JP4958054B2 - 粉末油脂配合咀嚼用ソフトカプセル - Google Patents

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Description

本発明は、「医薬品」、「特定保健用食品」、「いわゆる健康食品」および食品に広く汎用されているソフトカプセルに関するものであり、カプセル皮膜として粉末油脂を配合して形成されることを特徴とする咀嚼用ソフトカプセルに係るものである。
機能性素材等の内容物を内包するソフトカプセルにおける皮膜水分は、そのおかれた環境により変化し、一定の温度条件では、その時の外気の相対湿度(以下、単に「湿度」と表記する。)に支配され、カプセルがその皮膜水分を外気相に放湿するか、あるいは、外気相から吸湿して、外気相とカプセル中の皮膜水分とが平衡に達した水分量となる(平衡水分量)。
このようなカプセルの皮膜水分変動にともない、物性的な変化や理化学的な性質の変化が起こり、硬化、収縮、ひび割れ、結晶化、析出などが進行して、カプセルの味、香り、色、食感などの風味の劣化など引き起こすことが知られている。また、皮膜水分上昇の程度によっては、微生物が利用できる自由水が増加して、微生物的な問題が発生してしまう危険性もはらんでいる。
従って、これらカプセルの皮膜水分変動を抑制することは、品質保持の上で極めて重要な課題である。
この課題を解決するための手段として、透湿性の低い包材、乾燥剤の封入、密閉容器などを使用することで、外相の湿度の影響を最小限に留めることにより、カプセルの平衡水分量を一定に保つ方法が用いられている(非特許文献1)。
しかしながら、これらの方法は、コストが掛かったり、又、一度、カプセルが開放系に置かれると、水分変動が始まるなどの問題があり、現在まで解決できていない。
一方、機能性素材等を内包するソフトカプセルにあって、内容物を覆うカプセル皮膜は、その強度や弾力性等を高めるため、ゼラチン皮膜にグリセリン、ソルビトールなどの可塑剤が配合されるのが一般的である。
しかしながら、可塑剤の配合比率を上げると、カプセルに粘着性を必然的に付与してしまう性質があり、特に高温下や多湿下においては、この粘着性が著しく現れるため、環境条件によっては、ソフトカプセルの瓶詰め工程などの包装工程におけるカプセルの滑走性(滑り易さ)を悪化させ、これらの作業を行い難くするとともに、容器充填後においても容器内でカプセル同士が付着したり、カプセル容器に付着したりして、容器から容易に取り出せないことがあった。
一方、可塑剤の配合量を低くすれば、このような粘着性を抑えることはできるが、主に低温化や低湿下にあっては、カプセル皮膜部の弾力性が不足し、カプセル強度が低下するため、皮膜が硬化し、ひび割れ、内容物の漏洩という問題を生じることがあった。
そのため可塑剤の配合量は適度に高めながらも、付着性を抑制する種々の手法として、(1)ゼラチン皮膜へのセルロースの添加(特許文献1)、(2)ゼラチン皮膜への植物性ワックスなどの疎水性物質の添加(特許文献2)、(3)ゼラチン皮膜へのキシリトールなどの結晶性水溶性物質の添加(特許文献3)等が提案されている。
しかしながら、上記先行技術の方法は、付着防止に一定の効果はあるものの、カプセルの形成性(カプセル皮膜の接着性)が低下するうえ、ゼラチン皮膜特有の水っぽい味などが残り、咀嚼性、溶解性、味などの点から十分な商品価値を有するに至っていない。
また、ソフトカプセル皮膜水分の上昇の程度によっては、付着防止性が低下するだけでなく、微生物が利用できる自由水が増加して、微生物的な問題が発生してしまう危険性がある。その解決手段として、透湿性の低い包材、乾燥剤の封入、密閉容器などが用いられているが、原材料費の増加や生産性の低下のためにコストが掛かったり、又、一度、ソフトカプセルが高温、多湿下に置かれると、直ぐに皮膜水分上昇が始まる問題は解決できていないままである。
また、ロータリーダイ式自働ソフトカプセル製造機を用いたカプセル成型後におけるタンブラー式乾燥機を用いた乾燥工程において、カプセル表面に粉末をまぶして付着防止性を高める方法(特許文献4)なども提案されているが、生産性が劣り、特に多品種少量生産などには不向きであった。
「洋菓子製造の基礎と実際」株式会社光琳平成3年発行303〜372頁 特開平10−273436号公報 特開2000−336028 特開2001−89362 特開2001−178376
本発明は、このような背景を認識してなされたものである。すなわち、本発明の課題は、口腔内でソフトで良好な咀嚼性、溶解性を有しながら、ゼラチン皮膜にまろやかなコクのある味を与え、カプセル皮膜の接着性、カプセル同士や容器への付着防止性に優れるうえに、更に高湿度条件下などにおいてもゼラチン皮膜水分の上昇を抑制した咀嚼用ソフトカプセルを提供することにある。
まず請求項1の、咀嚼用ソフトカプセルは、内容物を皮膜に充填した後、カプセル本体を形成するカプセル皮膜の乾燥を行うソフトカプセルにおいて、
前記皮膜部は、ゼラチン、可塑剤、粉末油脂、水を含有して形成されることを特徴として成るものである。
また請求項2の、咀嚼用ソフトカプセルは、前記請求項1記載の要件に加え、前記可塑剤の皮膜中の配合量が、ゼラチン100重量部に対して80〜250重量部であり、前記粉末油脂が、油脂、粉末化基材、乳化剤を含むO/Wエマルションを乾燥粉末化したことを特徴として成るものである。
また請求項3の、咀嚼用ソフトカプセルは、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記粉末油脂の皮膜中の配合量が、ゼラチン100重量部に対して1〜30重量部であることを特徴として成るものである。
また請求項4の、咀嚼用ソフトカプセルは、前記請求項1、2または3記載の要件に加え、内容物を皮膜に充填した後、前記咀嚼用ソフトカプセル皮膜を、タンブラー式乾燥機を用いて乾燥していく過程において、カプセル皮膜へ均一に分散した粉末油脂由来の油脂分が、カプセル皮膜表面へ滲み出ることにより、該油脂分でカプセル表面がオイルコーティングされたことを特徴として成るものである。
また請求項5の、咀嚼用ソフトカプセルは、前記請求項1、2、3または4記載の要件に加え、前記粉末油脂の成分である粉末化基材が、デキストリン、マルトデキストリン、オリゴ糖、ショ糖からなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせであることを特徴として成るものである。
また請求項6の、咀嚼用ソフトカプセルは、前記請求項1、2、3、4または5記載の要件に加え、前記粉末油脂の平均粒子径が、0.3〜3μmであることを特徴として成るものである。
また請求項7の、咀嚼用ソフトカプセルは、前記請求項1、2、3、4、5または6記載の要件に加え、前記可塑剤が、グリセリン、糖アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、単糖類、二糖類、オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ポリデキストロースからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせであることを特徴として成るものである。
また請求項8の、咀嚼用ソフトカプセルは、前記請求項1、2、3、4、5、6または7記載の要件に加え、前記皮膜部を調整するにあたり、ゼラチン、可塑剤、粉末油脂、水を含有することにより、付着防止性、口腔内での咀嚼性、溶解性、まろやかなコクのある味を向上させたことを特徴として成るものである。
また請求項9の、咀嚼用ソフトカプセルは、前記請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の要件に加え、前記皮膜部を調整するにあたり、ゼラチン、可塑剤、粉末油脂、水を含有することにより、ゼラチン皮膜水分の上昇を抑制したことを特徴として成るものである。
また請求項10の、咀嚼用ソフトカプセルは、前記請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の要件に加え、前記皮膜部を調整するにあたり、ゼラチン、可塑剤、粉末油脂、水を含有することで、ゼラチン皮膜水分の上昇を抑制し、
シリカゲル、酸化カルシウム、塩化カルシウム、シリカアルミナゲルからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせである乾燥剤を使用しないで瓶詰め包装または袋詰め包装したことを特徴として成るものである。
本発明者らは、咀嚼用ソフトカプセル皮膜として粉末油脂を配合することにより、口腔内でソフトで良好な咀嚼性、溶解性を有しながら、ゼラチン皮膜にまろやかなコクのある味を与え、カプセル皮膜の接着性、カプセル同士や容器への付着防止性に優れるうえに、更に高湿度条件下などにおいてもゼラチン皮膜水分の上昇を抑制することを見出した。
そして、これら各請求項記載の発明の構成を手段として、瓶詰め包装、袋詰め包装の際にシリカゲルなどの乾燥剤を必要とせず、より簡便でより安定な品質を維持した咀嚼用ソフトカプセルを得ることができる。
<咀嚼用ソフトカプセル皮膜として粉末油脂を添加する作用効果>
本発明の粉末油脂添加の作用効果は必ずしも明らかではないが、粉末油脂の物性により、その作用がなされるものと推察される。
本発明に用いられる粉末油脂とは、油脂、粉末化基材、乳化剤を含むO/Wエマルションを乾燥粉末化したことを特徴とし、油脂をタンパク質や糖質などで包み込んだ食品素材である。それゆえ、粉末油脂をカプセル皮膜として添加することと、通常の油脂をカプセル皮膜として添加することには、大きな違いがあることを、本発明者らは見出した。
すなわち、咀嚼用ソフトカプセル皮膜として、ゼラチン、可塑剤、水からなる皮膜液へ粉末油脂を添加して溶解分散すると平均粒子径が約1μmの油滴にすることができる。しかし、ゼラチン皮膜液へ油脂を添加して攪拌分散しても、30〜50μm程度にしか細かくならず、また油脂は疎水性物質であるため、ゼラチン、可塑剤、水からなる皮膜液へ均一に分散させることも非常に困難である。
油脂によっても異なるが、油脂をゼラチン皮膜液へ添加、攪拌分散することで平均粒子径が30μm程度の細かさになったと想定する。しかし、油脂の代りに粉末油脂をゼラチン皮膜液へ添加することで、この粒子径30μmの油滴1個を、粒子径1μmの粉末油脂27000個(303個)に分解すると、その表面積は900倍(30倍)になる。表面積が増えると、乳化安定性の機能が有効に発揮されるため、ゼラチン皮膜液への均一性、分散性が高まり、乾燥して咀嚼用ソフトカプセルにした際に、口腔内でソフトで良好な咀嚼性、溶解性を有しながら、ゼラチン皮膜にまろやかなコクのある味を与えると考えられる。
また、通常、ゼラチン、可塑剤、水からなる皮膜液に、油脂などゼラチン、可塑剤以外の物質を配合すると、皮膜液中での均一性、分散性が劣るうえに、カプセル皮膜同士の接着も阻害するため、一定量(例えば、ゼラチン100重量部に対して5重量部)以上配合できない。しかし、本発明では、油脂、粉末化基材、乳化剤を含むO/Wエマルションを乾燥粉末化したことを特徴とする粉末油脂を用いるため、粉末油脂を一定量(例えば、ゼラチン100重量部に対して5重量部)以上配合しても、皮膜液中での均一性、分散性が優れるうえに、カプセル皮膜同士の接着を阻害せず、優れた接着性を有したカプセルを得ることができる。
また、ロータリーダイ式自働ソフトカプセル製造機を用いたカプセル成型直後のカプセル皮膜水分は約25〜40%程度であるが、その後にタンブラー式乾燥機を用いて、カプセル皮膜水分を約7〜15%へ乾燥していく過程において、カプセル皮膜へ均一に分散した粉末油脂由来の油脂分が、カプセル皮膜表面へ滲み出ることにより、その油脂分でカプセル表面がオイルコーティングされる。この粉末油脂由来の油脂分でカプセル表面がオイルコーティングされることにより、カプセル同士や容器への付着防止性に優れるうえに、更に高湿度条件下などにおいても、ゼラチン皮膜の水分上昇を抑制する効果が得られる。
なお、本発明のカプセル乾燥工程で使用することのできるタンブラー式乾燥機とは、金網を円筒状に形成したドラムを回転させながら、ソフトカプセルと雰囲気との接触を促進することで、ソフトカプセル皮膜に含まれる水分の放散を図るものであって、適宜の給気機構などを備えてなるものである。そのようなタンブラー式乾燥機としては、例えば、株式会社三協社製の型式:KTBタイプ、OTBタイプ、株式会社カマタ社製の型式:TDM−P5タイプ、TDM−SL5タイプなどがあげられる。
本発明は、本事例に限定されるものではなく、粉末油脂とともにカラメル色素のような着色剤や甘味料など他の成分が咀嚼用ソフトカプセル皮膜成分として含まれていても、粉末油脂添加による、口腔内でソフトで良好な咀嚼性、溶解性を有しながら、ゼラチン皮膜にまろやかなコクのある味を与え、カプセル同士や容器への付着防止性に優れるうえに、更に高湿度条件下などにおいてもゼラチン皮膜水分の上昇を抑制する作用効果を阻害するものではないことは、言うまでもない。
本発明に用いられる粉末油脂とは、油脂、粉末化基材、乳化剤を含むO/Wエマルションを乾燥粉末化したことを特徴とするが、市場に販売されている粉末油脂であれば、いずれのものでも使用することが出来る。例えば、ミヨシ油脂株式会社製の商品名 マジックファット215、マジックファット110、マジックファット202、マジックファット250、マジックファット100、マジックファット200、マジックファット700、マジックファット1000などが使用できる。
本発明の粉末油脂に使用できる油脂としては、液体、固体の動植物油脂、硬化した動植物油脂、動植物油脂のエステル交換油、分別した液体油又は固体脂等、食用に適するものであれば全て使用可能である。具体的には、ナタネ油、コーン油、大豆油、綿実油、サフラワー油、パーム油、ヤシ油、米糠油、ごま油、カカオ脂、オリーブ油、パーム核油等の植物性油脂、魚油、豚脂、牛脂、鶏脂、乳脂等の動物性油脂及び、これらの油脂の硬化油又はエステル交換油、或いはこれらの油脂を分別して得られる液体油、固体脂等が挙げられ、これらからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせである。
本発明の粉末油脂に使用できる粉末化基材としては、乳蛋白、大豆蛋白、小麦蛋白、全脂粉乳、脱脂粉乳、小麦粉、澱粉、ゼラチン、ホエー、ガム質、単糖類、二糖類、オリゴ糖、デキストリン、マルトデキストリン等が挙げられ、これらからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせである。その中でも、デキストリン、マルトデキストリン、オリゴ糖、二糖類のショ糖が好適に用いられる。粉末油脂の粉末化基材として還元糖を使用する場合、その還元糖とソフトカプセル皮膜由来のゼラチン分子とのメイラード反応により崩壊遅延及び褐色変化が起こる可能性がある。しかし、粉末油脂の粉末化基材としてデキストリン、マルトデキストリン、オリゴ糖、二糖類のショ糖を使用する場合、還元糖を使用した時のようなゼラチン分子とのメイラード反応による崩壊遅延及び褐色変化を防止又は抑制できるという極めて優れた効果を有する。
すなわち、本発明において、粉末化基材としてデキストリン、マルトデキストリン、オリゴ糖、ショ糖を使用した粉末油脂を咀嚼用ソフトカプセル剤皮として配合することにより、口腔内でソフトで良好な咀嚼性、溶解性を有しながら、ゼラチン皮膜にまろやかなコクのある味を与え、カプセル皮膜の接着性、カプセル同士や容器への付着防止性に優れるうえに、更に高湿度条件下などにおいてもゼラチン皮膜水分の上昇を抑制でき、粉末油脂とゼラチン分子とのメイラード反応による崩壊遅延及び褐色変化を防止又は抑制できるという極めて優れた効果を有する。そのような粉末油脂としては、例えば、ミヨシ油脂株式会社製の商品名 マジックファット215(粉末化基材としてマルトデキストリンを使用)、マジックファット200(粉末化基材としてデキストリンを使用)などが挙げられる。
ここで、乳蛋白としては、酸カゼイン、レンネットカゼイン、カゼインナトリウム等が、澱粉としては、オクテニルコハク酸澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、小麦粉澱粉、タカピオ澱粉などが挙げられる。またガム質としては、キサンタンガム、アラビアガム、トラガントガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、カラギーナン、寒天、LMペクチン、HMペクチンなどが挙げられる。
本発明の粉末油脂に使用できる乳化剤としては、O/Wの乳化力を高めるものであればよく特に限定されないが、例としてあげれば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、乳化力のある加工澱粉(オクテニルコハク酸澱粉)などが挙げられる。
本発明に用いられる粉末油脂とは、油脂、粉末化基材、乳化剤を含むO/Wエマルションを乾燥粉末化したことを特徴とするが、O/Wエマルションを乾燥粉末化する方法としては、噴霧乾燥法、真空凍結乾燥法、真空乾燥法などを用いることができる。
本発明に用いられる粉末油脂の咀嚼用ソフトカプセル皮膜中の配合量は、期待する効果等を考慮して適宜決定すれば良いが、ゼラチン100重量部に対し1〜30重量部で好適に用いられる。さらに好ましくは5〜20重量部、とりわけ好ましくは7.5〜15重量部、さらにとりわけ好ましくは10〜12.5重量部である。粉末油脂のカプセル皮膜中の配合量がゼラチン100重量部に対し1重量部以下だと効果が発現しにくく、30重量部以上だと粉末油脂成分の味が強くなりすぎて、カプセル皮膜の味のバランスが劣る傾向にある。
本発明に用いられる粉末油脂の平均粒子径は0.3〜3μm、さらに好ましくは0.5〜2μm、とりわけ好ましくは0.7〜1.5μm、さらにとりわけ好ましくは0.9〜1. 1μmである。本発明に用いられる粉末油脂の平均粒子径は0.3μm以下だとゼラチン皮膜にまろやかなコクのある味が出にくく、3μm以上だとカプセル皮膜溶液中での均一性、分散性が劣る傾向がある。
本発明に使用できるゼラチンは、牛、豚、鶏、魚などの骨や皮あるいは腱などに主として含まれているコラーゲンというタンパク質を分解、精製して得られる分子量数万〜数十万のタンパク質であり、市場に販売されているゼラチンであれば、いずれのものでも使用することが出来る。
本発明に使用できる可塑剤は、グリセリン、糖アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、単糖類、二糖類、オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ポリデキストロースなどが挙げられ、これらからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせである。
ここで糖アルコールとしては、エリスリトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトールなどが挙げられ、単糖類としては、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、リボース、キシロース、アラビノースなどが挙げられ、二糖類としては、スクロース、マルトース、ラクトース、トレハロースなどが挙げられる。
また可塑剤の配合比率は、期待する効果等を考慮して適宜決定すれば良いが、ゼラチン100重量部に対して、30〜300重量部で好適に用いられる。さらに好ましくは、80〜250重量部、とりわけ好ましくは90〜200重量部、さらにとりわけ好ましくは100〜150重量部である。可塑剤の配合比率が30重量以下だとカプセル皮膜の強度や弾力性が十分でなく、30重量部以上80重量部以下だと、カプセル強度はあるが、カプセル皮膜が硬く噛み切れず咀嚼性が劣る傾向がある。可塑剤の配合比率を80重量部から増やしていくと、咀嚼性は良くなるが、250重量部以上になるとカプセル皮膜の粘着性が増して製造安定性が劣り、製造後のカプセル同士の付着防止性も劣る傾向がある。
本発明の咀嚼用ソフトカプセル皮膜中には、ゼラチン、可塑剤、粉末油脂、水の成分以外に、期待する効果等を考慮して、さらに甘味料を配合することができる。本発明に使用できる甘味料としては、アスパルテーム、グリチルリチン酸二ナトリウム、サッカリンナトリウム、ステビア、ソーマチンなどが挙げられ、これらからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせである。なお便宜上、前述の可塑剤として挙げた糖アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、単糖類、二糖類、オリゴ糖などは、甘味料の定義から除外しているが、これらを甘味料として使用することも可能である。
また甘味料の配合比率は、期待する効果等を考慮して適宜決定すれば良いが、ゼラチン100重量部に対して、5〜100重量部で好適に用いられる。さらに好ましくは、10〜80重量部、とりわけ好ましくは15〜30重量部である。
本発明の咀嚼用ソフトカプセル皮膜中には、ゼラチン、可塑剤、粉末油脂、水の成分以外に、期待する効果等を考慮して、甘味料のほかさらに着色剤、防腐剤、崩壊剤、芳香剤、矯味剤、矯臭剤、付着防止剤などを配合することができる。
たとえば、澱粉は、ゼラチン、可塑剤、粉末油脂、水とともに咀嚼用ソフトカプセル皮膜中に配合することでカプセル皮膜表面に凹凸を与え、粉末油脂配合との相乗効果でカプセル同士の付着防止性を高めることができる。
また澱粉は、通常5〜50重量%の水を抱えることができ保水作用を有するため、ロータリーダイ式自働ソフトカプセル製造機を用いた製造時のカプセル皮膜シートにコシを与えて金型、キャスティングドラムなどからの剥離性を高め、カプセルの製造安定性を向上させることができる。さらに、澱粉の保水作用によりカプセル皮膜の咀嚼性も高めることができる。
なお澱粉は、本来疎水性物質であるが、ロータリーダイ式自働ソフトカプセル製造機を用いたカプセル製造時に金型から受ける圧力(例えば150〜200kg/cm2)によって部分的にα化し、糊料としても作用する。そのため、比較的多く(例えば、ゼラチン100重量部に対して30重量部)配合しても、カプセル皮膜同士の接着を阻害せず、優れた接着性を有したカプセルを得ることができる。
従って澱粉の配合比率は、期待する効果等を考慮して適宜決定すれば良いが、ゼラチン100重量部に対して、10〜60重量部で好適に用いられる。さらに好ましくは、15〜50重量部、とりわけ好ましくは20〜40重量部である。
なお、ここで本発明の咀嚼用ソフトカプセル内容物としては、植物油、動物油、植物油と動物油の組み合わせ、さらには各油脂類に動植物エキス類およびエキス類粉末を含有する懸濁油などありとあらゆる油脂との混合物でカプセル化が可能なもの全ての機能性素材を用いることができる。
本発明で使用できるカプセル内容物の具体例を挙げれば、ローヤルゼリー、プロポリス、椎茸エキス、レイシ、マツバエキス、イチョウ葉エキス、クマザサエキス、クロレラ、スピルリナ、オクタコサノール、アロエ、エゾウコギ、高麗人参、ウコン、冬虫夏草、杜中エキス、ニンニク、酢、黒酢、香酢、ルチン、ギムネマ、大豆ペプチド、ハトムギエキス、ハーブ、酵母、酵素類、オットセイエキス、深海ザメエキス、スッポンエキス、プラセンタエキス、マムシ、マローエキス、カキエキス、ビフィズス菌、乳酸菌、キチン、キトサン、タウリン、核酸、オリゴ糖、センジョンズワート、バレリアン、エキナケア、大豆イソフラボン、月見草オイル、緑茶カテキン、ポリフェノール、ブルーベリー、リコピン、アガリクス、霊芝、モロヘイヤ、グルコサミン、コンドロイチン、ヒアルロン酸、コラーゲン、DHA、EPA、発芽玄米、シリマリン、システインペプチド、レシチン、βカロチン、ビタミンE、セラミド、スクワレン、ザクロエキス、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、ビタミンA、ビタミンK1、ビタミンK2、ビタミンD、ニコチン酸、ニコチンアミド、パントテン酸、ビオチン、カロチン、サラシア、ガルシニア、唐辛子カプサイシン、カルニチン、食物繊維、桑の葉、難消化性デキストリン、ペプチド類、葉酸、カルシウム、マグネシウム、リチウム、亜鉛、クロム、マンガン、リン、ナトリウム、カリウム、クロライド、塩化ナトリウム、鉄、銅、ゲルマニウム、ケイ素、セレン、マカ、スクアレン、ハチミツ、花粉、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、トリプオファン、チロシン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アシュワガンダ、β1,3グルカン、ビルベリー、ボスウェリア(カンラン)、ウシ気管軟骨、ブロッコリー抽出物、ブロメライン、キャッツクロー、セチル・ミリストリエイト、クロレラ、ピコリン酸クロム、チワヤ、コエンザイムQ10、共役リノール酸、カワラタケ抽出物(クレスチン)、クレアチン、クリプトキサンチン、シナリン、甘草、脱グリチルリチン甘草、エルダー抽出物(セイヨウニワトコ)、エミューオイル、亜麻仁油、フォルスコリン(コレウス)、グリセロール、グーグリピッド、5-ヒドロキシトリプトファン、麻オイル、ヒドロキシクエン酸、ヒドロキシアパタイト、ラクトフェリン、Lカルニチン、リポ酸、ルテイン、マイタケ抽出物、リンゴ酸、中鎖脂肪酸、メラトニン、調整シトラスペクチン(MCP)、モノラウリン、メチルスルホニルメタン、プロゲステロン、ニーム、オリーブの葉抽出物、オルガノオイル、ピペリン、フォスファチジルコリン、フォスファチジルセリン、プレグネノロン、プロアントシアニジン、ピジウム、ケルセチン、レスベラトロール、ローズマリー、ノコギリヤシ、シリマリン、ソーマ、トリメチルグリシン、硫酸バナジル、乳清、ヨヒンビン、ゼアキサンチン、アンドロステンジオン、クリシン、カフェインなどを挙げることができ、これらの1種類又は2種類以上の組み合わせでカプセル内容物として用いることができる。しかしこれらに限定されるものではないことは、言うまでもない。
また、本発明では、カプセル内容物の甘味料として、アスパルテーム、グリチルリチン酸二ナトリウム、サッカリンナトリウム、ステビア、ソーマチン、グリセリン、糖アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、単糖類、二糖類、オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ポリデキストロースなどを適宜使用することができる。
ここで糖アルコールとしては、エリスリトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトールなどが挙げられ、単糖類としては、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、リボース、キシロース、アラビノースなどが挙げられ、二糖類としては、スクロース、マルトース、ラクトース、トレハロースなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではないことは、言うまでもない。
咀嚼用ソフトカプセルの包装形態として、瓶詰め包装、袋詰め包装などがあるが、従来の瓶詰め包装、袋詰め包装などでは、付着防止性などの品質低下防止のため、シリカゲル、酸化カルシウム、塩化カルシウム、シリカアルミナゲルなどからなる乾燥剤と共に咀嚼用ソフトカプセルを包装する必要があった。
しかし、本発明の粉末油脂を配合した咀嚼用ソフトカプセルでは、高湿度条件下などにおいてもゼラチン皮膜水分の上昇を抑制する効果を有するため、従来のようにシリカゲルなどの乾燥剤を共に包装する必要がなく、生産性、コスト面でも優れた効果を有する。
本発明により、口腔内でソフトで良好な咀嚼性、溶解性を有しながら、ゼラチン皮膜にまろやかなコクのある味を与え、カプセル皮膜の接着性、カプセル同士や容器への付着防止性に優れるうえに、更に高湿度条件下などにおいてもゼラチン皮膜水分の上昇を抑制し、瓶詰め包装、袋詰め包装の際にシリカゲルなどの乾燥剤を必要とせず、生産性、コスト面、品質性に優れた従来にない咀嚼用ソフトカプセルを得ることができる。
以下に実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<試験例1>
(1)比較例1〜2
表1の比較例1の咀嚼用ソフトカプセル皮膜処方で常法に従い、ゼラチン50kg(100重量部)、グリセリン50kg(100重量部)、RO水35kg(70重量部)を混合後、約70℃で加温溶解し、真空脱泡してゼラチンシート組成物を得た。その組成物をステンレス製の金属板(約50cm×50cm)上に均一に流し、約25℃にてゼラチンシート水分を9〜10重量%になるように乾燥して、厚さ約0.5mmのゼラチンシートを得た。ゼラチンシートから約1cm×1cmのチップを切り取り、ゼラチンシートチップ比較例1を得た。なお、RO水のROは、(Reverse Osmosis)の略である。
また、油脂(日清オイリオグループ株式会社の商品名:日清サフラワー油)5kg(10重量部)を表1の処方で配合した以外は比較例1と同様にしてゼラチンシートチップ比較例2を得た。

(2)本発明品1〜5
次に表1の本発明品1の咀嚼用ソフトカプセル皮膜処方で常法に従い、ゼラチン50kg(100重量部)、グリセリン50kg(100重量部)、粉末油脂(ミヨシ油脂株式会社製の商品名 マジックファット215)1.25kg(2.5重量部)、RO水35kg(70重量部)を混合後、約70℃で加温溶解し、真空脱泡してゼラチンシート組成物を得た。その組成物をステンレス製の金属板(約50cm×50cm)上に均一に流し、約25℃にてゼラチンシート水分を9〜10重量%になるように乾燥して、厚さ約0.5mmのゼラチンシートを得た。ゼラチンシートから約1cm×1cmのチップを切り取り、ゼラチンシートチップ本発明品1を得た。
本発明品1と同様にして、表1のカプセル皮膜処方で、ゼラチンシートチップ本発明品2〜5を得た。
なお、ゼラチン、グリセリンは、比較例1〜2及び本発明品1〜5で共通であり、ゼラチンは、ヴアイスハルト社製の商品名Weishardt GXAS-7を用い、グリセリンは、研光通商株式会社販売でVVF LTD社製の商品名 REFINED
GLYCERINE USPを用いた。

<評価項目>
(1) 官能評価
7名のパネラーにより、比較例1〜2、本発明品1〜5のゼラチンシートチップの口腔内での1)咀嚼性、2)溶解性、3)味、について官能評価を行った。

(2) 付着防止性評価
また、比較例1〜2、本発明品1〜5のゼラチンシートチップを6号ガラスサンプル瓶に入れ、キャップ閉状態で温度40℃、湿度75%RHの恒温・高湿器内にて48時間保存した場合のゼラチンシートチップ同士の付着防止性を評価した。

官能評価と付着防止性評価の結果を下記表2に示す。

◎:良 ○:やや良 △:やや不良 ×:不良
比較例1〜2と本発明品1〜5の官能評価結果、付着防止性評価結果を比較すると比較例1では、口腔内での咀嚼性、溶解性が悪く、ゼラチン皮膜特有の水っぽい味などが残った。また保存後のシートの付着も著しかった。比較例1の皮膜処方にさらに油脂を配合した比較例2では、咀嚼性、ゼラチン皮膜特有の水っぽい味、保存後のシートの付着性については比較例1より改善されているが、口腔内での溶解性は劣っていた。
一方、粉末油脂を配合した本発明品1〜5では、口腔内での咀嚼性、溶解性が良く、ゼラチン皮膜特有の水っぽい味が改善され、ゼラチン皮膜にまろやかなコクがあった。また保存後のシートの付着もなく、サラサラしていた。
本発明を実施するには、定法に従ってソフトカプセルを製造すればよく、例えばロータリー式、シームレス式または平板式などの方法を使用することができる。ロータリー式の例であるロータリーダイ式自働ソフトカプセル製造機によるソフトカプセル製造方法は、本出願人が既に特許出願に及んでいる特開2004−351007の段落番号0024〜0031に開示している方法を用いることができる。
以下に実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、カプセル内容物としては、植物油、動物油、植物油と動物油の組み合わせ、さらには各油脂類に動植物エキス類およびエキス類粉末を含有する懸濁油などありとあらゆる油脂との混合物でカプセル化が可能なもの全てに適用できるものである。
<試験例2>
(1)比較例1′〜2′
表3の比較例1′の咀嚼用ソフトカプセル皮膜処方で常法に従い、ゼラチン50kg(100重量部)、グリセリン50kg(100重量部)、RO水35kg(70重量部)を混合後、約70℃で加温溶解し、真空脱泡してゼラチンカプセルの成型に用いた。
カプセルの成型は、ロータリーダイ式自働ソフトカプセル製造機を用い、5号オーバルを金型に選定して行った。カプセルの内容物として「MCT(中鎖脂肪酸トリグリセライド):大豆レシチン = 50:50(重量%)」300mgを充填して成型後、株式会社三協社製のタンブラー式乾燥機型式:KTBタイプを用いて、カプセル皮膜の水分が8.2〜8.7重量%となるように乾燥して、比較例1′のソフトカプセルを得た。カプセル内容物のMCTは、花王株式会社の商品名:ココナードMTを用いた。大豆レシチンは、株式会社J−オイルミルズ製の商品名:JレシチンCLを用いた。
また、油脂(日清オイリオグループ株式会社の商品名:日清サフラワー油)5kg(10重量部)を表3の処方で配合した以外は比較例1′と同様にしてソフトカプセル比較例2′を得た。

(2)本発明品1′〜5′
次に表3の本発明品1′の咀嚼用ソフトカプセル皮膜処方で常法に従い、ゼラチン50kg(100重量部)、グリセリン50kg(100重量部)、粉末油脂(ミヨシ油脂株式会社製の商品名 マジックファット215)1.25kg(2.5重量部)、RO水35kg(70重量部)を混合後、約70℃で加温溶解し、真空脱泡してゼラチンカプセルの成型に用いた。
カプセルの成型は、ロータリーダイ式自働ソフトカプセル製造機を用い、5号オーバルを金型に選定して行った。カプセルの内容物として「MCT(中鎖脂肪酸トリグリセライド):大豆レシチン = 50:50(重量%)」300mgを充填して成型後、株式会社三協社製のタンブラー式乾燥機型式:KTBタイプを用いて、カプセル皮膜の水分が8.2〜8.7重量%となるように乾燥して、本発明品1′のソフトカプセルを得た。カプセル内容物のMCT及び大豆レシチンは、比較例1′〜2′と同様のものを用いた。
本発明品1′と同様にして、表3の皮膜処方で、本発明品2′〜5′のソフトカプセルを得た。
なお、ゼラチン、グリセリンは、比較例1′〜2′及び本発明品1′〜5′で共通であり、ゼラチンは、ヴアイスハルト社製の商品名Weishardt GXAS-7を用い、グリセリンは、研光通商株式会社販売でVVF LTD社製の商品名 REFINED
GLYCERINE USPを用いた。

<評価項目>
(1) 官能評価
7名のパネラーにより、比較例1′〜2′、本発明品1′〜5′のカプセル皮膜の口腔内での1)咀嚼性、2)溶解性、3)味、について官能評価を行った。

(2) 付着防止性評価
比較例1′〜2′、本発明品1′〜5′のソフトカプセルを6号ガラスサンプル瓶に入れ、キャップ閉状態で温度40℃、湿度75%RHの恒温・高湿器内にて48時間保存した場合のソフトカプセル同士の付着防止性を評価した。

(3) 接着性評価
比較例1′〜2′、本発明品1′〜5′のソフトカプセル成型後にカプセルを半分に切断し、顕微鏡観察で接着性を評価した。

(4)皮膜水分値上昇抑制評価
1)皮膜水分値の測定
比較例1′〜2′、本発明品1′〜5′のソフトカプセルを6号ガラスサンプル瓶に入れ、キャップ閉状態で40℃、75%RHの恒温・高湿器内にて0日間、2日間、4日間保存した場合のソフトカプセル皮膜の水分値を測定し、10個の平均値を算出した。なお水分値の測定は、加熱乾燥式水分計(株式会社エー・アンド・ディ製、型名:MX−50)を用いて測定した。

2)皮膜水分値上昇率
皮膜水分値上昇率を次式で算出した。
皮膜水分値上昇率(%)
= (2日後又は4日後の水分値−0日目の水分値)÷ 0日目の水分値 × 100

なお本発明では、皮膜水分値上昇率が少ないほどカプセル皮膜の吸湿が抑制されており、本発明の咀嚼用ソフトカプセルとして適しているといえる。

3)皮膜水分値上昇抑制効果
上記1)皮膜水分値の測定、2)皮膜水分値上昇率で求めた各数値をもとに、比較例1′〜2′、本発明品1′〜5′のソフトカプセル皮膜水分値上昇抑制効果を評価した。

(1)官能評価、(2)付着防止性評価、(3)接着性評価、(4)皮膜水分上昇抑制評価の結果を下記表4に示す。

◎:良 ○:やや良 △:やや不良 ×:不良
表4の比較例1′〜2′と本発明品1′〜5′の咀嚼用ソフトカプセルの官能評価結果、付着防止性評価結果を比較すると、表2の比較例1〜2と本発明品1〜5の評価結果と同様の傾向を示した。
すなわち、比較例1′では、口腔内での咀嚼性、溶解性が悪く、ゼラチン皮膜特有の水っぽい味などが残った。また保存後のソフトカプセル同士の付着も著しかった。比較例1′の皮膜処方にさらに油脂を配合した比較例2′では、咀嚼性、ゼラチン皮膜特有の水っぽい味、保存後のソフトカプセル同士の付着については比較例1′より改善されているが、口腔内での溶解性が劣っていた。
一方、粉末油脂を配合した本発明品1′〜5′では、口腔内での咀嚼性、溶解性が良く、ゼラチン皮膜特有の水っぽい味が改善され、ゼラチン皮膜にまろやかなコクがあった。また保存後のソフトカプセル同士の付着もなく、サラサラしていた。
表4で皮膜水分値上昇抑制効果を比較すると、粉末油脂を添加していない比較例1′に比べ、粉末油脂を添加した本発明品1′〜5′では、皮膜水分値の上昇が抑制されている傾向が認められた。また比較例1′と本発明品1′〜5′の接着性は、同レベルで良好であった。
一方比較例2′は、本発明品1′〜5′と同様に皮膜水分値上昇抑制効果が認められたが、接着性が劣っており、カプセル形成後にカプセル皮膜接着部からカプセル内容物が漏洩してくる「液漏れ」という現象が認められた。なお、この「液漏れ」は接着性が良好な比較例1′と本発明品1′〜5′では認められなかった。
<試験例3>
表3、表4の比較例1′と皮膜処方、カプセル内容物、製法を同様にして、表5の咀嚼用ソフトカプセル比較例3、比較例4を得た。また表3、表4の本発明品3′と皮膜処方、カプセル内容物、製法を同様にして、表5の咀嚼用ソフトカプセル本発明品6を得た。
株式会社三協社製のタンブラー式乾燥機型式:KTBタイプを用いて、各カプセルの皮膜水分値は10.0〜10.4重量%に調整した。比較例3、比較例4は、ともにカプセル150個を12号ガラス瓶に入れ、キャップ閉状態にしているが、比較例3はシリカゲル乾燥剤を入れておらず、比較例4はシリカゲル乾燥剤1g(大江化学工業社製 商品名 シリカゲルQP1)を入れたものである。
本発明品6は、カプセル150 個を12号ガラス瓶に入れ、シリカゲル乾燥剤を入れずにキャップ閉状態にしたものである。

(1) 官能評価
7名のパネラーにより、比較例3、比較例4、本発明品6の製造直後0ヶ月保存のカプセルと、20℃、25%RHで6ヶ月保存のカプセルを、カプセル皮膜の口腔内での1)咀嚼性、2)溶解性、3)味について官能評価を行った。その評価結果を表5に示す。

(2) 付着防止性評価
比較例3、比較例4、本発明品6の製造直後0ヶ月保存のカプセルと、20℃、25%RHで6ヶ月保存のカプセルのソフトカプセル同士の付着防止性を評価した。その評価結果を表5に示す。

◎:良 ○:やや良 △:やや不良 ×:不良
表5の評価結果を比較すると、乾燥剤を入れていない比較例3では、6ヶ月保存することで付着防止性が低下し、乾燥剤を入れている比較例4では、6ヶ月保存したときの咀嚼性、溶解性が低下していた。
一方、本発明品6では、乾燥剤を入れていないにもかかわらず、6ヶ月保存しても、咀嚼性、溶解性、味、付着防止性いずれも経時的変化がほとんどなく、品質が良好に維持されていた。
本発明は、「医薬品」、「特定保健用食品」、「いわゆる健康食品」および食品の分野のほか、内容物の選択により、例えば工業用調剤を内包したものなど工業の分野において利用することができる。

Claims (10)

  1. 内容物を皮膜に充填した後、カプセル本体を形成するカプセル皮膜の乾燥を行うソフトカプセルにおいて、
    前記皮膜部は、ゼラチン、可塑剤、粉末油脂、水を含有して形成されることを特徴とする咀嚼用ソフトカプセル。
  2. 前記可塑剤の皮膜中の配合量が、ゼラチン100重量部に対して80〜250重量部であり、
    前記粉末油脂が、油脂、粉末化基材、乳化剤を含むO/Wエマルションを乾燥粉末化したことを特徴とする請求項1記載の咀嚼用ソフトカプセル。
  3. 前記粉末油脂の皮膜中の配合量が、ゼラチン100重量部に対して1〜30重量部であることを特徴とする請求項1または2記載の咀嚼用ソフトカプセル。
  4. 内容物を皮膜に充填した後、前記咀嚼用ソフトカプセル皮膜を、タンブラー式乾燥機を用いて乾燥していく過程において、カプセル皮膜へ均一に分散した粉末油脂由来の油脂分が、カプセル皮膜表面へ滲み出ることにより、該油脂分でカプセル表面がオイルコーティングされたことを特徴とする請求項1、2または3記載の咀嚼用ソフトカプセル。
  5. 前記粉末油脂の成分である粉末化基材が、デキストリン、マルトデキストリン、オリゴ糖、ショ糖からなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせである請求項1、2、3または4記載の咀嚼用ソフトカプセル。
  6. 前記粉末油脂の平均粒子径が、0.3〜3μmであることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の咀嚼用ソフトカプセル。
  7. 前記可塑剤が、グリセリン、糖アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、単糖類、二糖類、オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ポリデキストロースからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせである請求項1、2、3、4、5または6記載の咀嚼用ソフトカプセル。
  8. 前記皮膜部を調整するにあたり、ゼラチン、可塑剤、粉末油脂、水を含有することにより、付着防止性、口腔内での咀嚼性、溶解性、まろやかなコクのある味を向上させたことを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6または7記載の咀嚼用ソフトカプセル。
  9. 前記皮膜部を調整するにあたり、ゼラチン、可塑剤、粉末油脂、水を含有することにより、ゼラチン皮膜水分の上昇を抑制したことを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、または8記載の咀嚼用ソフトカプセル。
  10. 前記皮膜部を調整するにあたり、ゼラチン、可塑剤、粉末油脂、水を含有することで、ゼラチン皮膜水分の上昇を抑制し、
    シリカゲル、酸化カルシウム、塩化カルシウム、シリカアルミナゲルからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の組み合わせである乾燥剤を使用しないで瓶詰め包装または袋詰め包装したことを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の咀嚼用ソフトカプセル。
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