JP5176206B2 - プロセスの状態類似事例検索方法及びプロセスの制御方法 - Google Patents

プロセスの状態類似事例検索方法及びプロセスの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱反応炉プロセス等のプロセスの操業中に、その操業状態と類似の過去事例を検索する方法、プロセスの将来状態を予測する方法、及び類似の過去事例に基づきプロセスを制御する方法に関する。
従来、熱反応炉のプラント操業において、操業不良又は操業異常が発生すると、オペレータの過去の経験に基づき、取るべき操業アクションを決定する行為が実施されていた。操業アクションの成功例、失敗例を問わず過去の操業知見を将来の操業改善に活用することは重要であるが、従来は蓄積された熱反応炉の操業状態の時系列データを十分に活用する手段がなく、オペレータの記憶に頼るのが一般的であった。そのため、オペレータの経験により意見の異なる操業アクションが選択される問題があった。
本発明が対象とするプロセスは、熱反応炉プロセス等の複雑、非線形、かつ非定常なプロセスである。このようなプロセスを対象とする数学モデルは、プロセスによっては連立する数式群に定式化されているものがあるが、これらの数式群を連立させた形で数値計算を行い、プロセスの動的挙動(時間的推移、ダイナミクス)を現実的な計算時間内でシミュレーションするには、現時点での計算機能力では限界がある場合が多い。
これに対して、近年、計算機ハードウェアやデータベースシステム技術の発展に伴い、大量データの蓄積と高速検索が可能になったこと等を背景に、“Just-In-Time (以後、JIT)モデリング”(非特許文献1、2)や“Lazy Learning”(非特許文献3)、“Model-on-Demand”(非特許文献4)と呼ばれる新しい考え方の局所モデリング手法が注目されている。これらは、観測したデータをそのままデータベースに蓄積しておき、システムの予測等の必要が生じるたびに、入力である“要求点(Query)”と関連性の高いデータをデータベースから近傍データとして検索し、検索したデータの出力を補間する局所モデルを構成して、“要求点”の出力を得るモデリング手法である。観測データの更なる蓄積があるたびに既存の局所モデルを廃棄し、再び新たな局所モデルを構築し、対応していく点に特徴を有する。
そして、このJITモデリング操業データベースに基づく予測技術を高炉のプロセスに適用し、その操業状態と類似の過去事例を検索する方法及びプロセスの将来状態を予測する方法、さらには類似の過去事例に基づきプロセスを制御する方法が特許文献1〜3に提案されている。
しかしながら、熱反応炉プロセスは反応時間の異なる多くの化学反応、物理反応からなっており、各プロセス値はそれらの反応の結果であることから、その時間的な挙動は異なる周波数成分をもったデータの合成となっている。
JITモデリングのような操業データベースに基づく予測技術を適用して熱反応炉プロセスの将来状態を予測しようとした場合、プロセス値が異なる周波数成分をもったデータの合成となっているので、プロセス状態の予測をしようとしている時間スケールに比して非常に短い周期のプロセス値の変化が予測精度に悪影響を及ぼし、実用上十分な予測精度が得られない。以後、このような予測しようとしている時間スケールに比して非常に短い周期で変動するプロセス値の成分をノイズと呼ぶことにする。
すなわち、特許文献1〜3が対象とする高炉においては、例えば溶銑温度は短時間で急激に変動することはほとんどなくノイズもほとんどないが、上述のとおり熱反応炉プロセスは反応時間の異なる多くの化学反応、物理反応からなっており、各プロセス値はそれらの反応の結果であることから、その時間的な挙動は異なる周波数成分をもったデータの合成となっている。プラントの操業にあっては、秒単位や分単位の短い時間スケールのプロセス挙動のみならず、時単位あるいは日単位の比較的長い時間スケールのプロセス挙動の安定化も必要である。また、比較的長い時間スケールのプロセス状態を予測しようとした場合、予測しようとしている時間スケールに比して非常に短い周期のプロセス値の変化(ノイズ)が予測精度に悪影響を及ぼす。そのため特許文献1〜3の方法を直接適用するだけでは実用上十分な予測精度が得られない。
Stenman, A., Gustafsson, F. and Ljung, L.: "Just In Time Models For Dynamical Systems", in Proc. 35th Conf. Decision and Control, Dec. 1115/1120 (1996) 牛田俊,木村英紀: "Just-In-Timeモデリング技術を用いた非線形システムの同定と制御", 計測と制御, Vol.44, No.2, 102/106 (2005) Bontempi,G., Bersini, H. and Birattari, M.: "The local paradigm for modeling and control from neuro-fuzzy to lazy learning, Fuzzy Sets and Systems", Vol.121, No.1, 59/72 (2001) Inoue, D. and Yamamoto, S.: "An Operation Support System based on Database-Driven On-Demand Predictive Control", in Proc. SICE Annual Conf., 2024/2027 (2004) 特開2004−310492号公報 特開2005−135010号公報 特開2007−4728号公報
本発明が解決しようとする課題は、熱反応炉プロセスのようにデータにノイズの多いプロセスであっても、実用上十分な予測精度を得ることができる方法を提供することにある。より具体的には、現在の操業状態と類似の過去事例を的確に検索でき、この過去事例のデータに基づき、プロセスの将来状態を予測し、プロセスを制御する方法を提供することにある。
本発明のプロセスの状態類似事例を検索する方法は、熱反応炉プロセスを対象とするプロセスの時系列データベースから過去のプロセスの状態類似事例を検索する方法であって、前記時系列データベースに蓄積される時系列データのプロセス変数値を炉頂ガス温度、炉内対象物レベル、耐火物温度、炉内ガス温度、炉内ガス圧力、炉内差圧から少なくとも1つ以上選択し、検索の前処理として、プロセスから得られる時系列データである観測データの追加更新がなされた場合に、下記1)から5)のステップを実施し、検索の要求の都度、下記6)から12)のステップを実施することを特徴とするものである。
1) 予め大規模データベースにプロセスから得られる観測データを蓄積するステップ
2)大規模データベースから観測データを取得し、移動平均法を用いてノイズを削減するステップ
3)設定した周期に応じて観測データをサンプリングするステップ
4)プロセス変数ごとに時間を遅らせた変数を生成し、ステップワイズ法によって予測変数に対して寄与率の高い変数群に絞り込むステップ
5)絞り込まれたプロセス変数を前記時系列データベースに格納するステップ
6)要求点データと予測設定情報を取得するステップ
7)前記時系列データベースより観測データを取得するステップ
8)観測データの正規化を行うステップ
9)要求点データの正規化を行うステップ
10)要求点の近傍データを検索し、予め設定した数だけ近傍データを取得するステップ
11)得られた複数の近傍データから局所モデルを構成し、予測値を生成するステップ
12)予測の都度、構成した局所モデルは廃棄するステップ
さらに、本発明のプロセスの制御方法は、前記のプロセスの状態類似事例検索方法に基づいてプロセスを制御する方法であって、現在および現在から時間を遅れさせた過去のプロセス変数値と将来のプロセス制御変数の目標値とを検索キーとして、前記検索方法で得られた過去のプロセスの状態類似事例の操作値を現在のプロセスの操作値とすることによって制御することを特徴とするものである。
本発明は、プロセスの時系列データのノイズを削減するステップを備えたことで、熱反応炉プロセスのようにデータにノイズの多いプロセスであっても、実用上十分な予測精度を得ることができ、具体的には、現在の操業状態と類似の過去事例を的確に検索でき、この過去事例のデータに基づき、プロセスの将来状態を予測し、プロセスを制御できる。
まず、本発明による操業データベース(プロセスの時系列データベース)に基づく予測技術の基本的な概念となるJITモデリングを概説する。
(1) Just-In-Timeモデリング
対象とするシステムは非線形かつ動的なシステムであり、次式で表される回帰モデル式で与えられると仮定する。
Figure 0005176206
このとき,システムの入力ベクトルxと出力ベクトルyを式(2)、式(3)のように再定義すると、
Figure 0005176206
Figure 0005176206
時間推移に伴い入力ベクトルxと出力ベクトルyのデータセットが(x,y),(x,y),Λ,のように対象システムから大量に取得され,データ集合{(x,y)},(k=1,2,Λ)としてデータベースに蓄積される。kは離散化時間である。このときJITモデリングは、予測や制御の要求のたびに蓄積されている{(x,y)}から非線形関数fを求めることに相当する。
例えば、時刻tにおいて、システムの予測が必要となったとき、現在のシステムの状態{(xkq,ykq)}は要求点(Query)と呼ばれ,この“要求点”に類似した近傍データセット{(xki,yki)}(ki<kq)を過去の観測データ集合から選び出す。複数の近傍データセットが得られたときは,これらのデータセットの出力を補間する局所モデルを構成し、その局所モデルを用いてシステムの出力ykiを予測する。その後、その局所モデルを廃棄し、次回の予測では新たにデータが更新された観測データ集合から近傍データセットを選び出し、予測を行う。
(2)局所モデル
JITモデリングにおける代表的な局所モデルには相加平均法や重み付き線形平均法(LWA)、重み付き局所回帰法(LWR)などが提案されている。
相加平均法は“要求点”ベクトルxkqに対する出力の推定値ベクトルykqを次式で算出する。
Figure 0005176206
以下、本発明を熱反応炉プロセス用の予測システムに適用した例によって本発明の実施の形態を説明する。
熱反応炉プロセスへ上述のJITモデリングのような操業データベース(プロセスの時系列データベース)に基づく予測技術を適用する場合、実用上十分なプロセス変数の予測精度を得るためには、プロセスデータ(プロセスの時系列データ)の非常に細かい変動を除去するノイズ除去を施す必要がある。そこで、予測システムを構築する際に、予測の前処理としてプロセスデータに移動平均法を用いて平滑化を施す処理を具備した。
この熱反応炉プロセス用の予測システムを図1に示し、その処理手順を以下に示す。観測データの追加更新がなされた場合の処理を1)から4)に示す。
1)予め大規模なデータベースにプロセスから得られる観測データを蓄積する。
2)大規模データベースからデータを取得し、観測データの欠損値を補う。ここで、細かい変動を抑えるために移動平均法を用いて平滑化(ノイズ除去)を施す。移動平均法とは、設定された範囲の中で定義された近傍データの点数の平均を使って各データ点を置き換えることにより、データの平滑化を行う方法である。移動平均法はノイズなど細かい変動を除去することに優れ、データを滑らかにする点において非常に有効である。
3)設定した周期に応じてデータをサンプリングする。
4)変数ごとに時間を遅らせた変数を生成し、ステップワイズ法によって予測変数に対して寄与率の高い変数群に絞り込む。ここで、ステップワイズ法とは、式(1)の回帰式モデルにおいて、できるだけ入力変数の数を少なくし、かつ観測値と予測値の差の平方和(残差平方和)が実用に耐え得るほど小さいものとするために、ある検定基準を設けて入力変数の追加、除去を行う方法である。すなわち、ある入力変数を回帰式モデルに追加した場合、残差平方和の変化量を残差分散で正規化した値、いわゆる"変数の寄与率F"が予め設けた検定基準より大きければその入力変数を追加し、ある入力変数を回帰式モデルから除去した場合の"変数の寄与率F"が検定基準より小さければ、その入力変数を除去する。この手順を出力変数との単相関係数の最も大きい入力変数から順に行い、ある段階で追加される入力変数も除去される入力変数もなくなったとき、最終的に得られた回帰式を最良の回帰式とするものである。ステップワイズ法のアルゴリズムについては、例えば河口至商著、多変量解析入門I、森北出版(1973年)、P.3〜33に詳細に説明されている。
5)絞り込まれた変数を自動的にデータベースに格納する。
予測の要求の都度行われる処理を1.から7.に示す.
1.要求点データと予測設定情報を取得する。
2.データベースより観測データを取得する。
3.観測データの正規化を行う。
4.要求点データの正規化を行う。
5.要求点の近傍データを検索し、予め設定した数だけ近傍データを取得する。
6.得られた複数の近傍データから局所モデルを構成し、予測値を生成する。
7.予測の都度、構成した局所モデルは廃棄される。
次に、上述の予測システムに基づくガイダンス方法(予測・制御方法)を説明する。このガイダンス方法は、概略的には、現在のプロセスの状態情報と将来の制御変数の目標値を検索キーとして、プロセスの状態情報と将来の制御変数の目標値が類似した過去事例データをデータベースから検索し、検索された過去事例データ群の中から現在の操作量と比較して操業上問題のない操作範囲の操作量となっている値を制御入力と決定し、オペレータ等に提示することによって操業を支援する方法である。
このガイダンス方法を図2に示し、その処理手順を以下に示す.
1)「現在のプロセス状態値(時間遅れ変数値を含む)」と「制御変数の将来の目標値」を検索キーとして、データベースから過去事例データを検索する。ここで、検索キーに操作変数値は含まない。
2)検索キーと最も類似した過去事例データを制御入力に利用する候補として1つ選択する。
3)選択した過去事例データから操作値を取得する。
4)取得した操作値と現在の操作値の差が制約範囲にあるかを判定する。
5)4)の判定がNoの場合は、次に検索キーと類似した過去事例データを候補として1つ選択し、4)の判定を行い、判定がYesとなるまで繰り返す。
6)4)の判定がYesの場合は、取得した操作値から制御入力値を決定する。
上述の予測システムを用いた、熱反応炉プロセスの将来予測事例を示す。まず、熱反応炉プロセスの予測条件と変数選択について説明し、次に炉内温度の将来予測事例を示す。
(1)熱反応炉プロセスの予測条件と変数選択
対象データベースを熱反応炉の操業データとし、サンプリング間隔1分による約8ヶ月分のデータを利用した。操作量以外のデータに2時間の移動平均を施し、20分周期でデータのサンプリングを行った。予測対象は重要な操業指標である炉頂ガス温度とし、データの入力変数はステップワイズ法を用いて、6時間まで遅れさせた変数を含む1206変数の中から、炉頂ガス温度に対する寄与率の高い18変数を選択した。選択した変数群の一部を表1に示す。1時間後の炉頂ガス温度に関連する変数として、現在と140分前の炉頂ガス温度、20分前の炉内ガス圧力、160分前のボイラ主蒸気流量などの18変数が選択された。
Figure 0005176206
データ収集期間は約8ヶ月分を利用し、データ点数は18123点である。また、プロセスの細かい変動ではなく大きな変動を捉えるために、120点毎に移動平均法を施し、平滑化を施している。過去事例データ数の取りすぎや少なすぎによる精度低下を防止するため、近傍データ(過去事例データ)を6個だけ取得して重み付き線形平均法を用いて局所モデルを構成するように設定している。
(2)炉内温度の将来予測事例
要求点を2005年12月15日1時として炉頂ガス温度を予測した。要求点の近傍データセットから検索された過去事例データの炉頂ガス温度の結果を図3に示す。検索された過去事例データと重み付き線形平均法に基づいて求められた予測結果と実データを図4に示す。横軸は、0の位置を要求点時刻として過去の6時間から未来の6時間先までを表示している。縦軸は炉頂ガス温度を示す。
図3より現在の操業状態に似た過去事例データが6箇所で見つかり、図4より実測値と予測値が近い傾向を示していることが確認できる。このように本実施例の予測システムによって過去事例データに基づく適切な炉内温度予測が行われることが確認できた。
(3)予測精度の評価
通常の操業データベースに基づく予測システムと平滑化(ノイズ削減)処理を具備した操業データベースに基づく本実施例の予測システムの予測精度の検証を行った。要求点を無作為に選択し、炉頂ガス温度の1時間後の予測を200回行い、実測値と予測値の相関を調べた。通常の予測システムの相関は図5(a)に示すように0.2783となり、十分な予測精度が得られていないことが確認されたのに対して、平滑化処理を具備した本実施例の予測システムの相関は図5(b)に示すように0.8204となり、実用上十分な予測精度が得られた。このように操業データベースに基づく予測システムに移動平均法による平滑化処理を具備することによって、通常の操業データベースに基づく予測システムでは実現できなかった高い予測精度を得ることができた。また、実用上十分な処理時間で予測処理が実施できた。
(4)予測制御シミュレーション
先に説明した図2のガイダンス方法を用いた予測制御シミュレーションの例を示す。制御対象を炉頂ガス温度とし、操作量を送風空気量1、送風酸素量、送風空気量2の3つとする。炉内温度の目標値をT℃とし、目標値へ制御するための3つの操作量を求める。上述のガイダンス方法を用いて、現在のプロセスの状態と類似し、かつ制御変数の将来の目標値に近い過去事例データの操作量を取得する。このときの操作量は現在の操作量との差(変化量)が制約の範囲内であることを前提条件として過去事例データを検索する。
要求点を2005年10月4日1:00としたときの予測制御シミュレーション結果を図6に示す。横軸は、0の位置を要求点時刻として過去の6時間から未来の1時間先までを表示し、実測値と操作を実行した場合の将来の予測値を示している。このときの炉頂ガス温度をT℃付近へ制御するための操作量として、送風空気量1、送風酸素流量、送風空気量2の3つの操作値が提示され、その操作を行った場合、シミュレーション結果においてT+50℃付近へ変化することが確認できる。このように上述のガイダンス方法を用いて操作量を提示することによってオペレータや技術者等に有益な情報を提供できる。
なお、以上の例では、平滑化(ノイズ削減)処理として移動平均法を用いたが、lowessとloess、Savitzky-Golayフィルタなどを用いることもできる。これらの平滑化(ノイズ削減)手法はどれも範囲を必要とし、設定した範囲内の近傍点数を用いて平滑化された値を推定するものである。大きな範囲を取ると平滑化効果を高め細かい変動などを取り除くことができるが、データのピークが変化してしまう可能性がある。一方、小さな範囲を取ると平滑化効果が低下し細かい変動が残ってしまうが、データのピークの変化は少ない.平滑化を適用するデータの特性を十分に考慮した上で、細かい変動の有無とデータのピークの変動を見極めてそのデータに最適な範囲を設定する必要がある。
本発明を適用した、熱反応炉プロセス用の予測システムの処理フローを示す。 図1の予測システムに基づくガイダンス方法(予測・制御方法)の処理フローを示す。 過去類似データにおける炉頂ガス温度の実測値を示す。 炉頂ガス温度の実測値と予測値を示す。 1時間後の炉頂ガス温度の実測値と予測値の相関を示す。 予測制御シミュレーションの結果を示す。

Claims (3)

  1. 熱反応炉プロセスを対象とするプロセスの時系列データベースから過去のプロセスの状態類似事例を検索する方法であって、前記時系列データベースに蓄積される時系列データのプロセス変数値を炉頂ガス温度、炉内対象物レベル、耐火物温度、炉内ガス温度、炉内ガス圧力、炉内差圧から少なくとも1つ以上選択し、検索の前処理として、プロセスから得られる時系列データである観測データの追加更新がなされた場合に、下記1)から5)のステップを実施し、検索の要求の都度、下記6)から12)のステップを実施するプロセスの状態類似事例検索方法。
    1) 予め大規模データベースにプロセスから得られる観測データを蓄積するステップ
    2)大規模データベースから観測データを取得し、移動平均法を用いてノイズを削減するステップ
    3)設定した周期に応じて観測データをサンプリングするステップ
    4)プロセス変数ごとに時間を遅らせた変数を生成し、ステップワイズ法によって予測変数に対して寄与率の高い変数群に絞り込むステップ
    5)絞り込まれたプロセス変数を前記時系列データベースに格納するステップ
    6)要求点データと予測設定情報を取得するステップ
    7)前記時系列データベースより観測データを取得するステップ
    8)観測データの正規化を行うステップ
    9)要求点データの正規化を行うステップ
    10)要求点の近傍データを検索し、予め設定した数だけ近傍データを取得するステップ
    11)得られた複数の近傍データから局所モデルを構成し、予測値を生成するステップ
    12)予測の都度、構成した局所モデルは廃棄するステップ
  2. 請求項に記載のプロセスの状態類似事例検索方法に基づいてプロセスを制御する方法であって、現在および現在から時間を遅れさせた過去のプロセス変数値と将来のプロセス制御変数の目標値とを検索キーとして、前記検索方法で得られた過去のプロセスの状態類似事例の操作値を現在のプロセスの操作値とすることによって制御することを特徴とするプロセスの制御方法。
  3. 請求項2に記載のプロセスの制御方法において、下記のa)からf)のステップを実施してプロセスを制御することを特徴とするプロセスの制御方法。
    a)「現在のプロセス状態値(時間遅れ変数値を含む)」と「制御変数の将来の目標値」を検索キーとして、前記時系列データベースから過去事例データを検索するステップ(ここで、検索キーに操作変数値は含まない)
    b) 検索キーと最も類似した過去事例データを制御入力に利用する候補として1つ選択するステップ
    c)選択した過去事例データから操作値を取得するステップ
    d)取得した操作値と現在の操作値の差が制約範囲にあるかを判定するステップ
    e)d)の判定がNoの場合は、次に検索キーと類似した過去事例データを候補として1つ選択し、d)の判定を行い、判定がYesとなるまで繰り返すステップ
    f)d)の判定がYesの場合は、取得した操作値から制御入力値を決定するステップ
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