JP4971850B2 - 耐火構造体の貫通孔用閉止冶具及びその耐火構造体の貫通孔閉止方法 - Google Patents
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Description
従来においては、耐火構造体の貫通孔用閉止冶具を用いて、耐火構造体の貫通孔に挿通される長尺体配設用のラックの外周と前記貫通孔の開口周縁との間を前記耐火構造体の外面に環状の化粧板を当て付けた状態で閉止することが行われている。
一例としては、ラックの外周形状に合致する切欠が形成されたコの字状の分割化粧板体を、左右方向から切欠に挿入するようにラック装着して、突き合わされた分割化粧板体の端部を上下方向から突き合わせ部を中央にしてクリップ冶具で挟み込んだのち、ネジ止めすることにより両分割化粧板体を一体化して環状の化粧板を形成する。この状態で、化粧板が、耐火構造体の貫通孔に挿通される長尺体配設用のラックの外周と前記貫通孔の開口周縁との間と対面状態となる。
そして、このクリップ冶具で一体化された化粧板を、ラックを構成する左右対称に対向配置されている側板に取付け可能な取付け部と化粧板にネジ止め可能な取付け具を用いて、耐火構造体の貫通孔に挿通される長尺体配設用のラックの外周と前記貫通孔の開口周縁との間を前記耐火構造体の外面に環状の化粧板を当て付けた状態で閉止することが行われている。
前記取付け具は、分割化粧板体にネジ止め可能な取付け板部と、これと直交して外方に突出形成されている上下の突起を備え側板の外方側に添設可能な補助板部とが一体連結されている第1冶具と、側板に取付け可能で第1冶具の補助板部の上下の突起間に嵌合可能な嵌合受けが設けられた第2冶具とから構成されている(例えば、特許文献1を参照)。
従って、唯単に側板に掛止部が掛止められた化粧板に比べて、不測に化粧板が耐火構造体の外面から離れることがないので、化粧板の閉止品質の向上を図ることができる。
また、嵌合板部の先端と前記底板部の先端との対向間隔が、幅が最大の側板の幅よりも大に構成されている場合、その最大幅より小幅の側板においても嵌合板部を嵌合状態にすることができる。
また、幅の大きさが異なる側板に対しても掛止めることができる汎用性を有しているので、使い勝手がよい。
また、貫通孔に挿通されているラックの側板と化粧板とのなす角度に合わせて、取付け部と掛止部との折り曲げ角度を変更して使用することができる。
具体的には、取付け部と掛止部との折り曲げ角度は略90度に製作され、貫通孔に挿通されているラックの側板と化粧板とのなす角度が90度以内又は90度以上である場合には、その角度に取付け部と掛止部との折り曲げ角度を合わせて変更することができる。
前記化粧板を、前記ラックの左右一対の側板の外方側位置に分割端面が位置する複数の分割化粧板体に予め分割構成するとともに、この分割化粧板体の分割端面にわたって当て付け可能な取付け板部と前記ラックの側板に掛止保持可能な掛止板部とを備えた左右一対の取付け具を準備し、前記ラックの両側板に取付け具の掛止板部を掛止保持させたのち、前記取付け具の取付け板部に、各分割化粧板体の分割端面を止め付けてある。
前記化粧板を、前記ラックの左右一対の側板の外方側位置に分割端面が位置する複数の分割化粧板体に予め分割構成するとともに、この分割化粧板体の分割端面にわたって当て付け可能な取付け部と前記ラックの側板に掛止保持可能な掛止部とを備えた左右一対の取付け具を準備し、前記ラックの両側板に取付け具の掛止部を掛止保持させたのち、前記取付け具の取付け部に、下層に位置する分割化粧板体から順番に、且つ、上層の分割化粧板体を下層の分割化粧板体に載置した状態で各分割化粧板体の分割端面を止め付けてある。
そして、本発明の第1番目の耐火構造体の貫通孔用閉止治具の特徴構成は、耐火構造体の貫通孔に挿通される長尺体配設用のラックの外周と前記耐火構造体における貫通孔の開口周縁との間を前記耐火構造体の外面に当て付けた状態で閉止可能な環状の化粧板と、この化粧板を前記ラックの左右一対の側板に取付ける左右一対の取付け具を備える耐火構造体の貫通孔用閉止冶具であって、
前記化粧板が、前記ラックの左右一対の側板の外方側位置に分割端面が位置する複数の分割化粧板体から構成され、
前記取付け具が、複数の分割化粧板体の分割端部にわたって止付け可能で、且つ、止付け状態では複数の分割化粧板体を環状に連結形成する取付け部と、前記ラックの両側板に掛止可能な掛止部とを一体形成して、前記掛止部をラックの両側板に掛止した状態で前記取付け部に複数の分割化粧板体を環状に止付けることにより、前記ラックの両側板に化粧板が取付けられる構成にしてある点にある。
本発明の第2番目の耐火構造体の貫通孔用閉止治具の特徴構成は、前記化粧板が、前記ラックの左右一対の側板の幅方向両端側に配置される長尺の分割化粧板体と、左右一対の側板の外方に配置される短尺の分割化粧板体とから構成されている点にある。
本発明の第3番目の耐火構造体の貫通孔用閉止治具の特徴構成は、前記取付け具の取付け部と掛止部が一枚の板金の折り曲げ加工により一体形成され、この取付け部と掛止部との折り曲げ箇所には、取付け部と掛止部との折り曲げ角度の変更操作を許容する脆弱部が形成されている点にある。
本発明の第4番目の耐火構造体の貫通孔閉止方法の特徴構成は、耐火構造体の貫通孔に挿通された長尺体配設用のラックの外周と前記貫通孔の開口縁との間を、前記貫通孔よりも大きな環状の化粧板で閉止する耐火構造体の貫通孔用閉止方法であって、
前記化粧板を、前記ラックの左右一対の側板の外方側位置に分割端面が位置する複数の分割化粧板体に予め分割構成するとともに、この複数の分割化粧板体の分割端部にわたって止付け可能で、且つ、止付け状態では複数の分割化粧板体を環状に連結形成する取付け板部と前記ラックの側板に掛止保持可能な掛止板部とを一体形成してある左右一対の取付け具を準備し、前記ラックの両側板に取付け具の掛止板部を掛止保持させたのち、前記取付け具の取付け板部に、各分割化粧板体の分割端部を止め付けて、複数の分割化粧板体を環状に連結形成することにより、前記ラックの左右一対の側板に化粧板が取付けられた状態になることを特徴とする点にある。
本発明の第5番目の耐火構造体の貫通孔閉止方法の特徴構成は、耐火構造体に形成された水平方向又は略水平方向の貫通孔に挿通された長尺体配設用のラックの外周と前記貫通孔の開口縁との間を、前記貫通孔よりも大きな環状の化粧板で閉止する耐火構造体の貫通孔閉止方法であって、
前記化粧板を、前記ラックの左右一対の側板の外方側位置に分割端面が位置する複数の分割化粧板体に予め分割構成するとともに、この複数の分割化粧板体の分割端部にわたって止付け可能で、且つ、止付け状態では複数の分割化粧板体を環状に連結形成する取付け部と前記ラックの側板に掛止保持可能な掛止部とを一体形成してある左右一対の取付け具を準備し、前記ラックの両側板に取付け具の掛止部を掛止保持させたのち、前記取付け具の取付け部に、下層に位置する分割化粧板体から順番に、且つ、上層の分割化粧板体を下層の分割化粧板体に載置した状態で止め付けて、複数の分割化粧板体を環状に連結形成することにより、前記ラックの左右一対の側板に化粧板が取付けられた状態になることを特徴とする点にある。
この実施形態の貫通孔用閉止冶具Aは、図1〜図3に示すように、壁から構成されている耐火構造体Eに形成された水平方向又は略水平方向の貫通孔Bに挿通される長尺体配設用のラックCの外周との間を、壁の外面E1に当て付けた状態で閉止可能な貫通孔Bよりも大きな環状の化粧板1と、この化粧板1を前記ラックCの左右一対の側板C1,C1に取付ける左右一対の取付け具2を備える。
この実施形態における固定手段Hは、図2〜図4に示すように、取付け具2の底板部4Bに形成された雌ネジ4Dに螺合され掛止部4に向け螺入可能な固定ネジ6から構成されている。この固定ネジ6の雄ネジ部6aの長さは、幅が最小の側板C1を嵌合板部4Aに向けて押付け可能な長さに設定され、複数の幅の側板に対応することができる。
1)上記実施形態において、長尺で長方形形状の一対の分割化粧板体1A,1Aと、短尺で方形形状の一対の分割化粧板体1B,1Bを上下3層に載置することによって環状の化粧板1が形成されるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、図15に示すように、長尺の分割化粧板体の両端部に短尺の分割化粧板体が一体形成された上向き凹状の下層の分割化粧板体1Cに、長尺で上層の分割化粧板体1Dを載置することによって、上下2層の分割化粧板体1C,1Dから環状の化粧板1を形成するものであってもよい。この場合、分割化粧板体の部品点数を少なくすることができる。
この場合、カム体7を軸に一体連連結されているノブ8を手作業で回すことによって嵌合板部4Aに嵌合された側板C1の幅方向下端C1bを嵌合板部4Aに向けてカム面7aを押圧して嵌合板部との間に側板を挟み付けて、側板C1に掛止部4が固定状態になるものであってもよい。
また、側板の幅の大きさに合わせてカム体7の軸部を案内且つノブ操作可能に複数の溝9を形成するものであってもよい。
具体的には、嵌合板部の先端と前記底板部の先端との対向間隔が、最小幅の側板より僅かに大きく構成される。
この場合においても、実施形態と同様に組立て性が良好であり施工性の向上を図ることができる。
B 貫通孔
C ラック
C1 側板
C1a 側板の幅方向一端
C1b 側板の幅方向他端
D 長尺体
E 耐熱性充填材
E1 外面
H 固定手段
1 化粧板
1A 分割化粧板体
1Aa 分割端面
1B 分割化粧板体
1Ba 分割端面
2 取付け具
3 取付け部
4 掛止部
4A 嵌合板部
4Aa 嵌合板部の先端
4B 底板部
4Ba 底板部の先端
4C 連結板部
L 間隔
Claims (5)
- 耐火構造体の貫通孔に挿通される長尺体配設用のラックの外周と前記耐火構造体における貫通孔の開口周縁との間を前記耐火構造体の外面に当て付けた状態で閉止可能な環状の化粧板と、この化粧板を前記ラックの左右一対の側板に取付ける左右一対の取付け具を備える耐火構造体の貫通孔用閉止冶具であって、
前記化粧板が、前記ラックの左右一対の側板の外方側位置に分割端面が位置する複数の分割化粧板体から構成され、
前記取付け具が、複数の分割化粧板体の分割端部にわたって止付け可能で、且つ、止付け状態では複数の分割化粧板体を環状に連結形成する取付け部と、前記ラックの両側板に掛止可能な掛止部とを一体形成して、前記掛止部をラックの両側板に掛止した状態で前記取付け部に複数の分割化粧板体を環状に止付けることにより、前記ラックの両側板に化粧板が取付けられる構成にしてある耐火構造体の貫通孔用閉止冶具。 - 前記化粧板が、前記ラックの左右一対の側板の幅方向両端側に配置される長尺の分割化粧板体と、左右一対の側板の外方に配置される短尺の分割化粧板体とから構成されている請求項1記載の耐火構造体の貫通孔用閉止冶具。
- 前記取付け具の取付け部と掛止部が一枚の板金の折り曲げ加工により一体形成され、この取付け部と掛止部との折り曲げ箇所には、取付け部と掛止部との折り曲げ角度の変更操作を許容する脆弱部が形成されている請求項1又は2記載の耐火構造体の貫通孔用閉止冶具
- 耐火構造体の貫通孔に挿通された長尺体配設用のラックの外周と前記貫通孔の開口縁との間を、前記貫通孔よりも大きな環状の化粧板で閉止する耐火構造体の貫通孔用閉止方法であって、
前記化粧板を、前記ラックの左右一対の側板の外方側位置に分割端面が位置する複数の分割化粧板体に予め分割構成するとともに、この複数の分割化粧板体の分割端部にわたって止付け可能で、且つ、止付け状態では複数の分割化粧板体を環状に連結形成する取付け板部と前記ラックの側板に掛止保持可能な掛止板部とを一体形成してある左右一対の取付け具を準備し、前記ラックの両側板に取付け具の掛止板部を掛止保持させたのち、前記取付け具の取付け板部に、各分割化粧板体の分割端部を止め付けて、複数の分割化粧板体を環状に連結形成することにより、前記ラックの左右一対の側板に化粧板が取付けられた状態になることを特徴とする耐火構造体の貫通孔閉止方法。 - 耐火構造体に形成された水平方向又は略水平方向の貫通孔に挿通された長尺体配設用のラックの外周と前記貫通孔の開口縁との間を、前記貫通孔よりも大きな環状の化粧板で閉止する耐火構造体の貫通孔閉止方法であって、
前記化粧板を、前記ラックの左右一対の側板の外方側位置に分割端面が位置する複数の分割化粧板体に予め分割構成するとともに、この複数の分割化粧板体の分割端部にわたって止付け可能で、且つ、止付け状態では複数の分割化粧板体を環状に連結形成する取付け部と前記ラックの側板に掛止保持可能な掛止部とを一体形成してある左右一対の取付け具を準備し、前記ラックの両側板に取付け具の掛止部を掛止保持させたのち、前記取付け具の取付け部に、下層に位置する分割化粧板体から順番に、且つ、上層の分割化粧板体を下層の分割化粧板体に載置した状態で止め付けて、複数の分割化粧板体を環状に連結形成することにより、前記ラックの左右一対の側板に化粧板が取付けられた状態になることを特徴とする耐火構造体の貫通孔閉止方法。
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