JP4957059B2 - ポリイミドフィルム積層体 - Google Patents

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Description

この発明は、電子・電気工業関係に使用されるプリント配線板を製造するための銅張配線基板などとして好適に使用することができ、金属材料の種類によってはその他の電子材料、例えばヒ−タ−、放熱板、熱応答素子、ハ−ドディスクサスペンションなどとしても使用することができる、ポリイミド膜層の製膜用のド−プ液として使用されるポリアミック酸の溶液組成物から形成されたポリイミド層と金属層とが直接積層されているポリイミドフィルム積層体に関するものである。
さらに詳しくは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を必須成分とするテトラカルボン酸二無水物が出発テトラカルボン酸二無水物成分であり、特定の構造を有する芳香族ジアミンを必須成分とするジアミンが出発ジアミン成分であるポリアミック酸溶液組成物を、金属薄膜上に膜状に流延し、溶媒を揮発させるとともにポリアミック酸をイミド化して形成された、芳香族ポリイミド層と金属層とからなるポリイミドフィルム積層体に関するものである。
耐熱性のポリイミドを与える3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物系のポリイミドとしては3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとをそれぞれ出発酸二無水物成分および出発ジアミン成分とするポリイミドが一般的であり、低線膨張係数で高弾性率のポリイミドを与えることが知られている。
また、このポリイミドからなるフィルムは、熱的性質および電気的性質に優れているため、電子機器類の用途に広く使用されている。しかしながら、通常電子分野で使用される接着剤では大きな接着強度が得られず、金属蒸着やスパッタリングして金属層を設けた積層体は剥離強度が比較的小さい。
さらに、このポリイミドからなるフィルムは、飽和吸水率が低く、吸湿膨張係数が低いため環境変化に対する寸法安定性を有するという利点がある。しかしながら、反面透湿速度が比較的小さいため、キャスティング法で製造した積層体は金属−ポリイミド界面で発泡や剥離が生じる傾向がある。
従来、芳香族ポリイミド膜層と金属材料層とからなるポリイミド積層体およびその製造方法については、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4に記載、示唆されていることが知られていた。
また特許文献5には、ビフェニルテトラカルボン酸無水物類とピロメリット酸無水物類とからなる芳香族テトラカルボン酸成分と、フェニレンジアミン類とジアミノジフェニルエ−テル類とからなる芳香族ジアミン成分を重合して得られた芳香族ポリアミック酸溶液組成物を金属薄膜上に流延し、その膜を乾燥すると共に高温下にイミド化して形成された芳香族ポリイミド膜層と金属膜層とからなるポリイミド複合シ−トが提案されている。
また特許文献6には、ビフェニルテトラカルボン酸無水物類とピロメリット酸無水物類とからなる芳香族テトラカルボン酸成分と、フェニレンジアミン類とジアミノジフェニルエ−テル類とからなる芳香族ジアミン成分を重合して得られた芳香族ポリアミック酸溶液組成物を、アルカリエッチング可能な金属基材上に流延、イミド化したのち、金属基材をエッチングして形成された芳香族ポリイミド膜層と金属膜層とからなるプリント配線基板が提案されている。
また特許文献7には、脂肪族テトラカルボン酸無水物とジアミン類とからなる成分を重合して得られたポリアミック酸溶液組成物を金属基材上に流延、イミド化して形成されたポリイミド膜層と金属膜層とからなるフレキシブルプリント配線基板が提案されている。
特公昭59−18221号公報 特開昭57−181857号公報 特開昭62−212140号公報 特公平1−52843号公報 特開昭61−111359号公報 特開平3−85789号公報 特開2004−358961号公報
この発明の目的は、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とから得られるポリイミドとして、特定の構造を有するジアミン成分を用いることにより、ガス透過速度、透湿速度の向上により、ポリイミドフィルム積層体の製造時の高温工程における発泡剥離を抑制したポリイミドフィルム積層体を提供することである。
特にテトラカルボン酸二無水物成分として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を必須成分として用い、ジアミン成分としてパラフェニレンジアミンを必須成分として用いて、これら酸成分とジアミン成分とから得られるポリアミック酸溶液を、金属箔上に膜状に塗布し、溶媒を揮発させるとともにポリアミック酸をイミド化して、ポリイミド層と金属層とが直接積層しているポリイミドフィルム積層体を製造する場合に、製造時の高温工程に発泡剥離が起きる場合があり、この発泡剥離を抑制したポリイミドフィルム積層体を提供することである。
本発明の第一は、テトラカルボン酸二無水物成分と、ジアミン100モル%中下記一般式(1)で表されるジアミンを0.5〜30モル%含むジアミン成分とから得られるポリアミック酸溶液を、金属箔上に膜状に塗布し、溶媒を揮発させるとともにポリアミック酸をイミド化して、ポリイミド層と金属層とが直接積層されていることを特徴とするポリイミドフィルム積層体に関するものである。
Figure 0004957059
(但し、式(1)中において、Aは直接結合あるいは架橋基であり、R〜Rは水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボアルコキシ基から選ばれる置換基を表し、RおよびRの少なくとも1つは水素原子ではなく、RおよびRの少なくとも1つは水素原子ではない。)
本発明の第二は、本発明の第一のポリイミドフィルム積層体のポリイミド層に直接あるいは耐熱性接着剤を介して基材が積層されているポリイミドフィルム積層体に関するものである。
本発明の第一の好ましい態様を示し、これらは複数組み合わせることが出来る。
1)一般式(1)のジアミンは、式中のAが直接結合あるいは架橋基であり、R〜Rが炭素数1〜6の炭化水素基から選ばれる置換基を表していること。
2)ジアミン成分が、パラフェニレンジアミンを含むこと。
3)テトラカルボン酸二無水物成分は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含むこと。
4)金属箔を除去した後のポリイミド膜の弾性率が4GPa以上9GPa未満であること。
5)ポリアミック酸溶液がシランカップリング剤を含有していること。
6)金属箔が、銅箔であること。
7)金属箔が、剥離可能なキャリア層を有する厚さ1〜10μmの銅箔であること、さらに好ましくはポリイミドフィルム積層体からキャリア層を剥離することにより得られる厚さ1〜10μmの銅層を有すること。
本発明の第ニの好ましい態様を示し、これらは複数組み合わせることが出来る。
1)基材が、金属層であること。
本発明の第一によれば、特定の構造を有するジアミン成分を導入することにより、ポリイミドフィルム積層体の製造時の高温工程における発泡剥離を抑制することができ、優れた破断強度と、優れた引張り弾性率と、優れたピール強度とを有するポリイミドフィルム積層体を提供することができる。
特に本発明の第一によれば、テトラカルボン酸二無水物成分として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を主成分として用い、ジアミン成分としてパラフェニレンジアミンを主成分として用いて、これらの酸成分とジアミン成分とから得られるポリアミック酸溶液を、金属箔上に膜状に塗工し、溶媒を揮発させるとともにポリアミック酸をイミド化して、ポリイミド層と金属層とが直接積層しているポリイミドフィルム積層体を製造する場合に、製造時の高温工程における発泡剥離が起きる場合があり、特定の構造を有するジアミン成分を導入することにより、製造時に発泡剥離を抑制することができ、優れた破断強度と、優れた引張り弾性率と、優れたピール強度とを有するポリイミドフィルム積層体を提供することができる。
本発明の第一のポリイミドフィルム積層体は、ポリイミド層が、高い機械的特性を有し、低線膨張係数といった特徴を維持したまま、接着性、透湿速度が改良されており、高温処理工程による接着界面での発泡や剥離が起こりにくい。
本発明の第一のポリイミドフィルム積層体は、表面の接着性並びに透湿速度の向上した積層体を与えることができる。
また本発明の第二の積層体は、ポリイミド層と基材との接着強度が大きく、ポリイミド層の透湿速度が大きく、高温処理工程による接着界面での発泡や剥離が起こりにくい。
本発明のポリイミドフィルム積層体は、テトラカルボン酸二無水物成分と、ジアミン100モル%中下記一般式(1)で表されるジアミンを0.5〜30モル%含むジアミン成分とから得られるポリアミック酸溶液を、金属箔上に膜状に塗布し、溶媒を揮発させるとともにポリアミック酸をイミド化して、ポリイミド層と金属層とが直接積層されていることを特徴とするポリイミドフィルム積層体である。
Figure 0004957059
(但し、式(1)中において、Aは直接結合あるいは架橋基であり、R〜Rは水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボアルコキシ基から選ばれる置換基を表し、RおよびRの少なくとも1つは水素原子ではなく、RおよびRの少なくとも1つは水素原子ではない。)
本発明のポリイミドフィルム積層体は、金属箔にポリアミック酸溶液を膜状に流延や吹き付けなどの塗布を行い、溶媒を揮発させるとともにポリアミック酸をイミド化してポリイミド層を形成することによって得ることができる。
金属箔としては単一金属あるいは合金、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、ニッケル、ステンレスなどの金属箔、金属メッキ層(好適には蒸着金属下地層−金属メッキ層あるいは化学金属メッキ層等の多くの公知技術が適用できる)が挙げられるが、好適には圧延銅箔、電解銅箔などの銅箔などが挙げられる。
金属箔の厚さは実用上あるいは製造上用いられる厚みを有していればよく特に制限はないが、好ましくは0.1μm〜10mm、さらに好ましくは1〜100μm、特に好ましくは2〜18μmが好ましい。
また、これら金属箔に更なる接着力の向上を目的として、その表面にサイディング、ニッケルメッキ、銅−亜鉛合金メッキ、又はアルミニウムアルコラ−ト、アルミニウムキレ−ト、シランカップリング剤、トリアジンチオ−ル類、ベンゾトリアゾ−ル類、アセチレンアルコ−ル類、アセチルアセトン類、カテコ−ル類、o−ベンゾキノン類、タンニン類、キノリノ−ル類などによって化学的あるいは機械的な表面処理を施してもよい。
金属箔として、厚さ0.1〜10μm、好ましくは1〜5μmの極薄銅箔を使用する場合は、取り扱い性の良いキャリア付銅箔を好適に用いることができる。
キャリア付銅箔のキャリア層としては、特に制限はないが、厚さ5μm〜150μmの圧延銅箔や電解銅箔が好ましい。キャリア層は極薄銅箔から容易に力学的に剥離できることが好ましく、剥離強度が0.01〜0.3Kg/cmであることが好ましい。
テトラカルボン酸二無水物としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ−テル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)などの芳香族テトラカルボン酸二無水物などを、単独で、或いは2種以上組み合わせて用いることができる。
テトラカルボン酸二無水物としては、テトラカルボン酸二無水物100モル%中、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を50モル%以上、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上含み、さらに本発明の特性を損なわない範囲で、ピロメリット酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ−テル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を単独で、或いは2種以上組み合わせて含んでもよい。
一般式(1)のジアミンにおいて、
一般式(1)中の架橋基Aとしては、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、カルボニル基、スルホキシル基、スルホン基、1,1’−エチリデン基、1,2−エチリデン基、2,2’−イソプロピリデン基、2,2’−ヘキサフルオロイソプロピリデン基、シクロヘキシリデン基、フェニレン基、1,3−フェニレンジメチレン基、1,4−フェニレンジメチレン基、1,3−フェニレンジエチリデン基、1,4−フェニレンジエチリデン基、1,3−フェニレンジプロピリデン基、1,4−フェニレンジプロピリデン基、1,3−フェニレンジオキシ基、1,4−フェニレンジオキシ基、ビフェニレンジオキシ基、メチレンジフェノキシ基、エチリデンジフェノキシ基、プロピリデンジフェノキシ基、ヘキサフルオロプロピリデンジフェノキシ基、オキシジフェノキシ基、チオジフェノキシ基、スルホンジフェノキシ基などを挙げることができるが、架橋基を介することなく直接結合していても良い。
一般式(1)のジアミンにおいて、
一般式(1)中のR〜Rは、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基(好ましくは炭素数1、2,3,4、5又は6の炭化水素基)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基(好ましくは炭素数1、2,3,4、5又は6のアルコキシ基)、カルボアルコキシ基から選ばれる置換基を表し、R及びRの少なくとも1つは水素原子ではなく、R及びRの少なくとも1つは水素原子ではない。
一般式(1)中のR〜Rの例としては、
a)R〜Rは、炭素数1〜6の炭化水素基(好ましくは炭素数1、2、3、4、5又は6の炭化水素基)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基(好ましくは炭素数1、2、3、4、5又は6のアルコキシ基)、カルボアルコキシ基から選ばれる置換基の組合せ、
b)R〜Rは、炭素数1〜6の炭化水素基(好ましくは炭素数1、2、3、4、5又は6の炭化水素基)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基(好ましくは炭素数1、2、3、4、5又は6のアルコキシ基)、カルボアルコキシ基から選ばれる置換基であり、Rのみが水素原子の組合せ、
c)R及びRは、炭素数1〜6の炭化水素基(好ましくは炭素数1、2、3、4、5又は6の炭化水素基)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基(好ましくは炭素数1、2、3、4、5又は6のアルコキシ基)、カルボアルコキシ基から選ばれる置換基であり、R及びRが水素原子の組合せ、
を挙げることができる。
一般式(1)中のR〜Rの具体的な例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基等の炭化水素基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、カルボキシル基、カルボメトキシ基、カルボエトキシ基、カルボプロポキシ基、カルボブトキシ基等のカルボアルコキシ基等が挙げられる。R〜Rは全て同じでもよく、それぞれ独立に異なっていてもよい。
上記一般式(1)のa)で表される芳香族ジアミンの具体的な例としては、
3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、
3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、
3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
4,4−メチレン−ビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、
3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、などを挙げることができる。
上記一般式(1)のc)で表される芳香族ジアミンの具体的な例としては、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、などを挙げることができる。
本発明のポリイミドのジアミンは、一般式(1)で表されるジアミンを0.5〜30モル%、好ましくは1〜20モル%、さらに好ましくは8〜20モル%と、一般式(1)で表されるジアミンを除くジアミン、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−オキシジアニリン、3,3’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン及びそれらの類似物などを99.5〜70モル%、好ましくは99〜80モル%、さらに好ましくは92〜80モル%とを含むものである(一般式(1)で表されるジアミンと、一般式(1)で表されるジアミンを除くジアミンとの総計100モル%である。)。
一般式(1)で表されるジアミン及び一般式(1)で表されるジアミンを除くジアミンは、単独で、或いは2種以上組み合わせて用いることができる。
特に本発明のポリイミドのジアミンは、一般式(1)で表されるジアミンを0.5〜30モル%、好ましくは1〜20モル%、さらに好ましくは8〜20モル%と、p−フェニレンジアミン70モル%以上、好ましくは80モル%以上とを含むジアミン、さらに一般式(1)で表されるジアミンを0.5〜30モル%、好ましくは1〜20モル%、さらに好ましくは8〜20モル%と、p−フェニレンジアミン99.5〜70モル%、好ましくは99〜80モル%、さらに好ましくは92〜80モル%とを含むジアミンを用いることにより、耐熱性に優れ、飽和吸水率の小さな、線膨張係数の小さな、相対透湿速度の大きなポリイミド、さらに好ましくは引張弾性率の大きなポリイミドを得ることができる。
本発明のポリイミドでは、最も優れた組合わせの一例として、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を50モル%以上、好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上含むテトラカルボン酸二無水物と、一般式(1)のa)で表される4置換−ジアミンを0.5〜30モル%、好ましくは1〜20モル%、さらに好ましくは8〜20モル%と、残りのジアミン成分がp−フェニレンジアミンとからなる組合せにより、高弾性率で透湿速度が高く、しかも接着性が向上し、発泡剥離が抑制されたポリイミドフィルム積層体を得ることができ好適である。
本発明のポリイミドでは、ジアミン成分100モル%中に、
3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどの一般式(1)のa)で表される4置換−ジアミンを、
1)0.5〜30モル%、好ましくは1〜20モル%、さらに好ましくは8〜20モル%含有することにより、線膨張係数が小さく、飽和吸水率が小さく、相対透湿速度が大きく、破断応力、引張弾性率及び破断伸びの優れるポリイミドを得ることが出来、
2)好ましくは6〜30モル%、より好ましくは6〜20モル%、さらに好ましくは8〜17モル%、さらに好ましくは9〜17モル%、特に好ましくは9〜13モル%含有することにより、相対透湿速度が極めて大きく、線膨張係数が小さく、飽和吸水率が小さく、破断応力、引張弾性率及び破断伸びの優れるポリイミドを得ることが出来る。
この発明のポリイミドフィルム積層体を与えるポリアミック酸溶液組成物として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とピロメリット酸二無水物との割合は芳香族テトラカルボン酸二無水物の全量中3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が7.5〜100モル%、特に15〜100モル%でピロメリット酸二無水物が0〜92.5モル%であることが好ましく、その中でも特に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を単独で用いることが好ましい。
この発明のポリイミドを与えるポリアミック酸溶液は、
(a)テトラカルボン酸二無水物と、前記一般式(1)で表される芳香族ジアミンを除くジアミンとを有機溶媒中で重合させたポリアミック酸溶液と、
(b)テトラカルボン酸二無水物と前記一般式(1)で表される芳香族ジアミンを含むジアミンとを有機溶媒中で重合させたポリアミック酸溶液とを混合して、ポリアミック酸中に含まれるジアミン100モル%中、一般式(1)で表される芳香族ジアミンが0.5モル%以上30モル%以下、好ましくは1モル%以上25モル%以下、さらに好ましくは8モル%以上20モル%以下のポリアミック酸溶液を得ることができる。
またこの発明のポリイミドを与えるポリアミック酸溶液は、
(c)テトラカルボン酸二無水物と、前記一般式(1)で表される芳香族ジアミンと前記一般式(1)で表される芳香族ジアミンを除くパラフェニレンジアミンなどのジアミンとを有機溶媒中で共重合させたポリアミック酸溶液(ポリアミック酸中に含まれるジアミン100モル%中、一般式(1)で表される芳香族ジアミンが0.5モル%以上30モル%以下、好ましくは1モル%以上25モル%以下、さらに好ましくは8モル%以上20モル%以下)を得ることができる。
特に、この発明のポリイミドを与えるポリアミック酸溶液として、
(a)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含む酸二無水物と、前記一般式(1)で表される芳香族ジアミンを除くパラフェニレンジアミンなどのジアミン成分とを有機溶媒中で重合させたポリアミック酸溶液と、
(b)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含む酸二無水物と前記一般式(1)で表される芳香族ジアミンを含むジアミン成分とを有機溶媒中で重合させたポリアミック酸溶液とを混合して、ポリアミック酸中に含まれるジアミン100モル%中、一般式(1)で表される芳香族ジアミンが0.5モル%以上30モル%以下、好ましくは1モル%以上25モル%以下、さらに好ましくは8モル%以上20モル%以下のポリアミック酸溶液を得ることができる。
また、この発明のポリイミドを与えるポリアミック酸溶液として、
(c)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含む酸二無水物と、前記一般式(1)で表される芳香族ジアミンと前記一般式で表される芳香族ジアミンを除くパラフェニレンジアミンなどのジアミンとを有機溶媒中で共重合させたポリアミック酸溶液(ポリアミック酸中に含まれるジアミン100モル%中、一般式で表される芳香族ジアミンが0.5モル%以上30モル%以下、好ましくは1モル%以上25モル%以下、さらに好ましくは8モル%以上20モル%以下)を得ることができる。
ポリアミック酸溶液を製造するための有機極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ヘキサメチルスルホルアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ジメチルスルホン、ジエチルスルホンなどのスルホン類を挙げることができる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。
ポリアミック酸溶液の重合反応を実施するに際して、有機極性溶媒中の全モノマ−の濃度は、使用する塗工法や製造する目的に応じて適宜選択すればよく、例えばポリアミック酸溶液は、有機極性溶媒中の全モノマ−の濃度が、好ましくは1〜40質量%、さらに好ましくは3〜35質量%、特に好ましくは5〜30質量%であることが好ましい。
(a)ポリアミック酸溶液及び(b)ポリアミック酸溶液、或いは(c)ポリアミック酸溶液の製造例の一例として、前記の芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分との重合反応は、例えば、それぞれを実質的に等モル或いはどちらかの成分(酸成分、或いはジアミン成分)を少し過剰にして混合し、反応温度100℃以下、好ましくは80℃以下にて約0.2〜60時間の反応を行わせることにより実施して、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)溶液を得ることができる。
ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)溶液の重合反応を実施するに際して、溶液粘度は、使用する目的(塗工、流延、吹き付けなど)や製造する目的に応じて適宜選択すればよく、ポリアミック(ポリイミド前駆体)酸溶液は、30℃で測定した回転粘度が、約0.1〜5000ポイズ、特に0.5〜2000ポイズ、さらに好ましくは1〜2000ポイズ程度のものであることが、このポリアミック酸溶液を取り扱う作業性の面から好ましい。したがって、前記の重合反応は、生成するポリアミック酸が上記のような粘度を示す程度にまで実施することが望ましい。
また、(a)ポリアミック酸溶液と(b)ポリアミック酸溶液との両成分を混合した後、ポリアミック酸のアミン末端を封止するため、ジカルボン酸無水物、例えば無水フタル酸およびその置換体(例えば3−メチル又は4−メチルフタル酸無水物)、ヘキサヒドロ無水フタル酸およびその置換体、無水コハク酸およびその置換体など、好適には無水フタル酸を添加してもよい。
いずれの場合にも、加熱によってポリアミック酸がイミド化される過程でポリマ−鎖の切断−再結合が生じてブロック結合を有する又はランダムなシ−ケンスとなった共重合ポリイミドが得られる。ポリアミック酸溶液の流延物を加熱乾燥する工程において、加熱によって粘度が一旦大きくなった後さらに加熱すると粘度が大幅に低下し低粘度になり、更に加熱を続けると高粘度物となり、最終的に高分子量のポリイミドからなるポリイミドフィルムが得られる。
また、(c)ポリアミック酸溶液のポリアミック酸のアミン末端を封止するため、ジカルボン酸無水物、例えば無水フタル酸およびその置換体(例えば3−メチル又は4−メチルフタル酸無水物)、ヘキサヒドロ無水フタル酸およびその置換体、無水コハク酸およびその置換体など、好適には無水フタル酸を添加してもよい。
また、フィルムのゲル化を制限する目的でリン系安定剤、例えば亜リン酸トリフェニル、リン酸トリフェニル等をポリアミック酸重合時或いはポリアミック酸溶液に固形分(ポリマ−)濃度に対して0.01〜1%の範囲で添加することができる。
また、イミド化促進の目的で、ド−プ液(ポリアミック酸溶液)中にイミド化剤を添加することができ、例えば、イミダゾ−ル、1−メチルイミダゾ−ル、2−メチルイミダゾ−ル、1,2−ジメチルイミダゾ−ル、2−フェニルイミダゾ−ル、ベンズイミダゾ−ル、イソキノリン、置換ピリジンなどをポリアミック酸に対して0.05〜10質量%、特に好ましくは0.1〜2質量%の割合で使用することができる。これらにより比較的低温でイミド化を完了することができる。
ポリイミドフィルム積層体の製造におけるポリイミド層の形成方法には特に制限はないが、金属箔上にポリアミック酸溶液を塗布(流延、吹き付け、塗工など)、乾燥、熱処理してイミド化することが有利である。また、イミド化反応としては、ポリアミック酸溶液を塗布(流延、吹き付け、塗工など)し、乾燥し、これを更に200℃以上、好ましくは300℃以上の加熱処理をして、イミド化反応を行う。
イミド化反応としては、任意の方法が活用可能であるが、予備乾燥した未硬化のポリアミック酸溶液を含む層を所定の温度に設定可能な熱風乾燥炉の中で、一定時間静置させるか、あるいは乾燥炉エリア範囲内を連続移動させ所定の乾燥硬化時間を確保させることで高温での熱処理(200℃以上、好ましくは300℃以上)を行う方法が一般的である。また、作業の効率化、歩留まりなどを考慮して、ポリアミック酸溶液を塗工したのち、予備乾燥した未硬化体を、ロ−ル状に巻き取り、更に高温での熱効果を行うバッチ処理方式も可能である。このバッチ処理方式の際、導体の酸化を防ぐことを目的として、高温(200℃以上)での熱処理を、減圧下、還元性気体雰囲気減圧下にて行うことが好ましい。なお、乾燥硬化工程において、ポリアミック酸溶液は金属箔上に均一に塗布され、次いで熱処理によって溶媒が除去され、更にイミド閉環される。この際、急激に高温で熱処理すると樹脂表面にスキン層が生成して溶媒が蒸発しづらくなったり、発泡したりするおそれがあるので、低温から除々に高温まで上昇させながら熱処理していくのが好ましい。この加熱乾燥の最高加熱処理温度は、350−600℃の範囲であることが好ましい。
通常は、金属箔上にポリアミック酸溶液を塗布し、溶媒の乾燥を行った後、更に高温で熱処理を施すことによりイミド化反応を進行させるが、その際ピリジンやキノリンなどのアミン類や無水酢酸などを添加してイミド化反応を促進させることもできる。
この発明の積層体において反り等を制御するためには、金属箔とこの発明におけるポリイミドフィルム層との間に金属箔に接する比較的熱膨張性が高いポリイミド系樹脂層を設けてもよい。
積層体の製造例の一例を示すと、
1)ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物とを、有機溶媒中で重合させてポリアミック酸の溶液(均一な溶液状態が保たれていれば一部がイミド化されていてもよい)を作成し、必要に応じて2種以上のポリイミック酸を混合し、必要に応じてリン系安定剤やイミド化剤を配合し、
2)ポリアミック酸溶液を金属薄膜上に膜状に塗布し、乾燥・イミド化・加熱乾燥(キュア)することによって、製造することができる。
前記のポリイミドフィルム積層体は、金属層を除去した後のポリイミド層が以下の特性を少なくとも1つ有することが好ましい。
1)引張弾性率が好ましくは4GPa以上、さらに好ましくは5〜10GPa、より好ましくは6〜9GPa、特に好ましくは6〜8.5GPaである。
2)破断強度が200MPa以上、特に200〜500MPaである。
3)線膨張係数(100〜250℃)が1×10−5〜3×10−5cm/cm/℃、特に1×10−5〜2.5×10−5cm/cm/℃である。
本発明に用いるポリイミドは、ポリイミドフィルムを単独で製造した場合、以下の特性を少なくとも1つ有することが好ましい。
1)飽和吸水率が3%以下であり、さらに1.3〜3%であること。
2)相対透湿速度が、25μm厚みで3以上、さらに4以上であること。
3)引張弾性率が、400kg/mm以上、さらに400kg/mm以上900kg/mm未満、特に470kg/mm以上900kg/mm未満であること。
4)線膨張係数(25μm厚み)は、10〜40×10−6cm/cm/℃、さらに12〜30×10−6cm/cm/℃、特に12〜25×10−6cm/cm/℃であること。
この発明のポリイミドフィルム積層体を加工するためにエッチングする場合、エッチング液としてはアルカリ水溶液、好ましくはアルカリ金属の水溶液又はこれを含有する混合液が好ましい。アルカリとしては、水酸化カリウムが最も効率的にエッチングが進み好ましいが、この他に水酸化ナトリウム、水酸化リチウムを用いることもでき、アルカリ土類金属の水酸化物も使用可能であるが、エッチング性の点からカリウム、ナトリウム又はその混合物が好ましい。更に、アルカリ金属の水溶液には、ポリイミドと親和性を高めるために、エタノ−ルアミン、プロパノ−ルアミン、ブタノ−ルアミンなどの第一級アミン、ジエタノ−ルアミン、ジプロパノ−ルアミンなどの第二級アミンからなるオキシアルキルアミン系、ヒドラジン1水和物、エチレンジアミン、ジメチルアミン、ジメチルホルムアミド、クレゾ−ル、エチレングリコ−ルなどアルコ−ル系や有機系の溶剤を含有させることも有利である。また、ポリイミド樹脂との親和性の高い溶剤であれば、上記有機系の溶剤に限らない。
また、アルカリ水溶液の濃度は、アルカリ金属水酸化物の場合、水とアルカリ金属水酸化物の合計に対してアルカリ金属水酸化物30〜70質量%が好ましく、また、エッチングの温度範囲としては温度が高いほどエッチング速度が速く、好ましくは50℃以上である。
この発明のポリイミドフィルム積層体は、ポリイミド層に他の基材、例えば金属層などを直接あるいは接着剤を介して積層することができる。
この発明において、ポリイミドフィルムの接着強度および機械強度の向上の目的でシランカップリング剤、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネ−トプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等をポリアミック酸重合時に固形分(ポリマ−)濃度に対して0.01〜10%、特に好ましくは0.1〜5質量%の割合で添加することができる。
本発明の第二のポリイミドフィルム積層体は、ポリイミド表面層に直接あるいは接着剤を介して金属層などの基材、好適には銅層などの金属層などを積層して得ることができる。
この金属層などの基材は、ラミネ−ト法によって金属箔を積層するかあるいは薄膜成膜法および電気めっき法を用いて形成することができる。また、この薄膜成膜法および電気めっき法を用いた金属薄膜および銅めっき層を形成する銅層の積層法としては、それ自体公知のすべての方法が採用できる。
前記のラミネ−ト法において、ポリイミド層に耐熱性接着剤などの接着剤層を設け、さらに金属箔などの基材を重ね合わせ、加熱・加圧して積層体を得ることができる。
前記の耐熱性接着剤としては、電子分野で使用されている耐熱性接着剤であれば特に制限はなく、例えばポリイミド系接着剤、エポキシ変性ポリイミド系接着剤、フェノ−ル樹脂変性エポキシ樹脂接着剤、エポキシ変性アクリル樹脂系接着剤、エポキシ変性ポリアミド系接着剤などが挙げられる。この耐熱性接着剤層はそれ自体電子分野で実施されている任意の方法で設けることができ、例えば前記のポリイミド層、積層体に接着剤溶液を塗布・乾燥してもよく、別途に形成したフィルム状接着剤と張り合わせてもよい。
基材として金属層を用いることが出来、金属層としては単一金属あるいは合金、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、ニッケル、ステンレスの金属箔、金属メッキ層(好適には蒸着金属下地層−金属メッキ層あるいは化学金属メッキ層等の多くの公知技術が適用できる)が挙げられるが、好適には圧延銅箔、電解銅箔などが挙げられる。金属箔の厚さは特に制限はないが、0.1μm〜10mm、特に1〜18μmが好ましい。
厚さ1〜10μの極薄銅箔を基材として使用する場合は、取り扱い性の良いキャリア付銅箔を好適に用いることができる。キャリア付銅箔のキャリア層としては、特に制限はないが、厚さ5μm〜150μmの圧延銅箔や電解銅箔が好ましい。キャリア層は極薄銅箔から容易に力学的に剥離できることが好ましく、剥離強度が0.01〜0.3Kg/cmであることが好ましい。
積層体は、耐熱性、高弾性率、低線膨張係数といった特徴を維持したまま、接着性、透湿速度が改良されており、高温処理工程による接着界面での発泡や剥離が起こりにくい。
積層体には、基材として、例えばセラミックス、ガラス基板、シリコンウエハ−や同種あるいは異種の金属あるいはポリイミドフィルムなどの成形体をさらに耐熱性接着剤によって接着してもよい。
この発明は、ガス透過速度、透湿速度に優れ、低膨張係数を有し、優れた機械的特性を有するポリイミド層を有するために、積層体製造時の高温工程或いは、配線基板として用いる場合の高温工程における発泡・剥離が抑制されたポリイミドフィルム積層体を提供することができる。
本発明の第一及び第二の積層体は電子部品用基板として好適に使用できる。例えば、プリント回路基板、電力用回路基板、フレキシブルヒ−タ−、抵抗器用基板、放熱板、熱応答素子、ハ−ドディスクサスペンションとして好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるものでない。
(原料ド−プの合成例1)
反応容器にN、N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を加え、撹拌および窒素流通下、パラフェニレンジアミン(PPD)を添加し、50℃に保温し完全に溶解させた。この溶液にジアミン成分とジカルボン酸成分とが等モル量となる割合の3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)を発熱に注意しながら徐々に添加し、添加終了後50℃を保ったまま3時間反応を続けて、モノマ−濃度18質量%のポリアミック酸溶液(黄色粘調液体、25℃における溶液粘度は約1000ポイズ)を得た。この溶液を第1液と称する。
(原料ド−プの合成例2)
PPDの代わりに3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MBAA)を添加した以外は合成例1と同様の反応を行って、モノマ−濃度18質量%のポリアミック酸溶液(淡褐色粘調液体、25℃における溶液粘度は約500ポイズ)を得た。この溶液を第2液と称する。
(原料ド−プの合成例3)
PPDの代わりに4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジメチルアニリン)(MDX)を添加した以外は合成例1と同様の反応を行って、モノマ−濃度18質量%のポリアミック酸溶液(淡褐色粘調液体、25℃における溶液粘度は約1000ポイズ)を得た。この溶液を第3液と称する。
(原料ド−プの合成例4)
PPDの代わりに4,4’−メチレン−ビス(2−メチルアニリン)(MDT)を添加した以外は合成例1と同様の反応を行って、モノマ−濃度18質量%のポリアミック酸溶液(濃赤色粘調液体、25℃における溶液粘度は約1000ポイズ)を得た。この溶液を第4液と称する。
(原料ド−プの合成例5)
PPDの代わりに3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル(DANS)を添加した以外は合成例1と同様の反応を行って、モノマ−濃度18質量%のポリアミック酸溶液(淡黒褐色粘調液体、25℃における溶液粘度は約1500ポイズ)を得た。この溶液を第5液と称する。
(原料ド−プの合成例6)
PPDの代わりに3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(TB)を添加した以外は合成例1と同様の反応を行って、モノマ−濃度18質量%のポリアミック酸溶液(淡褐色粘調液体、25℃における溶液粘度は約800ポイズ)を得た。この溶液を第6液と称する。
(原料ド−プの合成例7)
BPDAの代わりにピロメリット酸二無水物(PMDA)、PPDの代わりに4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(ODA)を添加した以外は合成例1と同様の反応を行って、モノマ−濃度18質量%のポリアミック酸溶液(淡黄色粘調液体、25℃における溶液粘度は約600ポイズ)を得た。この溶液を第7液と称する。
(測定法)
1.エッチングした後に得られるポリイミドフィルムの弾性率、破断強度の測定:
幅4mmのダンベル状に打ち抜いた試験片について、ASTM・D882に従い、オリエンテック社製TENSILONUTM−II−20を用いて測定した。測定条件は、チャック間30mm、引張り速度2mm/分、温度23℃、湿度55%の環境下で行なった。測定は5試料行い、測定結果は5試料の平均値とする。
2.180°ピール強度の測定:
JIS・C6471に準じて、オリエンテック社製TENSILONUTM−II−20を用い、引張り速度40mm/分の条件で180°方向の剥離強度を測定。
3.線膨張係数の測定:
株式会社島津製作所製、TMA−50を用いて、初期荷重5g、加熱速度5℃/分で、100〜250℃の線膨張係数を測定。
4.溶液粘度の測定:
E型回転粘度計(VISCOMETERTOKIMEC社製)を用いて25℃で測定しました。
5.積層体の「発泡、剥離」の観察:
得られた積層体の外観を目視で観察して、発泡や剥離が認められるか、を判断した。
以下の実施例及び比較例では、ポリアミック酸溶液は銅箔の粗面側に塗布した。
(実施例1〜5)
第1液と第2〜第6液とを、第1液に含まれるジアミンのモル量と第2〜第6液に含まれるジアミンのモル量との比(モル比)が90モル%:10モル%となるような割合で混合し、さらに1,2−ジメチルイミダゾ−ルをポリアミック酸に対して2重量%添加した溶液を、銅箔(日本電解株式会社製:SLP銅箔、厚さ18μm)上に最終膜厚25μm程度となるように塗布し、135℃で3分加熱して固化フィルムを形成した後、ステンレス枠に固定し、130℃で3分間、180℃で1分間加熱した後、450℃まで5分で昇温し、450℃に2分保持して熱処理することによりポリイミド銅箔積層体を得た。得られた積層体に発泡、剥離等は認められなかった。この積層体の界面の180°ピ−ル強度を測定し、接着強度を評価した。さらに、積層体の銅箔を40%塩化第二鉄水溶液でエッチングした後に得られるポリイミドフィルムの弾性率、破断強度を測定した。結果を表1に示した。
(比較例1)
第1液のみを用いた以外は実施例1と同様にして、ポリイミド銅箔積層体を得た。広範囲で発泡、剥離が認められ、均質な積層体が得られなかった。積層体の接着が認められる一部界面の180°ピ−ル強度を測定し、接着強度を評価した。さらに、積層体の銅箔を40%塩化第二鉄水溶液でエッチングした後に得られるポリイミドフィルムの弾性率、破断強度を測定した。結果を表1に示した。
(比較例2)
第1液と第7液とを、第1液に含まれるジアミンのモル量と第7液に含まれるジアミンのモル量との比(モル比)が50モル%:50モル%となるような割合で混合して用いた以外は実施例1と同様にして、ポリイミド銅箔積層体を得た。一部で発泡、剥離が認められ、均質な積層体が得られなかった。積層体の接着が認められる一部界面の180°ピ−ル強度を測定し、接着強度を評価した。さらに、積層体の銅箔を40%塩化第二鉄水溶液でエッチングした後に得られるポリイミドフィルムの弾性率、破断強度を測定した。結果を表1に示した。
Figure 0004957059
(実施例6〜9、比較例3)
第1液と第3液とを、第1液に含まれるジアミンのモル量と第3液に含まれるジアミンのモル量との比(モル比)が表2の比率となるように混合し、さらに1,2−ジメチルイミダゾ−ルをポリアミック酸に対して2重量%添加した溶液を銅箔(日本電解株式会社製 SLP 厚さ18μm)上に最終膜厚25μmとなるように塗布し、実施例1と同様にしてポリイミド銅箔積層体を得た。得られた積層体に発泡、剥離等は認められなかった。この積層体の界面の180°ピ−ル強度を測定し、接着強度を評価した。さらに、積層体の銅箔を40%塩化第二鉄水溶液でエッチングした後に得られるポリイミドフィルムの弾性率、破断強度を測定した。結果を表2に示した。
(実施例10)
最終膜厚15μmとなるように塗布した以外は実施例2と同様にしてポリイミド銅箔積層体を得た。得られた積層体に発泡、剥離等は認められなかった。結果を表2に示した。
Figure 0004957059
(実施例11)
銅箔としてUSLPR2(日本電解株式会社製 厚さ9μm)を用いた以外は実施例2と同様にしてポリイミド銅箔積層体を得た。得られた積層体に発泡、剥離等は認められなかった。結果を表3に示した。
(実施例12)
銅箔として3EC−VLP(三井金属鉱業株式会社製 厚さ9μm)を用いた以外は実施例2と同様にしてポリイミド銅箔積層体を得た。得られた積層体に発泡、剥離等は認められなかった。結果を表3に示した。
(実施例13)
銅箔としてUSLPR2(日本電解株式会社製 厚さ12μm)を用いた以外は実施例2と同様にしてポリイミド銅箔積層体を得た。得られた積層体に発泡、剥離等は認められなかった。結果を表3に示した。
(実施例14)
銅箔としてHLA2(日本電解株式会社製 厚さ12μm)を用いた以外は実施例2と同様にしてポリイミド銅箔積層体を得た。得られた積層体に発泡、剥離等は認められなかった。結果を表3に示した。
(実施例15)
銅箔としてF2WS(古川サ−キットフォイル株式会社製 厚さ12μm)を用いた以外は実施例2と同様にしてポリイミド銅箔積層体を得た。得られた積層体に発泡、剥離等は認められなかった。結果を表3に示した。
Figure 0004957059
(実施例16)
銅箔としてYSNAP−1B(日本電解株式会社製 キャリア層厚さ18μm、銅箔厚さ1μm)を用いた以外は実施例2と同様にしてポリイミド銅箔積層体を得た。キャリア層を剥離することにより、金属層1μm、ポリイミド層25μmの積層体が得られた。積層体に発泡、剥離等は認められなかった。
(実施例17)
銅箔としてYSNAP−3B(日本電解株式会社製 キャリア層厚さ18μm、銅箔厚さ3μm)を用いた以外は実施例2と同様にしてポリイミド銅箔積層体を得た。キャリア層を剥離することにより、金属層3μm、ポリイミド層25μmの積層体が得られた。積層体に発泡、剥離等は認められなかった。
(実施例18)
銅箔としてXTF−1(日本オ−リンブラス株式会社製 キャリア層厚さ35μm、銅箔厚さ1μm)を用いた以外は実施例2と同様にしてポリイミド銅箔積層体を得た。キャリア層を剥離することにより、金属層1μm、ポリイミド層25μmの積層体が得られた。積層体に発泡、剥離等は認められなかった。
(実施例19)
銅箔としてXTF−3(日本オ−リンブラス株式会社製 キャリア層厚さ35μm、銅箔厚さ3μm)を用いた以外は実施例2と同様にしてポリイミド銅箔積層体を得た。キャリア層を剥離することにより、金属層3μm、ポリイミド層25μmの積層体が得られた。積層体に発泡、剥離等は認められなかった。
(実施例20)
第1液と第3液とを、第1液に含まれるジアミンのモル量と第3液に含まれるジアミンのモル量との比(モル比)が590モル%:10モル%となるような割合で混合し、さらに、1,2−ジメチルイミダゾ−ルをポリアミック酸に対して2重量%、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランをポリアミック酸に対して1重量%となるように添加した。この溶液を銅箔(日本電解株式会社製 SLP 厚さ18μm)上に最終膜厚25μmとなるように塗布し、実施例1と同様にしてポリイミド銅箔積層体を得た。得られた積層体に発泡、剥離等は認められなかった。
この積層体の界面の180°ピ−ル強度を測定し、接着強度を評価した。さらに、積層体の銅箔を40%塩化第二鉄水溶液でエッチングした後に得られるポリイミドフィルムの弾性率、破断強度を測定した。結果を表4に示した。
(実施例21)
N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを、ポリアミック酸に対して3重量%となるように添加した以外は、実施例20と同様にしてポリイミド銅箔積層体を得た。得られた積層体に発泡、剥離等は認められなかった。結果を表4に示した。
(実施例22)
N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを、ポリアミック酸に対して5重量%となるように添加した以外は、実施例20と同様にしてポリイミド銅箔積層体を得た。得られた積層体に発泡、剥離等は認められなかった。結果を表4に示した。
(実施例23)
第1液と第3液とを、第1液に含まれるジアミンのモル量と第3液に含まれるジアミンのモル量との比(モル比)が90モル%:10モル%となるような割合で混合し、さらに、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを、ポリアミック酸に対して1重量%、1,2−ジメチルイミダゾ−ルをポリアミック酸に対して2重量%となるように添加した。この溶液を銅箔(日本電解株式会社製 SLP 厚さ18μm)上に最終膜厚25μmとなるように塗布し、実施例1と同様にしてポリイミド銅箔積層体を得た。得られた積層体に発泡、剥離等は認められなかった。この積層体の界面の180°ピ−ル強度を測定し、接着強度を評価した。さらに、積層体の銅箔を40%塩化第二鉄水溶液でエッチングした後に得られるポリイミドフィルムの弾性率、破断強度、破断伸びを測定した。結果を表4に示した。
(実施例24)
3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを、ポリアミック酸に対して3重量%となるように添加した以外は、実施例23と同様にしてポリイミド銅箔積層体を得た。得られた積層体に発泡、剥離等は認められなかった。結果を表4に示した。
(実施例25)
3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを、ポリアミック酸に対して5重量%となるように添加した以外は、実施例23と同様にしてポリイミド銅箔積層体を得た。得られた積層体に発泡、剥離等は認められなかった。結果を表4に示した。
Figure 0004957059
実施例1〜25、比較例1〜2で得られた積層板について、次の評価法によって高温処理工程による接着界面での発泡や剥離の発生の有無について評価した。
評価法:得られた積層体を、23℃で24時間純水に浸漬し、付着した水を拭き取った後、280℃のハンダ浴に10秒間浸漬した。結果は以下の通りであった。
・発泡、剥離が認められたもの:比較例1、比較例2。
・発泡が認められなかったもの:実施例1〜10、実施例12〜25。
(参考例1〜10)
第1液と第3液とを表5の比率で混合し、ガラス基板上に最終膜厚25μm及び50μmとなるように塗布し、135℃で3分(最終膜厚25μm)又は5分(最終膜厚50μm)加熱して固化フィルムを形成し、ガラス基板から剥離した後、ピンテンタ−に貼り付けて130℃で5分、180℃で5分、210℃で5分、320℃で2分間加熱した後、450℃まで5分で昇温し、450℃に2分保持して熱処理することによりポリイミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの飽和吸水率、相対透湿速度、線膨張係数及び機械的特性(破断応力、引張弾性率、破断伸び)を測定し、結果を表 5に示す。
(参考例1〜10で得られるポリイミドフィルム特性の評価)
1)飽和吸水率(%):ポリイミドフィルムを乾燥窒素雰囲気下で恒量になるまで乾燥させて乾燥時のフィルム重量を測定し、その後、23℃で24時間純水に浸漬し、付着した水を拭き取った後、吸水時のフィルム重量を測定し、飽和吸水率は、数式(1)に従い、算出した。
Figure 0004957059
2)相対透湿速度:得られたポリイミドフィルムを乾燥窒素雰囲気下で恒量になるまで乾燥させて乾燥時のフィルム重量を測定し、その後、乾燥したポリイミドフィルムを温度27℃、湿度55%RHの雰囲気中下において1時間、重量変化を追跡し、初期の重量増加率(重量変化曲線の傾き)を透湿速度とし、比較例2における50μフィルムの透湿速度を1とした相対値を相対透湿速度とした。
3)線膨張係数:TMA−50を用い、5℃/分、100℃〜250℃の範囲で測定した。
4)機械的特性(破断応力、引張弾性率、破断伸び):膜厚25μmのポリイミドフィルムを用いてASTM・D882に従って測定した。測定条件は、TENSILONを用いて、引張り速度2mm/分、温度23℃、湿度55%の環境下で行なった。測定は5試料行い、測定結果は5試料の平均値とする。
5)ガラス転移温度:動的粘弾性測定装置RSAIIIを用いて室温から500℃の範囲で動的粘弾性を測定した。
Figure 0004957059



Claims (11)

  1. テトラカルボン酸二無水物成分と、ジアミン100モル%中4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジメチルアニリン)を0.5〜30モル%含むジアミン成分とから得られるポリアミック酸溶液を、金属箔上に膜状に塗布し、溶媒を揮発させるとともにポリアミック酸をイミド化して、ポリイミド層と金属層とが直接積層されていることを特徴とするポリイミドフィルム積層体。
  2. ジアミン成分が、パラフェニレンジアミンを含むことを特徴とする請求項1記載のポリイミドフィルム積層体。
  3. テトラカルボン酸二無水物成分は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のポリイミドフィルム積層体。
  4. 金属箔を除去した後のポリイミド膜の弾性率が4GPa以上9GPa未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム積層体。
  5. ポリアミック酸溶液がさらにアルコキシシラン化合物からなるシランカップリング剤を含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム積層体。
  6. 金属箔が、銅箔であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム積層体。
  7. 金属箔が、剥離可能なキャリア層を有する厚さ1〜10μmの銅箔であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム積層体。
  8. 請求項7に記載のポリイミドフィルム積層体からキャリア層を剥離することにより得られる厚さ1〜10μmの銅層を有するポリイミドフィルム積層体。
  9. 前記ポリアミック酸溶液は、
    (a)テトラカルボン酸二無水物成分と一般式(1)で表される芳香族ジアミン
    Figure 0004957059
    (但し、式(1)中において、Aは直接結合あるいは架橋基であり、R 〜R は水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボアルコキシ基から選ばれる置換基を表し、R およびR の少なくとも1つは水素原子ではなく、R およびR の少なくとも1つは水素原子ではない。)
    を除くジアミン成分とを有機溶媒中で重合させたポリアミック酸溶液と、
    (b)テトラカルボン酸二無水物成分と4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジメチルアニリン)を含むジアミン成分とを有機溶媒中で重合させたポリアミック酸溶液と、
    を混合して得られることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム積層体。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリイミドフィルム積層体のポリイミド層に直接あるいは耐熱性接着剤を介して基材が積層されているポリイミドフィルム積層体。
  11. 基材が、金属層である請求項10に記載のポリイミドフィルム積層体。
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