JP4952511B2 - 車両の乗員保護装置 - Google Patents

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Description

本発明は、3点式シートベルトを備えた車両の乗員保護装置に関する。
3点式シートベルトは、乗員の肩から腰にかけて斜めに配置されるショルダーベルトと、乗員の腰部を取り巻くように配置されるラップベルトとから構成される。3点式シートベルトに関して、車両衝突時にシートベルトを引き締めるためのプリテンショナは、多くの場合、ショルダーベルトの端部に取り付けられている。かかる技術を採用する場合、車両衝突時にプリテンショナが作動し、これにより、主としてショルダーベルトが引き締められ、乗員がシートに固定される。
これに対して、特許文献1には、ショルダーベルトの端部に接続されるプリテンショナ(ショルダーベルト用プリテンショナ)に加えて、ラップベルトの端部に接続されるプリテンショナ(ラップベルト用プリテンショナ)を設ける技術が提案されている。特許文献1の技術によれば、車両衝突時、2つのプリテンショナの作動により、ショルダーベルトとラップベルトの両方が引き締められ、乗員を一層確実に保護することができる。
特許文献2〜4には、ラップベルト用プリテンショナを、車両フロアの側部に設けられたサイドシルの車室内側にサイドシルに沿って配置する技術が開示されている。かかる技術によれば、ラップベルト用プリテンショナを、乗降口に突出することなく設置できる。特許文献4に記載されているように、サイドシルに沿って配置されたラップベルト用プリテンショナは、専用のカバー部材によって車室内側から覆われる。このカバー部材には、シートベルトとの干渉を避けるための切欠きが適当な位置に設けられる。
実公昭53−35850号公報 特開2006−199197号公報 特開2006−199198号公報 特開2004−359028号公報
ところで、サイドシルから上方へ延びるセンターピラーが設けられている車両では、センターピラーの車室内側が、内装部材としてのピラートリムによって覆われる。かかる車両において、ラップベルト用プリテンショナを覆うカバー部材を設ける場合、そのカバー部材とピラートリムの両方を取り付けなければならないため、部品点数が増加するとともに、内装部材の取付け作業が煩雑になる問題がある。また、カバー部材とピラートリムとの継目が車室内側から目立ってしまい、見栄えが悪くなる問題もある。
このような問題に鑑みて、ラップベルト用プリテンショナをピラートリムの下端部で覆うようにすることが考えられる。しかし、この場合、ピラートリムの下端部に設けられた開口部にシートベルトが挿通されることとなるため、シートベルト及びシートが車体に取り付けられた状態では、ピラートリムを容易に着脱できないという問題がある。
そこで、本発明は、内装部材の組み付け性を向上させつつ、内装の見栄えを良好にすることができる車両の乗員保護装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1の発明に係る車両の乗員保護装置は、
車両フロアの左右方向両側において前後方向に延びるサイドシルと、
該サイドシルから上方に延設されたピラーと、
該ピラーを構成する部材であり、前後方向の少なくとも一端にフランジ部を有する複数のパネルと、
重ね合わされた前記複数のパネルのフランジ部に被せられたシーミングウェルトと、
前記ピラーの車室内側を覆うピラートリムと、
前記ピラーの車室内側において前記フロア上に設けられたシートと、
乗員の肩から腰部にかけて斜めに掛け渡されるショルダーベルトと乗員の腰部を跨いで横方向に掛け渡されるラップベルトとから構成されるシートベルトと、前記ショルダーベルトの上端部を支持する上部支持部材と、前記ラップベルトの車室外側端部を支持する下部支持部材とを含む3点式シートベルト装置と、を備え、
前記下側支持部材と、前記ラップベルトを引き込むラップベルト用プリテンショナとが、前記ピラーの下端部またはその近傍に配設された車両において、
前記ラップベルト用プリテンショナは、前記ピラートリムによって車室内側から覆われ、
前記ピラートリムは、前記ラップベルトから前記ラップベルト用プリテンショナへ掛け渡される部材又は前記ラップベルトを挿通させるための挿通孔を有する弾性部材であり、
前記ピラートリムには、前記挿通孔から前記ピラートリムの前後方向一端まで延びる切れ込みが、負荷を受けていない状態において該ピラートリムの弾性により隙間無く塞がれるように形成され、
前記ピラートリムには、少なくとも前記切れ込みの端部の上側周辺部と下側周辺部とにおいて前記シーミングウェルトに固定される被固定部が設けられていることを特徴とする。
本願の第2の発明に係る車両の乗員保護装置は、上記の第1の発明において、
前記ピラートリムは、前後方向に延びる直線状の屈曲部を有し、
該屈曲部に沿って前記切れ込みが形成されていることを特徴とする
本願の第3の発明に係る車両の乗員保護装置は、上記の第1または第2の発明において、
前記ピラーを挟んで前側と後側とに設けられた乗降口と、
車両の前後方向にスライド移動可能とされ、前記後側の乗降口を開閉するスライドドアと、
前記ピラーの下方から前記後側の乗降口の下方に亘る部分において車室内側へ向かって膨出するように前記サイドシルに設けられ、前記スライドドアを案内するレールを収容する膨出部と、を備えた車両において、
前記ショルダーベルトの一端部を巻き取るリトラクタと、前記ショルダーベルトを引き込むショルダーベルト用のプリテンショナは、前記ラップベルトよりも車室外側において前記ピラーに取り付けられていることを特徴とする。
なお、第3の発明は、リトラクタとショルダーベルト用プリテンショナが別体である場合に限られず、それらが一体である場合にも適用される。
本願の第1の発明によれば、ラップベルト用プリテンショナがピラートリムにより覆われるため、プリテンショナを覆うための専用のカバー部材をピラートリムとは別に用意する必要がなく、部材点数を削減できる。また、ピラートリムは、ラップベルトからラップベルト用プリテンショナへ掛け渡される部材またはラップベルトを挿通させるための挿通孔と、挿通孔からピラートリムの前後方向一端まで延びる切れ込みとを備えているため、シートベルト、ラップベルト用プリテンショナ及びシートが取り付けられている状態において、ピラートリムの挿通孔に対するラップベルト等の着脱を、切れ込みを経由して行うことができる。そのため、かかる着脱動作を前後方向に沿って行うことができ、シートとピラーとの間の狭い空間でもピラートリムの着脱作業を容易に行うことができる。また、ピラートリムが弾性部材からなり、ピラートリムの切れ込みが、負荷を受けていない状態においてピラートリムの弾性により塞がれる形状とされているため、切れ込みが目立ち難く、内装の見栄えを良好に維持できる。
さらに、本願の第1の発明によれば、ピラートリムは、少なくとも切れ込みの上側周辺部と下側周辺部とにおいてシーミングウェルトへ固定される被固定部を備えているため、切れ込みの上下の周辺部を確実に固定することで、切れ込みを確実に塞ぐことができ、これにより切れ込みを目立ち難くして、内装の見栄えを良好に維持できる。
また、本願の第2の発明によれば、ピラートリムが、前後方向に延びる屈曲部を有し、この屈曲部に切れ込みが形成されるため、切れ込みが目立ち難く、これにより、内装の見栄えを良好に維持できる。
本願の第3の発明によれば、ショルダーベルト用プリテンショナとリトラクタが、ラップベルトよりも車室外側においてピラーに取り付けられるため、ピラートリムが、ラップベルト用プリテンショナの被覆部分以外の部分において車室内側へ張り出すことを防止できる。ラップベルト用プリテンショナは、スライドドアのレールとの干渉を避ける都合上、シートに極めて近い位置に配置されることになり、ラップベルト用プリテンショナとシートとの間の空間が極めて狭くなるが、この狭い空間においても上述のようにピラートリムの着脱作業を容易に行うことができる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下の説明では、特定の方向を意味する用語(例えば、「上」、「下」、「左」、「右」、およびそれらを含む他の用語)を使用するが、それらの使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明は限定的に解釈されるべきものでない。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両の乗員保護装置を搭載した車両2を示す概略図である。
本実施形態において、車両2は、前方から第1列目のシート4、第2列目のシート6および第3列目のシート8を備えている。本明細書中の説明において、「前部座席」とは第1列目のシート4を指し、「後部座席」とは第2列目のシート6および第3列目のシート8を指すものとする。
車両フロアの左右方向両側には、車両の前後方向に延びるサイドシル44が設けられ、サイドシル44の上方に乗降口10が設けられている。乗降口10は、前部座席4の近傍においてサイドシル44から上方へ向かって延びるセンターピラー18によって、前側の乗降口(前部座席の乗降口)12と後側の乗降口(後部座席の乗降口)14とに仕切られている。前部座席の乗降口12はヒンジドア22によって開閉され、後部座席の乗降口14はスライドドア24によって開閉される。なお、本発明は、図1に示すようなスライドドア車に限られず、全ての乗降口がヒンジドアによって開閉される車両にも同様に適用できる。
スライドドア24を案内するレールとして、上部レール26が天井の側縁部40に、中央レール28が車体後部の側面のベルトライン42に、下部レール30がサイドシル44に設けられている。これらのレール26,28,30には、スライドドア24に設けられたスライダ32,34,36,38がスライド可能に嵌合している。これにより、スライドドア24は、レール26,28,30に案内されながら車両の前後方向に沿ってスライド可能となっている。
図2は、スライドドアの下端部の構造を示す図1のii−ii断面図である。図2では、発明の理解を容易にするため、後述のピラートリム72等の内装部材の図示を省略している。図2に示すように、スライドドア24には、ドア本体25の下端部から車室内側の斜め前方に向かって延びるロアアーム50が設けられている。ロアアーム50の先端には、例えば2つのスライダ36,38が取り付けられている。スライダ36,38は、例えば鉛直方向に延びる軸を中心として回転可能なローラにより構成され、例えば下向きに開放する断面コ字形のレール30(図7参照)に嵌合される。
図3は、センターピラー18の下端部の車室内側近傍を示す斜視図である。図3では、発明の理解を容易にするため、後述のピラートリム72等の内装部材の図示を省略している。図3に示すように、レール30の前端部は、車室内側の斜め前方に向けて湾曲している。これにより、スライダ36,38がレール30の前端部まで移動し、スライドドア24が閉じられたときに、スライドドア24を車室内側に引き込むことができる。レール30の前端は、スライドドア24のロアアーム50の形状に対応して、後部座席の乗降口14よりも前方、すなわち、前部座席4の近傍に位置している。
図4は、サイドシルを車室外側から見た斜視図である。図4に示すように、レール30を収容するレールボックス46は、車室外側に向けて開放しており、これにより、スライドドア24のロアアーム50がレールボックス46に干渉することを防止できる。レールボックス46の前端部は、レール30の形状に対応して、車室内側の斜め前方に向けて膨出している。
図5は、サイドシルを示す図2のv−v断面図である。図5に示すように、サイドシル44は、車室外側に配置されるアウタパネル62と、車室内側に配置されるインナパネル64と、アウタパネル62とインナパネル64との間に介装されるレインフォースメント66とを備えている。アウタパネル62の上端部、インナパネル64の上端部およびレインフォースメント66の上端部は相互に固定され、その固定部にはシーミングウェルト76が被せられている。また、サイドシル44の車室内側の側面にはフロアパネル60が取り付けられ、フロアパネル60の上面にはフロアマット70が敷設されている。
図3に戻って、サイドシル44には、車両の左右方向の車室内側へ向かって膨出する膨出部52が設けられ、膨出部52にはレールボックス46が収容されている。膨出部52は、レールボックス46の形状に対応して、前部座席4の近傍部から車両の後方へ向かって延びるように設けられている。具体的に、膨出部52は、ピラー18の下方から後部座席の乗降口14の下方に亘る部分に設けられている。膨出部52の上面には、後述のラップベルト用プリテンショナ92が前部座席の乗降口12に突出しないように嵌る溝部54が形成されている。溝部54の壁面は、ラップベルト用プリテンショナ92の外周面の形状に対応した形状を有し、これにより、プリテンショナ92を溝部54の所定の固定位置に嵌め込むことでプリテンショナ92を固定位置に仮固定できるようにしてある。溝部54は、膨出部52の前端部において車両の前後方向に沿って延設されている。溝部54は、前方に向かうに連れて低くなるように傾斜している。溝部54は、膨出部52の車室外側の端部に形成されている。上述のように、レールボックス46の前端部は、車室内側の斜め前方に向かって張り出している。これにより、膨出部52の前端部の車室外側端部には空間が形成されるため、溝部54は、レールボックス46に干渉しない。膨出部52における溝部54の近傍部には、車両フロアにおいて車両の左右方向に沿って延設されたクロスメンバ58の端部が当接している。
図6は、3点式シートベルト装置を示す斜視図である。図6に示すように、前部座席4には、3点式シートベルト装置79が取り付けられている。3点式シートベルト装置79のシートベルト80は、乗員の肩から腰部にかけて斜めに掛け渡されるショルダーベルト82と、乗員の腰部を跨いで横方向に掛け渡されるラップベルト84とから構成される。本実施形態では、ショルダーベルト82とラップベルト84とが一体に連なって構成されているが、ショルダーベルト82とラップベルト84は別体であってもよい。ショルダーベルト82の上端部は、センターピラー18の上部に取り付けられたベルトガイド(請求項の上部支持部材に相当する。)86につり下げ支持されている。ショルダーベルト82の車室外側端部は、ショルダーベルト用プリテンショナ付きリトラクタ110に取り付けられている。ショルダーベルト用プリテンショナ付きリトラクタ110は、ショルダーベルト82の先端部を巻き取るリトラクタと、車両衝突時等にショルダーベルト82を引き込むショルダーベルト用プリテンショナとが一体になって構成されている。ただし、本発明において、リトラクタと、ショルダーベルト用プリテンショナとは別体であってもよい。
図7は、ラップベルト用プリテンショナ周辺の構造を示す図6のvii−vii断面図である。図7に示すように、ショルダーベルト用プリテンショナ付きリトラクタ110は、センターピラー18のインナパネル19に取り付けられ、ピラー18の車室内側を覆うピラートリム72により車室内側から覆われる。センターピラー18の具体的な構成は後に説明する。
図6に戻って、ラップベルト84の車室内側端部、すなわちラップベルト84とショルダーベルト82との境界部には、乗員がシートベルト80を装着する際にバックル90に固定されるタング88が取り付けられている。ラップベルト84の車室外側端部は、下部アンカ(請求項の下部支持部材に相当する。)102に固定されたラップベルト用プリテンショナ92に取り付けられている。これにより、ラップベルト84の車室外側端部は、ラップベルト用プリテンショナ92を介して下部アンカ102に支持される。
図3に戻って、下部アンカ102は、センターピラー18の側方またはシート4の後端部の側方において膨出部52の上面に溶接やボルト等により固定されている。下部アンカ102は、例えば断面略L字形とされているが、下部アンカ102の形状は特に限定されない。また、下部アンカ102は、センターピラー18に固定してもよい。
ラップベルト用プリテンショナ92は、車両衝突時等にラップベルト84を引き込む装置である。プリテンショナ92としては、種々の型式の装置を使用できるが、例えばインフレータ型の装置が使用される。インフレータ型のプリテンショナ92は、例えば略円筒状のシリンダ93と、シリンダ93の内部に収容されたピストン(不図示)と、シリンダ93の内部に収容された火薬等のガス発生剤(不図示)と、ガス発生剤に点火する点火装置95と、一端がピストンに連結され他端がラップベルト84に連結されるワイヤ94とを有する。ワイヤ94は、ラップベルト84からラップベルト用プリテンショナ92へ掛け渡されるカバー部材96により覆われている。車両2の衝突時等に、図示しないセンサにより車両2の所定の減速が検知されると、図示しないECU(Electronic Control Unit)から点火装置95へ信号が送られる。この信号を受けた点火装置95がガス発生剤に点火すると、シリンダ93の内部にガスが発生し、これによりピストンが前方へ移動して、ピストンの移動によりワイヤ94が瞬時に前方へ引っ張られる。これに伴い、ワイヤ94に連結されたラップベルト84が車室外側下方へ引っ張られ、乗員の腰部がシート4に確実に固定される。
プリテンショナ92のシリンダ93は、作動時にシリンダ内部で発生するガスの圧力に耐え得るように、金属等の耐圧性に優れた素材からなり、且つ、所定以上の厚みを有する。これにより、車幅方向において、シリンダ93は、膨出部52よりも高い剛性を有する。そのため、溝部54が形成されることにより低下した膨出部52の剛性が、プリテンショナ92のシリンダ93を嵌め込むことで補強され、サイドシル44の強度を向上できる。
ラップベルト用プリテンショナ92の全体形状は概略筒状であり、プリテンショナ92は、膨出部52の上面における下部アンカ102の設置部から車両の前方へ向かって延びるように配置されている。そのため、ラップベルト用プリテンショナ92は、後部座席の乗降口14に突出することがないため、後部座席6,8の乗降性に支障を来すことがない。ラップベルト用プリテンショナ92は、その後端部において下部アンカ102に固定され、前端部から中央部にかけて膨出部52の溝部54に嵌め込まれている。上述のように溝部54は前方に向かうに連れて低くなるように傾斜しているため、溝部54に嵌め込まれたプリテンショナ92の前端部は、サイドシル44の上方への突出が抑えられる。これにより、下部アンカ102の位置を第1列目のシート4に対して適切な位置に配置しながら、プリテンショナ92が前部座席の乗降口12へ突出することを防止でき、前部座席4の乗降性及びシートの組付性も良好に維持できる。なお、プリテンショナ92の溝部54への嵌め込み部分は、例えばブラケット104により膨出部52の上面に固定される。
図8は、センターピラーの下端部およびその周辺を示す斜視図であり、図9は、ピラートリムの挿通孔の上側近傍部を示す図8のix−ix断面図である。図9に示すように、センターピラー18は、車室外側に配置されるアウタパネル15と、車室内側に配置されるインナパネル19と、アウタパネル15とインナパネル19との間に介装されるレインフォースメント17とを備えている。アウタパネル15、インナパネル19及びレインフォースメント17は、前後方向の両端部において相互に固定され、これらの固定部にはシーミングウェルト76が被せられている。
図10は、アウタパネル15、インナパネル19及びレインフォースメント17の固定部を示す拡大断面図である。図10に示すように、アウタパネル15、インナパネル19及びレインフォースメント17は、その後端部においてフランジ部151,171,191を有する。なお、アウタパネル15、インナパネル19及びレインフォースメント17は、その前端部にも同様のフランジ部を有する。フランジ部151,171,191は、溶接やボルト等により相互に固定されている。シーミングウェルト76は、左右方向に延びる基部131と、基部131から前方へ延びる一対の挟持片134,136と、基部131から左右方向の車室内側へ延びるカバー片138とを有する。挟持片134,136は、左右方向に間隔を空けて設けられている。車室外側の挟持片134には、環状のウェザーストリップ132が車室外側へ向けて一体に突設されている。シーミングウェルト76は、一対の挟持片134,136によりフランジ部151,171,191を挟んだ状態で、フランジ部151,171,191に全長に亘って被せられている。
図8に戻って、ピラートリム72は、車室内側から見て逆T字状の形状を有している。すなわち、ピラートリム72は、垂直方向に延びる垂直部分と、垂直部分の下端から前後方向の両側へ延びる水平部分とを備え、ピラートリム72の水平部分の両端部は、それぞれスカーフプレート128,130により覆われている。図7と図8に示すように、ピラートリム72の垂直部分は、その下端部が車室内側へ張り出すように第1の屈曲部120と第2の屈曲部122において屈曲している。これにより、ラップベルト用プリテンショナ92は、ピラートリム72の下端部により車室内側から覆われる。第1の屈曲部120及び第2の屈曲部122は、前後方向に延びる直線状に形成されている。第1の屈曲部120には挿通孔73が形成されている。挿通孔73は、前後方向に延びる長穴とされている。挿通孔73には、ラップベルト用プリテンショナ92のワイヤ94と、ワイヤ94を覆うカバー部材96が挿通されている。また、ピラートリム72には、挿通孔73からピラートリム72の後端に延びる切れ込み124が形成されている。これにより、シートベルト80、ラップベルト用プリテンショナ92及びシート4が取り付けられている状態において、ピラートリム72の挿通孔73に対するワイヤ94及びカバー部材96の着脱を、切れ込み124を経由して行うことができる。そのため、かかる着脱動作を前後方向に沿って行うことができ、シート4とセンターピラー18との間の狭い空間でもピラートリム72の着脱作業を容易に行うことができる。また、切れ込み124は第1の屈曲部120に形成されている。このように、挿通孔73及び切れ込み124はいずれも第1の屈曲部120に沿って形成されるため目立ち難く、内装の見栄えを良好に維持できる。
ピラートリム72は弾性部材からなり、切れ込み124は、負荷を受けていない状態においてピラートリム72の弾性により塞がれる形状とされている。そのため、挿通孔73に挿通されたワイヤ94及びカバー部材96を挿通孔73の内側に確実に保持できる。ピラートリム72の素材としては樹脂が使用され、具体的には、例えばポリプロピレン樹脂が使用される。
図9および図10に示すように、ピラートリム72の前後方向の端部の一部には、シーミングウェルト76へ固定される被固定部としてのアーム部126が形成されている。図8に示すように、アーム部126は、ピラートリムの前後方向の端部において、切れ込み124の端部の上側周辺部と下側周辺部とを含む適当な箇所に複数設けられている。図10に示すように、アーム部126は断面U字状に形成され、シーミングウェルト76の車室内側の挟持片136が嵌め込まれるようにしてある。挟持片136が嵌め込まれた状態のアーム部126は、インナパネル15、アウタパネル19及びレインフォースメント17の各フランジ部151,171,191と共に、一対の挟持片134,136により挟持され、これによりシーミングウェルト76により固定される。このようにして、ピラートリム72は、切れ込み124の上下両側の周辺部においてシーミングウェルト76に固定されるため、切れ込み124を一層確実に塞ぐことができ、これにより切れ込み124をさらに目立ち難くすることができる。
図7に戻って、ピラートリム72の下端部は、プリテンショナ92を被覆可能なように車室内側に向かって張り出しているが、ピラートリム72の張り出し部分は、サイドシル44に沿ったシート4の側方のデッドスペースに配置される。また、ショルダーベルト用プリテンショナ付きリトラクタ110は、ラップベルト84よりも車室外側に配置されているため、ラップベルト用プリテンショナ92の上方においてピラートリム72を車室内側へ向けて張り出させる必要がない。そのため、ラップベルト用プリテンショナ92とショルダーベルト用プリテンショナ付きリトラクタ110の両方を設置しても、それに起因して車室内空間が圧迫されることがない。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、ピラートリム72の切れ込み124が、挿通孔73からピラートリム72の後端まで延びるように形成されているが、切れ込み124は、挿通孔73からピラートリム72の前端まで延びるように形成してもよい。
また、上述の実施形態では、挿通孔73及び切れ込み124が、第1の屈曲部120に形成されているが、第2の屈曲部122に形成してもよい。
さらに、上述の実施形態では、ピラートリム72の挿通孔73に、ワイヤ94及びカバー部材96が挿通する構成について説明したが、本発明は、挿通孔73にラップベルト84が挿通する構成についても等しく適用できる。
本発明が適用される車両の一実施形態を示す概略図である。 スライドドアの下端部の構造を示す図1のii−ii断面図である。 センターピラーの下端部の近傍を示す斜視図である。 サイドシルを車室外側から見た斜視図である。 サイドシルを示す図2のv−v断面図である。 3点式シートベルト装置を示す斜視図である。 ラップベルト用プリテンショナ周辺の構造を示す図6のvii−vii断面図である。 センターピラーの下端部およびその周辺を示す斜視図である。 ピラートリムの挿通孔の上側近傍部を示す図8のix−ix断面図である。 ピラーのフランジ部を示す拡大断面図である。
符号の説明
2:車両、4:シート、10:乗降口、12:前側の乗降口、14:後側の乗降口、15:ピラーのアウタパネル、17:レインフォースメント、18:ピラー、19:ピラーのインナパネル、24:スライドドア、30:レール、44:サイドシル、46:レールボックス、52:膨出部、54:溝部、58:クロスメンバ、72:ピラートリム、73:ピラートリムの挿通孔、76:シーミングウェルト、79:3点式シートベルト装置、80:シートベルト、82:ショルダーベルト、84:ラップベルト、86:上部支持部材、92:ラップベルト用プリテンショナ、94:ワイヤ、96:カバー部材、102:下部支持部材、110:ショルダーベルト用プリテンショナ付きリトラクタ、124:ピラートリムの切れ込み、126:ピラートリムのアーム部(被固定部)、151:アウタパネルのフランジ部、171:レインフォースメントのフランジ部、191:インナパネルのフランジ部。

Claims (3)

  1. 車両フロアの左右方向両側において前後方向に延びるサイドシルと、
    該サイドシルから上方に延設されたピラーと、
    該ピラーを構成する部材であり、前後方向の少なくとも一端にフランジ部を有する複数のパネルと、
    重ね合わされた前記複数のパネルのフランジ部に被せられたシーミングウェルトと、
    前記ピラーの車室内側を覆うピラートリムと、
    前記ピラーの車室内側において前記フロア上に設けられたシートと、
    乗員の肩から腰部にかけて斜めに掛け渡されるショルダーベルトと乗員の腰部を跨いで横方向に掛け渡されるラップベルトとから構成されるシートベルトと、前記ショルダーベルトの上端部を支持する上部支持部材と、前記ラップベルトの車室外側端部を支持する下部支持部材とを含む3点式シートベルト装置と、を備え、
    前記下側支持部材と、前記ラップベルトを引き込むラップベルト用プリテンショナとが、前記ピラーの下端部またはその近傍に配設された車両において、
    前記ラップベルト用プリテンショナは、前記ピラートリムによって車室内側から覆われ、
    前記ピラートリムは、前記ラップベルトから前記ラップベルト用プリテンショナへ掛け渡される部材又は前記ラップベルトを挿通させるための挿通孔を有する弾性部材であり、
    前記ピラートリムには、前記挿通孔から前記ピラートリムの前後方向一端まで延びる切れ込みが、負荷を受けていない状態において該ピラートリムの弾性により隙間無く塞がれるように形成され、
    前記ピラートリムには、少なくとも前記切れ込みの端部の上側周辺部と下側周辺部とにおいて前記シーミングウェルトに固定される被固定部が設けられていることを特徴とする車両の乗員保護装置。
  2. 前記ピラートリムは、前後方向に延びる直線状の屈曲部を有し、
    該屈曲部に沿って前記切れ込みが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両の乗員保護装置。
  3. 前記ピラーを挟んで前側と後側とに設けられた乗降口と、
    車両の前後方向にスライド移動可能とされ、前記後側の乗降口を開閉するスライドドアと、
    前記ピラーの下方から前記後側の乗降口の下方に亘る部分において車室内側へ向かって膨出するように前記サイドシルに設けられ、前記スライドドアを案内するレールを収容する膨出部と、を備えた車両において、
    前記ショルダーベルトの一端部を巻き取るリトラクタと、前記ショルダーベルトを引き込むショルダーベルト用のプリテンショナは、前記ラップベルトよりも車室外側において前記ピラーに取り付けられていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の車両の乗員保護装置。
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