JP4957259B2 - 転がり軸受ユニットの状態量測定装置 - Google Patents

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この発明に係る転がり軸受ユニットの状態量測定装置は、転がり軸受ユニットを構成する静止側軌道輪と回転側軌道輪との間に作用する外力等の状態量を測定する為に利用する。更に、この求めた状態量を、自動車等の車両の走行安定性確保を図る為に利用する。
例えば自動車の車輪は懸架装置に対し、複列アンギュラ型等の転がり軸受ユニットにより回転自在に支持する。又、自動車の走行安定性を確保する為に、例えば非特許文献1に記載されている様な、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)、更には、電子制御式ビークルスタビリティコントロールシステム(ESC)等の車両用走行安定化装置が使用されている。この様な各種車両用走行安定化装置を制御する為には、車輪の回転速度、車体に加わる各方向の加速度等を表す信号が必要になる。そして、より高度の制御を行なう為には、車輪を介して上記転がり軸受ユニットに加わる荷重(例えばラジアル荷重とアキシアル荷重との一方又は双方)の大きさを知る事が好ましい場合がある。
この様な事情に鑑みて、特許文献1には、特殊なエンコーダを使用して、転がり軸受ユニットに加わる荷重の大きさを測定する発明が記載されている。図11〜13は、この特許文献1に記載された構造ではないが、この特許文献1に記載された構造と同じ荷重の測定原理を採用している、転がり軸受ユニットの状態量測定装置に関する先発明の構造の1例を示している。この先発明の構造は、使用時にも回転しない静止側軌道輪である外輪1の内径側に、使用時に車輪を支持固定した状態でこの車輪と共に回転する、回転側軌道輪であるハブ2を、複数個の転動体3、3を介して、回転自在に支持している。これら各転動体3、3には、互いに逆向きの(図示の場合には背面組み合わせ型の)接触角と共に、予圧を付与している。尚、図示の例では、上記転動体3として玉を使用しているが、重量が嵩む自動車用の軸受ユニットの場合には、玉に代えて円すいころを使用する場合もある。
又、上記ハブ2の内端部(軸方向に関して「内」とは、自動車への組み付け状態で車両の幅方向中央側を言い、図1、4、5、7〜11、16の右側。反対に、自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側となる、図1、4、5、7〜11、16の左側を、軸方向に関して「外」と言う。本明細書全体で同じ。)には、円筒状のエンコーダ4を、上記ハブ2と同心に支持固定している。又、上記外輪1の内端開口を塞ぐ有底円筒状のセンサカバー5の内側に、1対のセンサ6a、6bを包埋したセンサホルダ7を保持すると共に、これら両センサ6a、6bの検出部を、上記エンコーダ4の被検出面である外周面に近接対向させている。
このうちのエンコーダ4は、磁性金属板製である。被検出面である、このエンコーダ4の外周面の先半部(軸方向内半部)には、透孔8、8と柱部9、9とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。これら各透孔8、8と各柱部9、9との境界は、上記被検出面の軸方向(幅方向)に対し同じ角度(特許請求の範囲の所定角度)だけ傾斜させると共に、この軸方向に対する傾斜方向を、上記被検出面の軸方向中間部を境に互いに逆方向としている。従って、上記各透孔8、8と上記各柱部9、9とは、軸方向中間部が円周方向に関して最も突出した「へ」字形(又は「く」字形)となっている。そして、上記境界の傾斜方向が互いに異なる、上記被検出面の軸方向外半部と軸方向内半部とのうち、軸方向外半部を第一特性変化部10とし、軸方向内半部を第二特性変化部11としている。尚、これら両特性変化部10、11を構成する各透孔は、図示の様に互いに連続した状態で形成しても良いし、互いに独立した状態で形成(各透孔を「ハ」字形に配置)しても良い。
又、上記センサカバー5は、ステンレス鋼板等の金属板により全体を有底円筒状に形成しており、上記外輪1の内端部に嵌合固定している。この様なセンサカバー5は、その外端部をこの外輪1の内端部に締り嵌めで嵌合固定(図示の例では、内嵌固定)した円筒部12と、この円筒部12の内端開口を塞ぐ底板部13とを備える。又、上記センサホルダ7は、合成樹脂により全体を有底円筒状に形成したもので、上記両センサ6a、6bを保持した円筒部14と、この円筒部14の内端開口を塞ぐと共に、図示しないセンサ回路を保持した底板部15とを備える。この様なセンサホルダ7は、このセンサホルダ7の円筒部14を上記センサカバー5の円筒部12にがたつきなく内嵌すると共に、このセンサホルダ7の底板部15の側面(図11の右側面)を上記センサカバー5の底板部13の側面(図11の左側面)に対し、接着剤16で固定している。
又、上記1対のセンサ6a、6bはそれぞれ、永久磁石と、検出部を構成するホールIC、ホール素子、MR素子、GMR素子等の磁気検知素子とから成る。この様な1対のセンサ6a、6bは、上記センサホルダ7を構成する円筒部14の円周方向の一部(例えば下端部)に包埋した状態で、一方のセンサ6aの検出部を上記第一特性変化部10に、他方のセンサ6bの検出部を上記第二特性変化部11に、それぞれ近接対向させている。これら両センサ6a、6bの検出部が上記両特性変化部10、11に対向する位置は、上記エンコーダ4の円周方向に関して同じ位置としている。又、上記外輪1とハブ2との間にアキシアル荷重が作用していない、中立状態で、上記各透孔8、8及び柱部9、9の軸方向中間部で円周方向に関して最も突出した部分(境界の傾斜方向が変化する部分)が、上記両センサ6a、6bの検出部同士の間の丁度中央位置に存在する様に、各部材の設置位置を規制している。
上述の様に構成する転がり軸受ユニットの状態量測定装置の場合、外輪1とハブ2との間にアキシアル荷重が作用(これら外輪1とハブ2とがアキシアル方向に相対変位)すると、上記両センサ6a、6bの出力信号が変化する位相がずれる。即ち、上記外輪1とハブ2との間にアキシアル荷重が作用していない、中立状態では、上記両センサ6a、6bの検出部は、図13の(A)の実線イ、イ上、即ち、上記最も突出した部分から軸方向に同じだけずれた部分に対向する。従って、上記両センサ6a、6bの出力信号の位相は、同図の(C)に示す様に一致する。
これに対して、上記エンコーダ4を固定したハブ2に、図13の(A)で下向きのアキシアル荷重が作用した場合には、上記両センサ6a、6bの検出部は、図13の(A)の破線ロ、ロ上、即ち、上記最も突出した部分からの軸方向に関するずれが互いに異なる部分に対向する。この状態では上記両センサ6a、6bの出力信号の位相は、同図の(B)に示す様にずれる。更に、上記エンコーダ4を固定したハブ2に、図13の(A)で上向きのアキシアル荷重が作用した場合には、上記両センサ6a、6bの検出部は、図13の(A)の鎖線ハ、ハ上、即ち、上記最も突出した部分からの軸方向に関するずれが、逆方向に互いに異なる部分に対向する。この状態では上記両センサ6a、6bの出力信号の位相は、同図の(D)に示す様に、上記(B)の場合とは逆方向にずれる。
上述の様に、先発明の構造の場合には、上記両センサ6a、6bの出力信号の位相が、上記外輪1とハブ2との間に加わるアキシアル荷重の作用方向(これら外輪1とハブ2とのアキシアル方向の相対変位の方向)に応じた向きにずれる。又、このアキシアル荷重(相対変位)により上記両センサ6a、6bの出力信号の位相がずれる程度は、このアキシアル荷重(相対変位)が大きくなる程大きくなる。従って、上記両センサ6a、6bの出力信号の位相ずれの有無、ずれが存在する場合にはその向き及び大きさに基づいて、それぞれが上記外輪1と上記ハブ2との間の状態量である、上記アキシアル方向の相対変位の向き及び大きさ、並びに、上記アキシアル荷重の作用方向及び大きさを求められる。尚、この様な状態量を算出する処理は、図示しない演算器により行なう。この為、この演算器のメモリ中に、予め理論計算や実験により調べておいた、上記位相差と、上記アキシアル方向の相対変位又は荷重との関係を、関係式やマップの型式で記憶させておく。
尚、上述した先発明の構造の場合には、それぞれの検出部を第一、第二両特性変化部10、11に対向させた1対のセンサ6a、6bから成るセンサ組を1組だけ設けている。これに対し、図示は省略するが、特願2006−143097、特願2006−214194には、それぞれが1対のセンサから成るセンサ組を複数組設ける事で、多方向の変位或は外力を求められる構造が開示されている。又、上述した先発明の構造の場合には、エンコーダを磁性金属板製とすると共に、このエンコーダの被検出面に設ける第一特性部を透孔とし、第二特性部を柱部とする構成を採用している。これに対し、エンコーダを永久磁石製とすると共に、このエンコーダの被検出面に設ける第一特性部をN極に着磁した部分とし、第二特性部をS極に着磁した部分とする構成を採用する事もできる。この様な構成を採用する場合、センサ側に永久磁石を組み込む必要はない。
ところで、上述した先発明の構造の場合、使用時には、軸受部での発熱量や環境温度の変化に伴い、各構成部材に熱膨張又は熱収縮が生じる。そして、この結果、例えば図14の(A)→(B)に示す様に、上記アキシアル荷重が変化した場合と同じ態様で、エンコーダ4の被検出面と1対のセンサ6a、6bの検出部とが、軸方向(図14の上下方向)に相対変位する事が予想される。この様な相対変位が生じると、図15に実線→破線で示す様に、上記両センサ6a、6bの出力信号同士の間に存在する位相差が変化する。この様に、上記熱膨張又は熱収縮に伴って(上記アキシアル荷重が変化するのとは別の理由で)上記位相差が変化すると、この位相差と上記状態量との間に成立する関係の零点(上記アキシアル荷重が作用していない状態での上記位相差の値)にずれが生じる。この為、このずれの分だけ、上記状態量の測定結果に誤差が生じる。この様な原因で生じる誤差に関しては、上記軸受部周辺等の温度を測定しつつ、演算器の側で零点を補正する事により、低減する事は可能である。但し、上記熱膨張又は熱収縮に伴って生じる上記位相差の変化が過大になる事は、測定精度確保の面からは好ましくない。従って、上記熱膨張又は熱収縮に伴って生じる、上記位相差の変化量を、十分に抑えられる構造を実現する事が望まれる。特に、センサホルダ7の材料である合成樹脂は、外輪1、ハブ2、転動体3、3、センサカバー5等の、他の構成部材の材料である金属に比べて、線膨張係数が大きい。この為、上記センサホルダ7の熱膨張又は熱収縮に伴って生じる、上記位相差の変化量を、十分に抑えられる構造を実現する事が望まれる。
即ち、上述した先発明の構造の場合、上記センサホルダ7は、上記センサカバー5の底板部13の側面(図11の左側面)に接着固定している。この為、このセンサホルダ7のうち、上記両センサ6a、6bを保持した円筒部14は、上記底板部13の側面を起点として、軸方向に熱膨張又は熱収縮する。従って、この熱膨張又は熱収縮に伴い、上記両センサ6a、6bは、例えば上記図14の(A)→(B)に示す様に、或は図16に熱膨張の場合を示す様に、軸方向に関して互いに同じ向きに変位する。これに対し、上記ハブの内端部に支持固定されたエンコーダ4は、軸方向に関して殆ど(上記両センサ6a、6bに比べて僅かしか)変位しない。従って、上述した先発明の構造の場合、温度変化に伴って生じる、上記エンコーダ4の被検出面と上記両センサ6a、6bの検出部との軸方向に関する相対変位は、主に上記センサホルダ7の熱膨張又は熱収縮に基づいて生じると言える。この為、上述した様に、上記センサホルダ7の熱膨張又は熱収縮に伴って生じる、上記位相差の変化量を、十分に抑えられる構造を実現する事が望まれる。
特開2006−113017号公報 青山元男著、「レッドバッジスーパー図解シリーズ/クルマの最新メカがわかる本」、p.138−139、p.146−149、株式会社三推社/株式会社講談社、平成13年12月20日
本発明の転がり軸受ユニットの状態量測定装置は、上述の様な事情に鑑み、合成樹脂製のセンサホルダが熱膨張又は熱収縮する事に基づいて、1対のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差が変化する事を、十分に抑えられる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のうち、請求項1〜3に記載した転がり軸受ユニットの状態量測定装置は、転がり軸受ユニットと、状態量測定装置とを備える。
このうちの転がり軸受ユニットは、静止側周面に静止側軌道を有し、使用時にも回転しない静止側軌道輪と、回転側周面に回転側軌道を有し、使用時に回転する回転側軌道輪と、上記静止側軌道と上記回転側軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備える。
又、上記状態量測定装置は、エンコーダと、少なくとも1対のセンサと、演算器とを備える。
このうちのエンコーダは、上記回転側軌道輪に直接又は他の部材を介して支持固定されたもので、この回転側軌道輪と同心の円筒状の被検出面を備える。そして、この被検出面の特性を円周方向に関して交互に且つ等間隔に変化させると共に、この被検出面の軸方向片半部に、特性変化の位相がこの軸方向に対して所定方向に所定角度で漸次変化する第一特性変化部を、この被検出面の軸方向他半部に、特性変化の位相がこの軸方向に対して上記所定方向と逆方向に上記所定角度で漸次変化する第二特性変化部を、それぞれ設けている。
又、上記1対のセンサは、一方のセンサの検出部を上記第一特性変化部に、他方のセンサの検出部を上記第二特性変化部に、それぞれ対向させた状態で、合成樹脂製のセンサホルダに保持されている。そして、このセンサホルダは、上記静止側軌道輪に対し結合固定された金属製のセンサカバーに支持されている。又、上記両センサはそれぞれ、上記被検出面の特性変化に対応して出力信号を変化させる。
又、上記演算器は、上記1対のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて、上記静止側軌道輪と上記回転側軌道輪との間の相対変位と、これら両軌道輪同士の間に作用する外力とのうちの、少なくとも一方の状態量を算出する機能を有する。
特に、請求項1〜3に記載した転がり軸受ユニットの状態量測定装置に於いては、上記センサホルダが熱膨張又は熱収縮する事に伴って生じる、上記両センサの検出部の軸方向に関する変位の向きが、これら両センサ同士で互いに逆向きであり、且つ、この軸方向に関する変位の大きさが、これら両センサ同士で互いに実質的に等しくなる(例えば変位の大きさの差が、大きい方から見て10%以内に収まる)構造を採用している。
この為に、請求項1に記載した発明の場合には、上記センサホルダのうちで、上記1対のセンサの検出部間の中央位置から軸方向両側に互いに実質的に等しい距離だけ(この距離の差が、大きい方から見て10%以内に収まる様に)離れた2個所位置同士の間部分を、上記センサカバーとこのセンサカバーに結合固定した固定部材との間で軸方向両側から挟持する事により、上記センサホルダを上記センサカバーに対し支持している
又、請求項2に記載した発明の場合には、上記センサカバーに対する上記センサホルダの添着部の形状が、上記1対のセンサの検出部間の中央位置を挟んだ軸方向両側部分同士で互いに実質的に(少なくともこれら両センサの保持部の構造に関して)鏡面対称となる態様で、上記センサカバーに対し上記センサホルダをインサート成形する事により、このセンサホルダをこのセンサカバーに対し支持している
更に、請求項3に記載した発明の場合には、上記センサホルダの一部で、上記センサカバーに結合固定する固定部材の一部をモールドする部分の形状が、上記1対のセンサの検出部間の中央位置を挟んだ軸方向両側部分同士で互いに実質的に(少なくともこれら両センサを保持した部分の形状が)鏡面対称となる態様で、上記センサホルダの一部に上記固定部材の一部をモールドしている。これと共に、この固定部材を上記センサカバーに結合固定する事により、上記センサホルダをこのセンサカバーに対し支持している
又、上述の様な請求項1〜3に記載した発明を実施する場合に、好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、上記センサホルダの形状を、上記1対のセンサの検出部間の中央位置を挟んだ軸方向両側部分同士で互いに実質的に鏡面対称となる形状とする。
又、上述の様な請求項1〜4に記載した発明を実施する場合に、好ましくは、請求項5に記載した発明の様に、上記転がり軸受ユニットを、自動車の車輪支持用のハブユニットとする。そして、使用状態で上記静止側軌道輪を自動車の懸架装置に支持すると共に、上記回転側軌道輪であるハブに車輪を結合固定する。
上述の様に構成する本発明の転がり軸受ユニットの状態量測定装置の場合には、合成樹脂製のセンサホルダが熱膨張又は熱収縮する事に伴って生じる、1対のセンサの検出部の軸方向に関する変位の向きが、これら両センサ同士で互いに逆向きになり、且つ、この軸方向に関する変位の大きさが、これら両センサ同士で互いに実質的に等しく(測定値に問題となる程の誤差が生じない様に)なる。この為、上記センサホルダが熱膨張又は熱収縮する事に伴って、上記両センサの検出部によるエンコーダの被検出面の走査位置が変化しても、これら両センサの出力信号同士の間に存在する位相差は殆ど変化しない。実際には、上記センサホルダ以外の金属製の各構成部材の熱膨張又は熱収縮によって、上記位相差が変化する可能性はあるが、この様な位相差の変化は十分に小さなものとなる。従って、本発明の場合には、使用時の温度変化に拘わらず、静止側軌道輪と回転側軌道輪との間の状態量の測定精度を良好に維持できる。
[実施の形態の第1例]
図1〜3は、請求項1、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、1対のセンサ6a、6bを保持した合成樹脂製のセンサホルダ7a、並びに、このセンサホルダ7aを保持するセンサカバー5aの構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図11〜13に示した先発明の構造の1例の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合、上記センサカバー5aを構成する段付きの円筒部12aの内周面に固定した、上記両センサ6a、6bを保持した合成樹脂製のセンサホルダ7aと、同じく底板部13の側面(図1の左側面)に対し接着剤16により固定した、図示しないセンサ回路を保持した合成樹脂製のセンサ回路ホルダ17とを、互いに別体に構成している。このうち、本例の特徴部分である、上記センサホルダ7aは、その形状を、上記両センサ6a、6bの検出部間の中央位置Oを挟んだ、エンコーダ4の軸方向に関して両側部分同士で互いに鏡面対称となる形状としている。この為に具体的には、上記センサホルダ7aを、断面凸字形(図1では逆凸字形)で全体を円環状に構成すると共に、このセンサホルダ7aの内周面の幅方向中央部と、この内周面の表層部に保持した上記両センサ6a、6bの検出部間の中央位置Oとを、互いに一致させている。
この様なセンサホルダ7aは、上記段付きの円筒部12aの内径側に、径方向のがたつきなく内嵌している。これと共に、上記センサホルダ7aの外周面の中央部に設けた凸部18を、上記円筒部12aの中間部内周面に形成した段差面19と、この円筒部12aの外端部に内嵌固定した、金属製で断面L字形の固定リング20(固定部材)との間で挟持する事により、上記センサホルダ7aの軸方向の位置決めを図っている。尚、この状態で、上記センサホルダ7aの本体部分(上記凸部18よりも径方向内側部分)の軸方向両側面と、周囲に存在する部材との間に、それぞれ使用時の温度変化により各構成部材が熱膨張した場合にも消滅しない隙間を介在させている。
上述の様に構成する本例の転がり軸受ユニットの状態量測定装置の場合、使用時の温度変化に伴い、センサホルダ7aが熱膨張又は熱収縮すると、これに伴って1対のセンサ6a、6bが、軸方向に関して互いに逆向きに、且つ、上記中央位置Oを基準として互いに同じ大きさで変位する。例えば、上記センサホルダ7aが熱膨張する場合には、図1及び図2の(A)→(B)に示す様に、上記両センサ6a、6bが軸方向(図1の左右方向、図2の上下方向)に関して互いに遠ざかる向きに、且つ、上記中央位置Oを基準として互いに同じ大きさだけ変位する。この結果、例えば図3に実線→破線で示す様に、上記両センサ6a、6bの出力信号の位相が、互いに同じ向きに、且つ、互いに同じ大きさだけ変化する。熱収縮の場合も、変化の向きが熱膨張の場合と逆になるだけで、同様の結果が得られる。従って、本例の場合、上記センサホルダ7aが熱膨張又は熱収縮する事に伴い、上記両センサ6a、6bの出力信号の位相がそれぞれ変化しても、これら両センサ6a、6bの出力信号同士の間に存在する位相差は変化しない。実際には、上記センサホルダ7a以外の金属製の各構成部材の熱膨張又は熱収縮によって、上記位相差が変化する可能性はあるが、この様な位相差の変化は十分に小さなものとなる。即ち、転がり軸受ユニットの各構成部材、前記センサカバー5a、前記エンコーダ4に関しても、熱膨張、熱収縮により寸法が変化するが、この変化の方向は一致しており、各部材間の線膨張係数の差も僅少である。この為、上記位相差の変化を抑えられる。従って、本例の場合には、使用時の温度変化に拘わらず、外輪1とハブ2(図10参照)との間の状態量の測定精度を良好に維持できる。
[実施の形態の第2例]
次に、図4〜6は、やはり請求項1、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。上述した実施の形態の第1例(前述の図10〜12に示した先発明の構造の1例)では、車輪支持用の転がり軸受ユニットとして、従動輪(FF車の後輪、FR車及びRR車の前輪)用のものを採用したが、本例では、駆動輪(FF車の前輪、FR車及びRR車の後輪、4WD車の全車輪)用のものを採用している。この為、本例の場合には、転がり軸受ユニットを構成するハブ2aの中心部に、スプライン孔21を設けている。そして、このスプライン孔21に、等速ジョイント用外輪22の外端面に固設したスプライン軸23(駆動軸)を挿入している。更に、この等速ジョイント用外輪22の中心部に形成したねじ孔に、上記ハブ2aの軸方向外方から挿通したボルト37を螺合し更に締め付けて、このハブ2aと上記等速ジョイント用外輪22とを、不離に結合している。
又、本例の場合、エンコーダ4aは、円筒状の芯金24と、この芯金24の外周面に添着固定した、永久磁石製で円筒状のエンコーダ本体25とから成る。被検出面である、このエンコーダ本体25の外周面には、S極とN極とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。そして、これらS極とN極との境界(特性境界)の形状を、上述した実施の形態の第1例(前述の図10〜12に示した先発明の構造の1例)に組み込んだエンコーダ4の場合と同様の「く」字形としている。これにより、上記エンコーダ本体25の外周面の軸方向外半部(図6の左半部)を第一特性変化部10aとし、軸方向内半部(図6の右半部)を第二特性変化部11aとしている。この様なエンコーダ4aは、上記ハブ2aを構成する内輪26の内端寄り部分に、締り嵌めで外嵌固定している。尚、本例の場合には、上記エンコーダ本体25を永久磁石製としている為、1対のセンサ6c、6d側には永久磁石を組み込んでいない。
又、本例の場合、外輪1の内端部にその外端部を内嵌固定したセンサカバー5bは、ステンレス鋼板等の金属板により、全体を略円筒状に構成している。そして、このセンサカバー5bの外端部乃至中間部の径方向内側に、上記両センサ6c、6dを保持した合成樹脂製のセンサホルダ7bを、径方向のがたつきなく内嵌している。これと共に、このセンサホルダ7bの外周面の中央部に設けた凸部18を、上記センサカバー5bの外端部に設けた内向フランジ状の鍔部27と、このセンサカバー5bの中間部に内嵌固定した、金属製で断面L字形の固定リング20a(固定部材)との間で挟持する事により、上記センサホルダ7bの軸方向の位置決めを図っている。尚、本例の場合も、この状態で、上記センサホルダ7bの本体部分(上記凸部18よりも径方向内側部分)の軸方向両側面と、周囲に存在する部材との間に、それぞれ使用時の温度変化により各構成部材が熱膨張した場合にも消滅しない隙間を介在させている。
又、本例の場合、図示しないセンサ回路を保持したセンサ回路ホルダ17aは、上記センサカバー5bの内端部に内嵌固定している。このセンサ回路ホルダ17aは、合成樹脂により、断面略矩形で全体を円環状に構成している。又、このセンサ回路ホルダ17aの内周面には、ステンレス鋼板等の金属板により全体を円筒状に構成したスリンガ28を内嵌固定している。そして、このスリンガ28の内周面に、上記内輪26の内端部に外嵌固定したシールリング29を構成する弾性材30の先端縁を、全周に亙り摺接させている。これにより、上記エンコーダ4a及び上記両センサ6c、6dの設置空間と外部空間との間を遮断し、この外部空間からこの設置空間に塵芥や泥水等の異物が侵入する事を防止している。又、本例の場合には、上記設置空間と複数個の転動体3、3を設けた空間との間を別のシールリング31(例えば組み合わせシールリング)により遮断し、これら各転動体3、3を設けた空間内に封入した潤滑用のグリースが、上記設置空間に侵入する事を防止している。
上述の様に構成する本例の転がり軸受ユニットの状態量測定装置の場合も、使用時の温度変化に伴い、センサホルダ7bが熱膨張又は熱収縮すると、これに伴って1対のセンサ6c、6dが、軸方向に関して互いに逆向きに、且つ、中心位置Oを基準として互いに同じ大きさで変位する。従って、本例の場合も、上述した実施の形態の第1例の場合と同様の作用に基づき、使用時の温度変化に拘わらず、外輪1とハブ2aとの間の状態量の測定精度を良好に維持できる。
[実施の形態の第3例]
次に、図7は、やはり請求項1、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、センサホルダ7bの外周面に設けた凸部18aの幅寸法(図7の左右方向寸法)を、上述した実施の形態の第2例に組み込まれたセンサホルダ7aの場合に比べて小さくしている。そして、この凸部18aを、センサカバー5cの中間部内周面に設けた段差面32と、このセンサカバー5cの外端部に内嵌固定した、金属製で断面L字形の固定リング20b(固定部材)との間で挟持する事により、上記センサホルダ7bの軸方向の位置決めを図っている。その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第2例の場合と同様である。
[実施の形態の第4例]
次に、図8は、請求項2、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、センサカバー5dの内端部乃至中間部の内周面に対し、合成樹脂製のセンサホルダ7cをインサート成形している。そして、このインサート成形に基づく、上記センサカバー5dの内周面と上記センサホルダ7cの外周面との添着部の形状(及びこのセンサホルダ7cの全体形状)を、1対のセンサ6c、6dの検出部間の中央位置Oを挟んだ軸方向両側部分同士で、互いに鏡面対称となる形状としている。この為に、本例の場合には、上記センサカバー5dの内周面のうち、上記センサホルダ7cをインサート成形する部分の幅方向中央部に、凸部33を全周に亙り形成している。
この様に構成する本例の転がり軸受ユニットの状態量測定装置の場合も、使用時の温度変化に伴い、センサホルダ7cが熱膨張又は熱収縮すると、これに伴って1対のセンサ6c、6dが、軸方向に関して互いに逆向きに、且つ、上記中央位置Oを基準として互いに同じ大きさで変位する。従って、本例の場合も、前述の図4〜6に示した実施の形態の第1例の場合と同様の作用に基づき、使用時の温度変化に拘わらず、外輪1とハブ2aとの間の状態量の測定精度を良好に維持できる。
[実施の形態の第5例]
次に、図9は、やはり請求項2、4、5に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、インサート成形に基づく、センサカバー5eの内周面とセンサホルダ7dの外周面との添着部の形状が、上述した実施の形態の第4例の場合と異なる(凹凸を逆としている)。即ち、本例の場合には、上記センサカバー5eの内周面のうち、上記センサホルダ7dをインサート成形する部分の幅方向中央部に、凹部34を全周に亙り形成している。その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第4例の場合と同様である。
[実施の形態の第6例]
次に、図10は、請求項3〜5に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合、センサホルダ7eは、センサカバー5fに対し、固定リング20cを介して支持している。この固定リング20cは、金属板により断面L字形で全体を円環状に構成したものであり、段付きの円筒部35と、この円筒部35の外端部に設けた内向フランジ状の円輪部36とを備える。そして、このうちの円輪部36を、上記センサホルダ7eの径方向外端部の軸方向中央部(1対のセンサ6c、6dの検出部間の中央位置Oに一致する部分)にモールドしている。そして、この状態で、上記円筒部35の内端部乃至中央部(外端部に比べて大径の部分)を、上記センサカバー5fの中間部に締り嵌めで内嵌固定している。
この様に構成する本例の転がり軸受ユニットの状態量測定装置の場合も、使用時の温度変化に伴い、センサホルダ7eが熱膨張又は熱収縮すると、これに伴って1対のセンサ6c、6dが、軸方向に関して互いに逆向きに、且つ、上記中央位置Oを基準として互いに同じ大きさで変位する。従って、本例の場合も、前述の図4〜6に示した実施の形態の第1例の場合と同様の作用に基づき、使用時の温度変化に拘わらず、外輪1とハブ2aとの間の状態量の測定精度を良好に維持できる。
尚、本発明を実施する場合には、センサホルダ以外の各構成部材の熱膨張及び熱収縮によって生じる、1対のセンサの出力信号同士の間の位相差の変化を相殺する為に、上記センサホルダ(挟持部、モールド部、インサート部を含む)の形状を若干非対称にして、このセンサホルダの熱膨張及び熱収縮に伴う、上記両センサの検出部の軸方向変位量を互いに若干異ならせる事もできる。又、本発明は、それぞれが1対のセンサから成るセンサ組を、センサホルダに複数組保持した構造に適用する事もできる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、エンコーダ、1対のセンサ、センサホルダ、センサ回路ホルダ、及びセンサカバーの半部断面図。 温度変化に伴って1対のセンサが軸方向に変位する状況を径方向外方から見た図。 温度変化に伴って1対のセンサの出力信号の位相が変化する状況を示す線図。 本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。 図4のA部拡大図。 エンコーダの斜視図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、図5と同様の図。 同第4例を示す、図5と同様の図。 同第5例を示す、図5と同様の図。 同第6例を示す、図5と同様の図。 転がり軸受ユニットの状態量測定装置に関する、先発明の構造の1例を示す断面図。 この先発明の構造に組み込むエンコーダの一部を径方向から見た図。 アキシアル荷重に基づいて1対のセンサの出力信号が変化する状態を説明する為の線図。 温度変化に伴って1対のセンサが軸方向に変位する状況を径方向外方から見た図。 温度変化に伴って1対のセンサの出力信号の位相が変化する状況を示す線図。 先発明の構造で温度変化に伴って1対のセンサが軸方向に変位する状況を側方から見た状態で示す部分断面図。
符号の説明
1 外輪
2、2a ハブ
3 転動体
4、4a エンコーダ
5、5a〜5f センサカバー
6a〜6d センサ
7、7a〜7e センサホルダ
8 透孔
9 柱部
10、10a 第一特性変化部
11、11a 第二特性変化部
12、12a 円筒部
13 底板部
14 円筒部
15 底板部
16 接着剤
17、17a センサ回路ホルダ
18、18a 凸部
19 段差面
20、20a〜20c 固定リング
21 スプライン孔
22 等速ジョイント用外輪
23 スプライン軸
24 芯金
25 エンコーダ本体
26 内輪
27 鍔部
28 スリンガ
29 シールリング
30 弾性材
31 シールリング
32 段差面
33 凸部
34 凹部
35 円筒部
36 円輪部
37 ボルト

Claims (5)

  1. 転がり軸受ユニットと、状態量測定装置とを備え、
    このうちの転がり軸受ユニットは、静止側周面に静止側軌道を有し、使用時にも回転しない静止側軌道輪と、回転側周面に回転側軌道を有し、使用時に回転する回転側軌道輪と、上記静止側軌道と上記回転側軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備えたものであり、
    上記状態量測定装置は、エンコーダと、少なくとも1対のセンサと、演算器とを備え、
    このうちのエンコーダは、上記回転側軌道輪に直接又は他の部材を介して支持固定されたもので、この回転側軌道輪と同心の円筒状の被検出面を備え、この被検出面の特性を円周方向に関して交互に且つ等間隔に変化させると共に、この被検出面の軸方向片半部に、特性変化の位相がこの軸方向に対して所定方向に所定角度で漸次変化する第一特性変化部を、この被検出面の軸方向他半部に、特性変化の位相がこの軸方向に対して上記所定方向と逆方向に上記所定角度で漸次変化する第二特性変化部を、それぞれ設けており、
    上記1対のセンサは、一方のセンサの検出部を上記第一特性変化部に、他方のセンサの検出部を上記第二特性変化部に、それぞれ対向させた状態で、合成樹脂製のセンサホルダに保持されており、このセンサホルダは、上記静止側軌道輪に対し結合固定された金属製のセンサカバーに支持されており、且つ、上記両センサはそれぞれ、上記被検出面の特性変化に対応して出力信号を変化させるものであり、
    上記演算器は、上記1対のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて、上記静止側軌道輪と上記回転側軌道輪との間の相対変位と、これら両軌道輪同士の間に作用する外力とのうちの、少なくとも一方の状態量を算出する機能を有するものである、
    転がり軸受ユニットの状態量測定装置に於いて、
    上記センサホルダが熱膨張又は熱収縮する事に伴って生じる、上記両センサの検出部の軸方向に関する変位の向きが、これら両センサ同士で互いに逆向きであり、且つ、この軸方向に関する変位の大きさが、これら両センサ同士で互いに実質的に等しくなる構造とする為に、上記センサホルダのうちで、上記両センサの検出部間の中央位置から軸方向両側に互いに実質的に等しい距離だけ離れた2個所位置同士の間部分を、上記センサカバーとこのセンサカバーに結合固定した固定部材との間で軸方向両側から挟持する事により、上記センサホルダを上記センサカバーに対し支持している事を特徴とする転がり軸受ユニットの状態量測定装置。
  2. 転がり軸受ユニットと、状態量測定装置とを備え、
    このうちの転がり軸受ユニットは、静止側周面に静止側軌道を有し、使用時にも回転しない静止側軌道輪と、回転側周面に回転側軌道を有し、使用時に回転する回転側軌道輪と、上記静止側軌道と上記回転側軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備えたものであり、
    上記状態量測定装置は、エンコーダと、少なくとも1対のセンサと、演算器とを備え、
    このうちのエンコーダは、上記回転側軌道輪に直接又は他の部材を介して支持固定されたもので、この回転側軌道輪と同心の円筒状の被検出面を備え、この被検出面の特性を円周方向に関して交互に且つ等間隔に変化させると共に、この被検出面の軸方向片半部に、特性変化の位相がこの軸方向に対して所定方向に所定角度で漸次変化する第一特性変化部を、この被検出面の軸方向他半部に、特性変化の位相がこの軸方向に対して上記所定方向と逆方向に上記所定角度で漸次変化する第二特性変化部を、それぞれ設けており、
    上記1対のセンサは、一方のセンサの検出部を上記第一特性変化部に、他方のセンサの検出部を上記第二特性変化部に、それぞれ対向させた状態で、合成樹脂製のセンサホルダに保持されており、このセンサホルダは、上記静止側軌道輪に対し結合固定された金属製のセンサカバーに支持されており、且つ、上記両センサはそれぞれ、上記被検出面の特性変化に対応して出力信号を変化させるものであり、
    上記演算器は、上記1対のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて、上記静止側軌道輪と上記回転側軌道輪との間の相対変位と、これら両軌道輪同士の間に作用する外力とのうちの、少なくとも一方の状態量を算出する機能を有するものである、
    転がり軸受ユニットの状態量測定装置に於いて、
    上記センサホルダが熱膨張又は熱収縮する事に伴って生じる、上記両センサの検出部の軸方向に関する変位の向きが、これら両センサ同士で互いに逆向きであり、且つ、この軸方向に関する変位の大きさが、これら両センサ同士で互いに実質的に等しくなる構造とする為に、上記センサカバーに対する上記センサホルダの添着部の形状が、上記両センサの検出部間の中央位置を挟んだ軸方向両側部分同士で互いに実質的に鏡面対称となる態様で、上記センサカバーに対し上記センサホルダをインサート成形する事により、このセンサホルダをこのセンサカバーに対し支持している事を特徴とする転がり軸受ユニットの状態量測定装置。
  3. 転がり軸受ユニットと、状態量測定装置とを備え、
    このうちの転がり軸受ユニットは、静止側周面に静止側軌道を有し、使用時にも回転しない静止側軌道輪と、回転側周面に回転側軌道を有し、使用時に回転する回転側軌道輪と、上記静止側軌道と上記回転側軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備えたものであり、
    上記状態量測定装置は、エンコーダと、少なくとも1対のセンサと、演算器とを備え、
    このうちのエンコーダは、上記回転側軌道輪に直接又は他の部材を介して支持固定されたもので、この回転側軌道輪と同心の円筒状の被検出面を備え、この被検出面の特性を円周方向に関して交互に且つ等間隔に変化させると共に、この被検出面の軸方向片半部に、特性変化の位相がこの軸方向に対して所定方向に所定角度で漸次変化する第一特性変化部を、この被検出面の軸方向他半部に、特性変化の位相がこの軸方向に対して上記所定方向と逆方向に上記所定角度で漸次変化する第二特性変化部を、それぞれ設けており、
    上記1対のセンサは、一方のセンサの検出部を上記第一特性変化部に、他方のセンサの検出部を上記第二特性変化部に、それぞれ対向させた状態で、合成樹脂製のセンサホルダに保持されており、このセンサホルダは、上記静止側軌道輪に対し結合固定された金属製のセンサカバーに支持されており、且つ、上記両センサはそれぞれ、上記被検出面の特性変化に対応して出力信号を変化させるものであり、
    上記演算器は、上記1対のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて、上記静止側軌道輪と上記回転側軌道輪との間の相対変位と、これら両軌道輪同士の間に作用する外力とのうちの、少なくとも一方の状態量を算出する機能を有するものである、
    転がり軸受ユニットの状態量測定装置に於いて、
    上記センサホルダが熱膨張又は熱収縮する事に伴って生じる、上記両センサの検出部の軸方向に関する変位の向きが、これら両センサ同士で互いに逆向きであり、且つ、この軸方向に関する変位の大きさが、これら両センサ同士で互いに実質的に等しくなる構造とする為に、上記センサホルダの一部で、上記センサカバーに結合固定する固定部材の一部をモールドする部分の形状が、上記両センサの検出部間の中央位置を挟んだ軸方向両側部分同士で互いに実質的に鏡面対称となる態様で、上記センサホルダの一部に上記固定部材の一部をモールドすると共に、この固定部材を上記センサカバーに結合固定する事により、上記センサホルダをこのセンサカバーに対し支持している事を特徴とする転がり軸受ユニットの状態量測定装置。
  4. センサホルダの形状を、1対のセンサの検出部間の中央位置を挟んだ軸方向両側部分同士で互いに実質的に鏡面対称となる形状とした、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した転がり軸受ユニットの状態量測定装置。
  5. 転がり軸受ユニットが自動車の車輪支持用のハブユニットであり、使用状態で静止側軌道輪が自動車の懸架装置に支持され、回転側軌道輪であるハブに車輪が結合固定される、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した転がり軸受ユニットの状態量測定装置。
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