図1は、本発明の第1の実施の形態に係るメモリカード1の構成を示す平面図である。図2は、メモリカード1を図1中に示すA−Aの位置で切断した縦断面図である。図1では、メモリカード1の内部構造の理解を容易にするために、カバー部5については輪郭のみを破線にて示す。
本実施の形態では、メモリカード1はSDメモリカード(Secure Digital memory card)である。好ましくは、メモリカード1の長さおよび幅(すなわち、図1中の左右方向および上下方向の大きさ)、並びに、厚さ(すなわち、図2中の上下方向の大きさ)はそれぞれ、32mm、24mmおよび2.1mmである。以下の説明では、便宜上、図2中の上側および下側をそれぞれ、メモリカード1の上側および下側として説明する。
図1および図2に示すように、メモリカード1は、一の角部が切り欠かれた略矩形状の回路基板であるベース基板2、複数の回路部品が積層された積層構造を有するとともにベース基板2の上面21上に接合されてベース基板2に電気的に接続される積層モジュール3、ベース基板2の上面21にはんだを用いて実装される抵抗等の微細なチップ部品4、並びに、ベース基板2の上面21側において(すなわち、ベース基板2上において)積層モジュール3およびチップ部品4を覆う樹脂製のカバー部5を備える。
図3.Aは、メモリカード1のベース基板2および積層モジュール3を拡大して示す縦断面図である。図3.Aでは、図示の都合上、ベース基板2および積層モジュール3の厚さを実際よりも大きく描いている。また、図の理解を容易にするために、後述するフレキシブル回路基板31およびスペーサ32は平行斜線を付さずに示している。
ベース基板2はガラスエポキシにより形成されており、図3.Aに示すように、積層モジュール3が接合されるベース基板電極211を上面21に有し、外部の電子機器との接続用の複数の外部電極221を下面22に有する。外部電極221は、ベース基板2の下面22から上面21へと連通するビア(図示省略)を介して、上面21上に設けられている配線に電気的に接続される。
積層モジュール3は、ベース基板2上において交互に積層される4枚のフレキシブル回路基板31および4つのスペーサ32、並びに、4枚のフレキシブル回路基板31のそれぞれの上面である第1主面311および下面である第2主面312に実装された複数の半導体チップ33を備える。以下の説明では、複数の半導体チップ33が実装されたフレキシブル回路基板31を「チップモジュール30」と呼ぶ。換言すれば、積層モジュール3は、複数のスペーサ32および複数のチップモジュール30が交互に積層されたものといえる。
4つのスペーサ32はそれぞれ、ガラスエポキシにより形成されており、ベース基板2と図3.A中の最下層のフレキシブル回路基板31との間、および、4枚のフレキシブル回路基板31の間において、図1および図3.Aに示すように、フレキシブル回路基板31の長手方向(すなわち、図3.A中の左右方向)の略中央に配置される。また、半導体チップ33は、各フレキシブル回路基板31の両側の主面において、長手方向に関してスペーサ32の両側に配置される。換言すれば、スペーサ32は、フレキシブル回路基板31の同一の主面に実装された2つの半導体チップ33の間に配置される。なお、スペーサ32は、ガラスエポキシ以外の他の材料により形成されてもよい。
半導体チップ33は、情報を記憶するメモリデバイスであり、非導電性樹脂層34を介してフレキシブル回路基板31上に実装されており、フレキシブル回路基板31は、異方性導電性樹脂層35を介してスペーサ32上に接合されている。また、図3.A中の最下層のスペーサ32は、異方性導電性樹脂層35を介してベース基板2上に接合されている。このように、複数のチップモジュール30がスペーサ32を介して互いに電気的に接合されるとともにベース基板2に電気的に接合されることにより、各フレキシブル回路基板31上の各半導体チップ33が、図3.Aに示すフレキシブル回路基板31およびスペーサ32のそれぞれに形成された貫通配線317,327を介してベース基板2に電気的に接続される。
異方性導電性樹脂とは、内部に微細な導電性の金属粒子を分散させた絶縁性の樹脂材料であり、異方性導電性樹脂を介した接合では、電極間に異方性導電性樹脂を挟んで加熱および加圧することにより、両電極が金属粒子を介して電気的および熱的に接続されるとともに硬化および収縮した樹脂材料により物理的に接合される。また、非導電性樹脂を介した接合では、電極上に付与された非導電性樹脂を挟んで電極と対向するバンプを電極上に押圧しつつ加熱することにより、バンプと電極とを接触させて電気的に接続するとともに非導電性樹脂を硬化および収縮させることにより物理的な接合が行われる。
図3.Bは、図3.A中の1つのチップモジュール30の一部を拡大して示す縦断面図である。以下の説明では、フレキシブル回路基板31の第1主面311側および第2主面312側に配置された半導体チップ33を区別するために、それぞれ「第1半導体チップ33a」および「第2半導体チップ33b」と呼ぶ。
図3.Bに示すように、チップモジュール30のフレキシブル回路基板31は、ポリイミドにより形成された基板本体314を備え、第1半導体チップ33aは、基板本体314の第1主面311に対向してフレキシブル回路基板31に実装される。また、第2半導体チップ33bは、基板本体314の第2主面312に対向してフレキシブル回路基板31に実装され、基板本体314を挟んで第1半導体チップ33aと重なるように配置される。フレキシブル回路基板31の基板本体314には、複数の第1貫通穴313aおよび複数の第2貫通穴313bが形成されている。
フレキシブル回路基板31は、また、基板本体314の第1主面311において第1貫通穴313aの略円形の開口を覆う第1基板電極315a、基板本体314の第2主面312において第2貫通穴313bの略円形の開口を覆う第2基板電極315b、第1貫通穴313aの底面(すなわち、第1基板電極315aの基板本体314側の主面のうち、第1貫通穴313aの開口を覆う略円形の領域)および内周面に形成された導電性の第1メッキ層316a、および、第2貫通穴313bの底面(すなわち、第2基板電極315bの基板本体314側の主面のうち、第2貫通穴313bの開口を覆う略円形の領域)および内周面に形成された導電性の第2メッキ層316bを備える。第1メッキ層316aは、基板本体314の第2主面312において、第1貫通穴313aの開口の周囲にも形成される。また、第2メッキ層316bは、基板本体314の第1主面311において、第2貫通穴313bの開口の周囲にも形成される。
第1半導体チップ33aは、平面視において略矩形の薄板状の第1チップ本体331a、および、第1チップ本体331aの基板本体314の第1主面311に対向する面である実装面3312から突出する複数の第1突起電極332a(いわゆる、スタッドバンプ)を備える。第1半導体チップ33aの各第1突起電極332aは、基板本体314の第2貫通穴313bに挿入され、第2メッキ層316bの内側の略逆円錐台状の空間において、非導電性樹脂層34により第2メッキ層316bと接合されることにより、第2メッキ層316bを介して第2基板電極315bと電気的に接続されている。
チップモジュール30では、第2メッキ層316bは、基板本体314の第2貫通穴313b内において第2基板電極315bと第1突起電極332aとの間に設けられ、第2基板電極315bと第1突起電極332aとを電気的に接続する接続部となっており、第2メッキ層316bの内側の空間(すなわち、第2貫通穴313bと第1突起電極332aとの間の空間)は非導電性樹脂層34にて満たされている。また、第1半導体チップ33aの第1チップ本体331aと基板本体314の第1主面311との間の空間も非導電性樹脂層34により満たされている。
第2半導体チップ33bも、第1半導体チップ33aと同様に、平面視において略矩形の薄板状の第2チップ本体331b、および、第2チップ本体331bの基板本体314の第2主面312に対向する面である実装面3312から突出する複数の第2突起電極332b(いわゆる、スタッドバンプ)を備える。第2半導体チップ33bの各第2突起電極332bは、基板本体314の第1貫通穴313aに挿入され、第1メッキ層316aの内側の略逆円錐台状の空間において、非導電性樹脂層34により第1メッキ層316aと接合されることにより、第1メッキ層316aを介して第1基板電極315aと電気的に接続されている。
第1メッキ層316aは、基板本体314の第1貫通穴313a内において第1基板電極315aと第2突起電極332bとの間に設けられ、第1基板電極315aと第2突起電極332bとを電気的に接続する接続部となっており、第1メッキ層316aの内側の空間(すなわち、第1貫通穴313aと第2突起電極332bとの間の空間)は非導電性樹脂層34にて満たされている。また、第2半導体チップ33bの第2チップ本体331bと基板本体314の第2主面312との間の空間も非導電性樹脂層34により満たされている。
チップモジュール30では、第1半導体チップ33aの複数の第1突起電極332aが、第2半導体チップ33bの第2チップ本体331bと平面視において重なっており、第2半導体チップ33bの複数の第2突起電極332bが、第1半導体チップ33aの第1チップ本体331aと平面視において重なっている。また、第1チップ本体331aおよび第2チップ本体331bは同形状であり、フレキシブル回路基板31を間に挟んで重なって配置されている。
フレキシブル回路基板31では、基板本体314の厚さは、5μm以上50μm以下とされ、第1基板電極315aおよび第2基板電極315bのそれぞれの厚さは、5μm以上40μm以下とされる。また、第1メッキ層316aおよび第2メッキ層316bのそれぞれの厚さは、5μm以上20μm以下とされる。ただし、第1メッキ層316aおよび第2メッキ層316bの厚さは、基板本体314の厚さよりも小さくされる。
第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bでは、第1チップ本体331aおよび第2チップ本体331bのそれぞれの厚さが、20μm以上100μm以下とされ、第1突起電極332aおよび第2突起電極332bのそれぞれの厚さ(すなわち、第1基板電極315aおよび第2基板電極315bへの接合後の高さ)が、15μm以上95μm以下とされる。また、基板本体314の第1主面311と第1半導体チップ33aの第1チップ本体331aの実装面3312との間の上下方向の距離、および、基板本体314の第2主面312と第2半導体チップ33bの第2チップ本体331bの実装面3312との間の上下方向の距離はそれぞれ、10m以上70μm以下とされるが、本実施の形態では、当該距離は、第1基板電極315aおよび第2基板電極315bの厚さよりも大きくされる。
本実施の形態では、基板本体314の厚さは約20μm、第1基板電極315aおよび第2基板電極315bのそれぞれの厚さは約20μm、第1メッキ層316aおよび第2メッキ層316bのそれぞれの厚さは約10μmとなっている。また、第1チップ本体331aおよび第2チップ本体331bのそれぞれの厚さは約50μm、第1突起電極332aおよび第2突起電極332bのそれぞれの厚さは約35μmとなっている。
したがって、基板本体314の第1主面311と第1半導体チップ33aの第1チップ本体331aの実装面3312との間の上下方向の距離、および、基板本体314の第2主面312と第2半導体チップ33bの第2チップ本体331bの実装面3312との間の上下方向の距離はそれぞれ、約25μmとなり、チップモジュール30の全体の厚さは約170μmとなっている。
図3.Bに示すように、第1突起電極332aは、第1チップ本体331aから突出する略円柱状の円柱部3321、および、円柱部3321の第1チップ本体331aとは反対側の端部に形成された円柱部3321よりも径が小さい先端部3322を備える。第2突起電極332bも同様に、第2チップ本体331bから突出する略円柱状の円柱部3321、および、円柱部3321の端部に形成された円柱部3321よりも径が小さい先端部3322を備える。
本実施の形態では、第1突起電極332aおよび第2突起電極332bの円柱部3321の直径はそれぞれ約90μmとされ、フレキシブル回路基板31の第2メッキ層316bの内側の略逆円錐台状の空間における第1突起電極332aの最大径(すなわち、円柱部3321の直径)が、当該空間の底面の直径よりも大きくされる。同様に、第1メッキ層316aの内側の略逆円錐台状の空間における第2突起電極332bの最大径も、当該空間の底面の直径よりも大きくされる。
次に、チップモジュール30の製造方法について説明する。図4は、チップモジュール30の製造の流れを示す図である。チップモジュール30が製造される際には、まず、エッチングにより第1基板電極315aおよび第2基板電極315bが形成された基板本体314に対してレーザ加工を行うことにより、複数の第1貫通穴313aおよび第2貫通穴313bが形成される。続いて、第1貫通穴313aおよび第2貫通穴313bの底面、内周面、および、開口の周囲に対してメッキ処理が行われて第1メッキ層316aおよび第2メッキ層316bが形成される(ステップS11)。
フレキシブル回路基板31の準備が終了すると、フレキシブル回路基板31の第1主面311において、2個の第1半導体チップ33aが実装される予定の2つの領域(すなわち、平面視において第1半導体チップ33aの第1チップ本体331aと重なる予定の領域)に熱硬化性の非導電性樹脂フィルム(NCF(Non Conductive Film))が貼付される(ステップS12)。
NCFの貼付が終了すると、実装面3312をフレキシブル回路基板31の第1主面311に対向させつつ吸着ヘッドに保持された第1半導体チップ33aが、フレキシブル回路基板31上のNCFに向けて比較的小さな力で押圧されることにより、フレキシブル回路基板31の第1主面311上に仮固定される。このとき、各第1半導体チップ33aの複数の第1突起電極332aはそれぞれ、フレキシブル回路基板31の第2貫通穴313bに挿入される(ステップS13)。また、NCFが、吸着ヘッドにより第1半導体チップ33aを介して加熱されて溶融することにより、基板本体314の複数の第2貫通穴313b内(すなわち、第2メッキ層316bの内側の空間)に非導電性樹脂が充填される。
続いて、フレキシブル回路基板31の上下が反転されて第2主面312が上側に向けられ、第2主面312において、2個の第2半導体チップ33bが実装される予定の2つの領域にNCFが貼付される(ステップS14)。このとき、基板本体314の複数の第1貫通穴313a内(すなわち、第1メッキ層316aの内側の空間)にも非導電性樹脂が充填される。
次に、実装面3312をフレキシブル回路基板31の第2主面312に対向させつつ吸着ヘッドに保持された第2半導体チップ33bが、フレキシブル回路基板31上のNCFに向けて比較的小さな力で押圧されることにより、フレキシブル回路基板31の第2主面312上に仮固定される。このとき、各第2半導体チップ33bは、フレキシブル回路基板31の第1主面311に仮固定されている第1半導体チップ33aと重なり、また、第2半導体チップ33bの複数の第2突起電極332bはそれぞれ、フレキシブル回路基板31の第1貫通穴313aに挿入される(ステップS15)。
フレキシブル回路基板31の第1主面311および第2主面312にそれぞれ第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bが仮固定されると、上下方向において重なっている1組の第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bのフレキシブル回路基板31とは反対側に加圧加熱ヘッドが当接し、当該加圧加熱ヘッドにより、第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bがフレキシブル回路基板31に向けて同時に押圧されるとともに加熱される。また、もう1組の第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bも、他の加圧加熱ヘッド(または、同一の加圧加熱ヘッド)により、フレキシブル回路基板31に向けて同時に押圧されるとともに加熱される(ステップS16)。本実施の形態では、2組の第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bの押圧は並行して行われる。
これにより、フレキシブル回路基板31上のNCFが第1半導体チップ33aとフレキシブル回路基板31との間、および、第2半導体チップ33bとフレキシブル回路基板31との間に広がるとともに熱硬化されて非導電性樹脂層34(図3.A参照)が形成され、第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bが非導電性樹脂層34の収縮力によりフレキシブル回路基板31に接合される。
フレキシブル回路基板31の第2貫通穴313b内では、第1半導体チップ33aの第1突起電極332aが第2メッキ層316bに向けて押圧されて接合されることにより、第1突起電極332aと第2基板電極315bとが電気的に接続される。このとき、フレキシブル回路基板31の第2基板電極315b近傍の部位は、第1半導体チップ33aに加えられる押圧力により第2半導体チップ33b側へと変形し、第2基板電極315bが第2チップ本体331bの実装面3312に当接して第2チップ本体331bにより支持される(あるいは、第2チップ本体331bの実装面3312に当接することなく、非導電性樹脂層34を介して第2チップ本体331bにより支持される。)。なお、第2チップ本体331bの実装面3312には、ポリイミド層やナイトライド層による絶縁処理が施されているため、実装面3312と第2基板電極315bとの接触による不具合は生じない。
また、フレキシブル回路基板31の第1貫通穴313a内では、第2半導体チップ33bの第2突起電極332bが第1メッキ層316aに向けて押圧されて接合されることにより、第2突起電極332bと第1基板電極315aとが電気的に接続される。このとき、フレキシブル回路基板31の第1基板電極315a近傍の部位は、第2半導体チップ33bに加えられる押圧力により第1半導体チップ33a側へと変形し、第1基板電極315aが第1チップ本体331aの実装面3312に当接して第1チップ本体331aにより支持される(あるいは、第1チップ本体331aの実装面3312に当接することなく、非導電性樹脂層34を介して第1チップ本体331aにより支持される。)。なお、第1チップ本体331aの実装面3312には、第2チップ本体331bと同様に、ポリイミド層やナイトライド層による絶縁処理が施されているため、実装面3312と第1基板電極315aとの接触による不具合は生じない。
このように、フレキシブル回路基板31の第1主面311および第2主面312に第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bが実装されてチップモジュール30の製造が終了すると、ベース基板2上に複数のスペーサ32および複数のチップモジュール30が交互に順次接合される。その後、ベース基板2上に形成された積層モジュール3(すなわち、複数のスペーサ32およびチップモジュール30の積層体)がカバー部5により覆われてメモリカード1の製造が終了する。
以上に説明したように、メモリカード1のチップモジュール30では、フレキシブル回路基板31の第1主面311および第2主面312に実装される第1半導体チップ33aの第1突起電極332a、および、第2半導体チップ33bの第2突起電極332bがそれぞれ、フレキシブル回路基板31の基板本体314に形成された第2貫通穴313bおよび第1貫通穴313aに挿入されて第2基板電極315bおよび第1基板電極315aに電気的に接続される。これにより、チップモジュール30を薄型化することができる。その結果、メモリカード1を大型化することなく、メモリカード1の内部に多数の半導体チップ(すなわち、メモリデバイス)を収容してメモリカード1の大容量化を実現することができる。特に、本実施の形態に係るメモリカード1では、ベース基板2上に複数のチップモジュール30が積層されるため、チップモジュール30を薄型化して積層数を増加させることにより、メモリカード1の更なる大容量化を実現することができる。
ここで、フレキシブル回路基板に貫通穴が設けられていない比較例のチップモジュールと比較して、本実施の形態に係るチップモジュール30の薄型化の程度を具体的に検証する。図5は、比較例のチップモジュール930の一部を示す縦断面図であり、チップモジュール930の各構成の厚さは、図3.Bに示すチップモジュール30の各構成の厚さと等しい。
図5に示すように、比較例のチップモジュール930では、フレキシブル回路基板931の基板本体9314の第1主面9311上に形成された第1基板電極9315aに、第1半導体チップ933aの第1突起電極9332aが電気的に接合されており、基板本体9314の第2主面9312上に形成された第2基板電極9315bに、第2半導体チップ933bの第2突起電極9332bが電気的に接合されている。なお、比較例のチップモジュール930では、フレキシブル回路基板931の第1基板電極9315aおよび第2基板電極9315b上にはメッキ層は設けられない。ただし、フレキシブル回路基板931の第1主面9311および第2主面9312の電気的導通を得るために、フレキシブル回路基板931の一部にメッキ層が設けられてもよい。
比較例のチップモジュール930では、フレキシブル回路基板931の基板本体9314、第1基板電極9315aおよび第2基板電極9315bの厚さが20μmであり、第1半導体チップ933aの第1チップ本体9331aおよび第2半導体チップ933bの第2チップ本体9331bの厚さが50μmである。また、第1突起電極9332aおよび第2突起電極9332bの厚さは35μmであるため、チップモジュール930の全体の厚さは230μmとなる。
これに対し、本実施の形態に係るチップモジュール30では、上述のように全体の厚さが約170μmとされるため、比較例のチップモジュール930に比べて、厚さを約26%低減することができる。
ところで、図5に示す比較例のチップモジュール930では、第1半導体チップ933aおよび第2半導体チップ933bのフレキシブル回路基板931に対する押圧時に、第1突起電極9332aおよび第2突起電極9332bからの荷重により、基板本体9314の第1基板電極9315aの下側の部位が下向きに凸状となるように変形し、第2基板電極9315bの上側の部位が上向きに凸状となるように変形する。なお、図5では、図示の都合上、フレキシブル回路基板931の第1基板電極9315aおよび第2基板電極9315b近傍の部位の変形については図示していない。
これに対し、本実施の形態に係るチップモジュール30では、図3.Bに示す第1半導体チップ33aの第1突起電極332aは、第2貫通穴313bを介して基板本体314の第2主面312上の第2基板電極315bに対して押圧される。このとき、第1突起電極332aが押圧される方向(すなわち、第2基板電極315bの下側)の非導電性樹脂層34の厚さは、比較例のチップモジュール930に比べて薄いため、第1半導体チップ33aの押圧による第2基板電極315b近傍の非導電性樹脂層34の変形も小さくなる。このため、第1半導体チップ33aのフレキシブル回路基板31に対する押圧時に、第1突起電極332aからの荷重が基板本体314に加えられることが抑制され、第2基板電極315b近傍の部位の変形が抑制される。同様に、第2半導体チップ33bのフレキシブル回路基板31に対する押圧時に、第2突起電極332bからの荷重が基板本体314に加えられることが抑制され、第1基板電極315a近傍の部位の変形が抑制される。
これにより、第1突起電極332aおよび第2突起電極332bをそれぞれ、第2基板電極315bおよび第1基板電極315aに向けて強く押圧することができ、第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bをフレキシブル回路基板31に強固に接合することができる。その結果、第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bのフレキシブル回路基板31に対する電気的な接合の信頼性を向上することができる。
チップモジュール30では、第1半導体チップ33aの複数の第1突起電極332aが、第2半導体チップ33bの第2チップ本体331bと平面視において重なっており、チップモジュール30の製造における第1半導体チップ33aの押圧時に、第1突起電極332aからの荷重が加わる第2メッキ層316bおよび第2基板電極315bが、第2半導体チップ33bの第2チップ本体331bにより支持される。これにより、第1半導体チップ33aの第1突起電極332aを、第2メッキ層316bおよび第2基板電極315bに向けて強く押圧することができ、第1半導体チップ33aをフレキシブル回路基板31に強固に接合することができる。その結果、第1半導体チップ33aのフレキシブル回路基板31に対する電気的な接合の信頼性をより向上することができる。
また、チップモジュール30では、第2半導体チップ33bの複数の第2突起電極332bが、第1半導体チップ33aの第1チップ本体331aと平面視において重なっており、チップモジュール30の製造における第2半導体チップ33bの押圧時に、第2突起電極332bからの荷重が加わる第1メッキ層316aおよび第1基板電極315aが、第1半導体チップ33aの第1チップ本体331aにより支持される。これにより、第2半導体チップ33bの第2突起電極332bを、第1メッキ層316aおよび第1基板電極315aに向けて強く押圧することができ、第2半導体チップ33bをフレキシブル回路基板31に強固に接合することができる。その結果、第2半導体チップ33bのフレキシブル回路基板31に対する電気的な接合の信頼性をより向上することができる。
フレキシブル回路基板31では、第2貫通穴313bの底面および内周面を覆う第2メッキ層316bにより、第2基板電極315bと基板本体314との接合強度が向上されている。このため、第1半導体チップ33aの第1突起電極332aを、第2メッキ層316bおよび第2基板電極315bに向けて強く押圧することができる。同様に、第1貫通穴313aの底面および内周面を覆う第1メッキ層316aにより、第1基板電極315aと基板本体314との接合強度が向上されているため、第2半導体チップ33bの第2突起電極332bを、第1メッキ層316aおよび第1基板電極315aに向けて強く押圧することができる。その結果、第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bのフレキシブル回路基板31に対する電気的な接合の信頼性をさらに向上することができる。
チップモジュール30では、第2メッキ層316bの内側の略逆円錐台状の空間における第1突起電極332aの最大径が、当該空間の底面の直径よりも大きくされる。このため、万一、第1突起電極332aの高さが第2メッキ層316bの内側の空間の深さに対して不足し、第1突起電極332aの先端部3322が第2メッキ層316bの底面に当接しない場合であっても、第1突起電極332aの円柱部3321が第2貫通穴313bの内周面上において第2メッキ層316bに当接することにより、第1突起電極332aを第2基板電極315bに確実に電気的に接続することができる。
同様に、第1メッキ層316aの内側の略逆円錐台状の空間における第2突起電極332bの最大径が当該空間の底面の直径よりも大きくされることにより、第2突起電極332bを第1基板電極315aに確実に電気的に接続することができる。その結果、第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bのフレキシブル回路基板31に対する電気的な接合の信頼性をより一層向上することができる。
また、チップモジュール30では、フレキシブル回路基板31の第2貫通穴313bと第1突起電極332aとの間、および、第1貫通穴313aと第2突起電極332bとの間に満たされた非導電性樹脂により、第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bをフレキシブル回路基板31に固定することができるとともに第1突起電極332aおよび第2突起電極332bを第2基板電極315bおよび第1基板電極315aにそれぞれ電気的に接合することができる。すなわち、非導電性樹脂を利用して第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bをフレキシブル回路基板31に容易に実装することができる。
チップモジュール30の製造では、フレキシブル回路基板31の第1主面311および第2主面312に第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bを仮固定した後、第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bをフレキシブル回路基板31に向けて同時に押圧しつつ、第1半導体チップ33aとフレキシブル回路基板31との間の非導電性樹脂、および、第2半導体チップ33bとフレキシブル回路基板31との間の非導電性樹脂を同時に熱硬化させる。
これにより、第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bからフレキシブル回路基板31に加えられる荷重、並びに、熱硬化時における非導電性樹脂の収縮力が、フレキシブル回路基板31の第1主面311および第2主面312において均等に、かつ、フレキシブル回路基板31に対して互いに反対方向に反りを発生させるよう作用するため、フレキシブル回路基板31の変形を防止することができる。その結果、第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bのフレキシブル回路基板31に対する電気的な接合の信頼性をより向上することができる。また、フレキシブル回路基板31の第1主面311および第2主面312における第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bの実装を同時に行うことにより、チップモジュール30の製造工程を簡素化することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係るメモリカードについて説明する。図6は、第2の実施の形態に係るメモリカード1aの構成を示す平面図である。図6に示すメモリカード1aは、図1ないし図3.Aに示すメモリカード1と同様の構成を備えており、以下の説明では、同一の構成に同符号を付す。また、メモリカード1aのチップモジュール30aの製造方法は、第1の実施の形態と同様である。
図7は、図6に示すメモリカード1aのチップモジュール30aにおいて、フレキシブル回路基板31の第1主面311に実装される第1半導体チップ33aの平面図である。また、図8は、フレキシブル回路基板31の第2主面312(図9参照)に実装される第2半導体チップ33bの平面図であり、図9は、フレキシブル回路基板31の一部を示す平面図である。図9では、フレキシブル回路基板31上に実装される第1半導体チップ33aの外形を二点鎖線にて併せて描いている。
図7および図8に示すように、チップモジュール30aでは、第1半導体チップ33aの第1チップ本体331a、および、第2半導体チップ33bの第2チップ本体331bがそれぞれ、平面視において正方形状とされる。第1チップ本体331aおよび第2チップ本体331bは、第1の実施の形態と同様に、間にフレキシブル回路基板31の基板本体314(図9参照)を挟んで対向し、平面視において全体が重なっている。
図7に示すように、第1半導体チップ33aは、図7中の上下方向(すなわち、図6中の上下方向であるメモリカード1aの幅方向)に配列された3個の第1突起電極332aにより構成される第1突起電極群を、第1チップ本体331aの実装面3312において、左右方向(すなわち、メモリカード1aの長手方向)の両側に備える。第1チップ本体331aの実装面3312では、2つの第1突起電極群が、メモリカード1aの幅方向に平行な実装面3312の中心線に対して線対称に配置されている。
また、図8に示すように、第2半導体チップ33bは、図8中の左右方向(すなわち、図6中の左右方向であるメモリカード1aの長手方向)に配列された3個の第2突起電極332bにより構成される第2突起電極群を、第2チップ本体331bの実装面3312において、上下方向(すなわち、メモリカード1aの幅方向)の両側に備える。第2チップ本体331bの実装面3312では、2つの第2突起電極群が、メモリカード1aの長手方向に平行な実装面3312の中心線に対して線対称に配置されている。第2半導体チップ33bは、第1半導体チップ33aを上下反転させた上で、第1チップ本体331aに垂直な軸を中心に90°回転させた状態でフレキシブル回路基板31に実装されているといえる。
図9に示すように、フレキシブル回路基板31の基板本体314には、図9中の上下方向であるメモリカード1aの幅方向)に配列されて複数の第1突起電極332a(図7参照)がそれぞれ挿入される第2貫通穴313bが形成される。また、基板本体314には、図9中の左右方向であるメモリカード1aの長手方向であり、第2貫通穴313bの配列方向に垂直な方向に配列されて複数の第2突起電極332b(図8参照)がそれぞれ挿入される第1貫通穴313aが形成される。
また、フレキシブル回路基板31は、基板本体314の第1主面311上において複数の第1貫通穴313aの開口をそれぞれ覆う複数の第1基板電極315a、および、基板本体314の第2主面312上において複数の第2貫通穴313bの開口をそれぞれ覆う複数の第2基板電極315bを備える。複数の第1基板電極315aは、第1貫通穴313a内に設けられる第1メッキ層316a(図3.B参照)を介して第2半導体チップ33bの複数の第2突起電極332bとそれぞれ電気的に接続され、また、複数の第2基板電極315bは、第2貫通穴313b内に設けられる第2メッキ層316b(図3.B参照)を介して第1半導体チップ33aの複数の第1突起電極332aとそれぞれ電気的に接続される。
チップモジュール30aでは、第1の実施の形態と同様に、第1半導体チップ33aの第1突起電極332a、および、第2半導体チップ33bの第2突起電極332bがそれぞれ、フレキシブル回路基板31に形成された第2貫通穴313bおよび第1貫通穴313aに挿入されることにより、チップモジュール30を薄型化することができる。その結果、メモリカード1aを大型化することなくメモリカード1aの大容量化を実現することができる。
また、チップモジュール30aの製造においても、第1の実施の形態と同様に、第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bをフレキシブル回路基板31に同時に実装することにより、フレキシブル回路基板31の変形を防止して第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bのフレキシブル回路基板31に対する電気的な接合の信頼性をより向上することができるとともにチップモジュール30aの製造工程を簡素化することができる。
さらには、第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bのフレキシブル回路基板31に向けての押圧時に、第2基板電極315bおよび第1基板電極315aをそれぞれ第1チップ本体331aおよび第2チップ本体331bにより支持することにより、第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bのフレキシブル回路基板31に対する電気的な接合の信頼性をさらに向上することができる。
第2の実施の形態に係るチップモジュール30aでは、特に、第1突起電極332aの配列方向と第2突起電極332bの配列方向とが90°ずれるように第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bがフレキシブル回路基板31に実装されることにより、基板本体314において第1貫通穴313aおよび第2貫通穴313bが互いに干渉する(例えば、両貫通穴を形成すべき位置が重なったり、両貫通穴を形成すべき位置が近接しすぎることにより基板本体314の強度が低下する)ことを防止することができる。これにより、フレキシブル回路基板31上における第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bの実装位置の自由度を向上することができる。その結果、上述のように、実装面3312に線対称に配置された複数の突起電極群を有する2つの半導体チップの全体を重ねてフレキシブル回路基板31の両主面に実装することができ、平面視においてチップモジュール30aを小型化することができる。
また、チップモジュール30aでは、複数の第1突起電極332aが、矩形状(本実施の形態では、正方形状)の第1チップ本体331aの対向する2辺に沿って配列されており(すなわち、当該2辺の近傍にて当該2辺に略平行に配列されており)、複数の第2突起電極332bが、同じく矩形状(本実施の形態では、正方形状)の第2チップ本体331bの対向する2辺に沿って配列されているため、フレキシブル回路基板31上における第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bの実装位置の自由度をさらに向上することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
上記実施の形態に係るチップモジュールでは、第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bのフレキシブル回路基板31に対する実装は、必ずしもNCFを利用して行われる必要はなく、例えば、非導電性樹脂ペースト、異方性導電性樹脂フィルムまたは異方性導電性樹脂ペーストを利用して行われてもよい。いずれの場合であっても、フレキシブル回路基板31の第1貫通穴313aと第2半導体チップ33bの第2突起電極332bとの間の空間、および、フレキシブル回路基板31の第2貫通穴313bと第1半導体チップ33aの第1突起電極332aとの間の空間が樹脂にて満たされることにより、第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bをフレキシブル回路基板31に容易に実装することができる。また、第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bの実装は、はんだ接合により行われてもよい。
フレキシブル回路基板31では、必ずしも、第1貫通穴313aおよび第2貫通穴313bの内部にメッキ層が形成される必要はなく、第1貫通穴313aに挿入された第2半導体チップ33bの第2突起電極332bが、第1基板電極315aに直接接合されて電気的に接続されてもよい。また、第2貫通穴313bに挿入された第1突起電極332aが、第2基板電極315bに直接接合されて電気的に接続されてもよい。
上記実施の形態に係るチップモジュールでは、フレキシブル回路基板31の第1主面311および第2主面312にそれぞれ実装される半導体チップ33の個数は2つには限定されず、3つ以上の半導体チップ33がフレキシブル回路基板31の第1主面311および第2主面312にそれぞれ実装されてもよい。また、チップモジュールを備えるメモリカードが、上記実施の形態に係るメモリカードよりもさらに小型である場合(例えば、miniSDメモリカードやmicroSDメモリカードである場合)、フレキシブル回路基板31の第1主面311および第2主面312にそれぞれ1つの半導体チップ33のみが実装されてもよい。
チップモジュールの製造では、図4中のステップS11において、第1基板電極315aおよび第2基板電極315bとなる金属層が第1主面311および第2主面312の全面に形成された基板本体314に対してレーザ加工を行うことにより第1貫通穴313aおよび第2貫通穴313bを形成した後に、金属層に対してエッチングを行うことにより第1基板電極315aおよび第2基板電極315bが形成されてもよい。また、基板本体314の第1主面311および第2主面312に形成された金属層に対するエッチングにより、第1貫通穴313aおよび第2貫通穴313bの開口周囲の第1メッキ層316aおよび第2メッキ層316bに対応する部位が形成されてもよい。
チップモジュールでは、第1半導体チップ33aおよび第2半導体チップ33bは、必ずしも、フレキシブル回路基板31に対して同時に実装されなくてもよい。例えば、第1半導体チップ33aがフレキシブル回路基板31の第1主面311に実装された後に、第2半導体チップ33bがフレキシブル回路基板31の第2主面312に実装されてもよい。この場合、第1半導体チップ33aの実装時には、フレキシブル回路基板31が載置されるステージ等により、第2基板電極315bが基板本体314とは反対側から支持される。このため、第2貫通穴313bが第2半導体チップ33bと重ならない位置に形成されている場合(すなわち、第1半導体チップ33aの第1突起電極332aが第2半導体チップ33bからずれた位置に配置される場合)であっても、第1半導体チップ33aの第1突起電極332aを第2貫通穴313bを介して第2メッキ層316bまたは第2基板電極315bに強固に接合することができる。すなわち、チップモジュールでは、第1半導体チップ33aと第2半導体チップ33bとは、平面視において必ずしも全体が重なる必要はない。
一方、第2半導体チップ33bの実装時には、第1基板電極315aではなく第1半導体チップ33aがステージ等により支持されるため、第2半導体チップ33bの第2突起電極332bは、第1半導体チップ33aの第1チップ本体331aと重なる位置にて、第1貫通穴313aを介して第1メッキ層316aまたは第1基板電極315aに接合されることが好ましい。これにより、第2半導体チップ33bの押圧時に、第1基板電極315aが熱硬化した非導電性樹脂層34を介して第1チップ本体331aにより支持され、第2半導体チップ33bを第1メッキ層316aまたは第1基板電極315aに強固に接合することができる。
上記実施の形態に係るチップモジュールでは、フレキシブル回路基板31に実装される半導体チップ33は、必ずしもメモリデバイスである必要はなく、メモリデバイスを制御するコントロールデバイスであってもよく、メモリ・コントローラ兼用デバイスであってもよい。なお、半導体チップは、半導体を利用したチップであれば、全体が半導体のチップでなくともよい。
チップモジュールでは、上述のように、半導体チップ33の実装時における回路基板の変形を抑制することができる。したがって、上記チップモジュールの構造は、薄くて変形が生じやすいフレキシブル回路基板を利用したチップモジュールに特に適しているが、フレキシブル回路基板以外の他の回路基板(例えば、ガラスエポキシ等により形成されたリジッド基板)に半導体チップ33が実装されるチップモジュールに適用されてもよい。
上記実施の形態に係るメモリカードは、SDカード以外の他のカード型記録媒体として利用されてもよい。また、チップモジュールは、メモリカード以外の他の電子製品に利用されてもよく、この場合、マイクロプロセッサ等の他の半導体チップがフレキシブル回路基板31上に実装されてよい。