JP3775532B2 - 自動車のドア構造 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のドア構造に関し、特にドア本体の内部空間に2本のインパクトバーを設け、インパクトバーの配置を改善したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の側面衝突に対するドアの剛性を高める為に、最近では、ドア本体の内部空間に水平向きのインパクトバーを設け、そのインパクトバーをドア本体の前端部と後端部に架着してなる自動車のドア構造が採用されている。従来、実開昭62−167720号公報に示すように、ドア本体内の中段部に2本の管材からなる第1のインパクトバーを設けるとともに、ドア本体内の上端付近に1本の管材からなる第2のインパクトバーを設け、この第2のインパクトバーを第1のインパクトバーよりもドア厚さ方向内側に位置させてなる自動車のドア構造が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報のドア構造では、第1,第2のインパクトバーがほぼ平行に水平姿勢に配設され、これらインパクトバーの剛性を十分に高めてあるため、側面衝突時のドア本体の変形を抑制しやすいが、インパクトバーの剛性を高くし過ぎると、側面衝突時の衝撃加速度が大きくなるという問題がある。しかも、インパクトバーは剛性アップの他に、塑性変形を介して衝突エネルギーを吸収する機能があるにもかかわらず、インパクトバーを水平姿勢に配置する場合、側面衝突時に、衝突物がインパクトバーのほぼ全長部分をほぼ一様に車室側へ押す傾向が高くなるため、インパクトバーの大きな塑性変形が発生しにくく、塑性変形による衝突エネルギー吸収性が低下するという問題もある。
【0004】
また、従来の自動車のドアにおいては、ウインドレギュレータのガラスガイドが1本であり、その1本のガラスガイドがドア本体の前後方向ほぼ中央部にほぼ立て向きに配置されているだけであったので、ガラスガイドを側面衝突に対するドアの剛性アップに有効に活用することは困難であった。本発明の目的は、2本のインパクトバーの配置を工夫して側面衝突時の衝撃加速度を緩和し、衝突エネルギー吸収性を高め、ドア本体の変形を抑制できるような自動車のドア構造を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の自動車のドア構造は、インナパネルとアウタパネルとで形成されたドア本体の内部空間に上下方向に離間させて車体前後方向向きに配設された2本のインパクトバーと、ドア本体の内部空間にほぼ立て向きに配設されたガラスガイド部材とを備え、2本のインパクトバーのうち下側のインパクトバーが後方に向って 低くなる後方下がり傾斜状に配設され、上側のインパクトバーがベルトラインのレベルにほぼ水平に配設された自動車のドア構造において、下側のインパクトバーは、その後部が車室内に着座した乗員の腰部にほぼ対応する高さ位置になるように配設されるとともに、ガラスガイド部材は、その下部が前記下側のインパクトバーの後部且つ車室内に着座した乗員の腰部に対応するように配設されたものである。
【0006】
側面衝突の際、2本のインパクトバーのうち、外側に位置する下側のインパクトバーに衝突荷重が作用し、そのインパクトバーが変形し始めてから、上側のインパクトバーに衝突荷重が作用し、そのインパクトバーも変形し始める。両インパクトバーに時間差を持って衝撃が作用するため、車室内の乗員に対する衝撃加速度を小さくすることができる。しかも、下側のインパクトバーが後方に向って低くなる後方下がり傾斜状に配設されているため、このインパクトバーにほぼ全長部分に一様に衝突荷重が作用しにくくなるから、このインパクトバーの変形が促進されて衝突エネルギー吸収性が高まる。また、2本のインパクトバーの大きな剛性で衝突荷重に抗することができるので、ドア本体の車室側への変形も全体として抑制される。
【0007】
【0008】
【0009】
た、上下方向に離間した2本のインパクトバーの大きな剛性で衝突荷重に抗することができるので、ドア本体の車室側への変形も全体として抑制される。
さらに、車室内に着座した乗員の腰部に対応する位置に、下側のインパクトバーの後部と、ガラスガイド部材の下部が、その下側のインパクトバーの後部に対応する位置に配設されているため、側面衝突時にガラスガイド部材の塑性変形を介して衝突エネルギーを吸収できる。
【0010】
請求項の自動車のドア構造は、請求項の発明において、前記下側のインパクトバーが、上側のインパクトバーよりもドア厚さ方向外側に位置するように配設されたことを特徴とするものである。それ故、側面衝突の際、最初に下側のインパクトバーに衝突荷重が作用し、その下側のインパクトバーが変形し始めてから、上側のインパクトバーに衝突荷重が作用し、その上側のインパクトバーも変形し始める。両インパクトバーに時間差を持って衝撃が作用するため、車室内の乗員に対する衝撃加速度を小さくすることができる。その他請求項と同様の作用を奏する。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、自動車のうちのスポーツカーの運転席側のドアのドア構造に本発明を適用した場合の一例であり、図1〜図3に示すように、ドア1は、ドア本体2と、ドア本体2に対して昇降駆動されるドアガラス3と、ドア本体2に固定されたドアガラス4と、ドア本体2内に装備された装備品等を有する。前記ドア本体2は、アウタパネル5と、このアウタパネル5との間に内部空間6を画定するインナパネル7とを主体として構成され、アウタパネル5とインナパネル7とは一体的に溶接接合されている。前記内部空間6の上端部内にはアウタパネル5と協働して閉断面部を形成するレインフォースメント8が設けられアウタパネル5に一体的に溶接接合され、このレインフォースメント8によりドア本体2の上端部の剛性が高められている。
【0015】
最初に、ドア本体2やその内部空間6等に装備される装備品について説明すると、ドアガラス4の後端部を固定するとともにドアガラス3の前端部を摺動自在に係合させて案内する固定ガラスガイド9が、ドア1の前部に、ほぼ立て向き(上端側程後方へ移行する後方上り急傾斜状)に設けられている。ドアガラス3を昇降する為のパワーウインドレギュレータのレギュレータ本体11(尚、マニュアルウインドレギュレータの場合はレギュレータ本体10)が内部空間6の前部の中段部に配設されてインナパネル7に取付けられ、1対のガラスガイド部材12,13が、内部空間6の後部のうち車室内のシートに着座した乗員の側方にほぼ対応する位置にほぼ立て向き(上端側程後方へ移行する後方上り急傾斜状)に且つ前後に所定間隔空けて配設され、これらガラスガイド部材12,13はインナパネル7の外面にブラケット(図示略)を介して強固に固着されている。
【0016】
これらガラスガイド部材12,13の各々は、断面ほぼC形のかなりの剛性のある成形部材であり、1対のガラスガイド部材12,13で以てドア本体2の後部のうちの乗員の側部に対応する部分を補強している。ドアガラス3の下端部に金具を介して取付けられた1対のローラ部材が1対のガラスガイド部材12,13内に転動自在に装着され、ドアガラス3はレギュレータ本体11(又は10)から延びガラスガイド部材12内に導入されたワイヤに連結され、レギュレータ本体11(又は10)により昇降駆動可能になっている。
【0017】
ドア本体2内の内部空間6の前端部の下部にはオーディオ用のスピーカ19がインナパネル7の開口に臨むように組み込まれている。ドア本体2の前端部には、上下1対のヒンジ金具14,15が固着され、これらヒンジ金具14,15が車体のドア開口部の対応する部位にボルトにて固定される。ドア本体2の内部空間6の後端部の中段やや下側部位には、ドア1の開閉の為のフック部材であるラッチ16aとそのラッチ16aを駆動するラッチ部16とが設けられており、ラッチ16aが車体側のU形の連結金具に係脱自在に係合されてドアが閉状態にロックされる。
【0018】
図1〜図6に示すように、ドア本体2の内部空間6の下半部には、車室内のシートに着座した乗員の腰に対応する高さレベルとなるように第1インパクトバー21が配設され、内部空間6の上端部にはベルトラインにほぼ対応する第2インパクトバー22が配設されている。第1インパクトバー21は鋼製の管材で構成されており、この第1インパクトバー21は、アウタパネル5の内側近傍の位置にドア本体2の前後幅のほぼ全幅に亙って、ほぼ前後方向向きに且つ後方程低くなる後方下がり傾斜状に配設され、第1インパクトバー21の前端部はドア本体2の前端部の中段部にブラケット23を介してインナパネル7に固着され、第1インパクトバー21の後端部はドア本体2の後端部の下部のうちラッチ部16よりも下側の部位にブラケット24を介してインナパネル7に固着されている。このように、第1インパクトバー21はドア本体2の前端部と後端部とに亙って架着されている。
【0019】
第2インパクトバー22は鋼製の管材で構成されており、この第2インパクトバー22は、ドア本体2の内部空間6の上端部においてレインフォースメント8の下側近傍部に前後方向向きに且つ水平姿勢に配設され、第2インパクトバー22の前端部はドア本体2の前端部の上端近傍部にブラケット25を介してインナパネル7に固着されるとともにステー26を介してインナパネル7に固着され、第2インパクトバー22の後端部はドア本体2の後端部の上端近傍部にブラケット27を介してインナパネル7に固着されている。このように、第2インパクトバー22はドア本体2の前端部と後端部とに亙って架着されている。しかも、第2インパクトバー22は、第1インパクトバー21よりも所定距離ドア厚さ方向内側に配設されている。
【0020】
第2インパクトバー22はドア本体2の上端部の剛性を高める為のものであるが、レインフォースメント8があるので、第2インパクトバー22の剛性は第1インパクトバー21の剛性よりも低く設定してあり、そのため第1インパクトバー21を構成する管材の肉厚は例えば3.5 mmであり、第2インパクトバー22を構成する管材の肉厚は例えば1.8 mmであり、第2インパクトバー22は第1インパクトバー21よりも小径に構成されている。
【0021】
次に、側面衝突時に乗員を保護する為の衝撃吸収部材等について説明する。図1〜図3に示すように、ドア本体2のインナパネル7よりも車室側(内側)にはドアトリム17が設けられ、このドアトリム17の中段部にはアームレスト18が形成されている。側面衝突時に乗員に対する衝撃を緩和する為に、夫々、合成樹脂発泡体製の第1衝撃吸収部材30と第2衝撃吸収部材40と第3衝撃吸収部材50とが設けられている。
【0022】
第1衝撃吸収部材30は、ドア本体2の後部のうちの、車室内のシートに着座した乗員のほぼ肘に対応する部位に配設されており、この第1衝撃吸収部材30は、アウタパネル5の内面に当接した衝撃吸収ブロック31と、インナパネル7の開口32に挿通してインナパネル7に支持され且つ衝撃吸収ブロック31との間にガラス通過隙間33を空けて対向する衝撃吸収ブロック34とからなり、衝撃吸収ブロック31の外側端部は第1インパクトバー21よりもドア厚さ方向外側へ突出しており、衝撃吸収ブロック34の内面はドアトリム17の外面近くに臨んでいる。衝撃吸収ブロック31はその上端部に食い込ませた取付け板35とその下端部に食い込ませた取付け板36とで支持され、上側の取付け板35はドアノブ取付け具に固定され、下側の取付け板36は第1インパクトバー21に固定されている。
【0023】
第2衝撃吸収部材40は、ドア本体2の後部のうちの、車室内のシートに着座した乗員の腰部に対応する部位に配設され、この第衝撃吸収部材40は、アウタパネル5の内面側且つ第1インパクトバー21の内側と下側付近に配設された衝撃吸収ブロック41と、インナパネル7の開口42を挿通してインナパネル7に支持され且つ衝撃吸収ブロック41との間にガラス通過隙間43を空けて対向する衝撃吸収ブロック44と、この衝撃吸収ブロック44の内面とドアトリム17間に配設された衝撃吸収ブロック45とからなり、衝撃吸収ブロック41は取付け金具46により第1インパクトバー21に支持されている。
【0024】
この第2衝撃吸収部材40のドア厚さ方向の全厚は、第1衝撃吸収部材30のドア厚さ方向の全厚よりも大きく設定されており、このガラス通過隙間43は前記ガラス通過隙間33よりも大きく設定されている。第3衝撃吸収部材50は、ドア本体2の後部のうちの、車室内のシートに着座した乗員の肩付近に対応する部位に配設されており、インナパネル7とドアトリム17との間に設けられ、第3衝撃吸収部材50の上下幅は、第2衝撃吸収部材40の上下幅よりも小さく設定されている。
【0025】
次に、以上のドア構造の作用と効果について説明する。第1インパクトバー21は側面衝突して来る自動車のバンパーラインに対応するレベルにあるので、この第1インパクトバー21とその付近への衝突荷重は、通常の場合、第2インパクトバー22とその付近への衝突荷重よりも大きくなる。ここで、第1インパクトバー21を仮に水平姿勢に配設した場合には、側面衝突時に第1インパクトバー21のほぼ全長部分にほぼ一様に衝突荷重が作用するため、第1インパクトバー21があまり変形せず、塑性変形による衝突エネルギー吸収性が低下し、衝撃加速度も大きくなる。しかし、第1インパクトバー21を後方下がり傾斜状に配設したので、側面衝突時にその全長部分に一様に衝突荷重が作用しにくくなるため塑性変形しやすく、衝突エネルギー吸収性が高まり、乗員に作用する衝撃加速度も小さくなる。
【0026】
第2インパクトバー22が、第1インパクトバー21よりもドア厚さ方向内側に配設されているため、側面衝突時に、最初第1インパクトバー21に衝突荷重が作用し、その後第2インパクトバー22に衝突荷重が作用し、第1,第2インパクトバー21,22が僅かの時間差をもって衝突荷重を受け止めることになるので、乗員に作用する衝撃加速度が著しく緩和されることになる。しかも、アウタパネル5の上端部の内側にレインフォースメント8を設けて剛性を高め、その近傍部に第2インパクトバー22を設けてあるので、ドア本体2の上端部の剛性が著しく高められている。
【0027】
ドア本体2の上端部の剛性が不十分の場合には、側面衝突時に側面衝突の形態によってはドア本体2の上端側部分が車室側へ大きく変形する可能性があるが、ドア本体2の上端部の剛性を十分に高めてあるので、ドア本体2の側面衝突に対する剛性が全体として高められ、乗員保護を強化することができる。第2インパクトバー22がドア本体2の上端付近に水平姿勢に設けられているため、側面衝突時に第2インパクトバー22の全長部分にほぼ一様に衝突荷重が作用する傾向が高くなり、第2インパクトバー22の変形も抑制される。
【0028】
第1,第2インパクトバー21,22を夫々鋼製の管材で構成してあるので、小型・軽量化を図ることができ、機器配置(レイアウト)の面で有利となるうえ、種々の方向からの衝突荷重に対して所期の剛性を発揮させることができる。そして、第1インパクトバー21を後方下がり傾斜状に配置したので、ッチ部16を第1インパクトバー21の後端部と第2インパクトバー22の後端部の間に配置することができるから、第1インパクトバー21とラッチ部16との干渉を防止できる。
【0029】
更に、乗員の側部に対応するように、かなりの剛性のある1対のガラスガイド部材12,13を設け、それらガラスガイド部材12,13の上下両端部をインナパネル7に強固に固定したので、これらガラスガイド部材12,13によりドア本体2の後部の剛性を高めて側面衝突時のドア本体2の変形を抑制することができ、側面衝突時にはこれらガラスガイド部材12,13の塑性変形を介して衝突エネルギーを吸収することができる。
【0030】
第1,第2,第3衝撃吸収部材30,40,50は、一般にプッシャーと称されるものであり、側面衝突発生時に極力早期に乗員を車室内方へ押して乗員の移動を開始させることで衝撃加速度を緩和する作用と、衝突エネルギーを吸収する作用と、乗員に作用する衝撃を緩衝する作用とで乗員を保護する為のものである。第1衝撃吸収部材30が第2衝撃吸収部材40よりも外側へ突出しており、ガラス通過隙間33がガラス通過隙間43よりも小さいので、側面衝突時に第1衝撃吸収部材30が最初に車室側へ押動され、次の瞬間には第2衝撃吸収部材40が車室側へ押動され、第1衝撃吸収部材30が乗員の肘部を車室内方へ押動させるのと殆ど同時にあるいは僅かに遅れて第2衝撃吸収部材40が乗員の腰部を車室内方へ押動させるとともに、第3衝撃吸収部材50が乗員の肩付近を車室内方へ押動させる。
【0031】
こうして、第1衝撃吸収部材30で乗員の肘部を保護し、第2衝撃吸収部材40で乗員の腰部を保護し、第3衝撃吸収部材50で乗員の肩付近を保護することができる。但し、側面衝突の形態によっては前記とは異なる挙動が発生することもある。ここで、仮に、第2衝撃吸収部材40が第1衝撃吸収部材30よりも先に乗員の腰部を車室内方へ押動させると、衝突時の慣性力でもって、乗員の腰部よりも上の部分がドア側(外側)へ倒されて乗員の頭部がドアガラス3等に2次衝突する可能性がある。そこで、このドア構造においては、前記の構成により第1衝吸収部材30が第2衝吸収部材40に先行してまたは殆ど同時に乗員を押動させるように工夫してあるので、側面衝突時における乗員の外側への倒れを防止し、乗員の保護を強化することができる。
【0032】
しかも、第1衝吸収部材30が、インナパネル7の開口32を挿通する状態に設けてあるため、インナパネル7が変形する前から第1衝吸収部材30が車室内方へ移動できるから、第1衝撃吸収部材30の作動緩和機能が高まり衝撃吸収性が向上する。同様に、第2衝撃吸収部材40がインナパネル7の開口42を挿通する状態に設けてあるため、インナパネル7が変形する前から第2衝吸収部材40が車室内方へ移動できるから、第2衝撃吸収部材40の作動応答性が高まり衝撃緩和機能が高まる。
【0033】
第2衝撃吸収部材40の厚さを第1衝撃吸収部材30の厚さよりも大きく設定してあるため、バンパーラインから作用する大きな衝突荷重に対する十分な衝突緩和機能を確保することができる。また、第2衝撃吸収部材40の上下幅を第3衝撃吸収部材50の上下幅よりも大きく設定してあるため、種々の方向からの衝突荷重に対して乗員の腰部とその付近部を確実に保護することができるうえ、第3衝撃吸収部材50を狭いスペースに配置することができる。また、第1衝撃吸収部材30により側面衝突時の早期の時点において、乗員の肘や上肢の部位を確実に車室側へ押動させることができるので、側面衝突の形態にかかわらず、乗員とドアとの2次衝突を確実に解消することができる。
【0034】
次に、前記実施形態を部分的に変更した変更形態について説明する。
1〕図7、図8に示すように、インナパネル7は、インナパネル本体7aとインナフロントパネル7bとを溶接接合して構成され、前記レインフォースメント8の代わりに、図示のようなレインフォースメント8Aが設けられ、このレインフォースメント8Aの前端側部分には、第2インパクトバー22を受容可能なフロント接合部8aとフランジ部8bとが形成されてフランジ部8bがインナフロントパネル7bに溶接接合されるとともに、第2インパクトバー22の前端部がフロント接合部8aに溶接接合される。
【0035】
レインフォースメント8Aの後端部にはフランジ部8dが形成され、そのフランジ部8dに第2インパクトバー22を受容可能なリヤ接合部8cが形成され、フランジ部8dがアウタパネル5に溶接接合され且つ第2インパクトバー22の後端部がリヤ接合部8cに溶接接合される。このように構成すると、第2インパクトバー22を固定する為のブラケットを省略して部材数を節減て軽量化し、製作コスト的に有利になる。尚、レインフォースメント8Aの端部側以外の部分を適当間隔おきにインナパネル7に接合してもよい。
【0036】
2〕前記第1衝撃吸収部材30の衝撃吸収ブロック34の内面がドアトリム17に達するように構成してもよく、また、第2衝撃吸収部材40の衝撃吸収ブロック44,45を一体品に構成してもよく、また、衝撃吸収ブロック31,41,44を衝撃吸収ブロック34,45,50よりも幾分硬目の発泡合成樹脂で構成してもよい。
3〕本発明は、スポーツカー以外の通常の自動車のドアにも同様に適用可能であることは勿論であり、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を付加した形態で実施できることは勿論である。
【0037】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、一方のインパクトバーを、他方のインパクトバーよりもドア厚さ方向外側に位置するように配設し且つ後方に向って低くなる後方下がり傾斜状に配設するという簡単な構成により、側面衝突時の車室内の乗員に対する衝撃加速度を抑制することができ、後方下がり傾斜状に配設したインパクトバーの変形を促進して衝突エネルギー吸収性を高め、2本のインパクトバーの大きな剛性によりドア本体の車室側への変形も全体として抑制することができる
【0038】
側のインパクトバーを後方に向って低くなる後方下がり傾斜状に配設し、上側のインパクトバーをベルトラインのレベルにほぼ水平に配設するという簡単な構成により、側面衝突の際下側のインパクトバーの変形を促進して衝突エネルギー吸収性を高め、上下方向に離間した2本のインパクトバーの大きな剛性でもってドア本体の車室側への変形も全体として抑制でき、下側のインパクトバーにより車室内の乗員の腰部を保護し、上側のインパクトバーにより乗員の肩付近を保護するのに適する。
さらに、下側のインパクトバーを、その後部が車室内に着座した乗員の腰部にほぼ対応 する高さ位置になるように配設するとともに、ガラスガイド部材を、その下部が下側のインパクトバーの後部且つ車室内に着座した乗員の腰部に対応するように配設することにより、側面衝突時に、下側のインパクトバーとガラスガイド部材との両方の塑性変形により衝突エネルギーの吸収性を高めることができるので、車室内の乗員の腰部を保護することができる。
【0039】
請求項の発明によれば、上下2本のインパクトバーのうち下側のインパクトバーを、上側のインパクトバーよりもドア厚さ方向外側に位置するように配設することにより、側面衝突の際、両インパクトバーに時間差をもって衝突荷重を作用させ、車室内の乗員に対する衝撃加速度を抑制できる。その他請求項と同様の効果を奏する
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のドア(ドアトリム除去状態)の側面図である。
【図2】前記ドア(インナパネル除去状態)の側面図である。
【図3】前記ドアの縦断面図である。
【図4】前記ドアの第1インパクトバーの前端部の固定構造を示す要部横断面図である。
【図5】前記ドアの第1インパクトバー後端部の固定構造を示す要部横断面図である。
【図6】前記ドアの第2インパクトバーの前端部の固定構造を示す要部横断面図である。
【図7】変更形態に係る図6相当図である。
【図8】図7の第2インパクトバーとレインフォースメントの斜視図である。
【符号の説明】
1 ドア
2 ドア本体
5 アウタパネル
7 インナパネル
7a インナパネル本体
7b インナフロントパネル
8,8A レインフォースメント
12,13 ガラスガイド部材
16 ラッチ部
21 第1インパクトバー
22 第2インパクトバー
30 第1衝撃吸収部材
33 ガラス通過隙間
40 第2衝撃吸収部材
43 ガラス通過隙間
50 第3衝撃吸収部材

Claims (2)

  1. インナパネルとアウタパネルとで形成されたドア本体の内部空間に上下方向に離間させて車体前後方向向きに配設された2本のインパクトバーと、前記ドア本体の内部空間にほぼ立て向きに配設されたガラスガイド部材とを備え、前記2本のインパクトバーのうち下側のインパクトバーが後方に向って低くなる後方下がり傾斜状に配設され、上側のインパクトバーがベルトラインのレベルにほぼ水平に配設された自動車のドア構造において、 前記下側のインパクトバーは、その後部が車室内に着座した乗員の腰部にほぼ対応する高さ位置になるように配設されるとともに、
    前記ガラスガイド部材は、その下部が前記下側のインパクトバーの後部且つ車室内に着座した乗員の腰部に対応するように配設されたことを特徴とする自動車のドア構造。
  2. 前記下側のインパクトバーが、上側のインパクトバーよりもドア厚さ方向外側に位置するように配設されたことを特徴とする請求項に記載の自動車のドア構造。
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KR100976282B1 (ko) * 2002-08-08 2010-08-16 게스탐프 하르트테크 아베 차량 문짝 및 차량 문짝을 제조하는 방법

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