JP4961636B2 - 非接触型icカード及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は非接触型ICカード及びその製造方法に係り、特にICパッケージと外部のデータ処理部との間での情報交換を巻き線アンテナを利用して電磁誘導方式で行なう非接触型ICカード及びその製造方法に関する。
【0002】
現在、ICカードと外部機器との接続方法には、接触法と非接触法の2種類がある。接触法では、表面に端子が露出して設けられたICカードが使用される。このようなICカードが外部機器(リーダ・ライター)に装着されると外部機器の端子がICカードの端子に接触して電気的に導通し、ICカードと外部機器との間でデータのやり取りが行なわれる。
【0003】
一方、非接触法では、内部にアンテナが設けられたICカードが使用される。このような非接触型ICカードが外部機器に装着されるか、またはICカードが外部機器に近接されると、非接触型ICカードと外部機器との間で電源供給及びデータの授受が行なわれる。
【0004】
【従来の技術】
図1及び図2を参照し、従来の一例である非接触型ICカードについて説明する。図1は従来の一例である非接触型ICカード1(以下、単にICカードという)を示す分解図であり、図2はICカード1を構成するインレットシート3を示している。
【0005】
ICカード1は、大略するとプラスチックシート2、インレットシート3、ICパッケージ4、巻き線アンテナ5、端子電極6により構成されている。ICパッケージ4及び巻き線アンテナ5はインレットシート3に配設されている。ICパッケージ4は、接着材を用いてインレットシート3の開口部8に固定されている。
【0006】
ICパッケージ4は、一対の端子電極6を有しており、端子電極6には巻き線アンテナ5がパルスヒートにより接続されることにより接続部7が形成されている。また、ICパッケージ4の封止樹脂4a上には捺印処理が行なわれている(捺印自体は図示せず)。
【0007】
インレットシート3は、一対のプラスチックシート2で挟まれた上で加熱溶着処理が行なわれ、これにより各シート2、3は一体化する。これにより、ICパッケージ4及び巻き線アンテナ5は、各シート2、3により構成されるカード本体内に埋設された構成となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図3は、図2に示す非接触型ICカード1の各シート2、3を一体化する前及び一体化した後の断面を示している。具体的には、図3(A),(B)はそれぞれ図2におけるA−A線に沿う断面図であり、図3(A)は一体化する前を、図3(B)は一体化した後を示している。また、図3(C),(D)はそれぞれ図2におけるB−B線に沿う断面図であり、図3(C)は一体化する前を、図3(D)は一体化した後を示している。
【0009】
まず、端子電極6が存在するA−A線に沿う断面図に注目する。図3(A)に示すように、ICパッケージ4をインレットシート3の開口部8に装着した際、開口部8の内壁とICパッケージ4の封止樹脂4aとの間には間隙8aが形成される。しかしながら、図3(A)に示すように端子電極6が存在する側では、ICパッケージ4を開口部8に装着した際、この端子電極6が間隙8aを覆う構成となる。
【0010】
このため、上記のように加熱溶着処理により各シート2、3が一体化する際、端子電極6がインレットシート3内に埋め込まれることにより間隙8aが小さくなり、よってプラスチックシート2から間隙8a内に入り込む樹脂量は少なくてすむ。よって、図3(B)に示すように、一体化した後においてプラスチックシート2の表面に凹凸は発生しない。
【0011】
しかしながら、端子電極6の設けられていないB−B線に沿う断面側においては、ICパッケージ4に端子電極6が形成されていないため、この端子電極6がインレットシート3内に埋め込まれることはなく、図3(C)に示すように間隙8aは広いままである。
【0012】
そして加熱溶着処理により各シート2、3が一体化する際、この広いままの間隙8aにプラスチックシート2の一部が入り込んでも、これにより間隙8aを完全に埋めることができず、図3(D)に示すようにICカード1の表面に凹部であるヒケ2aが発生してしまうという問題点があった。
【0013】
また、上記のようにICパッケージ4には捺印が行なわれるが、近年、ICパッケージ4の薄型化により薄チップ化や低ループボンディング、ICチップ上の樹脂肉厚も薄く形成するようになってきている。このため、樹脂肉厚の薄いICパッケージの封止樹脂4aに対してレーザーを用いて捺印した場合、ICチップにダメージを与えてしまい、これによりICパッケージの歩留まりが低下するおそれがある。
【0014】
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、カード表面に発生するヒケを低減させ、歩留まりを向上させることができる非接触型ICカード及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0016】
請求項1記載の発明は、インレットシートと、該インレットシートに配設されており、外部装置と非接触で信号の送受信を行う巻き線アンテナと、ICパッケージとを具備し、前記インレットシートのICパッケージ装着用開口部(18)に前記ICパッケージが挿入される、又は、前記インレットシートに切り欠きが形成された領域に前記ICパッケージが嵌入される非接触型ICカードにおいて、前記ICパッケージは、平面視で矩形状の封止樹脂と、平面視で前記封止樹脂に対して対向配設される一対の第1の端子と、平面視で前記封止樹脂に対して前記第1の端子と90°離間した状態で対向配設される一対の第2の端子とを有し、前記巻き線アンテナが前記第1の端子に接続されることにより、前記信号がICパッケージに入出力され、前記巻き線アンテナは、前記第1の端子に加えて前記第2の端子にも接続されることを特徴とするものである。
【0017】
上記発明によれば、ICパッケージに設けられた第2の端子により、インレットシートとICパッケージとの間に形成される間隙を覆うことができる。従って、カード表面に発生するヒケを低減させることができる。
【0018】
また、請求項2記載の発明は、インレットシートと、該インレットシートに配設されており、外部装置と非接触で信号の送受信を行う巻き線アンテナと、ICパッケージとを具備し、前記インレットシートのICパッケージ装着用開口部に前記ICパッケージが挿入される、又は、前記インレットシートに切り欠きが形成された領域に前記ICパッケージが嵌入される非接触型ICカードにおいて、前記ICパッケージは、平面視で矩形状の封止樹脂と、平面視で前記封止樹脂に対して対向配設される一対の第1の端子と、平面視で前記封止樹脂に対して前記第1の端子と90°離間した状態で対向配設される一対の第2の端子とを有し、前記巻き線アンテナが前記第1の端子に接続されることにより、前記信号がICパッケージに入出力され、前記第2の端子に捺印処理を行うことを特徴とするものである。
【0019】
上記発明によれば、巻き線アンテナとICパッケージの第1、2の端子との接続箇所を増加させることにより、接続信頼性を向上させることができる。
【0021】
上記発明によれば、補助端子を利用して捺印処理を行うことで、チップ不良率を低減させることができる。
【0022】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の非接触型ICカードにおいて、前記インレットシートに切り欠きが形成された領域に、スリットが形成されることを特徴とするものである。
【0023】
上記発明によれば、インレットシートに形成された切り欠きにICパッケージを装着することにより、インレットシートとICパッケージとの間の間隙の発生を防ぐことができる。従って、カード表面に発生するヒケを低減させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0027】
図4は、本発明の第1実施例である非接触型ICカード(以下、単にICカードという)の分解図である。ICカード10は、大略するとプラスチックシート12、インレットシート13、ICパッケージ14、巻き線アンテナ15、端子電極16、補助端子20により構成されている。
【0028】
ICパッケージ14は、図5に拡大して示すように、封止樹脂40と、対向配設された一対の端子電極16と、この端子電極16と90°離間した状態で対向配設された一対の補助端子20を有した構成とれさている。封止樹脂40の内部には半導体チップ(図に現れず)が配設されており、本実施例では、この半導体チップと端子電極16、及び半導体チップと補助端子20はAuワイヤ等により電気的に接続された構成とされている。
【0029】
また、インレットシート13は絶縁樹脂よりなるシート状部材であり、ICパッケージ14の配設位置には開口部18(請求項に記載のICパッケージ装着用開口部に相当する)が形成されている。本実施例では、ICパッケージ14のインレットシート13への装着性を向上させるため、ICパッケージ14の封止樹脂40の面積に対し、開口部18の面積は広く設定されている。よって、ICパッケージ14をインレットシート13に装着した状態で、開口部18と封止樹脂40との間には、間隙が形成される。
【0030】
また、インレットシート13には巻き線アンテナ15が形成されている。この巻き線アンテナ15の端部は、前記した端子電極16にパルスヒートにより接続されることにより接続部17が形成されている。これにより、ICパッケージ14と巻き線アンテナ15は、電気的に接続した構成となる。また、ICパッケージ14及び巻き線アンテナ15が配設されたインレットシート13は、後述するように一対のプラスチックシート12の間に挟まれた状態で固定される。
【0031】
次に、上記構成とされたICカード10の製造方法について説明する。
【0032】
図5は、本発明の第1実施例であるICカードのICパッケージ近傍を示す平面図である。
【0033】
ICパッケージ14は、前記したようにICチップ、封止樹脂40、一対の端子電極16、及び補助端子20により構成されている。このICパッケージ14を製造するには、ステージ、端子電極16、及び補助端子20が形成されたリードフレーム(例えば銅合金からなる)を形成し、このリードフレームのステージ上にICチップを接着剤により搭載する。
【0034】
続いて、端子電極16とICチップの電極パッドとの間、及び補助端子20とICチップの電極パッドとの間にワイヤボンディングによりAu線を配設する。これにより、端子電極16及び補助端子20は、ICチップと電気的に接続された状態となる。
【0035】
次に、エポキシ樹脂等によりICチップ及びワイヤを封止し、封止樹脂40を形成する。この際、端子電極16は、矩形状とされた封止樹脂40の対向する2辺から外側へ延出し、補助端子20は残る2辺から外側へ延出するよう構成されている。封止樹脂40が形成されると、続いてリードフレームの不要部分を除去され、これにより図5に示すICパッケージ14が製造される。
【0036】
上記のように端子電極16及び補助端子20が形成されたICパッケージ14は、予め所定位置に金型により穴あけした開口部18を有するインレットシート13に仮止めされる。この際、開口部18と封止樹脂40との間に間隙が形成されることは、前述した通りである。
【0037】
その後、Cu線からなる巻き線アンテナ15を所定の周波数で共振するように設定し、インレットシート13の周囲に熱加工により埋め込む。また、ICパッケージ14の端子電極16と巻き線アンテナ15とは、パルスヒートツールにより熱圧着されて接続される(接続された部位を接続部17aという)。更に、本実施例では、巻き線アンテナ15の端部は端子電極16との接続部17aより補助端子20に向け延出するよう配設されており、補助端子20ともパルスヒートツールにより熱圧着されて接続された構成とされている(接続された部位を接続部17bという)。
【0038】
上記のようにインレットシート13が製造されると、続いてこのインレットシート13を予めデザイン印刷したプラスチックシート2に挟んで加熱溶着処理する。これにより各シート12、13は一体化される。これにより、ICパッケージ14及び巻き線アンテナ15は、各シート12、13により構成されるカード本体内に埋設された構成となる。
【0039】
この際、図5において端子電極6が存在するC−C線に沿う断面図、及び図5において補助端子20が存在するD−D線に沿う断面図は、いずれも先に図3(A)で示した構成となる。即ち、C−C線に沿う断面図においては、開口部18の内壁と封止樹脂40(ICパッケージ14)との間に形成される間隙は端子電極16により覆われ、D−D線に沿う断面図においては、開口部18の内壁と封止樹脂40(ICパッケージ14)との間に形成される間隙は補助端子20により覆われる。
【0040】
このため、上記のように加熱溶着処理により各シート12、13が一体化する際、C−C断面側では端子電極16がインレットシート13内に埋め込まれ、D−D断面側では補助端子20がインレットシート13内に埋め込まれるため、それぞれにおいて間隙を小さくすることができる。よって、プラスチックシート12から間隙内に入り込む樹脂量を減らすことができ、一体化した後においてプラスチックシート12の表面にヒケ(凹凸)が発生することを防止できる。
【0041】
上記のように本実施例によれば、補助端子20を設けることにより、インレットシート13とICパッケージ14との間に形成される間隙を覆うため、カード表面に発生するヒケを低減させることができ、ICカード10の歩留まりを向上させることができる。
【0042】
また本実施例では、巻き線アンテナ15の端部を端子電極16と共に補助端子20にも接続した構成とした(尚、巻き線アンテナ15の端部が接続されている端子電極16と共に補助端子20は、ICチップの同一電極にワイヤ接続されている)。このため、従来のように巻き線アンテナ5の端部を端子電極6にのみ接続する構成に比べ、巻き線アンテナ15とICパッケージ14との接続信頼性を向上させることができる。
【0043】
尚、上記した実施例では補助端子20の形状を矩形状としてが、補助端子20の形状はこれに限定されるものではなく、インレットシート13とICパッケージ14との間に形成される間隙を覆うような形状であれば、他の形状の補助端子20でも適用可能である。具体的には、補助端子20をL字型に形成することも可能である。
【0044】
図6は、本発明の第1実施例の変形例であるICパッケージを示す平面図である。
【0045】
本変形例に係るICパッケージ14は、補助端子20に捺印25を形成したことを特徴とするものである。このため、本変形例では第1実施例と異なり、補助端子20にアンテナ15の端部を接続しない構成としている。
【0046】
このように、補助端子20に捺印25を形成することにより、ICチップに影響を与えることなくICパッケージ14に捺印25を付すことが可能となる。即ち、補助端子20は金属材(リードフレーム材)により形成されているため、レーザー加工により捺印25を付しても損傷するようなことはない。
よって、本変形例のように、補助端子20に捺印25を形成することにより、捺印処理に起因したICチップの不良率を低減することができ、ICパッケージ14の歩留まりを向上させることができる。
【0047】
続いて、本発明の第2実施例について説明する。
【0048】
図7は、本発明の第2実施例であるICカードのインレットシートを示す図である。図8は、本発明の第2実施例であるICカードのICパッケージ近傍を示す平面図である。図9は、図8に示すICカードのA−A断面図である。尚、第2実施例の説明に用いる図7乃至図9において、第1実施例の説明に用いた図4乃至図6に示した構成と同一構成については、同一符号を付してその説明を省略するものとする。また、以下説明する各実施例においても同様とする。
【0049】
本実施例に係るICカードは、図7に示すように、予めインレットシート23の所定位置(ICパッケージ14の装着位置)に切り欠き22及びスリット24を形成したことを特徴とするものである。この切り欠き22は、本実施例ではICパッケージ14が装着される矩形の装着領域の対角線状に切り欠き22を形成した構成としている。スリット24は、ICパッケージ14が装着される装着領域に矩形状に複数形成される。切り欠き22は、インレットシート23を切断して形成し、スリット24はインレットシート23の厚みの途中まで切断するように形成される。これらの切り欠き22及びスリット24は、金型或いはプレスカッターを用いて容易に形成することができる。
【0050】
本実施例においてICパッケージ14をインレットシート23に装着するには、切り欠き22及びスリット24の形成領域にICパッケージ14を位置決めし、ICパッケージ14をインレットシート23に嵌入する。図8及び図9は、ICパッケージ14をインレットシート23に装着された状態を示している。
【0051】
各図に示されるように、ICパッケージ14がインレットシート23に嵌入することにより、インレットシート23の切り欠き22及びスリット24が形成された部分は嵌入方向下側に可撓変形した状態となる。そして、この状態において巻き線アンテナ15の端部をICパッケージ14と接続する。
【0052】
そして、図9に示すように予めデザイン印刷したプラスチックシート12をインレットシート23の上下に挟んだ上で、プレスしつつ加熱溶着処理を行なう。このように、インレットシート23に切り欠き22及びスリット24を設けることにより、ICパッケージ14を埋めこむ時、インレットシート23とICパッケージ14との間に発生する間隙を防ぐことができる。
【0053】
即ち、本実施例では第1実施例とは異なり開口部18が存在しないため、ICパッケージ14の下にはインレットシート23の一部が存在する構成となる。このため、ICパッケージ14の周囲に間隙が形成されるようなことはなく、従ってカード表面に発生するヒケを低減させることができ、歩留まりを向上させることができる。
【0054】
続いて、本発明の第3実施例であるICカードの製造方法について説明する。
【0055】
図10は本発明の第3実施例であるICカードの製造方法を説明するための図であり、図10(A)はインレットシート33上にICパッケージ34を載置した状態を、図10(B)は後述の如く切断したインレットシート33にICパッケージ34を嵌入した状態を示している。
【0056】
尚、本実施例に係るICカードの製造方法は、ICパッケージ34をインレットシート33に装着する装着工程に特徴を有し、他の製造工程は従来のICパッケージの製造工程と同一である。このため、以下の説明では、ICパッケージ34をインレットシート33に装着する装着工程について詳述し、他の製造工程の説明は省略するものとする。
【0057】
本実施例では、ICパッケージ34とインレットシート33とを一括的に切断することにより、インレットシート33にICパッケージ34の形状に高精度に対応した開口部48を形成し、この開口部48にICパッケージ34を嵌入することを特徴としている。また、以下の説明では、組み立ての効率化を考慮してICパッケージ34を多数個リードフレーム35から切り取らず、多連化した状態で用いる例について説明するものとする。
【0058】
本実施例においてICカードを製造するには、先ず図10(A)に示すように、多連化されたICパッケージ34をインレットシート33の所定の装着位置に位置決めする。続いて、図示しないレーザー照射装置を上記装着位置上に配置し、レーザー光線30を照射することによりICパッケージ34、インレットシート33、及びリードフレーム35とを一括的に同時切断する(切断工程)。
【0059】
この際、図示されるように、レーザー光線30の照射角度は、ICパッケージ34の中心に向かって若干角度を有した状態で照射することが望ましい。また、本実施例では、ICパッケージ34の一部がレーザー光線30により切断されるが、この切断位置は封止樹脂のみが配設され回路等は形成されていないため、切断されても何ら問題は生じない。
【0060】
上記した切断工程が終了すると、続いて図10(B)に示されるように、治具31により切断されたICパッケージ34を押圧し、インレットシート33に形成された開口部48の内部にICパッケージ34を嵌入する(嵌入工程)。この際、前記したようにレーザー光線30の照射角度は、ICパッケージ34の中心に向かって若干角度を有して照射されているため、ICパッケージ34に形成された切断面と、開口部48の切断面の角度が一致し、よってICパッケージ34を開口部48内に隙間なく嵌入することができる。
【0061】
上記した装着工程が終了すると、巻き線アンテナ15とICパッケージ34との接続処理が実施され、続いてプラスチックシート12とインレットシート33との接合処理が行われる。
【0062】
この際、上記したように本実施例では、ICパッケージ34とインレットシート33とを同時に切断することにより、ICパッケージ34とインレットシート33とは隙間なく密着した状態となっている。従って、プラスチックシート12とインレットシート33とを加熱溶着する際、カード表面に発生するヒケをより確実に低減させることができ、歩留まりを向上させることができる。
【0063】
尚、上記した実施例ではICパッケージ34とインレットシート33とを一括的に同時切断することとしたが、ICパッケージ34と、インレットシート33の開口部48を各々が一致する大きさで別々別個に形成し、その後にICパッケージ34をインレットシート33の開口部48に嵌入する方法としてもよい。
【0064】
また、上記した各実施例において、端子電極は請求項に記載された第1の端子に対応し、補助端子は第2の端子に対応する。
【0065】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、次に述べる種々の効果を実現することができる。
【0066】
請求項1記載の発明によれば、ICパッケージに設けられた第2の端子により、インレットシートとICパッケージとの間に形成される間隙を覆うことができる。従って、カード表面に発生するヒケを低減させることができ、歩留まりを向上させることができる。
【0067】
また、請求項2記載の発明によれば、巻き線アンテナとICパッケージの第1、2の端子との接続箇所を増加させることにより、接続信頼性を向上させることができる。
【0068】
また、請求項3記載の発明によれば、補助端子を利用して捺印処理を行うことで、チップ不良率を低減させることができ、歩留まりを向上させることができる。
【0069】
また、請求項4記載の発明によれば、インレットシートに形成された切り欠きにICパッケージを装着することにより、インレットシートとICパッケージとの間の間隙の発生を防ぐことができる。従って、カード表面に発生するヒケを低減させることができ、歩留まりを向上させることができる。
【0070】
また、請求項5記載の発明によれば、ICパッケージとインレットシートを同時に切断してインレットシートに嵌入することにより、インレットシートとICパッケージとの間の間隙の発生を防ぐことができる。従って、カード表面に発生するヒケを低減させることができ、歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の一例である非接触型ICカードを示す分解図である。
【図2】従来の一例であるICカードのインレットシートを示す図である。
【図3】従来の一例である非接触型ICカードの各シートを一体化する前後の断面図である。
【図4】本発明の第1実施例である非接触型ICカードの分解図である。
【図5】本発明の第1実施例であるICカードのICパッケージ近傍を示す平面図である。
【図6】本発明の第1実施例の変形例であるICパッケージを示す平面図である。
【図7】本発明の第2実施例であるICカードのインレットシートを示す図である。
【図8】本発明の第2実施例であるICカードのICパッケージ近傍を示す平面図である。
【図9】本発明の第2実施例であるICカードの断面図である。
【図10】本発明の第3実施例であるICカードの製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ICカード
2 プラスチックシート
3、13、23、33 インレットシート
4、14、34 ICパッケージ
5、15 巻き線アンテナ
6、16 端子電極
7、17a、17b 接続部
8、18、48 開口部
20 補助端子
22 切り欠き
24 スリット
25 捺印
31 治具
35 リードフレーム
Claims (3)
- インレットシートと、
該インレットシートに配設されており、外部装置と非接触で信号の送受信を行う巻き線アンテナと、
ICパッケージと
を具備し、前記インレットシートのICパッケージ装着用開口部に前記ICパッケージが挿入される、又は、前記インレットシートに切り欠きが形成された領域に前記ICパッケージが嵌入される非接触型ICカードにおいて、
前記ICパッケージは、
平面視で矩形状の封止樹脂と、
平面視で前記封止樹脂に対して対向配設される一対の第1の端子と、
平面視で前記封止樹脂に対して前記第1の端子と90°離間した状態で対向配設される一対の第2の端子と
を有し、前記巻き線アンテナが前記第1の端子に接続されることにより、前記信号がICパッケージに入出力され、前記巻き線アンテナは、前記第1の端子に加えて前記第2の端子にも接続されることを特徴とする非接触型ICカード。 - インレットシートと、
該インレットシートに配設されており、外部装置と非接触で信号の送受信を行う巻き線アンテナと、
ICパッケージと
を具備し、前記インレットシートのICパッケージ装着用開口部に前記ICパッケージが挿入される、又は、前記インレットシートに切り欠きが形成された領域に前記ICパッケージが嵌入される非接触型ICカードにおいて、
前記ICパッケージは、
平面視で矩形状の封止樹脂と、
平面視で前記封止樹脂に対して対向配設される一対の第1の端子と、
平面視で前記封止樹脂に対して前記第1の端子と90°離間した状態で対向配設される一対の第2の端子と
を有し、前記巻き線アンテナが前記第1の端子に接続されることにより、前記信号がICパッケージに入出力され、前記第2の端子に捺印処理を行うことを特徴とする非接触型ICカード。 - 請求項1又は2記載の非接触型ICカードにおいて、前記インレットシートに切り欠きが形成された領域に、スリットが形成されることを特徴とする非接触型ICカード。
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