JP4961527B2 - 二輪車用電動スタンド装置 - Google Patents

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Description

本発明は、二輪車用電動スタンド装置に関し、特に、停車時と駐車時とでスタンドの出し入れストロークを違えて地面に対する車体の保持状態を変更することできる二輪車用電動スタンド装置に関する。
停車時に自動二輪車を自立させておく装置として、車体をほぼ直立状態で支持させるため車体直下に支え棒(スタンド)を伸長させるメインスタンド装置や、フレームボディから車体の幅方向左下方にスタンドを伸長させるサイドスタンド装置が知られる。
サイドスタンド装置は、車体をスタンドが設けられた側(一般に左側)に傾斜して自立させるので、例えば、荷台に荷の積み降ろしを行う場合、荷がずり落ちないように気配りしながら作業しなければならないという場合があった。
これに対して、メインスタンド装置では、車体をほぼ直立させられるので、荷のずり落ちに対する気配りはあまり必要ない。しかし、メインスタンド装置では、荷を積んだままスタンドを立てるには大きい力が必要な場合がある。
そこで、機械的な動力を使ってメインスタンド装置を自動的に作動させるようにしたオートスタンド装置が考案されている。特開2003−285784号公報には、エンジン始動用のスタータモータの動力を用いてスタンドを起立させるようにした二輪車用スタンド装置が開示されている。この装置によれば、スタータモータの大きい動力を利用しているので、後輪を容易に路面から浮かせて車体を自立させることができる。
また、特開2001−260964号公報には、スタンドを起立させるときには油圧または空圧シリンダの動力を用い、スタンドを格納させるときは電動モータを用いるようにした二輪車のオートスタンド装置が開示されている。
特開2003−285784号公報 特開2001−260964号公報
サイドスタンド装置は、一般に短時間の停車時に使用されることが多く、メインスタンド装置はライダが車から離れた状態で比較的長時間自動二輪車を停止させておく場合、つまり駐車時に使用されることが多い。自動二輪車では、サイドスタンド装置およびメインスタンド装置の双方を備えるのが一般的である。ここで、車体を持ち上げながらメインスタンドを立てるのは力の要る作業であり、負荷の軽減が要望される。特許文献1、2に記載された電動式スタンド装置はこの要望に応えるものである。
一方、交差点での停車時や激しい交通渋滞時の停車時等、ライダが足を地面に着けて車体を保持する場合の負荷も大きいため、この負荷を軽減させたいという要望もある。
しかし、従来は比較的大きい力を必要とするメインスタンド装置の自動化だけが検討されており、あまり大きい力を必要としないサイドスタンド装置については余り考慮されていなかった。
そこで、サイドスタンド装置についても自動化が考えられるが、サイドスタンド装置とメインスタンド装置の双方を自動化するためには、装置が大がかりになるおそれがある。また、停車時および駐車時のいずれにおいても使用されるスイッチが操作性の高いものであることが要望される。
本発明の目的は、上記スタンド装置の自動化に対する要望に応えることができる二輪車用電動スタンド装置を提供することにある。
前記目的を達成するための本発明は、スタンドを車体から下方に自動的に回動させて車体を自立させるための二輪車用スタンド装置において、車輪が地面から離れている駐車状態および車輪が着地している停車状態のそれぞれで車体を自立させることができるように、前記スタンドを予定の格納位置から下方へ回動させるとともに、格納位置まで復帰させるアクチュエータと、前記停車状態で車体を自立させるために前記アクチュエータに指示を与える停車スイッチと、前記駐車状態で車体を自立させるために前記アクチュエータに指示を与える駐車スイッチと、前記停車状態および駐車状態を解除し、前記スタンドを前記格納位置に復帰させるために前記アクチュエータに指示を与えるスタンド格納スイッチとを具備し、前記停車スイッチを車両の右ハンドルグリップに隣接して配置し、前記駐車スイッチを車体のグラブレールに配置した点に第1の特徴がある。
また、本発明は、自動停車モードを選択する自動モード停車スイッチと、自動停車モードが選択されたときは、前記停車スイッチのオン操作に応答して前記スタンドを下方に予定量回動させて停車状態に対応させる自動停車制御部と、前記自動停車モードが選択されないときは、前記停車スイッチのオン操作が持続されている間前記スタンドを下方に回動させて停車状態に対応させるマニュアル停車制御部とを具備した点に第2の特徴がある。
また、本発明は、車体の左右に配されたフレームボディの部分に両端を支持されたスタンド支持シャフトと、前記支持シャフトに枢支されて上下方向に揺動自在に設けられた左スタンドおよび右スタンドと、前記左スタンドおよび前記右スタンドをそれぞれ上下方向に揺動駆動させるためのアクチュエータである左モータおよび右モータと、前記左モータの出力軸と前記左スタンドとを連結する左リンク機構と、前記右モータの出力軸と前記右スタンドとを連結する右リンク機構とを具備し、前記左リンク機構および前記右リンク機構が、前記フレームボディの部分を下方に迂回して配設されている点に第3の特徴がある。
第1の特徴を有する本発明によれば、スタンドがアクチュエータで自動的に駆動されるスタンド装置を、車輪を浮かせて自動二輪車を自立させる駐車時のみならず、車輪を着地させたまま自動二輪車を自立させる停車時にもアクチュエータを駆動してスタンドを自動的に下降させ、また自動的に格納位置に復帰させることができる。したがって、交差点での停車や道路渋滞時の停車等においてもスタンド装置を使用できるので、ライダが停車時に足で車体を支える負担を軽減することができる。
さらに、第1の特徴を有する本発明によれば、手動式スタンドで自動二輪車を自立させるときに行う動作と同様の動作でライダがスイッチを操作して自動スタンド装置を操作することができる。つまり、ハンドルグリップやグラブレールを掴んで車体を持ち上げながらスタンドを足で踏み込んでメインスタンドを立てるという操作の慣れが、自動式スタンド装置でも応用できる。
第2の特徴を有する本発明によれば、二輪車に設けられた左右一対のスタンドをそれぞれの専用モータで独立して駆動できるので、例えば、傾斜面で自動二輪車を自立させることもできる。また、スタンドを駆動させるモータの出力軸とスタンドが、スタンド支持シャフトを支持するフレームボディの部分を迂回してその下方に配置されているリンク機構で連結したので、フレームボディを大きく改変することなくスタンドのアクチュエータを配置することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る電動スタンド装置を備えた自動二輪車のフレーム構造を示す側面図であり、図3は平面図である。なお、図3では、車輪の図示は省略してある。自動二輪車1のフレームボディはヘッドパイプ2から下後方に伸長されたアッパチューブ3と、アッパチューブ3よりもさらに下方で後方に伸長しているロアチューブ4と、アッパチューブ3の後方に接合されてやや上向きで後方に伸長しているシートチューブ5と、シートチューブ5を下方から補強しているリアチューブ6とからなる。アッパチューブ3とロアチューブ4の前端はヘッドパイプ2に接合されている。各チューブ3、4、5、6にはフレームの形状を維持するための十分な強度を与えるためステー7、8、9、10等が溶接されている。なお、左右の各チューブ間は、図示しない交叉部材(クロスメンバ)で繋がれる。
アッパチューブ3およびロアチューブ4は、互いに後部で接合されており、その接合部位から後方にはスタンド装置取り付け用のブラケット(延伸部分)11が溶接されており、このブラケット11にはスタンド装置12が取り付けられている。
ヘッドパイプ2には、上下にステアリングシャフト13が貫通して支持されており、ステアリングシャフト13の上部には、ミラー14やグリップ15を備えて車体左右に延びたステアリングハンドル16が設けられている。さらに、ステアリングシャフト13の下部にはフロントフォーク17が結合され、フロントフォーク17には前輪18が軸支されている。
ステアリングハンドル16には、左右のグリップ15の近傍にはそれぞれ複数のスイッチを収容したスイッチハウジング61L、61Rが設けられる。車体左側のスイッチハウジング61Lには、ウィンカスイッチやホーンスイッチ等のほか、スタンド装置12を所定位置に格納するためのスタンド格納スイッチ53が収容される。一方、車体右側のスイッチハウジング61Rには、スタータスイッチやキルスイッチなどのほか、スタンド装置12のスタンド(後述)を着地位置に向けて動かせる停車スイッチ51が収容される。
シートチューブ5の後部には、リアクッション19が懸架されており、リアクッション19の下端は、図示しないパワーユニット(エンジン、変速機、減速機等を含む)の後部が連結される。後輪20はパワーユニットに支持される。パワーユニットの直前に相当する位置のアッパチューブ3とロアチューブ4との間には、エンジンの冷却水が循環されるラジエータ45が配置されている。
さらにシートチューブ5の後側部には、同乗者が乗車姿勢を安定させるために使用する把手(グラブレール)60が設けられる。グラブレール60は、スタンド装置12ではなく足踏み式(手動式)メインスタンド装置を装着した自動二輪車において、該手動式メインスタンド装置の操作時に車体後部を手で持ち上げるために使用するのに適した位置と同位置に取り付けられる。このグラブレール60には、駐車時に後輪20が地面から離れる位置までスタンド装置12のスタンドを動かせる駐車スイッチ52を組み入れることができる。グラブレール60に駐車スイッチを組み入れることによって、手動式メインスタンド装置の操作時にグラブレールを掴んで車体を持ち上げる操作と同様の操作によってスタンド装置12を操作することができる。なお、駐車時に後輪20が地面から離れるまでスタンド装置12を動かせるためのスタンドの回動量は予め設定しておく。
ボディフレームには、カウルもしくはボディカバー21が装着され、自動二輪車1の外形が形成される。また、自動二輪車1には図示しないECU(エンジン制御装置)が搭載される。ECUはエンジン回転数および車速とスタンド装置12の始動および格納のためのスイッチ操作に基づいてスタンド装置12を制御する。
図4はスタンド装置12の平面断面図であり、図5はスタンド装置12の側面断面図である。両図において、スタンド装置12は、車体左側に位置する左スタンド22と、車体右側に位置する右スタンド23と、左スタンド22および右スタンド23のそれぞれの駆動源である左モータ24および右モータ25を含む駆動装置とからなる。
左スタンド22および右スタンド23はスタンド支持シャフト26に支持され、このスタンド支持シャフト26を中心として上下方向に揺動自在に設けられる。スタンド支持シャフト26はアッパチューブ3の後端部に溶接された左右のブラケット11によって両端がそれぞれ固定されている。スタンド支持シャフト26の外周面には、スリーブ27、28、29、および30が遊嵌されている。スリーブ27は連結プレート31でスタンド支持シャフト26に連結され、スリーブ28は連結プレート32、33でスタンド支持シャフト26に連結される。また、スリーブ29は連結プレート34でスタンド支持シャフト26に連結され、スリーブ30は連結プレート35、36でスタンド支持シャフト26に連結される。
連結プレート32はスタンド22に左モータ24の動力を伝達するリンク機構の一要素であり、連結ピン37が立設されている。左モータ24の出力軸38には、連結ピン39を有する揺動レバー40が取り付けられ、連結ロッド41によってこの揺動レバー40の連結ピン39と連結プレート32の連結ピン37とが連結される。
連結ロッド41は、ナット部分41aとその両側に螺着されて互いに逆ねじが形成されたボルト部分41b、41cとからなっており、ナット部分41aを回動させることにより連結ロッド41の全長を調節することができる。
連結プレート32、連結ロッド41、揺動レバー40、連結ピン37および39等からなるリンク機構は、右スタンド23および右モータ25に関しても、左スタンド22および左モータ24に関するものと同様に構成される。図4において、連結プレート35を右モータ25の出力軸に連結する揺動レバー42と連結ロッド43とを示している。
左モータ24は、ロアチューブ4とブラケット11に接続されたモータ取付板44に装着されている。右モータ25も左モータ24と同様のモータ取付板に取り付けられる。モータ取付板44等は図6に関して後述する。左モータ24および右モータ25は、ラジエータ45の冷却風の流れを遮ることがないように、ラジエータ45よりも下方に配置される。
左右1対のブラケット11、11の間には、両端がこれらブラケット11、11に接合された補強チューブ46が掛け渡されていてスタンド支持シャフト26と協働してスタンド装置12のスタンド支持構造を強固に補強している。なお、リヤチューブ6には、図2に示すようにスタンド装置12の上方に位置するパワーユニット47が揺動自在に連結されている。
スタンド22には、その端部近傍において車体幅方向外側に向けて接合されたスタンドステップ62が設けられる。このスタンドステップ62は足踏み式スタンドにおいて足でスタンドに荷重を加える場合を想定し、その場合と同様の操作によって左モータ24および右モータ25を始動させることができるように設けるものであり、先端部に駐車スイッチ63を取り付けることができる。また、駐車スイッチ63はグラブレール60に取り付け駐車スイッチはいずれか一方を省略する二者択一にしてもよいし、両方に設けて、いずれか一方がオン操作されれば、その指示を有効とするようにしてもよい。
図5において、スタンド22(スタンド23も同様)は点線で示した下方位置(以下、「駐車時位置」という)22Lと2点鎖線で示した上方位置(以下、「スタンド格納位置」という)22Uとの間で揺動可能である。左モータ24および右モータ25は図示しない制御部に接続されており、後述するようにそれぞれに個別に通電してスタンド22、23を互いに独立して揺動させることができる。
駐車位置22Lでは後輪20が地面から離れ、実線で示す中間位置(以下、「接地位置」という)では後輪20が地面に接している。駐車時はスタンド22、23を駐車位置22Lまで回動して下方に移動し、停車時にはスタンド22、23を接地位置まで回動する。すなわち、駐車時は後輪が高さHだけ地面から浮くようにスタンド装置12は制御される。スタンド22、23がスタンド格納位置22Uにあるときは、自動二輪車1は走行可能状態である。なお、接地位置とスタンド格納位置22Uとの間の接地位置近傍にさらに位置(非接地位置)を設定し、後述の自動停車モードではこの非接地位置までスタンド22、23を自動的に下げるように制御する。
図6は、モータ取付板の斜視図である。左モータ24用のモータ取付板44には、このモータ取付板44をロアチューブ4に取り付けるための孔441とこのモータ取付板44を車体左側の前記ブラケット11に取り付けるための側面の孔442と、左モータ24をモータ取付板44に取り付けるための上面の孔443とが設けられる。一方、右モータ25用のモータ取付板48には、このモータ取付板48をロアチューブ4に取り付けるための孔481とこのモータ取付板48を車体右側の前記ブラケット11に取り付けるための側面の孔482と、右モータ25をモータ取付板48に取り付けるための上面の孔483とが設けられる。
上記構成において、左モータ24および右モータ25を駆動すると、それぞれの出力軸が回転し、揺動レバー40、42は揺動する。揺動レバー40、42の揺動は連結ロッド41、43を介してそれぞれ連結プレート32、35に伝達され、連結プレート32、35はスタンド支持シャフト26を中心に揺動される。その結果、スタンド22、23はスタンド格納位置22Uおよび駐車位置22Lの範囲で揺動される。
次に、スタンド装置12の制御部を説明する。図1はスタンド制御部のシステム構成を示すブロック図である。スタンド制御部49はECUの機能の一部でありマイクロコンピュータで構成することができる。スタンド制御部49へ指示信号を入力する手段として、自動停車モードスイッチ50、停車スイッチ51、駐車スイッチ52、およびスタンド格納スイッチ53が設けられる。自動停車モードスイッチ50は、例えば、自動二輪車1のステアリングハンドル16の近くに設けられるメータパネル内に設けることができる。停車スイッチ51は右側スイッチハウジング61Rに、スタンド格納スイッチ53は左側スイッチハウジング61にそれぞれ設けられ、駐車スイッチ52はグラブレール60に設けられる。なお、ここではグラブレール60に設けた駐車スイッチ52を示すが、スタンドステップ62に設ける駐車スイッチ63およびこのグラブレール60に設けた駐車スイッチ52は、上述のようにいずれを使っても良い。
スタンド装置12の作動を許可する条件を判断するためのセンサ信号入力手段として車速センサ54とエンジン回転数センサ55とが設けられる。車速センサ54は、エンジンの変速装置による一次減速後のギヤの回転数を検出する。エンジン回転数センサ55は、エンジンのクランク軸に取り付けられる駆動ギヤの回転数を検出する。スタンド22、23が駐車位置にあること、あるいはスタンド22、23が接地位置にあることをそれぞれ表示する駐車インジケータ56および停車インジケータ57を設ける。駐車インジケータ56と停車インジケータ57はいずれもメータパネル内に設けるのがよい。
スタンド制御部49の自動停車判断部491は自動停車モードスイッチ50がオンかオフかで自動停車モードか否かを判断する。自動停車モードスイッチ50がオンになっている場合は自動停車制御部492が付勢され、スタンド22、23が非接地位置に下降するまで左モータ24および右モータ25へ駆動信号が入力される。この駆動信号は車速が停車とみなすことができる予定速度(例えば毎時2km)以下になったときに有効となり、車速が予定速度以上では無効となり、スタンド22、23はスタンド格納位置に戻される。車速判断部493は、車速センサ54からの入力によって車速が例えば毎時2km以下か否かを判断し、車速が毎時2km以下になれば第1車速信号を出力し、ゲートG1を開いて駆動信号を左モータ24および右モータ25に入力できるようにする。
自動停車制御部492で自動停車モードでないと判断した場合は、マニュアル停車制御部494が付勢される。マニュアル停車制御部494は停車スイッチ51がオン操作されたときに左モータ24および右モータ25へ駆動信号を入力し、スタンド22、23を接地位置まで下降させる。スタンド22、23が地面に接したか否かは、左モータ24および右モータ25の負荷が所定値以上になったか否かで判断することができる。マニュアル停車制御部494にも車速判断部493から車速に応じて動作するインタロックがかけられる。つまり、車速が例えば毎時2km以上では、ゲートG2が開かないようにして停車スイッチ51がオン操作されてもマニュアル停車制御部494は駆動信号を出力しない。
駐車制御部495は、駐車スイッチ52がオンになったときに、左モータ24および右モータ25へ駆動信号を入力し、スタンド22、23を駐車位置22Lまで下降させる。駐車制御部495は車速が毎時0kmであってエンジンも停止している場合にのみ付勢される。車速判断部493は車速が毎時0km以下で第2車速信号を出力する。エンジン回転判断部496はエンジン回転数センサ55が出力信号を生じていないとき、つまりエンジンが回転していないときにオン信号を出力する。車速判断部493およびエンジン回転判断部496の双方からオン信号が入力されたときにゲートG3が開くようにして駆動信号が左モータ24および右モータ25に入力される。
スタンド格納制御部497は、スタンド格納スイッチ53がオンになったときに、スタンド22、23を格納位置へ動かせるため左モータ24および右モータ25に反転駆動信号を入力する。この反転駆動信号(逆回転信号)を駆動信号(正回転信号)に優先させるためゲートG4を設け、逆回転信号が出力されているときは、正回転信号は左モータ24および右モータ25に入力されない。
上述のように、本実施形態では左スタンド22および右スタンド23を、それぞれ専用のモータをアクチュエータとして格納位置から停車位置および駐車位置まで回動可能に構成した。このように左右のスタンドを個別に回動させるようにしたので、例えば左右のスタンドの回動量つまりスタンドの下降量を変えて、傾斜面においても車体を直立させるように制御することが可能である。しかし、本発明は、スタンド22、23を一体にして単一のモータで駆動させるように変形してもよい。要は、停車および駐車時に対応したスタンド装置の機能を単一の装置で実現できるようにし、かつ手動式スタンド装置で従来操作してきた手や足の動きをそのまま踏襲できるように、ステアリングハンドルやスタンドステップ、あるいはグラブレールにスタンド装置の操作スイッチを配してあればよい。
本発明の一実施形態に係る二輪車用スタンド装置のシステム構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る二輪車用スタンド装置を備えた自動二輪車のフレーム構造を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る二輪車用スタンド装置を備えた自動二輪車の平面図である 本発明の一実施形態に係る二輪車用スタンド装置の平面図である。 本発明の一実施形態に係る二輪車用スタンド装置の側面図である。 モータ取付板の平面図である。
符号の説明
1…自動二輪車、 11…スタンド装着用ブラケット、 12…スタンド装置、 22…左スタンド、 23…右スタンド、 24…左モータ、 25…右モータ、 49…制御部、 50…自動停車モードスイッチ、 51…停車スイッチ、 52…駐車スイッチ、 53…スタンド格納スイッチ、 54…車速センサ、 55…エンジン回転数センサ、 63…駐車スイッチ

Claims (3)

  1. スタンドを車体から下方に自動的に回動させて車体を自立させるための二輪車用電動スタンド装置において、
    車輪が地面から離れている駐車状態および車輪が着地している停車状態のそれぞれで車体を自立させることができるように、前記スタンドを予定の格納位置から下方へ回動させるとともに、格納位置まで復帰させるアクチュエータと、
    前記停車状態で車体を自立させるために前記アクチュエータに指示を与える停車スイッチ(51)と、
    前記駐車状態で車体を自立させるために前記アクチュエータに指示を与える駐車スイッチ(52)と、
    前記停車状態および駐車状態を解除し、前記スタンドを前記格納位置に復帰させるために前記アクチュエータに指示を与えるスタンド格納スイッチ(53)とを具備し、
    前記停車スイッチ(51)を車両の右ハンドルグリップに隣接して配置し、前記駐車スイッチ(52)を車体のグラブレール(60)に配置したことを特徴とする二輪車用電動スタンド装置。
  2. 自動停車モードを選択する自動モード停車スイッチ(50)と、
    自動停車モードが選択されたときは、前記停車スイッチ(51)のオン操作に応答して前記スタンドを下方に予定量回動させて停車状態に対応させる自動停車制御部(492)と、
    前記自動停車モードが選択されないときは、前記停車スイッチ(51)のオン操作が持続されている間前記スタンドを下方に回動させて停車状態に対応させるマニュアル停車制御部(494)とを具備したことを特徴とする請求項1記載の二輪車用電動スタンド装置。
  3. 車体の左右に配されたフレームボディの部分に両端を支持されたスタンド支持シャフト(26)と、
    前記スタンド支持シャフト(26)に枢支されて上下方向に揺動自在に設けられた左スタンド(22)および右スタンド(23)と、
    前記左スタンド(22)および前記右スタンド(23)をそれぞれ上下方向に揺動駆動させるためのアクチュエータである左モータ(24)および右モータ(25)と、
    前記左モータ(24)の出力軸と前記左スタンド(22)とを連結する左リンク機構と、
    前記右モータ(25)の出力軸と前記右スタンド(23)とを連結する右リンク機構とを具備し、
    前記左リンク機構および前記右リンク機構が、前記フレームボディの部分を下方に迂回して配設されていることを特徴とする請求項記載の二輪車用電動スタンド装置。
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