JP4169894B2 - ソフトカプセルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はゼラチンを主成分としたカプセル本体を有するソフトカプセルに関するものであり、特に高温多湿下においても付着性を有することなく、また耐久性が低下することのないソフトカプセルの製造方法に係るものである。
【0002】
【発明の背景】
薬品、食品等の粉粒体、液体等を皮膜によって形成されたカプセル本体に内包したソフトカプセルは、一般にロータリー・ダイ式自動ソフトカプセル製造機、シームレス式自動カプセル製造機、平板式自動カプセル製造機等により製造される。
これらのような製造機を用いて製造されるソフトカプセルの皮膜が具備すべき条件は、造膜性が良いこと、弾力性が高いこと、強度が高いこと、シール性が良いこと、可食性であること等が挙げられ、これらの条件を具備する素材としては、牛、豚等の皮、骨から加工抽出される蛋白質であるゼラチンが最も好ましい。なおゼラチンは食品、薬品等の原料としては高価なものではあるが、これに取って代わる素材が他にはないのが実情である。
【0003】
ところでゼラチンを素材としてカプセル本体を形成する皮膜を製造する場合には、皮膜の硬化、ひび割れによる内容物の漏洩等を防止するために、グリセリン、ソルビトール等を可塑剤として配合することで弾力性や強度を高めることが行われているが、この可塑剤は同時に皮膜に粘着性を与えることとなるため、以下に示すような問題点があった。
まず高温下、多湿下においては皮膜の粘着性が顕著に現れるため、環境条件によっては瓶詰め工程、PTP包装工程でのソフトカプセルの滑走性(滑りやすさ)を悪化させて包装作業を困難にしてしまう。
また包装後においても、容器内でソフトカプセル同士が互いに付着したり、ソフトカプセルが容器に付着してしまうため、商品価値を低下させてしまうこととなる。
【0004】
そこで上述のような可塑剤の配合に起因するソフトカプセルの粘着性の問題を解決するために種々の試みが成されてはいるが、いずれも副次的な問題を抱えており前記問題を完全に解決するには至っていない。
まずカプセル本体の表面をカルナウバロウで処理する方法(特開昭56−156212号)では、内容物に水分が含まれる場合にはカプセル本体表面の光沢が消失して曇ってしまうため商品価値の低下を招いてしまう。
また皮膜中に天然カルシウムを配合する方法(特開平2−22221号)では、内容物が着色されている場合には、内容物の色が透けて見える部分と、見えない部分とが生じて、ソフトカプセルの色が不均一になってしまうため商品価値の低下を招いてしまう。
【0005】
また小麦粉や特殊処理した乳性蛋白質を配合する方法(特開平10−80466号、特開平10−310519号)では、ある程度の効果は見られるものの、前記ソフトカプセルの付着に関する問題を完全に解決するには至っていない。
【0006】
そこでまず製造工程でのソフトカプセルの付着の問題を回避するために、ゼラチンシートの表裏に短・中鎖飽和脂肪酸、硬化油等を塗布することが行われているが、包装後の付着は避けられない。
包装後の付着を防ぐためには乾燥を充分に行うことで粘着性を低下させればよいが、油膜によってゼラチン皮膜に含まれる水分の放散が阻害されるため、乾燥に長時間を要して製品としての製造時間が長くなるばかりでなく、柔軟性が低下してしまうためソフトカプセルとはいえない硬質なものとなってしまう。
【0007】
【開発を試みた技術的課題】
本発明はこのような背景を認識してなされたものであって、高温多湿下においても付着性を有することなく、また耐久性及び柔軟性が低下することのない新規なソフトカプセルの製造方法を開発することを技術課題としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明によって製造されるソフトカプセルにあっては、ソフトカプセルの付着性を除去する手段として、内容物を収容した状態のカプセル本体を形成するゼラチン皮膜の表面に粉末を付着させることで粘着防止層が形成されるものである。
この粉末は、ベーキングパウダー、コーンスターチ、粉末砂糖・果糖(短糖類及び多糖類を含む)、小麦粉、片栗粉、くず粉、米粉、カルシウム粉末、セルロース粉末、キチン・キトサン粉末、澱粉(シクロデキストリン、ポリデキストロース等のデキストリン類)等の他、可食性の粉末類すべてを用いることができるが、これらのうち特に吸湿性の少ないベーキングパウダー、コーンスターチ、米粉、カルシウム粉末、セルロース粉末またはキチン・キトサン粉末を用いることが好ましい。
【0009】
また前記カプセル本体に収容される内容物としては、薬品、食品、化粧品、入浴剤等の粉粒体、液体、半固形物あるいは雑貨(玩具・接着剤)等が挙げられる。なお内容物として不可食性のものを用いる場合には、前記粉末は必ずしも可食性である必要はない。
【0010】
またカプセル本体を形成する皮膜は、主成分をゼラチンとするとともに、グリセリン、ソルビトール等を可塑剤として配合することで弾力性や強度の向上を図るものである。そしてこのようにゼラチンを主成分とした素材からゼラチン皮膜たるゼラチンシートを形成し、このゼラチンシートを一対のダイロール間に拝み合わせた状態に送り込み、その間に上記内容物を供給し、これを内包したカプセル形状のものがソフトカプセルとして定義されるものである。なおこのようなソフトカプセルのうち、内容物を取り除いたゼラチン皮膜の部分を特にカプセル本体と称するものである。
【0011】
また前記粉末は微粉末のものが好適であるので、その粒径は必ずしも制限されるものではないが好ましくは10〜300μm、更に好ましくは10〜75μmとする。
また前記粉末の量は、カプセル本体を形成するゼラチン皮膜の0.1〜20重量%の範囲が適量である。因みに粉末が0.1重量%より少ない場合にはソフトカプセルの付着防止効果が顕著に見られず、また10重量%より多い場合には、付着防止効果は顕著に現れるものの、ゼラチン皮膜表面に白い粉が吹いたような状態となり、美感を損なったものとなってしまう。従って更に好ましい粉末の量は、ゼラチン皮膜の0.5〜5重量%の範囲となるものである。
【0012】
そしてこのような手段を講ずることによって、ゼラチン皮膜の粘着性を除去して、ソフトカプセル同士の付着や、ソフトカプセルと容器等との付着を回避することができるので、商品価値を低下させることがない。
またゼラチン皮膜表面に粉が吹いたような状態にならないため、ソフトカプセルを美感に優れた商品価値を有するものとすることができる。
またカプセル本体を過剰に乾燥させていない柔軟な状態で粘着性が除去されるので、必要以上の乾燥を行う必要がなくなり、乾燥工程に要する時間を短縮して生産性を向上し、製品単価を引き下げることができる。
【0013】
また本発明では前記課題を解決する手段として次のような製造方法を採用する。すなわちカプセル本体によって液体、粉粒体等を内包した後、このカプセル本体を形成するゼラチン皮膜の乾燥を行うソフトカプセルの製造方法において、前記ゼラチン皮膜を乾燥するとともにこのゼラチン皮膜の表面に粉末を付着させて粘着防止層を形成するものであり、この粘着防止層の形成乾燥工程は複数工程に分けられ、第一工程において上記粉末のうちの、いずれか一種または複数種をゼラチン皮膜の表面に付着させながら乾燥を行い、第二工程において余分に付着した粉末を除去しながら乾燥を行うものである。
更にまた前記第二工程の後段に、ゼラチン皮膜の表面に余分に付着した粉末及び油脂の拭き取りを行いながら乾燥を行う第三工程を加えるものである。
【0014】
そしてこのような手段を講じた場合には、第一工程でソフトカプセルに対して粉末を付着させた後、第二工程で余剰な粉末を除去するため、粉末の付着過多による美感低下を引き起こすことがない。また前記粉末の付着及び余剰粉末の除去は、従来のマイクロカプセルの製造方法における乾燥工程を一部改変するだけで行うことができるため、極端なコスト上昇を招くことがない。
更にまた第三工程でゼラチン皮膜の表面に余分に付着した粉末及び油脂が拭き取られるので、ソフトカプセルをより一層美感に優れた、商品価値を有するものとすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下具体的な実施の形態を取り上げて、本発明の内容について更に具体的に説明する。まず本発明によって製造されるソフトカプセル1の基本構成は、図1に示すように、内容物Aを収容した状態のカプセル本体2の表層部に粘着防止層3を形成することによって構成される。この粘着防止層3は上記粉末Pのうちの、いずれか一種または複数種によって形成されるものである。
【0016】
そして本実施の形態にあっては、内容物Aとして一例として液体を適用し、この液体を収容するカプセル本体2は、ゼラチンを主成分として、グリセリン、ソルビトール等の可塑剤を配合することで弾力性及び強度の向上を図ったゼラチン皮膜によって形成されるものとする。
【0017】
そしてこのようなソフトカプセル1を製造するにあたっては、以下の(1)〜(3)の手順に従う。
(1)ゼラチンシートの作成
まずカプセル本体2の成形において使用するゼラチン皮膜たるゼラチンシート4を作成する。この場合にはゼラチン、グリセリン、ソルビトール、水を混合したものを原料とする。そしてこの原料をヒータによって温められている原料タンク内に収容し、原料の溶融状態を確保しておく。
【0018】
次に原料タンク内の原料は供給ホースによってスプレダーボックス内に供給され、そのスリット状の吐出孔から溶融状態で吐出され、その下方に位置する冷却ドラムによって冷却、そしてシート状に成形され、ゼラチンシート4が連続して作成される。なおこのようなゼラチンシート4は二枚同時に並行して作成されるものであって、これら二枚のゼラチンシート4は表裏に短・中鎖脂肪酸、硬化油等の油脂を塗布された後、次工程であるカプセル本体成形工程に同時に供給される。
【0019】
(2)カプセル本体の成形
このようにして作成された二枚の連続するゼラチンシート4は、図2に示すようにロータリー・ダイ式自動カプセル製造機10における一対のダイロール11に拝み合わせた状態に送り込まれ、その上方に位置するノズル12から所定のタイミングで内容物Aが供給される。すなわちダイロール11の周面には多数のカプセル成形凹部13と、このカプセル成形凹部13の周縁部に形成されている成形突起14とが設けられているから、これらの接近離反作用によってカプセル成形凹部13内に供給された二枚のゼラチンシート4及び内容物Aは、次々と図に示すようなカプセル形状に成形され、一次製品Cとして取り出されていくのである。因みにこのようにして成形された一次製品Cの内容物Aを除いたカプセル素材の部分がゼラチン皮膜によって形成されたカプセル本体2となるものである。
【0020】
(3)粘着防止層の形成並びにゼラチン皮膜(カプセル本体)の乾燥
次にこのようにして成形した一次製品Cに粘着防止層3を形成しながらゼラチン皮膜(カプセル本体2)の乾燥を行うものであり、本実施の形態では一例として、この粘着防止層形成乾燥工程を三段階に分けて行うものである。
なお本実施の形態では、各工程段階で用いる乾燥機はともにタンブラー式乾燥機20を用いるのであって、それぞれの工程段階に応じて要求される改変を加えるものとする。ここで各工程段階に共通するタンブラー式乾燥機20の基本的構造について説明しておくと、このものはフレームFに対して諸部材を支持して成るものであり、金網を円筒状に形成したドラム21を、モータMによって駆動される支持ロール22上で回転させながら被処理物と雰囲気との接触を促進することで被処理物に含まれる水分の放散を図るものであって、適宜の給気機構等を具えて成るものである。そして前記ドラム21の両端開口部をそれぞれ投入口23、排出口24とするものである。
以下粘着防止層形成乾燥工程の各工程段階毎に説明してゆく。
【0021】
〔第一工程〕
第一工程で用いる第一乾燥機20Aは、内周に適宜のリフタを具えた外周ドラム25をドラム21Aの外周全域を覆うようにして具えて成るものである。
【0022】
そしてまず粘着防止層形成乾燥工程の第一段階として、前記ロータリー・ダイ式自動カプセル製造機10によって製造された一次製品C(ゼラチン皮膜から成るカプセル本体2の含水率30〜40%程度)を、第一乾燥機20Aにおけるドラム21A内に投入するものである。
このとき同時に粉末Pをドラム21A内に供給するものであり、粉末Pはドラム21A及び外周ドラム25の回転によってドラム21A内空間で分散状態となって一次製品Cに接触し、ゼラチン皮膜によって形成されたカプセル本体2の表面に付着する。なおこの状態のものを中間製品C1と呼ぶ。
その後適宜の時間運転を継続し、カプセル本体2の含水率が20〜30%程度となるとともに表面に粉末Pがまべんなく付着した段階で、中間製品C1を第二工程に投入させるものである。
【0023】
〔第二工程〕
第二工程で用いる第二乾燥機20Bは、ドラム21Bの下方に粉末Pを受けるための粉落ちカバー26を具えて成るものである。
【0024】
そしてドラム21B内に投入された中間製品C1は、ドラム21Bの内周(ネット)との間の摩擦または中間製品C1同士の摩擦によって余剰に付着した粉末Pが除去されるものであり、カプセル本体2に付着した粉末Pの量が、カプセル本体2を形成するゼラチン皮膜の0.1〜20重量%程度になった段階で、この状態の中間製品C2を第三工程に投入させるものである。
なおこのときドラム21Bの網目を通過してドラム21Bの下方に落下した粉末Pは、粉落ちカバー26によって捕捉されることとなり、適宜再利用等に供されるものである。
【0025】
〔第三工程〕
第三工程で用いる第三乾燥機20Cは、ドラム21Cの内周に対して無塵性であり、且つ吸油性のある布を貼付するものである。
【0026】
そしてドラム21C内に投入された中間製品C2は、ドラム21Cの内周に貼付した布によってカプセル本体2の表面に付着した余分な粉末P及び油脂が拭き取られるものであり、やがてカプセル本体2の含水率が所望の値約15%になった段階で、カプセル本体2の表層部に粘着防止層3の形成されたソフトカプセル1が最終製品として製造されるものである。
その後ソフトカプセル1を包装工程に送り、適宜瓶詰め、PTP包装を行うものであるが、このときソフトカプセル1は粘着防止層3によって粘着性が除去されているので、コンベヤ上での滑走性が良好であり、包装作業を効率的に行うことができる。
【0027】
【実施例】
以下に本発明によって製造されるソフトカプセル1の数種の実施例を示す。
〔実施例1〕
実施例1は、粉末Pとして片栗粉を用いた粘着防止層3を形成したカプセル本体2に、内容物Aとして調味油を300mg収容したものである。
【0028】
〔実施例2〕
実施例2は、粉末Pとして片栗粉を用いた粘着防止層3を形成したカプセル本体2に、内容物Aとして各種動植物油の代表である大豆油を300mg収容したものである。
【0029】
〔実施例3〕
実施例3は、粉末Pとして片栗粉を用いた粘着防止層3を形成したカプセル本体2に、内容物Aとして吸湿性の高い粉末成分含有液の代表であるキトサン100mgを含む植物油懸濁物を300mg収容したものである。
【0030】
〔実施例4〕
実施例3は、粉末Pとして片栗粉を用いた粘着防止層3を形成したカプセル本体2に、内容物Aとして親水性を有す成分の代表である大豆レシチンを300mg収容したものである。
【0031】
なお上記実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4はいずれも、カプセル本体2を形成するゼラチン皮膜は、ゼラチン100重量部に対して、グリセリン35、水90を混成した同一成分のものとした。また粉末Pの量は、カプセル本体2を形成するゼラチン皮膜の約0.5重量%とした。
【0032】
【比較試験】
次に上述したような条件を異ならせたソフトカプセル1の種々の実施例と、ソフトカプセル1との比較を行うために用意した比較例とに基づいて行った三種類の比較試験の内容と、その結果について説明する。
【0033】
(1)比較試験1
この比較試験1は、粉末Pによる粘着防止層3の形成が、カプセル本体2の外観及び強度内にどのような影響を与えるかを確認することを目的として行ったものである。
【0034】
表1に示すように実施例1及び実施例2並びに粘着防止層3を形成していないカプセル本体2に内容物Aとして大豆油300mgを収容した比較例1の三種類のサンプルをとり上げ、これらについて以下に示す比較試験を行った。その結果を表2に示す。
【0035】
なお前記比較例1のカプセル本体2を形成するゼラチン皮膜は、前記実施例1及び実施例2と同様に、ゼラチン100重量部に対して、グリセリン35、水90を混成した同一成分のものとした。
【0036】
〔外観検査〕 目視による。
〔崩壊試験〕 日局崩壊試験法に準拠して試験した。
〔皮膜水分〕 赤外線水分計(Kett社製、FD−230)を使用し、日局乾燥減量試 験法に準拠して試験した。
〔破壊加重(加圧に対する強度)〕 木屋式硬度計(株式会社藤原製作所製、最大加重3 0kg)を用いて試験した。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
このように表2より明らかなように実施例1、実施例2にあっては著しい美感の低下は認められず、またカプセル本体2の破壊は起こらずに強度が向上していることが認められた。
【0040】
(2)比較試験2
この比較試験2は、粉末Pによる粘着防止層3の形成がカプセル本体2の付着性にどのような影響を与えるかを確認することを目的として行ったものである。 高温多湿下におけるソフトカプセル1の付着度合いを観察するために、上記実施例1、実施例2及び比較例1と同様の検体を20カプセルずつ6号ガラスサンプル瓶に入れ、開栓状態で40℃、75%RHの恒温・高湿器内にて48時間保存し、室温に戻した後にこのサンプル瓶を表3に示す状態にした場合の状況から、各検体の付着性を判定した。
この場合、少ない衝撃で落下したソフトカプセル1の数が多いほど付着性が少ないソフトカプセル1であることを示している。その結果を表4に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
このように表4より明らかなように、実施例1、実施例2にあっては高温多湿下にさらされた場合であっても、付着性を有することがないことが認められた。
【0044】
(3)比較試験3
この比較試験3は、内容物Aの性状がカプセル本体2の付着性にどのような影響を与えるかを確認することを目的として行ったものである。
具体的には前記実施例2、実施例3及び実施例4並びにこれらと同様のカプセル本体2及び内容物Aであって、粘着防止層3を形成していない比較例2、比較例3及び比較例4を用いて、粘着防止層3の有無によるカプセル本体2の付着性の比較を兼ねて試験を行った。
比較試験の方法は上記比較試験2の内容と同じものとした。その結果を表5に示す。
【0045】
【表5】
【0046】
上記表5より明らかなように粘着防止層3を形成したソフトカプセル1の場合には、内容物Aの性状に影響されることなく、高温多湿下にさらされた場合であっても、付着性を有することがないことが認められた。
【0047】
【発明の効果】
本発明により製造されるソフトカプセルは、ソフトカプセルという名称から連想されるような、柔らかなものであって、尚且つ、高温・高湿下にあっても、ソフトカプセル同士が付着したり、ソフトカプセルと容器とが付着するようなことがないので、商品価値を低下させてしまうことがない。
このことはまた、瓶詰め工程、PTP包装工程でのソフトカプセルの滑走性(滑りやすさ)を良好なものとするので、包装作業の効率が向上する。
更にまた、ソフトカプセルの製造時に最も時間を要する工程であった乾燥工程に要する時間を短縮させることができ、同時に乾燥装置の数も減らすことができるので、製品原価を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明により製造されるソフトンカプセルの構造を示す縦断側面図である。
【図2】 ソフトカプセルの成形の様子の一例を示す正面図である。
【図3】 粘着防止層成形乾燥工程及びこの中の各工程での被処理物の様子を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ソフトカプセル
2 カプセル本体
3 粘着防止層
4 ゼラチンシート
10 ロータリー・ダイ式自動カプセル製造機
11 ダイロール
12 ノズル
13 カプセル成形凹部
14 成形突起
20 タンブラー式乾燥機
20A 第一乾燥機
20B 第二乾燥機
20C 第三乾燥機
21 ドラム
21A ドラム
21B ドラム
21C ドラム
22 支持ロール
23 投入口
24 排出口
25 外周ドラム
26 粉落ちカバー
A 内容物
C 一次製品
C1 中間製品
C2 中間製品
F フレーム
M モータ
P 粉末
Claims (2)
- カプセル本体によって液体、粉粒体等を内包した後、このカプセル本体を形成するゼラチン皮膜の乾燥を行うソフトカプセルの製造方法において、前記ゼラチン皮膜を乾燥するとともにこのゼラチン皮膜の表面に10〜300μmの粒径の粉末を付着させて粘着防止層を形成するものであり、この粘着防止層の形成乾燥工程は複数工程に分けられ、第一工程においてゼラチン皮膜の0.5〜5重量%の粉末をゼラチン皮膜の表面に付着させながら乾燥を行うことによりゼラチン皮膜表面に粉が吹いたような状態にならないようにして破壊荷重を増強し、第二工程において余分に付着した粉末を除去しながら乾燥を行うものであり、前記粘着防止層を形成する粉末は、ベーキングパウダー、片栗粉、くず粉、カルシウム粉末、キチン、キトサン粉末及びシクロデキストリン、ポリデキストロース等のデキストリン類より成る群から一または複数が選択されたものであることを特徴とするソフトカプセルの製造方法。
- 前記第二工程の後段に、ゼラチン皮膜の表面に余分に付着した粉末及び油脂の拭き取りを行いながら乾燥を行う第三工程を加えることを特徴とする請求項1記載のソフトカプセルの製造方法。
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