JP2009173141A - 車両の側部衝撃吸収構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シート側の設計自由度や、点検、交換等の保守の容易性を確保しつつ、車体側壁部で十分な側面衝突荷重の吸収と、乗員へ伝わる荷重の分散を行うことができ、もって安全性を向上させることのできる車両の側部衝撃吸収構造の提供。
【解決手段】 車体側壁部9のシートクッションの座面14aよりも下方部位に、側面衝突時に車体側壁部9の車内側に上方へ向けてエアバッグ24を展開するエアバッグユニット23が車体側壁部本体の車内側に配設される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両の側部衝撃吸収構造に関する。
従来、側面衝突時の衝撃を吸収するために、サイドドア等の車体側壁部内に衝撃吸収部材が収容される。車体側壁部がサイドドアを構成する場合には、衝撃吸収部材は例えば、ドアインナパネルに取り付けられたモジュールプレートとドアトリムとの間に設けられる。側面衝突時、衝撃吸収部材はモジュールプレートと共に車室内側に変位することでドアトリムを介して乗員の肩部付近に弾性当接し、乗員に与える衝撃を緩和するようにしている。
効果的な衝撃吸収効果を得るためには、衝撃吸収部材の厚さを十分に確保することが望ましい。しかし、衝撃吸収部材を厚くすることはサイドドア全体の厚みが増すことになり、シート側の設計自由度が狭くなる、車室内空間が狭くなる、といった問題が生じる。
一方、サイドドアやシートに設けられ側面衝突時にサイドドアと乗員との間に展開されるいわゆるサイドエアバッグを搭載し、これによって側面衝突時の衝撃を吸収するようにした構成も実現されている。
側面衝突の場合は前面衝突の場合と比べて衝突エネルギを吸収できる空間が少ないため、サイドエアバッグはきわめて短い時間で展開させる必要があり、それに応じた展開圧力を印加する必要がある。しかし、この展開圧力は大人には安全でも子供にとっては過剰となる可能性があるため、展開圧力はなるべく低くしたいという要請がある。
その反面、エアバッグユニットを着座乗員の胴体付近の高さ位置のドア内部に設ける構成においては、エアバッグユニット自体が高剛性部材であるためにこれが乗員に当たらないようエアバッグの展開圧力を更に高める必要もある。
このように、衝撃吸収部材及びサイドエアバッグの配置に関しては、車両デザインや安全確保等の観点から十分な検討が必要である。
特開平04−356245号公報 実開平05−042002号公報
特許文献1は、筒状のインパクトバー内にインフレータを収納し、保護する構成を開示している。この構成は、インパクトバーとエアバッグを腰部対面位置にコンパクトにレイアウトできる点で優れている。
しかしながら、かかる構成では、エアバッグはドア内部のウインドウガラスよりも外側に位置し、組み付けや保守が困難である。また、インフレータやエアバッグ本体を乗員側方に配置したものであり、衝撃吸収ストロークを狭めている。このため、その分の展開幅の増加が必要となり、特に軽い子供やチャイルドシートを必要以上に押してしまう悪影響が懸念される。
特許文献2は、座面より下においてドア内部にエアバッグユニットを凹入させた上、インフレータの一部を侵入させる構成を開示している。しかしながら、この構成はドア内部のレイアウトに影響が大きいという問題がある。なぜなら、ドア内部にはウインドレギュレータやインパクトバー等も配されており、これらとエアバッグユニットとの配置位置の取り合いが生じるからである。
この他、サイドシルにサイドエアバッグを設けることも考えられる。しかし、スライドドアのような前後に長いドアを有する車両においては、サイドシルにスライドドア用のレールを設ける必要があるため、そのようなサイドシルにエアバッグを収納することは困難である。
また、ピラーにサイドエアバッグを設けることも考えられる。しかし、シートは通常、前後にスライド可能に構成されていることを考えると、そのスライド位置によってはエアバッグ設置位置からそのシートの乗員までの距離が遠すぎて、エアバッグ展開の迅速性や確実性が低くなることが避けられない。
本発明は、かかる問題に鑑みなされたもので、シート側の設計自由度や、点検、交換等の保守の容易性を確保しつつ、車体側壁部で十分な側面衝突荷重の吸収と、乗員へ伝わる荷重の分散を行うことができ、もって安全性を向上させることのできる車両の側部衝撃吸収構造を提供することを目的とする。
本発明の一側面によれば、車室のフロア上に設けられ、シートクッション及びシートバックを有する座席と、前記座席の側方に離間して設けられた車体側壁部とを備える車両の側部衝撃吸収構造であって、前記車体側壁部の前記シートクッションの座面よりも下方部位に、側面衝突時に前記車体側壁部の車内側に上方へ向けてエアバッグを展開するエアバッグユニットが前記車体側壁部本体の車内側に配設されることを特徴とする車両の側部衝撃吸収構造が提供される。
この構成によれば、座席の設計自由度が高く、エアバッグユニットが車体側壁部本体の車内側に配設されるので、上方展開が容易で、組み付けや、点検、交換等の保守も容易、かつエアバッグユニットが座面よりも下に配されるので、側面衝突時にドアが変形し車内側に侵入しても、エアバッグユニットが乗員に危害を及ぼさない。
本発明の好適な実施形態によれば、前記エアバッグユニットは、剛体のインフレータを備え、少なくとも前記インフレータが前記シートクッションよりも下方に配設されることが好ましい。
この構成によれば、柔らかいエアバッグ自体を乗員近傍の展開に適した場所に配設したとしても、少なくとも加害性の高い剛体部品と乗員との衝突を回避できる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記車体側壁部本体は、中空部を形成するよう互いに結合するアウタパネルとインナパネルを備え、前記エアバッグユニットは前記中空部よりも車内側に配設されることが好ましい。
この構成によれば、車体側壁部本体の内部領域をエアバッグユニットに関係なく自由に使える。例えば、インパクトバーやウインドレギュレータなどのレイアウトが容易になる。特に、インパクトバーとエアバッグユニットは共に車体側面視において乗員近くに配置するのが好ましく、エアバッグユニットを中空部内に配設する場合に比して、配設位置の取り合いを防ぐことができる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記車体側壁部は、前記座席の座面上方部位に所定幅の衝撃吸収部材を内部に含み、前記衝撃吸収部材と前記エアバッグユニットは共に、カバー部材によって車室側から覆われ、前記エアバッグユニットは、側面衝突時に前記衝撃吸収部材の車内側に前記エアバッグを展開するよう配設されていることが好ましい。
この構成によれば、衝撃吸収部材とエアバッグを併用することで、衝撃吸収量向上と乗員への荷重分散促進による安全性向上ができる他、エアバッグユニットを小型化できるので、衝撃吸収部材の幅を利用して、座面下方の側壁部とカバー部材間のデッドスペースにスリムに格納し、見栄え良くできる。
本発明の好適な実施形態において、前記車体側壁部は、前記座席と対面する位置に設けられた乗降口とこれを開閉自在に覆うドアを含み、前記エアバッグユニットは、前記ドアに配設されることが好ましい。
この構成によれば、乗降性とエアバッグの適切な展開位置を両立できる。
本発明の好適な実施形態によれば、前記車体側壁部の前記中空部に、前記車体側壁部と略平行に剛体のインパクトバーが架け渡され、前記エアバッグユニットは、前記インパクトバーの車内側近傍に配設されることが好ましい。
この構成によれば、略直線状に形状が制限されるインパクトバーとエアバッグユニットの位置が干渉せず、共に乗員近くに配設する設計が容易となる。
本発明によれば、シート側の設計自由度や、点検、交換等の保守の容易性を確保しつつ、車体側壁部で十分な側面衝突荷重の吸収と、乗員へ伝わる荷重の分散を行うことができ、もって安全性を向上させることのできる車両の側部衝撃吸収構造が提供される。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の実施に有利な具体例を示すにすぎない。また、以下の実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の課題解決手段として必須のものであるとは限らない。
図1は、本実施形態が適用される車両1の全体側面図、図2は、車両1の第2列シート付近を要部とする側面透視図である。図1及び図2では、車両左側部を車両外側から示している。図3は、図2のA−A線に沿う要部拡大断面図であり、本実施形態の側部衝撃吸収構造としてリヤサイドドア内部および車室内の要部を、車体後方から見た図である。
この車両1の左側部には、センタピラー2を挟んで乗降口となるフロント開口部3とリヤ開口部4とが形成されている。フロント開口部3は、前縁部が不図示のフロントピラー、上縁部がルーフサイドレール5、後縁部がセンタピラー2、下縁部がサイドシル6によって画定されており、また、リヤ開口部4は、前縁部がセンタピラー2、上縁部がルーフサイドレール5、後縁部がクォータピラー7、下縁部がサイドシル6によって画定されている。
フロント開口部3には左前部車体側壁部をなすフロントサイドドア8がフロント開口部3を開閉可能に取り付けられており、リヤ開口部4には左後部車体側壁部をなすリヤサイドドア9がリヤ開口部4を開閉可能に取り付けられている。ここで、リヤサイドドア9はいわゆるスライドドアであり、車体前後方向にスライドすることによってリヤ開口部4を開閉自在にしている。具体的には、リヤサイドドア9は、ルーフサイドレール5に沿ってリヤ開口部4の上縁部に亘って設けられたアッパレール10と、サイドシル6に構成された車体前後方向に延在するレールボックス11に収納されたロアレール12と、クォータピラー7から後方のアウタパネル表面に設けられ、アッパレール10とロアレール12との中間の高さ位置でクォータピラー7から車体後方に延びるセンタレール13とによってガイドされて車体前後方向にスライドするように構成されている。図1では、リヤサイドドア9を車体後方にスライドしてリヤ開口部4を開状態とした場合を示しており、一方、図2では、リヤサイドドア9を車体前方にスライドしてリヤ開口部4を閉状態とした場合を示している。
図3に示すように、サイドシル6は、車外側に膨出するサイドシルアウタ6aと、車内側に膨出するサイドシルインナ6bと、その間に配設される補強鋼板としてのサイドシルレインフォースメント6cの上下のフランジ部を接合した閉断面部材を基本構成とするが、本実施形態では上記したようにこのサイドシル6内にロアレール12を収納するレールボックス11が構成される。
レールボックス11は、サイドシルアウタ6aとサイドシルレインフォースメント6cとの間に形成されるもので、レールボックスロア11aとレールボックスアッパ11bとで構成される。レールボックスロア11aは、その下端のフランジ部がサイドシルアウタ6a、サイドシルインナ6b、サイドシルレインフォースメント6cと共に接合され、そこから車外側に膨出するように立ち上がり、所定の高さ位置で車内側に折曲されレールボックスの底壁部11cを形成する。さらに、このレールボックスロア11aの上端部は底壁部11cからサイドシルレインフォースメント6cに沿って立ち上がり、レールボックスアッパ11bの下端部と共にサイドシルレインフォースメント6cと接合される。こうしてレールボックス11の縦壁部11dは、サイドシルレインフォースメント6cと、レールボックスロア11aの上端部と、レールボックスアッパ11bの下端部との接合部によって形成される。そして、レールボックスアッパ11bは、その下端部から車外側に折曲されてレールボックス11の上壁部11eを形成する。こうしてレールボックス11は車外側に開口した形状とされる。ロアレール12は上壁部11eの下方に接合される。ロアレール12は、図3に示すように上に凸の断面形状を有している。
サイドシルインナ6bの車内側肩部には車室内の床面を構成するフロアパネル31の車幅方向の側縁部が接合される。フロアパネル31上には吸音材32及びフロアマット33が敷き詰められる。また、サイドシルインナ6bの上面部は、乗降時の乗員の靴底による擦れ等からの保護及び/又はデザイン性向上のために、スカッフプレート34で覆われている。
リヤサイドドア9の閉時にそのリヤサイドドア9の車室内側側面に近接し、車体側面視でリヤサイドドア9と重複する位置に、第2列シート14がフロアパネル31上に設置される。第2列シート14は、ドライバーズシートを含む第1列シート(前部座席)の後方に設けられる後部座席である。第2列シート14は、乗員Pが着座するシートクッション14aと、シートクッション14a後端部に支持されたシートバック14bと、シートバック14bの上端部に配設されるヘッドレス14cとを有し、前後方向にスライド可能に取り付けられている。また、乗員Pの上半身の傾倒角度を調節するリクライニング機構も備えている。また、第2列シート14の後方でクォータピラー7の下方の車幅方向両端部には、第2列シート14の後方近傍に車内側に膨出して後輪15を収容するリヤホイールハウス16が形成されている。
図2に示すように、ロアレール12の後部側の車外側縦壁部には切り欠き部12aが形成されており、リヤサイドドア9の、この切り欠き部12aに対応する部位には、リヤサイドドア9からサイドシル6に形成されているレールボックス11に向けて凸状に突出するキャッチャピン30が設けられる。キャッチャピン30は、側面衝突時にリヤサイドドア9がリヤ開口部4に進入するのを規制するためのものである。
図4は、図2のB−B線に沿う要部拡大断面図で、キャッチャピン30付近の構成を示している。なお、見易くするため、フロアマット等の内装は省略している。ドア本体部をなすドアインナパネル9bと後述するモジュールプレート9cの下縁部との重複部にキャッチャピン30の挿通孔を形成し、そこにキャッチャピン30が挿通されて固定されている。側面衝突時、リヤサイドドア9の車内側への変形に伴い、キャッチャピン30が切り欠き部12aを介してレールボックス11内に入り込んでレールボックス11内で係止され、これによりリヤサイドドア9がリヤ開口部4に進入することが規制される。
リヤサイドドア9は、昇降可能なウインドガラス17を内部に有するドアで、基本的に、車幅方向の最も外側に位置しドアの外表面をなすドアアウタパネル9aと、ドアアウタパネル9aより車内側に位置しドア本体部をなすドアインナパネル9bと、ドアインナパネル9bに取り付けられ、例えばドアモジュールユニットの基板となるプレート部材としてのモジュールプレート9cと、ドアインナパネル9bの車室内側を覆うドアトリム9dとで構成されている。なお、ドアモジュールユニットは、主に軽量化及び組付け性の向上を目的として、モジュールプレート9cに対してスピーカ、ワイヤハーネス、ウインドレギュレータ、ドアラッチユニット等のドア機能部品を一体的にモジュール化したものである。軽量化・造形自由度の向上の観点から、モジュールプレート9cには好ましくは高剛性熱可塑樹脂が使用される。
ドアアウタパネル9a及びドアインナパネル9bは鋼板からなり、両パネルの間に中空部を形成するように互いの側縁部及び下縁部が溶接等により接合され、上縁部には、ウインドガラス17を昇降可能にするスリット状の開口部が形成されている。この開口部にはウインドガラス17に付着した水を切るためウェザーストリップ9eが設けられる。
上記したとおり、リヤサイドドア9の内部には、昇降可能に構成されたウインドガラス17が設けられている。18はウインドガラス17の昇降をガイドする第1ガイドレール、19はウインドレギュレータである。ウインドレギュレータ19は例えばワイヤ式のウインドレギュレータで、モータ19aの回転運動を、ワイヤ19bを介して第2ガイドレール19cに沿うウインドガラス17の昇降運動に変換している。これらのウインドガラス17を昇降させるための機能部品はモジュールプレート9cに組み付けられる。なお、図2には、ウインドガラス17は最下端位置まで降ろされた状態が示されている。
リヤサイドドア9の内部には更に、乗員Pのベルトライン付近の高さにおいて略前後方向に架け渡される第1インパクトバー20と、その下方部において後方下がりの斜めに架け渡される第2インパクトバー21とが設けられている。このように上下方向に離間して2本のインパクトバーを設けることにより、側面衝突時にリヤサイドドア9に印加される衝撃を上下方向で広範囲に受容できるようにしている。また、図3に示すように、第1インパクトバー20及び第2インパクトバー21はそれぞれ、車外側に突出するような横向き凸状の断面形状を有しており、車体前後方向に延在する断面部40,41が形成されている。とりわけ本実施形態では、第2インパクトバー21の上下のフランジ部にはドアインナパネル9bを介してモジュールプレート9cと対面する平面部材21aが接合される。この平面部材21aが介在することにより、断面部41が閉断面化され強化されると共に、側面衝突時に第2インパクトバー21に入力された荷重をモジュールプレート9cへ分散して伝達することができる。
第1インパクトバー20及び第2インパクトバー21の両端はそれぞれ、リヤサイドドア9の強固な構造を確保すべく車体剛性部材に対応する部位で固定される。図2に示す例では、第1インパクトバー20の前端はセンタピラー2と車体側面視で重複する位置のリヤサイドドア9の前縁上下中間部で固定され、その後端はクォータピラー7と車体側面視で重複する位置のリヤサイドドア9の後縁上下中間部で固定される。第2インパクトバー21の前端は、第1インパクトバー20と同様、センタピラー2と車体側面視で重複する位置のリヤサイドドア9の前縁上下中間部で固定される一方、その後端はサイドシル6と車体側面視で重複する位置のリヤサイドドア9の下縁後部で固定される。よって、側面衝突時に加わる荷重を車外側に開口して強度的に不利なレールボックス11の中間部を避けて剛性の高いサイドシル6の後部に分散して伝達することができる。
図5は、図2のC−C線に沿う要部拡大断面図で、第2インパクトバー21の前端部の、センタピラー2と車体側面視で重複する位置でのリヤサイドドア9との結合態様を示している。なお、図4と同様に内装を一部省略している。すなわち、第2インパクトバー21の前端部は、リヤサイドドア9を構成するドアアウタパネル9aとドアインナパネル9bとに挟まれた状態で、それぞれが重合するように接合されており、強固な構造を確保している。
図6は、図2のD−D線に沿う要部拡大断面図で、第2インパクトバー21の後端部の、サイドシル6と車体側面視で重複する位置でのリヤサイドドア9との結合態様を示している。なお、図4と同様に内装を一部省略している。すなわち、第2インパクトバー21の後端部は、ドアアウタパネル9a及びドアインナパネル9bとそれぞれ重合するように接合されており、強固な構造を確保している。
図2、図3に示すように、リヤサイドドア9の内部には更に、第2列シート14の乗員Pの胴体部(腰部及び胸部)をサポートする位置、すなわち、シートクッション14aの座面の高さ位置から上部に、ドアインナパネル9b及びモジュールプレート9cとドアトリム9dとの間、並びに、ドアアウタパネル9aの車内側に、それぞれ衝撃吸収部材22が収容される。衝撃吸収部材22は、側面衝突時にドアトリム9dを介して乗員の肩部付近に弾性当接し、リヤサイドドア9が車室内側に変位することで乗員に与える衝撃を緩和するためのものである。
図7は、図2のE−E線に沿う要部断面図である。衝撃吸収部材22は、第2列シート14の乗員Pの位置をカバーすればよいので、図示の如く、リヤサイドドア9における後半部にのみ収容されていればよく、前半部にまで収容する必要はないであろう。
本実施形態では、更に、側面衝突に対応するためのエアバッグユニット23が、衝撃吸収部材22の下方位置、すなわちシートクッション14aの座面より下方位置、に設けられる。エアバッグユニット23は、エアバッグ24及びインフレータ25をその構成要素に含むもので、エアバッグ24は、通常時は衝撃吸収部材22の下方位置において折り畳まれた状態で収納される。このエアバッグ24の基部はブラケット35を介してモジュールプレート9cに支持される。インフレータ25は、第2インパクトバー21の後方寄り位置で、かつ、第2インパクトバー21よりも車内側の位置において、ブラケット36を介して、第2インパクトバー21、ドアインナパネル9b、モジュールプレート9cに対して共締め固定される。
このとき、インフレータ25は第2インパクトバー21と車体側面視で非重複部位を有するように取り付けられるとよい。具体的には、インフレータ25は、第2インパクトバー21の下辺部の上方近傍に位置するよう配設されるとよい。
インフレータ25が第2インパクトバー21と結合されることにより、側面衝突時に入力される荷重の分散が促進され、リヤサイドドア9の車室内への侵入を防止できる。また、インフレータ25と第2インパクトバー21とは、複数個所又は所定幅で結合されるので、相互に補強することができている。
更に、エアバッグユニット23はモジュールプレート9cに対して車内側に配されるので、第2インパクトバー21やウインドレギュレータ19と配置位置の取り合いも抑えられる。
このように本実施形態では、エアバッグユニット23は、乗員Pと対面する部位には配置されない。このため、短いストロークにおける衝撃吸収力に優れた衝撃吸収部材を幅広く設けることができる。そして、その車内側に更に乗員への荷重分散能力に優れたエアバッグ24を重ねて展開させることで、シート側の設計自由度や車室の広さを確保しながら、薄い車体側壁部で十分な側突荷重の吸収と、乗員へ伝わる荷重の分散を行うことができ、もって安全性を向上させることができる。
また、本実施形態では衝撃吸収部材22は直接乗員に当たらないため、車内側の衝撃吸収部材22には比較的硬く衝撃吸収力の高いものを使用できる。そのような衝撃吸収部材としては例えば、低発泡(10倍以下)ウレタンの他、トリムのリブ増強やハニカム構造体、金属箔や紙や樹脂シート等で形成される筒状衝撃吸収材などが考えられる。
側面衝突時、エアバッグ24は、インフレータ25からのエアによってドアトリム9dと乗員、特に乗員の腰部及び胸部(肩部を含む)に対応する部位、との間で、24aで示される領域において展開される。本実施形態ではこれを可能にするべく、シートクッション14a横のドアトリム9dに、展開するエアバッグ24を車室内に進入させるためのスリット37が形成される。また、そのスリット37へのエアバッグ24の進入を案内するためのエアバッグガイド38をモジュールプレート9cやドアトリム9dに設けるとよい。
このように本実施形態では、側面衝突時、衝撃吸収部材22で乗員の比較的硬い腰部や胸部(肩部含む)を支え、更に、弾力性のあるエアバッグ24により乗員の胴部全体に略均等に荷重を分散する。こうして衝撃に対する乗員の負担を軽減している。
このとき、エアバッグ24は、エアバッグ24の収納位置から真上ではなく車体後方に傾いた方向に展開されるようにするとよい。上記のとおり、第2列シート14は前後方向にスライド可能に設けられるため、エアバッグ24には、そのスライド可能域の全域に亘ってカバーすることが望まれる。仮に、エアバッグユニット23をクォータピラー7付近に設けたとすると、第2列シート14が前方寄りにスライドされている場合、エアバッグ24とその乗員との距離が遠すぎて、エアバッグ展開の迅速性や確実性を確保できない可能性がある。この問題は、より大きなエアバッグユニットを使用することで解決することは可能であるが、その場合にはエアバッグユニットのコスト増、重量増が避けられない。
そこで本実施形態では、クォータピラー7又はホイールハウス16よりも前方の、第2インパクトバー21にインフレータ25を取り付けている。そして、エアバッグ24を斜め後方に展開させるように構成している。これにより、近傍にリヤホイールハウス16が形成されているために直下位置にエアバッグユニットを配置することのできない第2列シート14に向けてエアバッグを効果的に展開することを可能にしている。
図8は、本実施形態における車両の側部衝撃吸収構造の側面衝突に対する効果を説明する図である。ここでは、本実施形態に係る車両1のリヤサイドドア9に、乗用車タイプの車両50が側面衝突した場合を想定する。多くの場合、車両50が車両1に衝突する直前に車両50のドライバーは衝突回避のために急ブレーキを使うであろう。その場合、そのブレーキングによって車両50の前部は下方に沈み込み(ノーズダイブ)、その状態で車両50のフロントバンパ51が、車両1のリヤサイドドア9の下部で、衝撃吸収部材22が収容されていない箇所に衝突する可能性がある。
しかし、本実施形態においては、第2インパクトバー21が車外側に突出するように形成されているので、かかる衝突の際には衝突車両50のフロントバンパ51は、ドアアウタパネル9aを介して第2インパクトバー21がはじめに当接することになる。したがって、衝撃が第2インパクトバー21を変形させるほどの強さである場合には、その第2インパクトバー21の変形に伴って、モジュールプレート9c及びその車室内側に収容されている衝撃吸収部材22が、車室内側に押し出されて、衝撃吸収部材22はドアトリム9dを介して乗員Pに弾性当接し、乗員Pに与える衝撃を効果的に緩和することができる。
しかもこのとき、モジュールプレート9cに取り付けられているインフレータ25も一緒に車室内側に移動するので、インフレータ25だけが置き去りにされてエアバッグ24を展開させることができなくなる事態を起こすこともない。
なお、かかる衝突の際にはモジュールプレート9cが破壊されてしまい、衝撃吸収部材22を車室内側に押し出すプッシャー機能が失われてしまう可能性がある。しかし本実施形態では、衝撃吸収部材22が収容されていないリヤサイドドア9の下部におけるモジュールプレート9cには剛体であるインフレータ25が取り付けられているため、これが補強部材となってモジュールプレート9cの保護にも役立っている。これにより、リヤサイドドア9の下部領域にまで衝撃吸収部材を収容しなくても、収容したのと同様な効果を得ることができる。また、上述したように、本実施形態では、モジュールプレート9cにはスピーカ、ワイヤハーネス、ウインドレギュレータ、ドアラッチユニット等のドア機能部品がドアモジュールユニットとして組み付けられており、これらの機能部品によってインパクトバー当接部の補強を行うことも可能である。そうすることで、部品点数や補強構造の追加なく、衝撃吸収部材を車室側へと押す機能の確実性を高めることができる。その際、インフレータ25はシートクッション14aの座面より下方位置に設けられており、乗員に衝突することはない。
また、本実施形態では、第2インパクトバー21は後傾してレイアウトされているため、衝突相手である車両50のバンパ51に対応する高さの上下方向の守備範囲が広がり、センタピラー2の受ける荷重を、乗降口の下縁において車外側に開口して強度的に不利なレールボックス11を避けてサイドシル6やフロアパネル31近くに分散できる反面、乗員下部(腰部)あたりの守備が手薄になるのを、インフレータ25で補完すると同時に、インフレータ25を効果的な位置にコンパクトにレイアウトし、車体重量増加やドアの厚み増加を抑えて安全性を高めることができている。
上述の実施形態では、本発明の側部衝撃吸収構造を車両1の左側部のリヤサイドドア9に適用した例を説明したが、右側部にも全く同様に適用できることは言うまでもない。また、本発明の側部衝撃吸収構造はドア機能を有しない車体側壁部にも適用可能であることは当業者には容易に理解されよう。
実施形態における車両の全体側面図である。 実施形態における車両の要部側面透視図である。 図2のA−A断面図である。 図2のB−B断面図である。 図2のC−C断面図である。 図2のD−D断面図である。 図2のE−E断面図である。 実施形態における車両の側部衝撃吸収構造の側面衝突に対する効果を説明する図である。
符号の説明
1 車両
2 センタピラー
3 フロント開口部
4 リヤ開口部
5 ルーフサイドレール
6 サイドシル
6a サイドシルアウタ
6b サイドシルインナ
7 クォータピラー
8 フロントサイドドア
9 リヤサイドドア
9a ドアアウタパネル
9b ドアインナパネル
9c モジュールプレート
9d ドアトリム
9e ウェザーストリップ
10 アッパレール
11 レールボックス
12 ロアレール
12a 切り欠き部
13 センタレール
14 座席
15 後輪
16 リヤホイールハウス
17 ウインドガラス
18 第1ガイドレール
19 ウインドレギュレータ
19a モータ
19b ワイヤ
19c 第2ガイドレール
20 第1インパクトバー
21 第2インパクトバー
22 衝撃吸収部材
22a 第1衝撃吸収部材
22b 第2衝撃吸収部材
23 エアバッグユニット
24 エアバッグ
25 インフレータ
30 キャッチャピン
31 フロアパネル
32 吸音材
33 フロアマット
34 スカッフプレート
35,36 ブラケット
37 スリット
38 エアバッグガイド
40,41 断面部
50 衝突車両

Claims (6)

  1. 車室のフロア上に設けられ、シートクッション及びシートバックを有する座席と、前記座席の側方に離間して設けられた車体側壁部とを備える車両の側部衝撃吸収構造であって、
    前記車体側壁部の前記シートクッションの座面よりも下方部位に、側面衝突時に前記車体側壁部の車内側に上方へ向けてエアバッグを展開するエアバッグユニットが前記車体側壁部本体の車内側に配設されることを特徴とする車両の側部衝撃吸収構造。
  2. 前記エアバッグユニットは、剛体のインフレータを備え、少なくとも前記インフレータが前記シートクッションよりも下方に配設されることを特徴とする請求項1に記載の車両の側部衝撃吸収構造。
  3. 前記車体側壁部本体は、中空部を形成するよう互いに結合するアウタパネルとインナパネルを備え、前記エアバッグユニットは前記中空部よりも車内側に配設されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の側部衝撃吸収構造。
  4. 前記車体側壁部は、前記座席の座面上方部位に所定幅の衝撃吸収部材を内部に含み、前記衝撃吸収部材と前記エアバッグユニットは共に、カバー部材によって車室側から覆われ、前記エアバッグユニットは、側面衝突時に前記衝撃吸収部材の車内側に前記エアバッグを展開するよう配設されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両の側部衝撃吸収構造。
  5. 前記車体側壁部は、前記座席と対面する位置に設けられた乗降口とこれを開閉自在に覆うドアを含み、前記エアバッグユニットは、前記ドアに配設されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両の側部衝撃吸収構造。
  6. 前記車体側壁部の前記中空部に、前記車体側壁部と略平行に剛体のインパクトバーが架け渡され、前記エアバッグユニットは、前記インパクトバーの車内側近傍に配設されることを特徴とする請求項3に記載の車両の側部衝撃吸収構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013220800A (ja) * 2012-04-19 2013-10-28 Suzuki Motor Corp 車体後部のピラー構造
CN106143076A (zh) * 2016-08-23 2016-11-23 苏州万隆汽车零部件股份有限公司 一种汽车内门板
CN106314096A (zh) * 2016-08-23 2017-01-11 苏州万隆汽车零部件股份有限公司 一种缓冲型汽车门板

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