JP3644565B2 - W/o型乳化化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、W/O型であるにもかかわらず、塗布時のべたつきがなく、なめらかな滑り感を有し、且つ保湿持続効果に優れた乳化型化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、皮膚用化粧料には皮膚の水分量を保持するため、保湿剤としてグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール等のポリオール類や、ヒアルロン酸等の多糖類、ワセリン等の油性成分が使用されている。しかしながらこれらの保湿剤はべたつき感を生じやすく、塗布時ののびも重苦しくなる傾向にある。また、塗布後に皮膚を保護する被膜を形成しやすい事から、このような皮膚の保護や保湿の目的にはW/O型乳化化粧料が有利とされている。W/O型乳化化粧料は皮膚表面に良好な油性被膜を形成するという点では確かに優れているが、反面その乳化形態のために塗布時の化粧料ののびが重く、塗布後にべたついた感じを与えやすいという問題を抱えている。そのため、前述の油性保湿成分や水性保湿成分を配合すると、さらにその傾向が強くなり、使用性や使用感を損ねてしまう。
【0003】
このような問題を解決する手段として油溶性N−長鎖アシル酸性アミノ酸エステルとトリメチルグリシンとを併用する事が提案されているが(特開平7−258019号公報)、かかる技術においてもべたつき感は軽減されるものの、未だ十分とは言い難く、塗布時ののびも満足のいくものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、塗布時にべたつき感がなく、また塗布時ののびも優れた皮膚保護効果の高いW/O型乳化化粧料を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
こうした現状に鑑み、本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、高分子量ポリジメチルシロキサンとトリメチルグリシンと蔗糖脂肪酸エステルと水とからなるW/O型乳化化粧料がべたつき感がなく、塗布時ののびにも優れる事、またさらにシリコーン系界面活性剤を併用してやるとべたつき感がさらに無くなり、塗布時ののびも向上する事、保水性も向上する事を見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0006】
即ち、本発明は(A)平均重合度5,000〜20,000の高分子量ポリジメチルシロキサン 5〜25重量%、(B)トリメチルグリシン 0.5〜2重量%、(C)蔗糖脂肪酸エステル 0.1〜1重量%、(D)多価アルコール2〜20重量%、(E)水 40〜80重量% を含有する事を特徴とするW/O型乳化化粧料であり、更に好ましくはシリコーン系界面活性剤 0.5〜5重量%を含有する事を特徴とするW/O型乳化化粧料である。
【0007】
本発明のW/O型乳化化粧料はべたつき感がなく、皮膚の保湿効果に優れるので、皮膚用化粧料全般に適しているが、中でも乾燥季用のフェイスクリームや、入浴後のボディクリームとして特に有用である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】
本発明に適用されるジメチルシリコーンは平均重合度5,000〜20,000の高分子量のジメチルポリシロキサンである。このような高分子量シリコーンとしては例えばシリコーンPSG−87、シリコーンX21−5341(信越化学製)等が挙げられる。平均重合度が5,000以下では塗布時ののびがありすぎ、かえって扱いづらいものとなる。また重合度が20,000を越えると皮膜を形成して皮膚を保護する効果はあるものの、塗布時ののびがなく、またべたつき感が強くなるので好ましくない。本発明のW/O型乳化化粧料にはかかる高分子量ポリジメチルシロキサンを好ましくは5〜25重量%配合する。5重量%以下の配合量だと皮膚に塗布した際に十分な皮膜を形成できず、皮膚の保湿効果が不十分である。また20重量%を越えて配合してももはや皮膚の保湿効果の向上は見られない。また、かかる高分子量ポリジメチルシロキサンは置換基の一部にエチル基やフェニル基などの炭化水素基を含んでいても、本発明の効果を損なうことはないが、置換基の概ね20%を越えてメチル基以外の炭化水素基を含有すると、得られたW/O型乳化化粧料ののびが重くなる傾向が目立ってくるので好ましくない。かかる高分子量ポリジメチルシロキサンを用いてW/O型乳化化粧料を作製する際には、オクタメチルシクロテトラシロキサンやデカメチルシクロペンタシロキサンのような環状液体シリコーン類を併用してやると乳化が容易であり、化粧料の安定性も向上するので好ましい。
【0010】
次に本発明に用いられるトリメチルグリシンは下記化1式に示す構造を有するものである。
【0011】
【化1】
【0012】
化1式に示される化合物は砂糖大根、綿実等多くの植物体中に存在しており、通常はビート糖の製造工程で生じる糖蜜より抽出され、アミノコート(旭フーズ製)、アクアデュー(味の素製)として上市されている。本発明ではトリメチルグリシンの配合量は0.5〜2重量%が好ましい。0.5重量%未満では十分な保湿効果を得ることが難しく、2重量%を越えて配合しても配合量に応じた保湿効果の向上は見られない。
【0013】
蔗糖脂肪酸エステルは0.1〜1重量%配合されることが望ましい。この範囲外では得られる乳化化粧料の乳化安定性が悪く、実用性に乏しいものとなる。
【0014】
多価アルコールの配合量は2〜20重量%が好ましい。多価アルコールの配合量が2重量%未満だと、べたつき感はないものの、皮膚に与えるしっとり感が不足し、また20重量%を越えて配合すると、べたつき感が強くなり、好ましくない。かかる多価アルコールとしてはプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール200等が挙げられる。
【0015】
水は乳化化粧料の40〜80重量%とすることが望ましい。40重量%未満ではべたつき感がつよく、80重量%を越えると塗布に適した粘性が得られず好ましくない。
【0016】
また、界面活性剤として蔗糖脂肪酸エステルに加えて、シリコーン系界面活性剤を併用してやると、得られるW/O型乳化化粧料の安定性が向上し、また感触面でもべたつき感がさらに軽減され、化粧料ののびも向上するので好ましい。このようなシリコーン系界面活性剤としてはポリオキシアルキレン変性シリコーンが好ましく挙げられる。併用する量としては0.5〜5重量%が好ましく、この量を外れると前述の効果を得る事は難しい。
【0017】
本発明の化粧料には、本発明の効果を損ねない範囲で通常化粧料に使用される成分を含有させる事ができる。このような任意成分としては、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素類、ミリスチン酸イソプロピルや合成鯨ロウ、ホホバ油、カルナウバワックス等のエステル類、オリーブ油、牛脂等の動植物油脂、セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸類、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸エステル等のアニオン界面活性剤、4級アルキルアミン塩等のカチオン界面活性剤、脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン界面活性剤、アルキルベタイン等の両性界面活性剤類、エタノール、プロパノール等の低級アルコール類、パラベン類やグルコン酸クロルヘキシジン等の防腐剤類、ビタミンEやブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、アラビアゴム、カルボキシビニルポリマー等の増粘剤、ポリエチレングリコール等の保湿剤、クエン酸塩、酢酸塩等のpH調整剤、酸化チタン、シリカゲル、タルク等の粉体類、香料、色素等、ヒアルロン酸、胎盤抽出物、朝鮮人参エキス、ステロール配糖体等の各種目的に応じた薬効成分などが適宜選択されて配合される。
【0018】
以下、実施例及び比較例をもって、本発明を詳細に説明する。
【実施例及び比較例】
表1及び表2の組成のO/W型乳化化粧料を作成し、以下に示す方法で評価した。
【0019】
【表1】
【0020】
【0021】
(評価試験1) 使用後の水分量
20〜50代の女性パネラー20名を4名づつ5群に分け、各群毎に半顔づつ同じ番号の実施例及び比較例の化粧料を塗布してもらい、使用直後、60分後、120分後のインピーダンス値を測定して平均値を取り、比較した。得られた結果を図1、2に示す。
【0022】
【図1】
【0023】
【図2】
【0024】
図1、図2の結果より、本発明のW/O型乳化型化粧料は比較例のW/O型乳化型化粧料に比べ、保湿性が格段に優れていることが実証された。
【0025】
(評価試験2) クリームの水分保持能
相対湿度50%に調節したデシケーター中にシャーレに入れたクリームを放置し、重量変化を測定した。結果を図3及び図4に示す。
【0026】
【図3】
【0027】
【図4】
【0028】
図3、図4の結果より本発明のW/O型乳化型化粧料は比較例のW/O型乳化型化粧料に比べ水分保持能力に優れていることが実証された。
【0029】
(評価試験3) クリーム中の水の緩和時間
プロトンNMRにより、実施例1及び比較例のクリームに含まれる自由水及び固定水の緩和時間と存在比率を測定し、この結果からクリーム中の平均緩和時間を求めた。結果を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
実施例のW/O型乳化化粧料は比較例のW/O型乳化化粧料に比較して平均緩和時間が短く、これは、クリーム中の水の状態として、自由度の少ない状態の水が多い事を示すので、クリームの状態として具体的に述べれば、平均緩和時間が短いクリームは保水性が高いという点において優れていると考えられる。
【0032】
(評価試験4) 使用テスト
40〜50代女性パネラー100名を10名づつ10群にわけ、それぞれの群に実施例1〜5及び比較例1〜5のクリームを使用してもらい、使用後のべたつき感とクリームのすべり感についてアンケート調査を行った。評価基準は良い:○普通:△ 悪い:× の3段階で評価を実施してもらった。結果を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】
以上の結果に明らかなように、本発明のW/O型乳化化粧料は、W/O型であるにもかかわらず、塗布時のべたつきがなく、なめらかな滑り感を有し、且つ保湿持続効果に優れた乳化化粧料である事が立証された。
【0035】
【発明の効果】
本発明のW/O型乳化化粧料は、高分子量ポリジメチルシロキサンとトリメチルグリシンと蔗糖脂肪酸エステルと多価アルコールと水とを含有する事により、W/O型であるにもかかわらず、塗布時のべたつきがなく、なめらかな滑り感を有する事が明らかとなった。また、シリコーン系界面活性剤を併用するとその効果はより顕著なものとなった。また、得られたW/O型乳化化粧料の保湿持続効果もきわめて優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のクリーム使用時の皮膚のインピーダンス値を示す図である。
【図2】 比較例のクリーム使用時の皮膚のインピーダンス値を示す図である。
【図3】 実施例のクリームの相対湿度50%での重量変化率を示す図である。
【図4】 比較例のクリームの相対湿度50%での重量変化率を示す図である。
Claims (2)
- (A)平均重合度5,000〜20,000の高分子量ポリジメチルシロキサン 5〜25重量%、(B)トリメチルグリシン 0.5〜2重量%、(C)蔗糖脂肪酸エステル 0.1〜1重量%、(D)多価アルコール2〜20重量%、(E)水 40〜80重量% を含有する事を特徴とするW/O型乳化化粧料。
- 更にシリコーン系界面活性剤0.5〜5重量%を含有する事を特徴とする請求項1記載のW/O型乳化化粧料。
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