JP2007052739A - モデル生成方法、状態予測方法、状態調整方法、モデル生成装置、状態予測装置、及び状態調整システム - Google Patents

モデル生成方法、状態予測方法、状態調整方法、モデル生成装置、状態予測装置、及び状態調整システム Download PDF

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Abstract

【課題】 高炉を用いた銑鉄の生産等の断続的に原料を投入して生産物を取り出す生産プロセスについて、生産プロセスの状態を予測するためのモデル式を簡便に生成することができるモデル生成方法、状態予測方法、状態調整方法、モデル生成装置、状態予測装置、及び状態調整システムを提供する。
【解決手段】 状態予測装置1は、生産プロセスでの各種の生産条件を示す条件データ及び生産プロセスの状態を示す状態データを蓄積しておき、ある時点で得られた状態データとその時点以前の所定期間内で得られた複数種類の条件データとの対応関係を解析して、条件データから状態データを予測するモデル式を生成する。状態予測装置1は、生成したモデル式を用いて未来の状態データを予測できる。生産条件が変動した場合でも、モデル式に基づいて他の生産条件を適宜制御することにより、生産プロセスの状態を良好に調整することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、断続的に原料を投入して生産物を断続的に取り出す生産プロセス、特に高炉を用いて銑鉄を生産する生産プロセスについて、生産物の品質又は生産量等に関わる生産プロセスの状態を予測するためのモデル式を生成するモデル生成方法、モデル式を用いて生産プロセスの状態を予測する状態予測方法、生産プロセスの状態を調整する状態調整方法、モデル生成装置、状態予測装置、及び状態調整システムに関する。
高炉を用いて鉄鉱石から銑鉄を生産するプロセスは、鉄鋼を製造する過程における重要なプロセスの一つである。図6は、高炉を用いて鉄鉱石から銑鉄を生産する方法を模式的に示す図である。高炉は、内面を耐火物で構成した略円筒状の構造物である。高炉の操業においては、原料である鉄鉱石及びコークスを上部から高炉内へ断続的に投入し、800℃〜1300℃の高温に加熱した空気を送風ガスとして下部から高炉内へ吹き込む。送風ガスは湿度及び酸素濃度を調整してあり、同時に微粉炭を吹き込むのが通常である。上部から高炉内へ投入された鉄鉱石が下降するのに従って、鉄鉱石の温度が上昇し、鉄鉱石に含まれる酸化鉄はコークス及び微粉炭の燃焼により発生した還元ガスによって還元されると同時に溶融して銑鉄となる。溶融した銑鉄は高炉の底に溜まり、溜まった銑鉄は一定時間間隔で高炉外へ取り出される。また、高炉の上部からは排ガスが排出される。
以上の如き銑鉄を生産するプロセスでは、原料が高炉内に投入されてから銑鉄となって取り出されるまでに、高炉の大きさ及び銑鉄の生産速度に応じて6〜10時間程度の時間が必要である。この間の時間における原料の粒径、原料の成分、送風ガスの吹き込み量及び高炉内の温度等の生産条件が、銑鉄の生産量、生産効率及び成分等の生産結果に影響する。銑鉄の生産結果を良好に保ちながら生産を続けるためには、各種の生産条件から高炉内の状態を予測し、良好な生産結果が得られる状態で安定するように各種の操業条件を制御する技術の確立が重要である。
従来、高炉内の状態を予測するには、オペレータの過去の経験又は高炉内に設置された各種のセンサからの情報に基づき、コンピュータを用いた統計解析手法、又は物理的若しくは化学的な理論に基づいた予測モデルを用いた方法が用いられている。前者の一例として特許文献1には、高炉内の還元状態の良否を示すソルーションロスカーボン量及び炉頂ガス中に含まれる窒素量の時間的な移動平均を複数の閾値と比較し、比較結果の統計的総合評価に従って高炉内での炉熱の低下を予測する技術が開示されている。また後者の一例として特許文献2には、数学的なモデルを用いて高炉内の状態を予測する技術が開示されている。
特公平6−35605号公報 特開平9−143517号公報
ところで、高炉内の状態は各種の生産条件の履歴又は高炉内の残留物の状況等によって時々刻々と変化するので、高炉内の状態を精度良く予測し続けるためには、高炉内の状態を予測するための解析条件又はモデルを状況に合わせて改良し続ける必要がある。しかしながら、高炉内の状態を予測する従来の技術では、高炉内の状態を予測するための解析条件又はモデルを状況に合わせて改良し続けることが困難であるという問題がある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、高炉を用いた銑鉄の生産等、断続的に原料を投入して生産物を取り出す生産プロセスについて、生産プロセスの状態を表す情報を各種の生産条件から予測するためのモデル式を直近の生産プロセスの状況に応じて簡便に生成することができるモデル生成方法、及びモデル生成装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、生成したモデル及び過去における生産条件を用いて、生産プロセスの状態を予測することができる状態予測方法及び状態予測装置を提供することにある。
更に本発明の他の目的とする所は、生産プロセスの状態に影響する生産条件を制御することにより、生産プロセスの状態を良好な生産結果が得られる状態に安定させるように制御する状態調整方法及び状態調整システムを提供することにある。
第1発明に係るモデル生成方法は、断続的に原料を投入し、投入された原料に対して各種の処理を施すことによって生産した生産物を断続的に取り出す生産プロセスについて、記憶部及び演算部を備えるコンピュータを用い、前記生産プロセスの状態を表す状態データを予測するためのモデル式を生成する方法において、複数の時点の夫々で取得された、生産プロセスにおける各種の生産条件を示すm種類(mは自然数)の条件データを記憶部で記憶するステップと、複数の時点の夫々で取得された、生産プロセスの状態を表す状態データを記憶部で記憶するステップと、r個(rは自然数)の時点で取得された状態データの夫々に対して、各状態データが取得された時点以前の所定期間内のL個(Lは自然数)の時点で取得されたm種類の条件データを演算部で対応づけるステップと、r個の状態データの夫々に対応づけたm種類毎L個の条件データを変換した互いに無相関なq種類(qは自然数;q≦L×m)の成分とr個の状態データの夫々との対応関係に基づいて、前記互いに無相関なq種類の成分の夫々に対応する変数を用いて状態データに対応する変数を表現した回帰式を演算部で生成するステップと、前記互いに無相関なq種類の成分の夫々を前記m種類毎L個の条件データを用いて表現した関係式を用いて、前記回帰式に含まれる前記互いに無相関なq種類の成分の夫々に対応する変数に係る係数から、状態データに対応する変数をm種類毎L個の条件データの夫々に対応する変数の線形結合で表現するモデル式に含まれる前記変数に係る係数を求めることにより、前記モデル式を演算部で生成するステップとを含むことを特徴とする。
第2発明に係るモデル生成方法は、断続的に原料を投入し、投入された原料に対して各種の処理を施すことによって生産した生産物を断続的に取り出す生産プロセスについて、記憶部及び演算部を備えるコンピュータを用い、前記生産プロセスの状態を表す状態データを予測するためのモデル式を生成する方法において、複数の時点の夫々で取得された、生産プロセスにおける各種の生産条件を示すm種類(mは自然数)の条件データを記憶部で記憶するステップと、複数の時点の夫々で取得された、生産プロセスの状態を表す状態データを記憶部で記憶するステップと、各状態データが取得された時点以前の所定期間内のL個(Lは自然数)の時点で取得されたm種類毎L個の条件データを各行の成分として、各行にr個(rは自然数)の時点で取得された状態データの夫々を対応づけたr行(L×m)列の行列Uを演算部で生成するステップと、行列Uに含まれる成分を各列に含まれる成分の平均及び分散が夫々所定値になるように正規化したr行(L×m)列の行列X、及び行列Uの各行に対応づけた状態データのr個の平均及び分散が夫々所定値になるように正規化した成分からなるベクトルPを演算部で生成するステップと、行列Xの各行の成分である正規化されたm種類毎L個の条件データを互いに無相関なq種類(qは自然数;q≦L×m)の成分へ変換した成分からなるr行q列の行列T、行列Tを行列Xから求めるための関係式T=XWを満たす(L×m)行q列の行列W、及びベクトルPに含まれる各成分と行列Tの各行に含まれる成分との対応関係を回帰分析した、正規化された状態データに対応する変数を前記互いに無相関なq種類の成分の夫々に対応する変数の線形結合で表す回帰式の係数を成分とするq行1列のベクトルAを演算部で生成するステップと、正規化された状態データに対応する変数を正規化されたm種類毎L個の条件データの夫々に対応する変数の線形結合で表現するモデル式の係数を成分とする(L×m)行1列のベクトルCを、関係式C=WAにより演算部で計算するステップとを含むことを特徴とする。
第3発明に係るモデル生成方法は、前記所定期間の時間の長さは、原料が生産プロセスに投入されてから生産物となって取り出されるまでの時間の長さ以下で、前記時間の半分の長さ以上であることを特徴とする。
第4発明に係る状態予測方法は、断続的に原料を投入し、投入された原料に対して各種の処理を施すことによって生産した生産物を断続的に取り出す生産プロセスについて、記憶部及び演算部を備えるコンピュータを用い、特定の時点における前記生産プロセスの状態を表す状態データを予測する方法において、生産プロセスにおける各種の生産条件を示す各時点でのm種類(mは自然数)の条件データを随時取得して記憶部で記憶するステップと、第1乃至第3発明のいずれか一つに係るモデル生成方法によって生成したモデル式に、特定の時点までの各時点における各条件データの記憶部で記憶している値及び/又は予定値を入力することにより、前記特定の時点における状態データの予測値を演算部で計算するステップとを含むことを特徴とする。
第5発明に係る状態予測方法は、鉄鉱石を含む原料を高炉に断続的に投入し、生産物である銑鉄を高炉から断続的に取り出す生産プロセスについて、記憶部及び演算部を備えるコンピュータを用い、特定の時点における高炉内の状態を表す状態データを予測する方法において、高炉を用いた生産プロセスにおける各種の生産条件を示すm種類(mは自然数)の条件データの各時点での実績値を記憶部で記憶するステップと、第1乃至第3発明のいずれか一つに係るモデル生成方法によって生成したモデル式に、特定の時点までの各時点における各条件データの記憶部で記憶している値及び/又は予定値を入力することにより、前記特定の時点における高炉内の状態を表す状態データの予測値を演算部で計算するステップとを含むことを特徴とする。
第6発明に係る状態予測方法は、前記状態データは、高炉の下部から吹き込むガスと高炉の上部から排出するガスとの圧力差を示す高炉圧損であることを特徴とする。
第7発明に係る状態調整方法は、断続的に原料を投入し、投入された原料に対して各種の処理を施すことによって生産した生産物を断続的に取り出す生産プロセスについて、記憶手段、演算手段及び前記生産プロセスにおける各種の生産条件を制御する制御手段を用い、特定の時点における前記生産プロセスの状態を調整する方法において、生産プロセスにおける各種の生産条件を示す各時点でのm種類(mは自然数)の条件データを随時取得して記憶手段で記憶するステップと、第1乃至第3発明のいずれか一つに係るモデル生成方法によって生成したモデル式に、特定の時点までの各時点における各条件データの記憶部で記憶している値及び/又は予定値を入力することにより、前記特定の時点における状態データの予測値を演算手段で計算する予測ステップと、特定の生産条件を示す条件データの前記特定の時点までの各時点における予定値を、該予定値を用いて前記予測ステップで計算できる前記状態データの予測値が予め定められた所定範囲内に収まるような値に演算手段で決定するステップと、前記条件データの前記特定の時点までの各時点における値が、前記演算手段で決定した予定値に実質的に一致するように、前記生産条件を前記制御手段で制御するステップとを含むことを特徴とする。
第8発明に係るモデル生成装置は、断続的に原料を投入し、投入された原料に対して各種の処理を施すことによって生産した生産物を断続的に取り出す生産プロセスについて、該生産プロセスの状態を表す状態データを予測するためのモデル式を生成する装置において、複数の時点の夫々で取得された、生産プロセスにおける各種の生産条件を示すm種類(mは自然数)の条件データを記憶する手段と、複数の時点の夫々で取得された、生産プロセスの状態を表す状態データを記憶する手段と、各状態データが取得された時点以前の所定期間内のL個(Lは自然数)の時点で取得されたm種類毎L個の条件データを各行の成分として、各行にr個(rは自然数)の時点で取得された状態データの夫々を対応づけたr行(L×m)列の行列Uを生成する手段と、行列Uに含まれる成分を各列に含まれる成分の平均及び分散が夫々所定値になるように正規化したr行(L×m)列の行列X、及び行列Uの各行に対応づけた状態データのr個の平均及び分散が夫々所定値になるように正規化した成分からなるベクトルPを生成する手段と、行列Xの各行の成分である正規化されたm種類毎L個の条件データを互いに無相関なq種類(qは自然数;q≦L×m)の成分へ変換した成分からなるr行q列の行列T、行列Tを行列Xから求めるための関係式T=XWを満たす(L×m)行q列の行列W、及びベクトルPに含まれる各成分と行列Tの各行に含まれる成分との対応関係を回帰分析した、正規化された状態データに対応する変数を前記互いに無相関なq種類の成分の夫々に対応する変数の線形結合で表す回帰式の係数を成分とするq行1列のベクトルAを生成する手段と、正規化された状態データに対応する変数を正規化されたm種類毎L個の条件データの夫々に対応する変数の線形結合で表現するモデル式の係数を成分とする(L×m)行1列のベクトルCを、関係式C=WAによりで計算する手段とを備えることを特徴とする。
第9発明に係る状態予測装置は、断続的に原料を投入し、投入された原料に対して各種の処理を施すことによって生産した生産物を断続的に取り出す生産プロセスについて、特定の時点における前記生産プロセスの状態を表す状態データを予測する装置において、生産プロセスにおける各種の生産条件を示す各時点でのm種類(mは自然数)の条件データを随時取得して記憶する記憶手段と、第1乃至第3発明のいずれか一つに係るモデル生成方法によって生成したモデル式に、特定の時点までの各時点における各条件データの前記記憶手段で記憶している値及び/又は予定値を入力することにより、前記特定の時点における状態データの予測値を計算する手段とを備えることを特徴とする。
第10発明に係る状態調整システムは、断続的に原料を投入し、投入された原料に対して各種の処理を施すことによって生産した生産物を断続的に取り出す生産プロセスについて、特定の時点における前記生産プロセスの状態を調整するシステムにおいて、前記生産プロセスにおける各種の生産条件を制御する制御手段と、生産プロセスにおける各種の生産条件を示す各時点でのm種類(mは自然数)の条件データを随時取得して記憶する記憶手段と、第1乃至第3発明のいずれか一つに係るモデル生成方法によって生成したモデル式に、特定の時点までの各時点における各条件データの前記記憶手段で記憶している値及び/又は予定値を入力することにより、前記特定の時点における状態データの予測値を計算する演算手段とを備え、前記演算手段は、特定の生産条件を示す条件データの前記特定の時点までの各時点における予定値を、該予定値を用いて計算できる前記状態データの予測値が予め定められた所定範囲内に収まるような値に決定する手段を有し、前記制御手段は、前記条件データの前記特定の時点までの各時点における値が、前記演算手段が決定した予定値に実質的に一致するように、前記生産条件を制御する手段を有することを特徴とする。
第1、第2及び第8発明においては、原料を断続的に投入して生産物を断続的に取り出す生産プロセスについて、ある時点での生産プロセスの状態を示す状態データとその時点以前の所定期間内での各種の生産条件を示す条件データとの対応関係を解析することにより、複数の時点での複数種類の条件データの線形結合で状態データを表現するモデル式を生成する。特に、互いに相関関係のある条件データを互いに無相関な成分に一度変換した上で状態データとの関係を分析することによって正確な解析を行うことができる。更に、条件データと互いに無相関な成分との関係に基づいて、状態データと互いに無相関な成分との解析で得られた関係式に含まれる係数から、モデル式に含まれる線形結合の係数を計算することによって、実際に得られる条件データが状態データに及ぼす影響の度合いを求めることができる。
第3発明においては、モデル式を生成するために状態データに対応づける条件データの取得期間の長さを、原料が投入されてから生産物となって取り出されるまでの時間の長さ以下で前記時間の半分の長さ以上として、状態データを取得する時点で生産プロセス内に存在する原料の状況を反映させる。
第4及び第9発明においては、生成したモデル式に、取得した条件データの値及び/又は予定値を代入することにより、現在又は未来の時点における状態データの値を予測する。
第5発明においては、生成したモデル式に、高炉を用いた生産プロセスでの各種の生産条件を示す条件データの取得した値及び/又は予定値を代入することにより、現在又は未来の時点における高炉内の状態を示す状態データの値を予測する。
第6発明においては、高炉内の状態を示す状態データとして高炉圧損を用い、条件データから高炉圧損を予測する。
第7及び第10発明においては、条件データが変動した場合でも、モデル式を用いて予測できる状態データの予測値が所定範囲内に収まるように特定の生産条件を示す条件データの予定値を決定し、条件データの値が予定値に一致するように生産条件を制御する。
第1、第2及び第8発明にあっては、生産プロセスの各種の生産条件を示す条件データ及び生産プロセスの状態を示す状態データを蓄積しておき、蓄積した条件データ及び状態データに基づいて、条件データから状態データを予測するモデル式を簡便に生成することができるので、条件データ及び状態データが蓄積される都度、生産プロセスの状況に応じてモデル式を改良し続けることが可能となる。
第3発明にあっては、各状態データに対して状態データが取得された時点以前の所定期間内に取得した条件データを対応づけてモデル式を生成する際に、所定期間の長さを、原料が投入されてから生産物となって取り出されるまでの時間の長さ以下で前記時間の半分の長さ以上とすることにより、精度良く状態データを予測するモデル式を生成することができる。
第4及び第9発明にあっては、生成したモデル式を用いて、条件データから現在又は未来の時点における状態データの値を予測し、生産物の生産量等に関わる生産プロセスの状態を正確に予測することができる。
第5発明にあっては、生成したモデル式を用いて、高炉を用いた生産プロセスでの条件データから現在又は未来の時点における状態データの値を予測し、高炉内の状態を正確に予測することができる。
第6発明にあっては、生成したモデル式を用いて高炉圧損を予測することができるので、未来における高炉内の状態の安定度を正確に予測することが可能となる。
第7及び第10発明にあっては、一の生産条件が変動した場合でも、他の生産条件を変化させることによって、操業の状態が変動することを防止することができる。生成したモデル式は条件データの線形結合式であるので、一の生産条件が変動した場合に、状態データの変動を防止するように変化させる他の生産条件を選択し、他の生産条件を示す条件データの変化量を決定することができる。従って、原料の性状等の制御不可能な生産条件が変化して状態データの変化が予測できる場合であっても、制御可能な他の生産条件を適宜制御して、生産プロセスの状態を調整することができる。特に、銑鉄を生産する高炉の状態を良好な生産結果が得られる状態に安定させるように調整することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。本実施の形態では、高炉を用いて銑鉄を生産する生産プロセスについて適用した形態を例として本発明を説明する。
図1は、本発明の状態調整システムの構成例を示すブロック図である。図中3は高炉であり、図6に示す如く、原料である鉄鉱石及びコークスを上部から投入し、高温の送風ガスが下部から吹き込まれ、生産物である銑鉄を生産する生産プロセスを実行する。高炉3には、原料の投入量又は送風ガスの送風量等の高炉3が銑鉄を生産するにあたって制御可能な各種の生産条件を制御する制御装置(制御手段)21と、高炉3内の温度又は高炉3の上部から排出する排ガスの圧力等の高炉3が稼動している状況を示す各種のデータを測定する測定装置22とが備えられている。制御装置21は、原料を高炉3へ投入する装置、送風ガスの温度及び成分等を調整する装置、送風ガスを高炉3へ吹き込む装置、及び排ガスを回収する装置等の高炉3を稼動させる各種の装置を制御する一又は複数の制御装置からなる。また測定装置22は、高炉3内又は高炉3を稼動させる各種の装置に設けられた各種のセンサからなる。
また本発明の状態調整システムは、高炉3へ投入する原料の強度又は粒径等の原料に係るデータを記憶している原料データ管理装置23を備えている。制御装置21、測定装置22及び原料データ管理装置23には、本発明の状態予測装置1が接続されている。制御装置21は、高炉3が稼動する際の各種の条件を制御する一方、30分毎等の一定時間毎にその時の稼動の条件を示すデータを状態予測装置1へ入力する構成となっている。また測定装置22は、30分毎等の一定時間毎に、その時に測定したデータ又は直前の所定期間内に測定したデータの平均値を状態予測装置1へ入力する構成となっている。同様に原料データ管理装置23は、30分毎等の一定時間毎に直前の一定時間に投入された原料のデータを状態予測装置1へ入力する構成となっている。
図2は、本発明の状態予測装置1の内部の機能構成を示す機能ブロック図である。状態予測装置1は、パーソナルコンピュータ又はサーバ装置などのコンピュータを用いて構成されている。状態予測装置1は、演算を行うCPU(演算部、演算手段)11と、演算に必要な情報を記憶するRAM(記憶部)12と、主にプログラム又はデータを記録する光ディスク等の記録媒体から情報を読み取るCD−ROMドライブ等の読み取り部13と、情報の読み書きが可能なハードディスク(記憶部、記憶手段)14とを備えている。CPU11は、記録媒体10からコンピュータプログラム100を読み取り部13に読み取らせ、読み取ったコンピュータプログラム100をハードディスク14に記憶させる。コンピュータプログラム100は必要に応じてハードディスク14からRAM12へロードされ、ロードされたコンピュータプログラム100に基づいてCPU11は状態予測装置1に必要な処理を実行する。
また状態予測装置1は、制御装置21、測定装置22及び原料データ管理装置23に接続された入出力部15を備えている。状態予測装置1は、入出力部15を用いて、各種のデータを取得し、制御装置21に制御させる高炉3での生産条件を示すデータを出力する構成となっている。更に状態予測装置1は、オペレータが操作することによって処理条件等の各種の条件を受け付ける受付部16を備えている。
状態予測装置1は、制御装置21、測定装置22及び原料データ管理装置23から入出力部15で一定時間毎に各種のデータを入力され、入力されたデータを、高炉3で銑鉄を生産する生産プロセスでの生産条件を示す各種の条件データとしてハードディスク14で記憶する。条件データは、例えば、原料である鉄鉱石又はコークスの堅さを示す原料強度、原料に占める鉄鉱石とコークスとの重量比、原料の粒径、送風ガスの送風量、送風ガスの温度、送風ガスの成分、高炉3から銑鉄を取り出す際に開ける出銑孔の径等のデータである。
また状態予測装置1は、一定時間毎での高炉3内の状態を表す状態データをハードディスク14で記憶している。状態予測装置1は、一定時間毎に入力された特定のデータを状態データとしてハードディスク14で記憶するか、又は一定時間毎に入力された特定のデータから状態データを導出する処理を行う。本実施の形態では、状態データとして、送風ガスの吹き込み圧力と排ガスが排出する圧力との圧力差である高炉圧損ΔPを用いる。高炉圧損ΔPが上昇した場合は、高炉3の内部においてガスが通過し難くなっており、高炉3内のガスの流れが不安定になっている状態である。この状態では、局所的に急速なガス流れが発生して高炉3内に投入された原料が上下に攪拌される現象、又は未還元の鉄鉱石が高炉3の下部へ降下することにより発生する設備破損等によって、生産プロセスの稼働率の低下又は生産の停止を余儀なくされることがあり、また銑鉄の品質が悪化する可能性がある。従って、高炉圧損ΔPが上昇した場合は、高炉3内の圧力が安定化するまで送風ガスの送風量を低下させる必要があり、この結果、銑鉄の生産量が低下する。このように、高炉圧損ΔPは高炉3内の状態を表す良い指標であり、高炉圧損ΔPの値が所定範囲よりも上昇しないように高炉3の稼動を制御することが重要である。
状態予測装置1は、m種類(mは自然数)の条件データを一定時間毎に制御装置21、測定装置22及び原料データ管理装置23から入力され、n回(nは自然数)入力されたn回分のm種類の条件データを時系列的にハードディスク14で記憶している。また同様に、状態予測装置1は、一定時間毎に得られたn回分の状態データを時系列的に記憶している。状態予測装置1は、ハードディスク14で記憶した各種のデータを用いて、高炉3内の状態を表す状態データを条件データから予測するためのモデル式を生成する処理を行い、本発明のモデル生成装置として機能する構成となっている。
次に、以上の如き構成の状態調整システムを用いて実行する本発明のモデル生成方法を説明する。本実施の形態においては、原料が高炉3内に投入されてから銑鉄となって取り出されるまでの時間を約8時間とする。また状態予測装置1がハードディスク14に記憶している条件データ及び状態データは、30分毎に得られたデータであるとする。
さて、ある時点での状態データである高炉圧損ΔPは、その時点での高炉3の状態によって定まり、高炉3の状態は高炉3内に存在している8時間前以降に投入された原料の状況に影響されている。従って、ある時点での高炉圧損ΔPの値は、その時点で高炉3内に存在する原料が経験してきた状況、即ちその時点の直前の8時間に得られた条件データの夫々に影響されて定められると仮定することができる。ある時点kでのm種類の条件データをx1 (k),x2 (k),…,xm(k)とする。またある時点kの一つ前の時点、即ちある時点から30分前での条件データをx1 (k−1),x2 (k−1),…,xm(k−1)とする。高炉圧損ΔPは8時間前以降の16回分の条件データから定められるとすると、条件データから任意の時点kでの状態データである高炉圧損ΔP(k)を求めるモデル式は下記の(1)式で表現できる。
Figure 2007052739
(1)式において、k−2〜k−16は、ある時点kから二つ前の時点(60分前)〜15個前の時点(450分前)を示す。また(1)式中のci,j (i=1〜16,j=1〜m)は、係数であり、各時点での各条件データがある時点kでの高炉圧損ΔP(k)に及ぼす影響の度合いを示す。(1)式中の係数ci,jを、以下では影響係数と言う。本発明の状態予測方法では、条件データの実績を用いて影響係数ci,j を求め、求めた影響係数ci,jを用いて高炉3の状態の予測を行う。
次に、フローチャートを用いて、本発明のモデル生成方法を説明する。図3は、本発明の状態予測装置1が行うモデル式を生成する処理の手順を示すフローチャートである。状態予測装置1のCPU11は、RAM12にロードした本発明のコンピュータプログラム100に従って以下の処理を実行する。適当な回数であるn回分のm種類の条件データ及び状態データが蓄積された段階で、オペレータが受付部16を操作することにより、CPU11は、処理の開始指示を受付部16で受け付け、以下の処理を実行する。ここで、L=16,r=n−15である。
状態予測装置1のCPU11は、ハードディスク14が記憶しているn回分の状態データの内、16回目〜n回目の状態データの夫々を成分とする(n−15)行1列のベクトルVと、各状態データが得られた時点以前に得られた16回分のm種類の条件データを各行の成分とし、各行を各状態データに対応させた(n−15)行(m×16)列の行列UとをRAM21に記憶させる(S1)。条件データ及び状態データのサンプリング数nは、(n−15)≧(m×16)であることが望ましい。n回分のm種類の条件データの内、i回目に得られたj種類目の条件データをxi,j (i=1〜n,j=1〜m)として、行列Uは下記の(2)式で表される。またベクトルVは、16回目〜n回目の状態データの夫々を各行の成分としてなる。行列U及びベクトルVは各行が対応している。
Figure 2007052739
CPU11は、次に、行列U及びベクトルVの各列に含まれる成分の平均及び分散を計算し、行列U及びベクトルVの各列での平均を各列に含まれる成分から差し引いた値を各列での分散の平方根で割ることによって、行列U及びベクトルVに含まれる成分を各列毎に平均0及び分散1に正規化した行列X及びベクトルPを生成する(S2)。ベクトルPを下記の(3)式で示す。行列X及びベクトルPは各行が対応している。
Figure 2007052739
CPU11は、次に、行列Xの(n―15)行の夫々に含まれる(m×16)種類の成分について主成分分析を行うことによって、(n―15)行の夫々に対応する第1主成分から第q主成分(qは自然数でq≦(m×16))までのq種類の主成分得点を成分とする(n−15)行q列の行列T、及び主成分得点を元の成分の線形結合で表す係数からなる、関係式T=XWを満たす(m×16)行q列の行列Wを生成する(S3)。ここでCPU11は、主成分分析により行列Xの各行について第(m×16)主成分まで得られる各主成分得点の各行に渡る分散を計算し、計算した分散が1を超える主成分の数を主成分数qとし、第q主成分までの主成分得点を成分とする行列Tを生成する。行列Xの第i行目の成分から得られた第j主成分の主成分得点をti,j (i=1〜n−15,j=1〜q)として、行列Tは下記の(4)式で表される。また行列Wは下記の(5)式で表される。
Figure 2007052739
Figure 2007052739
CPU11は、次に、正規化された状態データからなるベクトルPの各成分と主成分得点の行列Tの各行との対応関係の重回帰分析を行って、正規化された状態データに対応する変数ΔP(k)をq種類の主成分得点の夫々に対応する変数t1 (k),t2 (k),…,tq(k)の線形結合で表現した回帰式を生成し、生成した回帰式の係数を成分とするベクトルAを生成する(S4)。回帰式を下記の(6)式に示す。
ΔP(k)=a11 (k)+a22(k)+…+aqq (k) …(6)
(6)式中のa1 ,a2 ,…,aq は線形結合の係数であり、各主成分得点が状態データΔP(k)に影響する度合いを示す。ベクトルTkをTk =(t1 (k) t2 (k)…tq (k))と定義し、ベクトルAをA=(a12 …aqT と定義すると、(6)式は下記の(7)式で表すことができる。ステップS4では、CPU11はこのベクトルAを求める。
ΔP(k)=Tk A …(7)
CPU11は、次に、行列W及びベクトルAを用いて、正規化された状態データに対応する変数を正規化された条件データの夫々に対応する変数の線形結合で表現した線形結合式の係数を成分とするベクトルCを、C=WAにより計算する(S5)。
ここで行列Xの各行に含まれる(m×16)種類の成分の夫々に対応する変数からなるベクトルXk を定義すると、T=XWよりTk =XkWが成り立つ。(7)式にTk =Xk Wを代入することにより、下記の(8)式が成り立つ。
ΔP(k)=Xk WA=Xk C …(8)
(8)式中のCは、C=WAで求められる(m×16)行1列のベクトルであり、(8)式で表現される線形結合式の係数を成分とする。ベクトルXk は、正規化された16回分のm種類の条件データに対応する変数を成分とするので、各状態データに対応する条件データを成分とする行列Uの各行の表現に合わせて、下記の(9)式で表すことができる。
Figure 2007052739
(9)式において、k〜k−15は、状態データΔP(k)が得られたのと同じ時点〜15個前の時点で条件データが得られたことを示す。またベクトルCを下記の(10)式で表す。
Figure 2007052739
(9)式及び(10)式を(8)式に代入すると、(8)式は(1)式と同等の式となる。即ち、ベクトルCを求めることにより、各時点での各条件データがある時点kでの高炉圧損ΔP(k)に影響する度合いを示す影響係数ci,j を求めることができる。ステップS5では、CPU11は、C=WAよりベクトルCを求め、(8)式の線形結合式を生成する。これにより、条件データからある時点での高炉圧損ΔPを求めるモデル式を得ることができる。
CPU11は、次に、(8)式の線形結合式である生成したモデル式をハードディスク14に記憶させ(S6)、処理を終了する。
以上の処理を実行することにより、状態予測装置1は、本発明のモデル生成装置として機能し、蓄積された条件データ及び状態データを用いて、条件データから状態データを予測するためのモデル式である(8)式の線形結合式を生成する。状態予測装置1は、10日間又は1ヶ月等の所定期間が経過する都度、その所定期間内に蓄積された条件データ及び状態データを用いてモデル式の生成を繰り返す。このとき、モデル式に含まれる係数の値が大きく変化することがないように、古いモデル式に含まれる係数をCold とし、前述の処理を行って計算した新しい係数をCcalとして、下記の(11)式で示す指数平滑化法等を用いて、新しいモデル式に含まれる係数Cnew を求める。(11)式に含まれるhは、0≦h≦1の学習係数であり、経験的に求められる。
new =(1−h)Cold +h Ccal …(11)
以上のように、主成分分析の手法を応用して実データから簡便にモデル式を生成することができるので、その時点での高炉の稼働状況に応じてモデル式を改良し続けることが可能となる。なお以上の処理では、条件データと状態データとの対応関係を解析する手法として、主成分分析と重回帰分析との手法を用いる例を示したが、本発明のモデル生成方法を実行するための手法はこれに限るものではなく、他の手法を用いて本発明のモデル生成方法を実行してもよい。例えば、本発明のモデル生成方法では、条件データと状態データとの対応関係を解析する手法として、主成分分析に代えた独立成分分析と重回帰分析との手法を用いることでモデル式を生成する処理を行うことも可能である。更に他の手法として、本発明のモデル生成方法では、部分的最小二乗法の手法を用いてモデル式を生成する処理を行うことも可能である。
次に、前述の状態調整システムを用いて実行する本発明の状態予測方法を説明する。状態予測装置1は、モデル生成方法を用いて生成した(8)式の線形結合式、及び各時点での製造条件を示すm種類の条件データをハードディスク14で記憶している。状態予測装置1は、使用者が受付部16を操作することによって現在又は未来のいずれの時点での状態データを予測するかを指定され、指定された時点での状態データを予測する処理を行う。現在の時点での状態データを予測する場合は、状態予測装置1のCPU11は、現在の時点までに30分間隔で得られた16回分のm種類の条件データをハードディスク14から読み出し、各種類の条件データの平均及び分散を用いて各条件データを正規化する。CPU11は、次に、正規化した16回分のm種類の条件データを(8)式の線形結合式へ代入する。このとき、(8)式の線形結合式に含まれるベクトルXk の各成分に対して、16回分のm種類の条件データの内の対応するデータが代入される。CPU11は、次に、正規化した16回分のm種類の条件データが入力された(8)式の線形結合式を計算し、現在の時点での正規化された状態データである高炉圧損ΔP(k)を計算する。
未来の時点での状態データを予測する場合は、状態予測装置1のCPU11は、指定された時点までの各時点で得られる合計16回分のm種類の条件データの内、既にハードディスク14が記憶しているデータの値を読み出す。CPU11は、次に、現在から指定された未来の時点までの各時点で得られるm種類の条件データの予定値を決定する。このときCPU11は、予定値として既に定められている値を採用するか、又はハードディスク14が記憶している最新の各種類の条件データの値を予定値として採用する等の方法で予定値を決定する。CPU11は、次に、合計16回分のm種類の条件データの値及び予定値を正規化し、正規化した値及び予定値を(8)式の線形結合式へ代入して、指定された未来の時点での正規化された状態データである高炉圧損ΔP(k)を計算する。
次に、本発明の状態予測方法の実施例を示す。本実施例では、原料強度、原料に占める鉄鉱石とコークスとの重量比であるO/C比、原料の粒径、送風ガスの温度、送風ガスに含まれる蒸気量等の80種類の条件データを用いた。状態予測装置1でこれらの80種類の条件データ及び状態データである高炉圧損の実測値を蓄積し、本発明のモデル生成方法を用いてm=80としたモデル式である(8)式の線形結合式を生成し、生成した線形結合式に条件データを代入することによって状態データである高炉圧損の予測値を計算した。
図4は、状態データである高炉圧損を予測した実施例を示す特性図である。図4(a)は高炉圧損の実測値の時間変化を示し、図4(b)は高炉圧損の各時点での予測値ΔP(k)の時間変化を示す。また条件データの内、コークス強度の時間変化を図4(c)に示し、コークス粒径の時間変化を図4(d)に示す。各特性図の横軸は時間であり、横軸の一メモリは4時間を示す。生成したモデル式によれば、図4(c)及び(d)に示す如く時点αでコークス強度及びコークス粒径が低下した場合は、図4(b)に示す如く約3時間後に高炉圧損が上昇することが予測される。また図4(d)に示す如く時点βでコークス粒径が上昇した場合は、図4(b)に示す如く約2時間後に高炉圧損が低下することが予測される。これに対して、図4(a)に示す高炉圧損の実測値も予測値とほぼ同時期に値の上昇及び低下が認められる。従って、本発明によって状態データを良好に予測できることがわかる。
以上の如く、本発明においては、ある時点における高炉3内の状態を示す状態データとその時点以前の所定期間内での各種の生産条件を示す条件データとの対応関係を解析することにより、条件データの履歴から状態データの値を予測するモデル式を生成する。特に、互いに相関関係のある所定期間内での各種の条件データを互いに無相関な主成分得点に一度変換した上で状態データとの関係を重回帰分析することによって正確な解析を行い、次に主成分得点を元の条件データへ戻すことによって、各時点で実際に得られる条件データがある時点での状態データに及ぼす影響の度合いを求めることができる。更に本発明においては、生成したモデル式を用いて、現在又は未来の時点における状態データの値を正確に予測することができる。これによって、銑鉄の生産量等に関わる高炉3内の状態を正確に予測することが可能となる。
次に、前述の状態調整システムを用いて実行する本発明の状態調整方法を説明する。(8)式の線形結合式の係数である影響係数ci,j の絶対値及び符号により、影響係数ci,j の夫々に対応する条件データが状態データに及ぼす影響の大きさ、及びその条件データの変化が状態データを上昇させるのか又は低下させるのかの影響の方向を知ることができる。従って、何らかの原因で一の条件データの値が変化して状態データの値が変化することが予想される場合に、状態データの変化を相殺する方向に影響を及ぼす他の条件データの種類、及び状態データの変化を相殺させるような他の条件データの変化量を定めることができる。
状態予測装置1は、モデル生成方法を用いて生成した(8)式の線形結合式、及び各時点での製造条件を示すm種類の条件データをハードディスク14で記憶している。状態予測装置1のCPU11は、特定の時点までの各時点で得られる合計16回分のm種類の条件データの正規化された値又は予定値を代入して、特定の時点での正規化された状態データである高炉圧損ΔP(k)を計算する。計算した高炉圧損ΔP(k)の値が予め定められた所定範囲から外れている場合は、CPU11は、m種類の生産条件の内、制御装置21で変更可能な特定の生産条件を示す条件データの各時点での予定値を、指定された時点での高炉圧損ΔP(k)の値が所定範囲内に含まれる値となるような値に決定する。CPU11は、次に、決定した条件データの予定値を入出力部15から制御装置21へ出力する。制御装置21は、各時点での特定の生産条件を示す条件データが状態予測装置1から出力された条件データの予定値に一致するように特定の生産条件を制御して、高炉3を稼動させる。
次に、本発明の状態調整方法の実施例を示す。本実施例でも、状態予測方法の実施例と同様に、80種類の条件データを用いた。図5は、状態データである高炉圧損を制御した実施例を示す特性図である。図中の横軸は時間を示す。図5(a)は条件データの内のコークス強度の時間変化を示し、図5(b)は高炉圧損の各時点での予測値ΔP(k)の時間変化を示す。時点γでそれまで投入されていた原料がなくなって新しい原料が投入され始めたことによって、図5(a)に示す如く時点γからコークス強度が低下している。コークス強度が低下することによって、図5(b)に示す如く、約3時間後から高炉圧損ΔP(k)が上昇することが予測される。前述の如く、高炉圧損が上昇した場合は銑鉄の生産量が低下するので、銑鉄の生産量を維持しながら生産を続行するためには、高炉圧損の上昇を防止する必要がある。しかし、原料の性状であるコークス強度を上昇させることはできないので、他の製造条件を変更する必要がある。
図5(c)は条件データの内のO/C比の時間変化を示す。影響係数ci,j により、O/C比が高炉圧損に及ぼす影響の方向はコークス強度が及ぼす影響の方向とは逆方向であることが明らかであったので、図5(c)に示す如く、時点γでコークス強度が低下するのに合わせて、O/C比を低下させる制御を行った。図5(d)はコークス強度の低下に合わせてO/C比を低下させる制御を行った場合の高炉欠損の実測値の時間変化を示す。高炉欠損の値は、予測値の値とは異なって、時点γを経過した以後も時点γ以前の値とほぼ同様の値を維持している。コークス強度の低下に合わせてO/C比を低下させる制御を行うことにより、高炉圧損が上昇することを防止することができたことが明らかである。高炉圧損の上昇の防止することができたので、銑鉄の生産量を維持しながら生産を続行することが可能となる。
以上の如く、本発明においては、状態データを予測するモデル式は条件データの線形結合式であるので、一の生産条件が変化した場合に、状態データの変化を防止するように変化させる他の生産条件及び他の生産条件を示す条件データの変化量を決定することができる。従って、原料の性状等の制御不可能な生産条件が変化して状態データの変化が予測できる場合であっても、制御可能な他の生産条件を変化させて、高炉3の状態を良好な生産結果が得られる状態に安定させるように調整することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、30分毎に条件データ及び状態データを取得し、状態データが得られた時点以前の8時間に得られた条件データを状態データに対応づけることによって、L=16及びr=n−15として本発明を実行する形態を示したが、本発明はこの形態に限るものではない。例えば、条件データ及び状態データを30分とは異なった間隔で取得する形態であってもよく、また条件データと状態データとを異なる頻度で取得し、状態データにより多数の条件データを対応づける処理を行う形態であってもよい。また、モデル式を構成する条件データの期間の長さは8時間以外であってもよい。但し、原料が高炉3内に投入されてから銑鉄となって取り出されるまでの時間を約8時間としたので、8時間以上は無意味であり、4時間以下では条件データ数が少なくなって状態データの予測精度が低下するので、モデル式を構成する条件データの期間の長さは4時間〜8時間であることが望ましい。より一般的には、モデル式を構成する条件データの期間の長さは、原料が高炉3内に投入されてから銑鉄となって取り出されるまでの時間の長さ以下で、前記時間の半分の長さ以上であればよい。
また本実施の形態においては、高炉3で銑鉄を生産する生産プロセスの状態を示す状態データとして高炉圧損ΔPを用いた例を示したが、状態データの具体例はその他の情報であってもよい。例えば、本発明は、状態データとして、高炉3から取り出される銑鉄の温度を用いる形態であってもよい。通常高炉3から取り出される銑鉄の温度は1500℃程度であり、銑鉄の温度が高すぎる場合は銑鉄内の不純物が多くなって銑鉄の品質が低下し、銑鉄の温度が低すぎる場合は溶融状態の銑鉄が流れにくくなって生産効率が低下する。従って、状態データである銑鉄の温度が安定するように生産条件を制御することにより、安定した生産が可能となる。
また本実施の形態においては、本発明の状態予測装置1は、条件データ及び状態データを記憶するハードディスク14を内部に備えた一のコンピュータを用いて構成されてあるとしたが、これに限るものではない。例えば、本発明の状態予測装置1は、コンピュータに条件データ及び状態データを記憶するコンピュータ外のデータベースを接続した形態であってもよく、互いに接続された複数のコンピュータからなる構成であってもよい。また本実施の形態においては、本発明の状態予測装置1は、コンピュータプログラム100を用いて本発明を実行する方法を示したが、これに限るものではなく、コンピュータプログラム100に従ってCPU11が実行すべき処理の一部又は全部をハードウェアで実行する構成であってもよい。
また本実施の形態においては、本発明の状態予測装置1が制御装置21、測定装置22及び原料データ管理装置23に接続されて本発明の状態調整システムを構成している形態を示したが、これに限るものではない。本発明の状態予測装置1は、他の装置に接続されておらず、各種のデータをオペレータの手入力等によって入力されて本発明のモデル生成方法及び状態予測方法を実行し、制御装置21はオペレータの手入力等によって条件データの予定値を受け付けて製造条件を制御する形態であってもよい。
また本実施の形態においては、高炉3を用いて銑鉄を生産する生産プロセスについて本発明を適用した例を示したが、これに限るものはなく、その他の生産プロセスについて本発明を適用することも可能である。例えば、精錬、鋼片の連続鋳造、線材の製造、又は条鋼の製造等の断続的に鉄鋼製品を生産するその他の生産プロセスについても本発明を適用することが可能である。更に、本発明は、鉄鋼の生産に限ることなく、他の金属製品、機械又は電子機器等のその他の製品を断続的に生産する生産プロセスについて適用することも可能である。
本発明の状態調整システムの構成例を示すブロック図である。 本発明の状態予測装置の内部の機能構成を示す機能ブロック図である。 本発明の状態予測装置が行うモデル式を生成する処理の手順を示すフローチャートである。 状態データである高炉圧損を予測した実施例を示す特性図である。 状態データである高炉圧損を制御した実施例を示す特性図である。 高炉を用いて鉄鉱石から銑鉄を生産する方法を模式的に示す図である。
符号の説明
1 状態予測装置(モデル生成装置)
11 CPU(演算部、演算手段)
12 RAM
14 ハードディスク(記憶部、記憶手段)
21 制御装置(制御手段)
22 測定装置
23 原料データ管理装置
3 高炉

Claims (10)

  1. 断続的に原料を投入し、投入された原料に対して各種の処理を施すことによって生産した生産物を断続的に取り出す生産プロセスについて、記憶部及び演算部を備えるコンピュータを用い、前記生産プロセスの状態を表す状態データを予測するためのモデル式を生成する方法において、
    複数の時点の夫々で取得された、生産プロセスにおける各種の生産条件を示すm種類(mは自然数)の条件データを記憶部で記憶するステップと、
    複数の時点の夫々で取得された、生産プロセスの状態を表す状態データを記憶部で記憶するステップと、
    r個(rは自然数)の時点で取得された状態データの夫々に対して、各状態データが取得された時点以前の所定期間内のL個(Lは自然数)の時点で取得されたm種類の条件データを演算部で対応づけるステップと、
    r個の状態データの夫々に対応づけたm種類毎L個の条件データを変換した互いに無相関なq種類(qは自然数;q≦L×m)の成分とr個の状態データの夫々との対応関係に基づいて、前記互いに無相関なq種類の成分の夫々に対応する変数を用いて状態データに対応する変数を表現した回帰式を演算部で生成するステップと、
    前記互いに無相関なq種類の成分の夫々を前記m種類毎L個の条件データを用いて表現した関係式を用いて、前記回帰式に含まれる前記互いに無相関なq種類の成分の夫々に対応する変数に係る係数から、状態データに対応する変数をm種類毎L個の条件データの夫々に対応する変数の線形結合で表現するモデル式に含まれる前記変数に係る係数を求めることにより、前記モデル式を演算部で生成するステップと
    を含むことを特徴とするモデル生成方法。
  2. 断続的に原料を投入し、投入された原料に対して各種の処理を施すことによって生産した生産物を断続的に取り出す生産プロセスについて、記憶部及び演算部を備えるコンピュータを用い、前記生産プロセスの状態を表す状態データを予測するためのモデル式を生成する方法において、
    複数の時点の夫々で取得された、生産プロセスにおける各種の生産条件を示すm種類(mは自然数)の条件データを記憶部で記憶するステップと、
    複数の時点の夫々で取得された、生産プロセスの状態を表す状態データを記憶部で記憶するステップと、
    各状態データが取得された時点以前の所定期間内のL個(Lは自然数)の時点で取得されたm種類毎L個の条件データを各行の成分として、各行にr個(rは自然数)の時点で取得された状態データの夫々を対応づけたr行(L×m)列の行列Uを演算部で生成するステップと、
    行列Uに含まれる成分を各列に含まれる成分の平均及び分散が夫々所定値になるように正規化したr行(L×m)列の行列X、及び行列Uの各行に対応づけた状態データのr個の平均及び分散が夫々所定値になるように正規化した成分からなるベクトルPを演算部で生成するステップと、
    行列Xの各行の成分である正規化されたm種類毎L個の条件データを互いに無相関なq種類(qは自然数;q≦L×m)の成分へ変換した成分からなるr行q列の行列T、行列Tを行列Xから求めるための関係式T=XWを満たす(L×m)行q列の行列W、及びベクトルPに含まれる各成分と行列Tの各行に含まれる成分との対応関係を回帰分析した、正規化された状態データに対応する変数を前記互いに無相関なq種類の成分の夫々に対応する変数の線形結合で表す回帰式の係数を成分とするq行1列のベクトルAを演算部で生成するステップと、
    正規化された状態データに対応する変数を正規化されたm種類毎L個の条件データの夫々に対応する変数の線形結合で表現するモデル式の係数を成分とする(L×m)行1列のベクトルCを、関係式C=WAにより演算部で計算するステップと
    を含むことを特徴とするモデル生成方法。
  3. 前記所定期間の時間の長さは、原料が生産プロセスに投入されてから生産物となって取り出されるまでの時間の長さ以下で、前記時間の半分の長さ以上であることを特徴とする請求項2に記載のモデル生成方法。
  4. 断続的に原料を投入し、投入された原料に対して各種の処理を施すことによって生産した生産物を断続的に取り出す生産プロセスについて、記憶部及び演算部を備えるコンピュータを用い、特定の時点における前記生産プロセスの状態を表す状態データを予測する方法において、
    生産プロセスにおける各種の生産条件を示す各時点でのm種類(mは自然数)の条件データを随時取得して記憶部で記憶するステップと、
    請求項1乃至3のいずれか一つに記載のモデル生成方法によって生成したモデル式に、特定の時点までの各時点における各条件データの記憶部で記憶している値及び/又は予定値を入力することにより、前記特定の時点における状態データの予測値を演算部で計算するステップと
    を含むことを特徴とする状態予測方法。
  5. 鉄鉱石を含む原料を高炉に断続的に投入し、生産物である銑鉄を高炉から断続的に取り出す生産プロセスについて、記憶部及び演算部を備えるコンピュータを用い、特定の時点における高炉内の状態を表す状態データを予測する方法において、
    高炉を用いた生産プロセスにおける各種の生産条件を示すm種類(mは自然数)の条件データの各時点での実績値を記憶部で記憶するステップと、
    請求項1乃至3のいずれか一つに記載のモデル生成方法によって生成したモデル式に、特定の時点までの各時点における各条件データの記憶部で記憶している値及び/又は予定値を入力することにより、前記特定の時点における高炉内の状態を表す状態データの予測値を演算部で計算するステップと
    を含むことを特徴とする状態予測方法。
  6. 前記状態データは、高炉の下部から吹き込むガスと高炉の上部から排出するガスとの圧力差を示す高炉圧損であることを特徴とする請求項5に記載の状態予測方法。
  7. 断続的に原料を投入し、投入された原料に対して各種の処理を施すことによって生産した生産物を断続的に取り出す生産プロセスについて、記憶手段、演算手段及び前記生産プロセスにおける各種の生産条件を制御する制御手段を用い、特定の時点における前記生産プロセスの状態を調整する方法において、
    生産プロセスにおける各種の生産条件を示す各時点でのm種類(mは自然数)の条件データを随時取得して記憶手段で記憶するステップと、
    請求項1乃至3のいずれか一つに記載のモデル生成方法によって生成したモデル式に、特定の時点までの各時点における各条件データの記憶部で記憶している値及び/又は予定値を入力することにより、前記特定の時点における状態データの予測値を演算手段で計算する予測ステップと、
    特定の生産条件を示す条件データの前記特定の時点までの各時点における予定値を、該予定値を用いて前記予測ステップで計算できる前記状態データの予測値が予め定められた所定範囲内に収まるような値に演算手段で決定するステップと、
    前記条件データの前記特定の時点までの各時点における値が、前記演算手段で決定した予定値に実質的に一致するように、前記生産条件を前記制御手段で制御するステップと
    を含むことを特徴とする状態調整方法。
  8. 断続的に原料を投入し、投入された原料に対して各種の処理を施すことによって生産した生産物を断続的に取り出す生産プロセスについて、該生産プロセスの状態を表す状態データを予測するためのモデル式を生成する装置において、
    複数の時点の夫々で取得された、生産プロセスにおける各種の生産条件を示すm種類(mは自然数)の条件データを記憶する手段と、
    複数の時点の夫々で取得された、生産プロセスの状態を表す状態データを記憶する手段と、
    各状態データが取得された時点以前の所定期間内のL個(Lは自然数)の時点で取得されたm種類毎L個の条件データを各行の成分として、各行にr個(rは自然数)の時点で取得された状態データの夫々を対応づけたr行(L×m)列の行列Uを生成する手段と、
    行列Uに含まれる成分を各列に含まれる成分の平均及び分散が夫々所定値になるように正規化したr行(L×m)列の行列X、及び行列Uの各行に対応づけた状態データのr個の平均及び分散が夫々所定値になるように正規化した成分からなるベクトルPを生成する手段と、
    行列Xの各行の成分である正規化されたm種類毎L個の条件データを互いに無相関なq種類(qは自然数;q≦L×m)の成分へ変換した成分からなるr行q列の行列T、行列Tを行列Xから求めるための関係式T=XWを満たす(L×m)行q列の行列W、及びベクトルPに含まれる各成分と行列Tの各行に含まれる成分との対応関係を回帰分析した、正規化された状態データに対応する変数を前記互いに無相関なq種類の成分の夫々に対応する変数の線形結合で表す回帰式の係数を成分とするq行1列のベクトルAを生成する手段と、
    正規化された状態データに対応する変数を正規化されたm種類毎L個の条件データの夫々に対応する変数の線形結合で表現するモデル式の係数を成分とする(L×m)行1列のベクトルCを、関係式C=WAによりで計算する手段と
    を備えることを特徴とするモデル生成装置。
  9. 断続的に原料を投入し、投入された原料に対して各種の処理を施すことによって生産した生産物を断続的に取り出す生産プロセスについて、特定の時点における前記生産プロセスの状態を表す状態データを予測する装置において、
    生産プロセスにおける各種の生産条件を示す各時点でのm種類(mは自然数)の条件データを随時取得して記憶する記憶手段と、
    請求項1乃至3のいずれか一つに記載のモデル生成方法によって生成したモデル式に、特定の時点までの各時点における各条件データの前記記憶手段で記憶している値及び/又は予定値を入力することにより、前記特定の時点における状態データの予測値を計算する手段と
    を備えることを特徴とする状態予測装置。
  10. 断続的に原料を投入し、投入された原料に対して各種の処理を施すことによって生産した生産物を断続的に取り出す生産プロセスについて、特定の時点における前記生産プロセスの状態を調整するシステムにおいて、
    前記生産プロセスにおける各種の生産条件を制御する制御手段と、
    生産プロセスにおける各種の生産条件を示す各時点でのm種類(mは自然数)の条件データを随時取得して記憶する記憶手段と、
    請求項1乃至3のいずれか一つに記載のモデル生成方法によって生成したモデル式に、特定の時点までの各時点における各条件データの前記記憶手段で記憶している値及び/又は予定値を入力することにより、前記特定の時点における状態データの予測値を計算する演算手段とを備え、
    前記演算手段は、特定の生産条件を示す条件データの前記特定の時点までの各時点における予定値を、該予定値を用いて計算できる前記状態データの予測値が予め定められた所定範囲内に収まるような値に決定する手段を有し、
    前記制御手段は、前記条件データの前記特定の時点までの各時点における値が、前記演算手段が決定した予定値に実質的に一致するように、前記生産条件を制御する手段を有すること
    を特徴とする状態調整システム。
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