JP4964163B2 - 面材支持機構および建具 - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載のものは、枠体の回転軸を中心に回動自在に取り付けられた第1のアームプレートと、面材の回転軸を中心に回動自在に取り付けられた第2のアームプレートとからなるリンク機構を有している。第1のアームプレートと第2のアームプレートの自由端は、結合ピンにより回動自在に結合されている。そして、この結合ピンを用いた結合部には、第1のアームプレートと第2のアームプレートを挟むように円板状の摩擦板が挿入されている。
また、上述のように設けられたベース部材と第1〜第5のリンク部材とを有する縦辷り出し窓におけるリンク部材同士の擦れを防止できる。
また、1個の複数位置間摺接部材を用いるだけで、リンク部材同士の擦れを防止でき、部品点数を最小限に抑えることができる。
ここで、位置決め部としては、前記第3のリンク部材と複数位置間摺接部材とを係合、圧入、ねじ止め、接着するなどの各種構成を適用することができる。
このような構成によれば、位置決め部で複数位置間摺接部材を前記第3のリンク部材に回動不能に位置決めするので、面材の動作時に複数位置間摺接部材の回動を防止できる。
このような構成によれば、位置決め部として前記第3のリンク部材の一対の側面と当接することで複数位置間摺接部材を位置決めする構成を適用しているので、従来のリンク部材を加工することなく複数位置間摺接部材を位置決めできる。
ここで、第1摺接部と第2摺接部を別体とした場合、面材が動作したときにリンク部材の側面と第2摺接部の回動中心側の隅部とが衝突してしまい、面材の動作が妨げられるおそれがある。このため、隅部を面取りしたり、隅部に傾斜面を設ける等の対応を取ることが好ましい。これに対して、第1摺接部と第2摺接部を一体にした摺接部材とした場合、第2摺接部の回動中心側の隅部が無くなるので、面取り等することなく面材をスムーズに開閉させることができる。さらには、部品点数を最小限に抑えることができる。
図1は、本発明に係る建具としての縦辷り出し窓1を示す室外側から見た斜視図である。
図1において、縦辷り出し窓1は、戸建て住宅等の建物の外壁開口部に設けられるものであって、外壁開口部に固定される枠体としての窓枠2と、この窓枠2の内側に支持された面材としての障子10とを備えて構成されている。
窓枠2は、上枠3、下枠4、および左右の縦枠5,6を四周枠組みして形成されている。障子10は、上框11、下框12、および左右の縦框13,14を四周框組みした内部に、ガラスパネル15を嵌め込んで構成されている。この障子10は、窓枠2の上枠3および下枠4のそれぞれとの間に設けられた面材支持機構としての障子支持機構20によって外側に辷り出しつつ開閉可能に支持されている。
図2は、全開時の障子支持機構20を示す斜視図である。図3は、半開時の障子支持機構20を示す斜視図である。図4は、閉鎖時の障子支持機構20を示す平面図である。図5は、閉鎖時における障子支持機構20の第1のリンク部材22の近傍を示す断面図である。図6は、閉鎖時における障子支持機構20の第2のリンク部材23の中心近傍を示す断面図である。
ここで、第4のリンク部材25は、障子10が固定される本発明の面材側のリンク部材に対応している。また、この第4のリンク部材25に直接連結された第2,第3のリンク部材23,24は、障子10の重量を支持する本発明の枠体側のリンク部材に対応している。さらに、第2のリンク部材23を介して第4のリンク部材25に連結された第5のリンク部材26も、障子10の重量を支持する本発明の枠体側のリンク部材に対応している。
さらに、第3のリンク部材24には、樹脂製の複数位置間摺接部材50が設けられている。
摺接部材30は、図7にも示すように、一方の短辺が略円弧状の略長方形板状に形成された摺接基部31を備えている。この摺接基部31は、第1摺接部32と第2摺接部33とから構成されている。具体的には、図2、図3、図6にも示すように、第1摺接部32は、略円弧状の短辺(円弧辺)側の部分であり障子10の一連の開閉動作時に第4のリンク部材25と常時重なり合う領域(回動中心領域)に介装される。第2摺接部33は、開閉動作時に第4のリンク部材25と摺接する位置(回動時摺接領域)に介装される。
また、図7に示すように、第1摺接部32には、回動軸94が挿通する回動軸挿通孔34が開口形成されている。さらに、摺接基部31の一面には、一対の長辺および円弧辺から摺接基部31の面方向と略直交する方向に板状に突出する位置決め部35が設けられている。
そして、この位置決め部35と摺接基部31とで略区画形成される空間には、第2のリンク部材23が配置される。このとき、位置決め部35の長辺部分と第2のリンク部材23の長辺側の側面とが接触することで、摺接部材30は第2のリンク部材23に対して回動不能に位置決めされる。また、摺接部材30の円弧辺部分の位置決め部35と第2のリンク部材23の他端側の側面とが接触するとともに、回動軸挿通孔34に回動軸94が挿通されることで、摺接部材30は第2のリンク部材23の長手方向に対して位置決めされる。
複数位置間摺接部材50は、図8、図9にも示すように、一方の短辺が略円弧状の略長方形板状に形成され、第1,第3のリンク部材22,24間の第1配置位置に配置される摺接基部51を備えている。この摺接基部51は、円弧辺側の部分であり回動中心領域に介装される下第1摺接部52と、回動時摺接領域に介装される下第2摺接部53とから構成されている。
下第1摺接部52には、回動軸92が挿通する回動軸挿通孔54が開口形成されている。さらに、摺接基部51の一面には、一対の長辺および円弧辺から摺接基部51の面方向と略直交する方向に板状に突出し、第3,第5のリンク部材24,26間の第3配置位置に配置される位置決め部55が設けられている。この位置決め部55は、中間第1摺接部56と中間第2摺接部57と非摺接部58とから構成されている。具体的には、図2、図3、図5に示すように、中間第1摺接部56は、円弧辺部分および長辺部分の円弧辺近傍部分であり回動中心領域に介装される。中間第2摺接部57は、長辺部分の長手方向略中央部分であり回動時摺接領域に介装される。非摺接部58は、長辺部分の中間第2摺接部57以外の部分である。
さらに、図8、図9に示すように、位置決め部55の非摺接部58には、第3,第4のリンク部材24,25間の第2配置位置に配置される上第2摺接部59が設けられている。この上第2摺接部59は、摺接基部51の短手方向略中央を通り長手方向に延びる線を対称軸とする線対称な形状を有し、これらを架け渡すように設けられている。また、上第2摺接部59は、長方形板部分と略直角二等辺三角形板部分とにより略五角形板状に形成され、略直角二等辺三角形板部分の直角部分が摺接基部51の略中央に向けて突出するように設けられている。そして、上第2摺接部59は、図2〜図5に示すように、回動時摺接領域に介装される。
図2〜図6に示すような開閉動作時において、各リンク部材22〜26は回動軸91〜95を中心に回動する。そして、第2のリンク部材23(第5のリンク部材26)と第4のリンク部材25(第2のリンク部材23)とが相対的に回動すると、第4のリンク部材25(第2のリンク部材23)は、回動中心近傍部分の下面が摺接部材30の第1摺接部32と常時摺接するとともに、回動中心から離れた部分(回動中心離間部分)の下面が第2のリンク部材23(第5のリンク部材26)と重なり合う回動状態のときのみに第2摺接部33と摺接する。
さらに、第5のリンク部材26は、回動中心近傍部分の下面が中間第1摺接部56と常時摺接するとともに、回動中心離間部分の下面が第1のリンク部材22と重なり合う回動状態のときのみに中間第2摺接部57と摺接する。ここで、第5のリンク部材26と上第2摺接部59とは略等しい高さ位置に存在しているが、上第2摺接部59が略直角二等辺三角形板部分を有しており、第5のリンク部材26の回動軌跡上に上第2摺接部59が存在していない構成となっている。このため、図2に示すような全開状態のときでも両者が接触して回動が規制されることがない。
また、第4のリンク部材25は、回動中心離間部分の下面が第3のリンク部材24と重なり合う回動状態のときのみに上第2摺接部59と摺接する。
(1)障子支持機構20の第4のリンク部材25に、障子10の下框12を取り付けている。また、この第4のリンク部材25に回動可能に連結された第2のリンク部材23と、この第2のリンク部材23を介して第4のリンク部材25に連結された第5のリンク部材26とに、第1摺接部32と第2摺接部33とを有する摺接部材30を設けている。さらに、第4のリンク部材25に回動可能に連結された第3のリンク部材24に、第1摺接部52,56と第2摺接部53,57,59を有する複数位置間摺接部材50を設けている。このため、各リンク部材22〜26の間の回動中心領域に第1摺接部32,52,56を介装するとともに、回動時摺接領域に第2摺接部33,53,57,59を介装することができ、障子10の重みにより各リンク部材22〜26が撓んだり障子10の動きがばらついた場合でも、開閉動作時に障子10を支持しつつ回動時摺接領域における各リンク部材22〜26同士の擦れを防止することができる。さらに、各リンク部材22〜26の長寿命化を図ることができる。
例えば、摺接部材30や複数位置間摺接部材50のうち少なくとも一方を金属製にしてもよい。また、摺接部材30を摺接基部31のみで構成して、各リンク部材23,26に係合、圧入、ねじ止め、接着などにより位置決めする構成としてもよい。
そして、例えば図10に示すように、摺接部材30の代わりに、第1摺接部71と、この第1摺接部71と別体で構成された第2摺接部72とを適用してもよい。さらには、複数位置間摺接部材50も同様に第1摺接部52,56と第2摺接部53,57,59を別体で構成してもよい。これらの構成の場合、第1摺接部71と第2摺接部72とは同一材料で形成されていてもよいし、異なる材料で形成されていてもよい。また、第2摺接部72の第1摺接部71と略対向する隅部を面取りしたりすることで、障子10の動作をスムーズにできる。
また、5個のリンク部材22〜26を有する障子支持機構20に本発明の摺接部材30を設けた構成を例示したが、少なくとも2個のリンク部材を有する面材支持機構に摺接部材30を設けることができる。
従って、上記に開示した形状、材質等を限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質等の限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (4)
- 枠体に対して面材を開閉可能に支持する面材支持機構であって、
前記枠体に固定される略長方形板状のベース部材と、
このベース部材の長手方向に沿って移動可能な第1のリンク部材と、
一端側が前記ベース部材に回動自在に連結される第2のリンク部材と、
一端側が前記第1のリンク部材に回動自在に連結される第3のリンク部材と、
一端側が前記第3のリンク部材の他端側に回動自在に連結されるとともに他端側が前記第2のリンク部材の他端側に回動自在に連結されており、前記面材が固定される第4のリンク部材と、
一端側が前記第1のリンク部材に回動自在に連結されるとともに、他端側が前記第2のリンク部材に回動自在に連結される第5のリンク部材と、
前記第3のリンク部材に設けられた複数位置間摺接部材とを備え、
前記複数位置間摺接部材は、
前記第1のリンク部材および前記第3のリンク部材の間における回動中心周縁を含む回動中心領域に介装されている下第1摺接部と、
回動時に前記第1のリンク部材に摺接する下第2摺接部と、
回動時に前記第4のリンク部材に摺接する上第2摺接部と、
前記第3のリンク部材および前記第5のリンク部材の間における回動中心周縁を含む回動中心領域に介装されている中間第1摺接部と、
回動時に前記第5のリンク部材に摺接する中間第2摺接部とが一体的に形成された構成を有している面材支持機構。 - 前記複数位置間摺接部材を前記第3のリンク部材に対して回動不能に位置決めする位置決め部を備えている請求項1に記載の面材支持機構。
- 前記複数位置間摺接部材は、
前記下第1摺接部および前記下第2摺接部を有する略板状の摺接基部を備え、
前記位置決め部は、前記摺接基部の一面から前記第3のリンク部材の互いに略対向する一対の側面と略平行に突出する板状に形成され、前記中間第1摺接部および前記中間第2摺接部を含んで構成されている請求項2に記載の面材支持機構。 - 建物に固定される枠体と、この枠体に開閉自在に支持される面材と、前記枠材に対して前記面材を開閉自在に支持する請求項1から請求項3のいずれかに記載の面材支持機構と、を備えている建具。
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