JP3725848B2 - 化粧料 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は、琥珀粉末を含有させることによって肌感触を改善した化粧料、特に油性成分との併合に顕著な効果を発揮し得る化粧料に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、化粧料の肌感触を改善するために、各種の添加剤が使用されてきたが、必ずしも満足のいくものではなかった。
【０００３】
一方、本発明で用いる琥珀粉末は、従来は、琥珀を宝石として加工する際に出る削り屑として、特に利用されることもなく廃棄されていた。
【０００４】
また、従来の化粧料には、その利用目的にあわせて、各種のアルコールや油性成分、乳化剤等の添加剤が使用されている。これらの添加剤は、それぞれの機能を十分に発揮しうる程度まで添加することが必要であるが、増量により今度は使用感触が悪くなるという問題を引き起こす場合がある。
【０００５】
例えば、クリーム等に使用される油性成分は、添加量の増加により、使用感触が重くなり、また塗布後も肌に残存するため、べたつき感や閉塞感の原因となる。この感触の改善のために、軽い感触のシリコーン系オイルが用いられることもあるが、これは、他の成分との相性が悪く、分離の原因となるため、少量しか使用できないという問題がある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、肌感触を改善できる化粧料、特に、油性成分との併用において顕著な効果を発揮し得る化粧料を提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上述の目的は、平均粒径が２５μｍ以下の琥珀粉末を２質量％含有することを特徴とする化粧料，更に油性成分を含有する当該化粧料によって達成される。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる琥珀粉末とは、天然樹脂の一種である琥珀が、粉砕されたものである。琥珀は、マツ科の死滅したPinus succinifera Conw. の樹脂が、石炭化を受け、加圧乾留されて変質し化石になったものであるが、採掘したものそのままのもののほか、溶融して再び固めたものであっても良い。琥珀粉末は、琥珀を宝石として加工した際に出る削り屑等を更に粉砕したものなどを用いることができる。
【０００９】
琥珀粉末の平均粒径は、２５μm以下が好ましく、更に好ましくは２２μm以下、特に好ましくは２０μm以下である。
【００１０】
本発明の化粧料における琥珀粉末の含有量は、化粧料全体を１００とした場合に、１〜１０質量％が好ましく、特に好ましくは２質量％である。
【００１１】
本発明の化粧料は、その剤形は問わず、乳液，クリーム，軟膏，溶液，ゲル等の剤形や、パック，ローション，パウダー，スティック等が挙げられるが、中でも、剤形が安定していることから、乳液やクリーム等の乳化系化粧料が好ましい。
【００１２】
本発明の化粧料には、色素の変退色防止効果を損わない範囲で、化粧料の原料として通常用いられるその他の添加剤成分を適宜含有させることができる。
【００１３】
また、本発明の化粧料には、通常化粧料原料として用いられるその他の基剤成分を含有させることができる。基剤成分としては、液体油脂(オリーブ油等)，固体油脂（シア脂等），ロウ類（ミツロウ等），炭化水素油（流動パラフィン，パラフィン，ワセリン等），高級脂肪酸（ステアリン酸等），高級アルコール（セタノール等），合成エステル油（ミリスチン酸オクチルドデシル等），シリコーン類（メチルポリシロキサン等）等の油性成分，各種の界面活性剤，金属イオン封鎖剤，水溶性高分子（カルボキシビニルポリマー等），増粘剤，各種の粉末成分，香料，水等が挙げられる。
【００１４】
特に、本発明の琥珀粉末を含有する化粧料は、油性成分のべたつき感の低減効果に優れていることから、油性成分をも含む化粧料である場合に好適である。
【００１５】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【００１６】
（すべり感の測定方法）
摩擦感テスター（ＫＡＴＯ ＴＥＣＨ社製，ＫＥＳ−ＳＥ）を使用し、３回こすり合わせて、すべり感を測定する。数値が大きいほどすべりが悪く、小さいほどすべりが良いことを示す。
【００１７】
実施例１〜３及び比較例：
最小粒径1μm，最大粒径100μm，平均粒径18μmの琥珀粉末を用い、下記表１に示す処方で、常法に従いジェルを得た。得られたジェルについて、上記測定方法に従ってすべり感を測定した結果を表２に示す。
【００１８】
【表１】

【表２】

（すべり感の測定方法）
摩擦感テスター（ＫＡＴＯ ＴＥＣＨ社製，ＫＥＳ−ＳＥ）を使用し、１０回こすり合わせて、すべり感を測定する。数値が大きいほどすべりが悪く、小さいほどすべりが良いことを示す。
【００１９】
実施例Ａ，Ｂ及び比較例Ｘ：
最小粒径1μm，最大粒径100μm，平均粒径18μmの琥珀粉末を用い、下記表３に示す処方で、常法に従いクリームを得た。得られたクリームについて上記測定方法に従ってすべり感を測定した結果を、表４に示す。
【００２０】
【表３】

【表４】

表４の結果からわかる通り、実施例Ａ，Ｂのクリームは、琥珀粉末を一切含有しない比較例Ｘのものと比べて、すべり感が改善されていた。また、油性成分によるべたつきもないことが分かった。
【００２１】
実施例Ｄ及び比較例Ｙ：
最小粒径1μm，最大粒径100μm，平均粒径18μmの琥珀粉末を用い、下記表５に示す処方で、常法に従いクリームを得た。得られたクリームについて、女性パネラ１９名による官能評価を実施し、結果を表６に示す。
【００２２】
【表５】

【表６】

表６の結果からわかる通り、実施例Ｄのクリームは、比較例Ｙのものと比べて、化粧料の油っぽさが改善され、塗布時、塗布後ともに使用感に優れたものであった。
【００２３】
また、前記表３中の実施例Ｂのクリーム（琥珀粉末を２質量％含有する）と比較例Ｘを用い、女性パネラ１４名による官能評価を実施し、結果を表７に示す。
【００２４】
【表７】

表７の結果からわかる通り、琥珀粉末を２質量％含有する化粧料（実施例Ｂ）は、すべり感、油っぽさが改善されるばかりでなく、他のさまざまな機能面においても、優れた性質を有するものである。
【００２５】
【発明の効果】
本発明の化粧料は、上記実施例で示されるように、平均粒径が２５μｍ以下の琥珀粉末を１〜５質量％含有することにより、少なくともすべり感が改善されたものである。また、平均粒径が１８μｍの琥珀粉末を２質量％含有するクリーム（実施例Ｂ）についての官能評価の結果（表７）に示されるように、化粧料の塗布時に温かさやリラクゼーション効果（くつろぎ感）を感じたり、塗布後に肌にハリやツヤが出る等、肌感触も改善される。これは、化粧品として優れた性質である。更に油性成分を含有する化粧料の場合は、べたつきや油っぽさも改善されるという利点がある。

Claims (2)

1. 平均粒径が２５μｍ以下の琥珀粉末を２質量％含有することを特徴とする化粧料。
2. 更に油性成分を含有することを特徴とする請求項１記載の化粧料。