JP7064356B2 - 将来状態推定装置および将来状態推定方法 - Google Patents

将来状態推定装置および将来状態推定方法 Download PDF

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Description

本発明は、主として長期的な将来状態を考慮した制御則を高速に計算する将来状態推定装置および将来状態推定方法に関する。
自動車やプラント(発電・産業)の分野で一般的に適用されているモデル予測制御は、制御対象とその周辺環境の状態をより遠い将来まで予測したいというニーズがある。
操作象とその周辺環境の将来状態を予測するため、以下のような装置や方法が存在する。
特許文献1は、制御対象とその周辺環境を模擬するモデルを用いて将来状態を予測し、その将来状態に適した操作量を計算する方法が開示されている。
特許文献2には、制御対象となる工業システムの現在および将来の状態を予測し、目的関数を最大化するよう制御則を最適化する方法が開示されている。
特許文献3には、熱反応炉プロセスのような非線形かつ動的なシステムを回帰手法によってモデル化し、モデルによって予測した将来状態を用いて最適な操作量を計算する方法が開示されている。
特許文献4は、プラント運用上の制約条件を満たしつつ、目的に応じて制御パラメータを自動的に最適化できると共に、制御パラメータの最適化に要する計算時間を短縮できる制御パラメータ自動調整装置である。プラントモデルと強化学習などの機械学習手法を用いて将来状態を考慮した制御則を計算する方法が開示されている。
特開2016-212872号公報 特開2013-114666号公報 特開2009-076036号公報 特開2017-157112号公報
特許文献1、2、3、4の装置や方法は、制御対象とその周辺環境を模擬するモデルを用いて将来状態を予測し、その予測した将来状態から最適な制御方法を計算する。より遠い将来状態を予測したいというニーズがあるが、繰り返し計算を用いる手法は予測したい将来状態までの時間が長いほど、予測計算に要する時間も長くなる。そこで、計算機の性能や制御周期による制約のなかで予測可能な有限時間先の将来状態まで計算することが一般的である。
そこで、本発明は事前に定義した有限の状態の空間内であれば無限時間先における制御対象とその周辺環境の状態を確率密度分布の形式で高速に推定することができる将来状態推定装置および将来状態推定方法を提供することを目的とする。
以上のことから本発明においては「模擬対象と模擬対象の周辺環境を模擬するモデルを保存するモデル記憶部と、有限の空間内における無限時間または時間ステップ先の模擬対象と模擬対象の周辺環境の将来状態を確率密度分布の形式で推定した情報を保存する将来状態予測結果記憶部と、模擬対象と模擬対象の周辺環境の将来状態を確率密度分布の形式で模擬するモデルを用い、級数と等価な計算を行う将来状態予測演算部を備えることを特徴とする将来状態推定装置」としたものである。
また本発明は、「模擬対象とその周辺環境を模擬するモデルを保存するモデル記憶部と、有限の空間内における無限時間または時間ステップ先の模擬対象と模擬対象の周辺環境の将来状態を確率密度分布の形式で推定した情報を保存する将来状態予測結果記憶部と、模擬対象とその周辺環境を模擬するモデルを用いた級数と等価な計算行う手段と、状態の遷移に関する情報やデータを用いて、モデル記憶部の情報を更新するモデル更新部を備えることを特徴とする将来状態推定装置」としたものである。
また本発明は、「模擬対象と模擬対象の周辺環境を模擬するモデルを保存し、有限の空間内における無限時間または時間ステップ先の模擬対象と模擬対象の周辺環境の将来状態を確率密度分布の形式で推定した情報を保存し、模擬対象と模擬対象の周辺環境の将来状態を確率密度分布の形式で模擬するモデルを用い、級数と等価な計算を行うことを特徴とする将来状態推定方法」としたものである。
また本発明は、「模擬対象の挙動を模擬するモデルを用いて将来状態を推定するにあたり、状態遷移の前後における遷移元の状態と遷移先の状態について、遷移元の状態が遷移先の状態となる確率を状態遷移確率行列として記憶し、複数の遷移について将来であるほど低減する重みを加味した状態遷移確率行列の和である減衰型状態遷移行列を求めることを特徴とする将来状態推定方法」としたものである。
本発明によれば、予測したい将来状態までの時間に依存することなく、無限時間先の制御対象とその周辺環境の将来状態を確率密度分布の形式で計算できる。
また本発明の実施例によれば、この計算結果を用いることで、無限時間先の将来状態を考慮した最適な制御則を計算することができる。
また本発明の実施例によれば、自動設計の分野では存在し得る全ての経路を考慮した経路の最適化方法や、ファイナンスの分野では遠い将来状態を考慮した価格決定方法、バイオエンジニアリングの分野ではモデル化可能な範囲にある全経路を考慮した代謝経路の最適化方法とすることができる。
本発明の実施例1に係る長期将来状態の高速推定方法を実装した処理装置の一例を表す構成図。 モデル記憶部131で保存するモデルの形式が状態遷移確率行列Tであった場合の一例を示す図。 (1)式の処理を模式的に示した図。 処理装置100が行う処理のフローを示す図。 実施例1の処理装置100をモデルベース制御の最適化に拡張した、処理装置101の一例を表す構成図。 報酬関数がベクトル形式の場合の一例を示す図。 制御則記憶部134に保存する制御則の一例を示す図。 状態価値関数Vの一例を示す図。 (4)式の計算結果の一例を示す図。 処理装置101が行う処理のフローを示す図。 モデル記憶部131で記録したモデルデータの一例として状態遷移確率行列Tを画面に表示した例を示す図。 将来状態予測結果記憶部132に保存する減衰型状態遷移行列Dを画面に表示した例を示す図。 モデル記憶部131で保存するモデルデータを加工したデータとして遷移確率分布Pを表示した例を示す図。 状態のIDと温度、圧力、流量の関係を事前に作成した対応表を示す図。 報酬関数Rと、制御則と、状態価値関数と、遷移元の状態siに対する状態sjの表を画面に表示した一例を示す図。 、制御則を用いた制御によって、制御対象とその周辺環境の状態が時間経過でどのように変化するか予測したグラフ105を画面に表示した例を示す図。 モデル記憶部131で記録したモデルデータを更新する際に画面に表示される画面の一例を示す図。 図17とはモデルの更新内容(更新前後)の表示方法が異なる画面の一例を示す図。
以下、図面を用いて実施例を説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る長期将来状態の高速推定方法を実装した処理装置100の一例を表す構成図である。処理装置100は、入力装置110、データ読み込み装置115、出力装置120、記憶装置130、演算装置140を主たる要素として構成されている。
このうち入力装置110は、操作者の指示を受け付ける部分であり、ボタン、タッチパネルなどで構成されている。
データ読み込み装置115は、処理装置100の外部からデータを受け付ける部分であり、CDドライブ、USB端子、LANケーブル端子、通信装置などで構成されている。
出力装置120は、操作者への指示情報、読取画像、読取結果などを出力する装置であり、ディスプレイや通信装置で構成されている。
上記したこれらの構成は標準的なものであり、入力装置110、データ読み込み装置115、出力装置120のいずれかまたはすべてが処理装置100の外部に接続される構成でも良い。
記憶装置130は、各種のデータを記憶する部分であり、モデル記憶部131と将来状態予測結果記憶部132から構成されている。このうちモデル記憶部131は、処理装置100で将来状態の予測対象とする物体や現象の挙動を模擬するモデルを保存する部分である。また将来状態予測結果記憶部132は、後述する将来状態予測演算部142の演算結果を保存する部分である。記憶装置130の詳細は後述することにし、ここでは概略機能のみを述べている。
演算装置140は、入力装置110、データ読み込み装置115から入力されるデータおよび記憶装置130に記憶されたデータを処理し、その結果を出力装置120に出力または記憶装置130に記録するものであり、以下の処理部(入力制御部141、将来状態予測結果記憶部132、出力制御部143)から構成されている。
入力制御部141は、入力装置110またはデータ読み込み装置115から入力されるデータを指令、モデルなどに区分し、記憶装置130や演算装置140の各部へ転送する処理を行なう部分である。
将来状態予測演算部142は、モデル記憶部131で記憶したモデルデータから、減衰型状態遷移行列を計算し、将来状態予測結果記憶部132に記録する。
出力制御部143は、記憶装置130に記憶されたデータを、出力装置120へ出力する部分である。出力先が画面などのときは、読み取り操作が行われる都度結果が出力されるのが好ましい。出力先が通信先などのときは、出力処理は状態遷移確率行列の更新や将来状態予測演算部142の演算が行われる都度でも良いし、何回かのデータをまとめる、あらかじめ定めた時間ごとにまとめるなどして処理しても良い。
以下、図1の処理装置100を用いて実行される処理の詳細について説明する。なお以下の説明に当たり、本発明では将来状態の予測対象とする物体や現象を模擬対象と呼ぶこととする。模擬対象の例として、機械や生物の挙動、自然や物理現象、化学反応、金銭や物価の変動、消費者の需要の変化などがあるが、本発明では模擬対象をこれらの例に限定しない。
本発明でのモデルの入力は模擬対象の状態と時間経過や、操作、外乱などの影響因子であり、出力は影響因子の影響を受けた後の模擬対象の状態であり、本発明ではこのモデルを状態遷移モデルと呼ぶこととする。状態遷移モデルなどのモデルは、図1のモデル記憶部131に記憶されている。また状態遷移モデルは、有限の状態空間内において、無限時間または無限ステップ先における模擬対象とその周辺環境の状態を確率密度分布の形式で表現している。
モデル記憶部131における状態遷移モデルなどの保存形式の一例として、例えば状態遷移確率行列や、ニューラルネットワーク、動径基底関数ネットワーク、またはニューラルネットワークや動径基底関数ネットワークの重みが現されている行列が考えられるが、本発明は模擬対象のモデル保存形式をこれらの例に限定しない。
モデル記憶部131で保存するモデルの形式が状態遷移確率行列Tであった場合の一例を図2に示す。図2は、遷移元の状態si(i=1、2、・・・n)と遷移先の状態sj(j=1、2、・・・n)を縦横のマトリクスにして示しており、マトリクス内には状態遷移確率P(sj|si)を数値表示している。遷移確率行列Tは一般的に制御対象の運動特性や物理現象を模擬するモデルの一種であり、すべての状態間の遷移確率を保存する関数または行列)である。ここで、表の行が遷移元の状態si(i=1、2、・・・n)、列が遷移先の状態sj(j=1、2、・・・n)、要素Tijは事前に設定した刻み時間Δt(またはステップ)が経過した際に、状態が状態siから状態sjに遷移する確率P(sj|si)である。
本発明が適用される模擬対象について、無限時間または無限ステップ先における模擬対象とその周辺環境の状態を確率密度分布の形式で推定するにあたり、推定する将来状態までの距離、時間、ステップのいずれか一つ以上に計算時間が依存しないものであってもよい。状態遷移確率P(sj|si)が時間に依存しない場合は、影響因子が模擬対象に干渉した量や回数を示すステップτを時間tの代わりに用いても良い。
図2は、遷移元の状態siのうちs1に着目したとき、経過時間Δt後における遷移先の状態sjにおいて、s1となる確率P(s1|s1)が0.5であり、s2となる確率P(s2|s1)が0.5であり、s3以降となる確率P(s3|s1)は0であることを表している。同様にs2に着目したとき、経過時間Δt後における遷移先の状態sjにおいて、s1となる確率P(s1|s2)が0であり、s2となる確率P(s2|s2)が0.25であり、s3となる確率P(s3|s2)は0.5であり、s4となる確率P(s4|s1)が0.25であることを示している。なお図2の表は、遷移元の状態と遷移後に移動する移動先の確率を示しているので、この表は確率密度分布の表とみることができる。確率密度分布は、例えば山状の形状を示す。
なお上記説明においては、状態遷移確率行列Tについて、経過時間Δtの前後の一断面のみを示す表Tijを例示しているが、実際にはさらに経過時間Δt刻みの表が連続的に存在して、モデル記憶部131で保存するモデルである状態遷移確率行列Tが形成されている。表Tijの経過時間Δt後の表がTi+1、j+1であり、さらに経過時間Δt後の表がTi+2、j+2である。
図2の例では状態sは全体を範囲に区切ってn分割した離散空間として扱っているが、ニューラルネットワーク、動径基底関数ネットワークなどを用いることで、状態sを連続空間としても扱うことができる。また、ニューラルネットワーク、動径基底関数ネットワークなどを用いる場合は、ニューロンへ入る入力信号の重み係数や、基底関数の重み係数を要素値とした行列で状態遷移確率行列Tを代用しても良い。
図1に戻って、将来状態予測結果記憶部132は、将来状態予測演算部142の演算結果を保存する部分である。本発明では将来状態予測結果記憶部132に保存するデータを減衰型状態遷移行列と呼ぶこととする。減衰型状態遷移行列とその計算方法については後述する。
将来状態予測演算部142は、モデル記憶部131で記録したモデルデータから、減衰型状態遷移行列を計算し、将来状態予測結果記憶部132に記録する。減衰型状態遷移行列を計算する方法の一例を、以下の(1)式に示す。なお、(1)式の例ではモデル記憶部131でのモデルの保存形式を状態遷移確率行列Tと仮定した。
Figure 0007064356000001
(1)式において、Dは減衰型状態遷移行列、γは減衰率とよぶ0以上で1未満の定数である。また、TはΔt×kの時間が経過した際の、すべての状態間の遷移確率を保存する関数(または行列)である。
図3は、(1)式の処理を模式的に示した図であり、図2の経過時間Δtごとの複数の状態遷移確率行列Tijについて、経過時間Δtごとに減衰していく重み係数γを乗じ、その合計を算出したものである。なお図3において、複数の状態遷移確率行列Tijにおける遷移元の状態siと遷移先の状態sjを示す確率分布は、例えば山状の特性群として把握されている。
このように、減衰型状態遷移行列Dは、Δt時間経過後の状態遷移確率行列TからΔt×∞時間経過後の状態遷移確率行列Tまでの和であり、すべての状態間の統計的な近さを保存する行列でもある。また、遠い将来に遷移する状態ほど重みを下げるため、経過時間に応じて減衰率γの分を多く掛けている。
現時点における状態遷移確率行列Tから∞時間経過後における状態遷移確率行列Tまでの計算を必要とする(1)式は、実時間以内の計算が困難である。そこで本発明は(1)式を以下の(2)式に変換したことを特徴とする。(2)式は要するに、無限時間または無限ステップ先における模擬対象とその周辺環境の状態を確率密度分布の形式で推定するにあたり、状態遷移確率行列の級数と等価な計算を行うものである。
Figure 0007064356000002
(2)式において、Eは単位行列である。(2)式は(1)式と等価の計算式である。(1)式の状態遷移確率行列Tから状態遷移確率行列Tまでの和の計算を、(2)式では(E-γT)の逆行列に変換することによって、有限時間以内に(1)式と同じ計算結果が得られる。ここで、状態遷移確率行列Tが線形独立でない場合は、擬似逆行列を用いても良い。また、減衰型状態遷移行列Dの代わりに、減衰型状態遷移行列を各行で正規化した行列を用いても良い。
このように本発明は、模擬対象の挙動を模擬するモデルを状態遷移モデルとすることで、Tの計算でΔt×k時間後の状態遷移確率を計算することを可能とした。また、Δt時間経過後の状態遷移確率行列TからΔt×∞時間経過後の状態遷移確率行列Tまでの和をとり、経過時間によって減衰率γによる重み付けによって、Δt×∞時間経過後を考慮した状態遷移確率を、有限時間以内に計算することを可能とした。
図4は、処理装置100が行う処理のフローを示す図である。
まず処理ステップS1201の処理により、入力制御部141からの指令にもとづいて、データ読み込み装置115から、模擬対象のモデルに関するデータが入力され、そのデータはモデル記憶部131に記録される。
つぎに処理ステップS1202の処理により、モデル記憶部131に記録された模擬対象のモデルに関するデータが将来状態予測演算部142に転送され、(2)式に基づいて減衰型状態遷移行列Dが計算され、その結果は将来状態予測結果記憶部132に記録される。
最後に処理ステップS1203の処理により、将来状態予測結果記憶部136に記録されたデータが出力制御部143へ転送され、出力装置120へ出力される。
図5は、実施例1の処理装置100をモデルベース制御の最適化に拡張した、処理装置101の一例を表す構成図である。処理装置101における模擬対象は、制御対象とその周辺環境の挙動であり、モデル記憶部131に保存するモデルも制御対象とその周辺環境の挙動を模擬する。このように実施例2では、模擬対象が制御対象を含んでいる場合を想定している。
処理装置101は、入力装置110、データ読み込み装置115、出力装置120、記憶装置130、演算装置150を主たる要素として構成されている。
このうち入力装置110は、操作者の指示を受け付ける部分であり、ボタン、タッチパネルなどで構成されている。
データ読み込み装置115は、処理装置100の外部からデータを受け付ける部分であり、CDドライブ、USB端子、LANケーブル端子、通信装置などで構成されている。
出力装置120は、操作者への指示情報、読取画像、読取結果などを出力する装置であり、ディスプレイ、CDドライブ、USB端子、LANケーブル端子、通信装置などで構成されている。
上記したこれらの構成は標準的なものであり、入力装置110、データ読み込み装置115、出力装置120のいずれかまたはすべてが処理装置100の外部に接続される構成でも良い。
記憶装置130は、モデル記憶部131、将来状態予測結果記憶部132、報酬関数記憶部133、制御則記憶部134から構成されている。このうち将来状態予測結果記憶部132については実施例1とほぼ等しい機能のものである。
モデル記憶部131は実施例1と等しい機能の場合もあるが、制御においては状態以外に操作量も模擬対象の挙動が変化する場合もある。操作量によって模擬対象の挙動が変化する場合は、モデルに操作量の情報を加えることで、実施例1と同じく減衰型状態遷移行列が計算できる。
報酬関数記憶部133は、目標位置や目標速度などの制御目標を関数、表、ベクトル、行列などの形式で保存する部分である。本発明ではこの制御目標の情報を有する関数、表、ベクトル、行列などを報酬関数Rと呼ぶこととする。報酬関数がベクトル形式の場合の一例を図6に示す。図6では、遷移元の状態IDごとに報酬関数Rを数値で表している。この図によれば、状態sは全体を範囲に区切ってn分割した離散空間として扱っており、初期の状態から状態s3へ遷移することを目標とした。ここでは目標とするベクトルの要素値は、状態s3を1、その他の状態を0とした。本発明では、このベクトルの要素値や、報酬関数Rの値を報酬と呼ぶこととする。なお制御における報酬としては、AIにおける強化学習の際の希望値或は目的関数が例示される。
図5に戻って、制御則記憶部134は制御目標に対して最適な制御則を保存する部分である。制御則記憶部134に保存する制御則の一例を図7に示す。図7では、遷移元の状態ID(si)ごとに操作量IDを数値で表している。この図によれば、状態siは全体を範囲に区切ってn分割した離散空間として扱っており、各状態の範囲に対して最適な操作量ac(c=1、2・・・m)が保存されている。最適な操作量aの計算方法については後述する。
図5に戻って、演算装置150は、入力装置110、データ読み込み装置115から入力されるデータおよび記憶装置130に記憶されたデータを処理し、その結果を出力装置120に出力または記憶装置130に記録するものであり、以下の処理部から構成されている。
入力制御部151は、入力装置110またはデータ読み込み装置115から入力されるデータを指令、モデル、などに区分し、記憶装置や演算装置の各部へ転送する処理を行なう部分である。
将来状態予測演算部152は、実施例1の将来状態予測演算部142と等価である。また、出力制御部153についても、実施例1の出力制御部143と等価である。
制御則演算部154は、将来状態予測結果記憶部132で記録した減衰型状態遷移行列Dと、報酬関数記憶部133で記録した報酬関数Rから、最適な制御則(最適な操作量a)を計算し、制御則記憶部134に記録する。
最適な制御則を計算する方法の一例を以下に示す。本例では、最適な制御則を求めるために以下の3段階で計算する。
段階1:先ず、各状態sと報酬関数Rで目標とする状態sgoalとの近さ(または遷移しやすさを示す統計的な指標)を保存する関数を計算する。この関数を本発明では状態価値関数Vと呼ぶこととする。また、状態価値関数Vは関数以外にも表、ベクトル、行列などの形式で保存してもよく、本発明において保存形式は限定しない。状態価値関数Vの計算方法の一例を以下の(3)式に示す。
Figure 0007064356000003
上記(3)式に示すように、状態価値関数Vは減衰型状態遷移行列Dと報酬関数Rの積である。例えば、図2と図6に示したように、減衰型状態遷移行列Dがn×nの行列、報酬関数Rがn次元のベクトルの場合、状態価値関数Vは図8に示すようなn次元のベクトルとなる。状態価値関数Vの要素値は目標とする状態sgoalへ遷移しやすい状態ほど高い。本発明ではこの要素値を価値と呼ぶこととする。また、本発明の状態価値関数Vは、強化学習法での状態価値関数の定義と値が等価となる。
段階2:次に、状態価値関数Vを用いて、遷移元の状態siから遷移できる遷移先の状態sjの中で、最も目標とする状態sgoalへ遷移しやすい状態sjを、遷移元の各状態siについて計算する。状態sjの計算方法の一例を以下の(4)式に示す。
Figure 0007064356000004
ここでT(si、sj)とは、状態遷移確率行列Tにおけるsi行、sj列の要素値である。(4)式の計算結果の一例を図9に示す。図9では、遷移元の状態ID(si)ごとに遷移先の状態ID(sj)を表している。この図9によれば、遷移元の状態が状態s1の場合、状態遷移確率行列T(図2)において、遷移先となる得る状態は状態s1か状態s2の2つである。この2つの状態のうち、状態価値関数Vで価値が高いのは状態s2である。そのため図9の例において、遷移元の状態s1の遷移先の状態として状態s2が保存されている。
段階3:最後の段階では、遷移元の各状態siから、段階2で得られた状態sjへ遷移するために必要な操作量aを計算する。操作量aの計算は、例えばモデル記憶部131の逆モデル(遷移元の状態siと状態sjを入力として、対応する操作量aを出力するモデル)を求めることで計算できる。段階3の計算結果としては、例えば図6に示したような制御則が得られる。
このように上記(3)式で価値を計算することによって、各状態におけるsgoalへの遷移し易さが評価を可能とし、上記(4)式によってΔt時間経過によって遷移できる状態のうち最もsgoalへ遷移し易い状態sjの特定を可能とし、逆モデルによって状態sjへ遷移するための操作量aの特定を可能としている。
図5に戻って、モデル更新部155は、データ読み込み装置115からモデル記憶部131に記録したモデルデータの更新データが入力された際に、モデルデータを更新データに基づいて修正し、修正したモデルデータをモデル記憶部131に記録する。
図10は、処理装置101が行う処理のフローを示す図である。
まず図10の処理ステップS1301では、入力制御部141からの指令にもとづいて、データ読み込み装置115から、模擬対象のモデルに関するデータと報酬関数Rに関するデータが入力され、そのデータはモデル記憶部131と報酬関数記憶部133に記録される。
つぎに処理ステップS1302では、モデル記憶部131に記録された模擬対象のモデルに関するデータが将来状態予測演算部142に転送され、(2)式に基づいて減衰型状態遷移行列Dが計算され、その結果は将来状態予測結果記憶部132に記録される。
つぎに処理ステップS1303では、将来状態予測結果記憶部132に記録された減衰型状態遷移行列Dと、報酬関数記憶部133に記録された報酬関数Rが制御則演算部154に転送され、最適な制御則を計算し、その結果を制御則記憶部134に記録する。
つぎに処理ステップS1304では、将来状態予測結果記憶部136と制御則記憶部134に記録されたデータが出力制御部143へ転送され、出力装置120へ出力される。
つぎに処理ステップS1305では、制御対象は制御を終了するか否かを判定する。制御を継続する場合は処理ステップS1306へ進み、制御を終了する場合はフローも終了となる。
つぎに処理ステップS1306では、出力装置120から制御対象に送られた制御則に基づいて、制御対象は操作量aを計算し、操作を実行する。
つぎに処理ステップS1307では、制御対象は操作の実行前と後に計測した制御対象およびその周辺環境の状態をデータ読み込み装置115に対して送信する。
つぎに処理ステップS1308では、入力制御部141は、データ読み込み装置115が操作の実行前と後に計測した制御対象およびその周辺環境の状態のデータを受信したか否かを判定する。データを受信した場合、処理ステップS1309へ進み、データを受信しなかった場合は処理ステップS1305へ戻る。
処理ステップS1309では、処理ステップS1308の処理においてデータ読み込み装置115が操作の実行前と後に計測した制御対象およびその周辺環境の状態のデータを受信した場合、受信データとモデル記憶部131に記録されるモデルデータがモデル更新部155に転送され、更新されたモデルデータがモデル記憶部131に記録される。その後、処理ステップS1302へ進む。
図11、図12、図13は実施例1と実施例2において、出力装置120に表示する画面の一例である。
図11は、モデル記憶部131で記録したモデルデータの一例として状態遷移確率行列Tを画面に表示したものである。図では、モデルの保存形式の一例として状態遷移確率行列Tを、移動元状態siと移動先状態sjによるマトリクス形式により画面に表示しており、行列の要素値は本画面から入力装置110を通して更新できるようにしてもよい。
図12は、将来状態予測結果記憶部132に保存する減衰型状態遷移行列Dを画面に表示した場合の一例である。図では、減衰型状態遷移行列Dを、移動元状態siと移動先状態sjによるマトリクス形式により画面に表示している。なお画面に表示するのは、減衰型状態遷移行列Dの代わりに、減衰型状態遷移行列Dを各行で正規化した行列でもよい。
図13は、モデル記憶部131で保存するモデルデータを加工したデータとして遷移確率分布Pを表示した場合の一例である。画面では、遷移先の状態sjを横軸にして遷移確率Pを表示している。
また画面には、遷移元siの状態設定部101とグラフ出力部103と経過時間の設定部102が形成されている。遷移元siの状態設定部101では、入力装置110を通して遷移元の状態を入力する。ここではs3を例示し、入力したものとする。入力したs3のときの遷移元の状態の具体例は、模擬対象の温度、圧力、流量である。ここでは状態IDボタンからa3を入力すると、状態のIDから模擬対象の温度、圧力、流量の各値に変換するようになっている。
この変換は図14に示すような状態のIDと温度、圧力、流量の対応表を事前に作成しておくことで実現できる。この例では、s3が選択されたので、模擬対象の温度307度、圧力3.4MPa、流量0.4t/hをそれぞれ表示した。
また図13のグラフ出力部103において、グラフ出力ボタンを押すと、事前に設定した状態IDにあたる行の減衰型状態遷移行列の要素値をグラフ化した図が画面に表示される。
また、経過時間の設定部102では、予め設定された最大最少時間の範囲内で適宜の時間間隔Δtを設定可能である。時間の範囲を指定することで、指定した時間範囲での減衰型状態遷移行列Dを表示する。時間の範囲を限定した場合の減衰型状態遷移行列Dは、例えば以下の(5)式によって求められる。
Figure 0007064356000005
ここで、tminは指定した時間範囲の最小値、tmaxは指定した時間範囲の最大値、Δtは事前に設定した刻み時間である。また、画面右のスクロールを調整することで、特定の時間経過時の減衰型状態遷移行列Dを画面に表示させることができる。指定した時間経過時の減衰型状態遷移行列Dは、例えば以下の(6)式によって求められる。
Figure 0007064356000006
ここで、tpは指定した経過時間である。図12の画面の例ではtpが50秒である場合の減衰型状態遷移行列Dを表示している。本画面で表示するグラフによって、指定した経過時間tpまたはtminからtmaxの時間の範囲において、遷移元の状態から各状態へ遷移する確率pを確認することができる。
図15、図16、図17、図18は実施例2において、出力装置120に表示する画面の一例である。
図15は、報酬関数記憶部133に記録した報酬関数Rと、制御則記憶部134に記録した制御則と、制御則演算部154で計算した状態価値関数と、制御則演算部154で計算した遷移元の状態siに対する状態sjの表を画面に表示した場合の一例である。報酬関数の要素値は本画面から入力装置110を通して更新できるようにしてもよい。また、画面中の状態IDはマウスカーソルを近づけることで、図14に示したような表の例に基づいて、状態IDに対応した温度、圧力、流量の値を画面上に表示してもよい。
図16は、制御則記憶部134に記録した制御則を用いた制御によって、制御対象とその周辺環境の状態が時間経過でどのように変化するか予測したグラフ105を画面に表示した一例である。画面上で初期状態を設定した後、挙動開始ボタン104を押すことで、時間経過に対する状態の遷移を確認できる。例のように、状態が温度、圧力、流量の3つに関連している場合、一ずつ表示するように表示を切り替えるボタン109を設定してもよい。
図17は、図10の処理ステップS1309や、図12の画面において、モデル記憶部131で記録したモデルデータを更新する際に画面に表示される画面の一例である。本画面には、モデルの更新内容(更新前後)と、モデルの更新に伴う制御則の更新内容(更新前後)、制御則の更新によって図16と等価な時間経過による状態遷移予測結果の変化(更新前後)と、モデル更新の可否を指定するボタン106、107、108が表示される。モデル更新の許可ボタン106を押すと図10の処理ステップS1309が実行され、却下ボタン107を押すと1309は実行されない。また、保留ボタン処理ステップSを押すと処理ステップS1309は実行されないが、保留ボタン108を押した後でも再び同じ画面を読み出すことができる。
図18は、図17とはモデルの更新内容(更新前後)の表示方法が異なる画面の一例である。図17では更新対象となる遷移元の状態と遷移後の状態とその遷移確率が表示してあるのに対して、図18は更新前と更新後の状態遷移行列を表示する。
図17と図18の表示画面は、モデルの更新内容と、モデルの更新に伴う制御則の更新内容、制御則の更新によって図16と等価な時間経過による状態遷移予測結果の変化を表示することで、モデルの更新が制御則や制御の結果による制御対象への影響を安易に確認することを可能としており、制御対象への影響からモデルの更新有無をスムーズに判断することが可能となる。
100、101:処理装置
110:入力装置
115:データ読み込み装置
120:出力装置
130:記憶装置
131:モデル記憶部
132:将来状態予測結果記憶部
133:報酬関数記憶部
134:制御則記憶部
140、150:演算装置
141、151:入力制御部
142、152:将来状態予測演算部
143、153:出力制御部
154:制御則演算部
155:モデル更新部

Claims (13)

  1. 遷移元状態から遷移先状態に遷移する確率を用いて、有限の空間内における無限時間または時間ステップ先の模擬対象と模擬対象の周辺環境の将来状態を確率密度分布の形式で表現した状態遷移モデルを保存するモデル記憶部と、
    前記状態遷移モデルを用い、前記模擬対象と前記模擬対象の周辺環境の将来状態を求める計算を行う将来状態予測演算部と、
    前記将来状態予測演算部で求めた情報を保存する将来状態予測結果記憶部を備え、
    前記状態遷移モデルは、状態遷移確率行列Tと単位行列Eと重みである減衰率γから、前記将来状態を表す減衰型状態遷移行列DをD=T(E-γT) -1 として求めることを特徴とする将来状態推定装置。
  2. 請求項1に記載の将来状態推定装置であって、
    前記将来状態予測演算部は、無限時間または無限ステップ先における前記模擬対象と前記模擬対象の周辺環境の状態を確率密度分布の形式で推定するにあたり、推定する将来状態までの距離、時間、ステップのいずれか一つ以上に計算時間が依存しないことを特徴とする将来状態推定装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の将来状態推定装置であって、
    前記模擬対象は制御対象を含んでおり、前記将来状態予測演算部において推定した無限時間または無限ステップ先における前記模擬対象と前記模擬対象の周辺環境の状態の推定結果を用いて、前記制御対象の操作量を計算する制御則演算部を備えていることを特徴とする将来状態推定装置。
  4. 遷移元状態から遷移先状態に遷移する確率を用いて、有限の空間内における無限時間または時間ステップ先の模擬対象と模擬対象の周辺環境の将来状態を確率密度分布の形式で表現した状態遷移モデルを保存するモデル記憶部と、
    前記状態遷移モデルを用い、前記模擬対象と前記模擬対象の周辺環境の将来状態を求める計算を行う将来状態予測演算部と、
    前記将来状態予測演算部で求めた情報を保存する将来状態予測結果記憶部と、
    状態の遷移に関する情報やデータを用いて、前記モデル記憶部の情報を更新するモデル更新部を備えるとともに、
    前記状態遷移モデルは、状態遷移確率行列Tと単位行列Eと重みである減衰率γから、前記将来状態を表す減衰型状態遷移行列Dを、D=T(E-γT) -1 として求めることを特徴とする将来状態推定装置。
  5. 前記模擬対象は制御対象を含んでいる、請求項4に記載の将来状態推定装置であって、
    前記制御対象における操作の目的と状態に応じて最適な操作を保存する制御則記憶部と、
    報酬関数や目的関数などの操作の目的に関する情報を保存する報酬関数記憶部と、
    前記将来状態予測結果記憶部と前記報酬関数記憶部に保存した情報を用いて、前記制御対象における操作の目的と状態に応じて最適な制御則を出力する制御則演算部を備えることを特徴とする将来状態推定装置。
  6. 表示手段を備える、請求項4または請求項5に記載の将来状態推定装置であって、
    前記表示手段には、更新前のモデル、更新後のモデル、更新前と更新後のモデルの違いに関する情報のいずれか2つ以上を出力することを特徴とする将来状態推定装置。
  7. 表示手段を備える、請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の将来状態推定装置であって、
    前記表示手段には、指定した経過時間、経過ステップ、時間の範囲、ステップの範囲のいずれか一つ以上における遷移元の状態から各状態へ遷移する確率を表示することを特徴とする将来状態推定装置。
  8. 表示手段を備える、請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の将来状態推定装置であって、
    前記表示手段には、更新前のモデル、更新後のモデル、更新前と更新後のモデルの違いに関する情報のいずれか2つ以上と、
    モデル更新前の制御則、モデル更新後の制御則、モデル更新前と更新後の制御則の違いに関する情報のいずれか2つ以上と、
    モデル更新前の時間経過による状態の遷移予測結果、モデル更新後の時間経過による状態の遷移予測結果、モデル更新前と更新後の時間経過による状態の遷移予測結果の違いに関する情報のいずれか2つ以上と、
    モデル更新の可否を指定する手段を表示していることを特徴とする将来状態推定装置。
  9. 計算機を用いて実現される将来状態推定方法であって、
    遷移元状態から遷移先状態に遷移する確率を用いて、有限の空間内における無限時間または時間ステップ先の模擬対象と模擬対象の周辺環境の将来状態を確率密度分布の形式で表現した状態遷移モデルを保存し、
    前記状態遷移モデルを用い、前記模擬対象と前記模擬対象の周辺環境の将来状態を求める計算を行い、保存するとともに、
    前記状態遷移モデルは、状態遷移確率行列Tと単位行列Eと重みである減衰率γから、前記将来状態を表す減衰型状態遷移行列DをD=T(E-γT) -1 として求めることを特徴とする将来状態推定方法。
  10. 請求項9に記載の将来状態推定方法であって、
    無限時間または無限ステップ先における前記模擬対象と前記模擬対象の周辺環境の状態を確率密度分布の形式で推定するにあたり、推定する将来状態までの距離、時間、ステップのいずれか一つ以上に計算時間が依存しないことを特徴とする将来状態推定方法。
  11. 請求項9または請求項10に記載の将来状態推定方法であって、
    前記模擬対象は制御対象を含んでおり、推定した無限時間または無限ステップ先における前記模擬対象と前記模擬対象の周辺環境の状態の推定結果を用いて、前記制御対象の操作量を計算することを特徴とする将来状態推定方法。
  12. 請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の将来状態推定方法であって、
    模擬対象の挙動を模擬する状態遷移モデルを用いて将来状態を推定するにあたり、状態遷移の前後における遷移元の状態と遷移先の状態について、遷移元の状態が遷移先の状態となる確率を状態遷移確率行列として記憶し、複数の遷移について将来であるほど低減する重みを加味した前記状態遷移確率行列の和である減衰型状態遷移行列を求めることを特徴とする将来状態推定方法。
  13. 請求項12に記載の将来状態推定方法であって、
    前記減衰型状態遷移行列を状態遷移確率行列の級数と等価な計算を行うことで求めることを特徴とする将来状態推定方法。
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