JP4949080B2 - 自動サンバイザ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動サンバイザ装置に関する。
従来、車室内の運転席及び助手席の上方位置には、車両内へ入射する入射光、例えば日差しを遮るためのサンバイザ装置が設けられている。このサンバイザ装置は、搭乗者の目の位置に入射光が当たることを防止して、搭乗者が入射光により眩惑されることを防ぐものであるが、車両内に入射する入射光の強度や角度は、車両の向きや沿線の状況により逐一変化する。従って、車両の搭乗者は、逐一変化する入射光に合わせてサンバイザ装置を逐一調節しなければならず、この調節作業は搭乗者にとって大変煩わしい作業である。そこで、搭乗者が煩わしく感じるサンバイザ装置の調節作業を軽減するため、自動サンバイザ装置として、例えば特許文献1〜3にて開示されているように、入射光の照度や入射角度に基づいて遮光板の位置や透光状態を自動調整するものが提案されている。
特許文献1の自動サンバイザ装置は、サンバイザ本体としての液晶パネルを自動車のフロントガラス上部に帯状に設けるとともに、日射センサを座席の頭部に設け、日射センサが感知した直射日光の日射量に基づいて、液晶パネルの遮光状態を制御するものである。
特許文献2の自動サンバイザ装置は、サンバイザ本体としての遮光板を車室内の運転席等の上方位置に設けるとともに、遮光板の進出側に第1の受光センサと遮光板の格納側に第2の受光センサを設けている。そして、第1の受光センサと第2の受光センサとから出
力される入射光の検出信号に基づいて遮光板の位置を制御する制御回路を設け、その制御回路は遮光板による遮光位置が第1の受光センサと第2の受光センサの間になるように遮
光板の位置制御を自動的に行っている。
特許文献3の自動サンバイザ装置は、サンバイザ本体としての液晶を用いた複数のバイザ領域を車両の窓に設けるとともに、所定方向の入射光の入射強度を検出する方位センサと、窓あるいは窓の周囲の明るさを検出する基準照度センサとを設ける。そして、サンバイザ装置は、各方位センサの、所定方向の入射光の入射強度の検出結果に基づいて、各サンバイザの遮光の要否をコンパレータによって判断する。この時、遮光の要否を判断するコンパレータの基準レベルは、基準照度センサが出力する基準照度信号の値が高ければ高くなるように自動的に変化するようにして、周囲の明度を加味した遮光の要否の判断を行っている。
実開平5−34013号公報 特許第3103270号公報 特開2002−211241号公報
しかしながら、特許文献1の発明によれば、サンバイザ装置の制御は日射センサの出力が閾値を超えた場合には液晶パネルを遮光状態とし、日射センサの出力が閾値を所定時間継続して下回った場合は液晶パネルを透光状態とした。従って、日射センサの出力が閾値を超えた場合は、その変化は液晶パネルを遮光状態にすることが不要な一時的な場合であっても、液晶パネルは遮光状態になり、所定時間経過まで透光状態には戻らず、好適に制御されず、搭乗者に不快感を与える。
又、特許文献2の発明によれば、制御回路は、第1の受光センサと第2の受光センサとから出力される入射光の検出信号に基づいて遮光板の遮光位置が第1の受光センサと第2
の受光センサの間になるように、遮光板の位置制御を自動的に行っている。従って、第1の受光センサと第2の受光センサの受光状態が、例えば街路樹や建物により頻繁に変わることにより各センサの出力が頻繁に変わる場合、このサンバイザ装置の遮光板は頻繁に動作することになり、搭乗者に不快感を与える。
同様に、特許文献3の発明によれば、各バイザ領域の遮光の要否はコンパレータによって判断しているが、各センサの出力が頻繁に変わるとコンパレータの遮光要否の判断が頻繁に変動する。従って、各センサの受光状態が、例えば街路樹や建物により頻繁に変わることにより各センサの出力が頻繁に変わる場合、このサンバイザ装置のバイザ領域は頻繁に動作することになり、搭乗者に不快感を与える。
本発明は上記従来の問題点に着目してなされたものである。その目的は、搭乗者を眩惑される虞のある入射光を好適に遮光するとともに、搭乗者に不快感を与えない動作をする自動サンバイザ装置を提供することにある。
請求項1に記載の自動サンバイザ装置は、外部から入射する入射光を遮光するサンバイザ本体と、前記サンバイザ本体を移動させる駆動手段と、前記入射光の入射強度と入射角度を検出する入射光検出手段と、を備えた自動サンバイザ装置であって、前記入射光検出手段からの検出信号に基づいてその時々の入射強度と入射角度を算出する入射強度・入射角度算出手段と、前記入射強度・入射角度算出手段が算出したその時々の入射強度と入射角度を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶したその時々の入射強度と入射角度に基づいて、入射強度の偏差と入射角度の偏差を求める偏差算出手段と、前記偏差算出手段が算出した入射強度の偏差と入射角度の偏差の少なくともいずれか一方に基づいて、推定入射角度を求める推定入射角度算出手段と、前記推定入射角度算出手段が求めた推定入射角度に基づいて、前記駆動手段を介して前記サンバイザ本体を移動制御する制御手段と、前記記憶手段に記憶したその時々の入射強度と入射角度に基づいて、その時々の候補推定入射強度と候補推定入射角度を求め前記記憶手段に記憶する候補値算出手段と、前記偏差算出手段が求めた前記偏差に基づいて、最新の入射強度又は入射角度が一時的に変動しているかどうか判断する判断手段と、を備え、前記推定入射角度算出手段は、前記判断手段が入射強度又は入射角度が一時的に変動していると判断したとき、前記記憶手段に記憶した変動前の入射角度又は変動前の候補推定入射角度を、推定入射角度として求めることを要旨とする。
請求項2に記載の自動サンバイザ装置は、請求項1に記載の自動サンバイザ装置において、前記偏差算出手段は、前記入射強度のn回分の標準偏差(nは任意の正の整数)を前記入射強度の偏差として求めるとともに、前記入射角度のn回分の標準偏差(nは任意の正の整数)を前記入射角度の偏差として求めることを要旨とする。
請求項に記載の自動サンバイザ装置は、請求項1又は請求項2に記載の自動サンバイザ装置において、前記候補値算出手段は、前記入射強度のn回分の平均値(nは任意の正の整数)を前記候補推定入射強度として求めるとともに、前記入射角度のn回分の平均値(nは任意の正の整数)を前記候補推定入射角度として求めることを要旨とする。
請求項に記載の自動サンバイザ装置は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の自動サンバイザ装置において、前記推定入射角度算出手段は、前記判断手段が前記入射強度も前記入射角度も一時的に変動していないと判断したとき、推定入射角度として前記記憶手段に記憶された最新の候補推定入射角度を用いることを要旨とする。
請求項に記載の自動サンバイザ装置は、請求項1〜のいずれか1つに記載の自動サンバイザ装置において、前記推定入射角度算出手段は、前記算出した推定入射角度について、前記入射強度が予め定めた高照度閾値以上であり、かつ、前記入射強度の偏差が予め定めた入射強度閾値以下であり、かつ、前記入射角度の偏差が予め定めた入射角度閾値以下の場合は前記算出した推定入射角度とすることを要旨とする。
請求項に記載の自動サンバイザ装置は、請求項に記載の自動サンバイザ装置において、前記推定入射角度算出手段は、前記算出した推定入射角度について、予め設定した低照度閾値より小さく、かつ、前記入射強度の偏差が前記入射強度閾値以下の場合は、前記サンバイザ本体を直ちに格納させるための推定入射角度とすることを要旨とする。
請求項に記載の自動サンバイザ装置は、請求項1〜のいずれか1つに記載の自動サンバイザ装置において、前記制御手段は、前記入射強度が予め定めた高照度閾値と低照度閾値の間である場合、前記入射強度の偏差が予め定めた入射強度閾値よりも大きい場合、前記入射角度の偏差が予め定めた入射角度閾値よりも大きい場合のうちの少なくともいずれか一つの場合には、前記推定入射角度算出手段が求めた前記推定入射角度に基づかずに、前記サンバイザ本体を現在位置で所定時間維持し、その後、前記サンバイザ本体を格納することを要旨とする。
請求項に記載の自動サンバイザ装置は、請求項1〜のいずれか1つに記載の自動サンバイザ装置において、車速が得られる構成を有するものであり、前記制御手段による前記サンバイザ本体を移動制御するその制御間隔を前記車速に応じて変更する制御間隔変更手段を備えたことを要旨とする。
請求項に記載の自動サンバイザ装置は、請求項に記載の自動サンバイザ装置において、前記制御間隔変更手段は、前記車速の上昇に伴って前記制御間隔を短くすることを要旨とする。
請求項1に記載の自動サンバイザ装置は、請求項又は請求項に記載の自動サンバイザ装置において、前記制御間隔変更手段は、単位時間当たりの前記入射強度及び前記入射角度の算出回数を変更することを要旨とする。
請求項1に記載の自動サンバイザ装置は、請求項2又は請求項に記載の自動サンバイザ装置において、車速が得られる構成を有するものであり、前記車速に応じて前記n値を変更するn値変更手段を備えたことを要旨とする。
請求項1に記載の自動サンバイザ装置は、請求項1に記載の自動サンバイザ装置において、前記n値変更手段は、前記車速の上昇に伴って前記n値を増加させることを要旨とする。
請求項1の発明によれば、サンバイザの位置制御を行う場合、例えば、車両が市街地や並木道を通過する場合などのように、入射光検出手段に入射する光が一時的に変動するような場合に、その時々の入射強度や入射角度も一時的に変動する。偏差算出手段は、入射強度の偏差と入射角度の偏差を算出し、算出された入射強度の偏差と入射角度の偏差に基づいて、入射する光の変動の要因を判断し、好適に運転する場合において現実の光の入射状態に即した推定入射角度を算出する。そして、推定入射角度をサンバイザの位置制御に用いる。その結果、その時々の入射強度や入射角度を直接サンバイザの位置制御に用いる制御に比較して、搭乗者に煩わしさを与えない好適なサンバイザ本体の移動制御を行うことができる。
また、自動サンバイザ装置は、推定入射角度を求める場合に、入射強度や入射角度に加えて、候補推定入射強度、候補推定入射角度を用いることができる。判断手段は、入射強度偏差が大きい場合は、つまり、車両が市街地や並木道を通過中のように、入射光検出手段に入射する光が変動する場合と判断する。又、入射角度の偏差が大きい場合は、つまり、車両が市街地や並木道を通過中のような場合や間接光の場合と判断する。そして、このような場合は、判断手段は入射強度や入射角度に一時的な変動が生じており、最も新しい入射強度や入射角度の影響を受けている最も新しい候補推定入射角度の値は好適に運転する場合において現実の光の入射状態に即した値ではないと判断する。そこで、最も新しい候補推定入射角度を推定入射角度として用いずに、推定入射角度として変動の影響が小さい変動前の入射角度又は変動前の候補推定入射角度を用いることによって、好適に搭乗者に煩わしさを与えないサンバイザの位置制御が行える。
請求項2の発明によれば、入射角度の標準偏差は、入射光検出手段に入射する光が一定の場合は小さくなり、入射光検出手段に入射する光が変動する場合は大きくなる。又、入射角度の標準偏差は、入射光検出手段に入射する光が一定の場合には小さくなり、入射光検出手段に入射する光が変動する場合や間接光の場合は大きな値となる。それにより、サンバイザの位置制御により適した推定入射角度を求めることができる。
請求項の発明によれば、候補推定入射強度や候補推定入射角度として過去n回分の入射強度や入射角度の平均値を用いる。平均値は一時的な値の変動を抑制することができ、その特性もnの値を変更することで容易に変更できる。その結果、サンバイザの位置制御により好適な値を推定入射角度として算出しサンバイザの位置制御に用いることができ、搭乗者に煩わしさを与えない好適なサンバイザ本体の移動制御を行うことができる。
請求項の発明によれば、入射強度の偏差が小さいとき、つまり、車両が郊外や開けた場所を通過中のように、入射光検出手段に入射する光が変動しない場合である。さらに、入射角度の偏差が小さいとき、つまり、車両が郊外や開けた場所を通過中のような場合や、間接光で無い場合であると判断する。このような場合は、入射強度や入射角度には一時的な変動は無いので、最も新しい入射強度や入射角度の影響を受けている最も新しい候補推定入射角度の値は好適に運転する場合において現実の光の入射状態に即した値である。その為、最も新しい選候補推定入射角度を推定入射角度として用いるのは好適である。そこで、推定入射角度として最も新しい候補推定入射角度を用いことによって、好適に搭乗者に煩わしさを与えないサンバイザの位置制御が行える。
請求項の発明によれば、人が眩しいと感じる、例えば、運転者の正面方向に太陽が位置する場合は、入射光が運転の妨げとなる場合であると判断する。さらに、入射強度の偏差が入射強度閾値以下の場合は、つまり、車両が郊外や開けた場所を通過中のように、入射光検出手段に入射する光が変動しない場合と判断する。加えて、入射角度の偏差が入射角度閾値以下の場合は、つまり、車両が郊外や開けた場所を通過中のような場合であると判断する。
このような場合は、人が眩しいと感じるので、サンバイザ本体を遮光させるために位置制御すべく、一時的な変動を生じていない最も新しい入射強度や入射角度に基づく最も新しい候補推定入射角度を推定入射角度として用いるサンバイザ本体の位置制御を行う。その結果、好適に搭乗者に煩わしさを与えないサンバイザの位置制御が行える。
請求項の発明によれば、例えば、夜や曇りで、入射光が運転の妨げとならない状態であって、入射強度の偏差が入射強度閾値以下、つまり、車両が郊外や開けた場所を通過中であり、入射光検出手段に入射する光が変動しない場合、サンバイザ本体は不要なのでサンバイザ本体は格納される。その結果、搭乗者に煩わしさを与えないサンバイザの位置制御が行える。
請求項の発明によれば、入射強度が高照度閾値と低照度閾値の間であるとき、車両が、明方、木漏れ日、太陽と逆向き等の可能性があるため、サンバイザ本体を頻繁に移動させずに、現在位置で所定時間を維持する。又、入射強度の偏差が大きいとき、もしくは、入射角度の偏差が大きいときには、一時的な光の変動もしくは間接光の可能性があるため、サンバイザ本体を頻繁に移動させずに、現在位置で所定時間を維持する。その結果、搭乗者に煩わしさを与えないサンバイザの位置制御が行える。
請求項の発明によれば、サンバイザ本体を移動制御するその制御間隔が車速に応じて変更される。つまり、車両走行中の外部環境の変化時間は車速と反比例の関係となるため、請求項の発明のように車速の上昇に伴って制御間隔を短く変更する等して制御間隔を車速に応じて変更することで、外部環境変化に対するサンバイザ本体の作動追従性を向上することができる。また、請求項1の発明のように、単位時間当たりの入射強度及び入射角度の算出回数を変更して制御間隔を変更することで、制御間隔の変更を簡単に行うことができる。
請求項1の発明によれば、入射強度及び入射角度のn回分の標準偏差、又は、入射強度及び入射角度のn回分の平均値を算出する場合のそのn値が車速に応じて変更される。つまり、車両走行中の外部環境変化は車速の上昇に伴って激しくなるため、請求項1の発明のように車速の上昇に伴ってn値を増加させる等してn値を車速に応じて変更することで、車速が変化しても、サンバイザ本体の作動が安定する。
(実施形態)
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
図1に、車両に備えられた本実施形態の自動サンバイザ装置(以下、サンバイザ装置という)1を示す。
図1に示すように、サンバイザ装置1は、不透明な板状のサンバイザ本体2を有し、車両3の天井部4からフロントガラス5に沿って出没可能に設けられている。詳述すると、サンバイザ本体2は、図1に実線で示す格納位置P1と、図1に2点鎖線で示す進出位置P2との間を駆動手段としての駆動モータM(図2参照)にて移動可能になっている。格納位置P1は、サンバイザ本体2の先端縁がフロントガラス5の上側部に位置する位置であって、運転席6の運転者の視界がサンバイザ本体2によって遮られない位置である。進出位置P2は、運転者の運転操作のための視界が妨げられない位置であって、フロントガラス5の上側から入射してくる外光(太陽光)を最大に遮蔽することができる位置である。
又、サンバイザ装置1は、入射光検出手段としての受光センサ7を有している。受光センサ7は、フロントガラス5の車室内側上端部において、運転席6の略正面に設置されている。この受光センサ7は、外光の照度である入射強度Lと、外光が水平方向(車両3の進行方向)となす上下方向の角度である入射角度θとを算出することができる入射光検出信号を逐次出力する。
次に、サンバイザ装置1の電気的構成を説明する。図2は、サンバイザ装置1の電気的構成を説明するための電気ブロック回路図である。
図2において、サンバイザ装置1は、制御装置20及び入力装置30を備えている。
制御装置20は、入射強度・入射角度算出手段、偏差算出手段、推定入射角度算出手段、制御手段、候補値算出手段及び判断手段としてのCPU21、ROM22、記憶手段としてのデータ用RAM23及びドライバ回路24を備えている。
ROM22には各種データや、CPU21を動作させるための基本的なプログラム及びサンバイザ本体2を制御するためのサンバイザ駆動プログラム等が記憶されている。
CPU21は、ROM22に記憶された基本的なプログラムやサンバイザ駆動プログラム等に基づいて演算処理を実行する。CPU21はサンバイザ駆動プログラムに基づいて、自動モード又は手動モードとなり、自動モードの場合には、受光センサ7からの入射光検出信号に基づいて、入射強度としての入射強度Lと上下方向の入射角度としての入射角度θを算出するようになっている。又、CPU21は、自動モードの場合には、算出した入射強度Lと入射角度θに基づいてサンバイザ本体2の目標位置「P0」を算出し、その目標位置「P0」に基づいて前記サンバイザ本体2を位置制御するための制御信号を作成する。尚、入射強度Lは入射した入射光、例えば日射の強度である。又、入射角度θの角度は、水平な方向に対して入射光の進行方向となす角度の水平方向に対して上下方向となす角度である。
又、CPU21は、手動モードの場合には、手動操作によりなされた格納操作又は進出操作に基づいてサンバイザ本体2を位置制御するための制御信号を作成する。
RAM23は、CPU21が演算した演算結果を一時記憶する。
ドライバ回路24は、CPU21が作成した制御信号を入力し、その制御信号に基づいて駆動モータMを正逆回転制御する。駆動モータMは、サンバイザ本体2を格納位置P1と進出位置P2との間を移動させるモータであって、正転でサンバイザ本体2を進出位置P2方向に、逆転でサンバイザ本体2を格納位置P1方向に移動させるようになっている。
又、CPU21は、前記駆動モータMに設けた回転検出装置Maと接続されている。回転検出装置Maは、前記駆動モータMの回転方向とその回転方向の回転量を検出するための信号をCPU21に出力する。CPU21は、回転検出装置Maからの検出信号に基づいて、駆動モータMの駆動量を算出し、その駆動量からその時々のサンバイザ本体2の移動位置(現在位置「Pn」)を算出するようになっている。
CPU21は、入力装置30と接続されている。入力装置30は、自動/手動切替スイッチ31及び手動操作スイッチ32を備えている。自動/手動切替スイッチ31及び手動操作スイッチ32は、車室内のインストルメントパネルに設けられている。自動/手動切替スイッチ31は、サンバイザ本体2の位置制御について手動で行なう手動モードか、外光(受光センサ7からの入射光検出信号)に基づいて自動的に行なう自動モードのいずれか選択するモード設定スイッチである。そして、CPU21は、自動/手動切替スイッチ31の操作に基づいて、手動モード又は自動モードのいずれかに設定され、そのモードの内容がRAM23に記憶保持されるようになっている。手動操作スイッチ32は、自動/手動切替スイッチ31にて手動モードに設定されている場合に操作され、その操作に基づいて駆動モータMを正転又は逆転させてサンバイザ本体2を移動させる際に使用される。
次に、上記のように構成したサンバイザ装置1の作用を、図3及び図4に示す制御装置20(CPU21)の処理動作を説明するフローチャートに従って説明する。尚、説明の便宜上、自動/手動切替スイッチ31の操作状態が自動モードに設定されているものとする。
(推定入射強度Lc及び推定入射角度θcの演算処理動作)
まず、受光センサ7からの入射強度検出信号から求めたその時々の太陽光の入射強度L及び入射角度θから、現実に即した「推定入射強度Lc」及び「推定入射角度θc」を求める処理動作を説明する。ここで、「推定入射強度Lc」とは、実際の入射強度Lとみなしても間違いのない入射強度のことを言う。「推定入射角度θc」とは、実際の入射角度θとみなしても間違いのない入射角度のことをいう。
つまり、車両が走行している場合、周りの建物や木立等で、太陽光が遮られ受光センサ7からの入射光検出信号に基づいて算出されるその時々の入射強度L及び入射角度θが、受光センサ7を用いる限り実際の入射強度L及び入射角度θとはならない場合が生じる。そこで、以下の演算処理を行って、これら状況に影響を受けない実際の入射強度L及び入射角度θとみなしても間違いのない「推定入射強度Lc」及び「推定入射角度θc」を求める。そして、求められた「推定入射強度Lc」及び「推定入射角度θc」は、後述するサンバイザ本体2を目標位置「P0」に位置制御するために利用される。
いま、車両3の運転席6に運転者が座りキーをキーシリンダに差し込みアクセサリスイッチをオンさせると、サンバイザ装置1が立ち上がる。そして、CPU21は、その時の自動/手動切替スイッチ31の操作状態が手動モードか自動モードか、RAM23の記憶内容から判断する。このとき、自動モードなので、CPU21は、受光センサ7から入射光検出信号を入力する(ステップS300)。
CPU21は、入力した入射光検出信号に基づいて入射強度Lと入射角度θとを算出し(ステップS302)、その算出した入射強度Lと入射角度θをRAM23に記憶する(ステップS304)。
CPU21は、一つの入射強度Lと入射角度θをRAM23に記憶すると、算出した一つの入射強度Lと入射角度θがそれぞれn個揃ったかどうか判断する(ステップS305)。ここで、nは任意の正の整数であり、以下、本実施形態ではnを20としている。入射強度Lと入射角度θがn個揃っていない場合(ステップS305でNO)、CPU21は、ステップS300に戻り、再び、受光センサ7から入射光検出信号を入力し、入射強度Lと入射角度θとを算出し、その算出した入射強度Lと入射角度θをRAM23に記憶する(ステップS302,304)。そして、入射強度Lと入射角度θがn個揃うまで、上記処理が繰り返される。つまり、図5(a)及び(b)に示すように、RAM23の所定の記憶領域にある入射強度テーブル401に、n個の入射強度L(L(n)、・・・、L(2)、L(1))のデータが記憶される。又、図6(a)及び(b)に示すように、RAM23の所定の記憶領域にある入射角度テーブル501に、n個の入射角度θ(θ(n)、・・・、θ(2)、θ(1))のデータが記憶される。
尚、入射強度Lと入射角度θを記憶する際、新たな入射強度Lと入射角度θが算出されると、その算出された入射強度Lと入射角度θが最新の入射強度L(1)と入射角度θ(1)となる。又、最も古い入射強度L(n)と入射角度θ(n)が消去され、2番目に古い入射強度L(n−1)と入射角度θ(n−1)が最も古い入射強度L(n)と入射角度θ(n)となる。従って、n個の入射強度Lと入射角度θが記憶された後は、RAM23には、常に新しいn個の入射強度Lと入射角度θが記憶される。
入射強度Lと入射角度θがn個揃った場合(ステップS305でYES)、CPU21は、候補推定入射強度としての入射強度平均値Lave、入射強度偏差としての入射強度標準偏差δL、候補推定入射角度としての入射角度平均値θave、入射角度偏差としての入射角度標準偏差δθを算出する(ステップS306)。
入射強度平均値Laveは、n個の入射強度L(L(n)、・・・、L(2)、L(1))の平均値(=(L(n)+・・・+L(2)+L(1))/n)である。又、入射角度平均値θaveは、n個の入射角度θ(θ(n)、・・・、θ(2)、θ(1))の平均値(=(θ(n)+・・・+θ(2)+θ(1))/n)である。
入射強度標準偏差δLとは、n個の入射強度L(L(n)、・・・、L(2)、L(1))の標準偏差、例えば式(1)で求められる値である。
入射強度標準偏差δLは、n個の入射強度Lのばらつきを示す値であり、n個の入射強度Lが相互に狭い範囲に分布していれば入射強度標準偏差δLは小さくなり、n個の入射強度Lが相互に広い範囲に分布していれば入射強度標準偏差δLは大きくなる。
例えば、受光センサ7に日射が遮られる事なく照射して続けている場合には、n個の入射強度Lが相互に狭い範囲に分布して、入射強度標準偏差δLは小さい値となる。一方、受光センサ7に日射の照射と遮蔽が繰り返される場合には、n個の入射強度Lが相互に広い範囲に分布して、入射強度標準偏差δLは大きな値となる。
つまり、受光センサ7の受光のちらつきの程度が入射強度標準偏差δLに数値として表されることから、入射強度標準偏差δLから受光センサ7の受光する光の変化が大きいのか、小さいのかを判断することができる。従って、入射強度標準偏差δLの値が大きい場合には、受光センサ7の受光する光の変化が大きい外部環境、例えば市街地や並木道のような環境であると判断できる。一方、入射強度標準偏差δLの値が小さい場合には、受光センサ7の受光する光の変化が小さい外部環境、例えば郊外や開けた場所のような環境であると判断できる。
又、入射角度標準偏差δθとは、n個の入射角度θ(θ(n)、・・・、θ(2)、θ(1))の標準偏差、例えば式(2)で求められる値である。
入射角度標準偏差δθは、n個の入射角度θのばらつきを示す値であり、n個の入射角度θが相互に狭い範囲に分布していれば入射角度標準偏差δθは小さくなり、n個の入射角度θが相互に広い範囲に分布していれば入射角度標準偏差δθは大きくなる。
例えば、受光センサ7に日射が遮られる事なく照射して続けている場合には、n個の入射角度θが相互に狭い範囲に分布し、入射角度標準偏差δθは小さい値となる。一方、受光センサ7に日射の照射と遮蔽が繰り返される場合は、n個の入射角度θが相互に広い範囲に分布し、入射角度標準偏差δθは大きな値となる。同様に、受光センサ7の入射光が間接光の場合や、受光センサ7への入射強度Lが入射角度θを算出するのに十分な強度ではない場合にも、n個の入射角度θが相互に広い範囲に分布し、入射角度標準偏差δθは大きな値となる。
つまり、受光センサ7の受光する光の変化が小さく、かつ、入射強度Lが入射角度θの算出に十分な強度がある場合は、入射角度標準偏差δθの値は小さくなる。一方、受光センサ7の受光の光の変化が大きい場合や、間接光である場合、入射強度Lが入射角度θの算出に十分な強度が無い場合は、入射角度標準偏差δθの値は大きくなる。従って、入射角度標準偏差δθが小さい場合は、算出された入射角度θの値は入射している光の入射角度θを正しく算出していることを示し、入射角度標準偏差δθが大きい場合は、算出された入射角度θの値は入射している光の入射角度θを正しく算出していないことを示す。
CPU21は、算出した入射強度平均値Lave、入射角度平均値θave、入射強度標準偏差δL及び入射角度標準偏差δθをそれぞれRAM23に記憶する(ステップS308)。
続いて、CPU21は、RAM23にそれぞれ記憶した入射強度平均値Lave及び入射角度平均値θaveがそれぞれn個揃ったかどうか判断する(ステップS309)。
入射強度平均値Lave、入射角度平均値θaveがn個揃っていない場合(ステップS309でNO)、CPU21は、ステップS300に戻り、再び、ステップS300〜ステップS308の処理動作を繰り返す。つまり、図5(a)及び(b)に示すように、RAM23の所定の記憶領域にある入射強度平均値テーブル402に、n個の入射強度平均値Lave(Lave(n)、・・・、Lave(2)、Lave(1))のデータが記憶される。又、図6(a)及び(b)に示すように、RAM23の所定の記憶領域にある入射角度平均値テーブル502に、n個の入射角度平均値θave(θave(n)、・・・、θave(2)、θave(1))のデータが記憶される。
尚、入射強度平均値Laveと入射角度平均値θaveを記憶する際、新たな入射強度平均値Laveと入射角度平均値θaveが算出されると、その算出された入射強度平均値Laveと入射角度平均値θaveが最新の入射強度平均値Lave(1)と入射角度平均値θave(1)となる。又、最も古い入射強度平均値Lave(n)と入射角度平均値θave(n)が消去され、2番目に古い入射強度平均値Lave(n−1)と入射角度平均値θave(n−1)が最も古い入射強度平均値Lave(n)と入射角度平均値θave(n)となる。従って、n個の入射強度平均値Laveと入射角度平均値θaveが記憶された後は、RAM23には、常に新しいn個の入射強度平均値Laveと入射角度平均値θaveが記憶される。
入射強度平均値Laveと入射角度平均値θaveがn個揃った場合(ステップS309でYES)、CPU21は、このステップS310の判断処理が初めて実行されるかどうか判断する(ステップS310)。
そして、CPU21は、ステップS310の処理動作が初めての場合(ステップS310でYES)、n個の入射強度平均値Laveのうち最も古い入射強度平均値Lave(n)を過去入射強度LoldとしてRAM23に記憶する。又、n個の入射角度平均値θaveのうち最も古い入射角度平均値θave(n)を過去入射角度θoldとしてRAM23に記憶して(ステップS312)、ステップS314(図4参照)に移る。
一方、ステップS310の処理動作の実行が初めてではない場合(ステップS310でNO)、CPU21は、過去入射強度Loldと過去入射角度θoldには値が設定されているのでステップS312の処理は行わず、ステップS314に移る。
ステップS312の処理の実行の後、又は、ステップ310の処理動作の実行が初めてではない場合(ステップS310でNO)、CPU21は、入射強度標準偏差δLが予め設定した入射強度閾値δLb以下かどうかを判断する(ステップS314)。
ここで、入射強度閾値δLbとは、入射強度標準偏差δLと比較することによって、受光センサ7の受光する光の変化が大きいのか、小さいのかを判断するための値である。比較の結果、つまり受光センサ7の受光する光の変化の大小に応じて、サンバイザ本体2の制御に好適な推定入射強度Lcが選択される。詳述すると、入射強度標準偏差δLが入射強度閾値δLb以下の場合は、受光センサ7の受光する光の変化が小さい外部環境、例えば郊外や開けた場所のような環境であると判断する。一方、入射強度標準偏差δLが入射強度閾値δLbを超える場合は、受光センサ7の受光する光の変化が大きい外部環境、例えば市街地や並木道のような環境であると判断する。
そして、入射強度標準偏差δLの大きさが入射強度閾値δLbを超える場合(ステップS314でNO)、CPU21は、過去入射強度Loldの値を推定入射強度LcとしてRAM23に記憶するとともに、過去入射角度θoldの値を推定入射角度θcとしてRAM23に記憶する(ステップS320)。
一方、入射強度標準偏差δLの大きさが入射強度閾値δLb以下の場合(ステップS314YES)、CPU21は、ステップS330に移る。CPU21は、n個の入射強度平均値Laveのうち、最も新しい入射強度平均値Lave(1)を推定入射強度LcとしてRAM23に記憶するとともに、最も古い入射強度平均値Lave(n)の値を過去入射強度LoldとしてRAM23に記憶する(ステップS330)。
続いて、CPU21は、入射角度標準偏差δθの大きさが、予めROM22に記憶されている入射角度偏差閾値としての入射角度閾値δθb以下かどうか判断する(ステップS332)。そして、入射角度標準偏差δθの大きさが入射角度閾値δθb以下の場合(ステップS332でYES)、CPU21は、最も新しい入射角度平均値θave(1)を推定入射角度θcとしてRAM23に記憶するとともに、最も古い入射角度平均値θave(n)を過去入射角度θoldとしてRAM23に記憶する。
ここで、入射角度閾値δθbとは、入射角度標準偏差δθと比較することによって、受光センサ7の受光状況を判断するための値である。比較の結果、つまり受光センサ7からCPU21に入力された入射光検出信号から算出された入射角度θの角度が正しいか否かを判断して、その判断に応じて、サンバイザ本体2の制御に好適な推定入射角度θcが選択される。詳述すると、入射角度標準偏差δθが入射角度閾値δθb以下の場合は、受光センサ7の受光する光の変化が小さく、かつ、入射強度Lが入射角度θの算出に十分な強度であるから、入射角度θは正しく算出されたと判断する。一方、入射角度標準偏差δθが入射角度閾値δθbを超える場合は、受光センサ7の受光の光の変化が大きいか、間接光であるか、もしくは入射強度Lが入射角度θの算出に十分な強度でないかのために、入射角度θは正しく算出されていないと判断する。
一方、入射角度標準偏差δθの大きさが入射角度閾値δθbを超えている場合(ステップS332でNO)、CPU21は、角度条件継続時間Ta1の大きさがROM22に予め記憶された角度判定所定時間Tc1以上かどうかを判断する(ステップS350)。角度条件継続時間Ta1とは、CPU21が前回の処理でステップS350の判断処理を実行してから今回ステップS350を実行開始するまでの時間をいい、本実施形態ではCPU21に内蔵されたタイマにて計時される。もし、前回の処理でステップS350の判断処理が実行されていない場合には、角度条件継続時間Ta1の値はクリアされている。
そして、角度条件継続時間Ta1の大きさが角度判定所定時間Tc1未満である場合(ステップS350でNO)は、CPU21は、過去入射角度θoldを推定入射角度θcとしてRAM23に記憶する(ステップS360)。
一方、角度条件継続時間Ta1の大きさが角度判定所定時間Tc1以上の場合(ステップS350でYES)は、CPU21は、ROM22に予め記憶された太陽光が直接運転席6に入射しない角度(入射角度最大値θmax)を推定入射角度θcとしてRAM23に記憶する(ステップS370)。
以降、CPU21は、アクセサリスイッチがオフされるまで、上記動作を繰り返す。
従って、入射強度標準偏差δLが入射強度閾値δLbを超える場合(ステップS314でNO)、受光センサ7の受光する光の変化が大きい外部環境、例えば市街地や並木道のような環境であり、受光センサ7の入射光検出信号から入射強度Lが正しく算出されていない。このような場合には推定入射強度Lcに、正しく算出されていない入射強度Lを含む最も新しい入射強度平均値Lave(1)を用いることは好ましくない。又、受光センサ7の受光する光の変化が大きいことから、入射角度θも正しく算出されず、推定入射角度θcに、前記入射角度θを含む最も新しい入射角度平均値θave(1)を用いることは好ましくない。そこで、推定入射強度Lcには過去入射強度Loldを用い、推定入射角度θcには過去入射角度θoldを用いる(ステップS320)。
また、入射強度標準偏差δLが入射強度閾値δLb以下の場合(ステップS314でYES)、受光センサ7の受光する光の変化が小さい外部環境、例えば郊外や開けた場所のような環境であり、受光センサ7の入射光検出信号から入射強度Lが正しく算出されている。このような場合には推定入射強度Lcに、正しく算出されている入射強度Lを含む最も新しい入射強度平均値Lave(1)を用いることは好適である。又、受光センサ7の受光する光の変化が小さく、かつ、入射強度Lが入射角度θの算出に十分な強度がある場合(ステップS332でYES)、入射角度θは正しく算出されており、推定入射角度θcに、前記入射角度θを含む最も新しい入射角度平均値θave(1)を用いることは好適である。そこで、推定入射強度Lcには最も新しい入射強度平均値Lave(1)を用い(ステップS330)、推定入射角度θcには最も新しい入射角度平均値θave(1)を用いる(ステップS340)。
さらに、入射強度標準偏差δLが入射強度閾値δLb以下の場合(ステップS314でYES)、受光センサ7の受光する光の変化が小さい外部環境、例えば郊外や開けた場所のような環境であり、受光センサ7の入射光検出信号から入射強度Lが正しく算出されている。このような場合には推定入射強度Lcに、正しく算出されている入射強度Lを含む最も新しい入射強度平均値Lave(1)を用いることは好適である。しかし、受光センサ7の受光する光の変化は小さいが、間接光である場合や、入射強度Lが入射角度θの算出に十分でない場合(ステップS332でNO)、入射角度θは正しく算出されておらず、推定入射角度θcに、前記入射角度θを含む最も新しい入射角度平均値θave(1)を用いることは好ましくない。そこで、推定入射強度Lcには最も新しい入射強度平均値Lave(1)を用い(ステップS330)、推定入射角度θcには過去入射角度θoldを用いる(ステップS360)。
ちなみに、図8は、車両3の走行時において、時刻42秒〜43秒の間は木立によって、44秒前〜45秒過ぎまでは大きめの遮蔽物によって、一瞬太陽光が遮られて場合の、上記演算処理によって得られた、入射強度平均値Lave、入射強度標準偏差δL及び推定入射強度Lcの推移を示す図である。又、図9は、図8の入射強度平均値Lave、入射強度標準偏差δL及び推定入射強度Lcの推移と同時に上記演算処理によって得られた、入射角度平均値θave、入射角度標準偏差δθ及び推定入射角度θcの推移を示す図である。
図9(a)からは、太陽の位置は変化しないにもかかわらず、入射角度平均値θaveが時刻42秒〜43秒と44秒前〜45秒過ぎまでで大きく変化していることがわかる。従って、少なくとも時刻42秒〜43秒と44秒前〜45秒過ぎまでの入射角度平均値θaveをサンバイザ本体2の位置制御に用いることは、好適ではないことが分かる。図8(a)の入射強度平均値Laveについても、値が確定するまでの遷移に時間がかかるので、変化の仕方によってはサンバイザ本体2が遮光を行う/行わないの判断が切り替わる虞がある。
そこで、サンバイザ本体2の位置制御に好適な推定入射強度Lc及び推定入射角度θcの算出にあたり、入射強度標準偏差δLと入射角度標準偏差δθを条件として用いた。そして、図8(b)と図9(b)に示すように、入射光の照射と遮蔽が生じる場合に、入射強度標準偏差δLの値及び入射角度標準偏差δθの値がそれぞれ大きくなることが分かる。
そして、図8(c)に示すように、推定入射強度Lcは、図8(a)の入射強度平均値Laveと比較して、遷移状態である時間が短くなっている。従って、遷移状態によりサンバイザ本体2の遮光を行う/行わないの判断が切り替わる可能性を抑制している。又、図9(c)に示すように、推定入射角度θcは、図9(a)の入射角度平均値θaveに時刻42秒〜43秒と44秒前〜45秒過ぎまでの間で生じていた変化がほとんど見られなくなり、推定入射角度θcはより実際の太陽の位置の演算に好適であることが分かる。
従って、本実施形態のように、サンバイザ本体2の位置制御に推定入射強度Lc及び推定入射角度θcを用いれば、運転者に煩わしさを与えない好適なサンバイザ本体2の位置制御を提供することができることがわかる。
(サンバイザ本体2の位置制御動作)
次に、上記処理動作で求めた推定入射強度Lc及び推定入射角度θcを使ってサンバイザ本体2を移動制御する処理動作を説明する。
図7に示すように、推定入射強度Lcと推定入射角度θcの値が逐次設定されると、CPU21は、推定入射強度Lcの大きさが高照度閾値Lb1以上、かつ、入射強度標準偏差δLの大きさが入射強度閾値δLb以下、かつ、入射角度標準偏差δθの大きさが入射角度閾値δθb以下、であるか判断する(ステップS700)。
高照度閾値Lb1とは、人が眩しいと感じる、例えば日向の照度であり、本実施形態では10000ルクスが設定されている。高照度閾値Lb1と推定入射強度Lcを比較し、推定入射強度Lcが高照度閾値Lb1よりも大きい場合には、外部の照度状態は、人にとって眩しい状態であると判断する。
そして、推定入射強度Lcの大きさが高照度閾値Lb1以上、かつ、入射強度標準偏差δLの大きさが入射強度閾値δLb以下、かつ、入射角度標準偏差δθの大きさが入射角度閾値δθb以下である場合(ステップS700でYES)、ステップS710に進む。つまり、眩しい太陽光が、推定入射角度θcで運転席に入射しているとして、CPU21は、推定入射角度θcに基づいてサンバイザ本体2の位置を制御する(ステップS710)。CPU21は、推定入射角度θcに対するサンバイザ本体2による太陽光を最適に遮るための目標位置「P0」を求める。推定入射角度θcから目標位置「P0」を求める方法は、予め推定入射角度θcに対する目標位置「P0」のデータテーブルが用意されていて、本実施形態ではROM22に記憶されている。CPU21は目標位置「P0」が求まると、サンバイザ本体2の現在位置「Pn」と比較し、サンバイザ本体2が目標位置「P0」に到達し停止するように駆動モータMを駆動制御する。
一方、推定入射強度Lcの大きさが高照度閾値Lb1以上でない、入射強度標準偏差δLの大きさが入射強度閾値δLb以下でない、及び、入射角度標準偏差δθの大きさが入射角度閾値δθb以下ではない条件が少なくとも一つある場合(ステップS700でNO)は、ステップS720に進む。そして、CPU21は、推定入射強度Lcの値が低照度閾値Lb2よりも小さく、かつ、入射強度標準偏差δLが入射強度閾値δLb以下、であるか判断する(ステップS720)。
ここで、低照度閾値Lb2とは、明らかにサンバイザが不要である、例えば夜やトンネル内の照度であり、本実施形態では1000ルクスが設定されている。低照度閾値Lb2と推定入射強度Lcを比較し、推定入射強度Lcが低照度閾値Lb2よりも小さい場合には、外部の照度状態は、サンバイザが不要な状態であると判断する。又、高照度閾値Lb1より小さく、低照度閾値Lb2以上の範囲は、人が眩しいと感じない、例えば明方や夕暮れの照度であると判断する。
そして、推定入射強度Lcの値が低照度閾値Lb2よりも小さく、かつ、入射強度標準偏差δLが入射強度閾値δLb以下、である場合(ステップS720でYES)、CPU21は、ステップS730に進む。CPU21は、外部の照度状態が夜等であると判断し、サンバイザ本体2を直ちに格納位置P1に移動するように制御を行う(ステップS730)。
一方、推定入射強度Lcの値が低照度閾値Lb2よりも小さくない、入射強度標準偏差δLが入射強度閾値δLb以下でない条件が少なくとも一つある場合(ステップS720でNO)、CPU21は、ステップS740に進む。すなわち、CPU21は、外部の照度状態が明方等や、木漏れ日、太陽と逆向き等であると判断して、制御条件継続時間Ta2の大きさがROM22に予め記憶された格納判定所定時間Tc2以上か判断する(ステップS740)。ここで、制御条件継続時間Ta2とは、CPU21が前回の処理でステップS740の判断処理を実行してから今回ステップS740を実行開始するまでの時間をいい、本実施形態ではCPU21に内蔵されたタイマにて計時される。もし、前回の処理でステップS740の判断処理が実行されていない場合には、制御条件継続時間Ta2の値はクリアされている。
そして、制御条件継続時間Ta2が格納判定所定時間Tc2以上の場合(ステップS740でYES)、CPU21は、太陽と逆向き、曇り、日陰、軒下等を走行していると判断して、サンバイザ本体2が格納位置P1に移動するように制御を行う(ステップS730)。
一方、制御条件継続時間Ta2が格納判定所定時間Tc2を超えていない場合(ステップS740でNO)、CPU21は、明方等や、木漏れ日、太陽と逆向き等の可能性があると判断して、サンバイザ本体2を現在位置に維持する制御を行う(ステップS750)。
サンバイザ本体2の位置制御が、ステップS710、S730、S750のいずれかにより行われると、CPU21は、アクセサリスイッチがオフされるまで、上記動作を繰り返す。
本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、建物や木立等による入射強度Lや入射角度θの一時的な変動を判断するために、入射強度標準偏差δLと入射角度標準偏差δθを算出する。従って、入射強度標準偏差δLや入射角度標準偏差δθが大きければ、入射強度Lや入射角度θの一時的な変動が大きく、入射強度標準偏差δLや入射角度標準偏差δθが小さければ、入射強度Lや入射角度θの一時的な変動は小さいと判断することができる。
従って、入射強度Lや入射角度θの一時的な変動がある場合に、その入射強度Lや入射角度θの影響を受けた最新の入射強度平均値Lave(1)や入射角度平均値θave(1)をサンバイザ本体2の位置制御に用いる推定入射強度Lcや推定入射角度θcとして用いないこととした。その一方、過去入射強度Loldや過去入射角度θoldを推定入射強度Lcや推定入射角度θcとして用いた。
その結果、推定入射強度Lcや推定入射角度θcは、最新の一時的に変動する入射強度Lや入射角度θに対する影響を受けず、サンバイザ本体2が頻繁に移動することなく、運転者を煩わせない好適なサンバイザ本体2の位置制御を行うことができる。
(2)本実施形態では、入射光の強度の変化が大きい場合や間接光である場合は、算出した入射角度θの一時的な変動が大きいので、入射強度標準偏差δLを用いて、算出した入射角度θが一時的な変動なものかどうかを判断する。つまり、入射強度標準偏差δLが大きい場合は、入射光の強度の変化が大きい場合や間接光であり、入射角度θが一時的な変動を含む。従って、入射強度標準偏差δLが大きい場合は、算出された入射角度θが現実に即していないと判断して、推定入射角度θcに当該最新の入射角度θを含む入射角度平均値θave(1)を用いないで、最も過去入射角度θoldを推定入射角度θcとして用いた。
従って、サンバイザの制御に用いる推定入射角度θcは、入射光の強度の変化が大きい場合や間接光に基づく入射角度θの影響を受けない。その結果、入射光の強度の変化が大きい場合や間接光である場合が走行中に発生しても、サンバイザ本体2が頻繁に移動することなく、運転者に煩わしさを感じさせない好適なサンバイザ本体2の位置制御を行うことができる。
(3)本実施形態では、入射強度標準偏差δLや入射角度標準偏差δθが大きい場合は、最新の入射強度平均値Laveや入射角度平均値θaveを、推定入射強度Lcや推定入射角度θcとして用いないようにした。そして、その場合、過去入射強度Loldや過去入射角度θoldを推定入射強度Lcや推定入射角度θcとして用いた。つまり、サンバイザ本体2を頻繁に移動させる虞のある直近の入射強度平均値Laveや入射角度平均値θaveはサンバイザ本体2の位置制御に用いないようにした。その結果、サンバイザ本体2が頻繁に移動することなく、運転者に煩わしさを感じさせない好適なサンバイザ本体2の位置制御を行うことができる。
(4)本実施形態では、推定入射強度Lcを高照度閾値Lb1と低照度閾値Lb2と比較するとともに、入射強度標準偏差δLや入射角度標準偏差δθの大小によって、日向、明方等、夜等、木漏れ日、太陽と逆向き等を判断した。従って、人の感覚に近い状態に、外部の照度状態を好適に判断することができる。その結果、運転者に煩わしさを与えず、しかも快適な動作をするサンバイザ位置制御をする自動サンバイザを提供することができる。
尚、実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、推定入射角度θcから遮光のための目標位置「P0」はROM22に記憶されているテーブルから求めることとした。しかしこれに限らず、目標位置「P0」は、CPU21で、例えば、目標位置「P0」を算出するプログラムにより算出しても良い。プログラムにより算出できれば、搭乗者の身長や搭乗姿勢により搭乗者毎に異なる目標位置「P0」を、それぞれの搭乗者に合わせて好適に算出することができ、より好適なサンバイザ本体2の位置制御が行える。
・上記実施形態では、入射強度平均値Laveを算出する場合の入射強度Lの数を20と、入射角度平均値θaveを算出する場合の入射角度θの数を20と、入射強度標準偏差δLを算出する場合の入射強度Lの数を20と、入射角度標準偏差δθを算出する場合の入射角度θの数を20としている。しかしこれに限らず、各数は正の整数であれば幾つでも良いとともに、各数は異なる値でも良い。そうすれば、各数をそれぞれ変更して、制御装置20がサンバイザ位置制御に用いる入射強度平均値Lave、入射角度平均値θave、入射強度標準偏差δL、入射角度標準偏差δθの算出結果を調節することができる。それにより、サンバイザ位置制御に好適な各平均値や各標準偏差の算出結果を得るための各母数を自由に設定調節することができて、より好適なサンバイザ位置制御ができる。
・上記実施形態では、候補推定入射強度として入射強度平均値Lave、候補推定入射角度として入射角度平均値θave、過去入射強度Lold、過去入射角度θoldを用いた。しかしこれに限らず、候補推定入射強度、候補推定入射角度は、好適に運転する場合において現実の光の入射状態に即したデータとして扱えるものであれば良い。例えば、候補推定入射強度や候補推定入射角度としてその時々の入射強度Lや入射角度θを用いても良い。
・上記実施形態では、入射強度Lや入射角度θからそれぞれの偏差としての標準偏差を算出して、それぞれ入射強度標準偏差δLと入射角度標準偏差δθとしている。しかしこれに限らず、入射強度Lや入射角度θからそれぞれの偏差として、偏差平方和や分散を算出し、入射強度標準偏差δLや入射角度標準偏差δθとしても良い。そうすれば、サンバイザ位置制御の判断に好適なばらつきの算出方法を採用することができる。
・上記実施形態では、入射強度閾値δLbは「5」と、入射角度閾値δθbは「1」と設定している。しかしこれに限らず、入射強度閾値δLbや入射角度閾値δθbは他の値でも良い。そうすれば、入射強度Lや入射角度θのばらつきの大小の判断を、サンバイザ本体2の位置制御に好適な条件に設定することができる。又、ばらつきの算出方法に合わせて、好適な各閾値を設定して、好適なばらつきの大小の判定をすることができる。
・上記実施形態では、高照度閾値Lb1は人が眩しいと感じる照度である10000ルクスと設定し、低照度閾値Lb2はサンバイザが不要な照度である1000ルクスと設定している。しかしこれに限らず、高照度閾値Lb1や低照度閾値Lb2は自由に設定できても良い。そうすれば、搭乗者の個々の照度感覚に合わせた好適なサンバイザ位置制御を提供することができる。
・上記実施形態では、サンバイザ本体2は、天井部4内に収容固定されている。しかしこれに限らず、サンバイザ本体2は、天井部4の車室内側の外部に設置されていても構わない。そうすれば、サンバイザ本体2を備えた車両の天井部4の構造を簡単にすることができる。又、サンバイザ本体2を天井部4の車室内側の外部に設置することにより、サンバイザ本体2を車両3に取り外し可能に設置することもでき、サンバイザ装置1の設置の自由度を高めることができる。
・上記実施形態では、サンバイザ本体2は、運転席6に設けたが、サンバイザ本体2は、助手席や車両3の側面や後方窓に設けられてもかまわない。そうすれば、いずれの方向からの入射光であっても好適に遮光することができて、搭乗者にとって快適である。
・上記実施形態では、サンバイザ本体2は入射光を遮るべく不透明な部材にて長方形状に形成されている。しかしこれに限らず、サンバイザ本体2は、半透明な部材や、もしくは液晶のように遮光状態を変化させることができるような部材でも構わない。そうすれば、必要に応じて好適な部材のサンバイザ本体2を持つサンバイザ装置1を提供することができる。
・上記実施形態では、サンバイザ装置1を車両に設けている。しかしこれに限らず、サンバイザ装置1を遮光が必要な他のもの、例えば建物などに設けても良い。そうすれば、建物などにも好適なサンバイザ位置制御を行うサンバイザ装置1を提供することができる。
・上記実施形態では、受光センサ7の入射光検出信号から入射強度Lと上下方向の入射角度θを求めたが、左右方向の入射角度をさらに加えて検出し、左右方向の入射角度平均値、入射角度標準偏差を求め、左右方向の推定入射角度を求め、より精度の高いサンバイザ位置制御を行うようにしても良い。
・上記実施形態では、サンバイザ本体2は長方形状に形成されている。しかしこれに限らず、サンバイザ装置1の設置場所に合わせて、サンバイザ本体2の部材は、板のように剛性のあるものでも、カーテンのように剛性の無いものでも良い。そうすれば、設置場所に好適な部材のサンバイザ本体2を持つサンバイザ装置1を提供することができる。
・上記実施形態では、サンバイザ本体2を高照度の場合は遮光するように移動制御し、低照度の場合は遮光しないように移動制御している。しかしこれに限らず、サンバイザ本体2を高照度の場合は遮光しないように移動制御し、低照度の場合は遮光するように移動制御しても良い。そうすれば、サンバイザ装置1を車両3や建物の内部が外部から見えないようにするための装置として提供することができる。
・上記実施形態では、入射強度標準偏差δL及び入射角度標準偏差δθを求めて、推定入射角度θcを算出したが、入射強度標準偏差δL及び入射角度標準偏差δθのいずれか一方の偏差を使って推定入射角度θcを求めても良い。
・上記実施形態の入射強度L及び入射角度θの算出について、定期的に算出(単位時間当たりの算出回数を一定として算出)してもよく、また車速に応じて単位時間当たりの算出回数を変更してもよい。
詳述すると、制御装置20のCPU21に車速センサ8(図2にて破線で示す)からの車速信号を入力する構成とし、CPU21にて現在の車速情報が得られるように構成する。つまり、車両走行中においては外部環境が刻々と変化するものであり、その変化時間(例えば、同じ遮蔽物による影が受光センサ7を覆う時間)は車速が速くなるに連れて短くなり、反比例の関係となる。これを考慮し、CPU21における図7のサンバイザ位置制御の制御間隔Tを車速の上昇に伴って短くする(制御間隔変更手段)。
そのための一つの手法として、上記実施形態のサンバイザ位置制御は、推定入射強度Lc及び推定入射角度θcの算出値の設定に基づいて処理動作を実施するため、これら推定入射強度Lc及び推定入射角度θcの基になる入射強度L及び入射角度θの単位時間当たりの算出回数を車速の上昇に伴って増加させる。つまり、入射強度L及び入射角度θの単位時間当たりの算出回数の増加が、これらを用いて算出される入射強度平均値Lave及び入射角度平均値θave(この場合、入射強度標準偏差δL及び入射角度標準偏差δθも同様に)の単位時間当たりの算出回数の増加に繋がり、更にはこれらを用いて算出される推定入射強度Lc及び推定入射角度θcの単位時間当たりの算出回数の増加に繋がる。これにより、推定入射強度Lc及び推定入射角度θcの算出間隔が車速の上昇に伴って短くなり、外部環境変化に対するサンバイザ本体2の作動追従性を向上することができる。また、単位時間当たりの入射強度L及び入射角度θの算出回数を変更して制御間隔Tを変更したので、制御間隔Tの変更を簡単に行うことができる。
因みに、サンバイザ位置制御の制御間隔Tは、図10(a)に示すように、同図破線にて示す理想曲線Aに沿って車速の上昇とともに指数関数的に短くしてもよい。尚、理想曲線Aは車両停止時には無限大で、車速が速くなるほど「0」に限りなく近づくため、上限値T1及び下限値T2を設定し、その上限値T1から下限値T2までの間で理想曲線Aに沿って制御間隔Tを変更する。
また、図10(b)に示すように、上限値T1から下限値T2までの間で制御間隔Tを階段状に変化させるか、図10(c)に示すように、上限値T1から下限値T2までの間で傾きが負の一次関数の直線に沿って制御間隔Tを変化させる。このようにすれば、図10(a)の形態と比べて、制御間隔Tを決定する処理の簡素化を図ることができる。また、制御間隔Tを車速に応じて変更し、サンバイザ位置制御の制御タイミングが車両の所定移動距離毎となるようにしてもよい。
・上記実施形態の入射強度平均値Lave、入射強度標準偏差δL、入射角度平均値θave、及び、入射角度標準偏差δθの算出について、入射強度L及び入射角度θのn個のデータを用いて算出しているが、そのn値を車速に応じて変更させてもよい。
具体的には、車速が速くなるに連れて外部環境変化が激しくなり偏差が大きくなることから、車速の上昇に伴ってn値を増加させ、各平均値Lave,θave及び各標準偏差δL,δθの算出の基になる入射強度L及び入射角度θのデータ数を増加させる(n値変更手段)。これにより、各平均値Lave,θave及び各標準偏差δL,δθの安定度が増し、車速が変化しても、サンバイザ本体2の作動が安定する。尚、この形態を車速に応じて制御間隔Tを変更する上記の形態と組み合わせて実施することもできる。
車両用サンバイザ装置を示す模式図。 車両用サンバイザ装置の構成を示すブロック図。 本実施形態におけるデータ処理のフローチャート。 図3のデータ処理の続きのフローチャート。 (a)(b)本実施形態における入射強度に関するデータ処理の説明図。 (a)(b)本実施形態における入射角度に関するデータ処理の説明図。 本実施形態におけるサンバイザ位置制御のフローチャート。 (a)(b)(c)本実施形態における入射強度に関するデータ処理の効果を説明するための図。 (a)(b)(c)本実施形態における入射角度に関するデータ処理の効果を説明するための図。 (a)(b)(c)本実施形態におけるサンバイザ位置制御と車速との関係を説明するための図。
符号の説明
1…サンバイザ装置、2…サンバイザ本体、3…車両、4…天井部、5…フロントガラス、6…運転席、7…受光センサ、8…車速センサ、20…制御装置、21…CPU、22…ROM、23…RAM、24…ドライバ回路、30…操作部、31…自動/手動切替スイッチ、32…手動操作スイッチ、401…入射強度テーブル、402…入射強度平均値テーブル、501…入射角度テーブル、502…入射角度平均値テーブル、M…駆動モータ、Ma…回転検出装置。

Claims (12)

  1. 外部から入射する入射光を遮光するサンバイザ本体と、
    前記サンバイザ本体を移動させる駆動手段と、
    前記入射光の入射強度と入射角度を検出する入射光検出手段と、
    を備えた自動サンバイザ装置であって、
    前記入射光検出手段からの検出信号に基づいてその時々の入射強度と入射角度を算出する入射強度・入射角度算出手段と、
    前記入射強度・入射角度算出手段が算出したその時々の入射強度と入射角度を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶したその時々の入射強度と入射角度に基づいて、入射強度の偏差と入射角度の偏差を求める偏差算出手段と、
    前記偏差算出手段が算出した入射強度の偏差と入射角度の偏差の少なくともいずれか一方に基づいて、推定入射角度を求める推定入射角度算出手段と、
    前記推定入射角度算出手段が求めた推定入射角度に基づいて、前記駆動手段を介して前記サンバイザ本体を移動制御する制御手段と、
    前記記憶手段に記憶したその時々の入射強度と入射角度に基づいて、その時々の候補推定入射強度と候補推定入射角度を求め前記記憶手段に記憶する候補値算出手段と、
    前記偏差算出手段が求めた前記偏差に基づいて、最新の入射強度又は入射角度が一時的に変動しているかどうか判断する判断手段と、
    を備え
    前記推定入射角度算出手段は、前記判断手段が入射強度又は入射角度が一時的に変動していると判断したとき、前記記憶手段に記憶した変動前の入射角度又は変動前の候補推定入射角度を、推定入射角度として求めることを特徴とする自動サンバイザ装置。
  2. 請求項1に記載の自動サンバイザ装置において、
    前記偏差算出手段は、前記入射強度のn回分の標準偏差(nは任意の正の整数)を前記入射強度の偏差として求めるとともに、前記入射角度のn回分の標準偏差(nは任意の正の整数)を前記入射角度の偏差として求めることを特徴とする自動サンバイザ装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の自動サンバイザ装置において、
    前記候補値算出手段は、前記入射強度のn回分の平均値(nは任意の正の整数)を前記候補推定入射強度として求めるとともに、前記入射角度のn回分の平均値(nは任意の正の整数)を前記候補推定入射角度として求めることを特徴とする自動サンバイザ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の自動サンバイザ装置において、
    前記推定入射角度算出手段は、前記判断手段が前記入射強度も前記入射角度も一時的に変動していないと判断したとき、推定入射角度として前記記憶手段に記憶された最新の候補推定入射角度を用いることを特徴とする自動サンバイザ装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1つに記載の自動サンバイザ装置において、
    前記推定入射角度算出手段は、前記算出した推定入射角度について、前記入射強度が予め定めた高照度閾値以上であり、かつ、前記入射強度の偏差が予め定めた入射強度閾値以下であり、かつ、前記入射角度の偏差が予め定めた入射角度閾値以下の場合は前記算出した推定入射角度とすることを特徴とする自動サンバイザ装置。
  6. 請求項に記載の自動サンバイザ装置において、
    前記推定入射角度算出手段は、前記算出した推定入射角度について、予め設定した低照度閾値より小さく、かつ、前記入射強度の偏差が前記入射強度閾値以下の場合は、前記サンバイザ本体を直ちに格納させるための推定入射角度とすることを特徴とする自動サンバイザ装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1つに記載の自動サンバイザ装置において、
    前記制御手段は、前記入射強度が予め定めた高照度閾値と低照度閾値の間である場合、前記入射強度の偏差が予め定めた入射強度閾値よりも大きい場合、前記入射角度の偏差が予め定めた入射角度閾値よりも大きい場合のうちの少なくともいずれか一つの場合には、前記推定入射角度算出手段が求めた前記推定入射角度に基づかずに、前記サンバイザ本体を現在位置で所定時間維持し、その後、前記サンバイザ本体を格納することを特徴とする自動サンバイザ装置。
  8. 請求項1〜のいずれか1つに記載の自動サンバイザ装置において、
    車速が得られる構成を有するものであり、
    前記制御手段による前記サンバイザ本体を移動制御するその制御間隔を前記車速に応じて変更する制御間隔変更手段を備えたことを特徴とする自動サンバイザ装置。
  9. 請求項に記載の自動サンバイザ装置において、
    前記制御間隔変更手段は、前記車速の上昇に伴って前記制御間隔を短くすることを特徴とする自動サンバイザ装置。
  10. 請求項又は請求項に記載の自動サンバイザ装置において、
    前記制御間隔変更手段は、単位時間当たりの前記入射強度及び前記入射角度の算出回数を変更することを特徴とする自動サンバイザ装置。
  11. 請求項2又は請求項に記載の自動サンバイザ装置において、
    車速が得られる構成を有するものであり、
    前記車速に応じて前記n値を変更するn値変更手段を備えたことを特徴とする自動サンバイザ装置。
  12. 請求項1に記載の自動サンバイザ装置において、
    前記n値変更手段は、前記車速の上昇に伴って前記n値を増加させることを特徴とする自動サンバイザ装置。
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