JP4952612B2 - 二成分現像剤および画像形成方法 - Google Patents
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Description
このため、この技術においては、長期間にわたって安定した画像を形成することが必要とされてきており、さらには現像剤の交換サイクルをできるだけ長くしたいとの要望がなされている。
一方、電子写真方式の画像形成方法において、安定した画像を形成するためには、キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を使用することが好ましいとされている。これは、キャリアは帯電付与性能を有するためにトナーに確実に電荷を与えることができ、さらに摩擦帯電付与部位が多く存在するために帯電立ち上がりを素早く得ることができて高速現像に好適であるからと考えられている。
この現像剤の交換をできるだけ少なくするために、使用済みの現像剤を徐々に廃棄し、廃棄した分のトナーおよびキャリアを補給する、いわゆるトリクル現像方式とよばれる画像形成方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
このトリクル現像方式においては、使用済み現像剤を徐々に現像装置の内部から廃棄し、その量に応じたキャリア、および画像形成に消費された分に加えて廃棄された現像剤に含まれる分のトナーの継続的または断続的な補給が行われる。このような方式を採用することにより、劣化した現像剤(キャリア)が徐々に新しいものに交換されるため、現像剤の過度な劣化が抑制され、長期間にわたって現像剤の交換の必要がないとされている。
また、本発明の他の目的は、トリクル現像方式を採用した画像形成方法において、上記の二成分現像剤を用いる画像形成方法を提供することにある。
このトナー飛散やカブリによる画質低下や画質劣化、あるいは機内汚染の発生の問題を解決するためには、外添剤微粒子のキャリアへの移行の抑制するために外添剤微粒子の過剰帯電を抑制することが必要と考えられ、本発明の完成に至った。
前記トナーが、少なくとも着色粒子および外添剤微粒子を含有してなるものであり、
当該外添剤微粒子が、鉄の含有量が100〜1,000ppmであるチタン酸化合物よりなることを特徴とする。
また、前記外添剤微粒子は、数平均一次粒子径が50〜2,000nmであり、かつ、当該数平均一次粒子径について、下記式(1)で表されるsd値が、250nm以下であることが好ましい。
式(1):sd値(nm)=(d1 84−d1 16)/2
〔上記式(1)中、d1 84およびd1 16は、数平均一次粒子径を測定したときの全体を100%として求めた累積曲線において、それぞれ84%および16%となる粒径である。〕
また、前記トナーの酸価が、3mg・KOH/g以上35mg・KOH/g以下であることが好ましい。
二成分現像剤は、現像プロセスに継続的に補給されるものであって、
前記トナーが、少なくとも着色粒子および外添剤微粒子を含有してなるものであり、
当該外添剤微粒子が、鉄の含有量が100〜1,000ppmであるチタン酸化合物よりなることを特徴とする。
トナーに含有される特定の外添剤微粒子が十分な帯電性を有しながら過剰帯電が抑制され、キャリアへの移行が抑制される理由としては、チタン酸化合物が高誘電体であること、および微量の鉄が含有されていることにより、当該特定の外添剤微粒子がトナー粒子において有効な荷電サイトとして機能し、これによりトナーとして優れた帯電立ち上がり性および優れた帯電保持性が得られながら、過剰な電荷についてこれを適度にリークさせることができることにより、過剰帯電を抑制することができるためと推察される。
本発明の画像形成方法によれば、上記の二成分現像剤を用いて画像が形成されるため、長期間にわたって安定して高画質の画像を形成することができる。
本発明の二成分現像剤は、静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーおよびキャリアよりなる二成分現像剤により顕像化する画像形成方法における現像プロセスに継続的に補給される二成分現像剤であって、前記トナーが、少なくとも着色粒子および外添剤微粒子を含有してなるものであり、当該外添剤微粒子が、誘導結合プラズマ発光分光分析によって測定される鉄の含有量(以下、「鉄含有量」ともいう。)が100〜1,000ppm、好ましくは100〜500ppmであるチタン酸化合物よりなるものとされている。
以下、このような外添剤微粒子を「特定の外添剤微粒子」ともいう。
チタン酸化合物としては、具体的には、チタン酸金属塩化合物が好ましく、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ジルコニウムおよびチタン酸ナトリウムなどを挙げることができる。これらのうち、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウムが好ましく、チタン酸ストロンチウムおよびチタン酸バリウムは、安全性の観点から好ましくない。
具体的な測定方法は、以下の通りである。
すなわち、まず、乾燥した200mLのコニカルビーカーに測定する試料(特定の外添剤微粒子)1gを分取し、分解試薬として硫酸20mLを加え、密封型マイクロウェーブ湿式分解装置「MLS−1200MEGA」(MILESTONE社製)によりマイクロ波分解するマイクロ波分解処理を行った後、水冷する。このときマイクロ波による分解は、未溶解物がなくなるまで行うものとする。次いで、分解溶液を100mLメスフラスコに移し、標線まで蒸留水を加えて100mLにしてサンプル溶液を調製する。このサンプル溶液25mLを別の100mLメスフラスコに分取し、標線まで蒸留水を加えて100mLにして分析用溶液を調製する。そして、分析用溶液を誘導結合プラズマ発光分光分析装置を用いてFe波長=238.204nmとして測定し、試料の組成に対応する検量線と照合することにより、鉄イオンとして定量される。
検量線は、上記の分析用溶液を調製する方法において、試料としてチタン酸化合物中の鉄含有量がそれぞれ0ppm、250ppm、500ppm、750ppm、1000ppmになるように調整した標準液を調製し、この標準液を希釈して誘導結合プラズマ発光分光分析装置を用いてFe波長=238.204nmとして測定し、上記5点による検量線を引くことによって得られる。
チタン酸化合物がチタン酸カルシウムである場合は試料としてチタン酸カルシウムを用いることによりチタン酸カルシウムに係る検量線を作成することができる。また、チタン酸成分と結合された金属成分がカルシウムではない他のチタン酸化合物についても、金属成分を例えばストロンチウムやマグネシウムなどに変更することの他は同様にして検量線が得られる。そして、鉄含有量を測定すべき試料の組成(チタン酸成分と結合された金属成分の種類)に応じてこれらを使用すればよい。
一方、誘導結合プラズマ発光分光分析によって測定される鉄含有量が1,000ppmを超える場合は、得られるトナーが荷電保持能の低いものとなって特に高温高湿環境下における帯電量が低いものとなって現像性および転写性が低くなる。
特定の外添剤微粒子は、数平均一次粒子径が50〜2,000nmであることが好ましく、より好ましくは50〜400nmであり、当該数平均一次粒子径のsd値が250nm以下の粒径分布がシャープなものであることが好ましく、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは150nm以下である。
sd値が上記の範囲にあることにより、使用に際して各特定の外添剤微粒子のトナーに対する帯電寄与性能のバラツキの程度が小さくなり、得られるトナーが高い均一性を有するものとなると考えられる。
なお、従来知られているチタン酸カルシウム粒子、チタン酸マグネシウム粒子としては、このような数平均一次粒子径およびシャープな粒径分布を有するものはない。
具体的には、30,000倍に拡大したSEM写真をスキャナーにより取り込み、画像処理解析装置「LUZEX AP」(ニレコ社製)にて、当該SEM写真画像のトナー表面に存在する外添剤微粒子について2値化処理し、外添剤微粒子1種につき100個についての水平方向のフェレ径を算出し、その平均値が数平均一次粒子径とされる。
なお、外添剤微粒子の数平均一次粒子径が小径であって凝集体としてトナー表面に存在する場合は、当該凝集体を形成する一次粒子の粒子径を測定するものとする。
また、sd値は、数平均一次粒子径を測定したとき、その全体を100%として累積曲線を求め、累積曲線が75%,25%となる粒径をd1 75,d1 25とし、下記式(1)より、算出されるものである。
式(1):sd値(nm)=(d1 75−d1 25)/2
特定の外添剤微粒子は、そのBET比表面積が5〜20m2 /gのものであることが好ましく、より好ましくは10〜18m2 /g、さらに好ましくは10〜16m2 /gである。
なお、BET比表面積とは、例えば窒素ガスのような吸着占有面積が既知であるガス分子の吸着量から、BET吸着等温式を利用して算出した比表面積である。
特定の外添剤微粒子のBET比表面積が上記の範囲であることにより、当該特定の外添剤微粒子の着色粒子への埋没や着色粒子の表面からの離脱が生じることなく外添剤として安定して作用する環境が形成される。
具体的には、まず、特定の外添剤微粒子2gをストレートサンプルセルに充填し、前処理としてセル内を窒素ガス(純度99.999%)で2時間置換し、その後、測定装置本体によって特定の外添剤微粒子に窒素ガス(純度99.999%)を吸脱着させることにより、算出される。
本発明においては、トナーの酸価は、3mg・KOH/g以上35mg・KOH/g以下であることが好ましく、7mg・KOH/g以上25mg・KOH/g以下であることがより好ましい。
トナーの酸価が3mg・KOH/g以上35mg・KOH/g以下であることにより、高温高湿環境や低温低湿環境などの環境下においても、トナーの帯電保持性と帯電立ち上がり性の両方を得ることができる。
特定の外添剤微粒子の添加割合は、着色粒子に対して特定の外添剤微粒子の添加割合が0.1〜10.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.3〜5.0質量%、さらに好ましくは0.4〜2.0質量%である。
特定の外添剤微粒子の添加割合が0.1質量%未満である場合は、高い帯電環境安定性などが得られないおそれがあり、一方、特定の外添剤微粒子の添加割合が10.0質量%を超える場合は、得られるトナー粒子において、外添剤微粒子の離脱現象などが発生し、この離脱した外添剤微粒子によって感光体などの静電潜像担持体にキズが発生してしまうなどのおそれがある。
本発明の二成分現像剤のトナーに含有される特定の外添剤微粒子の製造方法としては、特に限定されないが、例えば常圧加熱反応法により、ペロブスカイト型チタン酸化合物を製造する方法を挙げることができる。
具体的には、酸化チタン源と、この酸化チタン源におけるチタン成分と反応させる化合物として、ストロンチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、ジルコニウムおよびナトリウムなどの特定金属元素とを含有する混合溶液に、50℃以上においてアルカリ水溶液を添加しながら反応させることにより、製造することができる。
また、特定金属元素の元素源としては、特定金属元素の硝酸化合物、塩化化合物、炭酸化合物などの水溶性酸性化合物を使用することができる。
また、アルカリ水溶液としては、苛性アルカリの水溶液が挙げられ、特に水酸化ナトリウム水溶液を使用することが好ましい。
酸化チタン源と特定金属元素の元素源の混合割合は、特定金属元素をXとしたときにXO/TiO2 のモル比で0.9〜1.4とされることが好ましく、より好ましくは0.95〜1.15、さらに好ましくは1.0〜1.15である。
また、反応過程において、アルカリ水溶液を添加するときの温度が高いほど良好な結晶性のものが得られるが、この温度は実用的には50〜101℃の範囲が適当である。
また、アルカリ水溶液の添加速度は、目的とするチタン酸化合物粒子の一次粒子径によっても異なるが、例えば仕込み原料に対して好ましくは0.001〜1.0当量/h、より好ましくは0.005〜0.5当量/hとされる。アルカリ水溶液の添加速度は、目的に応じて添加途中で変更することもできる。
鉄成分を含有する材料としては、水溶性の塩化第二鉄(FeCl2 )、塩化第三鉄(FeCl3 );硫酸第一鉄(FeSO4 )、硫酸第二鉄(Fe2 (SO4 )3 )の無水物または水和物などを、水に溶解させて使用することが好ましく、また、酸化鉄粉のような粉体やスラリーも使用することができる。
疎水化処理方法としては、例えば、疎水化剤を単独で、またはテトラヒドロフラン(THF)、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトンまたはアセトンなどの有機溶剤に溶解させた希釈液として用い、粉末状のチタン酸化合物粒子をブレンダーなどによって強制的に撹拌しながら、疎水化剤またはその希釈液を滴下または噴霧して添加し、十分に混合する乾式法や、チタン酸化合物粒子を、疎水化剤を有機溶剤に溶解させた溶液に浸漬し、十分に混合する方法や、水系媒体中に所望の疎水化剤を分散させ、この疎水化剤が分散された水系媒体にチタン酸化合物粒子を浸漬し、十分に混合した後、乾燥させて解砕する湿式法などが挙げられる。また、これらの乾式法および湿式法を併用してもよい。
これらの中で、処理方法としては、チタン酸化合物による各粒子について疎水化処理の均一性の向上や、安全性、コストの観点から、水系媒体中に疎水化剤を分散させてチタン酸化合物粒子を浸漬する湿式法が好ましく、さらに好ましくは疎水化剤として水系エマルションの状態のものを用い、水系媒体中において疎水化処理する湿式法である。
疎水化剤の添加割合が0.1質量%未満である場合は、十分な疎水化の効果が得られないおそれがあり、一方、疎水化剤の添加割合が5.0質量%を超える場合は、処理すべき外添剤微粒子に対して過剰に存在する状態となり、外添剤微粒子表面の疎水化処理に寄与しない疎水化剤が、分散媒体と共に排出されたり、当該疎水化剤同士が凝集したりすることにより、製造装置内や画像形成装置を汚染してしまうおそれがある。
本発明の二成分現像剤のトナーに含有される外添剤微粒子としては、以上説明したような特定の外添剤微粒子のみに限定されず、その他の外添剤微粒子を併用してもよい。
その他の外添剤微粒子を併用する場合は、全外添剤微粒子として着色粒子に対して0.1〜10質量%添加されることが好ましい。そのうち、前述のように、特定の外添剤微粒子が0.3〜5質量%添加されることがより好ましい。
これらのその他の外添剤微粒子としては、種々のものを組み合わせて使用してもよい。
以上のような外添剤微粒子を、トナーを形成すべき着色粒子に添加することにより、トナーが得られる。
外添剤微粒子の添加において、外添剤微粒子を添加するために使用される混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミルなどの機械式の混合装置を使用することができる。
本発明の二成分現像剤を構成するトナーは、着色粒子および特定の外添剤微粒子を含有するものである。
トナーを構成する着色粒子を製造する方法としては、特に限定されるものではなく、粉砕法、懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル分子伸長法その他の公知の方法などを挙げることができる。当該トナーを構成する着色粒子は、中でも乳化凝集法によって得ることが好ましく、特に、ミニエマルション重合粒子を乳化重合によって多段重合構成とした樹脂粒子を、会合(凝集/融着)するミニエマルション重合凝集法によって得ることが好ましい。
(1)着色剤および必要に応じて離型剤、荷電制御剤などのトナー粒子構成材料を結着樹脂となる重合性単量体に溶解または分散させて重合性単量体溶液を得る溶解・分散工程
(2)重合性単量体溶液を水系媒体中で油滴化し、ミニエマルション法により結着樹脂微粒子の分散液を調製する重合工程
(3)結着樹脂微粒子を水系媒体中で塩析、凝集、融着させて凝集粒子を形成する凝集・融着工程
(4)凝集粒子を熱エネルギーにより熟成して形状を調整し着色粒子の分散液を得る熟成工程
(5)着色粒子の分散液を冷却する冷却工程
(6)冷却された着色粒子の分散液から当該着色粒子を固液分離し、当該着色粒子から界面活性剤などを除去する濾過・洗浄工程
(7)洗浄処理された着色粒子を乾燥する乾燥工程
から構成される。
本発明に係るトナーを構成する着色粒子が粉砕法、溶解懸濁法などによって製造される場合には、トナーの着色粒子を構成する結着樹脂として、公知の種々の樹脂を挙げることができる。
本発明に係るトナーの着色粒子を構成する着色剤としては、公知の無機または有機着色剤を使用することができる。
着色剤の添加量は着色粒子に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲とされる。
本発明に係るトナーを構成する着色粒子中には、必要に応じて離型剤や荷電制御剤が含有されていてもよい。離型剤や荷電制御剤としては、各々、公知の種々の化合物を用いることができる。
本発明の二成分現像剤に係るトナー粒子を構成する着色粒子の粒径は、個数平均粒径で3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、重合法により着色粒子を形成させる場合には、上述したトナーの製造方法において、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体の組成によって制御することができる。
個数平均粒径が3〜8μmであることにより、細線の再現性や、写真画像の高画質化が達成できると共に、トナーの消費量を大粒径トナーを用いた場合に比して削減することができる。
本発明の二成分現像剤において、トナーと混合されるキャリアとしては、特に限定されずに公知の種々のものを挙げることができるが、磁性芯材の表面に樹脂被覆層が形成されて構成された樹脂被覆キャリアを用いることが好ましい。
また、これらのモノマーと共重合して(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を形成することができるモノマーとしては、スチレンやα−メチルスチレンなどのスチレン類、加重合性不飽和カルボン酸類およびそのエステル化物、脂肪族モノオレフィン、共役ジエン系脂肪族ジオレフィン、含窒素ビニル化合物、酢酸ビニル類、ビニルエーテル類、ビニルシラン化合物などが挙げられる。
アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジルなどを挙げることができる。これらは単独でまたは組み合わせて使用することができる。
キャリアの体積平均粒径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
以上のような樹脂被覆キャリアは、磁性芯材の表面上に樹脂被覆層を設けて製造することができる。
具体的には、樹脂被覆層は、磁性芯材の表面上に公知の乾式法や、溶媒コーティング法、溶媒浸漬法などの湿式法などにより設けることができ、これらの中で乾式法を採用することが、製造コスト、環境負荷低減の観点から好ましい。
この画像形成装置は、カラー画像形成装置であって、4組の画像形成ユニット100Y、100M、100C、100Kが中間転写体である中間転写ベルト17に沿って設けられた構成のタンデム方式のカラー画像形成装置である。
そして、この現像装置13Y、13M、13C、13Kは、トナーおよびキャリアが補給用ホッパ42Y、42M、42C、42Kから徐々に補給され、さらに二成分現像剤が回収ボックス46Y、46M、46C、46Kに徐々に排出される、いわゆるトリクル現像方式のものである。
中間転写ベルト17を構成する基体としては、上記に挙げた半導電性フィルムよりなる基体の他に、シリコンゴム、ウレタンゴムなどに導電性材料を分散させた厚さ0.5〜2.0mmの半導電性ゴムよりなる基体を挙げることもできる。
図1に示される4組の画像形成ユニット100Y、100M、100C、100Kにおける現像装置13Y、13M、13C、13Kは、充填されるトナーの色が互いに異なること以外は同じ構成を有する。以下においては、代表して現像装置13Yについて説明する。
図2は、本発明の二成分現像剤を用いたトリクル現像方式の現像に用いられる現像装置の構成の一例を示す説明図である。
この現像装置13Yは、新現像剤補給機構(図示せず)によってトナーおよびキャリアが継続的または断続的に補給され、かつ、現像装置13Y内の二成分現像剤の一部が継続的または断続的に少しずつ排出されながら現像が行われるトリクル現像方式の現像に用いられるものである。
そして、補給すべきトナー(以下、「新トナー」という。)の量は、現像プロセスにより消費されるトナーの量に対応した量であり、(以下、「新キャリア」という。)の量は、現像装置13Y内において二成分現像剤が実質的に同じ成分となる量とされる。
新キャリアは、単独で補給されてもよく、新トナーと混合された状態において補給されてもよい。
また、新キャリアが単独で補給される場合には、例えば新キャリアを1千回の画像形成動作毎に0.1〜10g程度補給し、画像形成動作が50万回を経過したときに50〜5000g程度補給することが好ましく、より好ましい補給量は、1千回の画像形成動作毎に0.5〜5g程度、画像形成動作が50万回を経過したときに250〜2500g程度である。
以上において、現像装置13Y内に補給される新キャリアが過多である場合は、不必要に大量の新キャリアを使用することとなるため、使用コストが高いものとなってしまう。
一方、現像装置13Y内に補給される新キャリアが過少である場合は、二成分現像剤中のキャリアの入れ替えが不十分となり、トリクル現像方式による効果を十分に得ることができない。
現像スリーブ52は、例えば厚み0.5〜1mm、外径15〜25mmの、例えばステンレス、アルミニウムなどの非磁性材からなる円筒状体により形成されているとすることができる。
この搬送供給ローラ57は、円柱状の軸部材の外周面に例えば4つの平板状の羽根部材57a、57a、57a、57aの各々が軸部材の外周面における周方向に互いに等間隔毎に離間した位置において径方向外方に延びるよう設けられた十字パドル形状を有するものである。
すなわち、ハウジング51内に充填された二成分現像剤が、撹拌スクリュー55A、55Bによって撹拌・混合され、搬送供給ローラ57によって現像スリーブ52の外周面に運ばれた後、磁力により現像スリーブ52の外周面に付着され、さらに層厚規制部材58によってその厚みが規制されて磁気ブラシによる現像剤層が形成され、これが現像領域Rに搬送され、当該現像領域Rにおいて、現像スリーブ52と感光体ドラム10Yとの間に直流(DC)電圧に必要に応じて交流(AC)電圧が重畳された現像バイアス電圧が印加されることによって、非接触式の反転現像が行われて感光体ドラム10Y上の静電潜像が顕像化される。
一方、静電潜像を顕像化しなかった二成分現像剤は、磁極N2、N3の反発磁界と除去板56の磁石板56aとの作用により現像スリーブ52から剥ぎ取られ、搬送供給ローラ57により再度撹拌スクリュー55A、55Bへと搬送される。
具体的には、補給口49からハウジング51内に補給された新現像剤は、撹拌スクリュー55A、55Bにより、ハウジング51内に充填されているトナーおよびキャリアと撹拌・混合されて均質なトナー濃度を有する二成分現像剤とされる。
具体的には、補給用ホッパ42Yに供給された新現像剤が、補給用ホッパ42Yの下端に設けられた供給ローラ43Yの回転により補給路44Yを通って現像装置13Y内へ補給される。
具体的には、撹拌スクリュー55A、55Bが通常の撹拌・混合時とは逆回転駆動されることにより、二成分現像剤がハウジング51から排出され、撹拌スクリュー55A、55Bの逆回転駆動と同時に回転が開始される搬送スクリュー45Yによって画像形成装置の下部に設けられた回収ボックス46Yに回収される。
このような動作によってハウジング51内の二成分現像剤の排出が行われ、界面レベル検知手段によってハウジング51内の二成分現像剤が標準レベルまで減量したことが検知されることにより、撹拌スクリュー55A、55Bの逆回転駆動が停止されて二成分現像剤の排出が停止される。
現像剤供給動作が選択されることによって、供給ローラ43Yの1回転毎に補給される新現像剤の量はそれぞれ略一定となっているところ、供給ローラ43Yの所定回数の回転が行われ、ハウジング51内に適正なトナー濃度を有する適量の二成分現像剤を充填することができる。また、この現像剤供給動作は、定量の二成分現像剤をハウジング51内に充填するのではなく、二成分現像剤を継続的に補給して界面レベル検知手段によって所定量の二成分現像剤が充填されたことを検知したときに、その補給が停止されるよう行われてもよい。
また、現像剤排出動作が選択されることによって、撹拌スクリュー55A、55Bが逆回転駆動され、併せて搬送スクリュー45Yが回転されることにより、二成分現像剤が排出されて回収ボックス46Y内に回収される。撹拌スクリュー55A、55Bは、ハウジング51内の最も低いレベル位置に位置し、しかも側端部に配置されているので、撹拌スクリュー55A、55Bの逆回転駆動を継続することによってハウジング51内の二成分現像剤を全て排出することができる。
本発明の二成分現像剤を用いた画像形成方法において用いられる画像支持体Pは、トナー像を保持する支持体であって、具体的には、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
トナーに含有される特定の外添剤微粒子が十分な帯電性を有しながら過剰帯電が抑制され、キャリアへの移行が抑制される理由としては、チタン酸化合物が高誘電体であること、および微量の鉄が含有されていることにより、当該特定の外添剤微粒子がトナー粒子において有効な荷電サイトとして機能し、これによりトナーとして優れた帯電立ち上がり性および優れた帯電保持性が得られながら、過剰な電荷についてこれを適度にリークさせることができることにより、過剰帯電を抑制することができるためと推察される。
メタチタン酸分散液に4.0モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH9.0に調整することにより脱硫処理を行った後、6.0モル/リットルの塩酸水溶液を添加してpH5.5に調整することにより中和処理を行った。その後、メタチタン酸分散液を濾過、水洗処理してメタチタン酸のケーキ物を得、これに水を加えて酸化チタン(TiO2 )換算で1.25モル/リットルの濃度のメタチタン酸分散液を調製し、当該メタチタン酸分散液に6.0モル/リットルの塩酸水溶液を添加してpH1.2に調整した。そして、このメタチタン酸分散液の温度を35℃に調整し、この温度下で60分間撹拌することによりメタチタン酸分散液を解膠処理〔I〕を行った。
この解膠処理〔I〕を行ったメタチタン酸分散液より、酸化チタン(TiO2 )換算で0.156モルに相当する量のメタチタン酸を採取して反応容器に投入し、続いて、炭酸カルシウム水溶液を、炭酸カルシウム(CaCO3 )が酸化チタン(TiO2 )に対してモル比で1.15となるよう(CaCO3 /TiO2 =1.15/1)添加すると共に、塩化第二鉄水溶液を、塩化第二鉄(FeCl3 )が酸化チタン(TiO2 )に対してモル比で0.009になるよう(FeCl3 /TiO2 =0.009/1)添加した。その後、酸化チタン(TiO2 )濃度が0.156モル/リットルとなるよう反応系を調整し、窒素ガスを流しながら20分間放置し、反応容器内を窒素ガスによって置換した。次に、反応系を90℃に加温した後、水酸化ナトリウム水溶液を約24時間かけてpH8.0となるまで添加し、その後、90℃で1時間撹拌を続けて反応を終了させた。
反応終了後、反応系を40℃まで冷却し、窒素雰囲気下において上澄み液を除去し、純粋2500質量部を加えてデカンテーションを行う操作を2回繰り返して洗浄した後、反応系をヌッチェで濾過してケーキ物を得、これを大気雰囲気中で110℃で8時間加熱して乾燥させてチタン酸カルシウム化合物を得た。
得られたチタン酸カルシウム化合物をアルミナ製の坩堝に投入し、930℃で脱水・焼成処理した後、脱水・焼成されたチタン酸カルシウム化合物を水中に投入し、サンドグラインダーで湿式粉砕処理を行ってチタン酸カルシウム粒子分散液を得、6.0モル/リットルの塩酸水溶液を添加してpH2.0に調整し、過剰分の炭酸カルシウムを除去してチタン酸カルシウム粒子〔1〕を得た。
なお、数平均一次粒子径およびBET比表面積は、上記した方法によって測定し、sd値は上記の算出方法に従って算出した。また、鉄含有量は、ICP−OESとして、「Jarrell Ash IRIS AP型」(日本ジャレルアッシュ社製)を用い、上記した方法によって測定した。以下においても同様である。
外添剤微粒子の製造例1において、塩化第二鉄(FeCl3 )を酸化チタン(TiO2 )に対して表1に示したモル比となるように塩化第二鉄(FeCl3 )水溶液を添加したことの他は同様にして、疎水性チタン酸カルシウム粒子よりなる外添剤微粒子〔2〕〜〔7〕を得た。
なお、外添剤微粒子〔4〕〜〔7〕は比較用のものである。
外添剤微粒子の製造例1において、解膠処理〔I〕を60分間から90分間に変更すると共に、解砕処理〔II〕を60分間から90分間に変更したことの他は同様にして、疎水性チタン酸カルシウム粒子よりなる外添剤微粒子〔8〕を得た。
外添剤微粒子の製造例1において、解膠処理〔I〕を60分間から90分間に変更したことの他は同様にして、疎水性チタン酸カルシウム粒子よりなる外添剤微粒子〔9〕を得た。
外添剤微粒子の製造例1において、解膠処理〔I〕を60分間から50分間に変更すると共に、解砕処理〔II〕を60分間から45分間に変更したことの他は同様にして、疎水性チタン酸カルシウム粒子よりなる外添剤微粒子〔10〕を得た。
外添剤微粒子の製造例1において、解膠処理〔I〕を60分間から20分間に変更すると共に、解砕処理〔II〕を60分間から30分間に変更したことの他は同様にして、疎水性チタン酸カルシウム粒子よりなる外添剤微粒子〔11〕を得た。
外添剤微粒子の製造例1において、解膠処理〔I〕を60分間から15分間に変更すると共に、解砕処理〔II〕を60分間から20分間に変更したことの他は同様にして、疎水性チタン酸カルシウム粒子よりなる外添剤微粒子〔12〕を得た。
外添剤微粒子の製造例2において、炭酸カルシウムの代わりに炭酸ストロンチウムを用いたことの他は同様にして、疎水性チタン酸ストロンチウム粒子よりなる外添剤微粒子〔13〕を得た。
外添剤微粒子の製造例4において、炭酸カルシウムの代わりに炭酸ストロンチウムを用いたことの他は同様にして、疎水性チタン酸ストロンチウム粒子よりなる外添剤微粒子〔14〕を得た。
外添剤微粒子の製造例2において、炭酸カルシウムの代わりに炭酸マグネシウムを用いたことの他は同様にして、疎水性チタン酸マグネシウム粒子よりなる外添剤微粒子〔15〕を得た。
外添剤微粒子の製造例4において、炭酸カルシウムの代わりに炭酸マグネシウムを用いたことの他は同様にして、疎水性チタン酸マグネシウム粒子よりなる外添剤微粒子〔16〕を得た。
外添剤微粒子の製造例2において、炭酸カルシウムの代わりに炭酸バリウムを用いたことの他は同様にして、疎水性チタン酸バリウム粒子よりなる外添剤微粒子〔17〕を得た。
外添剤微粒子の製造例4において、炭酸カルシウムの代わりに炭酸バリウムを用いたことの他は同様にして、疎水性チタン酸バリウム粒子よりなる外添剤微粒子〔18〕を得た。
(A1)樹脂粒子分散液の調製
(A1−1)樹脂粒子1Hの作製
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、アニオン系界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウム7.08質量部をイオン交換水3,010質量部に溶解させて界面活性剤溶液を作製した。そして、この界面活性剤溶液を窒素気流下で230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、反応容器内の温度を80℃に昇温させた。
次いで、界面活性剤溶液に、重合開始剤である過硫酸カリウム(KPS)9.2質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた重合開始剤溶液を投入し、反応容器内の温度を75℃にした。その後、
・スチレン 69.4質量部
・n−ブチルアクリレート 28.3質量部
・メタクリル酸 2.3質量部
が混合されてなる混合液〔a1〕を1時間かけて適下し、さらに、75℃で2時間撹拌して重合することにより樹脂粒子1Hが分散されてなる樹脂粒子分散液〔1H〕を作製した。
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に、
・スチレン 97.1質量部
・n−ブチルアクリレート 39.7質量部
・メタクリル酸 3.22質量部
・n−オクチル−3−メルカプタトプロピオン酸エステル 5.6質量部
を投入し、さらに、
・ペンタエリストールテトラベヘネート 98.0質量部
を添加し、90℃に加熱して上記の化合物が混合されてなる混合液〔a2〕を調製した。
一方、撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ラウリル硫酸ナトリウム1.6質量部をイオン交換水2,700質量部に溶解させた界面活性剤溶液を作製し、これを98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に上記の樹脂粒子分散液〔1H〕を固形分換算で28質量部添加した後、混合液〔a2〕を投入した。さらに、循環経路を有する機械式分散装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により8時間混合分散を行って分散液(乳化液)を調製した。
次いで、この乳化液に、過硫酸カリウム(KPS)5.1質量部をイオン交換水240質量部に溶解させた開始剤溶液とイオン交換水750質量部を添加し、この反応系を98℃で12時間撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子1H表面に樹脂が被覆された複合構造を有する樹脂粒子1HMが分散されてなる樹脂粒子分散液〔1HM〕を作製した。
前記の樹脂粒子分散液〔1HM〕に、過酸化カリウム(KPS)7.4質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加して、温度を80℃に調整した後、
・スチレン 277質量部
・n−ブチルアクリレート 113質量部
・メタクリル酸 9.21質量部
・n−オクチル−メルカプタトプロピオン酸エステル 10.4質量部
が混合されてなる混合液〔a3〕を1時間かけて適下し、この適下終了後、80℃に維持したままで2時間にわたって加熱、撹拌して重合を行い、その後、反応系を28℃に冷却して、樹脂粒子1HMの表面に樹脂が被覆された複合構造を有する樹脂粒子1HMLが分散されてなる樹脂粒子分散液〔1HML〕を調製した。
アニオン性界面活性剤ラウリル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1,600質量部中に投入し、撹拌して界面活性剤溶液を作製した。これを撹拌しながら、
・カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製) 400質量部
を徐々に添加し、その後、機械式分散装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)を用い、カーボンブラックの粒子径が200nmになるまで分散を行うことにより、着色剤粒子分散液〔Bk〕を調製した。
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に、
・樹脂粒子分散液〔1HML〕 200質量部
・イオン交換水 3,000質量部
・着色剤粒子分散液〔Bk〕 71質量部
を投入し、反応容器内を30℃にし、さらに、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH10.6に調整し、塩化マグネシウム・6水和物52.6質量部をイオン交換水72質量部に溶解させた水溶液を30℃で反応系を撹拌しながら10分間かけて添加した後、反応系を3分間放置した。その後、昇温を開始し、この反応系を60分間かけて75℃まで昇温させ、粒子の凝集を開始し、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)を用いて凝集粒子の粒径を測定しながら凝集を継続させ、凝集粒子の粒径が体積基準メディアン径で6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム115質量部をイオン交換水700質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、熟成処理として反応系を90℃にし、加熱撹拌処理を6時間にわたって行い、粒子の融着を持続させた。その後、反応系を30℃に冷却し、塩酸を添加してpH2.0に調整した後、撹拌を停止し、粒子を固液分散し、45℃のイオン交換水によって洗浄を繰り返し行った後、40℃の温度で温風処理することにより、着色粒子〔A〕を作製した。この着色粒子〔A〕の酸価をJIS 0070 1992に準拠して測定したところ、15mg・KOH/gであった。
(B1)樹脂粒子分散液の調製
(B1−1)樹脂粒子2Hの作製
上記の(A1−1)樹脂粒子1Hの作製工程において、混合液〔a1〕の代わりに
・スチレン 70.3質量部
・n−ブチルアクリレート 28.7質量部
・メタクリル酸 1.0質量部
が混合されてなる混合液〔b1〕を用いたことの他は同様にして、樹脂粒子2Hが分散されてなる樹脂粒子分散液〔2H〕を作製した。
上記の(A1−2)樹脂粒子1HMの作製工程において、混合液〔a2〕の代わりに
・スチレン 98.3質量部
・n−ブチルアクリレート 40.2質量部
・メタクリル酸 1.51質量部
・n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 5.6質量部
・ペンタエリスリトールテトラベヘネート 98質量部
が混合されてなる混合液〔b2〕を用いたことの他は同様にして、樹脂粒子2HMが分散されてなる樹脂粒子分散液〔2HM〕を作製した。
上記の(A1−3)樹脂粒子1HMLの作製工程において、混合液〔a3〕の代わりに
・スチレン 283質量部
・n−ブチルアクリレート 115質量部
・メタクリル酸 4.3質量部
・n−オクチル−3−メルカプタトプロピオン酸エステル 10.4質量部
が混合されてなる混合液〔b3〕を用いたことの他は同様にして、樹脂粒子2HMLが分散されてなる樹脂粒子分散液〔2HML〕を作製した。
上記の着色粒子Aの作製工程において、樹脂粒子分散液〔1HML〕の代わりに樹脂粒子分散液〔2HML〕を用いたことの他は同様にして、着色粒子〔B〕を作製した。この着色粒子〔B〕の酸価をJIS 0070 1992に準拠して測定したところ、7mg・KOH/gであった。
(C1)樹脂粒子分散液の調製
(C1−1)樹脂粒子3Hの作製
上記の(A1−1)樹脂粒子1Hの作製工程において、混合液〔a1〕の代わりに
・スチレン 74.5質量部
・n−ブチルアクリレート 21.6質量部
・アクリル酸 1.93質量部
が混合されてなる混合液〔c1〕を用いたことの他は同様にして、樹脂粒子3Hが分散されてなる樹脂粒子分散液〔3H〕を作製した。
上記の(A1−2)樹脂粒子1HMの作製工程において、混合液〔a2〕の代わりに
・スチレン 104質量部
・n−ブチルアクリレート 30.2質量部
・アクリル酸 2.7質量部
・n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 5.6質量部
・ペンタエリスリトールテトラベヘネート 98質量部
が混合されてなる混合液〔c2〕を用いたことの他は同様にして、樹脂粒子3HMが分散されてなる樹脂粒子分散液〔3HM〕を作製した。
上記の(A1−3)樹脂粒子1HMLの作製工程において、混合液〔a3〕の代わりに
・スチレン 306質量部
・n−ブチルアクリレート 88.5質量部
・アクリル酸 17.4質量部
・n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 10.4質量部
が混合されてなる混合液〔c3〕を用いたことの他は同様にして、樹脂粒子3HMLが分散されてなる樹脂粒子分散液〔3HML〕を作製した。
上記の着色粒子Aの作製工程において、樹脂粒子分散液〔1HML〕の代わりに樹脂粒子分散液〔3HML〕を用いたことの他は同様にして、着色粒子〔C〕を作製した。この着色粒子〔C〕の酸価をJIS 0070 1992に準拠して測定したところ、25mg・KOH/gであった。
(D1)樹脂粒子分散液の調製
(D1−1)樹脂粒子4Hの作製
上記の(A1−1)樹脂粒子1Hの作製工程において、混合液〔a1〕の代わりに
・スチレン 70.7質量部
・n−ブチルアクリレート 28.9質量部
・アクリル酸 0.386質量部
が混合されてなる混合液〔d1〕を用いたことの他は同様にして、樹脂粒子4Hが分散されてなる樹脂粒子分散液〔4H〕を作製した。
上記の(A1−2)樹脂粒子1HMの作製工程において、混合液〔a2〕の代わりに
・スチレン 99質量部
・n−ブチルアクリレート 40.4質量部
・アクリル酸 0.54質量部
・n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 5.6質量部
・ペンタエリスリトールテトラベヘネート 98質量部
が混合されてなる混合液〔d2〕を用いたことの他は同様にして、樹脂粒子4HMが分散されてなる樹脂粒子分散液〔4HM〕を作製した。
上記の(A1−3)樹脂粒子1HMLの作製工程において、混合液〔a3〕の代わりに
・スチレン 281質量部
・n−ブチルアクリレート 114.8質量部
・アクリル酸 1.54質量部
・n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 10.4質量部
が混合されてなる混合液〔d3〕を用いたことの他は同様にして、樹脂粒子4HMLが分散されてなる樹脂粒子分散液〔4HML〕を作製した。
上記の着色粒子Aの作製工程において、樹脂粒子分散液〔1HML〕の代わりに樹脂粒子分散液〔4HML〕を用いたことの他は同様にして、着色粒子〔D〕を作製した。この着色粒子〔D〕の酸価をJIS 0070 1992に準拠して測定したところ、3mg・KOH/gであった。
(E1)樹脂粒子分散液の調製
(E1−1)樹脂粒子5Hの作製
上記の(A1−1)樹脂粒子1Hの作製工程において、混合液〔a1〕の代わりに
・スチレン 67.8質量部
・n−ブチルアクリレート 27.7質量部
・メタクリル酸 4.5質量部
が混合されてなる混合液〔e1〕を用いたことの他は同様にして、樹脂粒子5Hが分散されてなる樹脂粒子分散液〔5H〕を作製した。
上記の(A1−2)樹脂粒子1HMの作製工程において、混合液〔a2〕の代わりに
・スチレン 94.1質量部
・n−ブチルアクリレート 38.4質量部
・メタクリル酸 7.53質量部
・n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 5.6質量部
・ペンタエリスリトールテトラベヘネート 98質量部
が混合されてなる混合液〔e2〕を用いたことの他は同様にして、樹脂粒子5HMが分散されてなる樹脂粒子分散液〔5HM〕を作製した。
上記の(A1−3)樹脂粒子1HMLの作製工程において、混合液〔a3〕の代わりに
・スチレン 269質量部
・n−ブチルアクリレート 110質量部
・メタクリル酸 21.5質量部
・n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 10.4質量部
が混合されてなる混合液〔e3〕を用いたことの他は同様にして、樹脂粒子5HMLが分散されてなる樹脂粒子分散液〔5HML〕を作製した。
上記の着色粒子Aの作製工程において、樹脂粒子分散液〔1HML〕の代わりに樹脂粒子分散液〔5HML〕を用いたことの他は同様にして、着色粒子〔E〕を作製した。この着色粒子〔E〕の酸価をJIS 0070 1992に準拠して測定したところ、35mg・KOH/gであった。
着色粒子〔A〕100質量部に、外添剤微粒子〔1〕2質量部、疎水性シリカ疎水性シリカ(粒径7nm)0.2質量部および疎水性シリカ(粒径21nm)0.2質量部を添加し、ヘンシェルミキサー「FM10B」(三井三池化工社製)を用い、30℃の温度下で、撹拌羽根の周速を35m/秒で30分間撹拌処理した後、90μmの目開きのふるいを用いて粗大粒子を除去して、トナー〔1〕を作製した。
なお、着色粒子について、外添剤微粒子の添加によっては、その形状および粒径は変化しなかった。
トナーの製造例1において、着色粒子の種類および外添剤微粒子の種類を表2に従って変更したことの他は同様にして、トナー〔2〕〜〔22〕を得た。
これらのうち、トナー〔4〕〜〔7〕,〔14〕,〔16〕,〔18〕は比較用のものである。
トナー〔1〕〜〔22〕の各々に対して、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアをトナー濃度が6%となるよう混合することにより、二成分現像剤〔1〕〜〔22〕を調製した。
これらのうち、二成分現像剤〔4〕〜〔7〕,〔14〕,〔16〕,〔18〕は比較用のものである。
また、トナー濃度が75%となるよう混合したことの他は上記と同様にして、補給用の新現像剤〔1〕〜〔22〕を調製した。
以上のようにして得られた二成分現像剤〔1〕〜〔22〕を用い、さらに対応する新現像剤〔1〕〜〔22〕を補給しながら、デジタル複写機「bizhub PRO C500」(コニカミノルタ社製)を、現像装置を図2に示す現像装置のようにトリクル現像方式が採用できるよう改造したものを用いて画素率10%のテスト画像をA4サイズの画像支持体に1枚間欠モードで10万枚印字し、下記のようにカブリおよびトナー飛散の評価を行った。結果を表2に示す。
まず、印字されていない白紙の画像支持体について、マクベス反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて任意の20ヶ所の絶対画像濃度を測定して平均した白紙濃度を得、次に、5万枚目に印字されたテスト画像、および10万枚目に印字されたテスト画像の白地部分について、同様に任意の20ヶ所の絶対画像濃度を測定して平均した平均濃度を得、この平均濃度から白紙濃度を引いた値をカブリ濃度として算出し、以下の基準で評価した。なお、カブリ濃度が0.010以下であれば、カブリは実用的に問題ないといえる。
◎:0.003未満
○:0.003以上0.006未満
△:0.006以上0.010以下
×:0.010より大きい
テスト画像10万枚印字後、目視の観察により、以下の基準でトナー飛散の状態を評価した。なお、評価が「◎」、「○」または「△」であれば、実用的に問題ないといえる。
◎:現像ユニット付近にトナー飛散が全く見られない。
○:現像ユニット付近の上蓋に飛散したトナーの付着が見られる。
△:現像ユニット付近の上蓋の一部に飛散したトナーの付着が見られる。
×:現像ユニット付近の上蓋に多量に飛散したトナーの付着が見られる。
11Y、11M、11C、11K 帯電手段
12Y、12M、12C、12K 露光手段
13Y、13M、13C、13K 現像装置
14Y、14M、14C、14K 一次転写手段
15Y、15M、15C、15K 除電手段
16Y、16M、16C、16K クリーニング装置
17 中間転写ベルト
17a、17b、17d、17f ローラ
17y、17m、17c、17k 押圧弾性板
18 二次転写手段
19 分離手段
20 定着装置
20a 加圧ローラ
20b 加熱ローラ
41 排出口
42Y、42M、42C、42K 補給用ホッパ
43Y 供給ローラ
44Y 補給路
45Y 搬送スクリュー
46Y、46M、46C、46K 回収ボックス
47 給紙トレイ
49 補給口
51 ハウジング
51a 天面板
52 現像スリーブ
53 マグネットロール
54 トナー濃度検知センサー
55A、55B 撹拌スクリュー
56 除去板
56a 磁石板
57 搬送供給ローラ
57a 羽根部材
58 層厚規制部材
59 受け部材
100Y、100M、100C、100K 画像形成ユニット
P 画像支持体
R 現像領域
Claims (6)
- 静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーおよびキャリアよりなる二成分現像剤により顕像化する画像形成方法における現像プロセスに継続的に補給される二成分現像剤であって、
前記トナーが、少なくとも着色粒子および外添剤微粒子を含有してなるものであり、
当該外添剤微粒子が、鉄の含有量が100〜1,000ppmであるチタン酸化合物よりなることを特徴とする二成分現像剤。 - 前記外添剤微粒子は、BET比表面積が5〜20m2 /gであることを特徴とする請求項1に記載の二成分現像剤。
- 前記外添剤微粒子は、数平均一次粒子径が50〜2,000nmであり、かつ、当該数平均一次粒子径について、下記式(1)で表されるsd値が、250nm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二成分現像剤。
式(1):sd値(nm)=(d1 84−d1 16)/2
〔上記式(1)中、d1 84およびd1 16は、数平均一次粒子径を測定したときの全体を100%として求めた累積曲線において、それぞれ84%および16%となる粒径である。〕 - チタン酸化合物が、チタン酸カルシウムまたはチタン酸マグネシウムであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の二成分現像剤。
- 前記トナーの酸価が、3mg・KOH/g以上35mg・KOH/g以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の二成分現像剤。
- 静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーおよびキャリアよりなる二成分現像剤により顕像化する画像形成方法において、
二成分現像剤は、現像プロセスに継続的に補給されるものであって、
前記トナーが、少なくとも着色粒子および外添剤微粒子を含有してなるものであり、
当該外添剤微粒子が、鉄の含有量が100〜1,000ppmであるチタン酸化合物よりなることを特徴とする画像形成方法。
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