栄養の補給を制御することにより、培養速度を低下させることができるので、扱いやすい操作条件で行い得る(例えば撹拌速度及び通気速度)。栄養補給期の間、細胞増殖速度が大幅に低下する一方で、細胞内プラスミド複製は続く。したがって、本発明は、特異性の高い生産性を維持する、既知組成培地の発酵法を述べる。微生物の特異的増殖速度を制御することにより、細胞はその内部細胞機構をバイオマス生産からプラスミド又はタンパク質生産へと切り替え、その結果、特異的な生産性が増幅される(つまり、細胞あたりのプラスミドコピー数)(Chen,W.ら、1997、J.Ind.Microbiol.Biot.18:43−48;Riesenberg,D.ら、1991,J.Biotechnol.20:17−28を参照のこと。)。既知組成の培地処方によって、また、代謝及び質的制御研究などの広範囲の分析的研究が可能となり、それは、遺伝子ワクチン接種及び遺伝子治療用途のプラスミドDNA生産のための方法を設計する際の重要な要因である、安全性及び再現性に対する要求を支えることにより、制御的環境に関して、より良いポジションを達成するのに有用である。
本発明は、これらに限定されないが、大規模でのプラスミドDNA生産を含み、その結果、生産物が記録的高収率となる、プラスミドDNA生産のための方法に関する。この方法には、DNAプラスミドを含有する、これらに限定されないがDH5株を含む、E.コリの株の高生産性クローンサブタイプを選択することを含む(ここで、高生産性クローンサブタイプは、同じ株の、選択されない形質転換E.コリクローンサブタイプと比較して、細胞あたりのプラスミドコピー数が多い。)。次に、本明細書中で述べるようにして選択した高生産性クローンサブタイプを既知組成の培地中で半回分発酵で培養する。本発明はさらに、上述のような発酵方法に関し、ここで、DNAプラスミドを含有するE.コリの株の高生産性クローンサブタイプを同定するための該選択プロセスは、E.コリの株の、高生産性の可能性があるクローンサブタイプを単離する段階と、第一の選択段階と;それに続く、既に単離した該高生産性の可能性があるクローンサブタイプのうちどれが高生産性であるかについて、該クローンサブタイプが小規模発酵系で評価される、第二の選択段階とを含む。本明細書中に記載のE.コリの高生産性クローンサブタイプを同定するための2段階選択プロセスにおいて、第一の選択段階は、これらに限定されないがDH5株を含むE.コリの株の高生産性の可能性があるクローンサブタイプの同定及びそれに続く精製を含む。この第一の選択段階において、関心のあるDNAプラスミドで形質転換した細菌細胞から構成されるE.コリ クローンサブタイプのプールを、同様の発酵条件下で増殖させた他の形質転換E.コリ細胞と比較して細胞あたりのプラスミドコピー数をより多く生産する能力を示す可能性を有するクローン変異体のみを含むように減じる。このように、本発明のE.コリの高生産性の可能性があるクローンサブタイプは、正常な特異的生産性よりも高い生産性を示す可能性を有する(つまり、細胞あたりプラスミドコピー数)。
本発明のある実施形態において、関心のあるDNAプラスミドで形質転換した、これらに限定されないがDH5株を含むE.コリの株の高生産性の可能性があるクローンサブタイプを選択する方法は、第一に、寒天培地で該E.コリ株により生成するコロニーにおいて、表現型の不均一性を観察することと;続いて、形質転換細菌細胞により生産されるコロニー集団の少数成分に対応するコロニーの精製とを含む。
これらに限定されないが、形態的、生理的及び/又は生物学的特徴の不均一性を含む、表現型の不均一性が形質転換細菌細胞のコロニー集団に存在する場合、当業者は容易に同定することができる。この表現型の不均一性は、これらに限定されないが、例えば形質転換プロセスの際におそらく生じる、オリジナルの細菌株のクローン変異体の存在を含む、多くの様々な要因によるものであり得る。表現型の不均一性がオリジナル細菌株のサブタイプの存在によるものである場合、当業者は、前記表現型変異体が、これらに限定されないが、プラスミド増幅が増加する特性を含む、異なる増殖特性を有する、オリジナルの細菌株のクローンにあたる可能性があることを理解するであろう。
細菌クローンサブタイプが科学文献に記載されている。Candida albicans(カンジダ・アルビカンス)における表現型の切り替えは、識別的遺伝子発現の直接的な結果として起こる(Soll,Dら、1995、Can.J.Bot.73:1049−1957)。2個の乳白色特異的遺伝子、PEP1及びOP4及び1個の白色特異的遺伝子、WH11は、病原性カンジダ(Candida)における白色から乳白色への表現型切り替えに寄与する。これはカンジダにおいて病原性を伴う一方、同様の現象が、優れた特異的生産性を有する細菌性クローンの選択において存在し得る。コロニー変異体はまた、ナイセリア・メニンギチジス(Neisseria meningitidis)の病原性株について認められている。この場合、表現型の多様性は、リポ多糖類及びクラス−5の外膜タンパク質の株内の不均一性を伴っている(Poolman,J.T.ら、1985、J.Med.Microbiol.19:203−209)。E.コリDH5の増殖及び酵素活性において存在するプラスミドの効果もまた、Mason,C.A.ら(1989、Appl.Microbiol.Biotechnol.32:54−60)により述べられており、プラスミドコピー数が、炭素代謝に関与する宿主細胞酵素の発現に直接的影響を有することが示されている。このように、様々な増殖特性を有するE.コリクローンサブタイプの生成は、これらに限定されないが、DNA形質転換プロセスにより誘導される突然変異及び選択的に富化した培地で細菌を培養することにより与えられるストレスを含む、様々な異なる事象により起こるものであり得る。
この明細書中で述べるように、関心のあるDNAプラスミドを含有するE.コリの高生産性の可能性があるクローン分離株を同定して精製したら、選択プロセスの第二段階では、どのクローンサブタイプが実際に高生産性であるかを決定するために、高生産性の可能性があるクローンサブタイプそれぞれを評価する。本発明のある実施形態において、選択プロセスの段階1で同定された、前記高生産性の可能性があるクローンサブタイプの生産性試験に、小規模発酵系を使用し、同じDNAプラスミドで形質転換を行ない、同様の発酵条件下で増殖させた、選択されないE.コリ細胞と比較して、細胞あたりのプラスミドコピー数が多い、前記選択プロセスのラウンド1から単離されたクローン分離株を最終的に同定する。この選択プロセスを介して同定された高生産性クローンサブタイプは、工業的量のプラスミドDNAの生産のために大規模発酵法において使用するものであり、該小規模発酵系は、その後の大規模発酵プロセスの発酵条件を模倣する。DNAプラスミドを含有する、これらに限定されないがDH5細胞を含む選択されないE.コリ細胞(つまり、本明細書中に記載の選択プロセスの第1回目のラウンドで選択されなかったE.コリのクローン分離株)の特異的生産性は、前記細菌株のクローン分離株集団の平均の生産性を計算することにより、容易に調べることができる。
当業者は、本発明の細菌クローン変異体が、これらに限定されないが、様々な寒天に播種された細菌コロニーの集団における表現型の不均一性を観察することを含む(例えば形態)、様々な方法で同定され得ることを認識するであろう。本発明のある実施形態において、形質転換E.コリDH5細胞の、高生産性の可能性があるクローン分離株は、血液寒天に播種した場合、表現型の上で灰色のコロニーを形成する。この灰色のコロニーは、不規則な形をとり、扁平で半透明に見える。これに対して、形質転換E.コリDH5細胞の集団の主要な成分により形成されるコロニーは、血液寒天に播種した場合白色であり、円形で、滑らかな質感である。血液寒天上で灰色のコロニーを形成するE.コリDH5の前記高生産性の可能性があるクローン分離株は、最初、インフルエンザDNAワクチン候補のGood manufacturing Practice(品質管理規則)(「GMP」)発酵に対する最終的な発酵槽ブロス試料において通常の培養純度試験を行った際に同定された。灰色及び白色コロニーの不均一集団が血液寒天プレートで見ることができた。灰色のコロニーが発酵ブロス試料における主要な表現型になることを調べた。灰色及び白色生産細胞のクローン分離株を精製し、増殖速度及びプラスミド生産性の特徴を調べた。白色コロニーを生成するクローン分離株と比較した際に、灰色の表現型のコロニーを生成するクローン分離株と特異的生産性の向上との間の相関関係が認められた。
E.コリ細胞の、高生産性の可能性があるクローン分離株に相当する、本発明の形質転換E.コリDH5細胞の灰色の表現型のコロニーは、血液寒天で視覚化した場合、同じ株の非選択の白色DH5コロニーとは区別される。血液寒天は、汎用のものであり、選好性及び非選好性微生物の培養に対する、非選択的、非定義培地である。血液寒天プレートは通常、5% ヒツジ血液(体積)及びColumbia寒天又はトリプシン大豆寒天ベースのいずれかを含有する。2つのコロニー表現型を区別するために使用される寒天プレートを、細菌コロニー形成を促進する条件下でインキュベーションすべきことは、当業者にとって容易に認められよう。前記増殖条件は、例えば、インキュベーション温度、ならびにインキュベーション時間などが様々であり得る。インキュベーション時間及び温度は、促進するために実験的に決定された条件に従い、2つのコロニー表現型の間の視覚的な区別を最大にするように調整し得る。本発明のある実施形態において、これらに限定されないが、E.コリDH5を含む、E.コリの株の高生産性の可能性があるクローン分離株は、5% Columbiaヒツジ血液寒天に播種した場合、灰色のコロニーとして認識される。血液寒天における灰色及び白色DH5コロニーの間の表現型の差を最大にする好ましいインキュベーション条件は、約48時間の約30℃でのインキュベーション温度であるが、これらの数字が厳格なガイドラインでないことは当業者にとり理解できる。
本発明の高生産性の可能性があるクローン分離株の増殖特性を評価するために、選択されない形質転換細胞(つまり、血液寒天で白色コロニーを生成するもの)から前記細菌クローンを精製することが最初に必要である。クローン分離株は、関心のあるオリジナル細菌細胞のサブタイプの純粋な培養物に相当する。したがって、純粋な培養物は、1個の細胞から生じる細胞集団である。1個の細菌細胞が完全に個別のコロニーを生成するように、細胞の混合物を寒天表面に広げるか、又はストリークしたとき、前記コロニーは、純粋な培養物に相当する。通常、前記純粋な培養物を単離することができ、続いて単一コロニーを拾ってそのコロニーを別の寒天プレートに再び広げ/再びストリークすることにより、増殖させることができる。したがって、複数の細菌コロニーが互いに寒天プレート上で接触した場合、プレートへ広げるか又はストリークするプロセスを用いた精製技術を繰り返すことにより、最終的に、純粋な培養物を精製できることを当業者は理解するであろう。
本発明のある実施形態において、前記クローンサブタイプは、選択されない形質転換DH5細胞により形成される白色コロニーとは異なり、灰色のコロニーを形成するので、E.コリDH5の、高生産性の可能性があるクローン分離株は、血液寒天で同定することができる。しかし、高生産性の可能性があるクローン分離株に対応する前記灰色コロニーは、既知組成の寒天培地に播種した場合、選択されない形質転換DH5細胞のコロニーと区別できない。血液寒天上で灰色コロニーを形成する、本発明の、高生産性の可能性があるクローンサブタイプは、前記血液寒天プレートから直接精製することができる。あるいは、本発明の最終プラスミドDNA生産方法に使用される高生産性クローン分離株とあらゆる血液産物との間の接触を完全に避けることが望ましいものであり得る。本明細書中で述べるような、例えば灰色のコロニーなど血液寒天における表現型でユニークなコロニーを形成する、E.コリの株の高生産性の可能性があるクローンサブタイプを精製するために(それにより最終発酵プロセスで使用すべき最終的なクローンサブタイプがいずれの血液産物とも接触できなくなる。)、二重播種技術を利用することができる。二重播種技術には、何らかのその結果生じる精製中間体に加えて、最初の形質転換E.コリ細胞を血液寒天上及びこれらに限定されないが既知組成の寒天培地を含む第二のタイプの寒天培地で二重播種することが必要である。例えば、灰色及び白色DH5コロニーの混合物など、表現型の上で区別されるコロニーの不均一集団が前記血液寒天プレート上で見えるようになったら、対応する第二の寒天プレートからの単一のコロニーを拾い、両タイプの寒天培地に再び広げ/再びストリークする。この選択及び精製プロセスは、血液寒天プレートが、例えば灰色のコロニーなど、表現型の上で識別できユニークなコロニーの均一集団を含有するようになるまで続けられる(それにより、対応する第二の寒天培地からの単一コロニーは、血液産物と接触していない、高生産性の可能性があるクローン分離株に対応する。)。本発明のある実施形態において、上述の第二の寒天培地は、後の実施例1に記載の既知組成の寒天培地である、DME−P5である。本発明のクローン分離株を精製したら、培養物の純度を試験して、該細胞を血液寒天上で定期的に再評価し得る。
本明細書中に記載のプラスミドDNA生産に対する方法の第一の段階には、DNAプラスミドを含有する、これらに限定されないがDH5株を含む、E.コリの株の高生産性クローンサブタイプを選択することが含まれる(ここで、選択プロセスの第一段階は、血液寒天に播種した場合に表現型の上で灰色のコロニーを形成する前記株の高生産性の可能性があるクローンサブタイプを同定し精製することである。)。本発明はさらに、プラスミドDNA生産のための、これらに限定されないがE.コリのDH5株を含む、E.コリの株の高生産性クローンサブタイプE.コリの株を選択するための方法に関し、この方法は、(a)血液寒天上で表現型の上で灰色である(灰色のコロニーは、高生産性クローンサブタイプである可能性があることを示す。)、DNAプラスミドを含有するE.コリの株のコロニーを精製する段階;(b)該高生産性の可能性があるクローンサブタイプの生産性を試験する(同様の発酵条件下で試験された、同じ株の、選択されない形質転換E.コリクローンサブタイプと比較して、高生産性クローンサブタイプは、細胞あたりのプラスミドコピー数が多い。)段階が含まれる。本発明のある実施形態において、前述の方法の血液寒天プレートを約30℃にて約48時間インキュベーションする。
本発明の別の実施形態は、プラスミドDNA生産のための、これらに限定されないがE.コリのDH5株を含む、E.コリの株の高生産性クローンサブタイプを選択するための方法を含み、この方法は、(a)DNAプラスミドを含有するE.コリの株を血液寒天及び既知組成の寒天培地の両方に播種し、そのプレートを細菌コロニーが形成されるまでインキュベーションする段階;(b)対応する血液寒天プレートが灰色表現型のコロニー集団を含有する、既知組成の寒天培地プレートからの個々のコロニーを拾う段階;(c)血液寒天プレートが表現型の上で灰色のコロニーの均一集団を含有するようになるまで、血液寒天及び既知組成の寒天培地の両方で、段階(b)からの個々のコロニーを精製する段階;(d)高生産性の可能性があるクローンサブタイプに対応する前記コロニーである、段階(c)で精製した個々のコロニーを既知組成の寒天培地プレートから拾う段階;(e)前記高生産性の可能性があるクローンサブタイプの生産性を調べる(同様の発酵条件下で試験された、同じ株の、選択されない形質転換E.コリ細胞と比較して、高生産性クローンサブタイプは細胞あたりのプラスミドコピー数が多い。)、段階が含まれる。本発明のある実施形態において、上述の既知組成の寒天培地は、後に実施例1で述べる、DME−P5既知組成寒天培地である。
本発明の高生産性の可能性がある細菌クローンを単離するために多くの様々な選択法が利用可能であることを当業者は認識するであろう。そのような方法の1つは、上述のものであり、血液寒天上で形質転換E.コリDH5細胞が不均一な表現型の上で灰色及び白色コロニーの集団を生産し得ることを観察した後に進められる。多くのDNAワクチン候補に対する発酵法を最適化する一方、また最初に形質転換して回収されたDH5細胞集団から形成されたコロニーが、後で実施例1で述べる既知組成の寒天培地であるDME−P5上で、37℃にて約5日間にインキュベーション時間を延ばした場合、2種類の別個の表現型を示したことが観察された。クリーム色のコロニー及び中央部が褐色のクリーム色のコロニーを検出した。クリーム色のコロニーから生成されたクローン分離株が、後に述べるように、血液寒天に播種した場合に、灰色の表現型のコロニーを生成できることが後に分かった。このように、前記クリーム色のコロニーは、本発明により高生産性クローンサブタイプとして同定される可能性がある、DNAプラスミドで形質転換したE.コリDH5細胞のサブセットに対応する。血液寒天に播種した場合、DME−P5選択寒天培地上でクリーム色のコロニー表現型を示すクローン分離株が白色及び灰色の表現型のコロニーの両方の混合集団を生じることが観察されている。しかし、中央部が褐色のクリーム色のコロニーを生成する形質転換DH5クローン分離株では、高いプラスミドDNAタイターを産み出す能力又は血液寒天で灰色の表現型のコロニーを生じさせる能力を示すものは示されていない。
本発明は、DNAプラスミドを含有する、これらに限定されないがE.コリのDH5株を含む、E.コリの株の高生産性クローンサブタイプを既知組成の培地で選択し、前記選択プロセスがE.コリの高生産性の可能性があるクローンサブタイプを単離する第一の選択段階を含む、本明細書中で述べるような発酵プロセスに関する。上述のように、この第一の選択段階により、DNAプラスミドで形質転換された特定の株の細菌細胞からなる、関心のあるE.コリクローンサブタイプのプールを、同様の発酵条件下で増殖させた同株の選択されない形質転換 E.コリクローン細胞と比較して、細胞あたりのプラスミドコピー数が多くなる能力を示す可能性のあるクローンに絞る。本発明のある実施形態は、関心のあるDNAプラスミドで形質転換した、これらに限定されないがDH5株を含むE.コリの株の前記高生産性の可能性があるクローンサブタイプに対する選択の方法を表し、この方法には、最初に、識別培地及び/又は既知組成の寒天培地に播種した場合に、前記細菌細胞により生成されたコロニーにおける表現型の不均一性を観察すること、及びそれに続く、該形質転換細胞により生成されたコロニー集団の少数成分に対応するコロニーの精製が含まれる。本発明のさらなる実施形態において、前記高生産性の可能性があるクローンサブタイプは、クリーム色のコロニー及び中心に丸い褐色部分があるクリーム色のコロニーの両方の集団が形成されるまでインキュベーションした既知組成の寒天培地において、表現型でクリーム色である。本発明のこの局面のさらなる実施形態において、前記クリーム色のコロニーは、前記既知組成の寒天培地を約37℃にて約5日間インキュベーションした後形成される。
本発明はさらに、プラスミドDNA生産用の、これらに限定されないがE.コリのDH5株を含む、E.コリの株の高生産性クローンサブタイプを選択するための方法に関し、この方法は、(a)既知組成の寒天培地上で、クリーム色のコロニー及び中心に丸い褐色部分があるクリーム色のコロニーの両方の集団が形成されるまで、DNAプラスミドを含有するE.コリの株をインキュベーションする段階;(b)該クリーム色のコロニー(クリーム色のコロニーは、高生産性クローンサブタイプである可能性があることを示す。)を段階(a)から精製する段階;(c)該高生産性の可能性があるクローンサブタイプの生産性を試験する(同様の発酵条件下で試験した、同じ株の非選択の形質転換E.コリ細胞と比較して、高生産性クローンサブタイプは細胞あたりのプラスミドコピー数が多い。)段階が含まれる。本発明のさらなる実施形態において、これらに限定されないが、後述するDME−P5を選択する寒天培地を含む、この選択方法で使用される既知組成の寒天培地を、約37℃で約5日間インキュベーションする。
本発明の別の実施形態は、プラスミドDNA生産のための、これらに限定されないがE.コリのDH5株を含む、E.コリの株の高生産性クローンサブタイプを選択する方法を含み、この方法は、(a)クリーム色のコロニー及び中央に丸い褐色部分があるクリーム色のコロニーの両方の集団が形成されるまで、既知組成の寒天培地に播種した、DNAプラスミドを含有するE.コリの株をインキュベーションする段階;(b)段階(a)からのクリーム色のコロニーを拾う段階;(c)血液寒天及び既知組成の寒天培地の両方に、段階(b)で拾った該クリーム色のコロニーの細胞を播種する段階;(d)対応する血液寒天プレートが灰色の表現型のコロニー集団を含有する、既知組成の寒天培地から、個々のコロニーを拾う段階;(e)血液寒天プレートが表現型の上で灰色のコロニーの均一集団を含有するようになるまで、血液寒天及び既知組成の寒天培地において段階(d)からの個々のコロニーを精製する段階;(f)既知組成の寒天培地から段階(e)で精製した個々のコロニーを拾う段階(そのコロニーは、高生産性の可能性があるクローンサブタイプに対応する。);(g)前記高生産性の可能性があるクローンサブタイプの生産性を試験する(ここで、高生産性クローンサブタイプは、同様に試験された、同じ株の非選択の形質転換E.コリ細胞と比較して、細胞あたりのプラスミドコピー数が多い。)段階が含まれる。本発明のある実施形態において、これらに限定されないが、後述のDME−P5寒天培地を含む、上記段階(a)で述べた既知組成の寒天培地を約37℃にて約5日間インキュベーションするが、当業者は、これらのインキュベーションパラメーターが単なる指針であり同様の結果を得るためにこれらの指針をどのように変更できるかの両方を理解するであろう。
例えば、代替的な形態的表現型を示す寒天培地上で形質転換細胞から生じる細菌コロニーを視覚的に同定することにより、形質転換E.コリ細胞の不均一集団の存在を最初に観察する際、明確な細菌変異体が実際に前記形質転換E.コリ細胞のサブタイプであるか否か、及び単なる雑菌混入ではないことを評価することが重要である。混入の可能性としてあり得るのは、外来細菌又は非細菌性ソースからの混入である。さらに、プラスミドDNA生産のための、形質転換細菌株の高生産性クローンについて選択する場合、前記プラスミドが実際に前記細菌細胞内に含有されていることを確認することが不可欠である。当業者は、これらに限定されないが、識別寒天でのクローン分離株の播種及び脂肪酸メチルエステル(「FAME」)分析の実行を含む、外来細菌又は非細菌性混入の両方を同定するための多くの方法があることを認めるであろう。これらに限定されないが、細菌細胞溶解液のアガロースゲル電気泳動法を行うことを含む、又はプラスミド内の抗生物質耐性遺伝子に対応する抗生物質含有寒天培地に前記細菌を播種することを含む、細菌細胞内のプラスミドDNAを検出するための多くの技術がまた存在する。例えば、本発明において、精製したDH5クローン分離株(つまり、血液寒天において灰色又は白色コロニーのいずれかを形成するもの。)を次のタイプの寒天培地に播種した。すなわち、前記クローンのプラスミドが前記クローンにおいてネオマイシンを含有したので、ネオマイシン含有の、DME−P5(後述を参照のこと。);ネオマイシンを欠くDME−P5;及び、グラム陰性エンテロバクテリアセア(Enterobacteriaceae)の増殖を識別し同定するために使用される、LES Endo及びLevine EMB、E.コリ選択寒天培地である。約50種類のクローン分離株を試験したところ、全てがプラスミド付与耐性を含有していた。試験したクローン分離株はやはり、E.コリ(特にDH5株)に対する典型的な増殖パターンを示し、このことから、FAME分析により、優れたE.コリプロファイルの合致が明らかとなった。
本発明の、DNAプラスミドを含有するE.コリの高生産性の可能性があるクローンサブタイプを選択した後、本発明は、第一の選択段階から同定されたどのクローンが、同じプラスミドで形質転換し、同様の発酵条件で増殖させた同じ株の選択されないE.コリよりも大きい特異的生産性を有するか、を調べるために、前記クローンサブタイプを評価することを含む。本発明のある実施形態において、小規模発酵系を用いて高生産性の可能性があるクローン分離株を評価する。小規模発酵系の大きさは、本明細書中に記載の選択された高生産性クローンサブタイプに対して使用される最終的な発酵方法のサイズに依存する。例えば、本発明の方法を介して選択されたE.コリの高生産性クローンサブタイプがプラスミドDNAの大規模生産のための発酵方法において使用される場合、高生産性の可能性があるクローンサブタイプを評価する小規模発酵系には、約250mLから約2Lのサイズのフラスコ中で前記細菌分離株を培養する系が含まれる。さらに、最終的な工業的大規模発酵方法を模倣する発酵法を用いて、前記高生産性の可能性があるクローン分離株を評価する。小規模発酵系により、高生産性の可能性があるクローンの迅速なスクリーニングが可能となり、プラスミドDNAを生産させるために使用される最終的発酵方法に対応する生産性データが得られる。同様に、選択する場合、より小規模のDNA生産プロセスにおいてE.コリの高生産性クローンサブタイプを使用すべきであり、選択プロセスの段階1で同定された、高生産性の可能性があるクローンサブタイプの生産性を評価するために使用される本発明の小規模発酵法には、最終発酵方法で使用されるものより小型の発酵容器でクローンサブタイプを培養する系が含まれる。この場合も、小規模発酵系は、プラスミドDNA生産のための最終的発酵法の発酵条件を模倣する。
本発明のある実施形態において、栄養補給発酵系(これにより各フラスコに、連続的に栄養が補給される。)付き振盪フラスコ(「SFF」)を用いて、本明細書中に記載の高生産性の可能性があるクローン分離株を評価する。SFF系は、約1000mLを超えない、好ましくは250mLのバッフル付き振盪フラスコで前記クローン分離株が培養される、小規模発酵系に相当する。本明細書中で述べるように、SFF系において評価した後に同定される本発明の高生産性クローン変異体を、大規模の工業的発酵プロセスにおいてプラスミドDNA生産のために使用することができる。本発明のある実施形態において、本明細書中で記載のように、これらに限定されないがDH5細胞を含む、E.コリの高生産性の可能性があるクローン分離株を評価するために使用されるSFF系のフラスコに、連続的に、希釈グリセロール/グルタミン酸一ナトリウム(「MSG」)混合物、好ましくは約4.6%グリセロール(v/v)及び約2.9%MSG(w/v)を含有する補給溶液を補給する。補給は、好ましくは、細菌の指数関数増殖期(つまり対数増殖中期)に開始され、最終的な大規模発酵方法で使用される半回分方法を模倣する。さらに、低速補給法を使用し、好ましくは、前記補給溶液が約6.4μl/時間/mLブロスで送達され、細胞を低速の直線的様式で増殖させる。この場合も、これは、大規模発酵方法を模倣する。本明細書中に記載の方法を介して選択されたクローン分離株の評価に使用される好ましいSFF系は、振盪フラスコ系に対して実用的ではないpH調整を必要としない。好ましくは、本明細書中に記載のSFF系は、できるだけ多くの高生産性の可能性があるクローン分離株をスクリーニングするために、適切に同調させる。さらに、振盪フラスコにおける固有の酸素制限のために、この方式で試験されるクローン分離株は、好ましくは、補給なしで比較的低いバイオマスを支持する培地中で培養される。したがって、補給が開始されたとき、培養が酸素制限となることなく、バイオマスが有意に上昇することができる。本発明のある実施形態において、本明細書中に記載の高生産性の可能性があるクローン分離株を、DME−P5培地、DME−B−12培地に関連する既知組成の培地(具体的な組成については後述の実施例3を参照のこと。)において培養する。
本発明のある実施形態において、上述のように、本発明の高生産性の可能性があるクローンサブタイプの特性を評価し、選択プロセスの第一ラウンドで同定され精製されたクローンサブタイプのどれが高い特異的生産性を示すかを決定した後、次に、高生産性クローンサブタイプを既知組成の培地中で半回分発酵にて培養する。前記高生産性クローンサブタイプを工業的スケールで培養することができ、それにより、プラスミドDNAの大規模生産の収率が向上する。本明細書中で使用されるように、工業的又は大規模微生物細胞発酵は、一般に約200L、500L又は1000Lの発酵体積に対応する標準的実験室バイオリアクターより大きい総発酵体積を有すると考えられる。工業的又は大規模微生物細胞バイオリアクターは、約1000Lより大きい総発酵体積に対応することができ、10,000から100,000Lもの大きさの発酵容器を含み得る。
E.コリにおけるプラスミドの過剰生産のために、2種類の異なる発酵技術、回分及び半回分法が使用されてきた(例えば、Riesenberg,D.,1991,Curr.Opin.Biotechnol.2:380−384;Yee,L及びH.Blanch,1992、Biotechnol.10:1550−1556;及びLee,S.Y.,1996,TIBTECH 14:98−105)。通常、回分発酵は、細胞増殖及びプラスミド生産の両方に必要な全栄養分が接種時に非常に過剰量で発酵容器に存在する細胞培養プロセスであり、これにより、容器に追加する必要がなくなる。回分発酵において、増殖速度は、環境的パラメーター(例えば、温度、pH、酸素供給)及び炭素源の操作を介して制御される。回分発酵は、高いバイオマスの培養を達成するという点で、非常に制限され、これは、プラスミド容積測定収率が低いことの一因となっている。半回分プロセスにおいて、発酵培地の1又は複数の構造的及び/又は触媒的要素を含む化合物の全て又は一部が発酵プロセスの初期には発酵槽に添加されない。細胞が所望する密度になったら、次に、それぞれ、1又は複数の構造的及び/又は触媒的要素を含む化合物の全て又は残りの部分のいずれかを、発酵槽に供給する。半回分発酵において、長時間にわたり培養物にこれらの栄養分を添加することにより細胞増殖速度を調整する。補給のために選択される化合物は、全て一緒に、又はそれぞれ別々に補給することができる。好ましい半回分及び連続的発酵プロセスにおいて、この発酵段階中に完全出発培地をさらに供給する。繰り返しの半回分プロセスにおいて、バイオマスを含有する発酵ブロスの一部を一定の時間ごとに取り出し、一方、発酵ブロスの残りの部分は連続して半回分発酵方法を行う。この発酵方法は、それにより、差し引かれた発酵ブロスの量に対応する新鮮な培地が補充される。
半回分発酵系を使用することにより、発酵容器の酸素移動能に適合するレベルに栄養分利用性を調整することにより、酸素制限環境ができることによる毒性のある副産物の蓄積を回避する。一定の補給速度又は次の高度な補給アルゴリズムのいずれかを用いて、それぞれに応じた補給法を介して一定の環境を作ることにより、所望する増殖速度を達成する。プラスミドコピー数は、プラスミド増幅と呼ばれる下方制御増殖速度を維持することにより、正方向に影響を受け得る(Reinikainen,p.ら、1989、Biotechnol.Bioeng.33:386−393;Namdev,P.K.,1993,Biotechnol.Bioeng.41:660−670;Schmidt,T.ら、2001、P/ace setter,5:4−6;及びChen,W.C.,1997,J.Indust Microbiol.Biotechnol.18:43−48)。このより高いプラスミド含量は、他の生化学経路を凌ぐ、高いプラスミド安定性と好ましいプラスミド合成の両方によるものと考えられる。したがって、(1)細胞が指数関数的に増殖するバイオマス増加期及び(2)プラスミド増幅が起こる、半回分法により達成される低増殖期を含む、2相法は、生産性の高いプラスミドDNAプロセスで用いられることが多い。重要なことは、組み換え構築物の各々もまたそれ自身の制限を示すことである。
発酵容器は、液体栄養培地に浸っている培養細胞を含有する。培養用培地は、通常、発酵容器に導入する前又は後のいずれかに滅菌する。時として、熱での滅菌の間に化学中間体がある一定の培地成分との間で生じる可能性があり、その培地の組成及びその培地の所定の栄養分の濃度を変化させるため、培地のある一定の成分は一緒に滅菌することができない。これらの場合、2以上に分けた培地としてこの培地を調製し得る(滅菌の間、既知の不適合成分を隔離しておく。)。次に、滅菌後に、完全な滅菌培地を調製するためにこれらの分離培地を組み合わせることができる。さらに、ある物質、特にある一定のタンパク質は、それらが熱で変性し得るため、熱による滅菌が行えない。これは、培養用培地に添加する前にこれらの物質を濾過滅菌することにより回避することができる。
発酵容器は通常、溶液中の細胞に酸素を送り込むための手段を備える。タンクに酸素を送り込むための典型的な手段には、発酵容器それ自身の一部であることが多い撹拌機構又は空気もしくは酸素を容器に送り込むインレットが含まれる。培養細胞に通気するための手段に加えて、発酵容器において含有され、本発明で使用されるその他の有用な成分には、これらに制限されないが、pHについてのプローブ、溶解酸素及び温度測定器、圧力センサーならびに1又は複数の栄養及び/又はその他の溶液添加のための口が含まれる。
本発明は、最初に上述のようにDNAプラスミドを含有するE.コリの株の高生産性クローンサブタイプを選択し、次に、該高生産性クローンサブタイプを半回分発酵により培養する段階を含有する、プラスミドDNA生産のための発酵方法に関する。本発明のある実施形態において、大規模発酵方法を用いて前記高生産性クローンサブタイプを培養する。本発明の選択プロセス及び最終的発酵法の両方とも、既知組成の培地を用いて行われる。本明細書中に記載の既知組成の培地は、プラスミドDNAの過剰生産を支持するために設計された。本明細書中で使用される場合、「既知組成の」培地という用語は、基本的に既知組成の構成成分からなる培地であると理解されたい。基本的に既知組成の構成成分からなる発酵培地には、複合炭素及び/又は窒素源を含有しない培地が含まれる。したがって、既知組成の培地は基本的に、定義されていない窒素(例えば動物もしくは植物タンパク質又はタンパク質加水分解成分)又は定義されていない炭素源(例えば糖液又はコーンスティープリカー)を含有しない。代わりに、窒素源は特定の無機もしくは有機化合物であり、炭素源は、特定の糖である。さらに、既知組成の培地は、例えば硫酸塩、リン酸塩及びアルカリもしくはアルカリ土類金属の塩化物などの塩及び微量栄養素などのミネラル成分を含有する。
本発明のある実施形態は、第一リン酸カルシウム(KHPO)、リン酸カリウム(KHPO)及び硫酸アンモニウム((NHSO)の塩成分を含有する、一連の既知組成の培地処方に関する。さらなる実施形態において、開示される既知組成の培地の前記塩成分は、場合によっては、塩化ナトリウム(NaCl)を含む。本発明の具体的な実施例は、約7.0g/LKHPO、約7.0g/LKHPO及び約6.0g/L(NHSO及び場合によっては約0.5g/LNaClを含有する、既知組成の培地に関する。
本発明のさらなる実施形態において、本明細書中で開示されるプラスミドDNA生産方法の選択及び/又は発酵段階について使用される、前記既知組成の培地は、これらに限定されないが、グリセロールを含む炭素源及び/又はこれらに限定されないが、グルタミン酸一ナトリウム(「MSG」)及びL−グルタミン酸を含む窒素源に加えて、上述のように塩成分を含有する。MSGは、L−グルタミン酸のナトリウム塩である。本発明の具体的な実施形態は、炭素源として使用されるグリセロール(好ましくは、約10.0から15.0g/L、より好ましくは15.0g/Lの濃度)に加えて、本明細書中で述べるように、塩成分を含有する既知組成の培地に関する。本発明の別の具体的な実施形態は、約5.0g/Lの濃度の、MSG又はL−グルタミン酸の窒素源に加えて、本明細書中で述べるように塩成分及び炭素源を含有する既知組成の培地に関する。またさらなる本発明の実施形態において、本発明の高生産性クローン分離株が選択され、次いで、前記細菌クローンの培養に使用される前記既知組成の培地は、場合によっては、1又は複数の次の成分を含有する:すなわち、ユーコン(ucon)、塩酸チアミン、MgSO・7HO、硫酸ネオマイシン及び微量要素である。
本明細書中に記載の高生産性E.コリ細胞の選択及び/又は培養のために使用される本発明の既知組成の培地には、これらに限定されないが、DME−P5、DME−B12、培地C、培地D、培地E、培地F及び培地Gからなる群から選択される培地が含まれる(具体的な培地組成及び調製については後述の実施例部分を参照のこと。)。これらの培地は一例にすぎないことを理解されたい。当業者は、本明細書中で開示される新規プロセスにおいて述べられるように、DNAプラスミドを含有する、これらに限定されないがDH5細胞を含む、高生産性E.コリ細胞の選択及び/又は培養を可能にする代替的な既知組成の培地を提供することができる。このように、本発明は、本明細書中に記載され例示される特定の培地組成物の使用に制限されないが、DNAプラスミドを含有するE.コリの高生産性クローン分離株の選択及び/又は培養に適している、さらなる例示されていない既知組成の培地組成物を含むものである。本発明のある実施形態において、本明細書中に記載の方法により同定されたE.コリの高生産性クローンサブタイプを培養するために使用される前記既知組成の培地は、大規模での前記細菌の発酵を支持するために処方される。
本発明において述べられる方法により培養されるDNAプラスミドベクターは、関心のある生物学的化合物をコードする遺伝子(つまりトランス遺伝子)を含有する何らかの染色体外DNA分子であり得る。このプラスミドは、微生物細胞(例えばE.コリ)においてその維持及び増殖の両方に必要なエレメントならびに動物宿主におけるトランス遺伝子のその後の発現に必要なエレメントを含有する。細菌による増殖のために、適切な形質転換体の選択のための選択可能マーカーなどの複製に必要な何らかのプラスミドにコードされる機能に加えて、複製起点が必要である。遺伝子発現のために、このプラスミドは、動物宿主への侵入の際にトランス遺伝子の一時的生産を最大にするように設計されるべきである。遺伝子発現に寄与するプラスミドの成分には、これらに限定されないが、真核プロモーター、転写終結及びポリアデニル化シグナル及びエンハンサーエレメントが含まれ得る。動物細胞における組み換え遺伝子発現のために選択されるプロモーターは、同種又は異種であり得、構成的又は誘導可能であり得、これらに限定されないが、ヒトサイトメガロウイルス/前初期(CMVIE)、シミアンウイルス/初期(SV40)、ヒト伸長因子−1α(EF−1α)及びヒトユビキチンC(UbC)由来のプロモーターが含まれる。これらが機能的となるような特定の方式でベクターにこれらの様々な成分を置く方法を当業者はさらに認識するであろう。プラスミドDNAは、当業者に周知の技術を用いて、組み換えにより操作することができる(Sambrook,Fritsch,Maniatis,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press.1989;及びCurrent Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Assoc.&Wiley,1987(両者とも参照により本明細書中に組み込む。)を参照のこと。)。低コピー数ベクターの使用は、生産収率が好ましくなく低いので、ポリヌクレオチドワクチン接種又は遺伝子治療のためのプラスミドDNA生産に好ましくない。プラスミドベクターは、塩化カルシウムトランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクションなどの、様々な周知の方法を使用して、宿主細胞にトランスフェクション又は形質転換し得る。
本発明によると、プラスミドDNAを大量に生産させるために、工業的スケールで、本明細書中で述べられる方法により同定されたE.コリの株の高生産性クローンサブタイプを培養することができる。このような場合、前記大規模発酵法は通常、形質転換細胞を用いた出発バッチ培地を含有する種発酵槽(好ましくは小型フラスコ(つまり約250mLから約2L)の直接的接種により開始される(発酵プロセスの「種」段階と呼ばれることが多い。)。本明細書中で述べるようにして同定したE.コリの高生産性クローンサブタイプを培養するための最終発酵段階が、より小規模の発酵法を包含する場合、前記「種」段階は、出発バッチ培地を小型容器に直接接種することから構成され得る(例えば約15mLの滅菌試験管)。出発バッチ培養用培地は、通常、細胞の増殖及び繁殖に必須の全ての栄養分を含有する。本発明の出発バッチ培養用培地は、好ましくは、これらに限定されないが、培地D、培地E、培地F及び培地G(全て後述する。)を含む、既知組成の培地である。接種材料は、解凍した、機能する種の分注物又は大規模な種のストック(実施例6参照)から構成され得る。種段階における細胞を所望する密度に増殖させ、次に、滅菌状態下で、「種」発酵槽の内容物を生産発酵槽に移し、本発酵プロセスの「生産」段階を開始する。大規模発酵法の場合、「工業的スケール」又は「大規模」としての前記発酵法の指示を規定するものは、生産発酵の大きさである。本発明のある実施形態において、種発酵期及び生産発酵期の間の移動のタイミングは、例えば二酸化炭素発生速度(「CER」)のオンライン測定により決定されるように、対数増殖中期を得た形質転換細菌細胞に基づく。発酵の生産段階で使用される本発明の培養用培地は、これらに限定されないが、培地D、培地E、培地F及び培地Gを含む、既知組成の培地である。種発酵槽及び生産発酵槽の両方の発酵条件は、温度、気流速度、撹拌速度、容器圧及びpHに関して変化し得る。本発明のある実施形態において、約37℃にて関心のあるDNAプラスミドを含有するE.コリを増殖させる。播種及び生産発酵槽の気流速度は、好ましくは、約0.25から1.00vvm(空気の体積/ブロスの体積/分)である。種発酵槽及び生産発酵槽の撹拌速度は、好ましくは、約200から800rpmの範囲であるが、撹拌速度は、発酵槽の大きさに依存し、大型容器では必要な撹拌速度が低い。種発酵槽及び生産発酵槽の圧は、約5から約20PSIの範囲に維持される。発酵中の必要量が増加する場合、撹拌速度を上げることにより溶解酸素レベルを維持することができる。約30%より大きい、又は等しい溶解酸素レベルならびに中性pHが好ましい。中性pHは、25%(v/v)リン酸又は30%(v/v)水酸化ナトリウムを添加することにより維持することができる。発酵ブロスの、溶解酸素レベル、CER、酸素摂取速度(「OUR」)、pH及び細胞密度のオンライン測定を行うことができる。代替的方法において、種発酵段階を省略して、凍結した接種材料源から生産段階に直接接種することができる。
本発明の発酵方法の生産段階は、半回分系を含む。本発明の好ましい実施形態は、これらに限定されないが、半回分発酵法により、関心のあるDNAプラスミドを含有するE.コリDH5細胞を培養することを含有するプラスミドDNAの大規模生産を含む、プラスミドDNA生産の収率を上昇させる方法を含み、本発酵プロセスの生産段階で半回分法が使用される。本発明のある実施形態において、炭素及び/又は窒素源は、生産段階で発酵容器に補給される。炭素源には、これらに限定されないが、グリセロール、グルコース、フルクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、ソルビトール又はその他の単糖が含まれ得る。窒素源には、これらに限定されないが、カゼイン、ラクトアルブミン、アルブミン、大豆タンパク質の、タンパク質加水分解物;肉タンパク質;及びMSGもしくは個々のアミノ酸の混合物が含まれ得る。本発明のある実施形態において、炭素源はグリセロールであり、窒素源は、MSGである。本発明の別の実施形態において、約50%グリセロール(v/v)及び約25%MSG(w/v)を含有する補給溶液を使用する。本発明のさらなる実施形態において、約60%グリセロール(v/v)を含有する補給溶液を使用する。本発明において、生産段階培養物が対数増殖になったら、炭素及び/又は窒素補給法(CERに基づくタイミング)を開始し、約24時間から30時間継続する。
この栄養補給法の目的は、増殖速度を低下させることであり、これはプラスミド増殖を促す。著しく高い量の炭素及び窒素の供給が、回分方法とは異なり、半回分方法において許容される。具体的に、半回分方法に適用される炭素及び/又は窒素源の量は、回分方法で適用される最高量よりも少なくとも約2倍高いものであり得る。これは、言い換えると、回分発酵方法と比較して、半回分発酵方法において、顕著に大量のバイオマス生産を導く。
本発明において、本発明の生産段階発酵槽への補給溶液送達の速度、タイミング及び体積は、通常、一連の発酵にわたり変化する。例えば、本発明のある実施形態において、補給速度は、より低い設定点で始まり、呼吸活性(CERにより測定)がピークに到達したら、手動でその時間にわたり最高値まで増加させる(およそ2.66から3.66g/L/hの間で変化する。)。補給前に起こる指数関数的増殖速度と異なり、補給プロセスの結果細胞増殖が直線的速度となることが好ましい。本発酵プロセスの補給プロセス中に達成される増殖低下により、発酵中にプラスミド増殖がより増大し、それにより、特異的生産性が大きくなり、最終的にDNAプラスミド収率が大きくなる。あるいは、本発明の生産発酵槽に、約2.0から12g/L/hの間の一定速度で、より好ましくは約8.0g/L/hを超えない一定速度で、最も好ましくは約8.0g/L/hの一定速度で、補給することができる。
E.コリ宿主細胞培養完了後、その細菌細胞からプラスミドDNAを得ることができる。細胞ペースト又はスラリーを得るために、関心のあるプラスミドを含有するE.コリ細胞を、最初に発酵培地から集菌する。これらに限定されないが、遠心分離又は精密濾過を含む、液体培地から細胞を回収するためのあらゆる従来法が適している。その後の精製には、通常、濾過、沈殿、塩化セシウム/臭化エチジウム密度勾配などの様々な技術;及びイオン/陰イオン交換、ゲル浸透及び逆相クロマトグラフィーを含む、クロマトグラフィーの様々な形態を含む、多くの段階が含まれる。通常、これらの技術のいくつかがプラスミドDNAの純度を継続的に上昇させる一連の段階で用いられる。
本発明で言及した全ての公表物は、本発明に関連して使用され得る方法及び材料を説明し開示する目的のために、参照により組み込まれる。本発明は、このような開示によって発明が先行されたとして,先行する権利を与えられないと、何も解釈されてはならない。
添付の図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態を説明してきたが、本発明がまさにその実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、様々な変更及び改変が当業者によりなされ得ることを理解されたい。
次の実施例は、本発明を説明するために、しかしそれと同じものに限定することなく、提供される。
E.コリDH5の2種類の異なる表現型の同定及び評価
化学物質−全ての化学物質は試薬グレードであり、Sigma Chemical Co.(St.Louis,MO)又はFisher Scientific Products(Springfield,NJ)のいずれかから購入する。API20E検査紙はbioMerieux(Canada)から購入した。
培地−DME−P5の既知組成培地は以下の成分を含む。すなわち、7.0g/LKHPO、7.0g/LKHPO、6.0g/L(NHSO、5.0g/LL−グルタミン酸、10g/Lグリセロール、0.5g/LNaCl及びpHを7.2にするための水酸化ナトリウムである。前記培地を液体循環式オートクレーブで30分間滅菌した。冷却し、10%HClに溶解し、濾過滅菌した以下の微量要素からなる微量要素混合物の1:1000の希釈液を添加する。すなわち、27g/L塩化鉄(FeCl・6HO)、2.0g/L塩化亜鉛(ZnCl・4HO)、2.0g/L塩化コバルト(CoCl・6HO)、2.0g/Lモリブデンナトリウム(NaMoO・2HO)、1.0g/L塩化カルシウム(CaCl・2HO)、1.27g/L塩化銅(CuCl・2HO)及び0.5g/Lホウ酸(HBO)である。このDME−P5/微量要素混合物を4℃に保存する。前記培地を使用する際、以下のTh/Mg/Neo溶液の1:120の希釈液を添加する。すなわち、24g/L塩酸チアミン、240g/LMgSO・7HO及び9.6g/L硫酸ネオマイシンである。15g/LのDifco Bacto Agarを上述の培地へ添加して寒天プレートを調製した。Columbia5%ヒツジ血液寒天(SBA)プレート、トリプチカーゼ大豆寒天プレート(TSA)及びLevine EMB及びLES Endo寒天プレートをFisher Scientificから購入した。
培養純度アッセイ−発酵槽ブロス試料をTSA及び血液寒天プレートにストリークし、25℃及び35℃でインキュベートした。培養純度について48時間後及び7日後にプレートを検査した。
結果−E.コリDH5細胞の2種類の異なる表現型の最初の観察は、2つの有力なインフルエンザDNAワクチンであるインフルエンザNP及びM1についての安全性評価研究を促進するための臨床材料の生産の間に行った。GMP発酵のための最終発酵槽ブロス試料は、通常どおりの培養純度について検査した際、血液寒天において2種類の異なるコロニー形態を呈した。優勢な表現型は、灰色で不規則な形状の扁平かつ半透明のコロニーとして現れた。少数の表現型は白色で、滑らかで隆起しかつ円形のコロニーとして現れた。少数の白色コロニーは、最初に使用されるE.コリDH5クローニング宿主株と形態学上同一であった。2つの細胞の表現型は、発酵のために使用されるプレマスター、マスター及び作業用細胞バンク中に存在することが後で分かった(表1)。
Figure 0004972412
既知組成の寒天(DME−P5)で37℃で48時間インキュベートした際、両タイプのコロニーが同一であるように見えるため、両表現型の存在は、培養物を維持するのに使用される上記既知組成の寒天上で検出されなかった。それゆえ、各表現型について単離されたコロニーは、血液寒天プレート及びDME−P5寒天プレートへと二重にストリークすることによって得た。純粋な灰色コロニーは、対応する血液寒天プレートが灰色のコロニーの均一な集団を含む場合に、既知組成の寒天(DME−P5)プレートから単離した。
灰色及び白色のクローン分離株をさらに検討するため、単離されたコロニーを、ネオマイシンを含有するDME−P5寒天プレート(これらの培養物中のプラスミドベクターはネオマオイシン耐性マーカーを含有する。)、ネオマイシンを欠失するDME−P5寒天プレート及びE.コリ識別寒天(LES Endo寒天及びLevibe EMB寒天)にストリークした。前記プラスミドを含む細胞は、ネオマイシンあり又はなしのDME−P5プレートのどちらでも増殖できる。LES Endo寒天及びLevine EMB寒天は、グラム陰性のエンテロバクテリアセア(Enterobacteriaceae)及びE.コリを区別及び同定するのに使用される選択的寒天である。前記GMP発酵物及び作業用細胞バンクから単離された約50コロニーを上述の寒天上で評価した。クローン分離株は全て、ネオマイシンを補充したDME−P5プレート上で増殖し、それらがプラスミドにより付与される耐性を含んでいることが示唆された。両表現型におけるプラスミドの存在は、インフルエンザNP及びM1構築物についてのアガロースゲル電気泳動により確認した。様々な寒天プレート上でのこれらのクローン分離株の増殖は、E.コリにとって典型的であった。API20E分析によりE.コリ特性とよく適合することから、灰色及び白色クローンが実際にE.コリであることがさらに確認された。前記2つのタイプのコロニーの関連性を決定するために代表的なコロニーに関して行われるFAME(脂肪酸メチルエステル)分析により、血液寒天上でのクローン分離株の表現型にもかかわらず、そのクローン分離株が互いに、及びDH5クローニング宿主株と同一であることが示された。上述の結果は、灰色及び白色コロニーが異なる生命体ではなくE.コリDH5の表現型の変異体であるという強力な証拠であった。
視覚的な検査を使用して2つのコロニー形態を識別するためにスクリーニングアッセイを開発した。インフルエンザM1白色及び灰色クローン分離株の混合物を連続希釈し、5% Columbiaヒツジ血液寒天プレートへ播種し、30℃、37℃又は42℃で指定された時間、インキュベーションした。表現型識別のための最適条件は、30℃で48時間のインキュベーション時間であった。この血液寒天表現型スクリーニングアッセイは、全ての今後の播種実験に使用し、開発下での後の構築物のための高生産体のスクリーニングのための重要なツールとしても役立った。
E.コリDH5灰色表現型濃縮実験
インフルエンザM1灰色表現型濃縮実験−インフルエンザM1DNAプラスミドベクターを含有する白色及び灰色表現型コロニーの個別の培養物をDME−P5の既知組成の培地中で指数関数増殖相へと増殖させた。次に、前記培養物を等しい割合で混合し、DME−P5培地の新鮮フラスコを接種するのに使用した。各富化フラスコに対する開始OD600は0.001であった。この混合培養物を17世代にわたり増殖させ、次に第二富化フラスコへと接種した。このことにより、細胞が各転移段階で指数関数増殖段階にあることが確認された。このプロセスは、総計4回の富化に対して繰り返した。各富化段階由来の細胞の一定量を40%(v/v)グリセロール中で凍結し、実施例1において記載される血液寒天表現型スクリーニングアッセイにより分析し、富化後の灰色表現型コロニーの割合を決定した。
HIV−Gag灰色表現型富化実験−HIV−Gag遺伝子を含む構築物を使用して速度論的富化実験を設定した。HIV−Gag白色コロニー及びHIV−Gag灰色コロニーの純粋な培養物を以下の割合、すなわち、100%灰色、5%灰色、20%灰色、50%灰色、70%灰色及び0%灰色で混合した。各フラスコをDME−P5の既知組成の培地中で17世代にわたり増殖させ、同様に、インフルエンザM1灰色表現型富化実験で記載されるようにして5回移した。各濃縮後、一定分量の細胞を採取し、40%(v/v)グリセロール中で凍結させた。本実験の終了時に、これらの試料を連続希釈し、実施例1において記載される血液寒天表現型スクリーニングアッセイにより分析し、富化後の灰色表現型コロニーの集団を計数した。
結果−2つの別個の実験を行い、灰色表現型のE.コリDH5コロニーが、DME−P5の既知組成の培地中での増殖中に富化されるという所見を調べた。インフルエンザM1及びHIV−Gagの両構築物を使用して、富化現象が構築物特異的であるか否かを調べた。
インフルエンザM1灰色表現型富化実験から、この試験の増殖条件下で、灰色表現型コロニーが、白色コロニーを上回る選択的な増殖に関する優位性を有することが示された。インフルエンザM1灰色コロニーの割合は、DME−P5培地における4回の富化の経過を介して、44%から89%へと上昇した(図1)。
この観察をさらに検討するため、HIV−Gag構築物を使用して、速度論的富化実験を行った。白色:灰色のHIV−Gag表現型コロニーの様々な比を使用してDME−P5培地に接種した。各試験フラスコに総計5回の富化を行った。第三回目の富化(51世代)の後、全試験フラスコにおいて、得られた細胞集団は、95%を超える灰色表現型コロニーから構成されていた(図2)。さらに、最初に灰色コロニーが100%であるフラスコは、白色表現型への逆転を全く示さなかった一方、白色コロニー 100%で開始したフラスコは5回目の富化により、2%から10%の灰色表現型コロニーの増加を示した。
これらの知見に基づいて、4つの個別のE.コリ構築物(インフルエンザM1及びNP、単純ヘルペスウイルスgD及びHIV−Gag)から得られる白色及び灰色の単離培養物において、速度論的富化実験を行った。各構築物に対する灰色及び白色表現型コロニーの純粋な培養物をDME−P5培地において個別に増殖させ、各培養物に対する増殖曲線を指数関数的増殖の間に得て、これらの比増殖速度を決定した(表2)。全ての場合において、灰色表現型は、増殖速度が白色表現型をわずかに上回り(Δμ=0.01から0.06)、このことから、不均一な灰色/白色集団における灰色表現型コロニーの富化に関する初めの知見が支持される。
Figure 0004972412
E.コリDH5の灰色表現型コロニーに対するプラスミドDNA濃度の相関
形質転換−2つの方法を使用してE.コリDH5細胞を形質転換し、プラスミド生産性についてスクリーニングを行うクローン分離株を得た。第一の方法の場合、プラスミドDNA100ng(2μl)を100μLのE.コリDH5コンピテント細胞へ添加した。標準的な分子生物学的手段を使用してコンピテント細胞を調製した。この混合物を氷中で30分間保存し、次に42℃で90秒間の熱処理に供した。これらの試験管を氷で冷却し、次にDME−P5培地800μlを各試験管へ添加した。次に、これらの試験管を37℃で90分間インキュベーションし、抗生物質耐性を回復させた。次に、この回復培養物をDME−P5寒天プレートへと広げて播種し、36時間インキュベーションして形質転換体を得た。形質転換の第二方法では、電気形質転換及びBio−Rad Pulser(Hercules,CA)システムを使用した。この手法の場合、コンピテント細胞80μlをプラスミドDNA0.5から4.0μgと混合した。この混合物を、冷却したエレクトロポレーション用キュベットに移し、1.8kVの設定で1回パルスを与えた。このキュベットに、DME−P5培地1.0mlを添加した。この懸濁液を滅菌済みの15mL遠心管へと移し、37℃で3時間インキュベーションして抗生物質耐性を回復させた。回復時間後、前記懸濁液をDME−P5培地へと播種するか又はこれに希釈し、37℃でインキュベーションを行い形質転換体を得た。
23L発酵−DME−P5既知組成培地15Lを含有する23Lのバイオリアクターに、0.1%(v/v)の解凍した種懸濁液を接種した。このバイオリアクターを150rpmの撹拌速度(最小設定点)及び0.3barの背圧で操作し、7.5L/mの速度で空気を噴霧した。撹拌速度をコンピュータ制御により徐々に変化させて、溶解酸素圧を30%に維持した。前記pHを7.2に調整した。前記OD600が8から10の際に、気流及び背圧を12L/m及び1barまでそれぞれ上げ、50%(v/v)グリセロール:25%(w/v)L−グルタミン酸からなる溶液を3.2ml/L/分の速度で補給を行った。発酵は50時間行った。細胞溶解及びHPLC陰イオン交換法を使用して特異的生産性を調べた。
DME−B12培地−DME−B12培地は、DME−P5培地に基づく。DME−B12培地は以下の成分、すなわち7.0g/LKHPO、14.0g/LKHPO、3.0g/L(NHSO、0.5g/LNaCl及び2ml/Lグリセロールからなる。50%NaOHを使用して、pHを7.2に調整し、次に、液体サイクルのオートクレーブの中で30分間滅菌した。冷却後、10%HClに溶解し、濾過滅菌した以下の微量要素、すなわち27g/L塩化鉄(FeCl・6HO)、2.0g/L塩化亜鉛(ZnCl・4HO)、2.0g/L塩化コバルト(CoCl・6HO)、2.0g/Lモリブデン酸ナトリウム(NaMoO・2HO)、1.0g/L塩化カルシウム(CaCl・2HO)、1.27g/L塩化銅(CuCl・2HO)及び0.5g/Lホウ酸(HBO)からなる1:1000の希釈の微量要素混合物を添加した。このDME−B12/微量要素混合物を4℃に保存する。前記培地を使用する際に、以下のTh/Mg/Neo溶液、すなわち24g/L塩酸チアミン、240g/LMgSO・7HO及び9.6g/L硫酸ネオマイシンの1:120希釈液を添加する。
振盪フラスコ発酵(SFF)−この方法は、上述の23L発酵処理の規模縮小バージョンであり、250mlの試験フラスコ設定を使用する。このフラスコは、キャップに供給送達用の孔を有するよう設計された。DME−B12培地中で指数関数相(OD600=1.5から2.5)まで試験培養物を増殖させた。培養物がこの相に到達したら、4.6%グリセロール(v/v)及び2.9%(w/v)L−グルタミン酸からなる溶液を、6.4μL/時間/mLブロスの速度で供給した。Watson Marlow 205Uポンプ(Wilmington,MA)を使用して、補給溶液をフィードした。このフラスコを220rpmの一定速度で撹拌しながら37℃で40時間インキュベーションした。細胞溶解及びHPLC陰イオン交換法を使用して特異的生産性を決定した。
細胞溶解手段−23L発酵試料又はSFFOD600試料を測定し、OD10ペレットを調製した(培養物の10/OD=14000rpmで5分間遠心分離した試料のμl)。上清を除去し、ペレットを標準的な分子生物学試薬を使用して次のように溶解した。最初に、このペレットをSTET緩衝液(8%スクロース、5%TritonX−100、50mMEDTA、50mMTrizma base)0.5ml中で再懸濁し、次に、リゾチーム溶液(4mg/ml)0.5mlを添加した。この試験管を過巻撹拌して、細胞を再懸濁した。次に、この試験管を37℃で45分間インキュベーションし、沸騰水槽中に1分間置いた。煮沸後、この試験管を、14000rpmで15分間遠心分離した。次に、標識HPLCバイアルへとその上清を注ぎ、そこに、RNASE10μLを添加した。次に、この上清を陰イオン交換クロマトグラフィーにより分析し、高次コイルのプラスミドDNAの量を定量した。
陰イオン交換HPLC−3つのポンプ、UV検出器、自動インジェクタ及びPCコンピュータシステムを含むWaters HPLCシステム(Milford,MA)を用いて、溶解した発酵試料由来の高次コイルプラスミドDNA及び弛緩プラスミドDNAの分離を遂行した。GEN−PAK FAX陰イオン交換カラム(4.6x100mm)(Waters Corporation)を使用した。25mMTris−HCl、1mMEDTA、pH8(緩衝液B)中の1MNaClの勾配を使用することによって分離を行った。緩衝液Aは、緩衝液BからNaClを差し引いたものと同一であった。0.04Mリン酸溶液(緩衝液C)を使用して注入と注入との間にカラムを洗浄した。0.75mL/分の一定流速を使用した。最初の3分間の勾配は、35/65(v/v)A:Bであり、30分間にわたり25/75(v/v)A:Bへ上昇させた。次に、このカラムを緩衝液Cで6分間洗浄した後、緩衝液Bで10分間洗浄した。このシステムを、13分間にわたり70/30(v/v)A:Bへ戻して再平衡した後、次の注入を実行した。260nmでの検出から、高次コイルプラスミドDNAが10分後に溶出し、弛緩した開環状プラスミドDNAが9.5分後に溶出することが示された。高次コイルプラスミドDNAの特異的生産性は、μgプラスミドDNA/mLOD2ペレット又はμgプラスミドDNA/mgDCW(乾燥細胞重量)として報告した。
結果−表1及び図1に要約されている、インフルエンザNP及びM1細胞バンク培養物及びGMP発酵試料に対する播種実験から得られたデータにより、本明細書中で同定されたプラスミド高生産性と灰色表現型コロニーとの間の相関関係が示唆された。インフルエンザM1及びNPのGMP発酵はそれぞれ、36μg/mgDCW及び31μg/mgDCWの高次コイルプラスミドDNAタイターを生じた。全ての場合において、ブロスは、99%灰色表現型コロニーから構成されていた。プラスミドコピー数は、インフルエンザM1及びNP白色及び灰色分離株に対する細胞溶解液から決定し、これにより、灰色表現型コロニーから単離された微生物細胞が、白色表現型コロニーから単離された細胞よりも高いプラスミドコピー数を含むことが確認された。
インフルエンザ構築物を使用してなされた仕事から、形質転換後の灰色表現型コロニーについて選別する際、高レベルのプラスミドDNAを生じ得ることは明らかであった。いくつかの他の構築物において、灰色表現型コロニーと高プラスミド生産との間に同様の相関が示された(表3)。1つの構築物、特にHSV−gDについて、生産性は、高次コイルプラスミドDNAに関して、<1μg/mlOD2ペレットから20μg/mlOD2ペレットまで上昇した。これは、わずか14%の灰色表現型からなる混合培養物から灰色表現型コロニーを単離することにより達成された。この混合物から、振盪フラスコ発酵システム又は23Lバイオリアクターにおいて、3個の個別の灰色クローン分離株を試験した。各々は、高次コイルのDNAを、≧15μg/mlOD2ペレットを生産した。
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E.コリDH5の灰色表現型コロニーを濃縮する選択的方法。
形質転換後のE.コリDH5の灰色表現型コロニーを選別及び濃縮するために2つの方法を開発した。これらの方法のうち第一は、灰色表現型コロニーが白色表現型コロニーよりも高い比増殖速度を示すという事実による。したがって、灰色コロニーは、連続的富化にわたり、白色表現型を駆逐するであろう。このプロトコールの場合、形質転換され、回収された細胞は、DME−P5の既知組成の培地で富化され、その後、血液寒天プレート及びDME−P5寒天プレートに播種した。個々のコロニーを、DME−P5プレートの対応する血液寒天プレートにおいて検出される灰色表現型コロニーの割合に基づいてDME−P5プレートから拾った。この方法を使用して、ウイルスタンパク質をコードする3つのプラスミドHSV−gB、HIV−Gag及びHIV−envについての高いプラスミドDNAクローン分離株を同定した。これらの富化の間、灰色表現型細胞の割合は、富化フラスコにおける総細胞集団の5から15%の間で常に横ばいであった。
高生産性の灰色クローン分離株を単離するための第二の方法を開発する一方で、DME−P5の既知組成寒天プレート上へ播種し、37℃で5日間インキュベーションした場合、初期の形質転換され回収された細胞集団は、2種類の異なる表現型を示すことが観察された。クリーム色のコロニー及び中心に丸い褐色部分があるクリーム色のコロニーの両者が検出された。クリーム色のコロニーは、望ましい高生産性の灰色表現型コロニーを生じたのに対し、中心に褐色部分があるクリーム色のコロニーはそれを生じなかった。これは、HSV−gDで示された。HSV−gD、N−11A、N−19A及びN5−1Aの灰色クローン分離株(表3)は全て、DME−P5の既知組成の寒天上にクリーム色のコロニーを生じ、血液寒天上で灰色コロニーを生じた。これらのクローン分離株はまた、高次コイルプラスミドDNAの高いタイターも示した。DME−P5の既知組成寒天上にある中心に丸い褐色部分があるクリーム色のコロニーを形成する分離株は、高いプラスミドDNAタイターを生じることができず、また灰色表現型を生じることもできなかった。しかしながら、拾い上げられ、液体DME−P5培地中で増殖させた、DME−P5上でクリーム色の形態学的特徴を呈する単一コロニーは、白色表現型及び灰色表現型の両者からなる混合した集団を生じることができる。それゆえ、形質転換後にDME−P5の既知組成寒天プレート上で得られるクリーム色のコロニーは、灰色表現型を生じる傾向がある。このことから、灰色表現型が、形質転換後の選択的濃縮期の間に1個のコロニーから発生することが示される。クリーム色の分離株が全て灰色表現型を生じるわけではないが、これらは灰色表現型が発達した唯一のコロニータイプである。それゆえ、高い生産性のクローン分離株を確実に選別するために、血液寒天プレート及びDME−P5の既知組成寒天プレート上で二重に播種することにより灰色表現型コロニーについて選別することが、重要である。
マスター細胞バンク生産のための改善プロトコール。
上述の選別及び濃縮の改善技術を使用して、高生産性の分離株を得て、3種類のDNAワクチン構築物であるHSV−ΔgB、HSV−gD及びHIV−Gagについてのプレマスター培養物、マスター培養物及び作業用種ストック培養物を得るための種培養物として使用した。これらの構築物について生じたプレマスター培養物、マスター培養物及び作業用細胞バンク培養物について、血液寒天播種結果を、インフルエンザM1及びNP構築物について得られた初期の結果(表1)と比較すると、マスター細胞バンク培養物中に本来存在する表現型の多様性が排除され、プラスミド高生産系が得られていた(表4)。これは、不均一なE.コリ集団が、本発酵プロセスの一貫性及び収率に対する影響を有し得るため、これらの構築物から生じる臨床材料に極めて重要であった。HIV−Gag構築物に対する作業用細胞バンク培養物は、後にGMP発酵に使用され、臨床研究のための細胞ペーストを生じた。培養の不均一性はこの発酵処理において検出されなかった。灰色表現型はまた、富化実験中に白色表現型への逆転を示さず(図2)、このことから、この表現型の安定性が示された。
Figure 0004972412
E.コリDH5の培養によるプラスミドDNAの生産のための種ストックの調製。
上述のプロセスにより選択され、V1Jns HIV Flgagプラスミドを含有する、ソースバイアルに含有されるプラスミド高生産株のE.コリDH5の一定分量の凍結細胞を使用して、培地A200ml(表5)を含有する3個の2Lバッフル付き振盪フラスコに接種した(各フラスコに200μl入れる)。前記フラスコを37±0.5℃で振盪しながらインキュベーションした(50mm振盪直径の軌道振盪器で180rpmにて振盪)。前記フラスコのうちの2つを観察目的に使用し、凍結細胞懸濁液を調製するために第三のフラスコを使用した。観察用フラスコの培養物の光学密度(OD600)が5から9の範囲の値に達したら、次に、ソースフラスコの光学密度も同様の値に達したことを確認するためにチェックした。次に、このソースフラスコを水と混ぜた氷の上で冷却した。冷却40%(v/v)グリセロール水溶液の等量を前記フラスコの内容物へ添加した。混合した懸濁液を凍結バイアルに分注し(〜1mL)、ドライアイス上ですぐに急速凍結し、−65℃で保存した。この第一種ストックを「プレマスター」とした。プレマスターバイアルからの凍結懸濁液を解凍し、上述のプロトコールにしたがってマスター種ストックを調製するのに使用した。マスターバイアルからの凍結懸濁液を解凍し、同じプロトコールにしたがって作業用種ストックを調製するのに使用した。
Figure 0004972412
E.コリDH5の培養によるプラスミドDNAの生産のための大規模種ストックの調製。
培地A30ml(表5)を2個の250mLのバッフル付きエルレンマイヤーフラスコに満たすことにより、本明細書に記載されたプロセスにより選択された、V1Jns HIV Flgagプラスミド接種材料を含む、E.コリDH5のプラスミド高生産株の凍結細胞の実験室用供給物を準備した。4mLバイアルから各フラスコへ、解凍したGMP HIV−FL−gagマスター種30μLをピペッティングすることによって接種した。このフラスコを37±0.5℃で、50mmの振盪直径の軌道振盪器(Adolf Kuhner Ag;Birsfelden,Switzerland)で220rpmにて振盪しながらインキュベーションした。1個のフラスコは観察のために利用し、一方、第二のフラスコは、バイオリアクターのための接種材料源として使用した。観察しているフラスコ中の培養物の600nmでの光学密度(OD600)が5から9の範囲の値に達したら(接種から約26時間後)、同様の値に達していることを確認するために、ソースフラスコのOD600を測定した。
Gas Worksソフトウェア(Thermo ONIX Corp.)を利用するSCADA調節システムとインターフェイスに接続された、培地B15L(表6)を含有する30Lのバイオリアクター(B.Braun Biotech、Inc.;Allentown,PA)を、インシトゥで滅菌した。18ゲージの針のついた20mLシリンジを使用してバイオリアクターポートにある滅菌された中隔を通じて接種菌液を注入することによって、上述のように調製された新鮮な振盪フラスコ培養物15ml(0.1%(v/v))を、調製したバイオリアクターに接種した。培養条件は、温度37℃、背圧4.5PSI、気流7.5slpmであった。溶解酸素レベル(DO)、炭素発生速度(CER)、酸素摂取速度(OUR)(Prima V Mass Spectrometer Model 600、Thermo ONIX Corp.,Houston,TX)、細胞密度(ODプローブ、Monitek、Bedford、MA)及びpHを同時に測定し、オンラインで記録した。DOは、撹拌速度(250から750rpm)の自動フィードバックカスケード調節によって設定点(空気飽和の30%以上)に維持した。培養物pHは、滅菌済み30%NaOH溶液の自動添加により、7.1±0.1に維持した。35mmol/L/hrに等しいCERのオンライン測定によって示されるように、対数増殖中期に達したら、50%グリセロール溶液5Lを含有する滅菌済み10Lプラスチックカーボイに、前記培養物5Lを無菌的に移した。前記カーボイを生物製剤安全キャビネットにある磁気撹拌プレート上に置き、充填手段を用いて、細胞が均質に懸濁されるように、前記含有物を継続的に混合した。ぺリスタポンプ及び滅菌シリコンチューブを介して、500mLボトル(Nalgene)に作業用種300mlを満たした。最初に、充填したこの瓶をドライアイスで覆って冷却し、次に、保存するために−65℃の冷凍庫へ移した。
Figure 0004972412
プラスミド定量のための分析手法。
細胞溶解−1mLの最終体積において、OD10を得るのに必要と思われる培養物の体積を計算することにより、各試料からの細胞を細胞溶解のために調製し、その後、14000rpmで5分間、Eppendorf Centrifuge 5415C(Westbury,NY)において培養物を遠心分離した。上清を捨て、ペレットを−70℃の冷凍庫に細胞溶解時まで保存した。解凍に際し、STET緩衝液(1Lの蒸留水につき)500μLで各ペレットを再懸濁した。STET緩衝液の組成は、Tris−EDTA緩衝液(Sigma)50ml;0.5MEDTApH8(Sigma)190ml;スクロース80g;Triton X−100(Sigma)20gであり、次いでリゾチーム溶液500μL(1LのSTET緩衝液につき:リゾチーム(Sigma) 0.4g)であった。この試験管を、500rpmで継続的に振盪するEppendorf Thermomixer R(Westbury,NY)において、37℃で45分間インキュベーションした。インキュベーション後、前記試験管を浮遊ラックに挿入し、沸騰水中に1分間セットした。この細胞の破片をEppendorf Centrifuge 5415Cで、14000rpmにて15分間遠心分離することによって分離した。各試験管の上清を1.8mlのHPLCバイアルへと、RNAce−It!Ribonuclease Cocktail(Stratagene,La Jolla,CA) 10μlとともに移した。前記バイアルをそれぞれキャップし、穏やかに振盪して前記内容物を混合した。
HPLCアッセイ−Waters Gen−Pak FAXカラム(4.6x100mm)(Milford,MA)を装備したHPLCシステム(Gilson,Middleton、WI)を使用して、HPLCアッセイ−プラスミドDNAを定量した。高次コイルプラスミドDNAの分離は、0.75ml/分の速度で送達される、緩衝液A及び緩衝液Bからなる移動相の勾配溶出により行った。緩衝液A(973mlのHPLCグレードHOあたり:1MTris−HCl(pH8.0)25ml;0.5MEDTA(pH8.0)2ml)の濃度は、このアッセイの最初の2分間で70%から35%まで低下させ、一方、緩衝液B(773mlのHPLCグレードHOあたり:1MTris−HCl(pH8.0)25ml;0.5MEDTA(pH8.0)2ml;5MNaCl200ml)の濃度は、30%から65%まで上昇させた。この時点で、試料を注入し、移動相は、35%の緩衝液A及び65%の緩衝液Bで7分間続行し、その間に試料成分が溶出した。洗浄のために、100%緩衝液C(1LのHPLCグレードHOあたり:85%HPO、HPLC級4.61ml)へと移動相を12分間切り替え、この時点で、移動相は、70%緩衝液A及び30%緩衝液Bへと戻した。検出は、25℃で、260nmにおいて実行した。これらの条件下で、高次コイルDNAは約5分後に溶出した。高次コイルプラスミドDNA濃度を、純粋なプラスミドDNAを使用して生じる標準曲線に対して算出した。特異的及び容積測定のプラスミド収率を高次コイルDNAピークの自動積分により算出し、この測定には、OD10ペレットを調製するのに必要な細胞培養物の体積及び乾燥細胞重量測定結果(DCW)が含まれる。
プラスミド生産方法
プラスミド生産方法1−滅菌した既知組成培地C(表7)約12.7kgを含むように、20Lの種発酵槽を準備した。実施例6において記載されるように調製された、V1Jns HIV Flgagプラスミドを含む、E.コリDH5系の2つの凍結作業用種バイアルを周囲温度で解凍し、細胞懸濁液6mlを塩類リン酸緩衝液(1Lの水に対して;NaCl:7.0g、KHPO:0.2g、KPO:0.674g)200mlに添加した。全体積を20L種発酵槽へと入れた。初期発酵条件は以下のとおりであった。すなわち、温度37℃、気流2L/分、撹拌100rpm及び圧力0.5barであった。pHの初期値は、7.0から7.1の範囲にあった。pHの調節は、接種材料生産の間は行わなかった。初期の溶解酸素レベルが接種約8時間から12時間後に、100%から50%まで低下したとき、気流設定点を手動で6L/分まで上昇させた。需要が増えた際、溶解酸素レベルは、100から800rpmの範囲内で撹拌速度を自動変更することにより、発酵周期の残りの過程をとおして、30%以上の設定点で維持した。発酵ブロスの溶解酸素レベル、CER、酸素摂取量(OUR)、pH及び細胞密度は全て、オンラインで測定した(Monitek ODプローブ及びトランスミッターを使用する)。接種後約17時間から20時間で、前記細胞は、約35から50mmol/L/hr及び0.80から1.0吸収単位(600nmでの8から10のオフラインのODと等価)にそれぞれ達するCER及び細胞密度の両者のオンライン測定によって示されるような、対数増殖中期に到達した。この時点で、トランスファーボトルを使用して、種培養物600mlを種発酵槽から1000Lの生産発酵槽へと無菌的に移した。
図3から5は、V1Jns gagプラスミドを含有する細胞を生産するのに使用された典型的な種発酵槽について収集された重要なデータを要約する。図3のパネルA及びBは明らかに、気流及び撹拌速度の両者を調節した結果として、30%の飽和を超える溶解酸素値により示されるように、好気的培養が全ての時点で維持されたことを示す。代謝活性測定結果、CER及びOUR(図4、パネルA)及びオンライン光学密度観察(図4パネルB)のキネティックスから、前記細胞が生産発酵槽へ移された際に、制限なく活発に増殖していたことが明らかに示される。最終的に、図5で示されるデータは、pH値が、活発な増殖中に、約6.70から6.65の最終値に達するよう低下したことを示す。
1000Lの生産発酵槽が、滅菌した既知組成の培地D(表8)約600Lでバッチ処理された。初期発酵条件は以下のとおりであった。すなわち、温度37℃、気流200L/分、撹拌速度100rpm及び圧力7.5PSIであった。溶解酸素レベルは30%以上の空気飽和大気圧の設定点に維持した。培養物のpHは、発酵サイクルを通じて25%(v/v)リン酸又は30%(v/v)水酸化ナトリウムの自動添加によって、7.0から7.2の範囲内に維持した。発酵ブロスの溶解酸素レベル、CER、OUR、細胞密度(オンラインMonitekプローブを使用。)及びpHは全て、オンラインで測定した。接種から約15時間後、CERに対するオンライン測定読み取りが、約35から40mmol/l/hrとなり、細胞密度のオンライン測定読み取りが約0.70から0.80吸収単位(600nmでの8から10のオフラインのODと等価の)となった際に、50%グリセロール及び25%グルタミン酸一ナトリウムを含有する溶液の補給を開始した。高い酸素溶解需要に適応し、DO>30%となるように維持するために、容器圧力及び気流の両者を、それぞれ(供給開始時に)15PSI及び600L/分へと手動で上昇させ、一方、撹拌は、コンピュータフィードバックループを介して自動的に変動させた。補給溶液総量約75Lを35時間にポンプ送りした(速度は約2.66から3.66g/L/時で変動する。)。低い設定点でこの補給を開始し、呼吸活性(CERにより測定される。)がピークに達したら、その高い値まで2時間にわたり手動で上昇させた。
図6から9は、これらの発酵について収集された主要なデータを要約する。補給プロセスの間、細胞は、35から60mM/L/hr及び40から60mM/L/hrの間の値でCER及びOURがそれぞれほぼ一定のままである、直線的な速度で、増殖していた(図8、パネルA及びB)。培養約50時間後、最終培養密度は約1.5吸収オンライン単位であり、これは約65単位のオフライン密度(600nmでのOD)に対応する。図6(パネルA及びB)は、背圧、撹拌速度(rpm)及び気流の上昇が組み合わさることにより、溶解酸素(%)が30%以上の設定点にとどまっていたことを示す。ピーク需要の間(このプロセスの約20時間後)、酸素需要は約80mM/l/hrでピークに達した。細胞の増殖及び代謝は、オンライン光学密度及び質量分析の読み取りを通じて定常的に観察した。図8(パネルA)は、指数関数的な増殖相が接種約20時間後までに生じ(ピークOUR及びCER(パネルB)に対応する)、その後、このプロセスの補給相の間に増殖がより大きく低下したことを示し、呼吸活性及び成長速度の両方が栄養補給の速度に直接依存していた。最終的な特異的及び容積測定のプラスミドDNA生産性はそれぞれ、24.45μgプラスミド/mg乾燥細胞重量及び0.538g/Lであった。
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プラスミド生産方法2−30L種発酵槽を培地E(表9)15Lでバッチ処理した。実施例7において記載されるように調製されたV1Jns HIV Flgagプラスミドを含有するE.コリDH5株の凍結接種材料300mlを種反応器に接種した。解凍は、冷凍庫から凍結Nalgeneボトルを取り出し、これを37℃の静止水槽の中に置き、定期的に激しく手で振って行った。完全に解凍するのに約20分を要した。その後、このボトルを水槽から取り出し、解凍した接種材料を接種アセンブリーへと無菌的に移した。操作条件は以下のとおりであった。すなわち、温度37℃、気流7.5L/分、撹拌250rpm及び圧力4.5PSIであった。pHの初期値は7.0から7.1の範囲にあった。接種材料生産の間、pHの調節は行わなかった。需要が増した際、250から750rpmの範囲内での撹拌速度の自動変動により発酵周期の残りを通じて30%以上の設定点に溶解酸素レベルを維持した。
細胞は、約7時間で35mM/L/hrの炭素発生量(CER)に達した。この時点で、接種発酵槽の75mL量を、培地F(表10)15Lを含む30Lの生産発酵槽へと移した。操作条件は以下のとおりであった。すなわち、温度37℃、気流7.5L/分、撹拌250rpm及び圧力4.5PSIであった。溶解酸素レベルは、250から700rpmの撹拌速度の自動カスケード調節によって、気流及び背圧設定点をそれぞれ7.5L/分から12L/分及び4.5PSIから15PSIへと上昇させることにより、大気圧での30%以上の空気飽和の設定点に維持した。MSG−グリセロール供給時にこれらを上昇させた。培養のpHは、7.0から7.2の範囲内で、前記発酵周期を通した15%(v/v)リン酸又は30%(v/v)水酸化ナトリウムの自動添加により維持した。発酵ブロスの溶解酸素レベル、CER、OUR及びpHは全てオンラインで測定した。
接種約9.8時間後、CERについてのオンライン測定読み取りが約35mmol/l/hrとなった際、50%グリセロール及び25%グルタミン酸一ナトリウムを含有する溶液の供給を、3.2g/L/hrの定常速度で自動的に開始した。細胞濃度がより高くなることに付随する、溶解酸素需要の高まりに適応するため、及びDO>30%で維持するため、容器圧力及び気流を両者ともそれぞれ、(補給開始時に)15PSI及び12L/分に自動的に上昇させた。30%を超えるDOのさらなる調節は、撹拌器(250から750rpm)に対するコンピュータ調節ループを用いて行った。フィード溶液総量約2.1Lが45時間にわたりポンプ送りした。
乾燥細胞重量19.9g/Lの最大バイオマスを達成し、特異的及び容積測定のプラスミドDNA生産性はそれぞれ、29.6μgプラスミド/mg乾燥細胞重量及び0.588g/Lであった。図10(パネルA及びB)は、CER、増殖(OD600)及びプラスミド生産特性を示す。
Figure 0004972412
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プラスミド生産方法3−V1Jns HIV Flgagプラスミドを含有するE.コリDH5株を、培地G(表11)15Lを含有する30Lの発酵槽において培養した。実施例7において記載されるように調製した凍結培養物300ml量を各生産発酵槽(30L)に接種し、この実施例の方法2において記載されるように解凍した。発酵槽の操作条件はこの実施例の方法2において記載されるものと同様であるが、異なる点は、最大撹拌設定点が800rpmにまで上昇することであった。半回分方法は、炭素発生量(CER)が35mmol/L/hrに達した際に、定常供給速度での60%グリセロール補給溶液のフィードを開始した。プラスミド生産を観察するために、補給溶液の開始後の様々な時点で試料を回収した。このプロセスは、接種48時間後に終結した。
2.0から12g/L/hrの範囲の補給速度で、総計18個の生産バッチの特徴を調べた。プラスミド生産に及ぼす各補給速度の影響を、2つの独立したバッチの最小のプロフィルを調べることにより測定した。発酵を通じて試料を回収し、結果の標準偏差を調べるために、プラスミド収率について各々を2回アッセイした。オンライン分析には各バッチについてのOUR/CER観察及びオンラインODプロファイリングが含まれた。図11(パネルA)は、8.0g/L/hrの補給速度で培養されるあるバッチについて得られた結果を示す。代謝分析から、チアミン濃度が時間とともに低下するものの、これは発酵の終了までに完全には枯渇しないことが明らかとなった(図11、パネルB)。グリセロールはこのプロセスの補給期の間、検出できないレベルに維持され、制限的な栄養(limiting nutrition)であると思われた。アンモニウム濃度は前記培養を通じて2.5から1.5g/Lのままであった(図11、パネルB)。プラスミド含有量の分析から、8.0g/L/hrを超える定常供給速度で特異的プラスミド生産が実質的に増加しないことが示される(図12、パネルA及びB)。約30から32μg/mgDCW特異的収率の最大プラスミドタイターが特異的に生じ、この場合、8.0から12.0g/L/hrの間の範囲にある補給速度に到達した。補給方法に依存して、0.2g/Lから1.3g/Lの範囲の容積生産が達成された。
Figure 0004972412
図1は、DNAワクチン候補、インフルエンザM1、の培養中に存在する、血液寒天表現型スクリーニングアッセイにより同定された灰色コロニーの割合を示す。血液寒天に播種された際に生成する灰色のコロニーの割合は、4回の富化過程にわたり、44%から89%に増加し、このことから、白色コロニーから精製されたものを上回って、灰色の表現型のコロニーから精製されたクローン分離株が選択的な増殖の有利性を有することが示される。 図2は、HIV−Gag DNAプラスミドを用いた、速度論的富化実験の結果を示す。白色:灰色の表現型のコロニーの比率を様々に変化させて、既知組成の培地に接種した。この図は、5回の富化段階にわたる培養において存在する、血液寒天表現型スクリーニングアッセイにより同定される灰色コロニーの割合を示す。第三回目の富化後、試験した全フラスコで、得られた細胞集団において、灰色の表現型のコロニーの構成率は95%を超えていた。 図3A−Bは、気流速度(パネルA)、撹拌速度(パネルA)及び溶解酸素パーセント(パネルB)を含む、典型的な種発酵槽に対して収集した主要なデータの要約である。このデータは、実施例9のプラスミド生産方法1に従い、V1Jns−gagプラスミドを含有する細胞を培養するために使用された種発酵槽から得られた。 図4A−Bは、実施例9のプラスミド生産方法1に従い、V1Jns−gagプラスミドを含有する細胞を培養するために使用された種発酵槽により示されるような、典型的な種発酵槽について収集した、より主要なデータの要約である。このデータには、酸素摂取速度(パネルA)、炭素発生速度(A)及び光学密度(パネルB)が含まれる。 図5は、実施例9のプラスミド生産方法1に従い、V1Jns−gagプラスミドを含有する細胞を培養するために使用された種発酵槽により示されるような、典型的な種発酵槽についてのpHデータを要約する。 図6A−Bは、気流速度(パネルA)、撹拌速度(パネルA)及び動力(パネルB)を含む、典型的な種発酵槽に対して収集した主要なデータの要約である。このデータは、実施例9のプラスミド生産方法1に従い、V1Jns−gagプラスミドを含有する細胞を培養するために使用された生産発酵槽から得られた。 図7A−Bは、実施例9のプラスミド生産方法1に従い、V1Jns−gagプラスミドを含有する細胞を培養するために使用された生産発酵槽により示されるような、典型的な生産発酵槽について収集した、より主要なデータの要約である。このデータには、圧力(パネルA)及び溶解酸素パーセント(パネルB)が含まれる。 図8A−Bは、実施例9のプラスミド生産方法1に従い、V1Jns−gagプラスミドを含有する細胞を培養するために使用された生産発酵槽により示されるような、典型的な生産発酵槽について収集した、主要な、光学密度(パネルA)、二酸化炭素発生速度(パネルB)及び酸素摂取速度(パネルB)データの要約である。 図9A−Bは、実施例9のプラスミド生産方法1に従い、V1Jns−gagプラスミドを含有する細胞を培養するために使用された生産発酵槽により示されるような、典型的な生産発酵槽に対して収集した、重要なpH(パネルA)及び呼吸商(パネルB)データの要約である。 図10A−Bは、実施例9のプラスミド生産方法2に従い、V1Jns−gagプラスミドを含有する細胞を培養するために使用された生産発酵槽からの、二酸化炭素発生速度(「CER」)(パネルA)、増殖(OD600)(パネルA)及びプラスミド生産プロファイル(パネルB)を示す。 図11A−Bは、実施例9のプラスミド生産方法3に従い、V1Jns−gagプラスミドを含有する細胞の培養から得られた結果を示す。パネルAは、二酸化炭素発生速度、酸素摂取速度(「OUR」)及びオンライン光学密度(「OD」)測定を示す。この細胞を生産発酵槽で培養し、2.66から3.66g/L/hの速度で、50%グリセロール(v/v)及び25%MSG(w/v)を補給した。パネルBは、一連の発酵にわたる、容積測定(gプラスミド/L)及び特異的収率(μgプラスミド/mg乾燥細胞重量)ならびにチアミン、アンモニア及びグリセロール濃度を示す。 図12A−Bは、実施例9のプラスミド生産方法3に従い、2.0から12g/L/hの間の速度で、生産発酵槽に、60%(v/v)グリセロールを補給した、V1Jns−gagプラスミドを含有する細胞の培養から得られた結果を示す。パネルAでは、各発酵法から生産された特異的収率(μgプラスミド/mg乾燥細胞重量)を比較し、パネルBでは、容積測定収率(gプラスミド/L)を比較する。

Claims (21)

  1. (a)(i)30℃で血液寒天上での培養により、プラスミドDNAで形質転換されたE.コリ(E.coli)株が生成する、灰色の少数のコロニー及び白色の多数のコロニーから成るコロニー集団における表現型の不均一性を観察し、高生産性の可能性があるクローンサブタイプとして灰色コロニーを選択し、
    (ii)前記高生産性の可能性があるクローンのサブタイプを精製し、細胞ごとのプラスミドコピー数を測定することにより前記精製された高生産性の可能性があるクローンサブタイプの生産性を測定し、
    (iii)同じ株の選択されていない形質転換E.コリクローンサブタイプと比較して、細胞あたりのプラスミドコピー数が多い高生産性の可能性があるクローンサブタイプを高生産性クローンサブタイプとして選択することにより、前記プラスミドDNAで形質転換されたE.コリ株の高生産性クローンサブタイプを選択すること、および
    (b)前記高生産性クローンサブタイプを培養すること
    を含むプラスミドDNAの生産方法。
  2. 前記高生産性クローンサブタイプが既知組成培地中で半回分発酵により培養される請求項1に記載の方法。
  3. 前記高生産性クローンサブタイプが約1000L以上の発酵体積で培養される請求項2に記載の方法。
  4. 前記高生産性の可能性があるクローンサブタイプのコロニーが、血液寒天から精製される請求項1に記載の方法。
  5. 前記高生産性の可能性があるクローンサブタイプの細胞当たりのプラスミドコピー数が既知組成の培地での振盪フラスコ発酵系における該クローンサブタイプの培養後に調べられる請求項4に記載の方法。
  6. 前記E.コリ株がDH5である請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記既知組成の培地が、培地C、培地D、培地E、培地F及び培地Gからなる群から選択される培地を含む請求項2、3又は5に記載の方法。
  8. (a)血液寒天及び血液産物を含まない寒天上で形質転換されたE.コリを二重播種すること、
    (b)異なるコロニーが見えるまで約30℃でE.コリを育てること、
    (c)前記血液寒天上における表現型不均一性の少数成分として灰色コロニーを観察すること、および
    (d)血液産物を含まない寒天上におけるどのコロニーが血液寒天上の灰色コロニーと対応するのかを調べること、
    (e)血液寒天上の灰色のコロニーに相当する、血液産物を含まない寒天由来の前記コロニーの精製であって、前記精製されたコロニーが高生産性の可能性のあるクローンサブタイプであること、
    をさらに含む請求項1に記載の方法。
  9. 前記精製された高生産性の可能性があるクローンサブタイプの細胞ごとのプラスミドコピー数が既知組成の培地での振盪フラスコ発酵系における該クローンサブタイプの培養後に調べられる請求項8に記載の方法。
  10. 前記E.コリ株がDH5である請求項8または9に記載の方法。
  11. 前記既知組成の培地が、培地C、培地D、培地E、培地F及び培地Gからなる群から選択される培地を含む請求項に記載の方法。
  12. 前記血液産物を含まない寒天が既知組成の培地である請求項8に記載の方法。
  13. 前記培養段階が、少なくとも1つの生産段階発酵期を含む請求項1に記載の方法。
  14. 高生産性クローンサブタイプが増殖の対数中期にある際に、前記クローンサブタイプを含有する生産段階の発酵槽に溶液が連続的に供給される請求項13に記載の方法。
  15. 生産段階の発酵槽に連続的に供給される前記溶液が、約50%グリセロール(v/v)及び約25%グルタミン酸一ナトリウム(w/v)を含む請求項14に記載の方法。
  16. 生産段階の発酵槽に連続的に供給される前記溶液が、約60%グリセロール(v/v)を含む、請求項14に記載の方法。
  17. 前記高生産性の可能性があるクローンサブタイプが小規模発酵系において段階(ii)で試験される請求項1に記載の方法。
  18. 前記小規模発酵系が既知組成の培養用培地を用いた振盪フラスコ発酵系である請求項17に記載の方法。
  19. 前記既知組成の培地がDME−B−12培地を含む請求項18に記載の方法。
  20. 高生産性クローンサブタイプが増殖の対数中期にある際に、該クローンサブタイプを含有する生産段階の発酵槽に溶液が連続的に供給される請求項18に記載の方法。
  21. 生産段階の発酵槽に連続的に供給される前記溶液が約4.6%グリセロール(v/v)及び約2.9%グルタミン酸一ナトリウム(w/v)を含む請求項20に記載の方法。
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