JP4964101B2 - 薬品セット装置および薬品座具 - Google Patents
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Description
なお、薬品類には、アンプル・バイアル・造影剤等の注射薬の他、箱・ボトル等に収容された錠剤・散剤等の医薬品や、薬品と一緒に使用される補助薬品も該当する。
その作業を看護師等がバケツ等の廃棄用容器の中を漁るようにして行うのは、肉体的にも精神的にも負担が重く、注射薬のアンプル等が割れていたり注射器等が混じり込んでいると作業が困難で辛いことから、トレーにセットされた薬品類の使用状況を簡便かつ的確に把握しうる薬品管理システムが実用化されている(例えば特許文献1参照)。
この薬品管理システムは、トレーを運ぶ薬品カートに撮像装置を装備していて、トレーにセットされた薬品類やトレーに残っていた薬品類を撮影し、その画像処理にて計数することにより、セット状況や使用状況を把握するようになっている。
さらに、非接触で通信しうるICタグを組み込んだクリップ等の装着具を物品に付けて物品有無検出等を行う技術を応用して、対象物品へのICタグの着脱や付け替えが容易に行えるうえ装着対象物を並べて置けばその位置まで含めて自動管理することができるようになったタグ検知システムも実現されている(例えば特許文献3参照)。このシステムでは、弾性部材を含んだ装着手段にてICタグが固定部材に係止される。
また、一動作で薬品類を手中にできる等の利点を持った薬品収納装置は導入先で好評を博しているが、トレーに比べれば装置が大きいため、手術室に持ち込むのはトレーほど簡単でない。
そして、そのような装置を実用的なコストで実現する手段として、単価低減の著しいRFID(Radio Frequency IDentification)の適用が考えられる。
しかしながら、従来のタグ検知システムのように検出対象物にタグを付けるのでは、薬品類のセット時や使用時に薬品類を摘む動作だけでなくタグ着脱の作業も行わなければならないため、注射薬等をワンタッチで使う手術室等では使いづらい。
そこで、トレー上の薬品類のセット状況や使用状況をタグ検出に基づいて把握する装置であっても一動作で薬品類をトレーに出し入れできるよう装置を改良することが技術的な課題となる。
すなわち、検知装置は(当初請求項1)、タグリーダに接続されたアンテナと、このアンテナの上方に固定された又は載置されるトレー部とを具備したものである。
また、薬品座具(当初請求項1,2)は、薬品類セット用のトレー(即ち前記トレー部)に複数個を入れられる大きさに形成された薬品座具であって、薬品類を一つ載せて置ける座体部と、その薬品類によって位置または姿勢を規制される可動部と、下方の外部アンテナ(即ち前記アンテナ)を介する通信の可否状態が前記可動部の位置または姿勢に応じて切り替わる電子タグとを備えている。
また、薬品類と電子タグとの組み合わせに際しては、電子タグを薬品類に着脱するのでなく、電子タグを予め装着した薬品座具を適宜な個数だけ適宜な配置でトレーに入れておき、それぞれの薬品座具の座体部に薬品類を一つずつ載せ置くことにより、薬品類と電子タグとの組み合わせが確立される。
図1〜2に示した実施例1は、上述した解決手段1〜2(出願当初の請求項1〜3)を具現化したものであり、図3に示した実施例2は、上述した解決手段1〜3(出願当初の請求項1〜4)を具現化したものであり、図4に示した実施例3は、上述した解決手段1,3(出願当初の請求項1〜2,4)を具現化したものであり、図5に示した実施例4や,図6に示した実施例5,図7に示した実施例6は、上述した解決手段1〜3(出願当初の請求項1〜4)を具現化したものである。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、ボルト等の締結具や,ヒンジ等の連結具,詳細な電子回路などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
検知装置10は、電子回路や操作部材等を装備した電装部12と、セット薬品等を出し入れし易い状態で並べて収めるために盆状・浅皿状に形成されたトレー部13と、トレー部13の下方にアンテナ14を張り巡らせた状態で保持するアンテナ保持部とを具えており、それらの枠体が一体形成や連結組上にて一塊の物となっている。アンテナ14は、単一の例を図示したが、複数が配設されていても良く、要するに、トレー部13の全域を近距離無線通信可能範囲としてカバーしていれば良い。
可動部26は、受座部23より高くて受座部23上の薬品類8と干渉する干渉部27と、間隙25に案内されながら底板部22上を摺動する遮断部28とを具えている。遮断部28は、それ自体が電波遮蔽材で作られても良いが、この例では、電波・電磁波を遮断する導電体膜29が貼付されており、間隙25内では電子タグ24の下方に位置し、間隙25から出る方に移動すると電子タグ24の下方からは完全に外れるようになっている。
そして、例えば手術前室や準備室で、薬品類をセットする時には、調剤指示箋などに基づいてセットすべき薬品類8を取り揃えるとともに、スイッチ16を操作して検知装置10の動作モードを薬品類セットモードにする。それから、薬品類8を一つずつ検知装置10にセットする。
そうすると、その作業に伴い、検知装置10では、再びタグリーダ15で読み取れるようになった電子タグ識別情報を含む組データに対して、戻しフラグとタイムスタンプとが付加されるので、薬品類の使用状況が取り出しだけでなく戻しまで含めて把握されることとなる。
なお、薬品類8を取り出したが可動部26を移動させるのを忘れた薬品座具20は視認マーク22aを見れば容易かつ確実に確認できるので、気づいたときに可動部26を移動させておけば、少なくとも使用の有無については的確に把握することができる。
薬品座具30が上述した実施例1の薬品座具20と相違するのは、座体部が箱形になって底板部22や受座部23の側面が四方とも側板32で囲まれている点と、電子タグ24が通信不可状態を採るように可動部26を付勢する手段として付勢バネ31が設けられた点である。この例では二本の付勢バネ31が遮断部28の両脇に分かれて干渉部27と座体部32とに取り付けられている。
そのため、薬品類8を出し入れするときに、可動部26の随伴操作を忘れたような場合でも電子タグ24の通信状態が適切な状態に切り替わるので、薬品類のセット状況や使用状況がより一層的確に把握される。また、座体部(22+32)が箱形になっているので、薬品類8が薬品座具20から転げ落ちるという不所望な事態が発生することもほとんどない。
薬品座具40が上述した実施例2の薬品座具30と相違するのは、座体部(22+32)が受座部23や間隙25の無い単純な箱形の座体部41になっている点と、可動部26が座体部41の解放上面に蓋の如く設けられた可動部42になった点である。
薬品座具50は、薬品座具40と同様に、上面解放箱形の座体部51と、揺動して縦か横に向きを変える板体52と、この板体52に貼り付けられた電子タグ24とを具えているが、薬品座具40と異なり、板体52にフィルム53を加えて可動部が構成され、座体部51の内底の一辺かその近傍に付勢バネと共に設けられた支軸を中心にして板体52が揺動するようになっている。フィルム53は、一辺が板体52の揺動辺に繋がれ、それと平行な他の辺が座体部51の上辺に繋がれて、座体部51の解放上面を塞ぐかのように広がっている。
具体的には、底板部62は、可動部26の遮断部28が摺動する面である上面が傾斜しているが、間隙25側が低く干渉部27の出て行く方が高く形成されているため、可動部26を座体部61の傾斜面に載せると、重力によって可動部26が座体部61の上面を滑り落ちるので、自然に遮断部28が間隙25に入り込むようになっている。
この場合、付勢バネ31は無くても可動部26が重力によって傾斜方向に付勢されるため、薬品類8を出し入れするときに、可動部26の随伴操作を忘れたような場合でも電子タグ24の通信状態が適切な状態に切り替わるので、薬品類のセット状況や使用状況が的確に把握される。
検知装置70が検知装置10と相違するのは、トレー部13に代わるトレー部73が傾斜している点である。アンテナ14もほぼ同じだけ傾斜している。
上記実施例ではトレー部13がアンテナ14の保持部と一体化されてアンテナ14の上方に固定されていたが、トレー部13は、アンテナ14の保持部や電装部12と別体であっても良く、その場合、アンテナ14の保持部をトレー台に形成しておけば、アンテナ14の上方に載置されるものとなる。
電子タグ24は、電池内蔵式のものでも良く、受信した搬送波を整流して動作電力を生成するものでも良い。搬送波に電波を用いるものでも良く電磁波を用いるものでも良く交番磁界を利用するものでも良い。
薬品座具20,30,50は検知装置10に対して混在使用が可能である。
10…検知装置、12…電装部、13…トレー部、
14…アンテナ、15…タグリーダ、16…スイッチ(SW)、
17…マイクロプロセッサ(MPU)、18…ラベルリーダ、
20…薬品座具、21…座体部、22…底板部、23…受座部、
24…電子タグ(ICタグ,RFタグ)、25…間隙、
26…可動部、27…干渉部、28…遮断部、29…導電体膜、
30…薬品座具、31…付勢バネ、32…側板(座体部)、
40…薬品座具、41…座体部、42…可動部、
50…薬品座具、51…座体部、52…板体、53…フィルム、
60…薬品座具、61…座体部、62…底板部、
70…検知装置、73…トレー部
Claims (4)
- トレー上の薬品類セット状況をタグ読取にて把握する薬品セット装置であって、タグリーダに接続されたアンテナとこのアンテナの上方に固定された又は載置されるトレー部とを具備した検知装置と、薬品類を一つ載せて置ける座体部とその薬品類によって前記座体部に対する位置または姿勢を規制される可動部と前記アンテナを介する通信の可否状態が前記アンテナと前記座体部との相対位置を変えるまでもなく前記座体部に対する前記可動部の位置または姿勢に応じて切り替わる電子タグとを具備しており前記トレー部に複数個を入れられる大きさの薬品座具とを備えたことを特徴とする薬品セット装置。
- 薬品類セット用のトレーに複数個を入れられる大きさに形成された薬品座具であって、薬品類を一つ載せて置ける座体部と、その薬品類によって前記座体部に対する位置または姿勢を規制される可動部と、下方の外部アンテナを介する通信の可否状態が前記アンテナと前記座体部との相対位置を変えるまでもなく前記座体部に対する前記可動部の位置または姿勢に応じて切り替わる電子タグとを備えたことを特徴とする薬品座具。
- 前記座体部に薬品類を置くとその薬品類との干渉によって前記可動部が規制されるのに伴って前記電子タグが通信可能状態になり、前記座体部から薬品類を取り出すと前記可動部の規制が解除されて前記電子タグが通信不可状態になりうるものであることを特徴とする請求項2記載の薬品座具。
- 前記電子タグが通信不可状態になるように前記可動部を付勢する手段が設けられていることを特徴とする請求項3記載の薬品座具。
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