JP2017136828A - 移動制御装置、液滴吐出装置、移動制御方法、及び、プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】移動部を目標停止位置に停止させることがさせることができる移動制御装置、液滴吐出装置、移動制御方法、及び、プログラムを提供する。【解決手段】移動制御装置は、駆動部により移動されるキャリッジの位置を検出する検出部と、検出部が検出したキャリッジの検出位置に基づいて駆動部を制御する駆動制御部と、を備え、駆動制御部は、キャリッジが減速動作を開始した後、検出位置に基づいて、予め設定された目標停止位置の手前でキャリッジが停止状態か否かを判定するとともに、検出位置と目標停止位置との差分が閾値差分以下か否かを判定し、予め定められた目標停止位置の手前でキャリッジが停止状態であり、かつ、差分が閾値差分以下の場合、駆動部の制御を、目標停止位置までのキャリッジの検出位置と対応付けられた指示速度に基づく速度制御からキャリッジの検出位置と目標停止位置との差分に基づく位置制御に切り替える切替制御を実行する。【選択図】図13
Description
本発明は、移動制御装置、液滴吐出装置、移動制御方法、及び、プログラムに関する。
インクジェット方式の画像形成装置等において、インクヘッド等を保持するキャリッジ等の移動部を移動させるモータ等を制御する移動制御装置が知られている。このような移動制御装置は、移動部の速度制御では等速動作の後に減速動作させた後、目標停止位置をオーバーすると、移動部の位置に基づく位置制御に切り替えて移動部を目標停止位置で停止させる。
しかしながら、上述の技術では、機械的な負荷、例えば、モータ等のコギングトルクによるトルクムラ、キャリッジの停止位置における摩擦、摺動負荷のバラツキによって、移動部が目標停止位置の手前で停止した場合、移動部を目標停止位置まで停止させることができないといった課題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、目標停止位置に停止させることができる移動制御装置、液滴吐出装置、移動制御方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の移動制御装置は、駆動部により移動される移動部の位置を検出する検出部と、前記検出部が検出した前記移動部の検出位置に基づいて前記駆動部を制御する駆動制御部と、を備え、前記駆動制御部は、前記移動部が減速動作を開始した後、前記検出位置に基づいて、予め設定された目標停止位置の手前で前記移動部が停止状態か否かを判定するとともに、前記検出位置と前記目標停止位置との差分が閾値差分以下か否かを判定し、予め定められた前記目標停止位置の手前で前記移動部が前記停止状態であり、かつ、前記差分が前記閾値差分以下の場合、前記駆動部の制御を、前記目標停止位置までの前記移動部の前記検出位置と対応付けられた指示速度に基づく速度制御から前記移動部の前記検出位置と前記目標停止位置との差分に基づく位置制御に切り替える切替制御を実行する。
本発明によれば、移動対象物を目的の位置に停止させることができる。
以下の例示的な実施形態や変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、重複する説明が部分的に省略される。実施形態や変形例に含まれる部分は、他の実施形態や変形例の対応する部分と置き換えて構成されることができる。また、実施形態や変形例に含まれる部分の構成や位置等は、特に言及しない限りは、他の実施形態や変形例と同様である。
<実施形態>
図1は、実施形態の画像形成装置10の全体構成を示す斜視図である。図1に矢印Dr1及び矢印Dr2で示す方向をそれぞれ主走査方向及び副走査方向とする。画像形成装置10は、例えば、シリアル型のインクジェット記録装置である。図1に示すように、画像形成装置10は、本体フレーム12と、記録装置14とを備える。
図1は、実施形態の画像形成装置10の全体構成を示す斜視図である。図1に矢印Dr1及び矢印Dr2で示す方向をそれぞれ主走査方向及び副走査方向とする。画像形成装置10は、例えば、シリアル型のインクジェット記録装置である。図1に示すように、画像形成装置10は、本体フレーム12と、記録装置14とを備える。
本体フレーム12は、床等に設置される。本体フレーム12は、記録装置14の下部に設けられている。本体フレーム12は、記録装置14を支持する。
記録装置14は、液滴吐出装置の一例であって、印刷用紙等の被記録媒体98に画像を形成する。記録装置14は、筐体20と、駆動機構22と、ガイドロッド24と、副ガイドロッド26と、移動部の一例であるキャリッジ28と、液滴吐出部の一例である複数(例えば、4個)のインクヘッド30と、カートリッジ32と、維持機構34とを有する。
筐体20は、駆動機構22と、ガイドロッド24、副ガイドロッド26、及び、キャリッジ28等の記録装置14の内部構成を収容及び保持する。
駆動部の一例である駆動機構22は、キャリッジ28を主走査方向に移動させる。駆動機構22は、主走査モータ40と、駆動プーリ42と、従動プーリ44と、タイミングベルト46とを有する。
主走査モータ40の出力軸は、駆動プーリ42に連結されている。主走査モータ40は、回転駆動を出力することによって、キャリッジ28を移動させる。
駆動プーリ42は、主走査方向において、筐体20の一方の端部に設けられている。従動プーリ44は、主走査方向において、筐体20の他方の端部に設けられている。
タイミングベルト46は、駆動プーリ42から従動プーリ44へと掛けられている。従って、タイミングベルト46は、主走査方向とほぼ平行に設けられている。また、タイミングベルト46は、従動プーリ44によって張力が付与されている。これにより、タイミングベルト46は、弛むことなく、駆動プーリ42及び従動プーリ44によって保持されている。
ガイドロッド24及び副ガイドロッド26は、主走査方向に延びるように、筐体20の内部に設けられている。ガイドロッド24及び副ガイドロッド26の一端は、筐体20の主走査方向の他方の端部近傍まで延びる。ガイドロッド24及び副ガイドロッド26の他端は、筐体20の主走査方向の一方の端部近傍まで延びる。ガイドロッド24は、副走査方向において、副ガイドロッド26と異なる位置に設けられている。
キャリッジ28は、筐体20に設けられている。キャリッジ28は、タイミングベルト46と連結されている。キャリッジ28は、ガイドロッド24及び副ガイドロッド26によって、主走査方向に移動可能に保持されている。即ち、キャリッジ28は、ガイドロッド24及び副ガイドロッド26によって主走査方向にガイドされつつ、タイミングベルト46によって移動される。
複数のインクヘッド30は、キャリッジ28に設けられている。インクヘッド30は、キャリッジ28とともに移動する。
カートリッジ32は、インクを収容する。カートリッジ32は、キャリッジ28とは別に筐体20に設けられている。カートリッジ32は、インクヘッド30とパイプによって接続されている。カートリッジ32は、インクヘッド30へインクを供給する。
維持機構34は、筐体20の内部であって、キャリッジ28の移動可能な領域の一端の近傍に設けられている。維持機構34は、キャリッジ28とともに、自己の上方に移動してきたインクヘッド30をクリーニングする。
図2は、キャリッジ28の近傍の構成を説明する平面図である。図2に示すように、4個のインクヘッド30y、30m、30c、30kは、主走査方向に沿って配列されて、キャリッジ28に設けられている。インクヘッド30yは、イエローのインクの液滴を被記録媒体98へ吐出する。インクヘッド30mは、マゼンタのインクの液滴を被記録媒体98へ吐出する。インクヘッド30cは、シアンのインクの液滴を被記録媒体98へ吐出する。インクヘッド30kは、ブラックのインクの液滴を被記録媒体98へ吐出する。以下の説明において、インクヘッド30y、30m、30c、30kが吐出するインクの色を区別する必要がない場合、インクヘッドの符号を“30”とする。
記録装置14は、エンコーダシート50と、エンコーダセンサ52と、プラテン53とを更に有する。
エンコーダシート50は、キャリッジ28の移動方向である主走査方向に沿って延びる。エンコーダシート50は、筐体20等に固定されている。エンコーダシート50の一例は、主走査方向に沿って配列された複数のマークを有するリニアスケールである。
エンコーダセンサ52は、キャリッジ28に設けられている。従って、エンコーダセンサ52は、キャリッジ28とともに、主走査方向に沿って移動する。エンコーダセンサ52は、キャリッジ28の移動に伴って、筐体20等に固定されたエンコーダシート50のマークを、キャリッジ28の位置の算出に用いる情報の一例であるエンコーダ情報として検出して出力する。
プラテン53は、インクヘッド30と対向する位置に設けられている。プラテン53は、間欠的に副走査方向に移動されつつ、インクヘッド30から吐出されたインクによって画像が記録されている被記録媒体98を支持する。
画像形成装置10では、主走査モータ40が駆動プーリ42を回転駆動させると、回転駆動によって、タイミングベルト46が、駆動プーリ42及び従動プーリ44との間で、主走査方向に沿って往復移動する。これにより、タイミングベルト46に連結されているキャリッジ28が、インクヘッド30及びエンコーダセンサ52とともに、主走査方向に沿って往復移動する。エンコーダセンサ52は、キャリッジ28とともに移動しつつ、エンコーダシート50のマークを検出して、エンコーダ情報として出力する。また、キャリッジ28とともに主走査方向に移動しているインクヘッド30は、副走査方向に移動している被記録媒体98へとインクを吐出することにより、被記録媒体98上に画像を記録する。
図3は、画像形成装置10の制御系を説明するブロック図である。図3に示すように、画像形成装置10は、移動制御装置の一例であるメイン制御基板54と、温湿度センサ56とを更に有する。
メイン制御基板54は、例えば、コンピュータである。メイン制御基板54は、CPU(Central Processing Unit)58と、FPGA(Field-Programmable Gate Array)60と、RAM(Random Access Memory)62と、ROM(Read Only Memory)64と、NVRAM(Non-Volatile RAM)66と、モータドライバ67とを有する。
CPU58は、画像形成装置10の制御全般を実行する。CPU58は、プログラムの実行において種々の演算を処理する演算部58aを有する。CPU58は、FPGA60と情報を入出力可能に接続されている。例えば、CPU58は、主走査モータ40の動作を開始させる動作開始指示とともに、主走査モータ40の駆動を制御するための移動速度指示及び移動距離指示等をモータ制御部76へ出力する。
FPGA60は、多数の論理回路を一つの半導体チップに集積するとともに、当該多数の論理回路をプログラム可能な構成となっている。具体的には、FPGA60は、外部に接続したフラッシュメモリなどの不揮発性メモリに回路設定情報(コンフィギュレーション・データ)を格納しておき、システムの電源を投入したときや回路をリセットしたときに外部メモリからFPGA内部の制御用メモリに対して回路設定情報(コンフィギュレーション・データ)が転送されることにより、動作可能な状態となる。
FPGA60は、CPU制御部68と、メモリ制御部70と、I2C(Inter-Integrated Circuit)制御部72と、センサ処理部74とを有する。CPU制御部68、メモリ制御部70、I2C制御部72、センサ処理部74は、処理の高速化を図ることを目的として、上記のようなFPGA60の論理回路によって構成することが望ましい。
また、FPGA60は、CPUコア(ソフトコア・マイクロプロセッサ)を実装している。本実施形態においては、FPGA60上のCPUコアがプログラムに従ったソフトウエア処理を実行することにより、駆動制御部の一例であるモータ制御部76が実現される。
なお、モータ制御部76は、FPGA60上のCPUコア上でのプログラム実行により実現されるものとして説明したが、これに限るものではなく、論理回路等のハードウエアによって実現されるものであってもよい。
CPU制御部68は、CPU58と通信を行う。メモリ制御部70は、RAM62及びROM64等のメモリへのアクセスを制御する。I2C制御部72は、NVRAM66との通信を行う。
センサ処理部74は、温湿度センサ56が出力した温湿度情報を取得して処理を行う。また、センサ処理部74は、エンコーダセンサ52が出力したエンコーダ情報を取得して、駆動機構22により移動されるキャリッジ28の位置を検出して、位置情報として出力する検出部74aを備えている。より詳細には、センサ処理部74の検出部74aは、エンコーダセンサ52が出力したエンコーダ情報のパルス数のカウンタ処理を実行してキャリッジ28の位置を算出し、検出位置とする。
モータ制御部76は、モータドライバ67を介して、主走査モータ40、被記録媒体98を副走査方向へ移動させる副走査モータ78、及び、被記録媒体98を給紙する給紙モータ79等のDCモータまたはステッピングモータを制御する。
次に、画像形成装置10の制御系の処理について説明する。
画像形成装置10では、CPU58が、動作開始指示とともに、移動速度指示及び移動距離指示等をモータ制御部76へ出力する。モータ制御部76は、移動速度指示及び移動距離指示に基づいて、速度プロファイルを生成する。尚、CPU58が、速度プロファイルを生成して、モータ制御部76へ出力してもよい。モータ制御部76は、速度プロファイル、及び、センサ処理部74の検出部74aを介してエンコーダセンサ52から取得したエンコーダ情報に基づいて、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)指令値を算出する。モータ制御部76は、PWM指令値をモータドライバ67へ出力する。モータドライバ67は、当該PWM指令値に基づいて、主走査モータ40を駆動させる。モータ制御部76は、主走査モータ40の制御に関する処理を終了すると、CPU58へ処理終了を通知する。CPU58が処理終了を取得すると、モータに関する処理が終了する。同様に、CPU58及びモータ制御部76は、副走査モータ78等の他のモータの駆動も制御する。CPU58は、主走査モータ40等の制御の他に、印字枚数のカウント処理、及び、主走査モータ40のスキャン数のカウント処理も実行している。
図4は、キャリッジ28の1回の走査のうち、正転動作における主走査モータ40を制御する際のPWM指令値の変化の例を示すグラフである。尚、図4は、キャリッジ28の走査に関するグラフであるが、副走査モータ78においても同様のグラフとなる。
モータ制御部76は、CPU58から取得した移動速度指示及び移動距離指示から生成した速度プロファイルに基づいて、図4に示すようなPWM指令値を制御周期ごとに算出する。例えば、モータ制御部76は、速度プロファイルに含まれる指示速度と、センサ処理部74の検出部74aを介してエンコーダセンサ52から取得したエンコーダ情報に基づいて算出された検出速度との速度誤差Veを算出する。
モータ制御部76は、P(Proportional:比例)制御及びI(Integral:積分)制御を含むPI制御ループを有するサーボシステムにより主走査モータ40を制御する。具体的には、モータ制御部76は、当該速度誤差Veを含む次の式(1)に基づくPI制御によりPWM指令値を算出する。
ここで、Kpは比例制御定数である。Kiは積分制御定数である。尚、モータ制御部76は、PID(Proportional-Integral-Derivative)制御によって、主走査モータ40を制御してもよい。モータ制御部76は、当該PWM指令値をモータドライバ67に出力する。モータドライバ67は、次の表1に示すPWM指令値、電圧換算、及び、Duty比の関係に基づいて、PWM指令値に対応する、電圧換算及びDuty比を決定する。
モータドライバ67は、当該Duty比に基づいて、主走査モータ40の駆動及びキャリッジ28の主走査方向の移動を制御する。具体的には、モータドライバ67は、図4の加速領域Ara1に示すPWM指令値に基づいて、主走査モータ40を制御する。ここで、モータドライバ67は、主走査モータ40の駆動開始直後のキャリッジ28の急加速による騒音及び振動等を抑制するために、キャリッジ28が徐々に加速するように主走査モータ40を制御することが好ましい。
次に、キャリッジ28が印刷開始位置等の目標開始位置に達すると、モータドライバ67は、キャリッジ28が等速で移動するように、等速領域Arb1に示すPWM指令値に基づいて、主走査モータ40を制御する。キャリッジ28が等速で移動している状態で、インクヘッド30は、インクを吐出して、被記録媒体98に画像を記録する。ここで、モータドライバ67は、等速領域Arb1では画像の記録精度を向上させるために、主走査モータ40を制御することが好ましい。
被記録媒体98への画像の記録が終了すると、モータドライバ67は、減速領域Arc1に示す速度プロファイルから算出されたPWM指令値に基づいて、主走査モータ40を減速して停止させる。ここで、モータドライバ67は、キャリッジ28の急激な減速による騒音及び振動等を抑制するために、キャリッジ28が徐々に減速するように主走査モータ40を制御することが好ましい。モータ制御部76は、主走査モータ40を減速させた後、キャリッジ28が、キャリッジ28を停止させるための目標の位置であり予め設定された目標停止位置に収束して、到達できたか否かの停止判定処理を実行する。
図5は、キャリッジ28の1回の走査のうち、反転動作における主走査モータ40を制御するためのPWM指令値の変化を示すグラフである。モータ制御部76は、速度誤差Ve及び式(1)に基づくPI制御により図5に示す加速領域Ara2、等速領域Arb2及び減速領域Arc2においても制御周期ごとにPWM指令値を算出して、モータドライバ67へ出力する。モータドライバ67は、図5に示すPWM指令値に基づいて、Duty比を算出して、主走査モータ40を制御して、主走査方向において、キャリッジ28を反転動作させる。
図6は、キャリッジ28の停止前の低速領域の正常動作における位置の変化を説明するグラフである。図6に示すように、キャリッジ28に機械的な負荷異常等が作用しない正常な動作では、主走査モータ40によって移動されるキャリッジ28は、上述したモータ制御部76で算出されたPWM指令値によって、予め設定された停止範囲に含まれる目標停止位置に到達する。
図7は、キャリッジ28の停止前の低速領域の異常動作における位置の変化を説明するグラフである。図8は、キャリッジ28の低速領域の異常動作時間帯を拡大したグラフである。図8に示す1[pulse]は、84.67μm(300Lpi(Line Per Inch))である。
図7及び図8に示すように、キャリッジ28に機械的な負荷が作用した場合、及び、主走査モータ40にコギングトルクが生じた場合等の異常動作では、主走査モータ40によって移動されるキャリッジ28は、一定の場所を往復移動して、目標停止位置を含む停止範囲外で停止する。
図9は、キャリッジ28の停止前の低速領域の異常動作における検出速度の変化を説明するグラフである。図8に示すようなキャリッジ28の位置を検出する低速領域では、モータ制御部76が、図9に示すような検出速度を算出して、キャリッジ28の正しい速度を取得できない。従って、モータ制御部76は、一定以上の出力を有するPWM指令値を出力できない。これにより、キャリッジ28は、負荷等とのバランスによって、一定の位置を往復移動する不安定な動作となる場合がある。
図10は、キャリッジ28の実際の速度と、検出速度との関係を説明するグラフである。正しい検出速度が取得できない原因の一例は、サンプリングの分解能である。例えば、モータ制御部76は、サンプリングの1周期内にエンコーダセンサ52から1パルスも取得しなかった場合、キャリッジ28の位置に変動がないと判定する。この場合、モータ制御部76は、図10に実線で示すように部分的に0mm/sを含む検出速度を算出するので、当該検出速度は、図10に太点線で示すように低速で移動しているキャリッジ28の実際の速度と異なる。
具体的には、1ms毎にサンプリングするPI制御(またはPID制御)の場合、300Lpiのエンコーダシート50において、モータ制御部76が1ms毎に確実に1パルス以上取得できるキャリッジ28の速度は、84mm/s以上である。このように最小速度の分解能が84mm/sの場合、当該速度近傍を含めて、モータ制御部76は、正しいキャリッジ28の速度を検出速度として算出することができない。
従って、モータ制御部76は、エンコーダセンサ52からパルスを取得すれば、±84mm/sと検出速度を算出して、パルスを取得しなければ、0mm/sと検出速度を算出する。これにより、モータ制御部76は、図10に太点線で示すように変動(例えば、リニアに変動)しているキャリッジ28の実際の速度と異なる検出速度を算出する。このような状態で機械的な負荷の変動及び移動時間の遅れ等が生じると、キャリッジ28は不安定な動作となる。
図11は、モータ制御部76による主走査モータ40の制御のフローチャートである。図11に示すように、モータ制御部76は、CPU58から動作開始指示を取得すると、フィードバック制御による主走査モータ40の制御動作を開始する(S1)。具体的には、モータ制御部76は、CPU58から動作開始指示とともに取得した移動速度指示及び移動距離指示から速度プロファイルを生成する。モータ制御部76は、速度プロファイル、及び、センサ処理部74の検出部74aを介してエンコーダセンサ52から取得したエンコーダ情報に基づいて、PWM指令値を生成して、モータドライバ67を介して、主走査モータ40をフィードバック制御する。尚、モータドライバ67による主走査モータ40の動作は、加速動作、等速動作、減速動作、及び、位置決め動作を含む。
モータ制御部76は、エンコーダ情報に基づいて、キャリッジ28が目標停止位置を含む予め定められた範囲で規定される停止範囲内に停止したか否かを判定する(S2)。例えば、停止範囲は、目標停止位置から±5パルスの範囲である。モータ制御部76は、例えば、キャリッジ28が予め定められた時間(例えば、10ms)以上、停止範囲内に位置したか否かによって、停止したか否かを判定する。モータ制御部76は、停止範囲内に停止していないと判定すると(S2:NO)、ステップS1のフィードバック制御による主走査モータ40の制御動作を継続する。一方、キャリッジ28が停止範囲内に予め定められた時間以上停止すると、モータ制御部76は、停止と判定して(S2:YES)、停止応答をCPU58へと出力する(S3)。モータ制御部76は、停止応答を出力中も、主走査モータ40の制御動作を継続してもよい。この後、モータ制御部76は、CPU58から次の動作指示または停止指示を取得した場合、主走査モータ40の制御を終了して、次の処理を実行する。
図12は、モータ制御部76の詳細な制御系を説明するブロック図である。図12に示すように、モータ制御部76は、判定部80と、切替部の一例であるプロファイル演算部82と、速度演算部84と、比較演算部86と、PI制御演算部88とを有する。尚、モータ制御部76がPID制御によってPWM指令値を選出する場合、PI制御演算部88はPID制御演算部となる。
判定部80は、モータ制御部76における種々の判定を実行する。例えば、判定部80は、制御対象である主走査モータ40の制御を、後述する速度制御から位置制御(例えば、位置比例制御)へとプロファイル演算部82に切り替えさせるか否かを判定する。具体的には、判定部80は、主走査モータ40により移動されるキャリッジ28が減速動作を開始した後に、エンコーダセンサ52が検出したエンコーダ情報からセンサ処理部74の検出部74aにおいて算出したキャリッジ28の検出位置に基づいて、キャリッジ28が目標停止位置の手前で停止状態か否か、及び、検出位置と目標停止位置との差分が予め定められた閾値差分以下か否かに基づいて、主走査モータ40の制御を切り替えさせる。例えば、判定部80は、主走査モータ40により移動されるキャリッジ28が減速動作を開始した後に、エンコーダセンサ52が検出したエンコーダ情報からセンサ処理部74の検出部74aにおいて算出したキャリッジ28の検出位置に基づいて、キャリッジ28が目標停止位置の手前で停止状態と判定して、かつ、検出位置と目標停止位置との差分が予め定められた閾値差分以下と判定すると、プロファイル演算部82に切替指示を出力して、主走査モータ40の制御を速度制御から位置制御へと切り替えさせる。
プロファイル演算部82は、速度プロファイルを生成して、主走査モータ40を制御する。プロファイル演算部82は、速度制御プロファイル生成部82a及び停止位置保持制御プロファイル生成部82bを含む。
速度制御プロファイル生成部82aは、速度プロファイルの一つであり、速度制御において使用される速度制御プロファイルを生成する。速度制御プロファイル生成部82aは、CPU58から取得した移動速度指示に含まれる設定速度及び移動距離指示に含まれる目標停止位置までの距離に基づいて、キャリッジ28の検出位置と対応付けられた指示速度を含む速度制御プロファイルを生成する。設定速度は、例えば、等速領域における一定の速度(即ち、等速度)である。検出位置は、例えば、キャリッジ28の移動開始位置を基準とした位置である。尚、検出位置は、エンコーダセンサ52から取得するエンコーダ情報のパルス数等の位置に対応する値であってもよい。指示速度は、等速領域の前の加速領域における加速用の速度、等速領域における等速用の速度(即ち、設定速度)、および、等速領域の後の減速領域における減速用の速度を含む。速度制御プロファイルの指示速度は、目標停止位置までのキャリッジ28の検出位置に対応付けて設定されている。速度制御プロファイル生成部82aは、エンコーダ情報からセンサ処理部74の検出部74aにおいて算出したキャリッジ28の検出位置に対応付けた速度制御プロファイルの指示速度を比較演算部86へ出力する。
停止位置保持制御プロファイル生成部82bは、速度プロファイルの一つであり、位置比例制御において使用される停止位置保持制御プロファイルを生成する。停止位置保持制御プロファイル生成部82bは、エンコーダ情報からセンサ処理部74の検出部74aにおいて算出されたキャリッジ28の検出位置と目標停止位置との差分に対応付けられた指示速度に基づいて、停止位置保持制御プロファイルを生成する。例えば、停止位置保持制御プロファイル生成部82bは、検出位置と目標停止位置との差分を含む次の式(2)に基づいて、表2に示す指示速度を含む停止位置保持制御プロファイルを生成する。
停止位置保持制御プロファイルの指示速度
=検出位置と目標停止位置との差分×位置比例定数 …(2)
停止位置保持制御プロファイルの指示速度
=検出位置と目標停止位置との差分×位置比例定数 …(2)
ここで、表2から分かるように、キャリッジ28の検出位置と目標停止位置との差分が0パルスの場合、指示速度が0mm/sになるので、停止位置保持制御プロファイル生成部82bは、位置比例制御において、キャリッジ28の位置を目標停止位置へと収束させる停止位置保持制御プロファイルを停止位置保持の速度プロファイルとして生成する。このように、停止位置保持制御プロファイル生成部82bは、速度プロファイルを位置差分に比例させることにより、目標位置保持制御として位置比例制御を実施している。停止位置保持制御プロファイル生成部82bは、エンコーダ情報からセンサ処理部74の検出部74aにおいて算出したキャリッジ28の検出位置と目標停止位置との差分に対応付けられた停止位置保持制御プロファイルの指示速度を比較演算部86へ出力する。
ここで、プロファイル演算部82は、判定部80から切替指示を取得すると、主走査モータ40の制御を、速度制御プロファイル生成部82aによる速度制御から、停止位置保持制御プロファイル生成部82bによる位置比例制御に切り替える切替制御を実行する。
速度演算部84は、FPGA60内部に設けられたカウンタ処理を実行するセンサ処理部74の検出部74aにおいてエンコーダセンサ52から取得したエンコーダ情報から算出したキャリッジ28の検出位置に基づいて、キャリッジ28の検出速度を演算する。速度演算部84は、演算したキャリッジ28の検出速度を比較演算部86へ出力する。
比較演算部86は、プロファイル演算部82から取得した速度制御プロファイルまたは停止位置保持制御プロファイルに含まれる指示速度と、キャリッジ28の検出速度との差分である速度誤差Veを算出する。比較演算部86は、速度誤差VeをPI制御演算部88へ出力する。
PI制御演算部88は、速度誤差Veを用いたPI制御によって、PWM指令値を生成する。PI制御演算部88は、PWM指令値をモータドライバ67へ出力する。このように、位置比例制御では、エンコーダ情報から得られる速度情報が0もしくは正確に取得できない場合であっても、PWM指令値を出力することが可能になる。
図13は、図12に示すモータ制御部76による減速動作時の停止位置保持制御のフローチャートである。図13に示すように、判定部80は、主走査モータ40が、S1の制御動作中の速度制御における減速動作中か否かを判定する(S11)。減速動作は、速度制御プロファイル生成部82aによる速度制御に含まれる。例えば、判定部80は、エンコーダセンサ52から取得したエンコーダ情報からセンサ処理部74の検出部74aにおいて算出したキャリッジ28の検出位置に基づいて、減速動作中か否かを判定する。判定部80は、減速動作と判定するまで、ステップS11を繰り返す(S11:NO)。
判定部80は、減速動作と判定すると(S11:YES)、エンコーダセンサ52から取得したエンコーダ情報からセンサ処理部74の検出部74aにおいて算出したキャリッジ28の検出位置に基づいて、キャリッジ28が目標停止位置をオーバーしたか否かを判定する(S12)。判定部80は、キャリッジ28が目標停止位置をオーバーしていると判定すると(S12:YES)、速度制御プロファイル生成部82aによる速度制御から、停止位置保持制御プロファイル生成部82bによる位置比例制御に切り替えて主走査モータ40を制御して、キャリッジ28を停止位置に保持する(S15)。
一方、判定部80は、キャリッジ28が目標停止位置をオーバーしていないと判定すると(S12:NO)、図11のステップS2の停止判定中でない場合、キャリッジ28の検出位置が停止範囲外かつ停止したか否かを判定する(S13)。例えば、判定部80は、エンコーダ情報からセンサ処理部74の検出部74aにおいて算出したキャリッジ28の検出位置に基づいて、キャリッジ28が目標停止位置から予め定められた範囲(例えば、−5パルスの範囲)内に位置するか否かによって、キャリッジ28が停止範囲外か否かを判定する。また、判定部80は、キャリッジ28の移動を示すエンコーダ情報に含まれるパルスの数が判定パルス数以下の連続した判定時間に基づいて、キャリッジ28の停止を判定する。判定パルス数は、0でない、即ち、1以上(例えば、2パルス)の値に予め設定されている。判定時間は、予め定められた時間であって、例えば、10msである。具体的には、判定部80は、キャリッジ28が直前のサンプリングから予め定められた判定パルス数以下の移動を、判定時間連続した場合に、キャリッジ28が停止したと判定する。これにより、判定部80は、図8に示すように、キャリッジ28が一定の位置を往復する振動状態となっても、停止状態と判定することができる。尚、判定パルス数が、0パルスの場合、判定部80は、0パルスの状態が10ms連続した場合、即ち、キャリッジ28が完全に停止した場合しか停止と判定できない。
また、判定部80は、減速動作の開始後の減速領域に示す位置と目標停止位置との間にある、目標停止位置より手前の基準位置をキャリッジ28が通過した時間を基準時間にして、キャリッジ28が目標停止位置の手前で当該基準時間から閾値時間以上を経過した場合、キャリッジ28が停止状態と判定してもよい。基準位置は、目標停止位置より予め定められた距離(例えば、1mm)手前である。閾値時間は、異常がない場合において、基準位置から目標停止位置を経過または停止するまでの通常時間に応じて予め設定される。例えば、通常時間が100msとした場合において、キャリッジ28が基準位置を通過した基準時間から閾値時間である200ms以上経過してもまだ目標停止位置に達していない場合、判定部80は、キャリッジ28が停止したと判定してもよい。
判定部80は、キャリッジ28が停止範囲外かつ停止したと判定すると(S13:YES)、エンコーダ情報からセンサ処理部74の検出部74aにおいて算出したキャリッジ28の検出位置と目標停止位置との差分が予め定められた閾値差分以下か否かを判定する(S14)。閾値差分は、位置比例制御において、キャリッジ28の動作として許容できる差分値である。これにより、初期の差分が大きい場合においても急激な力が加わることによる衝撃音の発生を抑制して、PWM指令値の出力範囲の限界(表1の24V及び4000)を越えることを抑制できる。また、当該閾値差分によって、目標停止位置をオーバランするキャリッジ28の距離が許容値を越えて、キャリッジ28が側壁に衝突することを抑制できる。
判定部80は、当該差分が閾値差分以下であると判定すると(S14:YES)、切替指示をプロファイル演算部82に出力する。これにより、プロファイル演算部82は、速度制御プロファイル生成部82aによる速度制御から、停止位置保持制御プロファイル生成部82bによる位置比例制御に切り替える切替制御を実行して、位置比例制御によって主走査モータ40を制御して、キャリッジ28を停止位置に保持する(S15)。
判定部80は、ステップS13において、キャリッジ28が停止範囲外でない、または、停止していないと判定すると(S13:NO)、ステップS11以降の処理を繰り返す。換言すれば、判定部80は、キャリッジ28が目標停止位置の手前で停止状態であり、かつ、目標停止位置を含む停止範囲内と判定すると、切替制御を実行することなく、速度制御を維持する。また、判定部80は、ステップS14において、差分が閾値差分以下でないと判定すると(S14:NO)、ステップS11以降の処理を繰り返す。
図14は、速度プロファイルを説明するグラフである。図14に示すように、モータ制御部76は、加速領域Ara3、キャリッジ28を速度V1で移動させる等速領域Arb3、減速領域Arc3、及び、位置決め領域Ard3を含む速度プロファイルを生成する。
速度制御プロファイル生成部82aは、加速領域Ara3、等速領域Arb3及び減速領域Arc3を含む速度制御における速度プロファイルとして速度制御プロファイルを生成する。
停止位置保持制御プロファイル生成部82bは、位置決め領域Ard3の位置制御における速度プロファイルとして停止位置保持制御プロファイルを生成して、キャリッジ28の位置を目標停止位置へと収束させる。尚、停止位置保持制御プロファイル生成部82bは、時刻t1以降で示すように、キャリッジ28が目標停止位置を過ぎた場合に停止位置保持制御プロファイルを生成して位置比例制御を実行する。更に、本実施形態の停止位置保持制御プロファイル生成部82bは、時刻t2以降で示すように、目標停止位置の手前である減速領域Arc3においても、判定部80の判定結果に応じて、停止位置保持制御プロファイルを生成して位置比例制御を開始する。
上述したように、実施形態のメイン制御基板54のモータ制御部76では、キャリッジ28が目標停止位置の手前であっても、判定部80は、キャリッジ28が停止したと判定して、かつ、キャリッジ28の検出位置と目標停止位置との差分が閾値差分以下と判定すると、検出位置に基づく速度制御から検出位置と目標停止位置との差分に基づく位置比例制御に切り替えさせる。これにより、機械的負荷等が作用して不安定動作中のキャリッジ28が目標停止位置の手前で停止した場合でも、メイン制御基板54は、キャリッジ28を停止範囲に停止させることができる。更に、メイン制御基板54は、上述の差分が閾値差分以下の場合に位置比例制御へ切り替えさせるので、切り替え直後の急激な加速による衝撃等を抑制できる。
判定部80は、1以上の判定パルス数以上のパルスが連続して継続した場合に、キャリッジ28の停止を判定するので、キャリッジ28が完全に停止した場合だけでなく、図8に示すような状態も停止と判定することができる。これにより、判定部80は、より適切にキャリッジ28の停止を判定して、主走査モータ40の制御を位置比例制御へと切り替えさせることができる。
尚、判定部80が、基準位置をキャリッジ28が通過した基準時間に基づいて、キャリッジ28の停止を判定する場合でも、図8に示すような状態を停止と判定することができる。
判定部80は、キャリッジ28が目標停止位置の手前の停止範囲外で停止したと判定した場合に、位置比例制御へと切り替えさせるので、停止範囲外のキャリッジ28を精度よく目標停止位置へ移動させて、停止判定を実行できる。一方、判定部80は、キャリッジ28が目標停止位置の手前の停止範囲内で停止したと判定した場合、位置比例制御へ切り替えることなく速度制御を継続するので、不要な動作を省略して、キャリッジ28をより早く目標停止位置へと移動させて、停止判定を実行できる。
図15は、図12に示すモータ制御部76による減速動作時の別の停止位置保持制御のフローチャートである。尚、図13に示すステップと同じ処理のステップには、同じステップ番号を付与して説明を省略する。
判定部80は、ステップS14において、当該差分が閾値差分以下であると判定すると(S14:YES)、キャリッジ28が停止判定可能な状態であるか否かを判定する(S16)。例えば、判定部80は、CPU58からの動作指示に基づいて、通常の間欠動作指示ではなく、停止精度の許容範囲の大きな空吐出動作指示の場合における停止判定可能な位置であるか否かを判定してもよい。
具体的には、判定部80は、キャリッジ28の検出位置と目標停止位置との差分が±20パルスであれば空吐出動作で許容できる範囲である場合、当該±20パルスを許容範囲として、停止判定可能な範囲か否かを判定する。空吐出動作の許容範囲は、例えば、図1に示す維持機構34に設けられた吐出インクの受け口の広さに基づく。
判定部80は、キャリッジ28の停止判定を可能であると判定すると(S16:YES)、停止範囲を広げることにより変更して(S17)、切替指示をプロファイル演算部82に出力する。即ち、判定部80は、キャリッジ28が停止範囲外で停止して(S13:YES)、かつ、キャリッジ28の停止判定を可能であると判定すると、停止範囲を広げる。これにより、プロファイル演算部82は、速度制御プロファイル生成部82aによる速度制御から、停止位置保持制御プロファイル生成部82bによる位置比例制御に切り替えて主走査モータ40を制御する(S15)。この後、モータ制御部76(例えば、判定部80)は、ステップS2で示す、広げられた停止範囲に基づいて、停止判定を実行する。
一方、判定部80は、キャリッジ28が停止判定可能な状態でないと判定すると(S16:NO)、停止範囲を変更することなく、切替指示をプロファイル演算部82に出力する。これにより、プロファイル演算部82は、速度制御プロファイル生成部82aによる速度制御から、停止位置保持制御プロファイル生成部82bによる位置比例制御に切り替えて主走査モータ40を制御する(S15)。
上述したように本実施形態の判定部80は、停止範囲外であって、不安定動作中のキャリッジ28であっても、キャリッジ28の停止判定を可能と判定すると、停止範囲を広げる。これにより、モータ制御部76は、キャリッジ28の状態を正常として、キャリッジ28の停止判定を実行することができる。
なお、上述の実施形態では、位置比例制御においても停止位置保持プロファイル生成部82bで生成された速度指示値と検出速度とを比較して位置比例制御を行っているが、制御演算部自体を切り替えることで、目標停止位置と検出位置との差分に基づいて直接PWM指令値を算出しても良い。
上述した実施形態の構成の形状、配置、接続関係、機能等は適宜変更してよい。
例えば、上述のモータ制御部76による動作制御は、主走査モータ40の制御を対象としたが、副走査モータ78等の他の制御に適用してもよい。
上記実施の形態では、本発明の画像形成装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用してもよく、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置に適用してもよい。
上述の実施形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことも可能である。実施形態および実施形態の変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…画像形成装置
14…記録装置
28…キャリッジ
30…インクヘッド
40…主走査モータ
52…エンコーダセンサ
54…メイン制御基板
76…モータ制御部
80…判定部
82…プロファイル演算部
82a…速度制御プロファイル生成部
82b…停止位置保持制御プロファイル生成部
14…記録装置
28…キャリッジ
30…インクヘッド
40…主走査モータ
52…エンコーダセンサ
54…メイン制御基板
76…モータ制御部
80…判定部
82…プロファイル演算部
82a…速度制御プロファイル生成部
82b…停止位置保持制御プロファイル生成部
Claims (9)
- 駆動部により移動される移動部の位置を検出する検出部と、
前記検出部が検出した前記移動部の検出位置に基づいて前記駆動部を制御する駆動制御部と、
を備え、
前記駆動制御部は、
前記移動部が減速動作を開始した後、前記検出位置に基づいて、予め設定された目標停止位置の手前で前記移動部が停止状態か否かを判定するとともに、前記検出位置と前記目標停止位置との差分が閾値差分以下か否かを判定し、
予め定められた前記目標停止位置の手前で前記移動部が前記停止状態であり、かつ、前記差分が前記閾値差分以下の場合、前記駆動部の制御を、前記目標停止位置までの前記移動部の前記検出位置と対応付けられた指示速度に基づく速度制御から前記移動部の前記検出位置と前記目標停止位置との差分に基づく位置制御に切り替える切替制御を実行する、
ことを特徴とする移動制御装置。 - 前記駆動制御部は、前記減速動作の開始後、前記検出部が検出した前記検出位置の算出に用いた情報のパルスの数が1以上の予め定められた判定パルス数以下の連続した時間に基づいて、前記移動部を前記停止状態と判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の移動制御装置。 - 前記駆動制御部は、前記減速動作の開始後、前記移動部が前記目標停止位置の手前の基準位置を通過した基準時間から、前記移動部が前記目標停止位置の手前で閾値時間以上経過した場合、前記移動部が前記停止状態と判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の移動制御装置。 - 前記駆動制御部は、前記移動部の前記検出位置が前記目標停止位置を含む停止範囲外、かつ、前記検出位置と前記目標停止位置との前記差分が前記閾値差分以下であると判定した場合、前記切替制御を実行する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の移動制御装置。 - 前記駆動制御部は、前記減速動作の開始後、前記移動部が前記目標停止位置の手前で前記停止状態であり、かつ、前記目標停止位置を含む停止範囲内と判定すると、前記切替制御を実行しない、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の移動制御装置。 - 前記駆動制御部は、前記減速動作の開始後、前記移動部が前記停止範囲外で停止、かつ、停止判定を可能と判定した場合、前記目標停止位置を含む前記停止範囲を広げ、当該停止範囲に前記移動部が停止したか否かの前記停止判定を実行する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の移動制御装置。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の前記移動制御装置と、
液滴を吐出する液滴吐出部と、
前記液滴吐出部とともに移動する前記移動部と、
前記移動制御装置によって制御され、前記移動部を移動させる前記駆動部と、
を備えることを特徴とする液滴吐出装置。 - 駆動部により移動される移動部の位置を検出する検出ステップと、
前記移動部が減速動作を開始した後、前記検出ステップが検出した前記移動部の検出位置に基づいて、予め設定された目標停止位置の手前で前記移動部が停止状態か否かを判定するとともに、前記検出位置と前記目標停止位置との差分が閾値差分以下か否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて、予め定められた前記目標停止位置の手前で前記移動部が前記停止状態と判定し、かつ、前記差分が前記閾値差分以下と判定されると、前記駆動部の制御を、前記目標停止位置までの前記移動部の前記検出位置と対応付けられた指示速度に基づく速度制御から前記移動部の前記検出位置と前記目標停止位置との差分に基づく位置制御に切り替える切替ステップと、
を含むことを特徴とする移動制御方法。 - 駆動部により移動される移動部の検出位置に基づいて、前記駆動部を制御するコンピュータに、
前記移動部が減速動作を開始した後、前記検出位置に基づいて、予め設定された目標停止位置の手前で前記移動部が停止状態か否かを判定するとともに、前記検出位置と前記目標停止位置との差分が閾値差分以下か否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて、予め定められた前記目標停止位置の手前で前記移動部が前記停止状態と判定し、かつ、前記差分が前記閾値差分以下と判定されると、前記駆動部の制御を、前記目標停止位置までの前記移動部の前記検出位置と対応付けられた指示速度に基づく速度制御から前記移動部の前記検出位置と前記目標停止位置との差分に基づく位置制御に切り替える切替ステップと、
を実行させるためのプログラム。
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US15/419,169 US10373031B2 (en) | 2016-02-02 | 2017-01-30 | Movement control device, ink-droplet ejection device, movement control method, and recording medium |
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Cited By (1)
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