JP4488964B2 - プロセスの操業状態の制御方法及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
離散化した時刻kにおける前記複数の観測出力のベクトル値をy(k)、制御入力のベクトル値をu(k)として、式(1)及び式(2)によりプロセスの出力ベクトルy k 及び入力ベクトルx k を演算し、
y k =y(k+p) (1)
x k =[y(k),y(k−1),…,y(k−n y ),
u(k−d),u(k−d−1),…,u(k−d−n u )} (2)
ここで、n u :整数値、n y :整数値、p:予測時間、d:むだ時間
該出力ベクトルy k と入力ベクトルx k とからなるデータセット(x k ,y k )を、時刻kの推移にともないデータ集合として前記時系列データベースに蓄積する工程と、
現在時刻から予め指定した過去時刻までの前記データ集合を前記時系列データベースから抽出し、該抽出したデータ集合に含まれるデータセット(x k ,y k )それぞれの入力ベクトルx k の各要素を量子化し、該量子化値を時刻k及び時刻kに対応する時系列データベースの格納番号の両方又は一方と合わせて検索用テーブルに格納する工程と、
制御の起点時刻Aを要求点k q と設定し、制御を実現したい将来時刻Bを設定する手順と、該要求点k q におけるデータセット(x kq ,y kq )の入力ベクトルx kq の各要素を量子化した値で構成する量子化した入力ベクトルX kq を検索キーとする手順と、該検索キーを用いて、予め設定した類似度基準に従い、前記制御の起点時刻Aを起点とした該検索キーと類似する量子化値を有する検索用テーブルに格納された入力ベクトルの時刻又は前記時系列データベースの格納番号を特定する手順と、該要求点k q を起点として前記制御を実現したい将来時刻Bまでのデータセット(x k ,y k )を前記時系列データベースから取り出す手順と、からなる検索用テーブルを検索して、過去の操業類似事例を検索する工程と、
該取り出したデータセット(x k ,y k )から、前記起点時刻Aの制御入力の値と該起点時刻Aから前記設定した制御を実現したい将来時刻Bの観測出力の値とを取り出し、前記制御の起点時刻Aを起点とした前記指定した制御を実現したい将来時刻Bにおいて、前記観測出力の値が前記設定した目標値に近づく前記制御入力の値を決定する工程を有する点に特徴を有する。
本発明の他のプロセスの操業状態の制御方法は、製造プロセス(プロセス)の操業状態の、複数の観測出力及び制御入力からなる複数のプロセス変数の値を一定時間毎に格納して時系列データベースを逐次作成し、該作成したデータベースを用いてプロセスの操業状態を制御する方法において、 離散化した時刻kにおける前記複数の観測出力のベクトル値をy(k)、制御入力のベクトル値をu(k)として、式(1)及び式(2)によりプロセスの出力ベクトルy k 及び入力ベクトルx k を演算し、
y k =y(k+p) (1)
x k =[y(k),y(k−1),…,y(k−n y ),
u(k−d),u(k−d−1),…,u(k−d−n u )} (2)
ここで、n u :整数値、n y :整数値、p:予測時間、d:むだ時間
該出力ベクトルy k と入力ベクトルx k とからなるデータセット(x k ,y k )を、時刻kの推移にともないデータ集合として前記時系列データベースに蓄積する工程と、
現在時刻から予め指定した過去時刻までの前記データ集合を前記時系列データベースから抽出し、該抽出したデータ集合に含まれるデータセット(x k ,y k )それぞれの入力ベクトルx k を量子化し、該量子化値を時刻k及び時刻kに対応する時系列データベースの格納番号の両方又は一方と合わせて検索用テーブルに格納する工程と、
制御の起点時刻Aを要求点k q と設定し、制御を実現したい将来時刻Bを設定する手順と、該要求点k q におけるデータセット(x kq ,y kq )の入力ベクトルx kq の各要素を量子化した値で構成する量子化した入力ベクトルX kq を検索キーとする手順と、該検索キーを用いて、予め設定した類似度基準に従い、前記制御の起点時刻Aを起点とした該検索キーと類似する量子化値を有する検索用テーブルに格納された入力ベクトルの時刻又は前記時系列データベースの格納番号を特定する手順と、該要求点k q を起点として前記制御を実現したい将来時刻Bまでのデータセット(x k ,y k )を前記時系列データベースから取り出す手順と、からなる検索用テーブルを検索して、過去の操業類似事例を検索する工程と、
該要求点k q におけるデータセット(x kq ,y kq )の制御入力ベクトルu kq の各要素を量子化した値で構成する量子化した制御入力ベクトルU kq を検索キーとし、該検索キーを用いて、予め設定した類似度基準に従い、前記要求点k q である制御の起点時刻Aを起点とした該検索キーと類似する量子化した制御入力ベクトルU k を前記検索用テーブルで検索し、該類似する量子化した制御入力ベクトルU k の時刻又は前記時系列データベースの格納番号を前記検索用テーブルにより特定する工程と、
該特定した時刻又は前記時系列データベースの格納番号に基づき、前記データ集合より取り出したデータセット(x k ,y k )から、前記起点時刻Aの制御入力の値と該起点時刻Aから前記設定した制御を実現したい将来時刻Bの観測出力の値とを取り出し、前記制御の起点時刻Aを起点とした前記指定した制御を実現したい将来時刻Bにおいて、前記観測出力の値が前記設定した目標値に近づく前記制御入力の値を決定する工程を有する点に特徴を有する。
一般に、ある時刻において対象とするシステムから観測されるデータ、すなわちシステムの状態変数の一組(データセット)をシステムの相(又は位相)と呼び、システムがとりうる相の全体をシステムの相空間(Topological Space)と呼ぶ。このときシステムの相がn個の数値の組で表わせるとき、nをシステムの次元と呼び、n次元システムの相空間はn次元ユークリッド空間Rn又はその一部の領域Dである。ある時刻のシステムの相は、相空間T上の点である。このことを強調するために相のことを相点とも呼ぶ。また、一般に、システムに非線形性が存在すると、例え次数nが小さいシステムであってもシステムの時間的変動(動的挙動、ダイナミックス)は複雑な挙動を呈する。この場合、システムの相空間に観測データの時間遅れ座標軸を考慮すると、システムの時間的変動を顕在化でき、このような相空間Tを非線形システム論では再構成状態空間と呼ぶ。
大量に蓄積されるデータセットをオンラインで高速に扱うことを実現するため、プロセス変数値を相空間T上の量子化された検索用テーブルに格納しておき、この検索用テーブル上で前記要求点の近傍データセットを量子単位で検索することによって検索の効率化と計算負荷の大幅な低減を図る。
図1の類似事例検索手段7は、要求点を量子化した値を検索キーとして前記検索用テーブルを検索し、類似度基準に従って要求点の近傍データセットを抽出し、過去のプロセスの操業状態の類似事例を検索する。ここで、量子空間XkiとXkjの類似度基準として、量子空間相互の無限大ノルムで定義する相似度s(kl,kj)を下式(6)に例示する(図2の処理102)。また、相似度s(kl,kj)には、他に、下式(7)に例示する量子空間ベクトルの差の絶対値の和を用いることも可能である。
要求点xkqが属する量子空間をXkqとし、要求点xkqの近傍空間Ωqを、下式(8)で定義する。ここで、Tは上述した相空間である。
図1の類似事例検索手段7における過去の操業類似事例の検索方法について説明する。ここで、相似度sは離散値である。類似事例検索手段7で要求点(xkq,ykq)の過去の操業類似事例を検索するには、まず、近傍空間Ωq内の要求点を含む同一量子空間(すなわち相似度s=0の量子空間)を参照し、{(xki,yki)}(ki<kq)となるデータセットが存在するか否かをチェックする(図2の処理103、処理104)。
図1の将来状態予測手段8における将来状態予測方法について、図2のフローチャートを参照して説明する。図1の将来状態予測手段8は、類似事例検索手段7で抽出した要求点xkqの近傍データセットの出力ベクトルyki(ki<kq)を補間する局所モデルを用いて、出力ベクトルの推定値y^kqの計算、すなわち将来状態の予測を実施する(図2の処理108)。下式(9)に重み付き線形平均法(LWA)を、下式(10)に重み付き局所回帰法(LWR)を表わす。なお、本明細書において「a^」という表記は、aの上に^を付した記号を表わすものとする。
図1の操業状態制御手段9における本発明によるプロセスの操業状態の制御方法の数式を用いた処理を図4のフローチャートを参照して説明する。また、第1の発明の処理フローを図12に示し、以下に説明する第1の発明の数式を用いた処理フローとの対応を明示する。
さらに、図1の操業状態制御手段9で操作変数ukqを決定するもう一つの本発明のプロセスの操業状態の制御方法(その2)の数式を用いた処理を図6のフローチャートを参照して説明する。また、第2の発明の処理フローを図13に示し、以下に説明する第2の発明の数式を用いた処理フローとの対応を明示する。
本発明においては、前記プロセスの操業状態の制御方法をオンラインで高速処理を実現することを目的に、時系列データベースを構成するプロセス変数の数を多変量解析で用いられるステップワイズ法によって予め削減することも可能である。
図1の出力手段10は、本発明のプロセスの操業状態の制御状態をディスプレイやモニタ等に表示する。
なお、これまでに説明した本発明を実現する手段、すなわち図1の本発明によるプロセスの操業状態の制御装置3は、コンピュータのCPU或いはMPU、RAM、ROM等で構成されるものであり、RAMやROMに記録されたプログラムが動作することによって実現できる。従って、コンピュータが上記機能を果たすように動作させるプログラムを記憶媒体に記録し、コンピュータに読み取らせることによって実現できるものである。記憶媒体としては、CD−ROM、DVD、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気テープ、不揮発性のメモリカード等を用いることができる。また、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
本実施例は、ある高炉の時系列データを対象とした。データ項目数は235項目、サンプリング時間は1時間である。データ収集期間は2004年1月1日〜2005年1月31日でデータ点数は9528点である。
ここでは、式(1)において入力変数ベクトルuと出力変数ベクトルyを区別せずに取り扱い、全ての変数は高炉から収集する変数ベクトルyで記述できるものとして説明する。すなわち、p時間後の高炉の将来状態は、下式(34)のような回帰式モデルで表現できると仮定する。
高炉から収集する変数の数がN個で、このうち第1変数y1を回帰式モデルの出力として式(34)を変数ベクトルの各要素で書くと、下式(37)となる。
ステップワイズ法で選択した32変数について、各々量子数20で量子化し、量子化した32次元相空間を構築した。量子化数の設定にあたってはいくつかの指針があるが、ここではスタージェスの公式によって得られる量子数(下式(40))やLeave-one-out Cross Validation等を参考にして何通りか設定し、溶銑温度の予測精度が最良となる量子数20を選択した。
2004年1月1日〜2005年1月31日の全データセット9528点の中から、2005年1月29日06:00のデータセットを取り出して要求点(xkq,ykq)とする。検索用テーブル作成手段6における要求点の量子化を実施し、要求点の量子空間Xkqと入力量子空間Xkとの相似度の計算により、要求点より過去のデータセット{(xki,yki)}(ki<kq)から近傍データセットを検索する。その結果、相似度s=2の近傍空間Ωqに5つのデータセットが存在し、すなわち2005年1月29日06:00のデータセットと類似した操業状態として、5ケースを検索できた(図8の(b))。このとき、相似度s=0、1、すなわち要求点が属する量子空間や一つ隣の量子空間には類似な操業事例が存在しなかった。なお、ここでは、相似度の計算に式(6)の量子空間相互の無限大ノルムを用いた。
続いて、将来状態の予測事例を説明する。検索した近傍データセットの出力ベクトルykに対し、局所モデル式(9)を用いて出力変数、すなわち1時間後の溶銑温度を推定した。ここでは、全データ9528点のデータセットからランダムに200セットを取り出してそれぞれを要求点xkqとし、各要求点xkqの類似操業事例を前記手法で検索し、前記将来状態の予測方法を用いて1時間後の溶銑温度の予測値y^1 kq+1を計算し実績値y1 kq+1との相関で溶銑温度の予測精度を評価した例を示す(図9)。このとき相関係数ρは0.788であり、前記将来状態の予測方法を用いて、1時間後の溶銑温度が良好に予測できることが確認できる。なお、前記のごとく2005年1月29日06:00のデータセットを要求点(xkq,ykq)として検索した5つ近傍データセットの1時間後以降の実績値を用いて、1時間後だけでなく基準時間から将来の12時間にわたる溶銑温度の推移を、局所モデル式(9)を用いて予測することにより、2005年1月29日06:00以降12時間の溶銑温度推移予測値を実施することも可能である(図8の(a))。
ここから、本発明のプロセスの操業状態の制御方法(その1)の実施例を説明する。
式(1)を式(17)のごとく、再定義したとき、高炉設備1から大量のデータセット{(uk,x-k,yk)}(k=1、2、3、・・・)が時系列データベース4に蓄積される。
式(17)を変数ベクトルの各要素で書くと、下式(42)となる。
2004年1月1日〜2005年1月31日の全データセット9528点の中から、2005年1月1日06:00のデータセットを取り出して要求点(x-kq,ykq)とし、以後、図5の処理フローにしたがって本発明のプロセスの操業状態の制御方法(その1)によってPCR量u1 kqを決定した実施例を図10に示す。図10は、要求点の基準時刻2005年1月1日06:00で溶銑温度の目標値ykq refを1530[℃]に設定して目標値制御を開始した場合の溶銑温度y1(制御変数)の応答と操作変数として採用したPCR量u1 kqの応答を示す。図10は、本発明のプロセスの操業状態の制御方法(その1)によって、制御変数である溶銑温度y1が制御可能であることを示している。
最後に、本発明のプロセスの操業状態の制御方法(その2)の実施例を説明する。前記、本発明のプロセスの操業状態の制御方法(その1)と同様にして、2004年1月1日〜2005年1月31日の全データセット9528点の中から、2005年1月1日06:00のデータセットを取り出して要求点(x-kq,ykq)とし、以後、図7の処理フローにしたがって本発明のプロセスの操業状態の制御方法(その2)によってPCR量u1 kqを決定した実施例を図11に示す。
2 計測・制御装置
3 本発明のプロセスの操業状態の制御装置
4 時系列データベース
5 検索用テーブル作成手段
6 検索用テーブル
7 類似事例検索手段
8 将来状態予測手段
9 操業状態制御手段
10 表示手段
Claims (7)
- 製造プロセス(プロセス)の操業状態の、複数の観測出力及び制御入力からなる複数のプロセス変数の値を一定時間毎に格納して時系列データベースを逐次作成し、該作成したデータベースを用いてプロセスの操業状態を制御する方法において、
離散化した時刻kにおける前記複数の観測出力のベクトル値をy(k)、制御入力のベクトル値をu(k)として、式(1)及び式(2)によりプロセスの出力ベクトルy k 及び入力ベクトルx k を演算し、
y k =y(k+p) (1)
x k =[y(k),y(k−1),…,y(k−n y ),
u(k−d),u(k−d−1),…,u(k−d−n u )} (2)
ここで、n u :整数値、n y :整数値、p:予測時間、d:むだ時間
該出力ベクトルy k と入力ベクトルx k とからなるデータセット(x k ,y k )を、時刻kの推移にともないデータ集合として前記時系列データベースに蓄積する工程と、
現在時刻から予め指定した過去時刻までの前記データ集合を前記時系列データベースから抽出し、該抽出したデータ集合に含まれるデータセット(x k ,y k )それぞれの入力ベクトルx k の各要素を量子化し、該量子化値を時刻k及び時刻kに対応する時系列データベースの格納番号の両方又は一方と合わせて検索用テーブルに格納する工程と、
制御の起点時刻Aを要求点k q と設定し、制御を実現したい将来時刻Bを設定する手順と、該要求点k q におけるデータセット(x kq ,y kq )の入力ベクトルx kq の各要素を量子化した値で構成する量子化した入力ベクトルX kq を検索キーとする手順と、該検索キーを用いて、予め設定した類似度基準に従い、前記制御の起点時刻Aを起点とした該検索キーと類似する量子化値を有する検索用テーブルに格納された入力ベクトルの時刻又は前記時系列データベースの格納番号を特定する手順と、該要求点k q を起点として前記制御を実現したい将来時刻Bまでのデータセット(x k ,y k )を前記時系列データベースから取り出す手順と、からなる検索用テーブルを検索して、過去の操業類似事例を検索する工程と、
該取り出したデータセット(x k ,y k )から、前記起点時刻Aの制御入力の値と該起点時刻Aから前記設定した制御を実現したい将来時刻Bの観測出力の値とを取り出し、前記制御の起点時刻Aを起点とした前記指定した制御を実現したい将来時刻Bにおいて、前記観測出力の値が前記設定した目標値に近づく前記制御入力の値を決定する工程を有することを特徴とするプロセスの操業状態の制御方法。 - 製造プロセス(プロセス)の操業状態の、複数の観測出力及び制御入力からなる複数のプロセス変数の値を一定時間毎に格納して時系列データベースを逐次作成し、該作成したデータベースを用いてプロセスの操業状態を制御する方法において、
離散化した時刻kにおける前記複数の観測出力のベクトル値をy(k)、制御入力のベクトル値をu(k)として、式(1)及び式(2)によりプロセスの出力ベクトルy k 及び入力ベクトルx k を演算し、
y k =y(k+p) (1)
x k =[y(k),y(k−1),…,y(k−n y ),
u(k−d),u(k−d−1),…,u(k−d−n u )} (2)
ここで、n u :整数値、n y :整数値、p:予測時間、d:むだ時間
該出力ベクトルy k と入力ベクトルx k とからなるデータセット(x k ,y k )を、時刻kの推移にともないデータ集合として前記時系列データベースに蓄積する工程と、
現在時刻から予め指定した過去時刻までの前記データ集合を前記時系列データベースから抽出し、該抽出したデータ集合に含まれるデータセット(x k ,y k )それぞれの入力ベクトルx k を量子化し、該量子化値を時刻k及び時刻kに対応する時系列データベースの格納番号の両方又は一方と合わせて検索用テーブルに格納する工程と、
制御の起点時刻Aを要求点k q と設定し、制御を実現したい将来時刻Bを設定する手順と、該要求点k q におけるデータセット(x kq ,y kq )の入力ベクトルx kq の各要素を量子化した値で構成する量子化した入力ベクトルX kq を検索キーとする手順と、該検索キーを用いて、予め設定した類似度基準に従い、前記制御の起点時刻Aを起点とした該検索キーと類似する量子化値を有する検索用テーブルに格納された入力ベクトルの時刻又は前記時系列データベースの格納番号を特定する手順と、該要求点k q を起点として前記制御を実現したい将来時刻Bまでのデータセット(x k ,y k )を前記時系列データベースから取り出す手順と、からなる検索用テーブルを検索して、過去の操業類似事例を検索する工程と、
該要求点k q におけるデータセット(x kq ,y kq )の制御入力ベクトルu kq の各要素を量子化した値で構成する量子化した制御入力ベクトルU kq を検索キーとし、該検索キーを用いて、予め設定した類似度基準に従い、前記要求点k q である制御の起点時刻Aを起点とした該検索キーと類似する量子化した制御入力ベクトルU k を前記検索用テーブルで検索し、該類似する量子化した制御入力ベクトルU k の時刻又は前記時系列データベースの格納番号を前記検索用テーブルにより特定する工程と、
該特定した時刻又は前記時系列データベースの格納番号に基づき、前記データ集合より取り出したデータセット(x k ,y k )から、前記起点時刻Aの制御入力の値と該起点時刻Aから前記設定した制御を実現したい将来時刻Bの観測出力の値とを取り出し、前記制御の起点時刻Aを起点とした前記指定した制御を実現したい将来時刻Bにおいて、前記観測出力の値が前記設定した目標値に近づく前記制御入力の値を決定する工程を有することを特徴とするプロセスの操業状態の制御方法。 - 前記時系列データベースが高炉プロセスを対象とし、前記プロセス変数値を溶銑温度、微粉炭吹き込み量、ソリューションロスカーボン、熱流比、装入ピッチ、溶銑中Si濃度、溶銑中Ti濃度、熱風温度、炉頂温度、熱負荷、炉頂ガスCO濃度、出銑速度、PCR(微粉炭比)、スラグ中Al 2 O 3 量、スラグ中TiO2量から少なくとも一つ以上選択することを特徴とする請求項1又は2に記載のプロセスの操業状態の制御方法。
- 前記時系列データベースが高炉プロセスを対象とし、前記プロセス変数値を溶銑温度、微粉炭吹き込み量、ソリューションロスカーボン、熱流比、装入ピッチ、溶銑中Si濃度、溶銑中Ti濃度、熱風温度、炉頂温度、熱負荷、炉頂ガスCO濃度、出銑速度、PCR(微粉炭比)、スラグ中Al 2 O 3 量、スラグ中TiO2量の現在値又はこれらの時間遅れ変数から少なくとも一つ以上選択することを特徴とする請求項1又は2に記載のプロセスの操業状態の制御方法。
- 前記時系列データベースのプロセス変数について、ステップワイズ法を用いて変数の数を削減することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロセスの操業状態の制御方法。
- 前記検索キーを用いて前記検索用テーブルを検索する前記工程において、類似度基準として、前記入力ベクトルx k の量子化値のベクトルX k の無限大ノルム又は該量子化値ベクトルの差の絶対値の和を採用することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロセスの操業状態の制御方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロセスの操業状態の制御方法の処理工程をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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