JP4204077B2 - 化粧方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、肌症に適した、下地化粧料を使用した後、皮膜形成型パック料を使用することで、パック力の調整が自在にできる化粧方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
皮膚化粧料の一つであるパック料は、通常の使用法では皮膚血行の促進、皮膚の洗浄作用を目的とするものであるが、最近、特に角栓(毛包に皮脂や角質が固化した状態)や角質の除去能力に高い機能性を持つことをアピールした商品が多種上市されている。これらのパック料は微粒子粉体を配合したり、皮膜形成剤の量を増やすなどの技術によって、角栓や角質除去の能力は極めて高いものもあるが、一方、乾性肌のような肌症に対してはその接着力が強すぎるため、肌に負担をかけたり、場合によっては炎症を惹起させてしまう場合もあった。そして、肌の部位によって乾性肌や油性肌が混在しているような混合肌の場合には、単一のパック料で対応することは難しかった。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】
本発明は、単一の皮膜形成型パック料で各種の肌症に対応できる、簡便性、経済性に優れる、化粧方法を開発することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの問題に鑑み鋭意研究したところ、皮膜形成型パック料の肌への接着力は事前に使用する下地化粧料によって変えられること、下地化粧料を変えることで全ての肌症に対応が可能であること、そして本方法によりユーザーが自分の肌症や好みでパックの強度を変えられることを見いだし、発明を完成させるに至った。
【0005】
すなわち、前記の目的は、皮膚又は皮膚部位の肌症を、敏感肌、乾性肌、乾性肌と油性肌が混在する混合肌及び油性肌の肌症に分類し、敏感肌と乾性肌には油分量が15〜25重量%のクリーム又は5〜15重量のミルク、混合肌には油分量が0〜2重量%のローション、5〜15重量%のミルク又は0〜5重量%のエッセンス、油性肌には油分量が0〜2重量%のローションを下地化粧料として使用した後に、皮膜形成型パック料を使用する化粧方法によって達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で言う下地化粧料とは、油分の配合量(単位は重量%)に応じて表1の様に区分すお、表1中の値は、重量%で示している。
【0007】
ここで言う油分とは、極性油から非極性油までの幅広い一般的な油性物質を言う。例えば、高級脂肪族炭化水素類、植物性油脂類、動物性油脂類、蝋類、高級脂肪酸類、高級アルコール類、合成エステル油類、シリコーン油類、油溶性香料類、油溶性ビタミン類、油溶性ホルモン類、油溶性紫外線吸収剤等を挙げることができる。
【0008】
【表1】
Figure 0004204077
【0009】
本発明の化粧方法では、皮膜形成型パック料を使用する前に、肌症に適した、ローション、ミルク、エッセンス、クリームから選ばれる下地化粧料を使用する。肌症として、敏感肌、乾性肌(以下、D肌と略す)、混合肌(以下、OD肌と略す)、油性肌(以下、O肌と略す)に分類、各肌症に使用する下地化粧料との関係は、2の様になる。
【0010】
【表2】
Figure 0004204077
【0011】
D肌は接着力を弱めるために油分の多いものを使用し、O肌は接着力を強めるために油分が少ないものを使用することが好ましい。また、OD肌については、Tゾーン(額と鼻筋)の様に、皮脂の多い部位についてはローションを使用し、皮脂の少ない部分についてはミルクを使用するなど、複数の下地化粧料を使用することが好ましい。
【0013】
また、ユーザーの体調や季節的要因により、皮脂の分泌状態は大きく変化することが知られているので、基本的には表1を基準として、その時々のユーザーの肌症や好みに応じてユーザーがパック力を変化させる使用方法が好ましい。
【0014】
本発明で用いる皮膜形成型パック料は、角栓や角質除去能力が高い範囲を検討した結果、皮膜形成剤の配合量が化粧料100重量部に対して8〜50重量部配合されていることが好ましく、さらには平均粒子径5nm〜1μmの微粒子酸化チタン、無水珪酸などの微粒子粉体を配合していることが本発明の目的から好ましい。ここで言う皮膜形成剤とは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸塩等、またはこれらの共重合体である例えばポリビニルアルコール/アクリル酸共重合体等である。さらに、本発明で用いる皮膜形成型パック料とは、皮膚に塗布乾燥後皮膜が形成するピールオフタイプ、もしくは予め皮膜が形成されている粘着テープタイプであることが使用勝手の上で好ましい。
【0015】
本発明で用いる下地化粧料およびパック料は、従来化粧料に使用されてきた各種の素材、例えば粉体類、油剤、樹脂、界面活性剤、紫外線吸収剤、香料、防腐剤、殺菌剤、保湿剤、粘剤、生理活性成分、溶剤、水等を同時に配合することができる。
【0016】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明を詳細に説明する。
【0017】
実施例および比較例で用いた化粧料の評価は、各種肌症を有するパネラーに対して実施例および比較例で示した化粧方法にて皮膜形成型パック料(ピールオフタイプ)を使用してもらい、その結果をアンケート形式で集計した。結果はパネラーの内の何名が各評価項目に対して「はい」と回答したかを示している。
【0018】
なお、皮膜形成型パック料としては、表3に示した処方に従って作製したものを使用した。表中の単位は重量%である。
【0019】
【表3】
Figure 0004204077
【0020】
ポリビニルアルコールを精製水に80℃の加熱下に徐々に溶解させた後、各成分を撹拌下に投入した。ついで、湿式粉砕装置マイクロス(奈良機械製作所製)を用いて粉砕を行い、脱気し、チューブ容器に充填して製品とした。
【0021】
実施例1
パネラー群:敏感肌4名
化粧方法:石鹸で洗顔後、タオルにて水分を拭き取った後、油分量20重量%のクリームを薄く塗布し、ついで皮膜形成型パック料を使用した。
【0022】
比較例1
パネラー群:敏感肌4名
化粧方法:石鹸で洗顔後、タオルにて水分を拭き取った後、油分量0重量%のローションを塗布し、ついで皮膜形成型パック料を使用した。
【0023】
実施例2
パネラー群:OD肌10名(Tゾーン部:油性肌部)
化粧方法:石鹸で洗顔後、タオルにて水分を拭き取った後、油分量0重量%のローションを塗布し、ついで皮膜形成型パック料を使用した。
【0024】
実施例3
パネラー群:OD肌10名(頬部:乾性肌部)
化粧方法:石鹸で洗顔後、タオルにて水分を拭き取った後、油分量10重量%のミルクを薄く塗布し、ついで皮膜形成型パック料を使用した。
【0025】
比較例2
パネラー群:OD肌10名(Tゾーン部:油性肌部)
化粧方法:石鹸で洗顔後、タオルにて水分を拭き取った後、油分量20重量%のクリームを薄く塗布し、ついで皮膜形成型パック料を使用した。
【0026】
比較例3
パネラー群:OD肌10名(頬部:乾性肌部)
化粧方法:石鹸で洗顔後、タオルにて水分を拭き取った後、下地化粧料を使用することなく、皮膜形成型パック料を使用した。
【0027】
実施例4
パネラー群:O肌8名(鼻部)
化粧方法:石鹸で洗顔後、タオルにて水分を拭き取った後、油分量0重量%のローションを塗布し、ついで皮膜形成型パック料を使用した。
【0028】
比較例4
パネラー群:O肌8名(鼻部)
化粧方法:石鹸で洗顔後、タオルにて水分を拭き取った後、油分量10重量%のミルクを塗布し、ついで皮膜形成型パック料を使用した。
【0029】
表4に、実施例1〜4および比較例1〜4についての、使用結果を示す。
【0030】
【表4】
Figure 0004204077
【0031】
実施例1と比較例1は、敏感肌(D肌である乾性肌を含む)のパネラーに対して試験を行った。実施例1では、剥離時に軽い痛みを感じるが、肌に炎症を起こさせずに、汚れを除去することが可能であったのに対して、比較例1では、汚れを除去することはできたが、剥離時に強い痛みを感じると共に肌に炎症を伴っていた。
【0032】
実施例2、実施例3、比較例2、比較例3は、混合肌(OD肌)のパネラーに対して、乾性部、油性部に分けて試験を行った。実施例2、実施例3、比較例2比較例3とも肌の炎症は認められなかった。そして実施例2は剥離時に軽度の痛みを感じるが、実施例3と同じく汚れを除去することができた。しかし、比較例2では、痛みを感じなくなるメリットはあるが、目的とする肌の汚れを除去できなく、また下地化粧料を使用しなかった比較例3では、剥離時に軽い痛みを感じると共にに肌の汚れを除去する効果が少なかった。
【0033】
実施例4と比較例4は、油性肌(O肌)のパネラーに対して試験を行った。実施例、比較例共に痛みは少なく、炎症も発生しなかった。しかし、下地化粧料の油分量に由来して、肌の汚れ除去に大きな差が認められた。
【0034】
【発明の効果】
以上のことから、本発明は、下地化粧料を変えることでパック力の調整が自在にできる化粧方法を提供することができ、肌に紅斑等の炎症を発生させることなく肌の汚れを除去できる。

Claims (1)

  1. 膚の肌症を、敏感肌、乾性肌、乾性肌と油性肌が混在する混合肌及び油性肌の肌症に分類し、敏感肌と乾性肌には油分量が15〜25重量%のクリーム又は5〜15重量のミルク、混合肌の油性肌部分には油分量が0〜2重量%のローション、混合肌の乾性肌部分には5〜15重量%のミルク、油性肌には油分量が0〜2重量%のローションを下地化粧料として使用した後に、皮膜形成型パック料を使用することを特徴とする化粧方法。(但し、下地化粧料は、いずれもカチオン性界面活性剤を含有しない。)
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