JP4887816B2 - 転がり軸受ユニットの荷重測定装置 - Google Patents

転がり軸受ユニットの荷重測定装置 Download PDF

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Description

この発明の対象となる転がり軸受ユニットの荷重測定装置は、複数個の転動体を介して相対回転自在に組み合わされた静止側軌道輪と回転側軌道輪との間に加わる荷重を求める為に利用する。更に、この求めた荷重を、自動車等の車両の走行安定性確保を図る為に利用する。
例えば自動車の車輪は懸架装置に対し、複列アンギュラ型の転がり軸受ユニット等の転がり軸受ユニットにより回転自在に支持する。又、自動車の走行安定性を確保する為に、例えば非特許文献1に記載されている様な、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)、更には、電子制御式ビークルスタビリティコントロールシステム(ESC)等の車両用走行安定化装置が使用されている。この様な各種車両用走行安定化装置を制御する為には、車輪の回転速度、車体に加わる各方向の加速度等の信号が必要になる。そして、より高度の制御を行なう為には、車輪を介して上記転がり軸受ユニットに加わる荷重(例えばラジアル荷重とアキシアル荷重との一方又は双方)の大きさを知る事が好ましい場合がある。
この様な事情に鑑みて、特許文献1には、複列アンギュラ型の玉軸受ユニットである転がり軸受ユニットを構成する1対の列の玉の公転速度に基づいて、この転がり軸受ユニットに加わるラジアル荷重又はアキシアル荷重を測定する、荷重測定装置付転がり軸受ユニットに関する発明が記載されている。この様な特許文献1に記載された発明の場合には、上記各列の玉の公転速度を、これら各玉を保持した保持器の回転速度として測定する。但し、この保持器に設けたポケットの内面と上記各玉の転動面との間には、これら各玉の転動を可能にする為の隙間(ポケット隙間)が存在する為、上記各列の玉の公転速度と上記保持器の回転速度との間には微妙なずれを生じる場合がある。そして、ずれが生じた場合には、上記荷重の測定精度が、このずれの分だけ悪化する。
この様な原因での荷重の測定精度の悪化を防止できる構造として、特願2005−147642号には、荷重の作用方向に配置された1対のセンサの出力信号の位相差に基づき、転がり軸受ユニットに加わる荷重の大きさを測定する発明が開示されている。図11〜14は、上記出願に開示された第一の先発明の構造を示している。この第一の先発明に係る構造は、図11に示す様に、懸架装置に支持された状態で回転しない静止側軌道輪である外輪1の内径側に、車輪を支持固定(結合固定)する回転側軌道輪であるハブ2を、複数個の転動体3、3を介して回転自在に支持している。そして、このハブ2の中間部にエンコーダ4、4aを外嵌固定すると共に、上記外輪1の軸方向中間部で複列に配置された上記各転動体3、3の間部分に1対のセンサ5、5(5a、5a)を、それぞれの検出部を、被検出面である上記エンコーダ4、4aの外周面に近接対向させた状態で設けている。尚、上記センサ5、5(5a、5a)の検出部には、ホールIC、ホール素子、MR素子、GMR素子等の磁気検知素子を組み込んでいる。
図12〜13に示した構造の場合、上記エンコーダ4として、永久磁石製のものを使用している。被検出面である、このエンコーダ4の外周面には、N極に着磁した部分とS極に着磁した部分とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。これらN極に着磁された部分とS極に着磁された部分との境界は、上記エンコーダ4の軸方向に対し同じ角度だけ傾斜させると共に、この軸方向に対する傾斜方向を、このエンコーダ4の軸方向中間部を境に互いに逆方向としている。従って、上記N極に着磁された部分とS極に着磁された部分とは、軸方向中間部が円周方向に関して最も突出した(又は凹んだ)、「く」字形となっている。
又、上記両センサ5、5の検出部が上記エンコーダ4の外周面に対向する位置は、このエンコーダ4の円周方向に関して同じ位置としている。言い換えれば、上記両センサ5、5の検出部は、上記外輪1の中心軸を含む同一仮想平面上に配置されている。又、この外輪1と上記ハブ2との間にアキシアル荷重が作用しない状態で、上記N極に着磁された部分とS極に着磁された部分との軸方向中間部で円周方向に関して最も突出した部分(境界の傾斜方向が変化する部分)が、上記両センサ5、5の検出部同士の間の丁度中央位置に存在する様に、各部材4、5、5の設置位置を規制している。尚、図12〜13に示した構造の場合には、上記エンコーダ4として永久磁石製のものを使用しているので、上記両センサ5、5側に永久磁石を組み込む必要はない。
上述の様に構成する第一の先発明の転がり軸受ユニットの荷重測定装置の場合、上記外輪1とハブ2との間にアキシアル荷重が作用すると、上記両センサ5、5の出力信号が変化する位相がずれる。即ち、上記外輪1とハブ2との間にアキシアル荷重が作用しておらず、これら外輪1とハブ2とが相対変位していない、中立状態では、上記両センサ5、5の検出部は、図13の(A)の実線イ、イ上、即ち、上記最も突出した部分から軸方向に同じだけずれた部分に対向する。従って、上記両センサ5、5の出力信号の位相は、同図の(C)に示す様に一致する。
これに対して、上記エンコーダ4を固定したハブ2に、図13の(A)で下向きのアキシアル荷重が作用し(外輪1とハブ2とがアキシアル方向に相対変位し)た場合には、上記両センサ5、5の検出部は、図13の(A)の破線ロ、ロ上、即ち、上記最も突出した部分からの軸方向に関するずれが互いに異なる部分に対向する。この状態では上記両センサ5、5の出力信号の位相は、同図の(B)に示す様にずれる。更に、上記エンコーダ4を固定したハブ2に、図13の(A)で上向きのアキシアル荷重が作用した場合には、上記両センサ5、5の検出部は、図13の(A)の鎖線ハ、ハ上、即ち、上記最も突出した部分からの軸方向に関するずれが、逆方向に互いに異なる部分に対向する。この状態では上記両センサ5、5の出力信号の位相は、同図の(D)に示す様にずれる。
上述の様に第一の先発明の転がり軸受ユニットの荷重測定装置の場合には、上記両センサ5、5の出力信号の位相が、上記外輪1とハブ2との間に加わるアキシアル荷重の作用方向に応じた方向にずれる。又、このアキシアル荷重により上記両センサ5、5の出力信号の位相がずれる程度(変位量)は、このアキシアル荷重が大きくなる程大きくなる。従って、上記両センサ5、5の出力信号の位相ずれの有無、ずれが存在する場合にはその方向及び大きさに基づいて、上記外輪1とハブ2との間に作用しているアキシアル荷重の作用方向及び大きさを求められる。
又、上記第一の先発明の転がり軸受ユニットの荷重測定装置の場合、ハブ2の中間部に外嵌固定するエンコーダ4aとして、図14に示す様な磁性金属板製のものを使用する事もできる。被検出面である、上記エンコーダ4aの外周面には、スリット状の透孔6a、6bと柱部7a、7bとを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。これら各透孔6a、6bと各柱部7a、7bとは、上記エンコーダ4aの軸方向に対し同じ角度だけ傾斜させると共に、この軸方向に対する傾斜方向を、このエンコーダ4aの軸方向中間部を境に互いに逆方向としている。即ち、このエンコーダ4aは、軸方向片半部に、上記軸方向に対し所定方向に同じだけ傾斜した透孔6a、6aを形成すると共に、軸方向他半部に、この所定方向と逆方向に同じ角度だけ傾斜した透孔6b、6bを形成している。
一方、外輪1の軸方向中間部で複列に配置された転動体3、3同士の間部分に、前記1対のセンサ5a、5aを設置し、これら両センサ5a、5aの検出部を、上記エンコーダ4aの外周面に近接対向させている。これら両センサ5a、5aの検出部がこのエンコーダ4aの外周面に対向する位置は、このエンコーダ4aの円周方向に関して同じ位置としている。又、上記外輪1とハブ2との間にアキシアル荷重が作用しない状態で、上記各透孔6a、6b同士の間に位置し、全周に連続するリム部8が、上記両センサ5a、5aの検出部同士の間の丁度中央位置に存在する様に、各部材4a、5a、5aの設置位置を規制している。尚、上記単なる磁性材製のエンコーダ4aを使用する場合には、上記両センサ5a、5aの側に永久磁石を組み込む。
上述の様な単なる磁性材製のエンコーダ4aを使用する場合も、前述した永久磁石製のエンコーダ4を使用する場合と同様に、上記両センサ5a、5aの出力信号の位相ずれの有無、ずれが存在する場合にはその方向及び大きさに基づいて、上記外輪1とハブ2との間に作用しているアキシアル荷重の作用方向及び大きさを求められる。
尚、エンコーダを円輪状に構成すると共に、このエンコーダの軸方向側面を被検出面とし、この被検出面に1対のセンサの検出部を、径方向にずらせた状態で対向させれば、上記外輪1と上記ハブ2とのラジアル方向に関する変位、延てはこれら外輪1とハブ2との間に加わるラジアル荷重を求める事も可能である。但し、特願2005−147642号には、アキシアル荷重とラジアル荷重との両方の荷重を求める構造に就いては、具体的には開示されてはいない。
又、特願2005−256752号には、図15〜18に示す様な構造で、外輪1とハブ2との間に加わるアキシアル荷重を、これら外輪1の中心軸とハブ2の中心軸との傾きから求める発明が記載されている。この第二の先発明の構造の場合、磁性金属板製のエンコーダ4bの先半部に設けた円筒状部9にスリット状の透孔6、6を、円周方向に関して等間隔に形成している。これら各透孔6、6は、それぞれが上記円筒状部9の軸方向に対し傾斜した、直線状である。又、上記外輪1の内端部に嵌合固定した、有底円筒状のカバー10の内周面の直径方向反対側2個所位置に、1対のセンサ5b、5cを支持している。上記図15〜18に示した構造の場合には、車輪11を構成するタイヤ12と路面13との接触部(接地面部分)に車両の幅方向に加わるアキシアル荷重を求める事を意図している為、一方のセンサ5bを上記カバー10の上端部内周面に、他方のセンサ5cをこのカバー10の下端部内周面に、それぞれ支持固定している。
又、上記外輪1の中心軸と上記ハブ2(の内端部に外嵌固定した上記エンコーダ4b)の中心軸とが一致している状態で、上記両センサ5b、5cの検出部がこのエンコーダ4bの外周面に対向している位置は、このエンコーダ4bの軸方向に関して、互いに同じ位置としている。従って、上記外輪1の中心軸と上記ハブ2の中心軸とが一致している中立状態では、上記両センサ5b、5cの検出信号の位相は、互いに一致する(位相差は生じない)。
例えば、図17は、上記エンコーダ4bの被検出面の特性変化に対する上記両センサ5b、5cの検出信号の位相が、互いに逆(位相差=180度)となる様に構成した場合に就いて示している。この為に、例えば上記両センサ5b、5cを逆向きに設置したり、これら両センサ5b、5cに組み込む永久磁石の方向(S極とN極との方向)を互いに逆にしたり、処理回路により電気的に処理したりする。或いは、一方のセンサ5bの検出部が透孔6に対向する瞬間に、他方のセンサ5cの検出部を、隣り合う透孔6、6の間部分に対向させる。何れにしても、上記外輪1と上記ハブ2との間に荷重が加わっていない場合には、図17に示す様に、上記両センサ5b、5cの検出部は、何れも上記エンコーダ4bの被検出面の中心を走査する。この状態では、これら両センサ5b、5cの検出信号は逆位相になり、位相差は180度、その位相差比(位相差B/1周期A)は0.5となる。図示の例では、この位相差比B/Aが0.5の場合が、上記アキシアル荷重が0である事を表す。又、この位相差比B/Aが0.5よりも大きい場合にはこのアキシアル荷重が所定方向に作用している事を、同じく0.5よりも小さい場合にはこのアキシアル荷重がこの所定方向と逆方向に作用している事を、それぞれ表す。
即ち、上記外輪1と上記ハブ2との間にモーメントが加わり、これら外輪1とハブ2との中心軸同士が不一致になると、上記両センサ5b、5cの検出信号の位相が互いにずれる(位相差が生じる)。例えば、上記ハブ2に、前記接地面部分に加わるアキシアル荷重に基づいて、図15に矢印で示す様な、反時計方向のモーメントが加わると、上記一方のセンサ5bの検出信号の位相は上記中立状態よりも進み(或いは遅れ)、上記他方のセンサ5cの検出信号の位相は上記中立状態よりも遅れる(或いは進む)。この結果、これら両センサ5b、5cの検出信号同士の間に位相差が生じる。
図18は、アキシアル荷重が、図16の左方から加わり、このアキシアル荷重に基づくモーメントにより上記エンコーダ4bが、図18の左下部に誇張して示す様に、反時計方向に傾斜して、このエンコーダ4bの上側部分が左方向に、下側部分が右方向に、それぞれ変位した状態で回転する場合に就いて示している。この場合には、上記両センサ5b、5cの検出部は、上記エンコーダ4bの被検出面の幅方向に関して互いに逆方向に変位するので、上記両センサ5b、5cの検出信号同士の間に位相差が発生する。例えば、センサ5bの検出信号は位相が遅れる方向に、センサ5cの検出信号は位相が進む方向に、それぞれ変化する。この為、これら両センサ5b、5cの検出信号同士の間に存在する位相差及び位相差比(B/A)は小さくなる。上記アキシアル荷重が逆方向に作用し、上記エンコーダ4bが逆方向に傾斜した場合には、上記位相差及び位相差比(B/A)は大きくなる。
上述の様にして生じる、上記両センサ5b、5cの検出信号同士の間の位相差と、上記外輪1の中心軸と上記ハブ2の中心軸との傾斜角度との間には、前記各透孔6、6の傾斜角度θ6 や、複列に配置された転動体3、3のピッチP、前記円筒状部9の直径等の幾何学的要因によって定まる、所定の関係(第一の関係)がある。従って、上記両センサ5b、5cの検出信号を処理する図示しない演算器中のメモリに、上記第一の関係を表した式或いはマップを記憶させておけば、上記位相差B(位相差比B/A)に基づいて上記傾斜角度を求められる。又、この傾斜角度の大きさと、上記モーメントの大きさとの間には、車輪支持用転がり軸受ユニットのモーメント剛性等により定まる、一定の関係(第二の関係)がある。そして、この第二の関係は、転がり軸受ユニットの分野で広く知られている弾性接触理論等に基づいて計算により求められる他、実験によっても求められる。従って、上記演算器中に、上記第二の関係を表した式或いはマップを記憶させておけば、上記傾斜角度に基づいて上記モーメントを求められる。
更に、このモーメントの大きさと、前記車輪11を構成するタイヤ12と路面13との接触部(接地面部分)に車両の幅方向に加わるアキシアル荷重との間には、上記車輪11の回転半径等により幾何学的に定まる、一定の関係(第三の関係)がある。従って、上記演算器中のメモリに、この第三の関係を表した式或いはマップを記憶させておけば、上記モーメントに基づいて上記アキシアル荷重を求められる。この様にして求めたアキシアル荷重は、上記路面13と上記車輪11(タイヤ12)との接触面で生じている荷重と等価である。
上述の様な発明に就いて開示している、特願2005−256752号にも、アキシアル荷重とラジアル荷重との両方の荷重を求める構造に就いては開示されてはいない。
これに対して、特願2004−370407号には、アキシアル方向の変位とラジアル方向の変位との両方の変位(アキシアル荷重とラジアル荷重との両方の荷重)を求める具体的な構造が開示されている。図19は、上記特願2004−370407号に開示されている、上記両方向の変位(荷重)を求める為の構造の1例を示している。この第三の先発明の構造の場合には、ラジアル方向の変位を求める為のエンコーダ4dの軸方向片側面に存在する円輪状の被検出面に、それぞれがこのエンコーダ4dの径方向に対し一方向に傾斜した被検出用特性部14、14を設けている。又、アキシアル方向の変位を測定する為のエンコーダ4cの外周面に存在する円筒状の被検出面の軸方向片半部{図19の(B)の左半部}に、それぞれが軸方向に傾斜した被検出用特性部15、15を設けている。これに対して、上記エンコーダ4cの被検出面の軸方向他半部{図19の(B)の右半部}に、それぞれがこのエンコーダ4cの軸方向に対し平行な、被検出用特性部15a、15aを設けている。
この様なエンコーダ4d、4cを組み込んだ第三の先発明の構造の場合、上記各被検出用特性部14、15、15aにそれぞれの検出部を対向させた3個のセンサのうち、上記軸方向に対し平行な、被検出用特性部15a、15aに対向したセンサの出力信号が変化する瞬間を基準として、残り2個のセンサの出力信号の位相のずれの方向及び大きさを求める。更に、この位相のずれの方向及び大きさに基づいて、アキシアル方向及びラジアル方向の荷重を求める。
上述の図19に示した様な第三の先発明の構造によれば、アキシアル方向の荷重とラジアル方向の荷重との両方の変位を求める事ができる。但し、小型自動車の車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する複列の転動体の間部分の様に、限られた空間内に設置する事は、依然として難しい場合が考えられる。特に、この空間のアキシアル方向の寸法が限られる場合が多い為、ラジアル方向の変位(荷重)を求める為に、エンコーダの被検出面とセンサとをアキシアル方向に対向させる構造を採用する事が難しい場合が考えられる。
この様な事情に鑑みて特願2005−125029号には、図20〜21に示す様に、磁性金属板製のエンコーダ4aの外周面に、3個又は4個のセンサ5d〜5gの検出部をラジアル方向に対向させるのみで、アキシアル方向の荷重だけでなく、ラジアル方向の荷重も求められる構造が開示されている。詳しい説明は省略するが、この様な第四の先発明の構造によれば、外輪1とハブ2(図11、15参照)との相対変位により生じる、上記3個又は4個のセンサ5d〜5gの出力信号同士の間の位相差に基づいて、アキシアル方向の荷重だけでなく、各ラジアル方向の荷重も求められる。但し、上記第四の先発明の場合には、上記エンコーダ4aの変位を、並進3方向の変位のみと想定できる場合には有効であるが、モーメントに基づく傾斜角度による変位が発生する場合には、合成された値を検出する為、誤差を生じてしまう。例えば、上記エンコーダ4aに、前後方向の軸回りモーメントが作用した場合、このエンコーダ4aの周方向に関して90度位相を異ならせて配置したセンサ5d、5f(5g)の検出信号には位相差を生じるが、これが上記前後方向の軸回りモーメントに起因するのか、前後方向のラジアル荷重に起因するものなのかを分離する事ができない。
特開2005−31063号公報 青山元男著、「レッドバッジスーパー図解シリーズ/クルマの最新メカがわかる本」、p.138−139、p.146−149、株式会社三推社/株式会社講談社、平成13年12月20日
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、エンコーダとセンサとをラジアル方向に対向させるのみで、アキシアル方向の荷重又は前後方向の軸回りのモーメントだけでなく、前後方向のラジアル荷重もそれぞれ求められる、転がり軸受ユニットの荷重測定装置を実現すべく発明したものである。
本発明の転がり軸受ユニットの荷重測定装置は、何れも、転がり軸受ユニットと荷重測定装置とを備える。
このうちの転がり軸受ユニットは、使用状態でも回転しない静止側軌道輪と、使用状態で回転する回転側軌道輪と、これら静止側軌道輪と回転側軌道輪との互いに対向する周面に存在する静止側軌道と回転側軌道との間に設けられた複数個の転動体とを備える。又、後述する第四のセンサを備えていない(第一〜第三のセンサのみを備えている)、請求項1に記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置に関しては、前記各転動体に付与されている予圧が一定である。これに対して、第四のセンサを備えている、請求項2に記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置に関しては、前記各転動体に付与されている予圧が一定である必要はない。
又、上記荷重測定装置は、上記回転側軌道輪若しくはこの回転側軌道輪と共に回転及び変位する部分に、この回転側軌道輪若しくはこの回転側軌道輪と共に回転及び変位する部分と同心に設けられたエンコーダと、上記静止側軌道輪に支持されて検出部をこのエンコーダの被検出面である外周面に対向させたセンサ装置と、演算器とを備える。
又、上記エンコーダは、外周面のうちで互いに軸方向に外れた2個所位置に設けられた、第一、第二の被検出面を備えたもので、これら両被検出面の特性は、円周方向に関して交互に、且つ、互いに同じピッチで変化している。そして、少なくとも上記第一の被検出面の特性変化の位相が軸方向に対し、上記第二の被検出面と異なる状態で漸次変化している。
又、上記センサ装置は、少なくとも第一〜第三のセンサを備えている。そして、このうちの第一のセンサの検出部は、上記第一の被検出面の上端部又は下端部に対向しており、同じく第二のセンサの検出部は、上記第二の被検出面のうちで上記第一のセンサの検出部と同じ端部に対向しており、同じく第三のセンサの検出部は、上記第一の被検出面のうちで上記第一のセンサの検出部と反対側の端部に対向している。
更に、上記演算器は、上記第一〜第三のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて、上記両軌道輪同士の間に作用する、前後方向のラジアル荷重、及び、これら両軌道輪同士の間に作用するアキシアル荷重と前後方向の軸回りのモーメントとのうちの少なくとも一方の荷重若しくはモーメントを求める機能を有する。
又、請求項2に記載した発明の場合には、上記第一〜第三のセンサに加えて第四のセンサを備え、この第四のセンサの検出部を、第二の被検出面のうちで、上記第三のセンサと同じ側の端部に対向させている。この様な請求項2に記載した発明の場合には演算器に、上記第一〜第四のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて、静止側、回転側両軌道輪同士の間に作用するアキシアル荷重と前後方向の軸回りのモーメントとのうちの少なくとも一方の荷重若しくはモーメントと、前後方向のラジアル荷重とを求める機能を持たせる。
又、上述した様な、請求項2に記載した発明を実施する場合に、請求項3に記載した様に、演算器に、第一〜第四のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて、上下方向の軸(鉛直軸)回りのモーメントに基づく変位量を求める機能を持たせる事もできる。
更に、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した様に、転がり軸受ユニットを、静止側軌道輪を懸架装置に支持固定し、回転側軌道輪に車輪を支持固定する、自動車の車輪支持用転がり軸受ユニットとする。そして、演算器に、上記静止側軌道輪と上記回転側軌道輪との相対変位量に基づいて、これら静止側軌道輪と回転側軌道輪との間に作用する荷重若しくはモーメントを算出する機能を持たせる。
上述の様に構成する本発明の転がり軸受ユニットの荷重測定装置の場合には、エンコーダとセンサとをラジアル方向に対向させるのみで、静止側軌道輪と回転側軌道輪との間に作用する、前後方向のラジアル荷重と、これら両軌道輪同士の間に作用するアキシアル荷重と、前後方向の軸回りのモーメントとを求められる。又、必要に応じて、上下方向の軸回りのモーメントを求める事もできる。
先ず、前後方向のラジアル荷重に就いては、第一、第三の両センサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて求める事ができる。即ち、上記ラジアル荷重が作用した場合には、上記両センサに対して上記エンコーダが、前後方向に変位する。これら両センサはこのエンコーダの外周面の上下両端部にラジアル方向に対向しているので、これら両センサのうちの一方のセンサの出力信号の位相が進み、他方のセンサの出力信号の位相が遅れ、これら両センサの出力信号同士の間の位相差が変化する。そこで、この位相差に基づいて、上記ラジアル荷重を求められる。
又、上記アキシアル荷重及び前後方向の軸回りのモーメントに就いては、上記第一、第三のセンサの出力信号を利用する事により、前述の図15〜18に示した第二の先発明の場合と同様にして求められる。
更に、上記上下方向の軸回りのモーメントに就いては、第一、第二のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて求められる。
小型の転がり軸受ユニットの場合でも、径方向(上下方向)に関する空間は比較的確保し易いので、本発明は、例えば小型自動車の車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する複列の転動体の間部分の様に、限られた空間内に設置できる構造として有効である。
[実施の形態の第1例]
図1〜7は、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の転がり軸受ユニットの荷重測定装置は、車輪支持用の複列の転がり軸受ユニットに、荷重測定装置16を組み込んで成る。このうちの転がり軸受ユニットの構造は、前述の図11、15に示した先発明に係る構造と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。一方、上記荷重測定装置16は、回転側軌道輪であるハブ2の軸方向内端部に外嵌固定された1個のエンコーダ17と、上記転がり軸受ユニットを構成する外輪1の軸方向内端開口部に被着されたカバー10に支持された4個のセンサ18a1 、18a2 、18b1 、18b2 と、図示しない演算器とを備える。
このうちのエンコーダ17は、軟鋼板等の磁性金属板製で、被検出面である外周面先端寄り(軸方向内半寄り)部分に、第一、第二の特性変化部19、20を設けており、上記転がり軸受ユニットを構成する上記ハブ2の内端部に、このハブ2と同心に支持固定されている。上記両特性変化部19、20は、それぞれがスリット状である多数の透孔21a、21bを、円周方向に関して互いに等間隔で形成して成るものである。
上記両特性変化部19、20のうちの第一の特性変化部19は、上記被検出面の幅方向片半部(図1の右半部、図7に示したエンコーダ17の下半部)に、特性変化の位相がこの被検出面の幅方向に対して所定方向に所定角度で漸次変化する状態で設けている。これに対して、上記第二特性変化部20は、上記被検出面の幅方向他半部(図1の左半部、図7に示したエンコーダ17の上半部)に、特性変化の位相がこの被検出面の幅方向に対して上記所定方向と逆方向に上記所定角度と同じ角度で漸次変化する状態で設けている。この為に本例の場合には、上記各透孔21a、21bのうち、上記第一の特性変化部19を構成する上記各透孔21a、21aと、上記第二の特性変化部20を構成する上記各透孔21b、21bとを、上記エンコーダ17の軸方向に対し逆方向に、同じ角度だけ傾斜させている。尚、上記第一の特性変化部19を構成する上記各透孔21a、21aと、上記第二の特性変化部20を構成する上記各透孔21b、21bとは、図1に示す様に連続した状態で形成しても、或いは、前述の図14に示した第一の先発明の場合の様に、互いに独立させて形成しても良い。
又、上記被検出面の上下両端部2個所位置に、それぞれ2個ずつ、合計4個のセンサ18a1 、18a2 、18b1 、18b2 を設けている。即ち、上記エンコーダ17の上端部上方にこのうちの2個のセンサ18a1 、18a2 を、下端部下方に残り2個のセンサ18b1 、18b2 を、それぞれ配置している。そして、これら両位置に設けた2個ずつのセンサのうちの一方のセンサ18a1 、18b1 の検出部を上記第一の特性変化部19に、他方のセンサ18a2 、18b2 の検出部を上記第二の特性変化部20に、それぞれ対向させている。上記各センサ18a1 、18a2 、18b1 、18b2 の検出部は、外力が作用せず、前記外輪1と前記ハブ2とが中立状態(互いに中心軸が一致し、アキシアル方向の変位も生じていない状態)にある場合には、上記第一の特性変化部19或いは上記第二の特性変化部20の幅方向中央部に対向する。
上述の様な各センサ18a1 、18a2 、18b1 、18b2 とエンコーダ17とを組み込んだ本例の場合には、これら各センサ18a1 、18a2 、18b1 、18b2 の検出信号を送り込まれる演算器が、次の様な機能により、前記転がり軸受ユニットを構成する外輪1と同じくハブ2との間に加わるアキシアル荷重Fyと、前後方向の軸回りの(図1、3に矢印で示した)モーメントMxと、前後方向のラジアル荷重Fxと、上下方向の軸回りのモーメントMzを求める。
先ず、このうちのアキシアル荷重Fyと前後方向の軸回りのモーメントMxとを求める場合に就いて説明する。
前述の図16により行なった、第二の先発明の説明から明らかな通り、タイヤ12と路面13との接触部に車両の幅方向に加わるアキシアル荷重Fyは上記外輪1と上記ハブ2との間に、上記アキシアル荷重(純アキシアル荷重)と上記前後方向の軸回りのモーメントMxとの合成値として加わる。そして、上記エンコーダ17は、このうちの純アキシアル荷重に基づいて、上記外輪1と上記ハブ2との中心軸方向に平行移動する。これと同時に上記エンコーダ17は、上記前後方向の軸回りのモーメントMxに基づいて、その中心軸と上記外輪1の中心軸とが不一致になる方向に傾斜する。この様なモーメントMxに基づく傾斜により、この外輪1の軸方向に関する上記エンコーダ17の変位量は、このエンコーダ17の上端部と下端部とで異なる。
先ず、上記前後方向の軸回りのモーメントMxを求めるべく、上記エンコーダ17の上端部の変位量δHyと下端部の変位量δLyとを求める。この変位量の測定は、前述の図11〜14に示した、第一の先発明の場合と同様にして行なう。即ち、上端部の変位量δHyに関しては、上記エンコーダ17の上端部上方に配置した前記2個のセンサ18a1 、18a2 の出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて求める。同様に、下端部の変位量δLyに関しては、上記エンコーダ17の下端部下方に配置した前記2個のセンサ18b1 、18b2 の出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて求める。この様にして、上記外輪1の軸方向に関する、上記エンコーダ17の上下両端部の変位量δHy、δLyが分かれば、次の(1)式により、上記外輪1に対する上記ハブ2の、純アキシアル方向の変位量δTyを求められる。
δTy=(δHy+δLy)/2 −−− (1)
又、上記上下両端部の変位量δHy、δLyと上記エンコーダ17の外周面の半径rとから、次の(2)式により、上記外輪1の中心軸に対する上記エンコーダ17の中心軸の傾斜角度θ17を求められる。
θ17=(δHy−δLy)/2r −−− (2)
この様にして求められる、上記純アキシアル方向の変位量δTyや上記傾斜角度θ17と、上記外輪1と上記ハブ2との間に加わるアキシアル荷重Fyとの間には、例えば図2に示す様な一定の関係(図2に示す様な一次関数的とは限らない)がある。そして、この様な関係は、転がり軸受の分野で広く知られている弾性接触理論に基づいて数学的処理により求められる他、実験により求める事もできる。そこで、上記純アキシアル方向の変位量δTyや上記傾斜角度θ17と、上記アキシアル荷重Fyとの関係を予め求めておき、前記演算器中にインストールするソフトウェア中に組み込んでおけば、前記各センサ18a1 、18a2 、18b1 、18b2 の出力信号に基づいて、上記アキシアル荷重Fyを求められる。この場合に、上記純アキシアル方向の変位量δTyに基づいてアキシアル荷重Fyを求めても、或いは上記傾斜角度θ17に基づいて求めても、更には両方に基づいて求めても(例えば両方から求められる値を平均化しても)良い。
次に、前後方向のラジアル荷重Fxを求める場合に就いて説明する。この前後方向のラジアル荷重Fxを求める為に、上記外輪1(に固定した前記カバー10)に対する、上記エンコーダ17の前後方向の変位量δxを測定する。この前後方向の変位量δxに就いては、同一の特性変化部の上下両端に対向した、上下1対のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて求める。この点に就いて、第二の特性変化部20の上下両端部にそれぞれの検出部を対向させた、上下1対のセンサ18a2 、18b2 の出力信号に基づく場合に就いて説明する。第一の特性変化部19の上下両端部にそれぞれの検出部を対向させた、上下1対のセンサ18a1 、18b1 の出力信号に基づく場合も、同様に考えられる。
上記第二の特性変化部20と上記両センサ18a2 、18b2 との関係を見る限り、図3〜6に示す様に、被検出面の特性変化の位相が軸方向に対し一方向にのみ(直線状に)変化しているエンコーダ17aを、上下1対のセンサ18a2 、18b2 で検出していると考える事ができる。この場合に、先ず、上記外輪1と前記ハブ2との間に何れの方向の荷重もモーメントも加わっていない場合には、上記両センサ18a2 、18b2 の検出部は、図4に示す様に、上記第二の特性変化部20の中央位置を走査するので、これら両センサ18a2 、18b2 の出力信号の位相は、実質的に一致した(図示の場合には、予め設定した半ピッチ分だけずれている)状態になる。
この状態から、前述したアキシアル荷重Fyと前後方向の軸回りのモーメントMxとが、図3、5の(図5に関しては左下部に示した図面の)左下側から転がり軸受ユニットに入力されると、上記エンコーダ17aが、図3及び図5の左下部の図で右方に平行移動しつつ、図3に矢印で示した様に、反時計方向に変位する。そして、図5の左下部に誇張して示す様に、このエンコーダ17aの上端部分が同図の左方向に、同じく下端部分が右方向に、それぞれ変位する方向に傾斜する。この傾斜と上記平行移動とのうち、平行移動は上記両センサ18a2 、18b2 の出力信号同士の間の位相差の変化に結び付かないが、上記傾斜はこれら両センサ18a2 、18b2 の出力信号同士の間の位相差の変化に結び付く。
又、上記外輪1と上記ハブ2との間に、前後方向の荷重Fxが加わると、図6の上端部に矢印で示す様に、上記エンコーダ17aが前後方向に変位する。そして、この変位により、上記図6に示す様に、例えば上側のセンサ18a2 の出力信号の位相が進み、下側のセンサ18b2 の出力信号の位相が遅れ、これら両センサ18a2 、18b2 の出力信号同士の間の位相差が変化する。図6に示した状態でこれら両センサ18a2 、18b2 の出力信号同士の間の位相差は、上記前後方向の荷重Fxに基づく上記エンコーダ17aの前後方向の変位だけでなく、上記前後方向の軸回りのモーメントMxに基づく傾斜(傾斜角度θ17)によっても変化している。但し、このうちの傾斜角度θ17は、前述した様に、4個のセンサ18a1 、18a2 、18b1 、18b2 の出力信号に基づき、前記(2)式により求められる。そして、上記傾斜角度θ17が分かれば、上記図6に示した状態での、上記モーメントMxに基づく上記両センサ18a2 、18b2 の出力信号同士の間の位相差の変化分が分かる。従って、上記図6に示した状態から、上記傾斜角度θ17に基づく位相変化分を除き、上記前後方向の荷重Fxに基づく上記エンコーダ17aの前後方向の変位分を取り出す事ができる。
要するに、図6に示した状態で、上記エンコーダ17aの前後方向の変位分δ1 と上記傾斜角度θ17分δ2 とが合わさった状態での、上記両センサ18a2 、18b2 の出力信号同士の間の位相差の合成変化量δTxが分かり、このうちの傾斜角度θ17分の位相差の変化分δ2 は、別の方法により求められる。そこで、上記合成変化量δTxからこの傾斜角度θ17分の位相差の変化分δ2 を減ずれば、上記エンコーダ17aの前後方向の変位分δ1 (=δTx−δ2 )を求められる。そして、この前後方向の変位分δ1 が分かれば、前記透孔21bの傾斜角度θ21等から、上記外輪1に対する上記ハブ2の、前後方向の変位量δxを求められる。更に、この前後方向の変位量δxが分かれば、上記外輪1と上記ハブ2との間に加わる、前後方向の荷重Fxを求められる。
即ち、上記変位量δxとこの荷重Fxとの間には、転がり軸受ユニットのラジアル剛性等により定まる、一定の関係がある。そして、この関係は、転がり軸受ユニットの分野で広く知られている弾性接触理論等に基づいて計算により求められる他、実験によっても求められる。従って、前記演算器中に、上記関係を表した式或いはマップを記憶させておけば、上記変位量δxに基づいて上記荷重Fxを求められる。この場合に、上記前後方向の変位量δxに加えて、前記純アキシアル方向の変位量δTy、前記傾斜角度θ17を勘案しつつ(他方向の変位の影響を考慮して)、上記前後方向の荷重Fxを求める事もできる。この様に、他方向の変位の影響を考慮してこのFx荷重を求めれば、例えば、転がり軸受ユニットにアキシアル方向の荷重Fyが負荷されて、この転がり軸受ユニットの剛性が変化している(高くなっている)様な状況下でも、クロストークを受けずに上記前後方向の荷重Fxを正確に求められる。
次に、上下方向の軸回りのモーメントMzを求める場合に就いて説明する。この場合には、上述した前後方向の荷重Fxを求める為に行なった、上記前後方向の変位量δxを求める為の処理を、4個のセンサ18a1 、18a2 、18b1 、18b2 の出力信号に就いて行なう。即ち、前記第二の特性変化部20にそれぞれの検出部を対向させた上下1対のセンサ18a2 、18b2 の出力信号に基づき、上記第二の特性変化部20部分での、前記エンコーダ17の前後方向の変位量δ20を求める。同時に、前記第一の特性変化部19にそれぞれの検出部を対向させた上下1対のセンサ18a1 、18b1 の出力信号に基づき、上記第一の特性変化部19部分での、上記エンコーダ17の前後方向の変位量δ19を求める。これら両変位量δ20、δ19を求める方法は、前述した、エンコーダ17aの前後方向の変位分δ1 を求める方法と同様であるから、重複する説明は省略する。
上記上下軸回りのモーメントMzが作用せず、上記エンコーダ17が前後方向に平行移動していれば、上記第一、第二の特性変化部19、20部分での上記エンコーダ17の前後方向の変位量δ19、δ20は等しくなる。そして、この場合には、図7の(A)に実線(変位前の状態)及び鎖線(変位後の状態)で示す様に、上記エンコーダ17の上端部上方に配置した1対のセンサ18a1 、18a2 (及び下端部下方に配置した1対の18b1 、18b2 )の検出部と、上記第一、第二の特性変化部19、20の境界部(特性変化の境界線)との位相が、互いに同じになる。勿論、前述した様に、アキシアル荷重FyやモーメントMxが作用している場合には上記位相は異なるが、その場合でも、これらアキシアル荷重FyやモーメントMxの影響を排除する演算処理を行なえば、上記上下軸回りのモーメントMzが作用しない限り、1対のセンサ18a1 、18a2 の検出部と、上記第一、第二の特性変化部19、20の境界部との位相は互いに同じになる。
これに対して、上記上下軸回りのモーメントMzが加わり、上記エンコーダ17がこの上下方向の軸回りに揺動変位すると、上記第一、第二の特性変化部19、20部分での上記エンコーダ17の前後方向の変位量δ19、δ20に差が生じる。即ち、この場合には、上記アキシアル荷重FyやモーメントMxが作用していなくても(或いは、これらアキシアル荷重FyやモーメントMxの影響を排除する演算処理を行なった後の状態でも)図7の(B)に鎖線(変位後の状態)で示す様に、上記第一、第二の特性変化部19、20部分での上記エンコーダ17の前後方向の変位量δ19、δ20同士の間に差が生じる。そして、これら両変位量δ19、δ20から、上記モーメントMzに基づく、前記外輪1に対する前記ハブ2の上下方向軸回りの揺動変位角を、次の(3)式により求められる。
揺動変位角度=(δ19−δ20)/センサ間距離L −−− (3)
又、上記両変位量δ19、δ20から、上記モーメントMzが作用している状態での、上記エンコーダ17の被検出面中心(上記第一、第二の特性変化部19、20の間部分)の前後方向の変位量を、「(δ19+δ20)/2」として求められる。そして、上記揺動変位角度と、上記被検出面中心での前後方向の変位量とが分かれば、転がり軸受ユニット中心での前後方向の変位量を、幾何学的に求められる。
前述の図3〜6で説明した様に、何れかの特性変化部の上下両端部に対向している上下1対のセンサの出力信号に基づいて、前後方向の変位分δ1 を求める事はできる。但し、この場合に求められる前後方向の変位分δ1 は、純粋な前後方向の変位と、上下軸回りの揺動変位とが合成されたものとなる。通常の場合には、この上下軸回りの揺動変位に結び付く上下軸回りのモーメントMzは非常に小さく、一般的には無視できる。但し、自動車のユーザーがオフセット量が規格から大きく外れたホイールを装着する場合等、上記上下軸回りのモーメントMzが、無視できない程に大きくなる可能性を完全に否定する事はできない。
この様な場合には、何れか一方の特性変化部の上下両端部に配置した1対のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差から前後方向の変位を求めただけでは、求められた変位が、前後方向の荷重によるものか、上下軸回りのモーメントMzによるものかが分からず、前後方向の荷重を測定する事に関する誤差となる。そこで、この上下軸回りのモーメントMzが無視できない程大きくなる可能性があれば、このモーメントMzに基づく揺動変位角度を求め、この揺動変位角度に基づく補正を行なって、上記前後方向の変位分δ1 の値を正確に求め、この値に基づいて、前後方向の荷重Fxを求める。更に、必要に応じて、この前後方向の荷重Fxを勘案しつつ、アキシアル荷重Fyの測定精度向上を図る(前後方向の荷重Fxに基づく転がり軸受ユニット剛性向上分を勘案して、上記アキシアル荷重Fyを算出する)。又、上記揺動変位角度から、上記上下軸回りのモーメントMzを求める事もできる。
[実施の形態の第2例]
図8〜10は、請求項1、4に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、上述した実施の形態の第1例の構造から、センサ18a を省略し、残り3個のセンサ18a 、18b 、18b を、この第1例の場合と同じ位置に配置している。本例は、この様な構造で、外輪1とハブ2との間に作用する、アキシアル荷重Fyと、前後方向の軸回りの(図1、3に矢印で示した)モーメントMxと、前後方向のラジアル荷重Fxとを求める様にしている。本例を実施する場合には、各転動体3、3に付与されている予圧が変化しない事が前提となる。この予圧が変化した場合には、図9に示した関係、即ち、タイヤ12と路面13との接触部(図16参照)から加わるアキシアル荷重Fyと、外輪1とハブ2とに関する、軸方向変位と中心軸同士の傾斜角度との比との関係が変化する。この結果、上記図9に示した関係に基づく、上記アキシアル荷重Fyの算出を行なえなくなる。従って、本例の場合には、上記予圧は一定である事が条件である。尚、前述した実施の形態の第1例の場合には、予圧が変化した場合でも、特願2005−296053号に開示された発明(第五の先発明)に基づいて、各転動体3、3に付与されている予圧を求められる。この第五の先発明に就いては、上記本発明の実施の形態の第1例と組み合わせて実施する事はあるが、本発明の要旨とは関係しない為、詳しい説明は省略する。
上記予圧が一定で上記図9に示した関係が成り立てば、上記3個のセンサ18a2 、18b1 、18b2 のうち、エンコーダ17の下端部下方に配置した1対のセンサ18b1 、18b2 同士の出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて求めた変位量、即ち、上記ハブ2が上記外輪1に対し、純粋にアキシアル方向に変位した量と、上記外輪1の中心軸と上記ハブ2と中心軸との傾斜に基づいて上記エンコーダ17の下端部が変位した量とを合成した量から、純粋なアキシアル方向の変位量δy(実施の形態の第1例の変位量δTy)や上記外輪1の中心軸に対する上記エンコーダ17の中心軸の傾斜角度θ17を求められる。
以下、上記変位量δy及び傾斜角度θ17を求める為の具体的手順に就いて説明する。上記予圧が一定の場合に上記図9に示した関係が成り立つ一方、アキシアル荷重Fyは、上記エンコーダ17の下端部下方に配置した1対のセンサ18b1 、18b2 同士の出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて求められる。即ち、前記タイヤ12と前記路面13との接触部から加わるアキシアル荷重Fyと、上記両センサ18b1 、18b2 同士の出力信号同士の間に存在する位相差との間には、上記予圧が一定である限り一定の関係がある。そして、この関係は予め求めて、演算器にインストールするソフトウェア中に組み込んでおける。従って、上記両センサ18b1 、18b2 同士の出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて上記アキシアル荷重Fyを求められる。そして、このアキシアル荷重Fyを求められたならば、上記図9から、上記純粋なアキシアル方向の変位量δyと上記傾斜角度θ17との比V(=δy/θ17)が分かる。
又、上記エンコーダ17の下端部下方に配置した1対のセンサ18b1 、18b2 の出力信号同士の間に存在する位相差から、上記接触部から加わるアキシアル荷重Fyに基づく上記エンコーダ17の下端部の変位、即ち、図10に示した様な合成変位δTOTAL が求められる。この合成変位δTOTAL は、上記エンコーダ17全体が軸方向に変位する純粋なアキシアル方向の変位量δyと、前後軸回りのモーメントMxに基づく変位δMxとの和であって、上記エンコーダ17の半径をrとすれば、δTOTAL =δy+r・θ17で表される。この式と上記V=δy/θ17なる式から、上記傾斜角度θ17を求められる。そして、この傾斜角度θ17が分かれば、上記図9から、上記純粋なアキシアル方向の変位量δyを求められる。又、前後方向の変位量δxは、前述した実施の形態の第1例の場合と同様にして求められ、この変位量δxに基づいて、前後方向のラジアル荷重Fxを求められる。この為、前述の様に求めたアキシアル荷重Fyと共に、2方向の荷重を求められる。
図示の各実施の形態としては、第一、第二の被検出面に、互いに逆方向に傾斜した透孔21a、21bを形成した、磁性金属板製のエンコーダ17を使用した構造に就いて示した。これに対して、使用するエンコーダは、前述の図19の(B)に示す様に、第一の被検出面部分にのみ、特性変化の境界が軸方向に対し傾斜したエンコーダを使用する事もできる。又、エンコーダの被検出面の特性変化の性状としては、図示の様な透孔と柱部との繰り返しに限らず、前述の図11〜13に示す様な、S極とN極との繰り返しや、凹部と凸部との繰り返しであっても良い。
又、自動車の車輪支持用転がり軸受ユニットの場合には、例えばABSを制御する為の情報として、車輪の回転速度を計測する。前述の図1に示した実施の形態の第1例の場合には、4個のセンサで、図8に示した実施の形態の第2例の場合には3個のセンサで、上記車輪の回転速度を計測している。上記ABS制御用の信号は、何れか1個のセンサの出力信号をこのABS用の制御器に入力すれば足りるが、複数のセンサの出力信号をこの制御器に取り込んで互いに比較し、何れかのセンサに異常がないか否かの判定を行なう事もできる。尚、車輪の回転速度検出に使用するセンサが3個以上あれば、何れかのセンサに異常が発生した場合でも、多数決の論理で正常と思われるセンサを選択し、当該センサにより制御を暫定的に続行する事もできる。
又、前述した先発明及び本発明による、エンコーダとセンサとの組み合わせ構造は、何れも静止側軌道輪と回転側軌道輪との間に加わる荷重を測定するものである。従って、上記エンコーダと上記センサとは、転がり軸受ユニットの構成部材、即ち、上記静止側軌道輪と回転側軌道輪とに設置しても良いが、上記エンコーダと上記センサとのうちの少なくとも一方を、これら静止側、回転側両軌道輪以外の(転がり軸受ユニットの構成部材ではない)回転体又は静止部材に設置しても良い。即ち、上記エンコーダを回転側軌道輪又はこの回転側軌道輪に結合固定された回転体に設置すると共に、上記センサを、上記静止側軌道輪又はこの静止側軌道輪を結合固定した静止部材に設置する事もできる。例えば、自動車の車輪支持用転がり軸受ユニットの場合であれば、ハブを回転駆動する為の駆動軸を有する等速ジョイント(回転体)の一部にエンコーダを設置し、懸架装置を構成するナックル(静止部材)にセンサを設置する事もできる。この様な構成を採用すれば、上記エンコーダ及びセンサを設置する事に関して、転がり軸受ユニット部分の寸法上の制約を受けずに済む。この為、小型の転がり軸受ユニットでも、上記静止側軌道輪と回転側軌道輪との間に作用する荷重の推定が可能になる。

更に、上記先発明及び本発明を実施する場合には、演算器が必要になるが、この演算器は、転がり軸受ユニット部分に設置しても、或いはこの転がり軸受ユニット外に、この転がり軸受ユニットとは別体として設置しても良い。但し、転がり軸受ユニット部分に設置すれば、位相比と変位との関係を表すゲインや、変位と荷重との関係を表すゲイン等の特性を、個々の転がり軸受ユニットに設置されている演算器に書き込んでおけるので、個々の転がり軸受ユニット毎に異なるゲインを正しく管理する面からは都合が良い。これに対して、転がり軸受ユニットが、熱や振動等の面から過酷な環境に曝される場合には、演算器を、この転がり軸受ユニットから離れた、環境的に有利な場所に設置する事が好ましい。この場合でも、演算器と個々の転がり軸受ユニットとは、1対1の対応が付く様に管理する事が望ましい。この様な管理を行なえる構造として、転がり軸受ユニットに付属のセンサから導出したハーネスに演算器を結合し、この転がり軸受ユニットと演算器とを、このハーネスを介して1セットとして取り扱える様に、工場間で搬送する事が考えられる。この様な手段を採用すれば、環境的に有利な場所に演算器を設置でき、しかも、ゲイン等の、各転がり軸受ユニット毎に異なる特性を、各転がり軸受ユニットに対応する演算器に書き込んでおける。具体的には、各転がり軸受ユニットにその基端部を結合したハーネスの先端に設けたコネクタ部に、上記演算器を設置する方法が考えられる。
本発明の実施の形態の1例を示す断面図。 中心軸同士の傾斜角度又はアキシアル方向変位と、アキシアル荷重との関係の1例を示す線図。 前後方向のラジアル荷重を求める場合に使用するエンコーダの被検出部と上下1対のセンサとを示す断面図。 エンコーダが変位していない状態での何れか一方の特性変化部と上下1対のセンサとの位置関係及びこれら両センサの出力信号同士の間に存在する位相差とを示す模式図。 エンコーダがアキシアル方向に変位すると同時に前後方向の軸回りのモーメントにより傾斜した状態を示す、図4と同様の模式図。 エンコーダが前後方向の軸回りのモーメントにより傾斜すると同時に前後方向に変位した状態を示す、図4と同様の模式図。 上下方向軸回りのモーメントに基づく変位を求める手順に就いて示す、エンコーダ及び1対のセンサを上下方向から見た状態で示す模式図。 本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。 アキシアル方向変位と傾斜角度との比と、アキシアル荷重との関係を示す線図。 タイヤと路面との接触部から入力されるアキシアル荷重に基づくエンコーダの変位状況を示す模式図。 先発明の第1例を示す断面図。 この第1例に組み込むエンコーダの斜視図。 アキシアル荷重の変動に伴って変化するセンサの出力信号を示す線図。 上記先発明の第1例に組み込むエンコーダの別例を示す斜視図。 先発明の第2例を示す断面図。 この第2例を自動車の懸架装置と車輪との間に組み付けた状態を示す略断面図。 エンコーダが変位していない状態での、このエンコーダとセンサとの位置関係及びこれら両センサの出力信号同士の間に存在する位相差とを示す模式図。 エンコーダが前後方向の軸回りのモーメントにより傾斜した状態を示す、図17と同様の模式図。 第三の先発明に係る、アキシアル方向及びラジアル方向の変位を求める構造の1例を示す略図。 第四の先発明の第1例を示す模式図。 同第2例を示す模式図。
符号の説明
1 外輪
2 ハブ
3 転動体
4、4a、4b、4c、4d、4e エンコーダ
5、5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g センサ
6、6a、6b 透孔
7a、7b 柱部
8 リム部
9 円筒状部
10 カバー
11 車輪
12 タイヤ
13 路面
14 被検出用特性部
15、15a 被検出用特性部
16 荷重測定装置
17、17a エンコーダ
18a1 、18a2 、18b1 、18b2 センサ
19 第一の特性変化部
20 第二の特性変化部
21a、21b 透孔

Claims (4)

  1. 転がり軸受ユニットと荷重測定装置とを備え、
    このうちの転がり軸受ユニットは、使用状態でも回転しない静止側軌道輪と、使用状態で回転する回転側軌道輪と、これら静止側軌道輪と回転側軌道輪との互いに対向する周面に存在する静止側軌道と回転側軌道との間に設けられた複数個の転動体とを備え、これら各転動体に付与されている予圧が一定であるものであり、
    上記荷重測定装置は、上記回転側軌道輪若しくはこの回転側軌道輪と共に回転及び変位する部分に、この回転側軌道輪若しくはこの回転側軌道輪と共に回転及び変位する部分と同心に設けられたエンコーダと、上記静止側軌道輪に支持されて検出部をこのエンコーダの被検出面である外周面に対向させたセンサ装置と、演算器とを備えたものであり、
    上記エンコーダは、外周面のうちで互いに軸方向に外れた2個所位置に設けられた第一、第二の被検出面を備えたもので、これら両被検出面の特性は、円周方向に関して交互に、且つ、互いに同じピッチで変化しており、少なくとも上記第一の被検出面の特性変化の位相が軸方向に対し、上記第二の被検出面と異なる状態で漸次変化しており、
    上記センサ装置は、少なくとも第一〜第三のセンサを備えており、このうちの第一のセンサの検出部は、上記第一の被検出面の上端部又は下端部に対向しており、同じく第二のセンサの検出部は、上記第二の被検出面のうちで上記第一のセンサの検出部と同じ端部に対向しており、同じく第三のセンサの検出部は、上記第一の被検出面のうちで上記第一のセンサの検出部と反対側の端部に対向しており、
    上記演算器は、上記第一〜第三のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて、上記両軌道輪同士の間に作用する、前後方向のラジアル荷重、及び、これら両軌道輪同士の間に作用するアキシアル荷重と前後方向の軸回りのモーメントとのうちの少なくとも一方の荷重若しくはモーメントを求める機能を有する
    転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  2. 転がり軸受ユニットと荷重測定装置とを備え、
    このうちの転がり軸受ユニットは、使用状態でも回転しない静止側軌道輪と、使用状態で回転する回転側軌道輪と、これら静止側軌道輪と回転側軌道輪との互いに対向する周面に存在する静止側軌道と回転側軌道との間に設けられた複数個の転動体とを備えたものであり、
    上記荷重測定装置は、上記回転側軌道輪若しくはこの回転側軌道輪と共に回転及び変位する部分に、この回転側軌道輪若しくはこの回転側軌道輪と共に回転及び変位する部分と同心に設けられたエンコーダと、上記静止側軌道輪に支持されて検出部をこのエンコーダの被検出面である外周面に対向させたセンサ装置と、演算器とを備えたものであり、
    上記エンコーダは、外周面のうちで互いに軸方向に外れた2個所位置に設けられた第一、第二の被検出面を備えたもので、これら両被検出面の特性は、円周方向に関して交互に、且つ、互いに同じピッチで変化しており、少なくとも上記第一の被検出面の特性変化の位相が軸方向に対し、上記第二の被検出面と異なる状態で漸次変化しており、
    上記センサ装置は、第一〜第四のセンサを備えており、このうちの第一のセンサの検出部は、上記第一の被検出面の上端部又は下端部に対向しており、同じく第二のセンサの検出部は、上記第二の被検出面のうちで上記第一のセンサの検出部と同じ端部に対向しており、同じく第三のセンサの検出部は、上記第一の被検出面のうちで上記第一のセンサの検出部と反対側の端部に対向しており、上記第四のセンサの検出部は、第二の被検出面のうちで上記第三のセンサと同じ側の端部に対向しており、
    上記演算器は、上記第一〜第四のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて、上記両軌道輪同士の間に作用する、前後方向のラジアル荷重、及び、これら両軌道輪同士の間に作用するアキシアル荷重と前後方向の軸回りのモーメントとのうちの少なくとも一方の荷重若しくはモーメントを求める機能を有する
    転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  3. 演算器が、第一〜第四のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて、上下方向の軸回りのモーメントに基づく変位量を求める機能を有する、請求項2に記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  4. 転がり軸受ユニットが、静止側軌道輪を懸架装置に支持固定し、回転側軌道輪に車輪を支持固定する、自動車の車輪支持用転がり軸受ユニットであり、演算器は、上記静止側軌道輪と上記回転側軌道輪との相対変位量に基づいて、これら静止側軌道輪と回転側軌道輪との間に作用する荷重を算出する、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
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