JP2013181138A - 炉内温度分布の推定方法および推定装置 - Google Patents

炉内温度分布の推定方法および推定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】限られた個数の温度センサによる温度測定から全体の炉内温度分布を推定する炉内温度分布の推定方法を提供する。
【解決手段】本発明の炉内温度分布の推定方法は、温度センサにより成形コークス製造設備の炉内高さ方向の特定位置の温度情報を取得する測定ステップ(ステップS1)と、物理モデルにおけるパラメータを変化させて複数の物理モデルをメンバとする母集団を作成する母集団作成ステップ(ステップS2)と、複数の物理モデルによる炉内高さ方向の温度分布の予測値の加重平均を算出する加重平均算出ステップ(ステップS3)と、複数の物理モデルによる炉内高さ方向の温度分布の予測値と炉内高さ方向の特定位置の温度情報との合致度を算出する合致度算出ステップ(ステップS4)と、合致度算出ステップ(ステップS4)により算出された合致度を用いて、加重平均の重みを更新する重み更新ステップ(ステップS5)とを含むことを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、フェロコークスに代表される成形コークスを生産する成形コークス製造設備における炉内温度分布の推定方法および推定装置に関する。
炭材(石炭)と鉄鉱石とを混合して成形した成形物を乾留することによって製造されるフェロコークスは、還元された鉄鉱石の触媒効果によってフェロコークス中のコークスのCO反応性を高めることができ、それに伴う熱保存帯温度の低下によって還元材比を低下させることができる。このようなフェロコークスを製造する技術として、石炭と鉄鉱石の成形物を竪型の乾留炉にて乾留する方法が知られている。
上記のような、フェロコークスに代表される成形コークスを生産する成形コークス製造設備は、竪型の乾留炉の炉頂から練成および成形された未乾留の成形炭を装入し、予熱過程、乾留過程、および冷却過程を経て炉底から成形コークスが排出される構成を有する。この成形コークス製造設備の予熱過程、乾留過程、および冷却過程における成形炭の温度履歴は、成形炭の品質に大きな影響を与えるので、炉の高さ方向の温度分布が適正に制御された状態に保たれることが重要である。
例えば、特許文献1には、冷却過程に用いた冷却ガスを予熱過程に用いる低温ガスとして利用しながら、竪型の乾留炉の炉内温度分布を適正に制御するフェロコークスの製造方法および製造設備が記載されている。
特開2011−057970号公報
しかしながら、上述のような成形コークス製造設備では、設置可能な温度センサの数は限られているので、温度センサが設置されていない部分の炉内温度が不明となる。その結果、炉内温度分布を適正に制御する手段があっても、乾留炉の高さ方向の温度分布の制約に正確に適応した制御をすることができなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、限られた個数の温度センサによる温度測定から全体の炉内温度分布を推定する炉内温度分布の推定方法および推定装置を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の炉内温度分布の推定方法は、成形コークス製造設備の炉内高さ方向の温度分布を物理モデルに基づいて推定する炉内温度分布の推定方法において、温度センサにより前記成形コークス製造設備の炉内高さ方向の特定位置の温度情報を取得する測定ステップと、前記物理モデルにおけるパラメータを変化させて複数の物理モデルをメンバとする母集団を作成する母集団作成ステップと、前記複数の物理モデルによる炉内高さ方向の温度分布の予測値の加重平均を算出する加重平均算出ステップと、前記複数の物理モデルによる炉内高さ方向の温度分布の予測値と前記測定ステップによる炉内高さ方向の特定位置の温度情報との合致度を算出する合致度算出ステップと、前記合致度算出ステップにより算出された合致度を用いて、前記加重平均算出ステップが算出する加重平均の重みを更新する重み更新ステップとを含むことを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の炉内温度分布の推定装置は、成形コークス製造設備の炉内高さ方向の温度分布を物理モデルに基づいて推定する炉内温度分布の推定装置において、温度センサにより前記成形コークス製造設備の炉内高さ方向の特定位置の温度情報を取得する測定手段と、前記物理モデルにおけるパラメータを変化させて複数の物理モデルをメンバとする母集団を作成する母集団作成手段と、前記複数の物理モデルによる炉内高さ方向の温度分布の予測値の加重平均を算出する加重平均算出手段と、前記複数の物理モデルによる炉内高さ方向の温度分布の予測値と前記測定手段による炉内高さ方向の特定位置の温度情報との合致度を算出する合致度算出手段と、前記合致度算出手段により算出された合致度を用いて、前記加重平均算出手段が算出する加重平均の重みを更新する重み更新手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る炉内温度分布の推定方法および推定装置は、限られた個数の温度センサによる温度測定から全体の炉内温度分布を推定することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法を適用する成形コークス製造設備の構成を示す概略図である。 図2は、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法における基礎とした物理モデルによる温度分布の補正の方法を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法におけるデータ同化の説明に用いる竪型乾留炉の羽口と温度分布の関係を示す図である。 図4は、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法におけるデータ同化の説明に用いる温度センサの設置位置の例を示すグラフである。 図5は、本発明の実施形態である炉内温度分布の推定方法を実現する炉内温度分布の推定装置の構成例を示すブロック図である。 図6は、本発明の実施形態である炉内温度分布の推定方法を示すフローチャートである。 図7は、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法におけるデータ同化を適用した場合の固体比熱およびガス大気間熱交換係数の推定状況を示すグラフである。 図8は、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法におけるデータ同化を適用した場合としない場合とで、真の温度分布からの乖離度を比較したグラフである。 図9は、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法のガス温度分布の推定状況を示す図である。
以下に、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法および推定装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
〔成形コークス製造設備〕
図1は、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法を適用する成形コークス製造設備の構成を示す概略図である。図1に示されるように、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法を適用する成形コークス製造設備1は、成形炭を乾留して成形コークスを生産する竪型乾留炉2を主要構成要素として備え、さらにこの竪型乾留炉2に付随するその他の構成要素を備える。
竪型乾留炉2は、竪型乾留炉2の炉頂から順に低温乾留ゾーンと高温乾留ゾーンと冷却ゾーンとに分離され、低温乾留ゾーンと高温乾留ゾーンとにより成形炭を乾留し、冷却ゾーンで乾留された成形コークスの冷却を行なう。低温乾留ゾーンと高温乾留ゾーンとの間には、低温ガス吹き込み羽口3aが設けられ、低温ガス吹き込み羽口3aから低温ガスを吹き込むことにより、低温乾留ゾーンと高温乾留ゾーンとが分離される。高温乾留ゾーンと冷却ゾーンとの間には、高温ガス吹き込み羽口3b、3dが設けられ、高温ガス吹き込み羽口3b、3dから高温ガスを吹き込むことにより、高温乾留ゾーンと冷却ゾーンとが分離される。
冷却ゾーンには、冷却ガス吹き込み羽口3cが設けられ、冷却ガス吹き込み羽口3cから吹き込まれた冷却ガスにより、竪型乾留炉2に冷却ゾーンが作られる。
竪型乾留炉2の炉頂には、炉内ガスを排出するための炉内ガス排出口4が設けられている。炉内ガス排出口4に接続される排出ガス配管には、第1ガス冷却装置としてのスプレータワー5と第2ガス冷却装置としてのガスクーラー6と炉内ガス中の塵(主にタールミスト)を除去する電気集塵機7が接続されている。これらスプレータワー5、ガスクーラー6、および電気集塵機7を経由した炉内ガスは、発生ガスとして回収され、精製および脱硫後に燃料として使用される。さらに、回収された発生ガスの一部は、竪型乾留炉2に吹き込まれる低温ガス、高温ガス、および冷却ガスに再利用される。なお、炉内ガス中の液体成分は、スプレータワー5およびガスクーラー6にて回収され、安水とタールに分離されて安水用タンク8aおよびタール用タンク8bに保管される。
上述のように回収された発生ガスの一部は、竪型乾留炉2に吹き込まれる低温ガス、高温ガス、および冷却ガスに再利用される。高温ガス加熱炉9により加熱された発生ガスは、高温ガス吹き込み羽口3b、3dに導かれ、高温ガス吹き込み羽口3b、3dから竪型乾留炉2に吹き込まれる。また、低温ガス加熱炉10により加熱された発生ガスは、低温ガス吹き込み羽口3aに導かれ、低温ガス吹き込み羽口3aから竪型乾留炉2に吹き込まれる。さらに、回収された発生ガスの一部は、加熱することなく冷却ガス吹き込み羽口3cに導かれ、冷却ガス吹き込み羽口3cから竪型乾留炉2に吹き込まれる。
さらに、竪型乾留炉2の炉頂付近には、成型炭の装入口12が設けられ、竪型乾留炉2の炉底には、成形コークスを切り出す排出口13が設けられている。竪型乾留炉2にて乾留される成型炭は、装入口12から装入されて竪型乾留炉2の内部に充填され、排出口13から乾留された成形コークスが一定の速度で切り出されることにより、成型炭が竪型乾留炉2に所定時間の在炉をする。
〔炉内温度分布の物理モデル〕
本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法を適用する成形コークス製造設備1の竪型乾留炉2における炉内温度分布の物理モデルの例の一つとして、物質収支および熱収支から成る物理モデルを用いて本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法を説明する。
本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法に用いる物質収支は、下記式(1)(2)にあるように、固体の一部がガス化するという物理モデルである。
Figure 2013181138
一方、熱収支については、下記式(3)(4)にあるように、ガスと固体間の熱交換、ガスと設備周辺大気の熱交換、および反応熱から構成される。
Figure 2013181138
これを適当な方法(たとえば、スハス V.パタンカー著「コンピュータによる熱移動と流れの数値解析」(森北出版))で離散化したものが下記式(5)である。なお、下記式(5)を求めるに際し、完全陰解法による離散化を行っている。
Figure 2013181138
s(k)、Tg(k)は、それぞれ、タイムステップkにおける竪型乾留炉2の高さ方向における固体およびガスの温度分布を表すベクトル量である。要素数は、離散化のメッシュ数に対応する。なお以下で用いる実施例では、このメッシュ数を120個とした。また、u(k)は、操作量を意味し、本モデルでは各羽口から竪型乾留炉2に吹き込まれるガスの温度である。なお、上記式(1)〜(5)において使用した記号は以下を意味する。
Figure 2013181138
〔モデルの同化〕
本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法は、例えば上記炉内温度分布の物理モデルを基礎として、この物理モデルとは異なる条件にて仮想の真値シミュレーションを行う。そして、この仮想の真値シミュレーションの部分的な情報を用いて、基礎とした物理モデルによる温度分布を補正する。図2は、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法における基礎とした物理モデルによる温度分布の補正の方法を示すブロック図である。また、以下の説明では、この基礎とした物理モデルによる温度分布を補正することを、データとモデルとを同化させるという意味で「データ同化」と呼ぶ。
以下、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法におけるデータ同化の説明では、竪型乾留炉2を4つに区分けし、この竪型乾留炉2に6箇所の温度センサが設けられている例が用いられる。図3は、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法におけるデータ同化の説明に用いる竪型乾留炉2の4つ区分を示す図である。ここで云う4つの区分とは、図3(または図1)に示した各羽口間(低温ガス吹き込み羽口3a、高温ガス吹き込み羽口3b、3d、冷却ガス吹き込み羽口3c)のゾーンのことであり、下からゾーン1〜4と名付ける。そして、この各ゾーン1〜4におけるガス固体間熱交換係数をα、α、α、αとし、固体比熱をCs1、Cs2、Cs3、Cs4とする。なお、各ゾーン1〜4を区別せず、竪型乾留炉2の全体のガス固体間熱交換係数はαであり、固体比熱はCである。
図4は、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法におけるデータ同化の説明に用いる温度センサの設置位置の例を示すグラフである。すなわち、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法におけるデータ同化の説明では、6箇所の温度センサが、図4における丸印の位置に設けられているものとする。つまり、以下の説明では、図4における丸印の位置の温度のみが測定可能であると仮定において、データ同化を行う。
本データ同化の例では、複数の物理モデルを並列して温度分布の計算を行う。したがって、その複数の物理モデルが必要となる。ここでは、ガス固体間熱交換係数αおよび固体比熱Cを変化させた場合の物理モデルを用意する。例えば、以下で説明する例では、固体比熱Cを元の物理モデルの0.8倍〜1.2倍に変更した5通りと、ガス固体間熱交換係数αを元の物理モデルの0.6倍〜1.4倍に変更した5通りとを組合わせた合計25通りの物理モデルを用意する。なお、以下では、パラメータを変化させたこれらの物理モデルをメンバと呼ぶこととする。
本データ同化の例では、上記のようにして生成した各メンバにそれぞれ重みを定義し、その重みを観測値に応じて更新してゆく手順および更新した重みに基づいて温度分布とパラメータのセットとを逐次推定する。以下にその具体的手順を説明する。
先ず、タイムステップTにおける、I番目のメンバの重みをp(i)とする。初期値p(i)は、すべてのメンバを均等にする。すなわち、総メンバ数をMとして、p(i)=1/Mである。さらに、初期値以降の重みp(i)についても、すべてのメンバで合計すると1となるように逐次規格化する。
一方、ガスおよび固体の温度分布を縦に並べたベクトルをxとする。つまり、モデルのメッシュ数をNとすると、ベクトルxは要素数が2Nの縦ベクトルである。また、推定する対象である、真のガスおよび固体の温度分布をxtrとする。また、I番目のメンバにおける物理モデルに基づく温度分布をx(i) simとする。また、I番目のメンバのパラメータのセットをs(i)とする。
ガスおよび固体の温度分布の中で、どの特定位置の温度情報を測定できるのかを表す行列をCとする。行列Cの行数は、センサの個数であり、列数は2Nである。行列Cの要素のうち、i番目のセンサが位置jのガス温度を観測するとき、C[i][j]=1とし、それ以外の要素をゼロとする。
温度センサにより観測された温度分布をyobsとし、その温度センサの位置でのI番目のモデル計算値をy(i) simとする。この場合、上記行列Cにより、真のガスおよび固体の温度分布およびI番目のメンバにおける物理モデルに基づく温度分布と、温度センサにより観測された温度分布およびその温度センサの位置でのI番目のモデル計算値との関係は下式で表される。
Figure 2013181138
上記のような定義の下に、温度センサにより観測された温度分布yobsと、その温度センサの位置でのI番目のモデル計算値y(i) simとの合致度は下式で定められる。
Figure 2013181138
そして、タイムステップ(T+1)における重みを下式によって更新する。なお、下式における分母は、すべての重みの合計が1になるための規格化因子である。
Figure 2013181138
上記の一連の手続きによって、各メンバの重みを観測データが得られるたびに更新する。そして、更新した重みを用いて、同化後の温度分布xおよびパラメータのセットsを下式のように算出する。
Figure 2013181138
以上より、本発明の本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法におけるデータ同化の説明がされた。
〔炉内温度分布の推定装置〕
図5は、上記説明したデータ同化による炉内温度分布の推定方法を実現する炉内温度分布の推定装置の構成例を示すブロック図である。ただし、本発明の実施は以下に説明する構成の推定装置限るものではない。
図5に示すように、本発明の実施形態である炉内温度分布の推定方法を実現する炉内温度分布の推定装置100は、情報処理装置101、入力装置102、および出力装置103を主な構成要素として備え、成形コークス製造設備1から取得される炉内高さ方向の特定位置の温度情報を用いて、炉内高さ方向の全体の炉内温度分布の推定する。
情報処理装置101は、パーソナルコンピュータやワークステーション等の汎用の情報処理装置によって構成されることができ、RAM111、ROM112、およびCPU113を備える。RAM111は、CPU113が実行する処理に関する制御プログラムや制御データを一時的に記憶し、CPU113のワーキングエリアとして機能する。ROM112は、本発明の実施形態である炉内温度分布の推定方法を実現する推定プログラム112aと情報処理装置101全体の動作を制御する制御プログラムと制御データとを記憶している。CPU113は、ROM112内に記憶されている推定プログラム112aおよび制御プログラムに従って情報処理装置101全体の動作を制御する。入力装置102は、キーボード、マウスポインタ、テンキー等の入力装置によって構成され、情報処理装置101に対して各種情報を入力する際に操作される。出力装置103は、表示装置や印刷装置等の出力装置によって構成され、情報処理装置101の各種処理情報を出力する。
ROM112内に記憶されている推定プログラム112aは、上述の本発明の実施形態である炉内温度分布の推定方法を情報処理装置101に実行させるよう構成された一連の指令であり、推定プログラム112aによる指令に従った炉内温度分布の推定装置100は、成形コークス製造設備1から取得される炉内高さ方向の特定位置の温度情報を用いて、炉内高さ方向の全体の炉内温度分布を推定する。
〔炉内温度分布の推定方法〕
図6は、本発明の実施形態である炉内温度分布の推定方法を示すフローチャートである。以下では、上記説明した炉内温度分布の推定方法を実現する炉内温度分布の推定装置の構成例を示すブロック図を参照しながら本発明の実施形態である炉内温度分布の推定方法を説明するが、本発明の炉内温度分布の推定方法の実施が、この炉内温度分布の推定装置により限定されるものではない。
図6に示されるように、本発明の実施形態である炉内温度分布の推定方法は、情報処理装置101が、成形コークス製造設備1に設けられた温度センサより成形コークス製造設備1の炉内高さ方向の特定位置の温度情報を取得することから始まる(ステップS1)。
次に、情報処理装置101が、物理モデルにおけるパラメータを変化させて複数の物理モデルをメンバとする母集団を作成する(ステップS2)。例えば、情報処理装置101が上記式(1)〜(4)に記載の物理モデルのパラメータであるガス固体間熱交換係数および固体比熱を変化させて温度分布を算出することによりデータの母集団を作成することができる。そして、情報処理装置101が作成された複数の物理モデルにより炉内高さ方法の温度分布の予測値の加重平均を算出する(ステップS3)。このときの重みの初期値は、均等に設定すればよい。
その後、情報処理装置101は、パラメータを変化させて作成された複数の物理モデルによる予測値と、ステップS1で取得した炉内高さ方向の特定位置の温度情報との合致度を算出する(ステップS4)。そして、情報処理装置101が算出された合致度を用いて、ステップS3にて算出した加重平均の重みを更新する(ステップS5)。
最終的に、情報処理装置101は、ステップS3からステップS4における処理を繰り返して実施することにより、加重平均の重みを逐次更新する。
〔シミュレーション〕
次に、本発明の本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法におけるデータ同化の効果を検証するためのシミュレーションについて述べる。以下で説明するシミュレーションでは、真値シミュレーションとして、t=50において固体比熱を0.9倍し、t=200においてガス大気間熱交換係数を0.8倍とする例を想定した(時刻tはタイムステップ数であり、本シミュレーションでは1ステップ20分としている)。一方、物理モデルについては元の値のままである。当然、このシミュレーション条件では、補正をしなければ真値の温度分布と物理モデルによる温度分布との間には乖離が生じる。
図7は、上記説明した本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法におけるデータ同化を適用した場合の固体比熱およびガス大気間熱交換係数の推定状況を示すグラフである。図7において、実線は本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法におけるデータ同化を適用した場合のガス大気間熱交換係数の推定値の経時変化を示し、点線は本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法におけるデータ同化を適用した場合の固体比熱の推定値の経時変化を示している。図7に示されるように、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法によれば、外乱により一時的に誤った推定を行っても、固体比熱およびガス大気間熱交換係数の推定が真値に収束することができる。t=50の直後においてはモデル化誤差をスムーズに推定できているが、t=200〜250において真値に収束するまでに時間を要しているのは、熱交換係数の変動による温度分布のずれが小さいため、モデル間で観測との適合度に差が生じづらく、重みの変化に時間を要したためであると考えられる。
また、図8は、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法におけるデータ同化を適用した場合としない場合とで、真の温度分布からの乖離度(ガスおよび固体温度の平均推定誤差)を比較したグラフである。図8に示されるように、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法におけるデータ同化を適用した場合の方が、適用しない場合に比較して、真値の温度分布の経時的変化に対してより正確に追従した推定を行えることが解る。
図9は、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法のガス温度分布の推定状況を示す図である。図9は、上記説明した本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法のガス温度分布の推定において、特にt=400におけるガス温度を炉内高さ方向の位置に関してグラフ化したものである。図9において、実線は本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法におけるガス温度の推定値を示し、破線は本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法を適用しない場合のガス温度の推定値を示し、鎖線が真値シミュレーションのガス温度の値である。図9では、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法におけるガス温度の推定値と真値シミュレーションのガス温度の値とが、略完全に一致しており、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法の正確さが示されている。
以上より、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法は、温度センサにより成形コークス製造設備1の炉内高さ方向の特定位置の温度情報を取得する測定ステップと、物理モデルにおけるパラメータを変化させて複数の物理モデルをメンバとする母集団を作成する母集団作成ステップと、複数の物理モデルによる炉内高さ方向の温度分布の予測値の加重平均を算出する加重平均算出ステップと、複数の物理モデルによる炉内高さ方向の温度分布の予測値と測定ステップによる炉内高さ方向の特定位置の温度情報との合致度を算出する合致度算出ステップと、合致度算出ステップにより算出された合致度を用いて、加重平均算出ステップが算出する加重平均の重みを更新する重み更新ステップとを含むので、限られた個数の温度センサによる温度測定から全体の炉内温度分布を推定することができることが示された。
さらに、本発明の実施形態に係る炉内温度分布の推定方法は、合致度算出ステップと重み更新ステップとを繰り返して、加重平均算出ステップが算出する加重平均の重みを逐次更新することが好ましい。
1 成形コークス製造設備
2 竪型乾留炉
3a 低温ガス吹き込み羽口
3b 高温ガス吹き込み羽口
3c 冷却ガス吹き込み羽口
3d 高温ガス吹き込み羽口
4 炉内ガス排出口
5 スプレータワー
6 ガスクーラー
7 電気集塵機
8a 安水用タンク
8b タール用タンク
9 高温ガス加熱炉
10 低温ガス加熱炉
12 装入口
13 排出口
100 炉内温度分布の推定装置
101 情報処理装置
102 入力装置
103 出力装置
111 RAM
112 ROM
112a 推定プログラム
113 CPU

Claims (3)

  1. 成形コークス製造設備の炉内高さ方向の温度分布を物理モデルに基づいて推定する炉内温度分布の推定方法において、
    温度センサにより前記成形コークス製造設備の炉内高さ方向の特定位置の温度情報を取得する測定ステップと、
    前記物理モデルにおけるパラメータを変化させて複数の物理モデルをメンバとする母集団を作成する母集団作成ステップと、
    前記複数の物理モデルによる炉内高さ方向の温度分布の予測値の加重平均を算出する加重平均算出ステップと、
    前記複数の物理モデルによる炉内高さ方向の温度分布の予測値と前記測定ステップによる炉内高さ方向の特定位置の温度情報との合致度を算出する合致度算出ステップと、
    前記合致度算出ステップにより算出された合致度を用いて、前記加重平均算出ステップが算出する加重平均の重みを更新する重み更新ステップと、
    を含むことを特徴とする炉内温度分布の推定方法。
  2. 前記合致度算出ステップと前記重み更新ステップとを繰り返して、前記加重平均算出ステップが算出する加重平均の重みを逐次更新することを特徴とする請求項1に記載の炉内温度分布の推定方法。
  3. 成形コークス製造設備の炉内高さ方向の温度分布を物理モデルに基づいて推定する炉内温度分布の推定装置において、
    温度センサにより前記成形コークス製造設備の炉内高さ方向の特定位置の温度情報を取得する測定手段と、
    前記物理モデルにおけるパラメータを変化させて複数の物理モデルをメンバとする母集団を作成する母集団作成手段と、
    前記複数の物理モデルによる炉内高さ方向の温度分布の予測値の加重平均を算出する加重平均算出手段と、
    前記複数の物理モデルによる炉内高さ方向の温度分布の予測値と前記測定手段による炉内高さ方向の特定位置の温度情報との合致度を算出する合致度算出手段と、
    前記合致度算出手段により算出された合致度を用いて、前記加重平均算出手段が算出する加重平均の重みを更新する重み更新手段と、
    を備えることを特徴とする炉内温度分布の推定装置。
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