JP4953204B2 - 琥珀から得られる皮膚ターンオーバー促進因子を含有する組成物及びその使用 - Google Patents

琥珀から得られる皮膚ターンオーバー促進因子を含有する組成物及びその使用 Download PDF

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Description

本願発明は、化粧品及び皮膚外用剤並びに皮膚細胞活性化因子の技術分野に関する。
「理想の肌、美しい肌」としてイメージする肌の状態について調査した結果の報告によると、30代後半から40代前半の女性のうち90%が、また20代後半、30代前半、40代後半女性の80%が、イメージする美しい肌として「くすみのない肌」を支持していること(非特許文献1)から、多数の女性が化粧品に「肌のくすみを改善する効果」を期待していることが推察できる。
他方、皮膚が老化に伴いハリ、ツヤを逸し、くすんだりすることは、女性に限らず多くの人の共通の悩みとなっている。また日焼けや、他外的、内的の様々な原因で傷ついてしまった状態から回復するのも、年をとるに従い若い頃と比べてより長時間を要するようになってしまったことを実感している人は多い。
この「皮膚老化」のメカニズムはすべて解明されているわけではないが、老化した皮膚細胞では「皮膚細胞を自ら活性化する因子の産生能が減少すること」が報告されている(非特許文献2)。
肌を形作っている表皮の細胞は、表皮の一番下にある基底層で生まれ、少しずつ形や性質を変え分化しながら、基底層から有棘層(ユウキョクソウ)、顆粒層へと押し上げられて一番上の角質層に到達する。角質層にたどり着いた細胞は脱核し角質細胞となり、最後には角片(アカ)となって肌の表面から脱落する。この表皮で細胞が誕生し、最後に脱落するまでが「ターンオーバー」であり、要する期間は健康な肌で28日といわれている。そして、このターンオーバーが老化により遅延すると、角質の肥厚やメラニンの滞留などにより肌は透明感を失う(非特許文献3)。また、例えば、老化によりターンオーバーが低下すると、表皮の厚さが薄くなり、シワの原因になるともいわれている。
このような表皮のターンオーバーには、アンフィレグリン、ヘパリン結合性表皮増殖因子様因子HB-EGF(Heparin-binding EGF-like growth factor)、TGF-αなど、表皮増殖因子が関与している。
このうち、表皮の基底層付近で発現するHB-EGFは皮膚のターンオーバーに最も深く関与しており、その遺伝子発現を促進するとターンオーバーが早まることが知られている。すなわち、HB-EGFは、皮膚細胞の増殖、分化、遊走、及び生存のシグナルを誘導し、皮膚の傷の治りを早めたり、肌の新陳代謝を促進するので、HB-EGFの発現が促進されると、皮膚のターンオーバーが亢進され、滞留したメラニンや角質の肥厚によりくすんだ肌が透明感を取り戻す(非特許文献4-6)。従って、皮膚細胞におけるHB-EGFの産生を促進することができれば、皮膚の老化に伴う症状や悩み、すなわち、外傷や日焼けからの回復の遅延や、肌のターンオーバーの遅延を原因とするくすみ感を解消できると考えられている。
脱色効果やシワの改善効果を示すことが知られているレチノイド類は、HB-EGFの遺伝子発現を上げると報告されている。レチノイド類のこれらの効力の検定に、HB-EGF遺伝子の発現に対する作用を用いうることも知られている(非特許文献7)。
また、皮膚の傷の回復作用がある17βエストラジオールもHB-EGFの遺伝子発現を促進することが報告されている(非特許文献8)。
さらに、ある種のフマル酸ジエステル誘導体は、HB-EGF遺伝子発現促進能を有しているため肌のターンオーバーを促進させる働きがあるとの報告(特許文献1)がなされている。
他方、本願発明者らが、注目した琥珀については、琥珀粉末を油性化粧料の肌感触改善目的で化粧品に配合する旨の技術(特許文献2)がある。
さらに、琥珀に外部エネルギーを与えて琥珀構成成分を変性させることにより得た組成成分を有効成分とする抽出物に抗菌、抗酸化、消臭、手、肌荒れ、抗炎症効果があることが見出されている。(特許文献3及び特許文献4)。
WO01/045697 特許第3725848号 特開平9-227334 特開2001-131048 新井清一。皮膚をめぐる香粧品科学と皮膚科学 くすみと基礎化粧品 香粧会誌、Vol.18(3),149-153, 1994 Kanzaki Y. et al. Telomerase rescues the expression levels of keratinocyte growth factor and insulin-like growth factor-II in senescent human fibroblasts. Exp Cell Res Vol.279 321-329 , 2002 :化粧品の有用性評価技術の進歩と将来展望 210ページ 薬事日報社刊 難波、東山、膜結合型細胞増殖因子proHB-EGF 細胞増殖のブレーキとアクセルを巧妙に制御する、細胞工学 Vol.23, No.2, 210-215, 2004 Shirakata Y et al. Heparin-binding EGF-like growth factor accelerates keratinocyte migration and skin wound healing. J Cell Sci Vol.118, 2363- 2370,2005 Piepkorn M. et al. Autoctine regulation of keratinocytes: The emerging role of heparin-binding epidermal growth factor-related growth factors. J Invest Dermatol Vol.111, No.5 ,715-721 ,1998 Yoshimura K. et al. Differntial expression of heparin-binding EGF-like growth factor(HB-EGF) mRNA in normal human keratinocytes induced by a variety of natural and synthetic retinoids. Exp.Dermatol. Vol.12 (suppl 2),28-34, 2003 Kanda N. et al. 17β-estradiol enhances heparin-binding epidermal growth factor-like growth factor production in human keratinocyte. Am J physiol Cel Physiol Vol.288 C813-C823, 2005
従来より、シワの改善に有効であるとされているレチノイド類は、強い催奇性を有し、肌に対する刺激が強いので医師の監視の下に使用しない限り、化粧品のように医師の処方箋なしで購入、使用すると肌に合わずに使用を断念しなくてはならないケースがある。一方、17βエストラジオールは発ガン性があるといわれているので、医師の監視の下に使用することが求められる。
また、前記特許文献1に記載されているフマル酸類のうち、実施例に挙げられている物質は米国環境保護局の「TOXIC RELEASE INVENTORY List of Toxic Chemicals within the Glycol Ethers Category(EPA 745-R-00-004)」に毒性を有する物質として収載されているものである。
他方、「なるべく環境や人にやさしい成分を化粧品に配合してほしい」という考え方が消費者の間に浸透しているため、化粧品に配合するものにも、環境や人にやさしい成分、できるだけ安全で環境に影響を及ぼさない成分の開発が求められている。
上記特許文献3に記載の琥珀成分の抽出には120〜380℃とかなりの高温を必要とするので、そのための機材及びエネルギー源が必要であり、更に、皮膚活性化活性自体を有することは確認されていない。
本願発明は、安全かつ効率的に皮膚のターンオーバーを亢進させる成分(組成物)を含有する化粧品及び皮膚外用剤並びにそれらの候補を提供することを課題とする。
本願発明者らは、HB-EGF遺伝子発現を促進させる因子及び組成物を探索していたところ、従来から安全性に問題なく使用されている琥珀の抽出物に、HB-EGF遺伝子の発現を促進する作用があることを見出し、本願発明を完成させたものである。
既に化粧品に配合され安全性を確立しているものから、新たにHB-EGF遺伝子発現を促進する活性を有する組成物を調製したものであり、安全性に優れた化粧品及び/又は皮膚外用薬の開発を可能とするという優れた効果を奏するものである。
1.はじめに
1−1.琥珀とは主にマツ属植物の樹脂が長期間地下に埋没し凝結してできた化石で、主に樹脂、精油、コハク酸等を含む。エタノールやジエチルエーテル或いはベンゼンに少量溶ける(中薬大辞典 第二巻 上海科学技術出版社(江蘇新医学院「中薬大辞典」編集部)小学館編より)。装飾工芸品、宝石、絶縁材料程度の用途か削りカスをお香にするなどの用途のほかに、19世紀頃にはキズ薬などに使用されていた(K.Kaiserling Pathloge Vol.22,No.4, 285-286,2001)。さらに老化に伴う種種の病気に対する防止効果が言い伝えられてきた(ヤマノビューティメイトHP http://www.doronko.co.jp)。しかしながら、琥珀の種々の効能への有効成分はまだ解明されていない。
1−2.HB-EGFと皮膚ターンオーバー
HB-EGFはEGFファミリーに属し、preproHB-EGFとして合成されepidermal keratinocyte表皮角質細胞の細胞膜表面にproHB-EGFとして発現する。皮膚に障害を受けたときなどはこのHB-EGFが酵素的に切断され、可溶性のHB-EGFが放出される。HB-EGFの基底層付近での発現を誘導することにより、表皮のターンオーバーは亢進する。つまり、皮膚細胞におけるHB-EGF遺伝子の発現を促進又は亢進することができれば、皮膚の老化に伴う症状や悩み、すなわち、外傷や日焼けからの回復の遅延や、肌のターンオーバーの遅延を原因とするくすみ感を解消できると考えられている。
そこで、本願発明では、HB-EGF遺伝子の発現を促進する因子を探索し、皮膚ターンオーバーを亢進する因子(皮膚ターンオーバー促進因子)として用いる。
2.琥珀から抽出した皮膚ターンオーバー促進因子を含有する組成物の調製方法
本願発明の琥珀から抽出した皮膚ターンオーバー促進因子を含有する組成物としては、琥珀から抽出したHB-EGF遺伝子の発現を促進する活性を有する組成物が包含され、具体的には、以下の2−1.及び2−2.でそれぞれ説明される(1)琥珀からのHB-EGF遺伝子発現を促進する活性を有する抽出物及び(2)琥珀からのHB-EGF遺伝子の発現を促進する活性を有する抽出物の精製品が包含される。
2−1.琥珀からのHB-EGF遺伝子の発現を促進する活性を有する抽出物の調製
皮膚細胞に働きかけて、自らを活性化する組成物として、HB-EGF遺伝子発現を促進する活性(HB-EGF遺伝子発現促進活性)を有する抽出液画分を琥珀から調製することができる。
本願発明の琥珀からHB-EGF遺伝子の発現を促進する活性を有する抽出物を抽出する方法には、琥珀から低級アルコールで有効成分を抽出する工程を含んでいる。より具体的には、本願発明は、少なくとも、琥珀から有効成分である抽出物(組成物)を低級アルコールで抽出する工程を含み、好適には、抽出の前処理工程として、琥珀を粉砕する工程、及び、必要に応じて、粉砕された琥珀を疎水性有機溶媒で洗浄処理する工程が含まれる。また、本願発明には、前記琥珀から低級アルコールで抽出する工程により抽出された抽出物を炭化水素結合型シリカゲルカラムで分画する工程を含めることもできる。
以下に工程について説明する。
(i)前処理工程
琥珀を溶媒抽出しやすいように、適宜な大きさまで粉砕する。粉砕手段としては、やすり、ジェットミル粉砕機を用いることができる。また、琥珀を宝石として加工する際に出る切りくずを粉砕したものなどを用いることもできる。粉砕する大きさは特に限定されないが、溶媒による抽出効率から見て、例えば、平均粒径が100μmまで、好適には、10〜30μm程度とすることができる。粉砕した琥珀を、必要に応じ、疎水性有機溶媒で、洗浄する。疎水性有機溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン、クロロホルム又はこれらの混合物等を用いることができる。この洗浄は、省略することもできる。
(ii)抽出工程
琥珀又は前記前処理工程で粉砕若しくは粉砕及び洗浄された琥珀を低級アルコールに浸漬して抽出物を得ることができる。例えば、琥珀又は前記前処理工程で粉砕若しくは粉砕及び洗浄された琥珀を微温もしくは室温で低級アルコールに7日以上長期間浸漬して抽出物を得る。具体的には、琥珀又は前記前処理工程で粉砕若しくは粉砕及び洗浄された琥珀を、例えば25℃から50℃の温度で、常圧下で、低級アルコールに、7日以上浸漬することにより抽出物を得る。より具体的には、例えば、エタノールの場合には、琥珀又は前記前処理工程で粉砕若しくは粉砕及び洗浄された琥珀を、25℃から50℃の温度で7日以上、好適には40℃で約1ヶ月(30日間)浸漬することにより抽出物を得る。抽出物は、濃縮し、乾固すると、茶褐色あめ状の乾個物となる。なお、低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、ブタノール又はこれらの混合物などを用いることができる。
このようにして得られた抽出物は、HB-EGF遺伝子発現促進活性を有する成分を含有し、HB-EGF遺伝子発現促進活性を有する組成物として使用できる。
2−2.HB-EGF遺伝子の発現を促進する活性を有する抽出物の粗精製物及び精製品
上記2−1.で得られた(ii) HB-EGF遺伝子発現促進活性を含有する抽出物を分画し、粗精製物(皮膚ターンオーバー促進因子を含有する組成物)を得ることができる。
(i)分画工程
得られた抽出物を、低級アルコール、例えば、メタノールを溶媒とし、炭化水素化学結合型シリカゲル、例えばオクタデシルシリル化したシリカゲルを担体としたカラムクロマトグラフィーを行うことにより、溶出液の色により分画することができる。特に、最初に溶出される無色透明な液の次に溶出される、濃黄色透明な液でかつ乾固したとき濃黄色あめ状になる画分は、保存安定性に優れ、HB-EGF遺伝子発現促進活性を含有している。
本分画を、琥珀からのHB-EGF遺伝子発現促進活性を有する組成物として使用できる。また、本分画は、乾固して又は適切な溶媒、例えば低級アルコール、具体的にはエタノールに溶解して使用できる。このような抽出物の粗精製物は、保存においても非常に安定であり、本抽出物の粗精製物は、HB-EGF遺伝子発現促進因子及び同HB-EGF遺伝子発現促進因子を安定化し保存可能にする因子又は失活から保護する因子の両者を含んでいるものと考えられる。
また、さらに、吸着カラムクロマトグラフィーにより精製することができる。
(ii) 吸着カラムクロマトグラフィーによる精製
具体的には、吸着カラムクロマトグラフィーとしては、シリカゲルを担体としたカラムクロマトグラフィーを用いることができる。溶出溶媒としては、例えば、ベンゼン、酢酸エチルの混合液を溶媒として、具体的には、ベンゼン:酢酸エチル=50:1で溶出することができる。
3.琥珀からの皮膚ターンオーバー促進因子を含有する抽出物又はHB-EGF遺伝子発現促進活性を有する琥珀抽出物の利用(<<用途発明についての記載の追加位置)
本願発明には、HB-EGF遺伝子発現促進活性を有する抽出物、並びにその粗精製物及びその精製物を包含する。本願発明の皮膚ターンオーバー促進活性を有する組成物には、上記
2−1.で調製された琥珀からのHB-EGF遺伝子発現促進活性を有する抽出物又は2−2.で更に精製されたHB-EGF遺伝子発現促進活性を有する琥珀抽出物の精製品を包含する。
本願発明の琥珀から抽出した組成物は皮膚ターンオーバー促進剤として用いることができ、肌のくすみを改善のために用いることができる。
3−1.化粧品
本願発明の琥珀から抽出した組成物は化粧品又は皮膚外用剤に添加することができる。
具体的には、本願発明の琥珀から抽出した組成物含有する化粧品は、肌のくすみを改善用化粧品又は皮膚外用剤、並びにしみ及び/又はくすみの早期喪失用化粧品又は皮膚外用剤として使用できる。
本発明の琥珀抽出物は乾固された状態又は適宜な溶媒に溶解した状態、例えば、エタノールで溶解した状態で、化粧料に添加することができる。本発明の抽出組成物の含有量は、化粧料全体を1 0 0 とした場合に、0.01 〜5 0 質量% 程度添加することができる。
本発明の琥珀抽出物が添加された化粧料は、その剤形は問わず、乳液, クリーム, 軟膏, 溶液, ゲル等の剤形や、パック, ローション, パウダー, スティック等が挙げられる。
本発明の化粧料には、化粧料の原料として通常用いられるその他の添加剤成分を適宜含有させることができる。また、本発明の化粧料には、通常化粧料原料として用いられるその他の基剤成分を含有させることができる。基剤成分としては、液体油脂(オリーブ油等),固体油脂(シア脂等),ロウ類(ミツロウ等),炭化水素油(流動パラフィン,パラフィン,ワセリン等),高級脂肪酸(ステアリン酸等),高級アルコール(セタノール等),合成エステル油(ミリスチン酸オクチルドデシル等),シリコーン類(メチルポリシロキサン等)等の油性成分,各種の界面活性剤,金属イオン封鎖剤,水溶性高分子( カルボキシビニルポリマー等),増粘剤,各種の粉末成分,香料,水等が挙げられる。
3−2.皮膚外用剤
本発明の琥珀から抽出した組成物は、また、皮膚外用薬に添加することもできる。
皮膚外用薬としては、液状、ペースト状、クリーム状、軟膏状、パウダー状、貼付剤など種々の形態に製造できる。さらに皮膚外用薬には、他の通常添加される成分、例えば、鉱物油、高級アルコール、動植物油、ワックス類、シリコーン油などの油剤、保湿剤、湿潤剤、水溶性高分子、低級アルコール、水、抗酸化剤、pH調整剤、色素、顔料、防腐殺菌剤、消炎剤などの薬効剤、キレート剤などを添加することもできる。
(1)<琥珀から皮膚ターンオーバー促進因子の産生を高める画分を得る方法>
ロシア・バルト海沿岸産琥珀を平均粒径20μm程度にまで粉砕し、10gをヘキサン100mLに浸漬し、室温で一週間放置後、ろ紙(No.2)でろ過した。このろ液は廃棄した。ろ取した粉末はエタノール100mLに浸漬し、40℃の水浴上あるいは恒温機内に一週間放置した。ろ紙(No.2)でろ過し、ろ液は暗所で保管する。ろ取した粉末はエタノール50mLに浸漬し、アルミホイルでフタをして40℃の水浴上あるいは恒温機内に一週間放置した。ろ紙(No.2)でろ過する。さらに50mLのエタノールに浸漬することを2回繰り返し、ろ液をすべて合わせる。このろ液をわずかに温めながら(38℃程度)エバポレーターで濃縮、乾固し、茶褐色であめ状の画分 約1.3gを得る(以下、ここまでの工程を「エタノール抽出」という)。
この乾固物0.4gをエタノールに溶かし、オクタデシルシリル化シリカゲル(和光純薬工業社製 ワコーゲル100C18)11gを担体とし、メタノール(和光純薬工業社製 試薬特級)を溶媒としてカラムクロマトグラフィー(カラムサイズ:2.2cm i.d.×4.7cm;18 mL)を行ない、溶出液の色により分取した。オクタデシルシリル化シリカゲル11gをメタノール25mLに膨潤させ、直径2.2cmのカラムに充填し、メタノール50mLにより平衡化した。上記琥珀抽出乾固物0.4gをエタノール2mLに溶解した液をカラムにアプライし、エタノール1.5mL、次いで、エタノール:メタノール1:1混合液 1mLにてカラム中に浸透させた後に、メタノールを流し、分取を開始した。1mLずつ分取し、最初の5mLで溶出される無色透明な液をF1画分、400nmにおける吸光度が約0.4となる6mL目からの15mLで溶出される濃黄色透明(7mL目から19mL目の間に同吸光度が1.5以上となり、20mL目の同吸光度は約1.4、21mL目の同吸光度は約1.0)な液でかつ乾固したとき濃黄色あめ状になる画分をF2画分、同吸光度が1.0より低くなる22mL目からの30mLで溶出される黄色透明な液でかつ乾固したとき無色固体と黄色あめ状物質との混合体となる画分をF3画分、4番目の45mLで溶出される無色透明な液をF4画分とし、最後にヘキサン30mLで溶出した画分をF5画分として集めた。各画分を乾固したときの重量は、それぞれ、F1画分が126mg、F2画分が444mg、F3画分が216mg、F4画分が82mg、F5画分が205mgであった。
(2)RT-PCR法を用いたF1〜F5画分によるヒト表皮角化細胞におけるHB-EGF遺伝子発現促進活性の測定
[方法]
ヒト由来表皮角化細胞はカスケードバイオロジック社製のnHEK-APFを4〜7回継代して使用した。表皮細胞用培地(EPILIFE カスケードバイオロジック社)に増殖添加剤(HKGS−V2 カスケードバイオロジック社)と防腐剤(PSA カスケードバイオロジック社)を添加した培養液に表皮角化細胞を6×10コ/mLの濃度で懸濁し、6cmディッシュ(コーニング社製)に4 mLずつ播種し、95%空気−5%炭酸ガスの下、24時間培養した。培養上清を吸引除去後、エタノールに溶解した各画分を終濃度6μg/mLになるよう添加した表皮細胞用培地 (ウシ血清アルブミン、防腐剤添加、エタノール終濃度: 0.6%) 4 mLに培地交換した。このプレートを95%空気−5%炭酸ガスの下、さらに48時間培養した。RNA精製キット(QIAGEN RNeasy Micro Kit)を用いて総RNAを抽出した。次にRT反応を以下のように行なった。総RNA濃度125 ng/μLの水溶液8μLに10×DNaseIReaction Buffer及びDNaseIを各1μLずつ添加し、室温で30分放置した。25 mM EDTAを1μL添加し、65℃で15分加熱後、0℃で1分以上放置した。この液を8μLとり、10 mM dNTPとOligo dTを各1μL加え、65℃で5分加熱後、0℃で1〜30 分放置した。これに、あらかじめ水2μL,5×First Strand Buffer 4μL、0.1 M DTT 2μL、及びRNaseOUT 1μLを混合して氷上で冷やした液を全量添加し、42℃で2分間加熱した。これにSuperScriptIIRNase H(−)を1μL加え、42℃で50分、引き続き70℃で15分加熱し、その後0℃に冷やした。これにRNase Hを 1μLを加え、37℃で20分間加熱後、4℃に放置した。試薬はすべてインビトロジェン社製。温度調節は、バイオメトラ社製T3サーモサイクラーで行った。
得られたRT産物について、ヒトHB−EGFプライマーとしてSense GGT GGT GCT GAA GCT CTT TC(配列番号1)及びAntisense CCC ATG ACA CCT CTC TCC AT(配列番号2)を用い、ヒトGAPDHプライマーとしてSense ACC CAG AAG ACT GTG GAT GG(配列番号3)及びAntisense CCC TGT TGC TGT AGC CAA AT(配列番号4)を用いて、PCRを次のように行なった。cDNA溶液1μLに、10×ExTaq Bufferを5μL, dNTP を4μL, Ex-Taq試薬を0.25μL(すべてタカラ社製)加え、さらにSenseプライマー、Antisenseプライマーをともに終濃度0.5μMになるよう添加し、水で50μLになるように希釈した。この反応液を以下の条件で反応させた。HB-EGF、GAPDHともに、94℃で2分、その後、変性反応94℃で20秒、アニーリング反応54.5℃で60秒、伸長反応72℃で60秒を1サイクルとし、30サイクル反応させた。その後、94℃で60秒加熱後4℃に冷却した。なお、ヒトHB-EGFの mRNA(cDNA)の配列を配列番号8に、ヒトGAPDHのmRNA(cDNA)の配列を配列番号9にそれぞれ示す。
PCRの後にHB-EGF発現量及びGAPDH発現量を電気泳動法にて半定量した。対照として同量のエタノールを添加し48時間培養したときのHB-EGF発現量及び内部標準としてのGAPDHの発現量を半定量した。なお、電気泳動法には、0.015%エチジウムブロマイド含有2%アガロースゲルを使用した。
[結果]
バンドの強さを+の数で表すと以下の様になった。
Figure 0004953204
F1〜F5画分のうち、F2画分に強いHB-EGF遺伝子発現促進活性があることがわかった。いずれの画分もGAPDH遺伝子発現に影響を与えなかった。
(3)RT-PCR法を用いたF2画分のヒト表皮角化細胞におけるHB-EGF発現促進活性の確認
[方法]
ヒト由来表皮細胞はカスケードバイオロジック社製のnHEK-APFを7回継代して使用した。表皮細胞用培地(EPILIFE カスケードバイオロジック社)に増殖添加剤(HKGS−V2 カスケードバイオロジック社)と防腐剤(PSA カスケードバイオロジック社)を添加した培養液に表皮細胞を6×10コ/mLの濃度で懸濁し、6cmディッシュ(コーニング社製)に4 mLずつ播種し、95%空気−5%炭酸ガスの下、24時間培養した。培養上清を吸引除去後、エタノールに溶解したF2画分を最終濃度6 μg/mLになるよう添加した表皮細胞用培地(ウシ血清アルブミン、防腐剤添加、エタノール濃度:0.25%)4mLに培地交換した。このディッシュを95%空気−5%炭酸ガスの下、12,24,48培養した。RNA精製キット(QIAGEN RNeasy Mini Kit)を用いて総RNAを抽出した。そして、このRT産物についてヒトHB−EGFプライマーとしてSense GGT GGT GCT GAA GCT CTT TC(配列番号1)及びAntisense CCC ATG ACA CCT CTC TCC AT(配列番号2)を用い、ヒトGAPDHプライマーとしてSense ACC CAG AAG ACT GTG GAT GG(配列番号3)及びAntisense CCC TGT TGC TGT AGC CAA AT(配列番号4)を用いて、PCRを次のように行なった。cDNA溶液1μLに、10×ExTaq Bufferを5μL, dNTP を4μL, Ex-Taq試薬を0.25μL(すべてタカラ社製)加え、さらにSenseプライマー、Antisenseプライマーをともに終濃度0.5μMになるよう添加し、水で50μLになるように希釈した。この反応液を以下の条件で反応させた。HB-EGF、GAPDHともに、94℃で2分、その後、変性反応94℃で20秒、アニーリング反応54.5℃で60秒、伸長反応72℃で60秒を1サイクルとし、30サイクル反応させた。その後、94℃で60秒加熱後4℃に冷却した。
PCRの後にHB-EGF発現量及びGAPDH発現量を電気泳動法にて半定量した。対照として同量のエタノールを添加し48時間培養したときのHB-EGF発現量及び内部標準としてのGAPDHの発現量を半定量した。なお、電気泳動法には、0.015%エチジウムブロマイド含有2%アガロースゲルを使用した。
[結果] 結果を図1に示す。 HB-EGFの写真の12時間のバンドは、0時間(エタノールのみ添加し48時間培養)のバンドと比較して、強い(明るい)ことがわかる。同様に、24時間、48時間のバンドもそれぞれ0時間のバンドと比較して強いことがわかる。これに対して、GAPDHの発現量に顕著な違いはみられない。このことから、F2画分はHB-EGF遺伝子の発現を促進していることが確認できた。
(4)リアルタイムPCR法を用いたヒト表皮角化細胞におけるF2画分のHB-EGF発現促進活性の確認
[方法]
ヒト由来表皮細胞はカスケードバイオロジック社製のnHEK-APFを6回継代して使用した。表皮細胞用培地(EPILIFE カスケードバイオロジック社)に増殖添加剤(HKGS−V2 カスケードバイオロジック社)と防腐剤(PSA カスケードバイオロジック社)を添加した培養液に表皮細胞を3×10コ/mLの濃度で懸濁し、24穴プレート(ファルコン社製)に1 mLずつ播種し、95%空気−5%炭酸ガスの下、24時間培養した。培養上清を吸引除去後、エタノールに溶解したF2画分を終濃度6.25μg/mLになるよう添加した表皮細胞用培地(ウシ血清アルブミン、防腐剤添加、エタノール濃度:0.25%)4mLに培地交換した。このプレートを95%空気−5%炭酸ガスの下、24時間培養した。RNA精製キット(QIAGEN RNeasy Micro Kit)を用いて総RNAを抽出した。RT反応は前記(2)と同じ条件で行なった。このRT産物から精製キット(シグマアルドリッチ社製GenElute PCR Clean-Up Kit)を用いてcDNAを精製した。
ヒトHB−EGFプライマーとしてはSense AGA AGA GGT TGG GCT TCC AT(配列番号5)及びAntisense CTG CAT GGA GTA GCA CCA GA(配列番号6)を用い、ヒトGAPDHプライマーとしてはSense CGA CCA CTT TGT CAA GCT CA(配列番号7)及びAntisense CCC TGT TGC TGT AGC CAA AT(配列番号4)を用いて、精製したcDNAについてライトサイクラー(ロシュダイアノスティック社製))を用いてリアルタイムPCRを次のようにして行なった。LightCyclerFastStart DNA Master SYBR Green Iキット(ロシュダイアノスティック社製)を使用した。cDNA溶液3μLに、SYBR Green試薬を2μLを加え、さらにSenseプライマー、Antisenseプライマーともに終濃度0.5 μM、塩化マグネシウムを終濃度4 mMになるよう添加し、水で20μLになるように希釈した。この反応液を以下の条件で反応させた。HB-EGFについては95℃で4分、その後、変性反応95℃で5秒、アニーリング反応63℃で5秒、伸長反応72℃で10秒を1サイクルとし、40サイクル反応させた。GAPDHについては、95℃で5分、その後、変性反応95℃で5秒、アニーリング反応60℃で5秒、伸長反応72℃で10秒を1サイクルとし、37サイクル反応させた。
このようにして、HB-EGF発現量及びGAPDHの発現量を測定した。対照として同量のエタノールを添加し24時間培養したときのHB-EGF発現量及びGAPDHの発現量を測定した。対照サンプルにおける内部標準であるGAPDHの発現量に対するHB-EGF発現量の比を100としたときの、F2画分添加サンプルにおけるGAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比の変化を求めた。
結果を図2に示す。 対照のエタノール処理細胞と比較して、F2画分は表皮角化細胞におけるHB-EGF遺伝発現量を約2.0倍上昇させた。
(1)琥珀から皮膚ターンオーバー促進因子の産生を高める精製画分を得る方法
カラム担体であるシリカゲル(和光純薬工業社製 ワコーシルC-200) 20gをベンゼン:酢酸エチル=50:1 75mLで洗浄後、実施例1から得た F2画分74mgをメタノール1mLに溶解した液をカラム担体にアプライし、ベンゼン(和光純薬工業社製 インフィニティピュアグレード)、酢酸エチル(和光純薬工業社製 インフィニティピュアグレード)混合液を溶媒としてカラムクロマトグラフィー(カラムサイズ 1.1 cm i.d.×38 cm)を行った。以下の表2に示される順に溶媒を流し、溶出した画分をそれぞれ集め、乾固した。得られた画分の重量は以下の表2のとおりであった。各画分について、ヒト表皮角化細胞におけるHB−EGF遺伝子発現促進活性の有無を確認した。
Figure 0004953204
(2)リアルタイムPCR法を用いたF2S1〜F2S8画分のヒト表皮角化細胞におけるHB-EGF発現促進活性の測定
[方法] ヒト由来表皮細胞はカスケードバイオロジック社製のnHEK-APFを6回継代して使用した。表皮細胞用培地(EPILIFE カスケードバイオロジック社)に増殖添加剤(HKGS−V2 カスケードバイオロジック社)と防腐剤(PSA カスケードバイオロジック社)を添加した培養液に3×10コ/mLの濃度で表皮細胞を懸濁し、24穴プレート(ファルコン社製)に1 mLずつ播種し、95%空気−5%炭酸ガスの下、24時間培養した。培養上清を吸引除去後、エタノールに溶解した各画分を終濃度 6 μg/mLになるよう添加した表皮細胞用培地(ウシ血清アルブミン、防腐剤添加、エタノール濃度: 0.25 %) 600μLに培地交換した。このプレートを95%空気−5%炭酸ガスの下、24時間培養した。RNA精製キット(QIAGEN RNeasy Micro Kit)用いて総RNAを抽出し、RT反応を次のように行なった。総RNA濃度20〜30ng/μLの水溶液8μLに10×DNaseIReaction Buffer、及びDNaseIを各1μL添加し、室温で30分放置した。25 mM EDTAを1μL添加し、65℃で15分加熱後、0℃に冷やした。この液を8μLとり、10 mM dNTP とOligodTを各1μL加え、65℃で5分加熱後、0℃で1〜30 分以上放置した。これに、あらかじめ水2μL,5×First Strand Buffer 4μL、0.1 M DTT 2μL、及びRNaseOUT 1μLを混合して氷上で冷やした液を全量添加し、42℃で2分間加熱した。これにSuperScriptIIRNaseH(−)を1μL加え、42℃で50分、引き続き70℃で15分加熱し、その後0℃に冷やした。これにRNase H を1μLを加え、37℃で20分間加熱後、4℃に放置する。試薬はすべてインビトロジェン社製。温度調節は、バイオメトラ社製T3サーモサイクラーで行った。
このRT産物から精製キット(シグマアルドリッチ社製GenElute PCR Clean-Up Kit)を用いてcDNAを精製した。このcDNAについてヒトHB−EGFプライマーとしてSense AGA AGA GGT TGG GCT TCC AT(配列番号5)及びAntisense CTG CAT GGA GTA GCA CCA GA(配列番号6)を用い、ヒトGAPDHプライマーとしてSense CGA CCA CTT TGT CAA GCT CA(配列番号7)及びAntisense CCC TGT TGC TGT AGC CAA AT(配列番号4)を用いて、リアルタイムPCR(ロシュダイアノスティック社製ライトサイクラー)をLightCyclerFastStart DNA Master SYBR Green Iキット(ロシュダイアノスティック社製)を使用して次のように行なった。cDNA溶液3μLに、SYBRGreen試薬を2μLを加え、さらにSenseプライマー、Antisenseプライマーともに最終濃度0.5μM、塩化マグネシウムを最終濃度4mMになるよう添加し、水で20μLになるよう希釈した。この反応液を以下の条件で反応させた。HB-EGFの場合は95℃で4分、その後、変性反応95℃で5秒、アニーリング反応63℃で5秒、伸長反応72℃で10秒を1サイクルとし、40サイクル反応させた。GAPDHの場合、95℃で5分、その後、変性反応95℃で5秒、アニーリング反応60℃で5秒、伸長反応72℃で10秒とし、37サイクル反応させた。
HB-EGF発現量及び内部標準であるGAPDHの発現量を測定し、GAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比を求めた。対照として同量のエタノールを添加したときのHB-EGF発現量及びGAPDHの発現量を測定し、GAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比を求めた。対照サンプルにおけるGAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比を100としたときの、各画分添加時におけるGAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比の変化を求めた。
[結果]を図3に示す。 F2S1〜F2S8画分のうち、F2S1画分に最も高いHB-EGF遺伝子発現促進活性が(対照と比較して約3.7倍促進)あることがわかった。
精製の進行に伴うHB-EGF遺伝子発現促進活性の保存安定性の消失
(1) 琥珀由来画分の保存方法
F2画分は実施例1(1)琥珀から皮膚ターンオーバー促進因子の産生を高める画分を得る方法に準じ調製した。F2S1画分は実施例2(1)琥珀から皮膚ターンオーバー促進因子の産生を高める精製画分を得る方法に準じ調製した。F2画分は乾固したものを1 〜5 mg/mLになるようにエタノールに溶解し、1)窒素置換せず4℃、又は2)窒素置換して-80℃にて保存した。F2S1画分は乾固したものを、1)窒素置換せず4℃にて、又は2)1 〜5 mg/mLになるようにエタノールに溶解し窒素置換をして-20℃もしくは-80℃にて保存した。F2画分はエタノールに溶解直後、溶解3ヶ月後、溶解5ヵ月後、溶解9ヵ月後の時点で活性を測定した。F2S1はエタノール溶解に直後、溶解3ヵ月後、及び溶解4ヵ月後の時点で活性を測定した。
(2)リアルタイムPCR法を用いたF2S1画分の劣化によるヒト表皮角化細胞におけるHB-EGF遺伝子発現促進活性減少の確認
ヒト由来表皮角化細胞はカスケードバイオロジック社製のnHEK-APFを4〜7回継代して使用した。表皮細胞用培地(EPILIFE カスケードバイオロジック社)に増殖添加剤(HKGS−V2 カスケードバイオロジック社)と防腐剤(PSA カスケードバイオロジック社)を添加した培養液に表皮角化細胞を3×10コ/mLの濃度で懸濁し、24穴プレート(ファルコン社製)に1 mLずつ播種し、95%空気−5%炭酸ガスの下、24時間培養した。培養上清を吸引除去後、エタノールに溶解したF2画分もしくはF2S1画分(由来琥珀は表3-1〜3-4に記載)を終濃度3〜6μg/mLになるよう添加した表皮細胞用培地 (ウシ血清アルブミン、防腐剤添加、エタノール終濃度: 0.3%) 600μLに培地交換した。このプレートを95%空気−5%炭酸ガスの下、さらに24〜48時間培養した。RNA精製キット(QIAGEN RNeasy Micro Kit)を用いて総RNAを抽出した。RT反応 実施例1(2)と同じ条件で行った。このRT産物から精製キット(シグマアルドリッチ社製 GenElute PCR Clean-Up Kit)を用いてcDNAを精製した。このcDNAについてライトサイクラー(ロシュダイアノスティック社製)を用いてリアルタイムPCRを実施例1(4)と同じ条件で行い、HB-EGF発現量及びGAPDHの発現量を定量した。対照として同量のエタノールを添加し24〜48時間培養したときのHB-EGF発現量及びGAPDHの発現量を測定した。対照サンプルにおける内部標準であるGAPDHの発現量に対するHB-EGF発現量の比を100としたときの、F2画分もしくはF2S1画分添加サンプルにおけるGAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比の変化を求めた。
[結果]を表3−1から表3−4に示す。
Figure 0004953204
Figure 0004953204
Figure 0004953204
Figure 0004953204
F2画分を窒素置換しないで4℃で9ヶ月保管してもHB-EGF遺伝子発現促進能は消失しなかった(表3−1)。また窒素置換後-80℃で保管したものも溶解後3ヶ月及び溶解後5ヵ月経過しても、HB-EGF遺伝子発現促進活性は同じく減少していなかった(表3−2)。一方、F2S1画分のHB-EGF遺伝子発現促進活性は、窒素置換後-20℃で保存しても、溶解後3ヶ月経過すると溶解直後と比較して97%減少していた(表3−3)。乾固して窒素置換せずに4℃で3ヶ月保管したものはHB-EGF遺伝子発現促進能が100%消失していた(表3−3)。また窒素置換後-80℃で保存しても溶解後4ヶ月経過すると同活性は73%減少していた(表3−4)。以上の結果から、F2画分中のHB-EGF遺伝子発現促進活性成分は酸化等により失活する性質を有し、比較的不安定であり、同画分にはこの不安定化を防ぐ成分が混在し、F2S1画分ではこの安定化成分が分画により除去されたためにHB-EGF遺伝子発現促進活性が減少したものと推測された。すなわち、F2画分中にHB-EGF遺伝子の発現を促進する成分と、この成分の失活を防ぐ成分が混在していることが大切であることがわかった。
琥珀由来F2画分の活性に対するレチノイドアンタゴニストの影響
前記非特許文献7では、レチノイドがヒト表皮角化細胞においてHB−EGF遺伝子発現促進能があることを報告している。レチノイドは細胞核内でレチノイドレセプターに結合することにより活性をもたらす。このレチノイドレセプターに結合することによりレチノイドの活性をブロックするのがレチノイドアンタゴニストである。琥珀由来画分のHB-EGF遺伝子発現促進活性がレチノイドアンタゴニストで阻害されるか否かを確認すれば、前記実施例1又は2で抽出した琥珀画分がレチノイドであるか否かを判断できるので、琥珀画分のHB-EGF遺伝子発現促進活性に対するレチノイドアンタゴニストの影響を検討した。なお、ここでは、ポジディブコントロールのレチノイドとしてオールトランスレチノイン酸を、レチノイドアンタゴニストとしてRo41-5253を使用した。
[方法]
ヒト由来表皮細胞はカスケードバイオロジック社製のnHEK-APFを10回継代して使用した。表皮細胞を表皮細胞用培地(EPILIFE カスケードバイオロジック社)に増殖添加剤(HKGS−V2 カスケードバイオロジック社)と防腐剤(PSA カスケードバイオロジック社)を添加した培養液に9×10コ/mLの濃度で懸濁し、直径3.5cmの培養細胞用ディッシュ(コーニング社製)に1 mLずつ播種し、95%空気−5%炭酸ガスの下、24時間培養した。培養上清を吸引除去後、以下(i)から(iv)の物質を添加した表皮細胞用培地(ウシ血清アルブミン、防腐剤添加、エタノール濃度:0.625%)1.5mLに培地交換した。
(i)エタノールに溶解したオールトランスレチノイン酸(atRA:シグマアルドリッチ社製)を終濃度0.5μMになるように添加した培地
(ii)エタノールに溶解したオールトランスレチノイン酸(シグマアルドリッチ社製;終濃度0.5μM)に加えて、同じくエタノールに溶解したRo41-5253(Dr. Klausから供与。参考文献Suzuki Y.et al. Retinoic acid controls blood vessel formation by modulating endothelial and mural cell interaction via suppression of Tie2 signaling in vascular progenitor cells. BLOOD Vol.104, No.1, 166-169, 2004)を終濃度20μMになるよう添加した培地
(iii)前述のF2画分をエタノールに溶解し、終濃度6.25μg/mLになるよう添加した培地
(iv)前述のエタノールに溶解したF2画分(終濃度6.25μg/mL)に加えて、同じくエタノールに溶解したRo41-5253を終濃度20μMになるよう添加した培地
これらのディッシュを95%空気−5%炭酸ガスの下、24時間培養した。RNA精製キット(QIAGEN RNeasy Mini Kit)を用いて総RNAを精製し、実施例1(2)と同じ条件でRT反応を行なった。このRT産物から精製キット(シグマ社製GenElutePCRCleanKit)を用いてcDNAを精製した。このcDNAについて実施例1(4)と同じ条件でリアルタイムPCR(ロシュダイアノスティック社製ライトサイクラー)を用いてHB-EGF発現量及び内部標準であるGAPDHの発現量を測定し、GAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比を求めた。対照として同量のエタノールのみを添加したときのHB-EGF発現量及びGAPDHの発現量を測定し、GAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比を求めた。
対照サンプルのGAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比を100としたときの、(i)〜(iv)のGAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比を求めた。
結果を図4に示す。レチノイドであるオールトランスレチノイン酸はRo41-5253の同時添加によりHB-EGF遺伝子発現促進活性が100%阻害された(サンプル2と3を比較)。これに対し、F2画分のHB-EGF遺伝子発現促進活性はRo41-5253 で25%減少したものの、75%の活性は阻害されなかった。このことから、F2画分に含まれるHB-EGF遺伝子発現促進活性の主成分はレチノイド以外の物質であると考えられる(サンプル4と5を比較)。
琥珀由来成分(加圧加温水抽出成分)と琥珀由来F2画分との比較
前記特許文献4では、琥珀に水を加え、15日間、105℃にて圧力釜で加圧抽出することにより得た抽出液には、抗菌力、抗酸化力、消臭作用、手あれ回復効果及び美白効果があることを報告している。しかしここでは、本発明で報告しているような皮膚活性化活性を有しているとは報告されていない。
そこで、特許文献4で報告された方法に従って琥珀抽出物を調製し、本願発明琥珀由来抽出物と同様の方法にてHB-EGF遺伝子発現促進活性を測定し、特許文献4で報告されている琥珀抽出物が皮膚ターンオーバー促進活性を有しているかを検討した。
[抽出方法]
ロシア・バルト海沿岸産琥珀を平均粒径20〜100μm程度にまで粉砕し、10gを精製水100mLに浸漬し、105℃に設定したオートクレーブで1日あたり3〜12時間加圧加熱することを30日間繰り返した(合計225時間)。メンブランフィルター(孔径0.45μm)でろ過し、ろ液は乾固されるまで50℃の乾燥機で約4時間乾燥させることにより、無色結晶と茶色固体の混合物263mgを得た。この抽出物を以下オートクレーブ画分とする。
[方法]
ヒト由来表皮角化細胞はカスケードバイオロジック社製のnHEK-APFを5回継代して使用した。表皮細胞用培地(EPILIFE カスケードバイオロジック社)に増殖添加剤(HKGS−V2 カスケードバイオロジック社)と防腐剤(GA カスケードバイオロジック社)を添加した培養液に表皮角化細胞を3×10コ/mLの濃度で懸濁し、24穴プレート(コーニング社製)に4 mLずつ播種し、95%空気−5%炭酸ガスの下、24時間培養した。培養上清を吸引除去後、精製水に溶解したオートクレーブ画分を終濃度6,9,12及び15μg/mLになるよう添加した表皮細胞用培地 (ウシ血清アルブミン、防腐剤添加、エタノール終濃度: 0.25%) 0.6mLに培地交換した。ここでエタノールを加えたのは、陽性対照としてエタノールに溶解したF2画分を使用しているためである。陽性対照としてエタノールに溶解したF2画分を終濃度4μg/mLになるよう添加した表皮角化細胞用培地を同様に培地交換した。このプレートを95%空気−5%炭酸ガスの下、さらに24時間培養した。RNA精製キット(QIAGEN RNeasy Micro Kit)を用いて総RNAを抽出した。 次にRT反応を以下のように行なった。総RNA濃度125 ng/μLの水溶液8μLに10×DNaseIReaction Buffer及びDNaseIを各1μLずつ添加し、室温で30分放置した。25 mM EDTAを1μL添加し、65℃で15分加熱後、0℃で1分以上放置した。この液を8μLとり、10 mM dNTPとOligo dTを各1μL加え、65℃で5分加熱後、0℃で1〜30 分放置した。これに、あらかじめ水2μL,5×First Strand Buffer 4μL、0.1 M DTT 2μL、及びRNaseOUT 1μLを混合して氷上で冷やした液を全量添加し、42℃で2分間加熱した。これにSuperScriptIIRNase H(−)を1μL加え、42℃で50分、引き続き70℃で15分加熱し、その後0℃に冷やした。これにRNase Hを 1μLを加え、37℃で20分間加熱後、4℃に放置した。試薬はすべてインビトロジェン社製。温度調節は、バイオメトラ社製T3サーモサイクラーで行った。
このRT産物から精製キット(シグマアルドリッチ社製 GenElute PCR Clean-Up Kit)を用いてcDNAを精製した。このcDNAについてライトサイクラー(ロシュダイアノスティック社製)を用いてリアルタイムPCRを実施例1(4)と同じ条件で行い、HB-EGF発現量及びGAPDHの発現量を定量した。対照として同量のエタノールを添加し24時間培養したときのHB-EGF発現量及びGAPDHの発現量を測定した。対照サンプルにおける内部標準であるGAPDHの発現量に対するHB-EGF発現量の比を100としたときの、オートクレーブ画分もしくはF2画分添加サンプルにおけるGAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比の変化を求めた。
結果を図5に示す。F2画分を終濃度4μg/mL添加したものについてはHB-EGF遺伝子発現が、対照と比較したとき約5倍促進されることが確認されたのに対し、オートクレーブ画分を終濃度6,9,12及び15μg/mL添加したものについてはHB-EGF遺伝子発現促進が認められなかった。このことから、オートクレーブ画分に含まれる成分はF2画分に含まれる成分とは異なることが示唆された。
フマル酸ジエステル誘導体と、琥珀由来F2画分との比較
特許文献1では、ある種のフマル酸ジエステル誘導体がヒト表皮角化細胞においてHB−EGF遺伝子発現促進能があることを報告している。琥珀由来F2画分中の、HB−EGF遺伝子発現促進能を有する成分は現在のところ同定されていないため、特許文献1で報告されたフマル酸ジエステル誘導体でか否かを用量依存曲線の比較、及び分画実験により示す。
(1)HB-EGF遺伝子発現促進活性におけるフマル酸ジエステル誘導体と琥珀由来F2画分の用量依存性比較
[使用したフマル酸ジエステル誘導体]
化合物1. ビス(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)フマレート(CAS.No.51855-81-3)
構造式は
Figure 0004953204
のとおり。株式会社パトコアに合成を依頼。精製度は95.2%。
化合物2.ビス(ジプロピレングリコールモノエチルエーテル)フマレート
構造式は
Figure 0004953204
のとおり。株式会社パトコアに合成を依頼。精製度は96.5%。
[方法]
ヒト由来表皮角化細胞はカスケードバイオロジック社製のnHEK-APFを6〜7回継代して使用した。表皮細胞用培地(EPILIFE カスケードバイオロジック社)に増殖添加剤(HKGS−V2 カスケードバイオロジック社)と防腐剤(PSA カスケードバイオロジック社)を添加した培養液に表皮角化細胞を3×10コ/mLの濃度で懸濁し、24穴プレート(ファルコン社製)に1 mLずつ播種し、95%空気−5%炭酸ガスの下、24時間培養した。培養上清を吸引除去後、以下(1)〜(7)の物質を添加した表皮細胞用培地 (ウシ血清アルブミン、防腐剤添加、エタノール終濃度: 0.3%) 600μLに培地交換した。また、陽性対照として、エタノールに溶解したF2画分を終濃度6μg/mLになるよう添加した表皮細胞用培地(ウシ血清アルブミン、防腐剤添加、エタノール終濃度: 0.3%) 600μLに培地交換した。このプレートを95%空気−5%炭酸ガスの下、さらに24時間培養した。RNA精製キット(QIAGEN RNeasy Micro Kit)を用いて総RNAを抽出した。RT反応は実施例1(2)と同じ条件で行った。このRT産物から精製キット(シグマアルドリッチ社製 GenElute PCR Clean-Up Kit)を用いてcDNAを精製した。このcDNAについてライトサイクラー(ロシュダイアノスティック社製)を用いてリアルタイムPCRを実施例1(4)と同じ条件で行い、HB-EGF発現量及びGAPDHの発現量を定量した。対照として同量のエタノールを添加し24〜48時間培養したときのHB-EGF発現量及びGAPDHの発現量を測定した。対照サンプルにおける内部標準であるGAPDHの発現量に対するHB-EGF発現量の比を100としたときの、(1)〜(7)のGAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比の変化を求めた。
(1)化合物1を精製水に溶解し終濃度6 μg/mLになるよう、及びエタノールを終濃度0.3%になるよう添加した培地
(2)化合物1を精製水に溶解し終濃度15 μg/mLになるよう、及びエタノールを終濃度0.3%になるよう添加した培地
(3)化合物1を精製水に溶解し終濃度30 μg/mLになるよう、及びエタノールを終濃度0.3%になるよう添加した培地
(4)化合物1を精製水に溶解し終濃度62.5 μg/mLになるよう、及びエタノールを終濃度0.3%になるよう添加した培地
(5)化合物2をエタノールに溶解し、終濃度7 μg/mLになるよう添加した培地
(6)化合物2をエタノールに溶解し、終濃度32 μg/mLになるよう添加した培地
(7)化合物2をエタノールに溶解し、終濃度85 μg/mLになるよう添加した培地
結果を図6に示す。F2画分は終濃度6μg/mLにて、HB-EGF遺伝子の発現を対照と比較して約3倍促進した(レーン2)。化合物1は用量依存的にHB-EGF遺伝子の発現を促進し、特許文献1でHB-EGF遺伝子発現促進活性を示すと報告されている濃度の約60%である、終濃度180 μM(=62.5 μg/mL)では対照と比較してHB-EGF遺伝子の発現を約10 倍促進した(レーン6)。また化合物2も用量依存的にHB-EGF遺伝子発現を促進し、終濃度85 μg/mLでは対照と比較して約20 倍促進した(レーン9)。しかし、終濃度6μg/mL並びに15μg/mLの化合物1や終濃度7μg/mLの化合物2ではHB-EGF遺伝子発現の促進はほとんど観察されず、対照の約1.3倍程度であった(レーン1,2,5)。
以上、化合物1及び化合物2は特許文献1で報告されているとおりHB-EGF遺伝子発現促進活性を有していることが確認されたが、F2画分と比較して比活性は低く、F2画分が活性を示す濃度まで終濃度を下げると活性がみられなくなることより、F2画分中のHB-EGF遺伝子発現促進活性成分は、化合物1、化合物2のいずれでもないことが示唆された。
(2)フマル酸ジエステル誘導体と、琥珀由来F2画分との分画実験
実施例2で述べたとおり、F2画分に含まれるHB-EGF遺伝子発現促進活性成分はシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる分画を行うとS1画分に分画される。
化合物1は特許文献1中の実施例にてHB-EGF遺伝子発現促進活性物質として報告されており、F2画分中のHB-EGF遺伝発現促進活性成分が化合物1であれば、化合物1をF2S1画分を得るときと同条件でシリカゲルクロマトグラフィーによる分画を行ったときにはF2S1画分と同一の画分に分画されると考えられる。
[分画方法]
カラム担体であるシリカゲル(和光純薬工業社製 ワコーシルC-200) 20gをベンゼン:酢酸エチル=50:1 75mLで洗浄後、化合物1 0.1gをメタノール1mLに溶解した液をカラム担体にアプライし、ベンゼン(和光純薬工業社製 インフィニティピュアグレード)、酢酸エチル(和光純薬工業社製 インフィニティピュアグレード)混合液を溶媒としてカラムクロマトグラフィー(カラムサイズ 1.1 cm i.d.×38 cm)を行った。表4に示すようにF2画分を分画した同じ条件で順に溶媒を流し、溶出した画分をそれぞれ集め、乾固した。
図8に示すようにF2画分を分取した際の各画分の活性の%/重量の%を計算するとF2画分中の主要活性部分はF2S1画分に回収されたことがわかる。これに対して表4及び図7に示すように、全体の重量に対する、HP-S4画分(F2S4画分と同一分画条件)、HP-S6画分(F2S6画分と同一分画条件)、HP-S7画分(F2S7画分と同一分画条件)、及びHP-S8画分(F2S8画分と同一分画条件)の割合はそれぞれ33.8%、0.1%、51.7%、及び14.3%であったが、HP-S1画分(F2S1画分と同一分画条件)には何も得られなかった。
Figure 0004953204
このことから、F2画分中に存在する、HB-EGF遺伝子発現促進活性を有する成分は化合物1ではないことが示唆された。
ヒト皮膚再構築モデル系における、琥珀組成分F2画分のHB−EGF発現促進活性の確認
実施例1から実施例6までは、ヒト表皮角化細胞の単層培養系におけるF2画分のHB-EGF遺伝子発現促進活性の評価を行ってきた。しかし実際のヒト皮膚は、表皮角化細胞から成る表皮層と、その下のコラーゲン等の細胞間マトリックス並びに真皮線維芽細胞から成る真皮層との2層で構築されているため、よりヒト皮膚に近い状態になるよう再構築した細胞培養モデル系を用いて実験を行うことが望ましいと考えられる。また、実施例1から実施例6までは遺伝子発現レベルでのみF2画分の効果を評価していたが、実際に皮膚ターンオーバーが促進されるためにはHB-EGFタンパクの発現が促進されなくてはならない。そこで本項では、より実際のヒト皮膚に近い構造を有しているヒト皮膚再構築モデル系にF2画分を処理することよりHB-EGFタンパクの発現が促進されることを確認する。
[培養方法]
ヒト皮膚再構築モデルは東洋紡績株式会社製 TESTSKIN LSE-002を使用した。ジメチルスルホキシドに溶解したF2画分を終濃度5μg/mLになるように添加したHBSS緩衝液(ジメチルスルホキシド1%含有)を組織上部にのせ、この組織を93%空気-7%炭酸ガスの下36時間培養した。対照として、HBSS緩衝液(ジメチルスルホキシド1%含有)を同様に組織上部にのせた。陽性対照としてジメチルスルホキシドに溶解したオールトランスレチノイン酸(シグマアルドリッチ社)を終濃度5μMになるよう添加したHBSS緩衝液(ジメチルスルホキシド1%含有)を組織上部にのせた。
[免疫染色方法]
ヒト皮膚再構築モデル組織をHBSSで洗浄後、3%中性ホルマリン溶液に2時間浸漬することにより固定した。常法に従い固定した組織をエタノールで脱水後、キシレンで置換し、最終的にパラフィン切片に加工した。この切片のパラフィンをキシレンで洗浄後、95℃に過熱した0.1mol/Lクエン酸緩衝液(pH6.0)に20分間インキュベーションした。放冷後、3%過酸化水素水に60分間インキュベーションした後、PBS緩衝液で洗浄した。次にブロッキング用血清液(VECTOR社 VECTASTAIN ABC kit Goat IgGに添付)に40分間インキュベーションし、この液を除去した後に溶解した抗ヒトHB-EGF 抗体(R&D システム社)水溶液(終濃度1.5μg/mL)にインキュベーションし、4℃で16時間放置した。PBS緩衝液で洗浄し、ビオチン化抗体(VECTOR社 VECTASTAIN ABC kit Goat IgGに添付)にインキュベーションし室温で1時間放置後、PBS緩衝液で洗浄した。ペルオキシダーゼ結合アビジン液(VECTOR社 VECTASTAIN ABC kit Goat IgGに添付)にインキュベーションし、室温で30分放置後、PBS緩衝液で洗浄した。ジアミノベンジジン基質溶液(VECTOR社 DAB SUBSTRATE KIT FOR PEROXISADEの製品マニュアルに従い調製)にインキュベーションし室温で8分放置後、精製水で洗浄した。最後にデラフィールド・ヘマトキシリン(武藤化学薬品社)に室温で1分間インキュベーションし、精製水で洗浄後、0.1M 四ほう酸ナトリウム緩衝液(pH8.5)に室温で1分間インキュベーションし水道水で洗浄した。
抗ヒトHB-EGF抗体水溶液の代わりに、1.5μg/mL無免疫性ヤギ抗体(シグマアルドリッチ社 Goat IgG Purified Immunoglobulin)水溶液にインキュベーションしたものを陰性対照とした。
結果を図8に示す。ヒトHB-EGF抗体を用いてHB-EGFを茶色に染色したとき、陽性対照であるレチノイン酸処理組織(c)及びF2画分処理組織(e)では矢印で示した部分にHB-EGFの茶色の染色が認められた。これに対して、対照組織(a)では茶色の染色像は認められなかった。また、ヒトHB-EGF抗体の代わりに無免疫性ヤギ抗体を用いて染色したところ、対照組織(b)、陽性対照組織(d)及びF2画分処理組織(f)全てにおいて茶色の染色像は認められなかった。このことから、F2画分はヒト皮膚再構築モデル系においてもHB-EGF発現促進活性を示したと考えられる。
琥珀由来成分F2画分のマウス皮膚ターンオーバー促進活性確認
背景技術で述べたように、皮膚を構成する表皮の細胞は、表皮の一番奥の基底層で誕生し、少しずつ上に押し上げられ、最後にアカとなって肌の表面から脱落する。この現象を「ターンオーバー」と呼ぶ。ターンオーバーが老化により遅延すると、メラニンの滞留などにより肌は透明感を失う。
本項ではインクを用いて、マウス皮膚上に人工的にしみを作成し、この人工しみが消失するまでの日数を測定することにより、ターンオーバーの速度を測定する。
ここで、実施例9で用いたF2画分は、ロシア・バルト海沿岸産琥珀を平均粒径20μm程度のものからエタノール抽出したものと、平均粒径150μm程度のものからエタノール抽出したものを混合し、調製したものである。その他の調製方法は実施例1の記載に同じ。
[本試験例で使用した実験動物]
ICRマウス(メス 週齢 試験開始時9週齢)1群3匹を用いた。
[人工しみの作成]
マウス背部 約3 cm×約3 cmを剃毛した後、エタノールで清拭した。剃毛した皮膚に、直径約1.5 cmの円形状になるよう万年筆用青インキ(パイロットコーポレーション社)を塗布し、自然乾燥させた。乾燥後、同一部分に重ねて塗布し、再度自然乾燥を行った。これを8回繰り返し、翌日、人工しみ部分をエタノールで再度清拭した。
[検体の塗布方法]
20mg/mL及び2mg/mL琥珀由来F2画分エタノール溶液200μLをマウス背部皮膚のしみ作成部分に毛筆用筆を用いて1日1回、5日間連続塗布を行い、1日放置し、再度2日間連続塗布を行った。対照として、エタノールのみを200μL同様に塗布した。
[効果の判定]
人工しみの消失の度合いは、1日1回塗布前に、対照と目視で比較することにより確認し、デジタルカメラ(オリンパス社 C-70)で記録撮影した。
結果を図9に示す。人工しみの濃さは塗布開始日(0日目)では対照群(b)とF2画分処理群(c及びd)との間で差は認められなかった。しかし、塗布開始から7日後にはF2画分処理群では対照群と比較して用量依存的に人工しみの消失が認められた。琥珀由来組成物がin vivoの皮膚ターンオーバーを促進することによってしみの消失を早めていることが示唆された。
本願発明は、化粧品及び皮膚外用薬並びにそれらを開発する産業分野で使用することができる。
RT-PCR法を用いたF2画分のヒト表皮角化細胞におけるHB-EGF発現促進活性の測定。HB-EGF発現量及びGAPDH発現量を電気泳動法にて半定量した。同量のエタノールを添加し48時間培養したときのHB-EGF発現量及び内部標準としてのGAPDHの発現量を対照として用いた。 リアルタイムPCR法を用いたヒト表皮角化細胞におけるF2画分のHB-EGF発現促進活性の確認。HB-EGF発現量及びGAPDHの発現量を測定した。対照として同量のエタノールを添加し24時間培養したときのHB-EGF発現量及びGAPDHの発現量を測定した。対照サンプルにおける内部標準であるGAPDHの発現量に対するHB-EGF発現量の比を100としたときの、F2画分添加サンプルにおけるGAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比の変化を求めた。 リアルタイムPCR法を用いたF2S1〜F2S8画分のヒト表皮角化細胞におけるHB-EGF発現促進活性の測定。HB-EGF発現量及び内部標準であるGAPDHの発現量を測定し、GAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比を求めた。対照として同量のエタノールを添加したときのHB-EGF発現量及びGAPDHの発現量を測定し、GAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比を求めた。対照サンプルにおけるGAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比を100としたときの、各画分添加時におけるGAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比の変化を求めた。また、カッコ内の数字は、各画分の活性の合計を100としたときの、各画分の活性である。 琥珀抽出物画分のHB-EGF遺伝子発現促進活性に対するレチノイドアンタゴニストの影響を検討。対照サンプルのGAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比を100としたときの、(i)〜(iv)のGAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比を求めた。 特許文献4で報告された方法に従って琥珀由来画分の、リアルタイムPCR法を用いたヒト表皮角化細胞におけるHB-EGF遺伝子発現促進活性測定結果。陽性対照として、F2画分の同活性を同時に測定した。HB-EGF発現量及び内部標準であるGAPDHの発現量を測定し、GAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比を求めた。対照として同量のエタノールを添加したときのHB-EGF発現量及びGAPDHの発現量を測定し、GAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比を求めた。対照サンプルにおけるGAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比を100としたときの、各画分添加時におけるGAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比の変化を求めた。 特許文献1でHB-EGF遺伝子発現促進活性を有していると報告されている化合物1及び化合物2のヒト表皮角化細胞における同活性をリアルタイムPCR法を用いて測定した。HB-EGF発現量及び内部標準であるGAPDHの発現量を測定し、GAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比を求めた。対照として同量のエタノールを添加したときのHB-EGF発現量及びGAPDHの発現量を測定し、GAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比を求めた。対照サンプルにおけるGAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比を100としたときの、各化合物添加時におけるGAPDH発現量に対するHB-EGF発現量の比の変化を求めた。 特許文献1中の実施例にてHB-EGF遺伝子発現促進活性物質として報告されている化合物1、及び琥珀由来組成物であるF2画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分画したときの、全体の重量に対する各画分の重量の割合をグラフに示した。 F2画分をシリカゲルクロマトグラフィーにより分画することにより得た各F2S1〜F2S8画分について、図3中のカッコ内の数値を図7中のF2画分をシリカゲルクロマトグラフィーにより分画することにより得た各F2S1〜F2S8画分の乾固物の重量(%)で除した値を求め、グラフにしたものを示す。 ヒト皮膚再構築モデル組織におけるF2画分のHB-EGF発現促進能の確認。抗ヒトHB-EGF抗体を用いた免疫染色を行い、HB-EGF発現部分を茶色に染色した。対照として同量のHBSS緩衝液(ジメチルスルホキシド1%含有)を処理したときの染色を試みた。陰性対照として、無免疫性ヤギ抗体を用いた結果を示した。(a)は対照とした組織を抗ヒトHB-EGF抗体で免疫染色した結果を示す。(b)は対照とした組織に無免疫性ヤギ抗体で染色を試みた結果を示す。(c)は陽性対照としてオールトランスレチノイン酸を処理した組織を抗ヒトHB-EGF抗体で免疫染色した結果を示す。(d)は陽性対照としてオールトランスレチノイン酸を処理した組織に無免疫性ヤギ抗体で染色を行った結果を示す。(e)はF2画分処理組織の抗ヒトHB-EGF抗体免疫染色結果を示す。(f)はF2画分処理組織の無免疫性ヤギ抗体染色結果を示す。 マウス皮膚に人工しみを作製し、エタノールに溶解したF2画分を1日1回塗布することにより皮膚のターンオーバーが促進されていることを、エタノールのみを塗布した対照群と人工しみの消失の度合いを比較することにより判定した。(a)無処理群の人工しみを示す。(b) 対照群の人工しみを示す。(c) 一日あたり0.4mg投与群の人工しみを示す。(d) 一日あたり4mg投与の人工しみ。写真は各試験群の代表例を示す。

Claims (9)

  1. (1)琥珀を粉砕する工程(2)粉砕した琥珀粉末をヘキサン中に室温で一週間放置して洗浄する工程、(3)洗浄した琥珀粉末をエタノールにより25〜50℃、7日〜1ヶ月で少なくとも2回浸漬して抽出し、得られた抽出物をエバポレーターで濃縮、乾固する工程、(4)得られた乾固物をエタノールに溶解し、オクタデシルシリル化シリカゲルを担体とし、メタノールを溶媒としてカラムクロマトグラフィーを行い、無色透明な液体の次に溶出される濃黄色透明な液を採取して乾固する工程を含む、ヘパリン結合EGF様成長因子をコードする遺伝子の発現を促進する活性(HB-EGF遺伝子発現促進活性)を有する画分(F2)の製造方法。
  2. 請求項1に記載の工程(4)の後に、さらに、(5)得られた乾固物74mgをメタノール1mLに溶解した液をカラム担体にアプライし、ベンゼン:酢酸エチル(50:1)の混合液を溶媒としてカラムクロマトグラフィー(カラムサイズ 1.1 cm i.d. ×38 cm)を行い、初めに流出した溶液50mLを乾固して得られる、ヘパリン結合EGF様成長因子をコードする遺伝子の発現を促進する活性(HB-EGF遺伝子発現促進活性)を有する画分(F2S1)の製造方法。
  3. 工程(4)又は(5)の後に、さらに、(6)ヘパリン結合EGF様成長因子をコードする遺伝子の発現を促進する活性(HB-EGF遺伝子発現促進活性)をヒト表皮角化細胞を用いて確認する工程を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. (1)琥珀を粉砕後、(2)粉砕した琥珀粉末をヘキサン中に室温で一週間放置して洗浄し、(3)洗浄した琥珀粉末をエタノールにより25〜50℃、7日〜1ヶ月で少なくとも2回浸漬して抽出し、得られた抽出物をエバポレーターで濃縮、乾固し、(4)得られた乾固物をエタノールに溶解し、オクタデシルシリル化シリカゲルを担体とし、メタノールを溶媒としてカラムクロマトグラフィー(カラムサイズ:2.2cm i.d. ×4.7cm;18 mL)を行い、無色透明な液体の次に溶出される濃黄色透明な液を採取して乾固することにより得られる、ヘパリン結合EGF様成長因子をコードする遺伝子の発現を促進する活性(HB-EGF遺伝子発現促進活性)を有する画分(F2)。
  5. 工程(1)が、(1’)琥珀を平均粒径100μmまで粉砕する工程である、請求項4に記載の画分(F2)。
  6. 工程(4)が、(4’)得られた乾固物0.4gをエタノール2mLに溶解させ、オクタデシルシリル化シリカゲルを担体とし、メタノールを溶媒としたカラムクロマトグラフィー(カラムサイズ:2.2cm i.d. ×4.7cm;18 mL)開始後、6mL目から21mL目までの溶出した画分を採取して乾固する工程である、請求項4又は5に記載の画分(F2)。
  7. 請求項4もしくは5に記載の工程(4)又は請求項6に記載の工程(4’)の後に、さらに、(5)得られた乾固物74mgをメタノール1mLに溶解した液をカラム担体にアプライし、ベンゼン:酢酸エチル(50:1)の混合液を溶媒としてカラムクロマトグラフィー(カラムサイズ 1.1 cm i.d. ×38 cm)を行い、初めに流出した溶液50mLを乾固して得られる、ヘパリン結合EGF様成長因子をコードする遺伝子の発現を促進する活性(HB-EGF遺伝子発現促進活性)を有する画分(F2S1)。
  8. 請求項4〜7のいずれか1項に記載の画分からなる皮膚ターンオーバー促進剤。
  9. 請求項4〜7のいずれか1項に記載の画分からなる肌のくすみ改善剤。
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