JP4948304B2 - 高炉の溶銑温度予測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、安定した高炉の操業を行うための高炉の溶銑温度予測方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、特に、高炉内を休風、減風させた状態から送風量等を増加させていく移行状態、及び送風量を増加させた直後の溶銑温度の変動が比較的大きい不安定な状態である非定常状態時の操業にて、溶銑温度の予測精度を向上させるための高炉の溶銑温度予測方法に関する。
高炉の溶銑温度を安定化させることは、燃料原単位の低減や、Si等の含有率安定化の点から、操業上重要な課題である。溶銑温度は、送風温度、送風湿度、送風量、微粉炭吹き込み量、酸素富化量等の衝風条件に基づいて制御することができる。例えば、送風温度を上げると、その後、溶銑温度は上昇する。しかし、衝風条件を変化させてから溶銑温度が変化するまでに数時間以上の時間遅れがあるため、溶銑温度の現在値のみを見て衝風条件を変化させると、過剰操作や逆操作につながって溶銑温度の変動が大きくなる。このため、溶銑温度を安定させるには、数時間先の溶銑温度を予測し、その予測結果に基づいて衝風条件を変化させる必要がある。
高炉の溶銑温度を変動させる要因の一つとして、ソルーションロスカーボンの発生がある。これは、C+CO2=2CO 等の化学反応により、カーボンがガス化する現象である。この反応は、高炉内で最大の吸熱反応であるため、ソルーションロスカーボン量が増えると、その後、溶銑温度が低下することが知られている。したがって、高炉操業においては、オペレータ等は、ソルーションロスカーボン量が上昇すると、数時間先に溶銑温度が低下すると予測し、この予測結果に基づいて送風温度を上げる等の衝風条件の制御を行う場合が多い。
ここで、上記のような高炉の溶銑温度を安定化させるための溶銑温度の予測方法に関する技術について、例えば、以下のような特許文献1、2に開示された技術がある。以下に、これら既知の技術について説明する。
従来、高炉における衝風条件とソルーションロスカーボン量などの操業データに基づいて高炉の溶銑温度を予測する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示された高炉の溶銑温度予測方法は、衝風条件の変化に対する溶銑温度変動の応答を表す衝風モデルと、ソルーションロスカーボン量等の炉内反応を示す測定値に対する溶銑温度変化の動的モデルとを活用したものである。
また、ソルーションロスカーボン量等の炉内反応を示す測定値に基づいて高炉の炉熱温度(≒溶銑温度)の低下を予測する技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に開示された高炉炉熱低下予測方法は、ソルーションロスカーボン量と炉頂窒素データとの各々について、所定時間幅における移動平均値を求め、各移動平均値と所定の閾値との比較により求めた評価点により炉熱レベルの低下有無を予測する技術である。
特開2005−320588号公報 特公平06−35605号公報
しかしながら、いずれの従来技術も、炉内への送風量がほぼ一定の定常状態時の操業において、ソルーションロスカーボン量が変動するなどの変化が生じた場合の溶銑温度を予測する方法である。そのため、前記したように、高炉内を休風、減風させた状態から送風量等を増加させていく移行状態、及び送風量を増加させた直後の溶銑温度の変動が比較的大きい不安定な状態である非定常状態においては、ソリューションロスカーボン量等の外乱要因など種々の変化が同時に発生することがあり、この場合、定常状態時と比較すると送風量等の衝風条件の変動も大きなものとなる。つまり、これらが影響して溶銑温度の予測精度が低下するという問題点がある。一方、非定常状態から定常状態への移行は、可能な限り迅速な移行が望まれ、非定常状態時の溶銑温度の予測精度の向上が望まれる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、高炉内が非定常状態にあっても溶銑温度の予測値を、定量的に、且つ精度低下することなく求めることを可能とする高炉の溶銑温度予測方法を提供することである。
課題を解決するための手段及び効果
前記したように、本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法は、安定した高炉の操業を行うための高炉の溶銑温度予測方法に関する。そして、本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明の高炉の溶銑温度予測方法は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
上記目的を達成するための本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法における第1の特徴は、高炉における送風温度、送風湿度、送風量、微粉炭吹き込み量、及び酸素富化量のうちの少なくともいずれかを含む衝風条件データの実績値と、少なくともソリューションロスカーボン量を含む外乱要因データの実績値と、溶銑温度の実績値と、を含む操業データに基づいて将来の溶銑温度を予測する高炉の溶銑温度予測方法であって、前記操業データを蓄積するデータ蓄積工程と、前記データ蓄積工程により蓄積された定常状態時の前記操業データから定常状態時の溶銑温度を予測する定常状態予測モデルを構築する定常状態予測モデル構築工程と、前記定常状態予測モデルを低次元化したものであって、前記データ蓄積工程により蓄積された非定常状態時の前記操業データから非定常状態時の溶銑温度を予測する非定常状態予測モデルを構築する非定常状態予測モデル構築工程と、構築された前記定常状態予測モデル及び前記非定常状態予測モデルから溶銑温度を予測する溶銑温度予測工程と、を備えていることである。
前記したように、非定常状態時は、ソリューションロスカーボン量等の外乱要因など種々の変化が同時に発生することがあり、定常状態時と比較すると送風量等の衝風条件の変動も大きなものとなる。よって、低次元化されていない定常状態予測モデルのみでは、非定常状態時の溶銑温度の予測値は、実際の溶銑温度の変動よりも大きく変動し、溶銑温度の予測値精度が低下する。
この構成によると、上記非定常状態予測モデル構築工程により定常状態予測モデルを低次元化した非定常状態予測モデルを用いて非定常状態時の溶銑温度を予測することにより、溶銑温度の予測値の大きな変動を抑えることができる。また、非定常状態予測モデルは、データ蓄積工程により蓄積された非定常状態時の操業データから構築されたものであるため、非定常状態時の操業状態を十分に反映したものとなっている。よって、高炉内が非定常状態にあっても、高炉の溶銑温度の予測値を、定量的に、且つ精度低下することなく予測することができる。このようにして高精度で予測される溶銑温度は、オペレータに対する操業支援に係る情報として好適である。
また、本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法における第2の特徴は、前記溶銑温度予測工程は、高炉の操業状態が、定常状態及び非定常状態のうちのいずれの状態であるかを判別する操業状態判別工程を有し、非定常状態時の溶銑温度の予測値は、前記溶銑温度予測工程において、前記定常状態予測モデルから求めた溶銑温度の予測値と、前記非定常状態予測モデルから求めた溶銑温度の予測値との加重平均を求めることで得られることである。
前記したように、非定常状態とは、高炉内を休風、減風させた状態から送風量等を増加させていく移行状態、及び送風量を増加させた直後の溶銑温度の変動が比較的大きい不安定な状態のことをいう。
この構成によると、上記操業状態判別工程により、非定常状態モデルを適用するための上記非定常状態を判別することができる。また、非定常状態は、時間の経過とともに徐々に定常状態に近づく。よって、非定常状態時の溶銑温度の予測値を求めるために、定常状態予測モデルから求めた溶銑温度の予測値と、非定常状態予測モデルから求めた溶銑温度の予測値との加重平均をとることにより、定常状態予測モデルから求めた溶銑温度の予測値を、非定常状態時の溶銑温度の予測値に反映することができる。
また、本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法における第3の特徴は、前記操業状態判別工程において、前記定常状態予測モデルから求めた溶銑温度の予測値と、前記非定常状態予測モデルから求めた溶銑温度の予測値との差の絶対値が、所定の判別しきい値より大きい場合、又は、前記データ蓄積工程により蓄積された前記送風量が、所定の判別しきい値より小さい場合、非定常状態であると判別することである。
非定常状態の溶銑温度の予測を定常状態予測モデルのみから行った場合、前記したように、非定常状態時の溶銑温度の予測値は、実際の溶銑温度の変動よりも大きく変動する。よって、定常状態予測モデルから求めた溶銑温度の予測値と、溶銑温度の予測値の変動が比較的小さい非定常状態予測モデルから求めた溶銑温度の予測値との差の絶対値が大きいということは、非定常状態であることを意味する。
よって、この構成によると、定常状態予測モデルから求めた溶銑温度の予測値と、非定常状態予測モデルから求めた溶銑温度の予測値との差の絶対値を、非定常状態であるか否かの判別に用いることで、高炉内が非定常状態であるか否かを的確に判別することができる。また、送風量は、衝風条件の一つであるとともに非定常状態であることの大きな要因であり、送風量の増加開始とともに高炉内は非定常状態になる。また、送風量は、比較的計測し易く、計測精度も良い。よって、送風量の値を非定常状態であるか否かの判別に用いることにより、高炉内が非定常状態であるか否かをさらに的確に判別することができる。
また、本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法における第4の特徴は、前記定常状態予測モデルは、以下の(A)式により表されることである。
(数1)
=a・Yi−1+a・Yi−2+・・・+a・Yi−M
・Ui−L+b・Ui−1−L+・・・+bN+1・Ui−N−L
・Vi−L2+c・Vi−1−L2+・・・+cK+1・Vi−K−L2+d ・・(A)
:時刻iにおける溶銑温度の予測値
:時刻iにおける衝風条件値
:時刻iにおけるソリューションロスカーボン量
L、L2:むだ時間
、・・・、a、b、・・・、bN+1、c、・・・、cK+1、d:モデル係数
この構成によると、簡易な線形モデルにより定常状態予測モデルを構築することができる。また、将来の溶銑温度に影響する過去の溶銑温度、衝風条件値、及び溶銑温度の外乱要因のうちオペレータの重要監視項目であるソリューションロスカーボン量を因子とすることで、精度良く定常状態時の溶銑温度を予測することができる。また、前記したように、非定常状態時の溶銑温度の予測値に、定常状態予測モデルから求めた溶銑温度の予測値が反映されるので、非定常状態時の溶銑温度の予測精度も高めることになる。
また、本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法における第5の特徴は、前記非定常状態予測モデルは、以下の(B)式により表されることである。
(数2)
’=e・Yi−1’+f・Ui−L+g・Vi−L2+h ・・・(B)
’:時刻iにおける溶銑温度の予測値
:時刻iにおける衝風条件値
:時刻iにおけるソリューションロスカーボン量
L、L2:むだ時間
、f、g、h:モデル係数
この構成によると、定常状態予測モデルである前記式(A)と同様、簡易な線形モデルにより非定常状態予測モデルを構築することができる。また、将来の溶銑温度に影響する過去の溶銑温度、衝風条件値、及び溶銑温度の外乱要因のうちオペレータの重要監視項目であるソリューションロスカーボン量を因子とすることで、精度良く非定常状態時の溶銑温度を予測することができる。また、この非定常状態予測モデルは、前記式(A)を1次元化した簡易なモデルである。このように定常状態予測モデルを低次元化することにより、非定常状態時における溶銑温度の予測値の大きな変動を容易に抑えることができる。
また、本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法における第6の特徴は、高炉の操業条件の変化または高炉設備の経時変化に応じて、構築された前記定常状態予測モデル及び前記非定常状態予測モデルのうちの少なくともいずれか一方の予測モデルを更新するモデル学習工程を備えていることである。この構成によると、高炉の操業条件の変化または高炉設備の経時変化に応じて溶銑温度を予測するための予測モデルを更新することにより、溶銑温度の予測精度低下をより防ぐことができる。
また、本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法における第7の特徴は、前記モデル学習工程を行うタイミングを、前記衝風条件データの値に基づき定めることにより、当該モデル学習工程を非定常状態時に行うことである。この構成によると、高炉の操業状態が、休風・減風などの非定常状態にあるときにモデル学習工程が行われることになる。したがって、高炉の操業状態が定常状態にあるときに予測モデルが切り替わることに伴う溶銑温度の予測精度低下を防ぐことができ、予測精度がさらに安定する。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ説明する。本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法は、製鉄プロセスの各工程のうち、最初の工程である鉄鉱石を還元して銑鉄とする工程で用いられる技術である。
図1は、本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法が用いられるシステムを示すブロック図である。
図1に示すように、高炉2の操業においては、高炉2と、生産管理システム1と、プロセスコントロールシステム3(以下、PC3と記載する)とが、相互に関連しあっている。溶銑温度を予測することは、安定した高炉の操業を行うために非常に重要なことである。
生産管理システム1は、製鉄プロセス全体を統括するシステムであり、例えば、PC3に鉄鉱石、コークスなどの投入量に係る指令を出す。また、PC3は、高炉2の操業を統括するシステムであり、例えば、生産管理システム1の指令を受け、高炉2に、送風温度、送風湿度、送風量、微粉炭吹き込み量、及び酸素富化量のうちの少なくともいずれかを含む衝風条件に係る指令を出す。また、高炉2は、投入された鉄鉱石を還元して銑鉄(約1500℃の溶銑として出銑口から取り出される。)とする設備であり、例えば、PC3の指令を受け、高炉2内に鉄鉱石を投入したり、送風量を増加させたりする。
また、PC3は、高炉2から、高炉2において実測された、送風温度、送風湿度、送風量、微粉炭吹き込み量、及び酸素富化量のうちの少なくともいずれかを含む衝風条件データの実績値と、少なくともソリューションロスカーボン量を含む外乱要因データの実績値と、溶銑温度の実績値と、を含む操業データを取り込み、データ蓄積部8にこの操業データを蓄積する(データ蓄積工程)。ここで、高炉2内は2000℃以上の高温となるため、高炉2内の溶銑温度を直接、測定することはできない。よって、高炉2の出銑口での溶銑温度をオペレータが測定し、PC3に入力する。尚、溶銑温度の測定(サンプリング)は、通常、30〜60分毎に行われている。
そして、データ蓄積部8に蓄積された上記操業データに基づいて、PC3の溶銑温度予測システム4により高炉の将来の溶銑温度が予測される。溶銑温度の予測値は、オペレータの操業支援に係る情報などとして活用される。
本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法の概略は、まず、上記データ蓄積工程によりデータ蓄積部8に蓄積された操業データが、溶銑温度予測システム4のデータ取り込み部5に取り込まれる。次に、溶銑温度予測システム4の予測モデル構築部6において、定常状態予測モデル、及び非定常状態予測モデルが構築される(定常状態予測モデル構築工程、非定常状態予測モデル構築工程)。そして、溶銑温度予測システム4の溶銑温度予測部7において、構築された定常状態予測モデル及び非定常状態予測モデルを用いて、溶銑温度(定常状態/非定常状態)の予測値が計算される(溶銑温度予測工程)。尚、経験則上、上記操業データとして、数日分程度(例えば、5日分程度)のデータを用いれば、定常状態予測モデル構築工程及び非定常状態予測モデル構築工程において、適切なモデル係数の同定が可能である。
図2は、本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法のフローを示す図である。ここで、図2(a)は、定常状態予測モデル構築工程及び非定常状態予測モデル構築工程の手順を示し、図2(b)は、図2(a)の定常状態予測モデル構築工程及び非定常状態予測モデル構築工程により構築された(モデル係数が同定された)、定常状態予測モデル及び非定常状態予測モデルから溶銑温度を予測する溶銑温度予測工程の手順を示す。尚、図2における、S11、S12等は、手順(ステップ)を示す番号を付した記号である。
(定常状態予測モデル構築工程)
溶銑温度予測システム4は、データ蓄積部8からデータ取り込み部5に操業実績データを取り込む(S11)。次に、予測モデル構築部6において、定常状態時の操業実績データから定常状態予測モデルが構築される。このように、定常状態予測モデルは、データ蓄積工程により蓄積された定常状態時の操業データから構築されるため、定常状態時の操業状態を十分に反映したものとなる。
溶銑温度の予測値を求めるための定常状態予測モデルとしては、溶銑温度を予測する多数のモデルが広く知られているが、本実施例では、その1つとして、例えば、次の(A)式に示す比較的簡易なM次遅れ系+むだ時間の線形モデルを採用している。尚、溶銑温度の予測モデルは、これに限らず、公知の他のモデルを採用しても良い。
(数1)
=a・Yi−1+a・Yi−2+・・・+a・Yi−M
・Ui−L+b・Ui−1−L+・・・+bN+1・Ui−N−L
・Vi−L2+c・Vi−1−L2+・・・+cK+1・Vi−K−L2+d ・・(A)
:時刻iにおける溶銑温度の予測値
:時刻iにおける衝風条件値
:時刻iにおけるソリューションロスカーボン量
L、L2:むだ時間
、・・・、a、b、・・・、bN+1、c、・・・、cK+1、d:モデル係数
ここで、本モデルの各次数M、N、及びK、ならびに、むだ時間L、L2は、実験、数値解析等により予め設定しておく。また、上記、i、L、L2は、各データ(Y、U、V)の時系列を示すためのものであり、いずれも自然数をとる(以下に記載する各式においても同様)。
本実施例においては、定常状態予測モデルをより簡易化するために、衝風条件値(U)が1種類の衝風条件データ(例えば、送風量、送風温度等)としている。このように、簡易な線形モデルを採用することにより、容易に定常状態予測モデルを構築することができる。尚、衝風条件値(U)が、送風温度、送風湿度、送風量、微粉炭吹き込み量、及び酸素富化量等の複数の衝風条件データ群である場合は、モデル係数b、・・・、bN+1及び衝風条件値(U)を行列データに置き換えたモデルとすれば良い。
また、この定常状態予測モデルは、外乱要因データとしてオペレータの重要監視項目であるソリューションロスカーボン量(V)を用いることにより、定常状態時の溶銑温度を精度良く予測しようとするものであるが、ソリューションロスカーボン量(V)だけでなく、炉頂ガス成分である窒素濃度、ガス利用率(CO量/(CO量+CO量))、炉頂ガス温度、炉壁温度、荷下り速度(鉄鉱石等の降下速度)等を外乱要因データに含めて定常状態予測モデルを構築することもできる。これらは、ソリューションロスカーボン量(V)に比べて、溶銑温度への影響度合いは少ないが、溶銑温度への外乱(操作できないパラメータ)として作用するものである。
上記(A)式における、モデル係数(a、・・・、a、b、・・・、bN+1、c、・・・、cK+1、d)の同定は、シミュレータ又は物質収支や熱反応式に基づく論理計算、ならびに、操業データである定常状態時における溶銑温度の実測値、送風量及び送風温度等の衝風条件データの実績値、定常状態時におけるソリューションロスカーボン量等の外乱要因データの実績値から、計算により求められる(S12)。また、上記モデル係数の同定処理は、高炉2への鉄鉱石の投入量など、操業条件が変化するタイミングや、溶銑温度の予測精度が悪化する兆候が認められたタイミング等において、現在又は今後の操業条件に似た条件下での過去の定常状態時における操業実績データを用いて行うことにより、高い精度で溶銑温度を定量的に予測できる予測モデルを構築することができる。
(非定常状態予測モデルについて)
非定常状態予測モデルは、データ取り込み部5に取り込まれた(S11)操業実績データのうち、非定常状態時の操業実績データから構築される。このように、非定常状態予測モデルは、非定常状態予測モデル構築工程により、非定常状態時の操業データから構築されるため、非定常状態時の操業状態を十分に反映したものとなる。
尚、非定常状態予測モデル構築工程は、非定常状態時の操業実績データから構築される点を除き、非定常状態予測モデルのモデル係数計算(S13)等、前記の定常状態予測モデル構築工程と同様の工程であるため、その説明は省略し、定常状態予測モデルとは異なる非定常状態予測モデルの特徴について以下に詳述する。
溶銑温度の予測値を求めるための非定常状態予測モデルの1つとして、本実施例では、例えば、定常状態予測モデルである(A)式を低次元化した次の(B)式に示す比較的簡易な1次遅れ系+むだ時間の線形モデルを採用している。尚、溶銑温度の予測モデルは、これに限らず、公知の他のモデルを採用しても良い。
(数2)
’=e・Yi−1’+f・Ui−L+g・Vi−L2+h ・・・(B)
’:時刻iにおける溶銑温度の予測値
:時刻iにおける衝風条件値
:時刻iにおけるソリューションロスカーボン量
L、L2:むだ時間
、f、g、h:モデル係数
前記したように、非定常状態とは、高炉2内を休風、減風させた状態から送風量等を増加させていく移行状態、及び送風量を増加させた直後の溶銑温度の変動が比較的大きい不安定な状態のことをいう。このような非定常状態においては、ソリューションロスカーボン量等の外乱要因など種々の変化が同時に発生することがあり、定常状態時と比較すると送風量等の衝風条件の変動も大きなものとなる。よって、低次元化されていない定常状態予測モデルのみでは、非定常状態時の溶銑温度の予測値は、実際の溶銑温度の変動よりも大きく変動し、精度の良いモデルを構築することが難しい。
よって、上記(A)式のように、定常状態予測モデルにおけるパラメータのうち周波数応答の低次元の部分のみを残す、つまり、定常状態予測モデルを低次元化することにより、非定常状態時における溶銑温度の予測値の大きな変動を抑えることができる。これにより、高炉2内が非定常状態にあっても、溶銑温度の予測値を、定量的に、且つ精度良く求めることができる。尚、(B)式に示す、本実施例に係る非定常状態予測モデルにおいては、ソリューションロスカーボン量(V)という中心的な反応の動特性のみを抽出しているが、これに限らず、炉頂ガス成分である窒素濃度、ガス利用率(CO量/(CO量+CO量))、炉頂ガス温度、炉壁温度、荷下り速度(鉄鉱石等の降下速度)等の外乱要因データ群をパラメータとして抽出しても良い。また、同様に、衝風条件値(U)においても、1種類の衝風条件データ(例えば、送風量、送風温度等)だけでなく、送風温度、送風湿度、送風量、微粉炭吹き込み量、及び酸素富化量等の複数の衝風条件データ群をパラメータとして抽出しても良い。また、定常状態予測モデルの低次元化は、本実施例のような1次元化だけでなく、適宜、2次元化などの低次元化を行ってもよい。
(溶銑温度予測工程)
次に、構築された定常状態予測モデル及び非定常状態予測モデルを用いた溶銑温度予測工程について説明する。図2(b)に示すように、溶銑温度予測工程は、まず、データ蓄積部8に蓄積された規定時間分の過去から現在に至る、溶銑温度、衝風条件値(U)、及びソリューションロスカーボン量(V)についての操業実績データをデータ取り込み部5に取り込む(S21)。そして、高炉2の操業状態が、定常状態及び非定常状態のうちのいずれの状態であるかを判別し(S22、操業状態判別工程)、定常状態予測モデル及び非定常状態予測モデルから溶銑温度の予測値を計算する(S23)。ここで、各予測モデルの次数M、N、及びK、ならびに、むだ時間L、L2は、実験、数値解析等により予め設定されているため、取り込みが必要な(規定時間分の)操業実績データ数は、定まっている。
操業状態判別工程(S22)における判別方法は、多数の方法が考えられるが、本実施例においては、溶銑温度の予測モデルからの予測値と、送風量とを用いた方法を採用している。
まず、定常状態予測モデル構築工程、又は非定常状態予測モデル構築工程により同定されたモデル係数を用いて、(A)式の定常状態予測モデルから時刻iにおける溶銑温度の定常モデル予測値Yest、(B)式の非定常状態予測モデルから時刻iにおける溶銑温度の非定常モデル予測値Y’estを計算する。これらの予測値を用いて、以下の(C)式を満足するか否かを判断する。尚、操業状態判別に用いるデータ数は、m個に限らず、適宜、変更できるものである。
(数3)
Σ|Yest−Y’est|(i=1〜m) > ε ・・・(C)
ε:判別しきい値
また、送風量を用いる場合は、以下の(D)式を満足するか否かを判断する。尚、送風温度等を用いて、同様な方法により判断しても良い。
(数4)
Ul < Ulval ・・・(D)
Ul:時刻iにおける送風量
Ulval:判別しきい値
そして、(C)式及び(D)式のうち少なくともいずれかを満たせば、非定常状態と判断し、(C)式及び(D)式のいずれを満たさない場合、定常状態と判断する。尚、判別しきい値(ε、Ulval)は、予め定めた数値を用いる。
ここで、(D)式の送風量による判別方法は、高炉2内を休風、減風させた状態から送風量の増加が開始する際、つまり、非定常状態の開始時を的確に非定常状態であると判別するための判別方法である。但し、(D)式だけで判別すると、休風、減風終了時に瞬時に定常状態であると判断するため、送風量を増加させた直後の溶銑温度の変動が比較的大きい不安定な状態を(C)式により、非定常状態であると判別する。
次に、溶銑温度の予測値を計算する(S23)。まず、操業状態判別工程(S22)により定常状態と判断された場合は、上記定常モデル予測値Yestを時刻iにおける溶銑温度の予測値とする。一方、操業状態判別工程(S22)により非定常状態と判断された場合は、上記定常モデル予測値Yest、及び上記非定常モデル予測値Y’estを用いて、以下の(E)式、(F)式を用いて溶銑温度を計算する。
(数5)
Yr=α・Y’est+(1−α)・Yest ・・・(E)
α=(1−β)・αi−1+β・|Yest−Y’est|/Δ ・・・(F)
Yr:時刻iにおける溶銑温度の予測値
α:時刻iにおける重み
β:固定係数
Δ:固定定数
重みαは、非定常状態から定常状態へ移行した際に0の値をとり、非定常状態においては、(F)式により計算される。ここで、重みαは、高炉2内を休風、減風させた状態から送風量の増加が開始する直後は、1に近い値となり、定常状態に近づくに従い、0の値に近づく。これにより、非定常状態から定常状態へ移行するに従って、定常モデル予測値Yestと非定常モデル予測値Y’estとの値が等しくなっていくため、(E)式での非定常モデル予測値Y’estにかかる重みαは、減少していくことになる。
よって、非定常状態と判断された場合は、(E)式により計算されたYrを時刻iにおける溶銑温度の予測値とする。高炉2内における非定常状態は、時間の経過とともに徐々に定常状態に近づく。よって、非定常状態時の溶銑温度の予測値を求めるために、定常状態予測モデルから求めた溶銑温度の予測値と、非定常状態予測モデルから求めた溶銑温度の予測値との加重平均をとることにより、定常状態予測モデルから求めた溶銑温度の予測値を、非定常状態時の溶銑温度の予測値に反映することができる。
また、図2(b)に示す、S21〜S23からなる溶銑温度予測工程の処理を新たな操業データを採取する毎に実施することにより時々刻々の溶銑温度の予測値を得ることができ、オンラインでの溶銑温度予測を実現することができる。
図3は、(A)式の定常状態予測モデルのみから計算した溶銑温度の予測値52及び実測値51のトレンドを示す図である。図4は、(B)式の非定常状態予測モデルのみから計算した溶銑温度の予測値54及び実測値53のトレンドを示す図である。図5は、本発明の一実施例((A)式、及び(B)式の予測モデルを使用)に係る高炉の溶銑温度予測方法により計算した溶銑温度の予測値56及び実測値55のトレンドを示す図である。
図3乃至図5は、本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法の有効性を示すものである。図3乃至図5において、横軸は時刻であり、縦軸は溶銑温度である。また、期間Xは非定常状態の期間であり、期間Yは定常状態の期間である。
図3に示すように、(A)式の定常状態予測モデルのみを用いた溶銑温度の予測値52は、休風期間直後(期間Xの左端近傍)大きく振動し、時間の経過とともに振動幅が縮まっていき、定常状態の期間Yに入って安定化している。しかし、安定化するまでの期間が長い上に振動的であるために予測誤差も大きく実質、非定常状態の期間Xでは予測値として機能せず、機能し始めるのは予測値計算が安定した期間Yに入った後となる。
一方、図4に示すように、(B)式の非定常状態予測モデルのみを用いた溶銑温度の予測値54は、定常状態予測モデルのみを用いた溶銑温度の予測値52のような大きな振動は発生せず、実測値53の増加傾向に合わせて滑らかに増加していく。休風期間直後(期間Xの左端近傍)の細かな溶銑温度の変化までは再現できていないが、大きな変化量として溶銑温度が増加傾向にあることは予測できており、(A)式の定常状態予測モデルのみを用いた場合よりは、高精度となっていると言える。
図5に示すように、本発明の一実施例に係る高炉の溶銑温度予測方法を用いた溶銑温度の予測値56は、休風期間直後(期間Xの左端近傍)から溶銑温度が増加するという大きな傾向をとらえており、且つ細かな溶銑温度の変化もとらえている。よって、休風期間直後の非定常状態開始時から定常状態(期間Y)に入るまでの全ての期間(非定常状態である期間X)において、溶銑温度予測値の精度、及び信頼性低下を抑制できていることがわかる。
(他の実施形態)
次に本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法の他の実施形態について説明する。ここで、前記の特許文献1や特許文献2に記載された溶銑温度を予測する従来の手法は、高精度な動的モデルが得られることを想定しているため、高炉の操業条件の変化や高炉設備の経時変化が生じた場合に、溶銑温度の予測精度が低下する場合があった。一方、高炉の操業条件の変化や高炉設備の経時変化は定常的に起こるものである。したがって、溶銑温度の予測精度を適切に維持するためには、定常状態予測モデルや非定常状態予測モデルなどの溶銑温度の予測モデルを適宜更新(モデル学習)していくことが好ましい。
まず、図6は、図1に示す溶銑温度予測システム4にモデル更新部9が付加された、高炉の溶銑温度予測方法が用いられるシステムを示すブロック図である。尚、図1に示すシステムと同様の構成部については同一の符号を付し適宜その説明を省略する。また、図7は、モデル学習工程を備えた本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法のフローを示す図である。図6に示すように、本実施形態では、溶銑温度予測システム4にモデル更新部9が付加されている。詳しくは後述するが、このモデル更新部9において、高炉2の操業条件の変化または高炉設備の経時変化に応じて、構築された定常状態予測モデル及び非定常状態予測モデルのうちの少なくともいずれか一方の予測モデルを更新するモデル学習工程が自動的に行われる。尚、高炉2の操業条件の変化とは、高炉2への鉄鉱石投入量の変化や、送風温度、送風湿度、送風量、微粉炭吹き込み量、及び酸素富化量のような衝風条件の変化のことをいい、高炉設備の経時変化とは、高炉2の壁を形成する耐火物の経時劣化などのことをいう。
次に、図7に示すフローに従い本実施形態に係る高炉の溶銑温度予測方法について説明する。尚、溶銑温度(高炉2の出銑口での溶銑温度)の実績値は約1500℃、送風温度は約1000℃強、ソリューションロスカーボン量は100弱、の値と、その値が異なるので、以下の説明では、各々の数値は各項目の代表値を差し引くことにより、全て0付近に正規化した値を用いている。
図7に示すように、本発明での演算は、溶銑温度予測モデルを構築する部分、および構築した溶銑温度予測モデルにより溶銑温度を予測する部分の2つの部分から構成されている。まず、溶銑温度予測モデルを構築する部分では、蓄積された時系列の操業実績データを取り込み(S31)、このデータを用いて溶銑温度予測モデルを構築する。尚、本実施形態においては、前記した(A)式に示すM次遅れ系+むだ時間の線形モデルを用いて溶銑温度予測モデルを構築した。(A)式における各モデル係数は、定常状態時に蓄積された操業実績データを用いて求めた(S32)。そして、求めた(A)式における各モデル係数およびむだ時間パラメータを予め溶銑温度予測システム4の計算機内に保存しておく。
次に、この溶銑温度予測モデルを用いた溶銑温度の予測に関して説明する。まず、過去の操業実績データおよび採取した現在の実績データを蓄積したデータ蓄積部8から、過去から現在に至る衝風条件U、およびソリューションロスカーボン量Vについての操業データをデータ取り込み部5へ取り込む(S33)。尚、以下、衝風条件U、およびソリューションロスカーボン量Vの値は各項目の代表値を差し引くことにより、全て0付近に正規化した値となっているものとする。
(モデル学習工程)
次に、データ取り込み部5に取り込んだ上記操業データから(A)式を用いて溶銑温度の予測値Y^を計算する(S34)。その後、モデル更新部9において、衝風条件データの値に基づき学習タイミングか否かの判断を行う(S35)。本実施形態においては例として、衝風条件データのうち送風量データを用いて、前記した(D)式により学習タイミングの判別を行っている。送風量データUlの判別しきい値Ulvalは予め定めた数値を用いる。判別しきい値Ulvalの値は、例えば、過去の操業実績データを定常部と非定常部とに分けて、定常部の複数のデータから以下の(G)式のように送風量データUlの最小値を求め、その値を判別しきい値として用いる。
(数6)
Ulval=min(Ul) ・・・(G)
(D)式、(G)式を用いてモデル更新部9の計算機に計算させることにより、自動的に学習タイミングであるか否かを判別することができる。学習タイミングと判断されない場合は(S36)、上記予測値Y^を溶銑温度の予測値として採用し、次のサンプリング時間へと移行する。一方、学習タイミングと判断された場合には(S36)、モデル更新部9において(A)式における各モデル係数およびむだ時間パラメータを暫定的に更新する。各モデル係数およびむだ時間パラメータの更新においては、溶銑温度の予測計算の際に計算機に取り込まれた操業実績データである衝風条件U、およびソリューションロスカーボン量Vを用いて、予測誤差が最小となるように、(A)式におけるモデル係数、むだ時間の推定演算を行う。その演算により求めたモデル係数の推定値を、a’、・・・、a’、b’、・・・、b’N+1、c’、・・・、c’K+1、d’、むだ時間の推定値をL’、L2’とする。
次に、新たに学習した溶銑温度予測モデル(推定モデル)と現状の溶銑温度予測モデルとの予測精度評価を行う。その評価を行うために、上記学習の際に用いたデータ以外の操業実績データ(衝風条件U’およびソリューションロスカーボン量V’)を用意する。そして、まず、それら操業実績データ(U’およびV’)、推定モデル係数、および現状のモデル係数を用いて、溶銑温度の予測計算を行う。以下の(H)式は、推定モデル係数を用いた溶銑温度の予測計算式であり、(I)式は、現状のモデル係数を用いた溶銑温度の予測計算式である。
(数7)
Y^’=a’・Y^’i−1+a’・Y^’i−2+・・・+a’・Y^’i−M
b’・U’i−L’+b’・U’i−1−L’+・・・+b’N+1・U’i−N−L’
c’・V’i−L2’+c’・V’i−1−L2’+・・・+c’K+1・V’i−K−L2’
d’ ・・・(H)
Y^’:推定モデル係数を用いた時刻iにおける溶銑温度の予測値
(数8)
Y^’’=a・Y^’’i−1+a・Y^’’i−2+・・・+a・Y^’’i−M
・U’i−L+b・U’i−1−L+・・・+bN+1・U’i−N−L
・V’i−L2+c・V’i−1−L2+・・・+cK+1・V’i−K−L2
d’ ・・・(I)
Y^’’:現状のモデル係数を用いた時刻iにおける溶銑温度の予測値
そして、これら計算結果を用いて予測精度を比較する。例えば、以下の(J)式、(K)式のように、溶銑温度の実績温度Yと予測値(Y^’、Y^’’)との差、つまりは予測誤差の二乗平均値により比較する。Enew≦Enowの場合、推定モデル(推定モデル係数をあてはめた(A)式の予測モデル)を溶銑温度予測モデルとして採用し、モデルパラメータを現状のモデル係数から推定モデル係数へ更新する(予測モデルを更新する。S37)。一方、Enew>Enowの場合、モデルパラメータ更新は行わない。以上のモデル学習工程(予測モデルの更新)がモデル更新部9内の計算機によって自動的に行われるため、本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法を実現するためのソフトウエアを簡略化することができる。尚、モデル更新部9では、図7に示す各ステップのうち、S35〜S37の各ステップが行われる。
(数9)
new=Σ(Y^’−Y ・・・(J)
(数10)
now=Σ(Y^’’−Y ・・・(K)
(溶銑温度予測工程)
そして、予測モデルのモデルパラメータを更新した際には、溶銑温度の予測値の変化が緩やかに変化するように下記に示す指数平滑を適用する。まずは、更新モデルのパラメータ、操業実績データU’(衝風条件)、およびV’(ソリューションロスカーボン量)を用いて、以下の(L)式より、予測値Y^’’’を計算する。
(数11)
Y^’’’=a’・Y^’’’i−1+a’・Y^’’’i−2+・・・+a’・Y^’’’i−M
b’・Ui−L’+b’・Ui−1−L’+・・・+b’N+1・Ui−N−L’
c’・Vi−L2’+c’・Vi−1−L2’+・・・+c’K+1・Vi−K−L2’
d’ ・・・(L)
Y^’’’:更新後のモデル係数を用いた時刻iにおける溶銑温度の予測値
次に、更新前のモデルに基づく予測値Y^と、更新後のモデルに基づく予測値Y^’’’とから以下の(M)式、(N)式を用いて最終の溶銑温度の予測値Y^rを計算する。
(数12)
Y^r=α・Y^+(1−α)・Y^’’’ ・・・(M)
α=(1−β)・αt−1+β・|Y^−Y^’’’|/Δ ・・・(N)
Y^r:時刻iにおける溶銑温度の予測値
α:時刻tにおける重み
β:固定係数
Δ:固定定数
αはモデル更新の際に初期値1をとり、それ以降は(N)式に従って計算する。Δは予め定めた数である。αはモデル更新直後には1に近い値となり、モデル更新から時間が経過するに従い0へ近づく。これにより、(M)式での予測値Y^にかかる重みが定常状態へ移行するに従って減少していくことになる。つまり、モデル更新直後は、更新前のモデルに基づく予測値に近く、その後、更新モデルに基づく予測値に近づいていく。この(M)式に基づいて計算された予測値Y^rを溶銑温度の予測値とする。
以上の演算を新たな操業データ採取毎に実施することにより、時々刻々の溶銑温度予測値を得ることができ、オンラインでの溶銑温度予測を実現することができる。また、以上説明したように、高炉の操業条件の変化または高炉設備の経時変化が発生した場合に、溶銑温度を予測するための予測モデルを更新することで、溶銑温度の予測精度低下をより防ぐことができる。また、本実施形態のように衝風条件データの一つである送風量データの値に基づき、モデル学習工程を行うタイミングを決定することにより、高炉の操業状態が、休風・減風などの非定常状態にあるときにモデル学習工程が行われることになる。したがって、高炉の操業状態が定常状態にあるときに予測モデルが切り替わることに伴う溶銑温度の予測精度低下を防ぐことができ、予測精度がさらに安定する。
次に、データを用いた演算例をもとに本手法の有効性を示す。図8は、高炉の操業条件変化が発生した場合の定常状態予測モデル((A)式)を用いた溶銑温度の予測値57及び実測値58のトレンドを示す図である。また、図9は、高炉の操業条件変化が発生した際に本発明に係るモデル学習工程を行った場合の定常状態予測モデルを用いた溶銑温度の予測値59及び実測値60のトレンドを示す図である。
図8に示すように、溶銑温度の予測モデルを更新するモデル学習工程を行わない場合は、操業条件変化が発生した後に予測値57の変動幅が大きくなると共に、予測値57と実測値58との間にバイアスが発生しており、これらにより予測精度が大きく低下していることが確認できる。一方、本発明に係るモデル学習工程を行った場合のトレンドを示す図9によると、操業条件の変化が発生した後の部分において、予測値59の変動幅は小さく、バイアスの発生も抑制できていることが確認され、操業条件変化後にも精度よく溶銑温度予測が行われていることが確認できる。また、指数平滑法を適用することで学習タイミングの後の予測値59の変化が緩やかになっており、予測値59が急激に変化することを低減できている。尚、本実施形態においては、モデル学習工程を定常状態予測モデルに適用したが、非定常状態予測モデルにも当然適用することができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法が用いられるシステムを示すブロック図である。 本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法のフローを示す図である。 定常状態予測モデルのみから計算した溶銑温度の予測値及び実測値のトレンドを示す図である。 非定常状態予測モデルのみから計算した溶銑温度の予測値及び実測値のトレンドを示す図である。 本発明の一実施例に係る高炉の溶銑温度予測方法により計算した溶銑温度の予測値及び実測値のトレンドを示す図である。 図1に示す溶銑温度予測システムにモデル更新部が付加された、高炉の溶銑温度予測方法が用いられるシステムを示すブロック図である。 モデル学習工程を備えた本発明に係る高炉の溶銑温度予測方法のフローを示す図である。 高炉の操業条件変化が発生した場合の定常状態予測モデルを用いた溶銑温度の予測値及び実測値のトレンドを示す図である。 高炉の操業条件変化が発生した際に本発明に係るモデル学習工程を行った場合の定常状態予測モデルを用いた溶銑温度の予測値及び実測値のトレンドを示す図である。
符号の説明
2 高炉
5 データ取り込み部
6 予測モデル構築部
7 溶銑温度予測部
8 データ蓄積部

Claims (7)

  1. 高炉における送風温度、送風湿度、送風量、微粉炭吹き込み量、及び酸素富化量のうちの少なくともいずれかを含む衝風条件データの実績値と、少なくともソリューションロスカーボン量を含む外乱要因データの実績値と、溶銑温度の実績値と、を含む操業データに基づいて将来の溶銑温度を予測する高炉の溶銑温度予測方法であって、
    前記操業データを蓄積するデータ蓄積工程と、
    前記データ蓄積工程により蓄積された定常状態時の前記操業データから定常状態時の溶銑温度を予測する定常状態予測モデルを構築する定常状態予測モデル構築工程と、
    前記定常状態予測モデルを低次元化したものであって、前記データ蓄積工程により蓄積された非定常状態時の前記操業データから非定常状態時の溶銑温度を予測する非定常状態予測モデルを構築する非定常状態予測モデル構築工程と、
    構築された前記定常状態予測モデル及び前記非定常状態予測モデルから溶銑温度を予測する溶銑温度予測工程と、
    を備えていることを特徴とする、高炉の溶銑温度予測方法。
  2. 前記溶銑温度予測工程は、高炉の操業状態が、定常状態及び非定常状態のうちのいずれの状態であるかを判別する操業状態判別工程を有し、
    非定常状態時の溶銑温度の予測値は、前記溶銑温度予測工程において、前記定常状態予測モデルから求めた溶銑温度の予測値と、前記非定常状態予測モデルから求めた溶銑温度の予測値との加重平均を求めることで得られることを特徴とする、請求項1に記載の高炉の溶銑温度予測方法。
  3. 前記操業状態判別工程において、前記定常状態予測モデルから求めた溶銑温度の予測値と、前記非定常状態予測モデルから求めた溶銑温度の予測値との差の絶対値が、所定の判別しきい値より大きい場合、又は、前記データ蓄積工程により蓄積された前記送風量が、所定の判別しきい値より小さい場合、非定常状態であると判別することを特徴とする、請求項2に記載の高炉の溶銑温度予測方法。
  4. 前記定常状態予測モデルは、以下の(A)式により表されることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の高炉の溶銑温度予測方法。
    (数1)
    =a・Yi−1+a・Yi−2+・・・+a・Yi−M
    ・Ui−L+b・Ui−1−L+・・・+bN+1・Ui−N−L
    ・Vi−L2+c・Vi−1−L2+・・・+cK+1・Vi−K−L2+d ・・(A)
    :時刻iにおける溶銑温度の予測値
    :時刻iにおける衝風条件値
    :時刻iにおけるソリューションロスカーボン量
    L、L2:むだ時間
    、・・・、a、b、・・・、bN+1、c、・・・、cK+1、d:モデル係数
  5. 前記非定常状態予測モデルは、以下の(B)式により表されることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の高炉の溶銑温度予測方法。
    (数2)
    ’=e・Yi−1’+f・Ui−L+g・Vi−L2+h ・・・(B)
    ’:時刻iにおける溶銑温度の予測値
    :時刻iにおける衝風条件値
    :時刻iにおけるソリューションロスカーボン量
    L、L2:むだ時間
    、f、g、h:モデル係数
  6. 高炉の操業条件の変化または高炉設備の経時変化に応じて、構築された前記定常状態予測モデル及び前記非定常状態予測モデルのうちの少なくともいずれか一方の予測モデルを更新するモデル学習工程を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の高炉の溶銑温度予測方法。
  7. 前記モデル学習工程を行うタイミングを、前記衝風条件データの値に基づき定めることにより、当該モデル学習工程を非定常状態時に行うことを特徴とする、請求項6に記載の高炉の溶銑温度予測方法。
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