JP4965811B2 - 皮脂コントロール方法 - Google Patents

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Description

本発明は、皮脂をコントロールすることができ、使用感の良好なジェル状化粧料に関する。
従来、皮膚上の皮脂をコントロールし、テカリや脂浮き、化粧崩れ等を防止するための化粧料には、多孔質の吸油性粉体を配合したり、皮脂分泌抑制作用を有する収斂剤や植物エキス等の成分が配合されている(特許文献1、特許文献2)。
特許文献3には、粉体とシリコーンオイルを含有するテカリ防止用のオイルゲル製剤が記載されている。また、特許文献4には、疎水性吸油粉体を含有するジェル状化粧料が記載されている。
しかしながら、吸油性粉体を配合した化粧料は、皮脂除去の即時効果があるものの、実際に効果を実感できるレベルまで粉体を配合すると、分散性が悪くなったり、粉体特有のきしみや粉っぽさが生じ、使用感も悪くなる。
また、植物エキス等を配合した化粧料では、長期間使用しないと効果を実感することができない。
特開2002−114665号公報 特開平10−182345号公報 特開2002−187811号公報 特開平9−249543号公報
本発明の目的は、皮脂によるテカリやべたつきを抑え、使用感も良好なジェル状化粧料を提供することにある。
本発明者らは、特定の多糖誘導体と、揮発性油剤及び水を含有するジェル状化粧料が、皮脂をコントロールする効果に優れ、使用感も良好であることを見出した。
本発明は、次の成分(A)〜(C):
(A)多糖類又はその誘導体におけるヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが次の基(a)
(a)一般式(1)で表される基
-E1-(OA)n-E2-R (1)
〔式中、E1はヒドロキシ基又はオキソ基が置換していてもよい炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基を示し、OAはAが炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基であるオキシアルキレン基を示し、nは0〜300の数を示し、E2はエーテル結合又はオキシカルボニル基を示し、Rはヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数4〜30のアルキル基を示す〕
で置換されている多糖誘導体、
(B)揮発性油剤、
(C)水
を含有するジェル状化粧料を提供するものである。
本発明のジェル状化粧料は、皮脂によるテカリやべたつきを抑える効果に優れ、使用感も良好である。また、吸油性粉体等を併用することもでき、その場合には、皮脂をコントロールする効果が向上するだけでなく、粉体特有のきしみや粉っぽさを抑制することもできる。
本発明で用いる成分(A)の多糖誘導体は、例えば、国際公開第00/73351号パンフレットに記載されたものが挙げられる。これは、多糖類又はその誘導体におけるヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、ポリオキシアルキレン基及び長鎖アルキル基を含む置換基で置換されているものである。
置換基(a)の一般式(1)における炭化水素基E1は、炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基であり、直鎖又は分岐鎖のいずれでも良く、炭素数2又は3のものが好ましい。具体的にはエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、2−ヒドロキシトリメチレン基、1−ヒドロキシメチルエチレン基、1−オキソエチレン基、1−オキソトリメチレン基、1−メチル−2−オキソエチレン基等が挙げられる。
一般式(1)におけるオキシアルキレン基OAの炭化水素基Aは、炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基であり、直鎖又は分岐鎖のいずれでも良く、炭素数2又は3のものが好ましい。具体的にはエチレン基、プロピレン基及びトリメチレン基が挙げられる。nは−(OA)−のくり返し単位の平均数を意味する0〜300の数であり、本発明の水性ジェル製剤中で油性成分を安定に分散させる点から、8〜120、特に10〜60が好ましく、n個のAは同一でも異なっても良い。連結基E2はエーテル結合(−O−)又はオキシカルボニル基(−OCO−又は−COO−)を示し、特にエーテル結合が好ましい。
一般式(1)におけるアルキル基Rは、炭素数4〜30であり、特に炭素数5〜25、更には6〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましい。具体的にはオクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イソステアリル基等が挙げられる。中でも、本発明の油性成分を分散させた水性ジェル製剤の安定性の点から、直鎖アルキル基が好ましい。
成分(A)の多糖誘導体における置換基(a)の置換度は、構成単糖残基当たり0.0001〜1.0、更に0.0005〜0.5、特に0.001〜0.1の範囲が好ましい。
成分(A)の多糖誘導体は、上記置換基(a)に加え、メチル基、エチル基等のアルキル基;ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシアルキル基;以下に示すスルホアルキル基(b)、カルボキシアルキル基(c)及びカチオン性置換基(d)から選ばれる1以上のイオン性基で置換されていてもよい。また、置換基(a)〜(d)に含まれ得るヒドロキシ基の水素原子は、更に置換基(a)〜(d)で置換されていても良い。
(b)ヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基:
2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基、2−スルホ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基等が挙げられる。中でも、安定性と製造上の簡便さの点から、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基が好ましい。これらスルホアルキル基(b)は、その全てあるいは一部がNa、K、Ca、Mg等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属、アンモニア、アミン類、アンモニウム等の有機カチオンにより塩となっていてもよい。
(c)ヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数2〜6のカルボキシアルキル基:
カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基、カルボキシペンチル基等が挙げられ、中でも、安定性と製造上の簡便さの点から、カルボキシメチル基が好ましい。これらカルボキシアルキル基(c)は、その全てあるいは一部がNa、K、Ca、Mg等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属、アンモニア、アミン類、アンモニウム等の有機カチオンにより塩となっていてもよい。
(d)ヒドロキシ基が置換していてもよいカチオン性置換基:
一般式(2)で表されるものが挙げられる。
〔式中、D1はヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基を示し、R1、R2及びR3は同一又は異なって、ヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数1〜3のアルキル基を示し、X−はヒドロキシイオン、ハロゲンイオン又は有機酸イオンを示す〕
式(2)におけるD1としては、炭素数2又は3のものが好ましく、具体的にはエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、2−ヒドロキシトリメチレン基、1−ヒドロキシメチルエチレン基等が挙げられる。
式(2)におけるR1、R2及びR3としては、メチル基、エチル基、プロピル基、2−ヒドロキシエチル基等が挙げられ、中でもメチル基及びエチル基が好ましい。
式(2)におけるX−で示されるハロゲンイオンとしては塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等が挙げられ、有機酸イオンとしては、CH3COO−、CH3CH2COO−、CH3(CH22COO−等が挙げられる。X−としては、特にヒドロキシイオン、塩素イオン及び臭素イオンが好ましい。
成分(A)の多糖誘導体は、多糖類又はその誘導体を、下記一般式(3)
E3-(OA)n-E2-R (3)
〔式中、E3は炭素数3〜6のエポキシ化アルキル基、ヒドロキシ基が置換していてもよい、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のハロゲン化アルキル基又は炭素数2〜6のカルボキシアルキル基、若しくはそれらの誘導体を示し、n、A、E2及びRは前記と同じ意味を示す〕
で表されるアルキル化剤(a1)と反応させることにより製造することができる。
また、前記置換基(b)、(c)及び(d)は、多糖類又はその誘導体を、それぞれ以下に示すスルホン化剤(b1)、カルボキシアルキル化剤(c1)及びカチオン化剤(d1)と反応させることにより、導入することができる。即ち、
(b1)ビニルスルホン酸、ヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数1〜5のハロアルカンスルホン酸、エポキシ基を有する炭素数2〜5のスルホン酸及びそれらの塩から選ばれるスルホン化剤、
(c1)ヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数2〜6のハロゲン化カルボン酸及びその塩から選ばれるカルボキシアルキル化剤、及び
(d1)下記一般式(4)
〔式中、D2は炭素数3〜6のエポキシ化アルキル基、又はヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のハロゲン化アルキル基を示し、R1、R2、R3及びX−は前記と同じ意味を示す〕
で表されるカチオン化剤である。
すなわち、成分(A)の多糖誘導体は、多糖類又はその誘導体のヒドロキシ基の水素原子を全て又は部分的にアルキル化〔置換基(a)の導入〕し、必要に応じてスルホン化〔スルホアルキル基(b)の導入〕、カルボキシアルキル化〔カルボキシアルキル基(c)の導入〕及びカチオン化〔カチオン性置換基(d)の導入〕することにより、製造される。これらアルキル化反応、スルホン化反応、カルボキシアルキル化反応及びカチオン化反応はどの順序で行ってもよく、また2〜4の反応を同時に行うこともできるが、まず上記アルキル化反応を行い、次いで必要に応じて、カチオン化反応、カルボキシアルキル化反応、スルホン化反応の順で反応を行うのが好ましい。
より具体的には、例えば、国際公開第00/73351号パンフレットに記載の方法により、多糖類又はその誘導体を適当な溶媒に溶解又は分散させて、上記の反応を行うことにより製造することができる。ここで、原料及び製品は粉体であることが取り扱いが簡便であり、好ましい。
多糖誘導体(A)の原料となる多糖類又はその誘導体としては、セルロース、グアーガム、スターチ、プルラン、デキストラン、フルクタン、マンナン、寒天、カラギーナン、キチン、キトサン、ペクチン、アルギン酸、ヒアルロン酸等の多糖類、及びこれらにメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が置換した誘導体が挙げられる。これらの置換基は、単独で又は複数の組合せで置換することができる。具体的には、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシエチルスターチ、メチルセルロース、メチルグアーガム、メチルスターチ、エチルセルロース、エチルグアーガム、エチルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグアーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルグアーガム、ヒドロキシプロピルメチルスターチ等が挙げられる。
これら多糖類又はその誘導体のうち、セルロース、スターチ、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましく、特にヒドロキシエチルセルロースが好ましい。また、これら多糖類又はその誘導体の重量平均分子量は、1万〜1000万、10万〜500万、特に10万〜200万の範囲が好ましい。
例えば、セルロース誘導体の場合、その繰返し単位は次のような一般式で表わされる。
〔式中、Zは同一又は異なって、ポリオキシアルキレン基及び長鎖アルキル基を含む前記置換基(a)のほか、水素原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシ基を有してもよいアルキル基;前記スルホアルキル基(b)、カルボキシアルキル基(c)、カチオン性置換基(d)から選ばれる基を示す。Qは同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、x、y及びzは、同一又は異なって0〜10の数を示す。QO基、Z基、x、y及びzは、繰り返し単位内で又は繰り返し単位間で同一でも異なってもよい。また上記置換基(a)〜(d)に含まれ得るヒドロキシ基は、更に他の置換基(a)〜(d)で置換されていてもよい〕
多糖誘導体(A)としては、前記国際公開第00/73351号パンフレットに記載された、ポリオキシアルキレン基及び長鎖アルキル基を含む置換基で置換されているもののほかに、長鎖アルキル基で置換されたヒドロキシエチルセルロース(例えば、市販品として、Natrosol Plus CS:セチルヒドロキシエチルセルロース、Hercules社製)等を用いることができる。
本発明のジェル状化粧料において、成分(A)の多糖誘導体は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.5〜4質量%、特に1〜3質量%含有させるのが、皮脂をコントロールする効果に優れ、使用感も良好であるので好ましい。
本発明で用いる成分(B)の揮発性油剤としては、揮発性のものであればいずれでも良く、例えば揮発性の鎖状又は環状シリコーン油、揮発性炭化水素油等を使用することができる。それらの常圧における沸点は、目安として230℃以下である。
鎖状シリコーン油としては、例えばオクタメチルトリシロキサン(沸点:153℃)、デカメチルテトラシロキサン(沸点:190℃)等の低分子量ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度が5mm2/s以下)などが挙げられる。環状シリコーン油としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン(沸点:172℃)、デカメチルシクロペンタシロキサン(沸点:205℃)等が挙げられる。炭化水素油としては、イソパラフィン等が挙げられる。
これらのうち、特に揮発性シリコーン油が好ましい。
成分(B)の揮発性油剤は、1種以上を用いることができ、全組成中に5〜40質量%、特に5〜30質量%含有させるのが好ましい。
また、これら揮発性油剤以外に、不揮発性油剤も使用することができる。不揮発性油剤としては、炭化水素、油脂類、ワックス類、エステル油、高級脂肪酸、高級アルコール、前記以外のシリコーン油、フッ素系油剤、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、親油性界面活性剤類等が挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。
配合割合は、油剤により異なるが、揮発性油剤の揮発を妨げない範囲であればよい。
本発明のジェル状化粧料は、本質的に水を媒体とする水性ジェル製剤であり、成分(C)の水は、全組成中に30〜94.5質量%、特に40〜94質量%、更には40〜89.5質量%含有させるのが好ましい。
本発明のジェル状化粧料には、更に(D)炭素数2〜4のアルコールを含有させることができ、使用感をより高めることができる。
かかるアルコールとしては、エタノール、プロパノール等が挙げられる。特に、エタノールが、すっきりした使用感があり好ましい。
成分(D)のアルコールを使用する場合、1種以上を用いることができ、全組成中に5〜25質量%、特に5〜15質量%含有させるのが好ましい。
本発明のジェル状化粧料には、さらに、化粧料に通常用いられる成分、例えば粉体、保湿剤、湿潤剤、着色剤、防腐剤、感触向上剤、香料、抗炎症剤、美白剤、制汗剤、紫外線吸収剤等を、適宜含有させることができる。
本発明のジェル状化粧料は、例えば揮発性油剤に粉体状の多糖誘導体を分散させた後、水を加えてジェル形態とし、必要に応じてその他の成分を加えることにより製造することができる。
本発明において、ジェル状とは、25℃における粘度が1000mPa・s以上のものを言う。更に10,000mPa・s以上のものが取り扱い易く、好ましい。粘度は、BM型粘度計であればローターNo.3又はNo.4、6rpmで、B8R型粘度計であればヘリカルスタンド付き、スピンドルT−C又はD、0.5〜5rpmで測定する。
成分(A)の多糖誘導体は良好な水溶性を示すが、油性物質が存在するとこれを水相中に安定に分散させる作用を有する。これは、成分(A)の多糖誘導体における置換基(a)が効果的に働いて、油滴を包接するためと推定される。
本発明のジェル状化粧料は、皮膚に塗布すると、揮発性油剤を包接した多糖誘導体の被膜が形成され、皮膚にさらさら感を付与することができる。この被膜からは、揮発性油剤が蒸散し、それに伴って皮膚上の皮脂が入れ替わりに被膜内に内包され、結果的に被膜内に皮脂が吸収されるため、皮膚上において皮脂によるテカリを抑えることができると考えられる。
本発明のジェル状化粧料は、例えば、洗顔後の皮膚に塗布して薄い被膜を形成させ、ファンデーション前の化粧下地として使用することができる。その場合、当該被膜が効果的に皮脂を吸収できるため、メイクしたときのテカリを抑えることができる。また、乾燥後剥離可能な比較的厚い被膜を形成させ、パック剤として使用することもできる。この場合、被膜が皮脂を吸収して皮膚から剥離されるので、剥離後の皮膚に、べたつきのない、さっぱりとしてさらさらした感触を与えることができる。
このように、本発明のジェル状化粧料は、皮脂をコントロールする化粧料として顕著な効果を発揮するものである。
製造例1
重量平均分子量20万、ヒドロキシエチル基の置換度2.5のヒドロキシエチルセルロース(NATROZOL250G,ハーキュレス社製)160g、含水80%イソプロピルアルコール1280g、48%水酸化ナトリウム水溶液9.8gを混合して、スラリー液を調製し、窒素雰囲気下室温で30分攪拌した。この溶液に次式:
で表されるグリシジルポリオキシエチレンラウリルエーテル31.8gを加え、80℃で8時間反応させてポリオキシアルキレン化を行った。反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生成物を濾別した。反応生成物をイソプロピルアルコール700gで2回洗浄後、減圧下60℃で一昼夜乾燥し、ポリオキシアルキレン化されたヒドロキシエチルセルロース誘導体(多糖誘導体1)152gを粉末形態で得た。
得られたヒドロキシエチルセルロース誘導体のポリオキシアルキレン基を含む置換基(a)の置換度は0.014であった。
実施例
表1及び表2に示す組成のジェル状化粧料を製造し、皮脂抑制効果及び使用感を評価した。結果を表1及び表2に併せて示す。
(製法)
揮発性油剤に多糖誘導体の粉体を分散させ、撹拌下一気に精製水を加え、室温で20分攪拌する。更に、その他の成分を加え、しばらく攪拌して、ジェル状化粧料を得た。
(評価方法)
(1)皮脂抑制効果:
人工皮革上の2.5cm×2.5cmの部分に、スクワラン1滴(0.02g)を薄くのばし、その上にジェル状化粧料2gを塗布した。一晩放置して乾燥した皮膜を剥離し、試験片上のスクワランの状態を目視観察した。
スクワランが吸収されていたものを「○」、吸収されずに残ったままのものを「×」として示した(本発明品1と比較品1〜3の比較)。
(2)使用感:
10人のパネラーが、本発明品2と比較品4をそれぞれ適量手にとって手の甲に塗布し、かわいた後のさらさら感を比較した。結果を以下の基準で示した。
○;10人中7人以上が吸油粉体のきしみや粉っぽさがなく、さらさらすると評価した。
△;10人中4〜6人が吸油粉体のきしみや粉っぽさがなく、さらさらすると評価した。
×;10人中3人以下が吸油粉体のきしみや粉っぽさがなく、さらさらすると評価した。
表1の結果より、本発明のジェル状化粧料を塗布した場合には、多糖誘導体が皮膜を形成して人工皮革から剥がれ、スクワランは吸収されていた。他の水溶性ポリマーを用いた比較品1〜3では、いずれもスクワランは吸収されず残ったままであった。
また、表2の結果より、吸油性粉体を併用した場合には、皮脂抑制効果が向上するだけでなく、粉体の欠点であるきしみや粉っぽさをカバーすることができた(本発明品3)。
また、専門パネラー6名が、洗顔後、額の右半分の範囲に本発明のジェル状化粧料(本発明品1)を塗布し、塗布部位(右半分)と未塗布部位(左半分)の皮脂量の変化を測定した。いずれのパネラーの場合にも、塗布部位は、未塗布部位と比べ、6時間経過後も、皮脂が抑制されていることがわかった。また、目視評価により、塗布部位には被膜感があり、経時後もテカリのないマットな外観であった。さらに、パネラー自身も未塗布部位がべたついているのに対し、塗布部位がさらさらしていると評価した。

Claims (3)

  1. 次の成分(A)〜(C):
    (A)セルロース又はヒドロキシエチルセルロースにおけるヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが次の基(a)
    (a)一般式(1)で表される基
    -E1-(OA)n-E2-R (1)
    〔式中、 1 はエチレン基又はヒドロキシ基を有するプロピレン基を示し、OAはAがエチレン基であるオキシアルキレン基を示し、nは0〜12の数を示し、E2エーテル結合を示し、Rは炭素数12〜16のアルキル基を示す〕
    で置換されており、ヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基を有さない多糖誘導体 0.5〜4質量%、
    (B)揮発性油剤 5〜40質量%、
    (C)水 30〜94.5質量%
    を含有するジェル状化粧料を皮膚に塗布することにより、皮脂をコントロールする方法。
  2. 成分(B)が、揮発性シリコーン油である請求項1記載の方法。
  3. ジェル状化粧料が、更に、(D)炭素数2〜4のアルコールを含有する請求項1又は2記載の方法。
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