JP4959993B2 - プリンタ - Google Patents

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Description

本発明は、プリンタに関し、詳しくはキャリアによって保持されて移動される印刷ヘッドを有し、該印刷ヘッドがメンテナンス時には印刷時の往復移動範囲外に設けられたワイパ部材を越えて停止位置へ移動されるプリンタに関する。
印刷ヘッドを保持するキャリアがギアとプーリとの間に張設された無端ベルトに連結され、該無端ベルトが駆動用のDCモータによって走行されることによって印刷ヘッドが用紙の送り方向と直交する方向(主走査方向)に往復移動されるインクジェットプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。このインクジェットプリンタでは、印刷ヘッドが印刷時に往復移動する範囲の外側にワイパ部材やキャップを有するメンテナンス部が備えられ、メンテナンス時には、印刷ヘッドがメンテナンス部に移動されて、印刷ヘッドに対するワイパ部材の接触による印刷ヘッドのクリーニングや印刷ヘッドへのキャップの嵌合等のメンテナンス動作が行われるように構成されている。
また、同じくインクジェットプリンタにおいて、メンテナンス部における印刷ヘッドの停止位置が正確になるようにしてキャッピング動作等のメンテナンス動作が常に正常に行われるようにするために、メンテナンス部へと移動された印刷ヘッドのキャリッジに位置決め用のピンが押付けられるように構成されるプリンタが知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、同じくインクジェットプリンタにおいて、キャリアがホームポジション(メンテナンス領域)にある状態で、リバース方向への移動を指示するコマンドが発せられた場合に、そのコマンドがそのまま実行されてキャリアが筐体壁に衝突するのを防止するために、キャリアの移動を制御する制御部が、キャリアがホームポジションにある場合には、リバース方向への移動を指示するコマンドを無視するように構成されたプリンタが知られている(例えば、特許文献3参照)。
実用新案登録第3085839号公報 特開2000−158740号公報 特開2002−347228号公報
上記のような構成のプリンタにおいて、メンテナンス時の動作が、キャリアに保持された印刷ヘッドがワイパ部材に接触しながら外側へ移動され、キャリアがワイパ部材を越えた所定の停止位置に停止された後に下方から上昇されるキャップによって印刷ヘッドがキャッピングされるように構成されたプリンタも知られている。
一方、プリンタにおけるキャリアの移動動作は、一般的に駆動源のDCモータが制御部(マイクロコンピュータ)によってPI(比例・積分)制御されることによって行われ、キャリアがメンテナンス時に上記の通りの動作を行うプリンタにおいて次に述べる問題が生じる場合があった。
すなわち、メンテナンス時にキャリアが上記の通りの移動動作を行うプリンタの場合には、キャリアが停止位置に停止される直前に印刷ヘッドに対してワイパ部材が接触するので、停止位置に近づいてきたキャリアは一旦速度を低下させられ、この速度低下を補うように制御部によってDCモータの出力が増加されるが、実際にキャリアの速度が増加されるには時間遅れが伴い、却って停止位置の直近での移動速度が過大となってしまい、キャリアが正確な停止位置に停止できない場合が生じる虞があった。キャリアが正確な停止位置に停止されないことによって、印刷ヘッドに対するキャップの嵌合が良好になされない虞がある。
また、一方、プリンタの筐体は、コンパクト化が追求されており、キャリアの停止位置と筐体の内壁との間の余裕間隔がごく僅かであることが多く、キャリアが停止位置直近における過大な移動速度によって本来の停止位置で停止できず、停止位置をオーバーランすることによって筐体の内壁に衝突してしまうことがあり、この衝突によって発生する異音が製品の品質を低下させることになるといった問題もある。
キャリアの停止位置直近における上述の動作について、図6(a)を参照して説明する。図6(a)は、横軸にキャリアの移動方向に沿った距離を示し、縦軸に移動速度を示す。キャリアは、印刷ヘッドがワイパ部材に接触する位置に到達するまではほぼ一定の速度で移動され、印刷ヘッドがワイパ部材に接触することによって速度が低下される。ワイパ部材が印刷ヘッドに接触する区間がワイピング区間として示される。
そして、この速度低下によってPI制御における残留偏差(キャリアと停止位置との距離)が減少するための時間が余分にかかるようになり、I(積分)制御は残留偏差の時間に関する積分値に依存するので、制御部は、徐々にDCモータの出力を増加してキャリアの速度を上昇させようとする。ところが、実際にキャリアの速度が上昇されるのは、ワイパ部材による印刷ヘッドへの接触抵抗がごく小さくなってから(ワイピング区間の最終付近から)であり、ワイピング区間の最終付近から、遅れを取戻すように急激に増加されたキャリアの速度は、ワイピング区間を過ぎた後の停止位置までの距離が短いことから、停止位置を過ぎても充分に低下しきれず、キャリアは停止位置を過ぎてしまう。
そこで、本発明は、キャリアによって保持されて移動される印刷ヘッドを有し、該印刷ヘッドがメンテナンス時には印刷時の往復移動範囲外に設けられたワイパ部材に接触しつつ移動されるプリンタにおいて、印刷ヘッドがワイパ部材に接触するときのキャリアの移動速度の低下が防止され、ワイパ部材を越えた後にキャリアが遅れて増速されることが抑えられて、キャリアが円滑に正確な停止位置に停止され、キャッピングの不良やキャリアが筐体の内壁に衝突して異音が発生する等の不具合が生じることが防止されるプリンタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、印刷ヘッドを保持するキャリアと、前記キャリアを用紙の送り方向とは直交する方向(以下、主走査方向という)に沿って案内するガイド機構と、前記ガイド機構によって案内される前記キャリアの印刷時の往復移動範囲外に備えられ、前記キャリアに保持されて移動される前記印刷ヘッドに接触して該印刷ヘッドをクリーニングするワイパ部材と、前記キャリアを前記主走査方向に沿って往復動作させるDCモータを駆動源とする駆動機構と、前記キャリアの前記ガイド機構に沿う現在位置を検出する位置検出装置と、前記位置検出装置によって検出される前記キャリアの現在位置に基づいて前記DCモータをPI制御して、メンテナンス時に、前記キャリアを前記ワイパ部材が備えられた位置を越えた所定の停止位置まで移動させて停止させる制御手段を備えるプリンタにおいて、前記メンテナンス時に前記制御手段が前記キャリアを前記ワイパ部材に接近するように移動させるとき、前記キャリアに保持された前記印刷ヘッドが前記ワイパ部材に接触される位置に到達したか否かを検出するワイピング位置到達検出手段と、前記制御手段が前記DCモータをPI制御して前記キャリアを移動させるときの、所定周期ごとの前記キャリアが到達すべき目標位置を設定する目標位置設定手段と、前記ワイピング位置到達検出手段によって前記キャリアに保持された前記印刷ヘッドが前記ワイパ部材に接触する位置に到達したと判断される場合に、前記位置検出装置によって検出される前記キャリアの現在位置と前記目標位置との差を算出して初期遅れ量として設定する初期遅れ量設定手段と、前記ワイピング位置到達検出手段によって前記キャリアに保持された前記印刷ヘッドが前記ワイパ部材に接触する位置に到達したと判断された後の前記所定周期ごとに、前記位置検出装置によって検出される前記キャリアの現在位置と前記目標位置との差を算出して現遅れ量として検出する遅れ量検出手段と、前記遅れ量検出手段によって検出された現遅れ量から前記初期遅れ量を減算して実遅れ量として検出する実遅れ量検出手段と、前記実遅れ量検出手段によって検出された実遅れ量が、前記目標位置の周期ごとの変化量の2倍以上か否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって前記実遅れ量が、前記目標位置の周期ごとの変化量の2倍以上であると判断されるときに、前記遅れ量に比例させて前記DCモータの出力を増加させるモータ出力増加手段を備え、前記メンテナンス時に前記印刷ヘッドが前記ワイパ部材に接触するときの前記キャリアの移動速度の低下が防止され、前記キャリアが前記停止位置に停止されることを特徴とする。
請求項2の発明は、印刷ヘッドを保持するキャリアと、前記キャリアを用紙の送り方向とは直交する方向(以下、主走査方向という)に沿って案内するガイド機構と、前記ガイド機構によって案内される前記キャリアの印刷時の往復移動範囲外に備えられ、前記キャリアに保持されて移動される前記印刷ヘッドに接触して該印刷ヘッドをクリーニングするワイパ部材と、前記キャリアを前記主走査方向に沿って往復動作させる駆動機構と、前記キャリアの前記ガイド機構に沿う現在位置を検出する位置検出装置と、前記位置検出装置によって検出される前記キャリアの現在位置に基づいて前記駆動機構を制御して、メンテナンス時に、前記キャリアを前記ワイパ部材が備えられた位置を越えた所定の停止位置まで移動させて停止させる制御手段を備えるプリンタにおいて、前記メンテナンス時に前記制御手段が前記キャリアを前記ワイパ部材に接近するように移動させるとき、前記キャリアに保持された前記印刷ヘッドが前記ワイパ部材に接触される位置に到達したか否かを検出するワイピング位置到達検出手段と、前記ワイピング位置到達検出手段によって前記キャリアに保持された前記印刷ヘッドが前記ワイパ部材に接触する位置に到達したと判断される場合に、前記キャリアの移動速度が、前記印刷ヘッドの前記ワイパ部材への接触によって低下されているか否かを検出する速度低下検出手段と、前記速度低下検出手段によって前記キャリアの移動速度が低下されていると判断される場合に前記駆動機構の出力を増加させる出力増加手段を備え、前記メンテナンス時に前記印刷ヘッドが前記ワイパ部材に接触するときの前記キャリアの移動速度の低下が防止され、前記キャリアが前記停止位置に停止されることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記速度低下検出手段が、一定周期ごとの前記キャリアの遅れ量を検出する遅れ量検出手段と、前記遅れ量検出手段によって検出される遅れ量が所定量以上である場合に、前記キャリアの移動速度が低下されていると判断する判断手段と、をさらに備えることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、メンテナンス時に印刷ヘッドがワイパ部材に接触する位置に到達した以後、所定の周期ごとにキャリアが到達すべき目標位置と現在位置との差に基づいて実遅れ量が検出され、その実遅れ量が前記目標位置の周期ごとの変化量の2倍以上である場合には、キャリアの駆動用DCモータの出力が増加されるので、印刷ヘッドがワイパ部材に接触するときのキャリアの移動速度の低下が防止され、ワイパ部材を越えた後にキャリアが遅れて増速されることが抑えられて、キャリアが円滑に正確な停止位置に停止され、キャッピングの不良やキャリアが筐体の内壁に衝突して異音が発生する等の不具合が生じることが防止される。
請求項2の発明によれば、メンテナンス時に印刷ヘッドがワイパ部材に接触する位置に到達した以後、キャリアの移動速度が低下されていることが検出されると、キャリアの駆動機構の出力が増加されるので、印刷ヘッドがワイパ部材に接触するときのキャリアの移動速度の低下が防止され、ワイパ部材を越えた後にキャリアが遅れて増速されることが抑えられて、キャリアが円滑に正確な停止位置に停止され、キャッピングの不良やキャリアが筐体の内壁に衝突して異音が発生する等の不具合が生じることが防止される。
請求項3の発明によれば、メンテナンス時に印刷ヘッドがワイパ部材に接触する位置に到達した以後、所定の周期ごとにキャリアの遅れ量が検出され、その遅れ量が所定量以上である場合には、キャリアの駆動機構の出力が増加されるので、印刷ヘッドがワイパ部材に接触するときのキャリアの移動速度の低下が防止され、ワイパ部材を越えた後にキャリアが遅れて増速されることが抑えられて、キャリアが円滑に正確な停止位置に停止され、キャッピングの不良やキャリアが筐体の内壁に衝突して異音が発生する等の不具合が生じることが防止される。
以下、本発明の一実施形態に係るプリンタについて、図1乃至図5及び図6(b)を参照して説明する。
本実施形態のプリンタ1は、図1に示されるように、印刷ヘッド2を保持するキャリア3と、キャリア3を用紙の送り方向とは直交する方向X(以下、主走査方向という)に沿って案内するガイドレール4等から構成されるガイド機構5と、ガイド機構5によって案内されるキャリア3の印刷時の往復移動範囲Eの外側に備えられ、印刷ヘッド2の下面(インク吐出面)に接触してインク吐出ノズルをクリーニングするゴム等の弾性体から構成されるワイパ部材6と、ワイパ部材6に隣接して設けられワイパ部材6を越えて外側に移動された印刷ヘッド2に対してキャップ7を被せるキャッピング装置8と、キャリア3を主走査方向Xに沿って往復動作させるDCモータ9を駆動源とする駆動機構11と、ガイド機構5に沿ったキャリア3の現在位置を検出する位置検出装置12、及びそれらを収納する筐体13を備えている。
さらに、駆動機構11は、DCモータ9の回転軸に固定されたギア14とプーリ15との間に張設された無端ベルト16を備え、無端ベルト16の一箇所がキャリア3に連結されることによって、DCモータ9が回転されると無端ベルト16が走行し、キャリア3が主走査方向Xに沿って移動されるように構成されている。DCモータ9は、後述の制御装置に接続され、制御装置からの出力信号によって回転が制御される。
位置検出装置12は、主走査方向Xに平行に延び一定間隔でスリットが形成されたリニアエンコーダ17と、キャリア3に取付けられリニアエンコーダ17のスリットを光の透過又は反射信号によって検出し、検出した信号を後述の制御装置へ送出する読取装置18を備える。
次に、本実施形態のプリンタ1における制御装置を含む電気的構成について説明する。本実施形態におけるプリンタ1は、図2に示されるように、マイクロコンピュータから構成される制御装置21と、ユーザが操作することによって当該プリンタ1の電源の入切りやメンテナンス動作を指示するコマンド等の種々のコマンドを入力することができる操作部22と、制御装置21からの信号によって回転が制御されローラ軸等の伝達機構を介して用紙が送られるフィードモータ23と、当該プリンタ1の基本的な印刷動作やキャリア3の移動制御のためのプログラム等が格納されるROM24と、DCモータ9の出力調整手順を実行するときの算出結果等を一時的に記憶するRAM25を備えている。制御装置21はホストパソコン26に接続され、ホストパソコン26からのコマンドによっても種々の動作を行うことが可能であり、ホストパソコン26から入力される印刷データを印刷することが可能である。
また、制御装置21は、読取装置18から入力される信号によってキャリア3の現在位置を認識し、認識したキャリア3の現在位置に基づいてDCモータ9へ出力信号を送りキャリア3の移動を制御する。つまり、制御装置21とDCモータ9と位置検出装置12によってフィードバック制御系が構成されている。このフィードバック制御系によって、印刷時及びメンテナンス時にキャリア3が主走査方向Xに沿って一定速度で移動され、所定の停止位置に徐々に減速しつつ停止される。
次に、本実施形態のプリンタ1におけるメンテナンス時の動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。まず、制御装置21は、操作部22又はホストパソコン26からのメンテナンスを指示するコマンドの入力が有るか否かを判断し(S1)、メンテナンスコマンドの入力が有れば(S1においてYES)、印刷時の往復移動範囲Eにあるキャリア3を該往復移動範囲Eから停止位置方向(図1における左方)へ向けて移動させる(S2)。このときの移動制御は、PI制御に基づいて行われる。
さらに、制御装置21は、キャリア3が停止位置に到達したか否かを判断し(S3)、停止位置に到達したと判断される場合(S3においてYES)は、キャリア3を停止させてキャッピング動作を行う(S4)。
そして、S2におけるキャリア3の停止位置方向への移動制御においてDCモータ9への出力を調整するための割込み処理が一定の短い周期ごとに実行される。本実施形態のプリンタ1では、2msecの周期であるが、他の時間周期であってもよい。
次に、このDCモータ9への出力を調整するための割込み処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。まず、制御装置21は、PI制御によってほぼ一定速度で移動されているキャリア3がワイパ部材6の設けられた位置(ワイピング区間)に到達したか否かを判断し(S11)、到達したと判断されない場合(S11においてNO)には、割込み処理を終了し、到達したと判断される場合(S11においてYES)には、その割込み処理時点でのキャリア3の目標位置と現在位置の差が設定されているか否かが判断される(S12)。
キャリア3の目標位置と現在位置の差が設定されていない場合(S12においてNO)には、その割込み処理が最初の周期であるので、キャリア3の目標位置と現在位置の差が算出され初期遅れ量として設定され(S13)、割込み処理が終了される。設定された初期遅れ量は、RAMに記憶される。
制御装置21は、キャリア3を一定速度で移動するように制御し、キャリア3の一定周期(2msec)ごとの到達すべき目標位置を認識しているので、その目標位置と、位置検出装置12から得られる現在位置に基づいてキャリア3の目標位置と現在位置の差が算出される。このS13における処理については、後に図5を参照して具体的に説明する。
S12においてキャリア3の目標位置と現在位置の差が設定されている場合(S12においてYES)には、その割込み処理は2回目以降の周期であり、その周期におけるキャリア3の目標位置と現在位置の差が算出され、現遅れ量として記憶される(S14)。そして、算出された現遅れ量が、最初の周期において設定された初期遅れ量に対して目標位置の2周期分の変化量以上か否かが判断される(S15)。つまり、現遅れ量から初期遅れ量を減算した値が、実際にキャリア3がワイピング区間に進入してから以後の実遅れ量であり、この実遅れ量が目標位置の2周期分の変化量以上か否かが判断される。
目標位置の2周期分の変化量は、キャリアが2周期(4msec)経る間に移動するべき量であって、制御装置21が事前に算出し、RAM25等に記憶する。このS15における判断についても後に図5を参照して具体的に説明する。なお、この目標位置の2周期分の変化量は、予め固定値としてROM24に記憶させておいてもよい。
実遅れ量が目標位置の2周期分の変化量以上ではないと判断される場合(S15においてNO)、キャリア3の実質的な速度低下は生じていないと判断されて割込み処理が終了される。実遅れ量が目標位置の2周期分の変化量以上であると判断される場合(S15においてYES)には、キャリア3の実質的な速度低下が生じていると判断されて現遅れ量に比例する分量だけDCモータへの出力が増加される(S16)。
次に、DCモータ9への出力を調整するための割込み処理について、図5を参照して具体的に説明する。なお、図5における目標位置、現在位置等の具体的な数値は、説明の便宜上単純化した数値とされている。
図5の表において上から順に2msecごとの各周期における目標位置と現在位置及び目標位置と現在位置の差(現遅れ量)等が示される。制御装置21は、1周期目の割込み処理において、その時点におけるキャリアの目標位置が「10」であることを認識しており、一方位置検出装置12から得られるキャリア3の現在位置が「9」であるので、両者の差「1」が初期遅れ量として設定される。
2周期目の割込み処理において、制御装置21は、その時点におけるキャリア3の目標位置が「11」であることを認識しており、一方位置検出装置12から得られるキャリア3の現在位置が「10」であるので、両者の差「1」が現遅れ量として記憶される。そして、この現遅れ量「1」と1周期目において設定された初期遅れ量「1」の差が、実際にキャリア3がワイピング区間に進入してから生じた遅れ量であり、実遅れ量「0」として認識される。
3周期目の割込み処理において、制御装置21は、その時点におけるキャリア3の目標位置が「12」であることを認識しており、一方位置検出装置12から得られるキャリア3の現在位置が「10」であるので、両者の差「2」が現遅れ量として記憶される。そして、この現遅れ量「2」と1周期目において設定された初期遅れ量「1」の差が、実際にキャリア3がワイピング区間に進入してから生じた遅れ量であり、実遅れ量「1」として認識される。
4周期目の割込み処理において、制御装置21は、その時点におけるキャリア3の目標位置が「13」であることを認識しており、一方位置検出装置12から得られるキャリア3の現在位置が「10」であるので、両者の差「3」が現遅れ量として記憶される。そして、この4周期目の実遅れ量は「2」であるので、目標位置の2周期分の変化量「2」以上であり、DCモータ9の出力が現遅れ量「3」に比例する分量だけ増加される。
DCモータ9の出力が増加されることによってキャリアの速度が増加され、次の5周期目の割込み処理において、現在位置が「12」に改善され、現遅れ量が「2」、実遅れ量が「1」に改善される。
以後、同様に7周期目と8周期目における実遅れ量が目標位置の2周期分以上であるので、DCモータ9の出力がそれぞれ現遅れ量「3」及び「4」に比例する分量だけ増加されキャリア3の速度が増加されて、9周期目と10周期目においては、実遅れ量がそれぞれ「1」及び「0」に改善される。
以上のように、制御装置21は、短い周期ごとに検出される実遅れ量に基づいてキャリア3が実質的に速度低下を生じたか否かを判断し、速度低下が生じていると判断される場合には、DCモータ9への出力が増加されるので、キャリア3の速度低下はごく短い時間のうちに解消される。
次に、本実施形態のプリンタ1において、キャリア3がワイピング区間を通過して停止位置に停止されるまでの移動動作について、図6(b)を参照して説明する。図6(b)は、横軸にキャリア3の移動方向に沿った距離を示し、縦軸に移動速度を示す。キャリア3は、ワイピング区間に到達するまでほぼ一定の速度で移動され、ワイピング区間においても、制御装置21による上述の制御によってほぼ一定の速度で移動される。従って、ワイピング区間の全体を通じてキャリア3の遅れが生じないので、ワイピング区間を通過した後においてキャリア3の速度が急激に増加されてしまうことがなく、停止位置が近づくとPI制御によって円滑に減速されて所定の停止位置に正確に停止される。
また、キャリア3が所定の停止位置に正確に停止されるので、印刷ヘッドに対するキャップの嵌合が良好になされ、キャリア3の停止位置と筐体13の内壁との間の余裕間隔が僅かであっても、キャリア3が停止位置をオーバーランすることによって筐体13の内壁に衝突して異音が発生するといったトラブルが防止される。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られることなく、種々の変形が可能である。例えば、本実施形態では、キャリア3の遅れ量が一定の周期ごとに検出され、その遅れ量が所定量以上になったときにDCモータ9への出力が増加されるように構成されたが、キャリア3の遅れ量を検出する周期は一定でなくともよいし、比較すべき所定量は固定量でなくてもよく、例えば時間経過に応じて変化する値であってもよい。
本発明の一実施形態に係るプリンタの概略構成図。 同プリンタの電気的構成を示すブロック図。 同プリンタにおけるメンテナンス時の処理手順を示すフローチャート。 同メンテナンス時の処理手順において割込みされるDCモータの出力調整手順を示すフローチャート。 同DCモータの出力調整手順における具体的な数値例を示す図。 (a)は、従来装置におけるメンテナンス時のキャリアの移動動作を表す図、(b)は、本発明の一実施形態に係るプリンタにおけるメンテナンス時のキャリアの移動動作を表す図。
符号の説明
1 プリンタ
2 印刷ヘッド
3 キャリア
5 ガイド機構
6 ワイパ部材
9 DCモータ
11 駆動機構
12 位置検出装置
21 制御装置(制御手段、ワイピング位置到達検出手段、目標位置設定手段、初期遅れ量設定手段、遅れ量検出手段、実遅れ量検出手段、判断手段、モータ出力増加手段)

Claims (3)

  1. 印刷ヘッドを保持するキャリアと、
    前記キャリアを用紙の送り方向とは直交する方向(以下、主走査方向という)に沿って案内するガイド機構と、
    前記ガイド機構によって案内される前記キャリアの印刷時の往復移動範囲外に備えられ、前記キャリアに保持されて移動される前記印刷ヘッドに接触して該印刷ヘッドをクリーニングするワイパ部材と、
    前記キャリアを前記主走査方向に沿って往復動作させるDCモータを駆動源とする駆動機構と、
    前記キャリアの前記ガイド機構に沿う現在位置を検出する位置検出装置と、
    前記位置検出装置によって検出される前記キャリアの現在位置に基づいて前記DCモータをPI制御して、メンテナンス時に、前記キャリアを前記ワイパ部材が備えられた位置を越えた所定の停止位置まで移動させて停止させる制御手段を備えるプリンタにおいて、 前記メンテナンス時に前記制御手段が前記キャリアを前記ワイパ部材に接近するように移動させるとき、前記キャリアに保持された前記印刷ヘッドが前記ワイパ部材に接触される位置に到達したか否かを検出するワイピング位置到達検出手段と、
    前記制御手段が前記DCモータをPI制御して前記キャリアを移動させるときの、所定周期ごとの前記キャリアが到達すべき目標位置を設定する目標位置設定手段と、
    前記ワイピング位置到達検出手段によって前記キャリアに保持された前記印刷ヘッドが前記ワイパ部材に接触する位置に到達したと判断される場合に、前記位置検出装置によって検出される前記キャリアの現在位置と前記目標位置との差を算出して初期遅れ量として設定する初期遅れ量設定手段と、
    前記ワイピング位置到達検出手段によって前記キャリアに保持された前記印刷ヘッドが前記ワイパ部材に接触する位置に到達したと判断された後の前記所定周期ごとに、前記位置検出装置によって検出される前記キャリアの現在位置と前記目標位置との差を算出して現遅れ量として検出する遅れ量検出手段と、
    前記遅れ量検出手段によって検出された現遅れ量から前記初期遅れ量を減算して実遅れ量として検出する実遅れ量検出手段と、
    前記実遅れ量検出手段によって検出された実遅れ量が、前記目標位置の周期ごとの変化量の2倍以上か否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段によって前記実遅れ量が、前記目標位置の周期ごとの変化量の2倍以上であると判断されるときに、前記遅れ量に比例させて前記DCモータの出力を増加させるモータ出力増加手段を備え、
    前記メンテナンス時に前記印刷ヘッドが前記ワイパ部材に接触するときの前記キャリアの移動速度の低下が防止され、前記キャリアが前記停止位置に停止されることを特徴とするプリンタ。
  2. 印刷ヘッドを保持するキャリアと、
    前記キャリアを用紙の送り方向とは直交する方向(以下、主走査方向という)に沿って案内するガイド機構と、
    前記ガイド機構によって案内される前記キャリアの印刷時の往復移動範囲外に備えられ、前記キャリアに保持されて移動される前記印刷ヘッドに接触して該印刷ヘッドをクリーニングするワイパ部材と、
    前記キャリアを前記主走査方向に沿って往復動作させる駆動機構と、
    前記キャリアの前記ガイド機構に沿う現在位置を検出する位置検出装置と、
    前記位置検出装置によって検出される前記キャリアの現在位置に基づいて前記駆動機構を制御して、メンテナンス時に、前記キャリアを前記ワイパ部材が備えられた位置を越えた所定の停止位置まで移動させて停止させる制御手段を備えるプリンタにおいて、
    前記メンテナンス時に前記制御手段が前記キャリアを前記ワイパ部材に接近するように移動させるとき、前記キャリアに保持された前記印刷ヘッドが前記ワイパ部材に接触される位置に到達したか否かを検出するワイピング位置到達検出手段と、
    前記ワイピング位置到達検出手段によって前記キャリアに保持された前記印刷ヘッドが前記ワイパ部材に接触する位置に到達したと判断される場合に、前記キャリアの移動速度が、前記印刷ヘッドの前記ワイパ部材への接触によって低下されているか否かを検出する速度低下検出手段と、
    前記速度低下検出手段によって前記キャリアの移動速度が低下されていると判断される場合に前記駆動機構の出力を増加させる出力増加手段を備え、
    前記メンテナンス時に前記印刷ヘッドが前記ワイパ部材に接触するときの前記キャリアの移動速度の低下が防止され、前記キャリアが前記停止位置に停止されることを特徴とするプリンタ。
  3. 前記速度低下検出手段が、
    一定周期ごとの前記キャリアの遅れ量を検出する遅れ量検出手段と、
    前記遅れ量検出手段によって検出される遅れ量が所定量以上である場合に、前記キャリアの移動速度が低下されていると判断する判断手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のプリンタ。
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