JP5477536B2 - 車両のシートベルト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のシートベルト装置に関するものである。
従来より、運転席の後方に配置される後部座席が、車幅方向において複数名の乗員によって着座可能とされ、更に、車幅方向中央領域に乗員が着座可能な中央席を設け、この中央席の左右両側に夫々座席を設けた3人掛けシートは知られている。
衝突時の衝撃から座席に着座する乗員を保護するため、乗員を拘束するシートベルト装置が夫々の座席に設置されており、近年、後部座席に着座する乗員についてもシートベルトの着用が義務付けられている。安全性向上の観点から、後部座席、特に後部中央席のシートベルトについても、3点式とすることが望まれている。
後部中央席の3点式シートベルトは、リトラクタから引き出されたベルト本体がシート上方位置に設置されたベルトアンカを経由した後、ベルト本体先端に設けられたアンカ用タングがシートの車幅方向一方側のアンカ用バックルと係合され、ベルト本体途中部に摺動可能に設けられた乗員拘束用タングがシートの車幅方向他方側の乗員拘束用バックルと係合されることで乗員を3点で拘束している。
後部中央席の3点式シートベルトでは、中央に着座する乗員の両隣に左右のシートが存在することから、左右シートのようにリトラクタをピラー内部に配置することができず、リトラクタ等のシートベルト装置をどの位置に配置するかが問題となる。シート自体にシートベルト装置を設置する技術も提案されているが、シート構造の大幅変更は本より、衝突時の荷重対策等のため、シートの総重量増加やコストアップの問題が新たに発生する。
特許文献1は、リフトゲートに設置されたリトラクタから引き出されたベルト本体がシートバック上方、所謂シートの肩部分に設置されたベルトアンカを経由した後、その先端に設けられたアンカ用タングをシートの車幅方向一方側のアンカ用バックルと係合し、ベルト本体途中部に摺動可能に設けられた乗員拘束用タングをシートの車幅方向他方側の乗員拘束用バックルと係合する技術を提案している。特許文献1では、シートバックとシートクッションとの連結部分に大きな荷重が掛ることを防止しつつ、リトラクタの支持強度を向上できる。
特許文献2は、車両のルーフ後縁部のリアヘッダに設けられたリフトゲートのヒンジレインフォースメントを後部座席用のベルトアンカの支持部と兼用する技術を提案している。特許文献2では、シート構造の変更を行うことなく、後部中央席の3点式シートベルトの設置が可能となる。
特開平11−240415号公報 実開昭63−70461号公報
ところで、シートベルト装置はその機構上、衝突時、衝撃を有効に吸収するには、ベルト本体が乗員の後方側から充分な傾斜角とされた状態で着用される必要がある。このベルト本体の乗員に対する傾斜角を確保するため、支持強度が高くされたベルトアンカを乗員の車体前後方向後方側に設置するか、或いはベルトアンカとリトラクタとからなるシートベルト装置自体を乗員の後方側に設置する必要がある。
特許文献1では、リトラクタをリフトゲートに設置するため、シートバックの肩部分に設置されたベルトアンカの支持強度に影響を受けることなく、シートベルト装置が有効に衝撃吸収することができる。しかしながら、リトラクタをリフトゲートに設けるため、シートベルト着用時、リフトゲートに設置されたリトラクタからベルトアンカが配置されるシートまでベルト本体が懸架されることになり、荷室空間が有効に利用できないという問題が生じる。
また、前述の問題を考慮して、リトラクタの配置位置をルーフ等に設けることも考えられるが、ベルトアンカへの荷重が発生するため、依然としてシート自体の構造変更が必要とされる。しかも、ルーフとトリムとの間のスペースは狭く、このスペースにリトラクタを配置した場合、乗員のヘッドクリアランスが影響をうける。
特許文献2のように、ベルトアンカをルーフ後縁部のリアヘッダに設ける構造は、リトラクタの配置位置に拘わらずベルトアンカの支持強度を強固にするには有効である。しかしながら、シートベルト装置ではベルトアンカの支持強度に加え、乗員のヘッドクリアランス確保が重要な設計要件となる。特に、コンパクトカーのように車室空間が狭い車両においては、元々ヘッドクリアランスが狭いため、リトラクタをルーフとトリムとの間のスペースに配置すること自体、車両デザイン性を制限することになる。
本発明の目的は、乗員のヘッドクリアランスを確保しつつ、有効に衝撃吸収することが可能なシートベルト装置を提供することである。
本発明に係る車両のシートベルト装置は、ルーフの車体前後方向後縁部に設けられるリアヘッダと、このリアヘッダの車体前後方向後方に配置されるリフトゲートと、このリフトゲートよりも前方に配置される後部座席と、この後部座席に着座した乗員を拘束するベルト本体と、このベルト本体を収容するリトラクタとを有する。
請求項1の発明は、前記リトラクタから引き出された前記ベルト本体を前記後部座席に着座した乗員に向けて方向変換するベルトアンカを有し、このベルトアンカは前記ルーフに配置されると共に、前記リトラクタは前記リフトゲートに配置され、前記リフトゲートの上部が前記リアヘッダにヒンジを介して開閉可能に支持され、前記後部座席と前記リフトゲートとの間に荷室を有し、前記リトラクタは前記リフトゲートに固定されるリアウインドの車体上下方向上方に配置されたことを特徴とする。
請求項1の発明では、ベルト本体を前記後部座席に着座した乗員に向けて方向変換するベルトアンカがルーフに配置されるため、後部座席の構造変更を発生させることなく、また、リトラクタの配置位置に拘わらず、乗員の後方側から充分な傾斜角をもって乗員を拘束することが可能となる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記リトラクタが前記ベルトアンカの車体前後方向後方に配設され、前記ベルトアンカが、前記リトラクタとベルトアンカとの間において前記ルーフ近傍に配置された前記ベルト本体を前側下方へ屈曲するように方向変換させることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記リフトゲートの上部に形成された閉断面部と、前記閉断面部内に設けられ前記ヒンジと前記リフトゲートとの取付部を補強する補強部材とを有し、前記リトラクタは前記閉断面部内において補強部材に固定されたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、ベルトアンカは、ヒンジの回転軸に対して車体前後方向に近接して配置されたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れかの発明において、後部座席は、車幅方向に複数名乗員が着座可能とされると共に車幅方向中央領域に乗員が着座可能な中央席を備え、ベルト本体は、中央席に着座した乗員を拘束することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかの発明において、ベルト本体は、ベルト本体の先端部にアンカ用タングと、ベルト本体の途中部に乗員拘束用タングとを有し、乗員が着座したとき、乗員の車幅方向一方側に乗員拘束用タングと係合可能な乗員拘束用バックルと、乗員の車幅方向他方側にアンカ用タングと係合可能なアンカ用バックルとを設けたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、リトラクタから引き出されたベルト本体を前記後部座席に着座した乗員に向けて方向変換するベルトアンカを有し、このベルトアンカはルーフに配置されると共に、リトラクタはリフトゲートに配置され、リフトゲートの上部がリアヘッダにヒンジを介して開閉可能に支持され、後部座席とリフトゲートとの間に荷室を有し、リトラクタはリフトゲートに固定されるリアウインドの車体上下方向上方に配置されたため、乗員のヘッドクリアランスを確保しつつ、有効に衝撃吸収することが可能なシートベルト装置を得ることができる。
つまり、リトラクタに比べて小さなベルトアンカをルーフに配置するため、ベルトアンカによって車室空間を占有しない。また、ベルトアンカに比べて大きなリトラクタは、ヘッドクリアランスに影響を与えないリフトゲートに配置するため、乗員のヘッドクリアランスを確保できる。しかも、ヘッドクリアランスに影響を与えることなく、ベルトアンカを設置することができるため、ベルトアンカを後部座席の位置に対応させて配置でき、シートベルト装置を最も衝撃吸収に適した、所謂充分な傾斜角を確保できる位置に設けることができ、乗員の後方視界を妨げず、荷室が有効に利用できる。
請求項2の発明によれば、リトラクタがベルトアンカの車体前後方向後方に配設され、ベルトアンカが、リトラクタとベルトアンカとの間においてルーフ近傍に配置されたベルト本体を前側下方へ屈曲するように方向変換させるため、リトラクタからベルトアンカまで懸架されるベルト本体をルーフ近傍に配置でき、乗員の後方視界を妨げない。しかも、ベルト本体が荷室を跨いだ配置とならないため、荷室が有効に利用できる。
請求項3の発明によれば、リフトゲートの上部に形成された閉断面部と、閉断面部内に設けられヒンジとリフトゲートとの取付部を補強する補強部材とを有し、リトラクタが閉断面部内において補強部材に固定されたため、部品点数を増加することなく、リトラクタの支持剛性を増加することができる。
請求項4の発明によれば、ベルトアンカは、リフトゲートのヒンジ部の回転軸に対して車体前後方向に近接して配置されるため、乗員のシートベルト着用時、リフトゲートが開作動されても、アンカポイントの後方移動に伴う乗員のベルト本体による引っ張られ感を最小に抑えることができる。
請求項5の発明によれば、ベルト本体は、後部座席の中央席に着座した乗員を拘束するため、リトラクタの配置が困難な後部中央席であっても、有効なシートベルト装置を得ることができる。
請求項6の発明によれば、乗員が着座したとき、乗員の車幅方向一方側にアンカ用タングと係合可能なアンカ用バックルと、乗員の車幅方向他方側に乗員拘束用タングと係合可能な乗員拘束用バックルとを設けたため、乗員の拘束に有効な3点式シートベルト装置を得ることができる。
本発明の実施例を示す車両の側部断面図である。 図1の正面図である。 実施例に係る車両後方領域を車両外側から見た平面図である。 実施例に係るリフトゲート内部を車両外側から見た図である。 図2におけるV−V線断面図である。 図3におけるVI−VI線断面図である。 リフトゲートが開作動したときの説明図である。 実施例に係るシートベルト未着用時の図5相当図である。
以下、本発明を実施する為の最良の形態について実施例に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、車両Aはミニバンタイプの車両であり、フロアパネル1、ルーフ2、リフトゲート3、図示しない左右サイドフレーム及び左右サイドドアとによって車室4を構成している。フロアパネル1上に設置されたシート5(後部座席)は、図示しない運転席及び助手席を構成する最前列シートの車両前後方向後方に配置され、車室4の最後列シートを構成する。
シート5は、シートクッション6、シートバック7、シートバック7に着脱自在に取付けられたヘッドレスト8とから構成する。また、シート5は、ベンチ式とされ、車幅方向中央領域に設けられた中央席の他に、中央席左に位置する左席、中央席右に位置する右席との3座席を備えた3人掛けシートとされる。
シートクッション6は、図示しないブラケットを介してフロアパネル1に取付けられ、前後方向にスライド可能とされる。シートバック7は、シートクッション6に対して前後に揺動可能とされ、前倒しされたとき、シートクッション6上に略水平状態で重合し、前方倒伏位置となる。シートバック7の背面は、略平坦面とされ、前方倒伏位置のとき、略水平状態の物置面を構成する。
シート5の中央席に着座する乗員用シートベルト装置9は、着用時に乗員を拘束するベルト本体10、ベルト本体10を巻き取り・引き出し可能に収容するリトラクタ11、ベルト本体10の先端部に設置される第1タング12(アンカ用タング)、ベルト本体10の途中部に摺動可能に設置される第2タング13(乗員拘束用タング)、乗員の右側に固定されると共に第1タング12と係合可能な第1バックル14(アンカ用バックル)、乗員の左側に固定されると共に第2タング13と係合可能な第2バックル15(乗員拘束用バックル)、及びリフトゲート3に設置されリトラクタ11から引き出されたベルト本体10を屈曲させて車体前後方向前方に方向変換するベルトアンカ16とから構成される3点式シートベルト装置である。
図3〜図8に基づき、実施例のシートベルト装置9を詳細に説明する。図3は本車両V後方領域を車両外側から見た平面図、図4はリフトゲート3内部を車両外側から見た図、図5は図2のV−V線断面図、図6は図3のリトラクタ11部分を上方から下方に切断したVI−VI線断面図、図7はリフトゲート3が開作動したときの作動図、図8はシートベルト装置9の未着用時の図5相当図である。
まず、ベルトアンカ16の取付構造について説明する。
ルーフ2の車体前後方向後縁部には、車幅方向に延設されるリアヘッダアウタ17aと、リアヘッダインナ17bと、両者の間に介在される第1レインフォースメント17cとにより閉断面部を構成するリアヘッダ17が形成されている。
ルーフ2の車幅方向両端には、閉断面部を構成する一対のルーフレール2aが配置されている。つまり、ルーフ2は、その外周領域に閉断面部を構成する左右一対のルーフレール2a、リアヘッダ17、図示しないフロントヘッダとを有し、一対のルーフレール2aの間には複数のフレーム部材が梯子状に配置されている。本シート5は、車体前後方向で見て、リアヘッダ17に近接して設置されており、特に、シートクッション6が車体前後方向でリアヘッダ17に一部重合する設置とされている。尚、ルーフレール2a及びリアヘッダ17の車室4内側、所謂車体上下方向下方領域は、第1トリム18によって覆われている。
ベルトアンカ16は、ベルト本体10の屈曲方向を誘導して車体前後方向前方に方向変換可能な開口を備えた平板状のアンカ部16a、アンカ部16aを貫通・支持するボルト部16b、ボルト部16bと締結可能なナット部16cとから構成している。図2及び図3に示すように、ベルトアンカ16は、車幅方向で見て、車幅方向中心領域から第1バックル14方向にオフセットされた位置に設置される。
図5に示すように、アンカ部16aが第1トリム18の下面に配置されると共に、アンカ部16aを装着したボルト部16bがリアヘッダインナ17bと第1レインフォースメント17cとに形成されたボルト穴を貫通してナット部16cと締結固定される。尚、アンカ部16aはボルト部16bに対して車体前後方向後方に配置されている。
この構成により、アンカ部16aは閉断面部を有するリアヘッダ17の補強部材第1レインフォースメント17cに強固に支持される。また、乗員が第1タング12と第1バックル14との係合後、第2タング13を第2バックル15に係合したとき、ベルト本体10は乗員の右側後方から左側下方に充分な傾斜角を確保して傾斜配置されることになり、乗員の障害となることなく3点式シートベルトの機能を達成できる。
次に、リトラクタ11の取付構造について説明する。
リフトゲート3は、リフトゲートアウタ3aと、リフトゲートインナ3bと、両者の間に介在する左右一対の第2レインフォースメント3cと、リアウインド19が設置されるウインド開口3dとから構成している。
ウインド開口3dの上方領域には、リフトゲートアウタ3aとリフトゲートインナ3bとによって車幅方向に延びる閉断面部が形成され、この閉断面部内の両端に一対の第2レインフォースメント3cと、リアウインド19が設置されるウインド開口3dが形成されている。また、リフトゲートインナ3bと第2レインフォースメント3cとには、車幅方向でベルトアンカ16の位置と略同様の位置にリトラクタ11が設置されるリトラクタ開口3eが形成されている。尚、符号20はリフトゲート3の車室4側を覆う第2トリムである。
リフトゲート3は、ルーフ2の左右端夫々の後縁部に設けられた回転可能なヒンジ21によって回転軸O中心に開閉可能に支持されている。ヒンジ21は、一方部分をルーフ2とリアヘッダアウタ17aと第1レインフォースメント17cとを共締め状態でボルト締めされ、他方部分をリフトゲートインナ3bと第2レインフォースメント3cとを共締め状態でボルト締めされている。第2レインフォースメント3cはヒンジ21の取付部を補強する補強部材を構成している。
図4及び図5に示すように、リトラクタ11は、緊急式シートベルトリトラクタ(ELR)とされ、図示しないボルトによってガセット22に固定されている。ガセット22は、リトラクタ11をリトラクタ開口3eからリフトゲートアウタ3aとリフトゲートインナ3bとから形成される閉断面部内に収容し、リトラクタ11の軸心が車幅方向に向くようにリフトゲートインナ3bと第2レインフォースメント3cとにボルト締結される。ベルト本体10は、リトラクタ11から第2トリム20に設けられた開口20aを貫通して車室4内に引き出し・巻き取り可能に構成されている。尚、ELRは公知の構造であるため、詳細な説明は省略する。
図7に示すように、リトラクタ11は、ヒンジ21の回転軸Oに車体前後方向に近接するウインド開口3dの上方領域の閉断面部に配置されるため、リフトゲート3の開作動時、リフトゲート3がヒンジ21の回転軸O回りに回動しても、車体前後方向の相対位置を殆ど変えることなく、ベルト本体10による乗員への引っ張られ感を最小限に抑えることができる。尚、シートベルト装着時にリフトゲート3が開けられた場合であっても、周知のダンパ構造によってリフトゲート3の急な動作が抑制され、着座している乗員及び開閉操作している乗員共にリフトゲート3の動作に基づく影響を受けない。
また、リトラクタ11は、リフトゲートアウタ3aとリフトゲートインナ3bとから形成される閉断面部内に収容されるため、別途車室4内に配置スペースを確保しなくても良い。しかも、リトラクタ11は、車体上下方向上方となるウインド開口3dの上方領域に配置されるため、開口20aからベルトアンカ16まで懸架されるベルト本体10を最短で且つルーフ2に近接配置でき、乗員の後方視界を確保できる。
更に、本実施例では、ブレーキ操作に連動して点灯し、後続車両に自車両Vのブレーキ作動を認識させる図示しないストップランプを、図3の領域Aで示すリフトゲート3の車体上下方向上方領域に設けている。リトラクタ11は、車幅方向でベルトアンカ16の位置と略同様の位置、所謂車幅方向中心領域から第1バックル14方向にオフセットされた位置に設置されるため、ストップランプの設置及び回線の取り回しに影響を与えることがない。
図8に示すように、シートベルト装置9の未着用時、ベルト本体10は第2トリム20に設けられた開口20aを貫通してリトラクタ11に巻き取られるため、アンカ部16aの開口に第1タング12及び第2タング13が集中配置される。
後部中央席に乗員が着座したとき、乗員は頭上近傍の第1タング12を引き下ろし、第1タング12と第1バックル14との係合後、第2タング13を第2バックル15に係合することで、ベルト本体10は乗員の右側後方から左側下方に充分な傾斜角を確保して傾斜配置されることになり、3点式シートベルトを着用することができる。
実施例に係るシートベルト装置9の作用・効果について説明する。
ベルト本体10を車体前後方向前方に方向変換するベルトアンカ16がリアヘッダ17に配置され、リトラクタ11がヘッドクリアランスに影響を与えないリフトゲート3上方に配置されたため、車室4空間に配置される部材をベルトアンカ16のみとすることができ、乗員のヘッドクリアランスを確保できる。また、シート5のレイアウトに合わせてベルトアンカ16の配置位置変更が容易なため、車両Vのデザイン性とシートベルト装置9の衝撃吸収性とを両立できる。
更に、リトラクタ11が、リアウインド3の車体上下方向上方の閉断面部に配置されるため、既存の空間をリトラクタ11の配置に利用でき、乗員の後方視界確保と、荷室の利便性確保とが可能となる。しかも、リトラクタ11がリフトゲート3のヒンジ21取付部の補強部材である第2レインフォースメント3cに固定されたため、部品点数を増加することなく、リトラクタ11の支持剛性を増加することができる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例においては、リトラクタを緊急式シートベルトリトラクタ(ELR)の例について説明したが、リトラクタのタイプに拘わらず、例えば、自動シートベルトリトラクタ(ALR)であっても良い。
2〕前記実施例においては、ミニバンタイプであって、後部座席のシートクッションが車体前後方向で一部リアヘッダと重合した例について説明したが、少なくとも、後部座席がリフトゲートよりも前方に配置され、強固且つベルトアンカが配置可能な車両構成部材を有するものであれば良く、ハッチバックタイプやシートクッションがリアヘッダよりも車体前後方向前方に配置された車両に適用することも可能である。
3〕前記実施例においては、ベルトアンカが車幅方向右側にオフセットして設置され、ベルト本体が乗員の右側後方から左側下方に傾斜配置された例について説明したが、ベルトアンカを車幅方向左側にオフセットして設置することも可能である。この場合、乗員は第1タングと第2バックルとの係合後、第2タングを第1バックルに係合され、ベルト本体は乗員の左側後方から右側下方に傾斜配置される。
3〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
本発明は、リフトゲートを有する車両のシートベルト装置全般に利用することができ、特に、乗員のヘッドクリアランス確保が要求される車両のシートベルト装置に好適に利用することができる。
V 車両
2 ルーフ
3 リフトゲート
3c 第2レインフォースメント
4 車室
5 シート
9 シートベルト装置
10 ベルト本体
11 リトラクタ
12 第1タング
13 第2タング
14 第1バックル
15 第2バックル
16 ベルトアンカ
16a アンカ部
21 ヒンジ
O (ヒンジ)回転軸

Claims (6)

  1. ルーフの車体前後方向後縁部に設けられるリアヘッダと、このリアヘッダの車体前後方向後方に配置されるリフトゲートと、このリフトゲートよりも前方に配置される後部座席と、この後部座席に着座した乗員を拘束するベルト本体と、このベルト本体を収容するリトラクタとを有する車両のシートベルト装置において、
    前記リトラクタから引き出された前記ベルト本体を前記後部座席に着座した乗員に向けて方向変換するベルトアンカを有し、
    このベルトアンカは前記ルーフに配置されると共に、前記リトラクタは前記リフトゲートに配置され
    前記リフトゲートの上部が前記リアヘッダにヒンジを介して開閉可能に支持され、
    前記後部座席と前記リフトゲートとの間に荷室を有し、
    前記リトラクタは前記リフトゲートに固定されるリアウインドの車体上下方向上方に配置されたことを特徴とする車両のシートベルト装置。
  2. 前記リトラクタが前記ベルトアンカの車体前後方向後方に配設され、
    前記ベルトアンカが、前記リトラクタとベルトアンカとの間において前記ルーフ近傍に配置された前記ベルト本体を前側下方へ屈曲するように方向変換させることを特徴とする請求項1に記載の車両のシートベルト装置。
  3. 前記リフトゲートの上部に形成された閉断面部と、
    前記閉断面部内に設けられ前記ヒンジと前記リフトゲートとの取付部を補強する補強部材とを有し、
    前記リトラクタは前記閉断面部内において補強部材に固定されたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両のシートベルト装置。
  4. 前記ベルトアンカは、前記ヒンジの回転軸に対して車体前後方向に近接して配置されたことを特徴とする請求項3に記載の車両のシートベルト装置。
  5. 前記後部座席は、車幅方向に複数名乗員が着座可能とされると共に車幅方向中央領域に乗員が着座可能な中央席を備え、
    前記ベルト本体は、前記中央席に着座した乗員を拘束することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の車両のシートベルト装置。
  6. 前記ベルト本体は、前記ベルト本体の先端部にアンカ用タングと、前記ベルト本体の途中部に乗員拘束用タングとを有し、
    乗員が着座したとき、乗員の車幅方向一方側に前記乗員拘束用タングと係合可能な乗員拘束用バックルと、乗員の車幅方向他方側に前記アンカ用タングと係合可能なアンカ用バックルとを設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の車両のシートベルト装置。
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