以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるネットワークシステムの全体構成を示す図である。図1を参照して、ネットワークシステム1は、ネットワーク2に接続された複数の情報処理装置を含む。ここでは、情報処理装置として、MFP(Multi Function Peripheral)100と、コンピュータ200とがネットワーク2に接続されている。MFP100は、原稿を読取り画像データを取得するためのスキャナ部、画像データに基づいて紙などの記録媒体に画像を形成するための画像形成部、ファクシミリを含み、画像読取機能、複写機能、ファクシミリ送受信機能を備えている。MFP100は、携帯電話A211または携帯電話B212とデータ通信し、データの送受信が可能である。ここでは、MFP100は、携帯電話A211および携帯電話B212と公衆交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Networks)を介して接続される。コンピュータ200は、一般的なパーソナルコンピュータであり、そのハード構成は周知なので、ここでは説明を繰り返さない。MFP100は、携帯電話A211、携帯電話B212またはコンピュータ200と通信して、携帯電話A211、携帯電話B212またはコンピュータ200それぞれが記憶するアドレスデータを受信する。なお、ここではMFP100を携帯電話A211または携帯電話B212とPSTNを介して接続する例を示すが、MFP100に携帯電話A211または携帯電話B212と接続するための通信インターフェースを設けて接続するようにしてもよい。通信インターフェースは、赤外線通信等の無線であってもよいし、有線であってもよい。
ネットワーク2は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク2は、LANに限らず、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)、PSTNを用いたネットワーク等であってもよい。
なお、図では、ネットワークシステム1がネットワーク2に1台のMFP100および1台のコンピュータ200が接続されて構成される例を示すが、ネットワークシステム1を構成する機器は、ネットワーク2に接続可能な機器であれば、ファクシミリ、スキャナ、プリンタ、コンピュータであってもよい。また、ネットワークシステム1を構成する機器の台数は、これらに限定されない。
図2は、本実施の形態におけるMFPのハード構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、MFP100は、スキャナ部103と、用紙などの記録媒体に画像を形成する画像形成部106と、それぞれがバス111に接続されたCPU(Central Processing Unit)101と、記憶部102と、スキャナ部103が出力する画像データを処理する入力画像処理部104と、画像データに出力するのに適した処理を行う出力画像処理部105と、ネットワークインタフェース(I/F)107と、モデム108と、操作パネル109と、カードI/F110とを含む。
CPU101は、MFP100の全体を制御する。記憶部102は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびEEPROM(Electrically Erasable Programable ROM)等の半導体メモリおよびハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記憶装置を含む。CPU101は、ROMに記録された宛先データ管理プログラムをRAMにロードして実行する。
スキャナ部103は、CCD(Charge Coupled Device)等の光電変換素子を含み、原稿を光学的に読取って電子データとしての画像データを入力画像処理部104に出力する。入力画像処理部104は、入力された画像データに対して、色変換処理、色補正処理、解像度変換処理、領域判別処理などを実行して、処理した画像データを記憶部102に記憶する。
出力画像処理部105は、記憶部102から画像データを読み出して、スクリーン制御処理、スムージング処理、パルス幅変調(PWM)を行い、処理後の画像データを画像形成部106に出力する。画像形成部106は、レーザプリンタであり、出力画像処理部105から入力される画像データを紙などの記録媒体に可視化する。画像形成部106は、カラープリントの場合には、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のトナーで画像を形成する。画像形成部106は、インクジェットプリンタであってもよい。
カードI/F110には、ICカード110Aが装着される。CPU101は、カードI/F110を介してICカード110Aにアクセスが可能である。ネットワークI/F107は、MFP100をネットワーク2と接続する。ネットワークI/F107は、データを所定の通信プロトコルに従ってネットワーク2に出力し、ネットワーク2から所定の通信プロトコルに従ってデータを受信する。CPU101は、ネットワークI/F107を介してネットワーク2に接続されたコンピュータ200と通信することが可能となる。このため、たとえば、FTP(File Transfer Protocol)等を用いてデータの送受信が可能である。
モデム108は、MFP100をPSTN113と接続する。モデム108は、データをファクシミリの通信プロトコルに従ってファクシミリ通信を可能とする。モデム108は、ファクシミリ受信されたデータを記憶部102のHDDに記憶する。また、モデム108は、PSTN113に接続されたコンピュータとの通信を可能とするためNCU(Network Control Unit)を含む。モデム108により他のコンピュータから受信されたデータは、記憶部102のHDDに記憶される。
操作パネル109は、入力部109Aと表示部109Bとを含む。入力部109Aは、MFP100のユーザによる操作の入力を受付けるためのタッチパネル、キーボードまたはマウス等の入力装置である。表示部109Bは、液晶表示装置または有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイパネルである。入力部109Aに透明な部材からなるタッチパネルを用いる場合には、表示部109B上にタッチパネルを重ねて設置することで、表示部109Bに表示されたボタンの指示を検出することができる。これにより、種々の操作の入力が可能となる。
なお、CPU101で実行する宛先データ管理プログラムは、ROMに記憶されたものに限られず、EEPROMに記憶するようにしてもよい。EEPROMに記憶するようにすれば、宛先データ管理プログラムを書き換えるまたは追加して書き込みすることが可能となる。このため、ネットワーク2に接続されたコンピュータ200が、MFP100のEEPROMに記憶された宛先データ管理プログラムを書換える、または、新たな宛先データ管理プログラムを追加して書込むことができる。さらに、MFP100が、ネットワーク2に接続されたコンピュータ200から宛先データ管理プログラムをダウンロードして、その宛先データ管理プログラムをEEPROMに記憶することができる。
さらに、宛先データ管理プログラムをICカード110Aに記憶するようにし、カードI/F110に装着されたICカード110Aに記録された宛先データ管理プログラムをRAMにロードして実行するようにしてもよい。なお、宛先データ管理プログラムをICカード110Aに記録する場合に限らず、磁気テープ、カセットテープ、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)や光ディスク(CD−ROM(Compact Disc−ROM)/MO(Magneto−Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc)等)、光カード、あるいはマスクROM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ等の媒体に記録するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU101により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
図3は、MFPが備えるCPUの機能の概要を示す機能ブロック図である。図3を参照して、CPU101は、データ送信部150と、アドレスデータ取得部151と、宛先データ登録部152と、表示条件取得部153と、ユーザを認証するためのユーザ認証部155と、宛先データ抽出部154と、宛先データ表示制御部156とを含む。記憶部102は、宛先データ121と、認証データ123とを記憶する。宛先データは、宛先を特定するためのアドレス(以下「宛先アドレス」という)と、宛先のユーザを識別するためのユーザ識別情報(以下「宛先ユーザ識別情報」という)と、その宛先データを登録した装置を識別するための装置識別情報(以下「登録元装置識別情報」という)と、その宛先データの記録を指示したユーザを識別するためのユーザ識別情報(以下「登録ユーザ識別情報」という)とを含む。認証情報は、ユーザを認証するための情報であり、ここでは、ユーザIDとパスワードとで構成される。ユーザIDは、ユーザ識別情報であってもよい。なお、認証情報は、生体情報であってもよい。
データ送信部150は、送信のためのデータと宛先データ121とを指定するための送信指示画面を表示部109Bに表示させ、ユーザが入力部109Aにデータと宛先データ121とを指定すると、指定された宛先データ121を記憶部102から読み出し、宛先データ121で特定される宛先アドレスに指定されたデータをネットワークI/F107を介して送信する。また、データ送信部150は、ネットワーク2に接続されたコンピュータ200からの要求により、送信指示画面をコンピュータ200に送信して、コンピュータ200からデータと宛先データ121とを受信すると、指定された宛先データ121を記憶部102から読み出し、宛先データ121で特定される宛先アドレスに指定されたデータをネットワークI/F107を介して送信する。なお、データ送信部150は、宛先アドレスによっては、データをモデム108から出力する。
ユーザ認証部155は、認証情報を入力するための認証画面を表示部109Bに表示させ、ユーザが入力部109Aに認証情報を入力すると、入力部109Aに入力された認証情報を取得し、認証情報を記憶部102に記憶された認証データ123と比較する。また、ユーザ認証部155は、ネットワーク2に接続されたコンピュータ200からの要求により認証画面をコンピュータ200に送信して、コンピュータ200から認証情報を受信すると、受信した認証情報を記憶部102に記憶された認証データ123と比較する。ユーザ認証部155は、認証情報に一致する認証データ123が記憶されていれば、ユーザを認証してログインを許可する。ユーザ認証部155は、認証結果を宛先データ抽出部154に出力する。認証結果は、ユーザの認証に成功した場合には、そのユーザを識別するためのユーザ識別情報を含み、ユーザの認証に失敗した場合には、認証に失敗したことを示す情報を含む。
アドレスデータ取得部151は、ネットワークI/F107を介してコンピュータ200からコンピュータ200を識別するための装置識別情報と、コンピュータ200を操作するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、アドレスデータとを受信する。装置識別情報は登録元装置識別情報である。アドレスデータは、宛先アドレスと、宛先ユーザ識別情報とを含む。宛先アドレスは、電子メールアドレスの他、ファクシミリ番号であってもよい。宛先アドレスは宛先情報を表すものである。ユーザがコンピュータ200を操作してアドレスデータをMFP100に送信して登録を指示する場合、そのユーザが所有するアドレスデータが送信される。したがって、コンピュータ200を操作するユーザを識別するためのユーザ識別情報は、MFP100にアドレスデータの取得を指示するユーザを識別するためのユーザ識別情報であり、登録ユーザ識別情報である。また、アドレスデータ取得部151は、モデム108を介して携帯電話A211(または携帯電話B212)から携帯電話A211(または携帯電話B212)を識別するための装置識別情報と、携帯電話A211(または携帯電話B212)を操作するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、アドレスデータとを受信する。装置識別情報は登録元装置識別情報である。ユーザが携帯電話A211または携帯電話B212を操作してアドレスデータをMFP100に送信して登録を指示する場合、そのユーザが所有するアドレスデータが送信される。したがって、携帯電話A211または携帯電話B212を操作するユーザを識別するためのユーザ識別情報は、MFP100にアドレスデータの取得を指示するユーザを識別するためのユーザ識別情報であり、登録ユーザ識別情報である。アドレスデータ取得部151は、受信したアドレスデータと、装置識別情報と、登録ユーザ識別情報とを宛先データ登録部152に出力する。なお、アドレスデータ取得部151は、登録ユーザ識別情報をユーザ認証部155から受け取るようにしてもよい。この場合、アドレスデータ取得部151は、モデム108を介して携帯電話A211(または携帯電話B212)から携帯電話A211(または携帯電話B212)を識別するための装置識別情報と、アドレスデータとを受信し、ユーザ認証部155から登録ユーザ識別情報を受け取る。
宛先データ登録部152は、アドレスデータ取得部151からアドレスデータと、登録元装置識別情報と、登録ユーザ識別情報とが入力される。宛先データ登録部152は、アドレスデータ取得部151から入力された登録元装置識別情報と登録ユーザ識別情報とを含む宛先データを記憶部102に記憶された宛先データ121のうちから抽出する。そして、宛先データ登録部152は、抽出した宛先データ121のうちに、アドレスデータ取得部151から入力されたアドレスデータの宛先ユーザ識別情報および宛先情報のいずれか一方が一致する宛先データ121が存在すれば、その宛先データ121のアドレスデータをアドレスデータ取得部151から入力されたアドレスデータに変更する。これにより、アドレスデータ取得部151がアドレスデータを取得した装置においてなされたアドレスデータの変更を、宛先データ121に反映することができる。また、宛先データ登録部152は、抽出した宛先データ121のうちに、アドレスデータ取得部151から入力されたアドレスデータの宛先ユーザ識別情報および宛先情報の少なくとも一方が一致する宛先データが存在しなければ、アドレスデータ取得部151から入力されたアドレスデータと、登録元装置識別情報と、登録ユーザ識別情報とを関連付けた宛先データを新規登録して、記憶部102に追加して記憶する。これにより、アドレスデータ取得部151がアドレスデータを取得した装置において新たに追加されたアドレスデータに対応する宛先データ121を記憶部102に新たに追加して登録および記憶することができる。さらに、宛先データ登録部152は、抽出した宛先データ121のうちに、アドレスデータ取得部151から入力されたアドレスデータの宛先ユーザ識別情報および宛先情報が共に一致する宛先データが存在すれば、何もしない。
宛先データ抽出部154は、ユーザ認証部155から認証結果が入力される。宛先データ抽出部154は、MFP100がセキュリティーモードONに設定されている場合と、セキュリティーモードOFFに設定されている場合とで、実行する処理が異なる。MFP100のセキュリティーモードは、MFP100のユーザ、好ましくはMFP100を管理するユーザにより設定される。宛先データ抽出部154は、MFP100がセキュリティーモードONに設定されていれば、ユーザ認証部155からユーザ識別情報を含む認証結果が入力されると、記憶部102から登録ユーザ識別情報がユーザ識別情報に一致する宛先データ121を読み出し、読み出した宛先データ121を宛先データ表示制御部156に出力する。宛先データ抽出部154は、MFP100がセキュリティーモードONに設定されていれば、ユーザ認証部155から認証に失敗したことを示す情報を含む認証結果が入力されると、記憶部102から宛先データ121を読み出すことなく、宛先データ表示制御部156に何も出力しない。宛先データ抽出部154は、MFP100がセキュリティーモードOFFに設定されていれば、記憶部102から宛先データ121を全て読み出して、宛先データ表示制御部156に出力する。
表示条件取得部153は、宛先データを抽出するための表示条件を指定するための表示条件指示画面を表示部109Bに表示させ、ユーザが入力部109Aで表示条件を指定すると、指定された表示条件を取得する、また、表示条件取得部153は、ネットワーク2に接続されたコンピュータ200からの要求により、表示条件指示画面をコンピュータ200に送信して、コンピュータ200から表示条件を受信することにより、表示条件を取得する。表示条件取得部153は、取得した表示条件を宛先データ表示制御部156に出力する。表示条件は、ここでは、宛先データが登録された装置別に表示する装置別表示と、宛先データを登録したユーザ別に表示するユーザ別表示とを含む。
宛先データ表示制御部156は、表示条件取得部153から表示条件が入力され、宛先データ抽出部154から宛先データが入力される。宛先データ表示制御部156は、宛先データを表示条件に従って複数のグループに分類して、分類したグループごとに宛先データを表示する。具体的には、宛先データ表示制御部156は、表示条件が装置別表示の場合、登録元装置識別情報が同じ宛先データを同じグループとし、グループ別に宛先データを表示部109Bに表示する。宛先データ表示制御部156は、表示条件がユーザ別表示の場合、登録ユーザ識別情報が同じ宛先データを同じグループとし、グループ別に宛先データを表示部109Bに表示する。宛先データ表示制御部156は、表示条件取得部153がネットワーク2に接続されたコンピュータ200から表示条件を取得した場合は、表示条件に従ってグループ別に分類した宛先データを、ネットワークI/F107を介して表示条件を送信してきたコンピュータ200に送信する。
図4は、コンピュータ200のハード構成の一例を示す図である。図4を参照して、コンピュータ200は、それぞれがバス208に接続されたCPU201と、CPU201の作業領域として用いられるRAM205と、CPU201が実行するプログラムを記憶するROM206と、ハードディスクドライブ(HDD)207と、コンピュータ200をネットワーク2に接続するための通信I/F202と、キーボードおよびマウス等の入力部204と、モニタ203とを含む。
図5は、コンピュータ200で実行されるアドレスデータ送信処理の流れを示すフローチャートである。アドレスデータ送信処理は、CPU201がROM206に記録されたアドレスデータ送信プログラムをRAM205にロードして実行することにより、CPU201により実行される処理である。図5を参照して、CPU201は、HDD207に記憶されたアドレスデータを読み出す(ステップS201)。そして、登録ユーザ識別情報と登録元装置識別情報とアドレスデータとを合成する(ステップS202)。登録元装置識別情報は、コンピュータ200を識別するための装置識別情報であり、コンピュータ200に予め記憶しておくようにすればよい。登録ユーザ識別情報は、コンピュータ200を操作するユーザを識別するためのユーザ識別情報であり、操作主体であるユーザがコンピュータ200を操作する際にユーザ識別情報を入力することにより、コンピュータ200に入力される。そして、合成した登録ユーザ識別情報と登録元装置識別情報とアドレスデータとをMFP100に送信する(ステップS203)。
なお、ここでは、データ送信処理が、コンピュータ200で実行される例を示したが、携帯電話211,212においても同様に実行される。
次に、コンピュータ200が送信するアドレスデータについて説明する。図6は、アドレスデータの一例を示す図である。図6を参照して、このアドレスデータは、コンピュータ200に記憶されたユーザ「児玉」のアドレスデータを示している。このため、登録元装置識別情報は、コンピュータ200の装置識別情報「PC−A」であり、登録ユーザ識別情報は、アドレスデータを所有するユーザ「児玉」のユーザ識別情報「児玉」である。アドレスデータは、宛先ユーザ識別情報と宛先アドレスとを関連付けたデータである。このため、アドレスデータは、宛先ユーザ識別情報が異なれば、宛先アドレスが異なる。
図7は、本実施の形態におけるMFPで実行される宛先データ登録処理の流れの一例を示すフローチャートである。この宛先データ登録処理は、MFP100のCPU101が記憶部102のROMに記憶された宛先データ管理プログラムをロードして実行することにより、CPU101で実行される。図7を参照して、CPU101は、アドレスデータを受信したか否かを判断する(ステップS01)。アドレスデータは、宛先アドレスと、宛先ユーザ識別情報とを含む。CPU101は、ネットワークI/F107を介してコンピュータ200からアドレスデータを受信する場合と、モデム108を介して携帯電話A211(または携帯電話B212)からアドレスデータを受信する場合とがある。CPU101は、ネットワークI/F107を介してコンピュータ200からアドレスデータを受信する場合、アドレスデータに加えて、コンピュータ200を識別するための装置識別情報と、コンピュータ200を操作するユーザを識別するためのユーザ識別情報とを受信する(ステップS01A)。コンピュータ200を識別するための装置識別情報は登録元装置識別情報であり、コンピュータ200を操作するユーザを識別するためのユーザ識別情報は登録ユーザ識別情報である。また、CPU101は、モデム108を介して携帯電話A211(または携帯電話B212)からアドレスデータを受信する場合、アドレスデータと共に、携帯電話A211(または携帯電話B212)を識別するための装置識別情報と、携帯電話A211(または携帯電話B212)を操作するユーザを識別するためのユーザ識別情報とを受信する。携帯電話A211(または携帯電話B212)を識別するための装置識別情報は登録元装置識別情報であり、携帯電話A211(または携帯電話B212)を操作するユーザを識別するためのユーザ識別情報は登録ユーザ識別情報である。
CPU101は、受信したアドレスデータからアドレスデータの数を、登録要求宛先数(X)として取得する(ステップS02)。そして、CPU101は、変数Iと変数Jを初期設定する(ステップS03)。変数Iは、登録要求宛先数Xが設定され、登録要求宛先数を記憶しておくために用いられる。変数Jは、処理したアドレスデータの数をカウントするために用いられる。
CPU101は、アドレスデータを送信してきた装置が、新規な登録元か否かを判断する(ステップS04)。具体的には、ステップS01でアドレスデータを受信した際に、アドレスデータと共に受信した登録元装置識別情報を含む宛先データが、記憶部102に記憶されている宛先データ121に存在するか否かを判断する。CPU101は、受信した登録元装置識別情報を含む宛先データが記憶部102に記憶されていなければ、新規登録元と判断して処理をステップS05に進め、そのような宛先データが記憶部102に記憶されていれば新規登録元でないと判断して処理をステップS08に進める。
CPU101は、ステップS05では、ステップS01で受信したアドレスデータを順に1つ選択して、選択したアドレスデータと、アドレスデータとともに受信した登録元装置識別情報および登録ユーザ識別情報とを関連付けた宛先データを生成して、記憶部102の宛先データ121に追加して記憶する。そして、CPU101は、変数Jを1増加して(ステップS06)、処理をステップS07に進める。ステップS07では、CPU101は、変数Jと登録要求宛先数Xを記憶する変数Jとを比較し、両者が等しければ処理を終了し、両者が等しくなければ処理をステップS05に戻す。これにより、ステップS01で、新規登録元から複数のアドレスデータが受信された場合に、複数のアドレスデータ各々が、登録元装置識別情報および登録ユーザ識別情報と関連付けた宛先データ121として記憶部102に記憶される。
ステップS08に進む場合、ステップS01で受信したアドレスデータを送信してきた装置の装置識別情報を含む宛先データが記憶部102に既に記憶されている場合である。CPU101は、ステップS08では、記憶部102に記憶されている宛先データ121のうちからステップS01でアドレスデータと共に受信した登録元装置識別情報および登録ユーザ識別情報を含む宛先データを抽出する。そして、CPU101は、抽出した宛先データを記憶部102のRAMに一時的に記憶しておき、ステップS01で受信したアドレスデータを順に1つ選択して、選択したアドレスデータと抽出した宛先データとを処理対象として以下の処理を実行する。
ステップS09では、CPU101は、宛先ユーザ識別情報および宛先アドレスが共に、選択したアドレスデータと同じ宛先データがステップS08で抽出した宛先データに存在するか否かを判断する。CPU101は、そのような宛先データが存在すれば処理をステップS13に進め、存在しなければ処理をステップS10に進める。ステップS10では、CPU101は、宛先ユーザ識別情報および宛先アドレスのいずれか一方が選択したアドレスデータと同じ宛先データが、ステップS08で抽出した宛先データに存在するか否かを判断する。CPU101は、そのような宛先データが存在すればその宛先データを特定して処理をステップS11に進め、存在しなければ処理をステップS12に進める。CPU101は、ステップS11では、ステップS10で特定した宛先データの宛先ユーザ識別情報および宛先アドレスを、ステップS08で選択したアドレスデータの宛先ユーザ識別情報および宛先アドレスに変更することにより、記憶部102に記憶されている宛先データ121を更新する。そして、CPU101は、処理をステップS13に進める。
CPU101は、ステップS12では、選択したアドレスデータと、アドレスデータとともに受信した登録元装置識別情報および登録ユーザ識別情報とを関連付けた宛先データを生成して、記憶部102の宛先データ121に追加して記憶する。そして、CPU101は、処理をステップS13に進める。
ステップS13では、CPU101は、変数Jを1増加して、次のアドレスデータを選択し、処理をステップS14に進める。ステップS14では、変数Jと登録要求宛先数Xを記憶する変数Jとを比較し、両者が等しければ処理を終了し、両者が等しくなければ処理をステップS09に戻す。これにより、CPU101は、新規登録元以外から複数のアドレスデータを受信した場合に、複数のアドレスデータのうち宛先アドレスまたは宛先ユーザ識別情報が変更されたアドレスデータに基づいて、記憶部102に記憶されている宛先データ121の宛先アドレスを変更し、複数のアドレスデータのうち新規に登録されたアドレスデータに基づいて新たな宛先データを生成して記憶部102に追加して記憶する。
CPU101は、ステップS11において、ユーザの許可が入力されることを条件に、宛先データ121を更新するようにしてもよい。この場合、CPU101は、表示部109Bに警告画面を表示させ、ユーザが入力部109Aに更新許可指示または登録中止指示を入力すると、入力部109Aに入力された更新許可指示または登録中止指示を取得する。CPU101は、更新許可指示を取得すると宛先データ121を更新するが、登録中止指示を取得すると、更新することなく処理をステップS13に進める。
図8は、警告画面の一例を示す図である。図8を参照して、登録済みデータの登録名の欄にステップS09で特定した宛先データの宛先アドレスが表示され、アドレスの欄にステップS09で特定した宛先データの登録ユーザ識別情報が表示される。また、登録要求の登録名の欄に選択したアドレスデータの宛先アドレスが表示され、アドレスの欄に選択したアドレスデータの登録ユーザ識別情報が表示される。これにより、ユーザは、宛先データ121のいずれの宛先アドレスが、新たなアドレスデータに基づき更新されるかを確認することができる。警告画面は、上書きの文字が表示された更新許可指示ボタンと、登録中止の文字が表示された登録中止ボタンとを含む。ユーザが更新許可指示ボタンを入力部109Aに指示すると、入力部109Aが更新許可指示を受付け、CPU101が更新許可指示を取得する。ユーザが登録中止ボタンを入力部109Aに指示すると、入力部109Aが登録中止指示を受け付け、CPU101が登録中止指示を取得する。
サーバなどにおいて一括管理されたアドレスデータを元に自動的に登録更新させるシステムは既に提案されていたが、複数の装置においてそれぞれの装置で使用するアドレスデータは、各個人ユーザの作業において更新されてゆくため、従来のサーバ一括管理アドレスの自動更新では対応できなかった。ユーザの使用頻度の高いパーソナルコンピュータまたは携帯電話に記憶されたアドレスデータは頻繁にアドレスの変更、追加などの更新が行われると思われるが、MFPに登録された個々のアドレスデータについて、ひとつひとつのアドレスデータを拾い出して変更、追加を行ってゆくのは、ユーザにとって煩雑な作業である。上述したように、MFPにおいて各装置からアドレスデータを一括で受信し、登録元の装置識別情報に基づいて、追加および変更作業を行えば、ユーザの利便性を著しく向上させることができる。
図9は、宛先データの一例を示す図である。図9を参照して、宛先データは、登録元装置識別情報と、登録ユーザ識別情報と、アドレスデータとを含む。アドレスデータは、宛先ユーザ識別情報と、宛先アドレスとを含む。登録元装置識別情報は、アドレスデータを送信してきた装置を識別するための装置識別情報である。登録ユーザ識別情報は、MFP100にアドレスデータを登録するために、MFP100にアドレスデータの取得を指示したユーザを識別するためのユーザ識別情報である。登録ユーザ識別情報で特定されるユーザは、コンピュータ200からアドレスデータの送信を指示したユーザ、または、MFP100を操作して上述した宛先データ登録処理の実行を指示したユーザであってもよい。宛先ユーザ識別情報は、アドレスデータの宛先ユーザ識別情報と同じであり、データの送信先のユーザを特定するためのユーザ識別情報である。宛先アドレスは、アドレスデータの宛先アドレスと同じであり、データの送信先のアドレスである。ここでは、宛先アドレスを、電子メールアドレスまたはファクシミリ番号としている。宛先データは、宛先ユーザ識別情報と宛先アドレスとが共に同じであっても、登録元装置識別情報および登録ユーザ識別情報のいずれか一方でも異なれば、異なる宛先データである。
図10は、更新後の宛先データの一例を示す図である。ここでは、図9に示した宛先データが図6に示したアドレスデータにより更新された後の宛先データを示している。図9および図10を用いて宛先データの登録処理の具体例を説明する。まず、宛先データのうちから登録元装置識別情報が「PC−A」で、登録ユーザ識別情報が「児玉」であるNo.1〜3の宛先データが抽出される。元々MFP100に登録されていた宛先データから抽出されたNo.1〜3の宛先データと新たに取得したアドレスデータを順に比較していく。まず、新たに取得したNo.1のアドレスデータが選択され、No.1のアドレスデータと宛先ユーザ識別情報とが一致するNo.1の宛先データが特定される。No.1のアドレスデータとNo.1の宛先データとは宛先アドレスが異なるので、No.1の宛先データの宛先アドレスがNo.1のアドレスデータの宛先アドレスに変更される。次に、No.2のアドレスデータが選択され、宛先アドレスが一致するNo.2の宛先データが特定される。No.2のアドレスデータとNo.2の宛先データとは宛先ユーザ識別情報が異なるので、No.2の宛先データの宛先ユーザ識別情報がNo.2のアドレスデータの宛先ユーザ識別情報に変更される。次に、No.3のアドレスデータが選択され、宛先ユーザ識別情報および宛先アドレスが一致するNo.3の宛先データが特定される。No.3のアドレスデータとNo.3の宛先データとは、宛先ユーザ識別情報および宛先アドレスが共に同じなので、No.3の宛先データは変更されない。最後に、No.4のアドレスデータが選択され、No.1〜No.3の宛先データのうちに宛先ユーザ識別情報および宛先アドレスの少なくとも一方が一致する宛先データが存在しないので、登録元装置識別情報を「PC−A」とし、登録ユーザ識別情報を「児玉」とし、宛先ユーザ識別情報を「花子」とし、宛先アドレスを「072−111−1111」とするNo.8の宛先データが新規に登録され、追加して記憶部102に記憶される。
図11は、本実施の形態におけるMFPで実行されるアドレス表示処理の流れを示すフローチャートである。このアドレス表示処理は、MFP100のCPU101が記憶部102のROMに記憶された宛先データ管理プログラムをロードして実行することにより、CPU101で実行される。図11を参照して、CPU101は、MFP100を操作するユーザの認証情報を取得する(ステップS21)。具体的には、CPU101は、表示部109Bにログイン画面を表示させる。ユーザが入力部109Aに認証情報を入力すると、入力部109Aが認証情報を受付け、CPU101が入力部109Aから認証情報を取得する。CPU101は、認証情報を取得すると、処理をステップS22に進めてユーザを認証する(ステップS22)。CPU101は、取得した認証情報を、記憶部102に予め記憶された認証データ123と比較して、取得した認証情報に一致する認証データ123が記憶部102に記憶されていればユーザを認証して処理をステップS23に進めるが(ステップS22でOK)、取得した認証情報に一致する認証データ123が記憶部102に記憶されていなければユーザを認証することなく処理をステップS21に戻す(ステップS22でNG)。
ステップS23では、CPU101は、MFP100がユーザ別表示モードに設定されているか否かを判断する。CPU101は、MFP100がユーザ別表示モードに設定されていれば処理をステップS24に進め、ユーザ別表示モードに設定されていなければ処理をステップS25に進める。ステップS25では、CPU101は、MFP100が装置別表示モードに設定されているか否かを判断する。CPU101は、MFP100が装置別表示モードに設定されていれば処理をステップS26に進め、装置別表示モードに設定されていなければ処理をステップS27に進める。MFP100は、ユーザ別表示モードと、装置別表示モードと、全表示モードの3つの表示モードのいずれかに設定可能である。MFP100は、MFP100のユーザが入力部109Aを操作することにより、ユーザ別表示モードと、装置別表示モードと、全表示モードとのいずれかに設定される。すなわち、MFP100の表示モードをユーザ別表示モードと、装置別表示モードと、全表示モードとのいずれに設定するかは、ユーザの意思により定まる。CPU101は、ステップS24ではユーザ別表示処理を実行し、ステップS26では装置別表示処理を実行し、ステップS27では全表示処理を実行する。
図12は、ユーザ別表示処理の一例を示すフローチャートである。図12を参照して、CPU101は、MFP100がセキュリティーモードONに設定されているか否かを判断する(ステップS31)。MFP100は、セキュリティーモードがONとOFFのいずれかに設定可能である。MFP100は、MFP100のユーザが入力部109Aを操作することにより、セキュリティーモードがONとOFFとのいずれかに設定される。すなわち、MFP100のセキュリティーモードをONとOFFとのいずれに設定するかは、ユーザの意思により定まる。ここでのユーザは、MFP100を管理するユーザであることが好ましい。CPU101は、MFP100がセキュリティーモードONに設定されていれば処理をステップS32に進め、セキュリティーモードOFFに設定されていれば処理をステップS34に進める。ステップS32では、CPU101は、ユーザ認証されたログインユーザの宛先データを抽出する。CPU101は、記憶部102に記憶された宛先データ121のうちからユーザ認証されたログインユーザのユーザ識別情報を登録ユーザ識別情報とする宛先データを抽出する。そして、CPU101は抽出した宛先データを表示対象としてステップS33に処理を進める。ステップS33では、ステップS32で抽出された宛先データを表示部109Bに表示する。一方、ステップS34では、CPU101は、記憶部102に記憶されている宛先データ121の全てを表示対象として、全ての宛先データ121を表示部109Bに表示する。ステップS34では、CPU101は、宛先データ121を登録ユーザ情報別に表示する。換言すれば、同じ登録ユーザ情報の宛先データ121を同じグループに分類し、グループごとに宛先データ121を表示する。ステップS32では、ログインユーザが登録ユーザである宛先データを抽出したが、ログインユーザの有する権限において、アクセスが許可されている宛先データを抽出するようにしてもよい。
図13は、ユーザ別表示処理が実行されて表示される表示画面の一例を示す図である。図13(A)は、セキュリティーモードONの状態で、ユーザ識別情報「児玉」のユーザがユーザ認証された場合に表示される表示画面の一例を示す図である。図13(B)は、セキュリティーモードOFFの状態で表示される表示画面の一例を示す図である。図13(A)では、ログインユーザのユーザ識別情報「児玉」を登録ユーザ識別情報とする宛先データ121のみが表示される。図13(B)では、記憶部102に記憶された宛先データ121が、登録ユーザ識別情報別に表示される。図では、登録ユーザ識別情報を「児玉」とする宛先データ121のみが表示される例を示している。宛先データ121の表示は宛先ユーザ識別情報の表示である。別の登録ユーザ識別情報の宛先データ121の表示に切替えるためには、別の登録ユーザ識別情報「前川」が表示されたタグを指示することにより、登録ユーザ識別情報を「前川」とする宛先データ121の表示に切換わる。
図14は、装置別表示処理の一例を示すフローチャートである。図14を参照して、ステップS41およびステップS42の処理は、図12に示したステップS31およびステップS32とそれぞれ同じなのでここでは説明を繰り返さない。ステップS43では、CPU101は、ステップS42で抽出された宛先データ121を表示対象として宛先データ121を装置別に表示部109Bに表示する。CPU101は、表示対象の宛先データ121のうち登録元装置識別情報が同じ宛先データ121を同じグループに分類し、グループごとに宛先データ121を表示する。一方、ステップS44では、CPU101は、記憶部102に記憶されている宛先データ121の全てを表示対象として、全ての宛先データ121を表示部109Bに表示する。ステップS34では、CPU101は、宛先データ121を登録元装置識別情報別に表示する。換言すれば、登録元装置識別情報が同じ宛先データ121を同じグループに分類し、グループごとに宛先データ121を表示する。
図15は、装置別表示処理が実行されて表示される表示画面の一例を示す図である。図15(A)は、セキュリティーモードONの状態で、ユーザ識別情報「児玉」がユーザ認証された場合に表示される表示画面の一例を示す図である。図15(B)は、セキュリティーモードOFFの状態で表示される表示画面の一例を示す図である。図15(A)では、ログインユーザであるユーザ識別情報「児玉」を登録ユーザ識別情報とする宛先データ121のみが表示される。宛先データ121の表示は宛先ユーザ識別情報の表示である。また、登録元装置識別情報が「携帯電話B」の宛先データの宛先ユーザ識別情報のみが表示される。別の登録元装置識別情報の宛先データ121の表示に切替えるためには、別の登録元装置識別情報「PC−A」が表示されたタグを指示することにより、登録元装置識別情報を「PC−A」とする宛先データ121の表示に切換わる。
図15(B)では、記憶部102に記憶された宛先データ121が、登録元装置識別情報別に表示される。図では、登録元装置識別情報を「PC−A」とする宛先データ121が表示されている例を示している。宛先データ121の表示は宛先ユーザ識別情報の表示である。別の登録元装置識別情報の宛先データ121の表示に切替えるためには、別の登録元装置識別情報「携帯電話A」または「携帯電話B」が表示されたタグを指示することにより、登録元装置識別情報を「携帯電話A」とする宛先データ121の表示、または「携帯電話B」とする宛先データ121の表示に切換わる。
図15(A)または図15(B)に示した表示画面において、表示されている宛先ユーザ識別情報を指示することにより、宛先ユーザ識別情報を含む宛先データの詳細が表示される。図16は、宛先データ表示画面の一例を示す図である。図16は、図15(A)において、宛先ユーザ識別情報「花子」が指示された場合に表示される宛先データ表示画面を示す。ここで、図10を参照して、登録ユーザ識別情報「児玉」と宛先ユーザ識別情報「花子」を含む宛先データは、2つある。このため、宛先データ表示画面は、2つの宛先データを含む。宛先データ表示画面は、2つのあて先データを識別するために、「アドレス1」および「アドレス2」のアドレス番号をそれぞれ付与して表示する。宛先データ表示画面は、「アドレス1」および「アドレス2」の識別情報のいずれかを選択するための領域を含む。図16では、選択アドレス番号に「2」が指示された例を示しており、「アドレス2」のアドレス番号が選択されたことを示しており、宛先アドレスに「hana@test.jp」が選択される。
図17は、全表示処理の一例を示すフローチャートである。図17を参照して、ステップS51およびステップS52の処理は、図12に示したステップS31およびステップS32とそれぞれ同じなのでここでは説明を繰り返さない。ステップS53では、CPU101は、ステップS52で抽出された宛先データ121を表示対象として宛先データ121を表示部109Bに表示する。一方、ステップS54では、CPU101は、記憶部102に記憶されている宛先データ121の全てを表示対象として、全ての宛先データ121を表示部109Bに表示する。
図18は、全表示処理が実行されて表示される表示画面の一例を示す図である。図18(A)は、セキュリティーモードONの状態で、ユーザ識別情報「児玉」がユーザ認証された場合に表示される表示画面の一例を示す図である。図18(B)は、セキュリティーモードOFFの状態で表示される表示画面の一例を示す図である。図18(A)では、ログインユーザであるユーザ識別情報「児玉」を登録ユーザ識別情報とする宛先データ121のみが一覧表示される。図18(B)では、記憶部102に記憶された宛先データ121の全てが一覧表示される。宛先データ121の表示は宛先ユーザ識別情報の表示である。
上述した実施の形態においては、宛先データに登録ユーザ識別情報を含めるようにしたが、宛先データに登録ユーザ情報を含めることなく、登録元装置識別情報とアドレスデータとを関連付けるようにしてもよい。この場合、コンピュータ200または携帯電話211,212から登録ユーザ識別情報を受信する必要はない。このため、図10に示した、宛先データは、登録ユーザ識別情報の項目を除くデータとなる。登録元装置識別情報と宛先ユーザ識別情報とが同じ2つの宛先データが登録されるのを防止するため、また、登録元装置識別情報と宛先アドレスとが同じ2つの宛先データが登録されるのを防止するため、図7の宛先データ登録処理においては、ステップS08において、登録元装置が同一の宛先データを抽出する。そして、ステップS09においては、登録されている全ての宛先データと受信したアドレスデータとを比較し、宛先ユーザ識別情報および宛先アドレスが同一か否かを判断し、ステップS10においては、登録されている全ての宛先データと受信したアドレスデータとを比較し、宛先ユーザ識別情報および宛先アドレスのいずれか一方が同一か否かを判断する。すなわち、MFP100は、装置からアドレスデータを受信した場合、既に登録されている宛先データのうちに、アドレスデータを受信した装置に割当てられている登録装置識別情報を含み、かつ、アドレスデータに含まれる宛先ユーザ識別情報と宛先アドレスとが同じ宛先データが登録されていない場合、装置から受信したアドレスデータとアドレスデータを送信してきた装置(アドレスデータを記憶していた装置)に割当てられている登録装置識別情報とからなる宛先データを新たに追加して登録する。また、装置からアドレスデータを受信した場合、既に登録されている宛先データのうちに、アドレスデータを送信してきた装置に割当てられている登録装置識別情報を含み、かつ、アドレスデータに含まれる宛先ユーザ識別情報と宛先アドレスとのいずれか一方のみが同じ宛先データが既に登録されている場合、その宛先データのアドレスデータ(宛先ユーザ識別情報と宛先アドレス)を、装置から受信したアドレスデータに変更する。
また、宛先データの表示においては、登録ユーザ識別情報をキーにして宛先データを抽出することができない。すなわち、図11に示したステップS23およびステップS24は、実行されることなく、ステップS22でユーザ認証された場合は、処理がステップS25に進むことになる。また、図12に示したユーザ別表示処理は実行されることがない。さらに、図14に示した装置別表示処理は、セキュリティーモードに関係なく、全ユーザの宛先データが装置別に表示される。さらに、図17に示した全表示処理においては、セキュリティーモードに関係なく、全ユーザの宛先データが一覧表示される。
以上説明したように本実施の形態におけるMFP100は、宛先のユーザを識別するための宛先ユーザ識別情報と宛先を特定するための宛先アドレスとを関連付けたアドレスデータと、アドレスデータを出力した装置の登録元装置識別情報とを取得するアドレスデータ取得部151と、取得されたアドレスデータと取得された登録元装置識別情報とを関連付けた宛先データを登録し、記憶部102に記憶する宛先データ登録部152とを備える。このため、コンピュータ200、携帯電話A211、携帯電話B212より入力されたアドレスデータを登録元装置識別情報と関連付けて、MFP100に登録して記憶することができる。よって、ユーザは各装置において使い慣れたアドレスを、使い慣れた状態を維持したままMFP100においても使用することができるようになる。
また、宛先データ登録部152は、アドレスデータとともに取得された登録元装置識別情報を含み、かつ、宛先ユーザ識別情報および宛先アドレスのいずれか一方のみがアドレスデータと一致する宛先データが既に記憶されている場合、記憶されている宛先データのアドレスデータを、取得されたアドレスデータに変更する。このため、例えば、携帯電話A211のアドレスデータが変更されたとしても、その変更をMFP100の宛先データに反映することができる。
また、宛先データ登録部152は、アドレスデータとともに取得された登録装置識別情報を含み、かつ、宛先ユーザ識別情報および宛先情報の少なくとも一方がアドレスデータと一致する宛先データが記憶されていない場合、取得されたアドレスデータと取得された装置識別情報とを関連付けた宛先データを記憶部102に追加して登録し、記憶する。このため、例えば、携帯電話A211にアドレスデータが追加されたとしても、その追加をMFP100の宛先データに反映することができる。
また、MFP100は、宛先のユーザを識別するための宛先ユーザ識別情報と宛先を特定するための宛先アドレスとを関連付けたアドレスデータと、アドレスデータを出力した装置の登録元装置識別情報と、アドレスデータの取得を指示したユーザを識別するための登録ユーザ識別情報とを取得するアドレスデータ取得部151と、取得されたアドレスデータ、取得された登録元装置識別情報および取得された登録ユーザ識別情報とを関連付けた宛先データを記憶部102に記憶する宛先データ登録部152とを備える。このため、コンピュータ200、携帯電話A211、携帯電話B212でユーザごとに入力されたアドレスデータをMFP100に記憶することができる。
また、宛先データ登録部152は、アドレスデータとともに取得された登録元装置識別情報および登録ユーザ識別情報を含み、かつ、宛先ユーザ識別情報および宛先アドレスのいずれか一方のみがアドレスデータと一致する宛先データが既に記憶されている場合、記憶されている宛先データのアドレスデータを、取得されたアドレスデータに変更する。このため、例えば、携帯電話A211のアドレスデータが変更されたとしても、その変更をMFP100の宛先データに反映することができる。
また、宛先データ登録部152は、アドレスデータとともに取得された登録装置識別情報および登録ユーザ識別情報を含み、かつ、宛先ユーザ識別情報および宛先情報の少なくとも一方がアドレスデータと一致する宛先データが記憶されていない場合、取得されたアドレスデータと取得された装置識別情報と取得された登録ユーザ識別情報とを関連付けた宛先データを記憶部102に追加して登録し、記憶する。このため、例えば、携帯電話A211にアドレスデータが追加されたとしても、その追加をMFP100の宛先データに反映することができる。
また、同じ登録元装置識別情報または登録ユーザ識別情報の宛先データを同じグループに分類して、グループごとに宛先データの宛先情報を表示するので、所望の宛先データの選択が容易となる。特に、宛先データの数が増えた場合でも表示する数が減るので、選択が容易となる。
また、ユーザを認証するための認証情報の入力を受付け、ユーザの認証が成功した場合、認証されたユーザに割り当てられたユーザ識別情報を登録ユーザ識別情報に含む宛先データを表示し、認証が失敗した場合は宛先データを表示しないので、宛先データが他人に見られることがなく、セキュリティーが向上する。
なお、本実施の形態においては、MFP100について説明したが、図7に示した宛先データ登録処理、または図11、図12、図14および図17に示したアドレス表示処理をMFP100に実行させる方法および宛先管理処理またはアドレス表示処理をMFP100に実行させるためにCPU101で実行される宛先データ管理プログラムとして、本発明を把握することができるのはいうまでもない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。