JP4947958B2 - シーリング材施工用プライマー組成物 - Google Patents
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Description
そこで、近年は、目地周辺部の汚染が発生せず、耐熱性、耐候性、耐水性、塗装性にも優れるポリイソブチレン系シーリング材が、シリコーン系シーリング材に置き換われるものとして注目されつつある(以下、「ポリイソブチレン」を「PIB」と記載することがある)。
本発明は、かかる問題点を解決し、金属やガラス等の非多孔質被着体のみならず、アクリル電着塗料やフッ素樹脂塗料等で塗装された、いわゆる難接着性被着体に対しても、良好な接着性を有するシーリング材施工用プライマー組成物を提供しようとするものである。
また、本発明は、種々のシーリング材の中でも、特に今後耐候性が要求される用途への展開が見込まれるPIB系シーリング材に対して、良好な接着性を有するシーリング材施工用プライマー組成物を提供しようとするものである。
1.(A)加水分解性シリル基含有テレケリックアクリルポリマー100重量部と、
(B)ケイ素原子に結合した水酸基及び/又はアルコキシ基を含有するオルガノポリシロキサン化合物10〜1800重量部と、
(C)アミノ基含有シラン化合物10〜700重量部と、
(D)シラノール縮合触媒0.1〜700重量部とを、
(E)有機溶剤に溶解してなることを特徴とするシーリング材施工用プライマー組成物、
3.シーリング材が、ポリイソブチレン系シーリング材であり、非多孔質被着体が、フロートガラス板、アルミニウム板、アクリル焼き付け塗装鋼板、フッ素樹脂塗装鋼板、アクリル電着塗装アルミニウム板のいずれか一つであることを特徴とする、2.に記載のシーリング材施工用プライマー組成物、
である。
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
また、本発明のシーリング材施工用プライマー組成物によれば、種々のシーリング材の中でも、特にPIB系シーリング材に対して、良好な接着性を有するシーリング材施工用プライマー組成物が得られる、という優れた効果をも奏し得る。
[シーリング材について]
シーリング材は、使用されるポリマーの種類によって、ポリウレタン系、シリコーン系、変成シリコーン系、ポリイソブチレン系、アクリルウレタン系、ポリサルファイド系等の分類がなされる。これらは、化学的な架橋反応により硬化するものであるが、硬化反応の種類で分類すると、(1)イソシアネート硬化型として、ポリウレタン系、アクリルウレタン系およびポリサルファイド系が、(2)シラノール硬化型として、変成シリコーン系およびポリイソブチレン系が、(3)脱ヒドロキシルアミン硬化型としてシリコーン系がある。また、製品形態としては、現場にて基剤と硬化剤を混合して用いる2成分形シーリング材と、混合を要さず紙管カートリッジ等の形態で供給され、直接目地部に施工可能な1成分形シーリング材とがある。
これらのうち、2成分形ポリイソブチレン(PIB)系シーリング材の施工法について、一例を以下に示す。
基剤と硬化剤の混合後は、シラノール縮合触媒によって、PIBポリマーが有する加水
分解性シリル基が活性化され、加水分解性シリル基間の架橋反応によって硬化しゴム状のシーリング材組成物となる。
[(A)アクリル骨格を含有する加水分解性シリル基含有ポリマーについて]
本発明における(A)アクリル骨格を含有する加水分解性シリル基含有ポリマー(以下、「(A)アクリル含有ポリマー」と記載することがある)とは、その主鎖骨格がポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなり、かつその分子内に加水分解性シリル基を含有するポリマーを含有するポリマーをいう。
(A)アクリル含有ポリマーの主鎖骨格は、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体からなる。主鎖骨格を構成する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、特に限定されず、従来公知の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを用いることができる。
(A)アクリル含有ポリマーの分子量は特に限定されないが、数平均分子量が500〜500,000が好ましく、1,000〜100,000がより好ましく、2,000〜20,000が特に好ましい。
本発明における(A−1)加水分解性シリル基含有テレケリックアクリルポリマーとは、加水分解性シリル基を末端に有するビニル系重合体であって、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソブチル等)及び/又は(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル(例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル等)をビニル系重合体の必須な構成単位として合成されるものである。具体的には特開2004−59782号で提案されている、有機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する「原子移動ラジカル重合」により製造される硬化性樹脂が知られている。
(A−1)加水分解性シリル基含有テレケリックアクリルポリマーは市販されており、本発明ではそれらを用いることができる。市販品としては例えば、カネカ社製商品名;SA100S、SA310S、OR100S等が挙げられる。
本発明における(A−2)アクリル含有変成シリコーン樹脂とは、加水分解性シリル基含有ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステルポリマー(例えば、アルキルとしては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、ラウリル等)と、加水分解性シリル基含有ポリオキシアルキレンポリマー(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等の開環重合物)との混合物、あるいは加水分解性シリル基含有ポリオキシアルキレンポリマーの存在下で、(メタ)アクリル酸モノマー、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、加水分解性シリル基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー等を共重合せしめたものである。具体的には、特公昭45−36319号、
同46−12154号、同49−32673号、特開昭50−156599号、同51−73561号、同54−6096号、同55−82123号、同55−123620号、同55−125121号、同55−131022号、同55−135135号、同55−137129号の各公報等に提案されている一般に変成シリコーン樹脂と呼ばれる硬化性樹脂が含まれるが、特に限定されるものではなく、従来公知のポリマーが使用できる。
(A−2)アクリル含有変成シリコーン樹脂は市販されており、本発明ではそれらを用いることができる。市販品としては例えば、株式会社カネカ製商品名;S943、S911、MA440、MA447、MA903等が挙げられる。
本発明における(B)ケイ素原子に結合した水酸基及び/又はアルコキシ基含有オルガノポリシロキサン化合物(以下、単に「(B)オルガノポリシロキサン化合物」と記載することがある)は、たとえばその平均単位が式:
なお、(B)オルガノポリシロキサン化合物は、R2が水素原子の場合には水酸基を有することになり、R2がアルキル基の場合にはアルコキシ基を有することになるが、これら水酸基とアルコキシ基は、併存していてもよい。例えば、アルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン化合物が部分的に加水分解すれば、水酸基とアルコキシ基が併存することになる。
(B)オルガノポリシロキサン化合物の配合量は、(A)アクリル骨格を含有する加水分解性シリル基含有ポリマー100重量部に対して、10〜1800重量部が好ましく、より好ましくは30〜1600重量部とするのが適当である。10〜1800質量部の範囲を逸脱すると、いずれの場合もアクリル電着塗料やフッ素塗料等でコーティングされた被着体への接着性が低下する。
本発明に係るプライマー組成物に配合できる(C)アミノ基含有シラン化合物としては、公知の化合物を、本発明の効果を損なわない範囲内で使用できる。
具体例としては、としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルメチルジメトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルトリエトキシシラン、4−アミノ−3−ジメチルブチルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ナフチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−ナフチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(n−ブチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(n−ブチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−エチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−エチル−アミノイソブチルトリメトキシシラン、N−メチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−3−[アミノ(ジプロピレンオキシ)]アミノプロピルトリメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン等のアミノシラン化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの市販品としては、信越化学工業株式会社製商品名;KBE903、KBM903、KBM902、KBM9103、KBM602、KBE−603、KBM603、KBM−573、日本ユニカー株式会社製商品名;A−1170、A−link15等、Degussa−HulsAG製商品名;DYNASYLAN1189等が挙げられ、これらを使用することもできる。
本発明に係るプライマー組成物に配合できる(D)シラノール縮合触媒としては、公知の化合物を、本発明の効果を損なわない範囲内で使用できる。具体例としては、有機スズ化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機ビスマス化合物等の有機金属化合物、アミン化合物等の塩基性化合物、リン酸系化合物等の酸性化合物等が挙げられる。これらは一種単独または2種以上を併用してもよい。
なかでも、有機金属系化合物が入手のしやすさの点からも好ましく、具体的には、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレエート、ジブチルスズフタレート、オクチル酸第一スズ、ジブチルスズメトキシド、ジブチルスズジアセチルアセテート、ジブチルスズジバーサテート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズオキサイドとフタル酸ジエステルとの反応生成物等の有機スズ化合物、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、チタンアセチルアセトネート、トリエタノールアミンチタネート等の有機チタン化合物、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムモノアセチルアセテート等の有機ジルコニウム化合物を用いることが特に好ましい。
(E)有機溶剤としては、本発明に係るプライマー組成物を溶解させるためのものであり、(A)〜(D)成分に対する溶解性およびプライマーとしての塗布作業にあたっての濡れ性,揮発性、臭気等を考慮して選択される。このような有機溶剤の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、n-ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トリクロロエチレン、パークロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
これらの有機溶剤は単独もしくは2種以上の混合溶剤として使用される。このような有機溶剤は(A)〜(D)成分の混合物の粘度がプライマー組成物として十分使用できる粘度範囲である場合は必ずしも必要としないが、多くの場合本発明の組成物を溶解させ、プライマーとして実際の塗布作業に適した粘度と濃度に調整して使用されるのが有利であるため、その配合量は特に限定されず、任意量とされる。
本発明のプライマー組成物は、シーリング材用あるいは接着剤用のプライマー組成物として用いることができる。これらのなかでも、建築用シーリング材用プライマー組成物として好適に用いられ、例えば変成シリコーン系、ポリサルファイド系が挙げられるが、なかでもPIB系シーリング材用プライマー組成物として特に好適に用いられる。
[接着性試験]
調製されたプライマー組成物を、各種の被着体に刷毛で塗布し、常温乾燥後、2成分形ポリイソブチレン系シーリング材(コニシ株式会社製の「ボンド エクシールIB」/表中では「PIB」と表記)、2成分形変成シリコーン系シーリング材(コニシ株式会社製の「ボンド MSシール」/表中では「MS」と表記)、又は、2成分形ポリサルファイ
ド系シーリング材(コニシ株式会社製の「ボンド PSシール」/表中では「PS」と表記)を10mm厚となるように塗布し、23℃×3日間および50℃×4日間で養生硬化させた。次いで、該シーリング材塗膜の接着性を手で剥離することにより接着性を評価した。試験方法は、2004年度版建築用シーリング材ハンドブック(日本シーリング材工業会編)6.2.1(2)簡易接着性試験に準拠して行った。具体的には予め被着体の一部にセロハンテープを貼っておき、シーリング材の硬化後に手で180°の方向に引っ張り、シーリング材が凝集破壊又は薄層凝集破壊の場合(評価結果:○)は接着性が良好であると判断する。また、凝集破壊と界面破壊が混在する場合(評価結果:△)には、実用上問題ない場合もあるものの、好ましくない結果であると判断した。
フロートガラス板 … JIS,R,3202フロートガラス
アルミニウム板 … シルバーアルマイトアルミ
アクリル焼き付け塗装鋼板 … 焼き付け温度180℃
フッ素樹脂塗装鋼板 … 焼き付け温度160℃
アクリル電着塗装アルミニウム板 … 三協立山アルミニウム工業社製
・評価結果 ・・・ ○:シーリング材の凝集破壊又は薄層凝集破壊
△:シーリング材の凝集破壊又は薄層凝集破壊と界面破壊と
の混在
×:シーリング材と被着体間の界面で破壊
[実施例1]
撹拌翼付きの釜に、(A)アクリル含有ポリマーとして「SA100S(株式会社カネカ製;加水分解性シリル基含有テレケリックアクリルポリマー)」を3質量部、(B)オルガノポリシロキサン化合物として「FZ−3704(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)」を5質量部、(C)アミノ基含有シラン化合物として「KBM603(信越化学工業株式会社製;γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン)」を5質量部、(D)シラノール縮合触媒として「ネオスタンU−220H(日東化成株式会社製;ジブチルスズアセチルアセテート)」を0.01質量部、(E)有機溶剤としてイソプロピルアルコール40質量部、n−ヘキサン40質量部、メチルシクロヘキサン6質量部を仕込み、撹拌混合しプライマー組成物を得た。なお、(A)アクリル含有ポリマーは「SA100S」は、予め使用する溶剤の一部を用いて溶解分散させておき使用した。後の実施例に出てくる他の(A)アクリル含有ポリマーについても同様に使用する溶剤の一部を用いて溶解分散させておき使用した。
調製した当該プライマー組成物および2成分形ポリイソブチレン系シーリング材を用い、上記の接着性試験を行った。
実施例1における(D)シラノール縮合触媒「ネオスタンU−220H」0.01質量部に換えて、「ネオスタンU−220H」0.5質量部とし、さらに(E)有機溶剤の組成をイソプロピルアルコール30質量部、n−ヘキサン25質量部、酢酸エチル30質量部とした以外は、実施例1と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
[実施例3]
実施例2における(D)シラノール縮合触媒「ネオスタンU−220H」0.5質量部に換えて、「ネオスタンU−220H」0.5質量部および「ZC−540(松本製薬工業株式会社製;ジルコニウムモノアセチルアセテート)」5質量部とした以外は、実施例1と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。なお、ZC−540は製品中にトルエンを40−50%、1−ブタノールを10−20%含有するため、実施例に記
載の配合量はこれらの溶剤を含んだ量を記してある。
実施例1における(D)シラノール縮合触媒「ネオスタンU−220H」0.01質量部に換えて「ZC−540」6.5質量部とした以外は、実施例1と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。なお、有機溶剤組成を変更したのは、シラノール縮合触媒を変更したことに伴って溶解性を調整したものである。
[実施例5]
実施例2における(D)シラノール縮合触媒「ネオスタンU−220H」0.5質量部に換えて、「ネオスタンU−220H」0.5質量部および「B−1(日本曹達株式会社製;テトラ−n−ブチルチタネート)」5質量部とした以外は、実施例2と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
実施例1における(D)シラノール縮合触媒「ネオスタンU−220H」0.01質量部に換えて、「ネオスタンU−220H」0.5質量部および「B−1(日本曹達株式会社製;テトラ−n−ブチルチタネート)」15質量部とした以外は、実施例1と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
[比較例1]
実施例4における、(A)アクリル含有ポリマー「SA100S」を配合しなかった以外は、実施例4と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
実施例1における、(D)シラノール縮合触媒「ネオスタンU−220H」を配合しなかった以外は、実施例4と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
実施例1〜6および比較例1、2のプライマー組成物の配合および接着性試験の評価結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、本発明に係るプライマー組成物は、各種被着体に対して良好な接着性を示した。一方、本発明の構成要件である(A)アクリル含有ポリマーを欠くプライマー組成物(比較例1)では、難接着性の被着体に対して十分な接着性が得られなかった。また、(D)シラノール縮合触媒を配合しなかったプライマー組成物(比較例2)では、プライマー層の硬化が十分に進まないため、接着性試験において部分的にプライマー層の凝集破壊となり接着性が発現しなかった。
撹拌翼付きの釜に、(A)アクリル含有ポリマーとして「SA100S」を3質量部、(B)オルガノポリシロキサン化合物として「FZ−3704」を1質量部、(C)アミノ基含有シラン化合物として「KBM603」を5質量部、(D)シラノール縮合触媒として「ネオスタンU−220H」0.5質量部および「B−1(日本曹達株式会社製;テトラ−n−ブチルチタネート)」5質量部、(E)有機溶剤としてイソプロピルアルコール40質量部、n−ヘキサン40質量部、メチルシクロヘキサン6質量部を仕込み、撹拌混合しプライマー組成物を得た。
調製した当該プライマー組成物および2成分形ポリイソブチレン系シーリング材を用い、上記の接着性試験を行った。
実施例7における(B)オルガノポリシロキサン化合物「FZ−3704」1質量部に換えて、「FZ−3704」20質量部とした以外は、実施例7と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
[比較例3]
実施例5における(B)オルガノポリシロキサン化合物「FZ−3704」を配合しなかった以外は、実施例4と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
実施例7における(B)オルガノポリシロキサン化合物「FZ−3704」1質量部に換えて、「FZ−3704」0.1質量部とした以外は、実施例7と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
[比較例5]
実施例7における(B)オルガノポリシロキサン化合物「FZ−3704」1質量部に換えて、「FZ−3704」60質量部とした以外は、実施例7と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
実施例7における(B)オルガノポリシロキサン化合物「FZ−3704」1質量部に換えて「FZ−3704」5質量部とし、さらに、(C)アミノ基含有シラン化合物「KBM603」5質量部に換えて「KBM603」1質量部とした以外は、実施例7と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
[実施例10]
実施例9における(C)アミノ基含有シラン化合物「KBM603」1質量部に換えて「KBM603」15質量部とした以外は、実施例9と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
実施例5における(C)アミノ基含有シラン化合物「KBM603」を配合しなかった以外は、実施例5と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
[比較例7]
実施例9における(C)アミノ基含有シラン化合物「KBM603」1質量部に換えて、「KBM603」0.1質量部とした以外は、実施例9と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
実施例7〜10および比較例3〜7のプライマー組成物の配合および接着性試験の評価結果を表2に示す。
表2の結果から明らかなように、本発明に係るプライマー組成物は、各種被着体に対して良好な接着性を示した。一方、本発明の構成要件を欠くプライマー組成物(比較例3〜7)では、十分な接着性が得られなかった。
撹拌翼付きの釜に、(A)アクリル含有ポリマーとして「SA100S」を3質量部、(B)オルガノポリシロキサン化合物として「KC−89S(信越化学工業株式会社製)」を2.5質量部、(C)アミノ基含有シラン化合物として「KBM603」を5質量部、(D)シラノール縮合触媒として「ネオスタンU−220H」0.5質量部および「B−1」5重量部、(E)有機溶剤としてイソプロピルアルコール30質量部、n−ヘキサン25質量部、酢酸エチル30質量部を仕込み、撹拌混合しプライマー組成物を得た。
調製した当該プライマー組成物および2成分形ポリイソブチレン系シーリング材を用い、上記の接着性試験を行った。
実施例11における(D)シラノール縮合触媒「ネオスタンU−220H」の配合量を1.5質量部に換えた以外は、実施例11と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
[実施例13]
実施例11における(D)シラノール縮合触媒「ネオスタンU−220H」の配合量を5質量部に換えた以外は、実施例11と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
実施例11における(A)アクリル含有ポリマー「SA100S」並びに(D)シラノール縮合触媒「ネオスタンU−220H」を配合せず、さらに(E)有機溶剤の組成をイソプロピルアルコール40質量部、n−ヘキサン45質量部とした以外は、実施例11と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。なお、本配合は、特許文献1に記載された従来技術の構成に相当するものである。
比較例8において、さらに(D)シラノール縮合触媒として「ネオスタンU−220H」を1.5質量部加えた以外は、比較例8と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
実施例11〜13および比較例8、9のプライマー組成物の配合および接着性試験の評価結果を表3に示す。
表3の結果から明らかなように、本発明に係るプライマー組成物は、各種被着体に対して良好な接着性を示した。一方、特許文献1に記載された従来技術の構成に相当するプライマー組成物では、十分な接着性が得られなかった。
撹拌翼付きの釜に、(A)アクリル含有ポリマーとして「SA100S」を3質量部、(B)オルガノポリシロキサン化合物として「FZ−3704」1.25質量部および「PRX−413(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)」1.25質量部、(C)アミノ基含有シラン化合物として「KBM603」を5質量部、(D)シラノール縮合触媒として「ネオスタンU−220H」0.5質量部および「B−1」5重量部、(E)有機溶剤としてイソプロピルアルコール30質量部、n−ヘキサン25質量部、酢酸エチル30質量部を仕込み、撹拌混合しプライマー組成物を得た。
調製した当該プライマー組成物および2成分形ポリイソブチレン系シーリング材を用い、上記の接着性試験を行った。
実施例18における(B)オルガノポリシロキサン化合物「FZ−3704」1.25質量部および「PRX−413」1.25質量部を、「FZ−3704」2.5質量部に換えた以外は、実施例18と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
[実施例20]
実施例19における(B)オルガノポリシロキサン化合物「FZ−3704」の配合量を5質量部に換えた以外は、実施例19と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
実施例20における(D)シラノール縮合触媒「ネオスタンU−220H」0.5質量部および「B−1」5質量部を、「ZC−540」6.5重量部とし、さらに(E)有機溶剤の組成をイソプロピルアルコール40質量部、n−ヘキサン40質量部、メチルシクロヘキサン6質量部とした以外は、実施例20と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
実施例20における(A)アクリル含有ポリマー「SA100S」を配合しなかった以外は、実施例20と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
[比較例11]
実施例21における(A)アクリル含有ポリマー「SA100S」並びに(D)シラノール縮合触媒「ZC−540」を配合しなかった以外は、実施例21と同様にプライマー組成物を調製し、接着性試験を行った。
表4の結果から明らかなように、本発明に係るプライマー組成物は、各種被着体に対して良好な接着性を示した。一方、本発明の要件を欠くプライマー組成物では、十分な接着性が得られなかった。
(B)オルガノポリシロキサン化合物として「FZ−3704」を5質量部、(C)アミノ基含有シラン化合物として「KBM603」を5質量部、(D)シラノール縮合触媒として「ネオスタンU−220H」0.5質量部および「B−1」5重量部、(E)有機溶剤としてn−ヘキサン85質量部を仕込み、撹拌混合しプライマー組成物を得た。
[実施例22]
当該調製したプライマー組成物および2成分形ポリイソブチレン系シーリング材(表中では「PIB」と表記)を用い、上記の接着性試験を行った。
[実施例23]
当該調製したプライマー組成物および2成分形シリコーン系シーリング材(表中では「MS」と表記)を用い、上記の接着性試験を行った。
[実施例24]
当該調製したプライマー組成物および2成分形変成ポリサルファイド系シーリング材(表中では「PS」と表記)を用い、上記の接着性試験を行った。
表5の結果から明らかなように、本発明に係るプライマー組成物は、各種シーリング材を用いた場合においても、各種被着体に対して良好な接着性を示した。
Claims (3)
- (A)加水分解性シリル基含有テレケリックアクリルポリマー100重量部と、
(B)ケイ素原子に結合した水酸基及び/又はアルコキシ基を含有するオルガノポリシロキサン化合物10〜1800重量部と、
(C)アミノ基含有シラン化合物10〜700重量部と、
(D)シラノール縮合触媒0.1〜700重量部とを、
(E)有機溶剤に溶解してなることを特徴とするシーリング材施工用プライマー組成物。 - 非多孔質被着体に使用することを特徴とする、請求項1に記載のシーリング材施工用プライマー組成物。
- シーリング材が、ポリイソブチレン系シーリング材であり、非多孔質被着体が、フロートガラス板、アルミニウム板、アクリル焼き付け塗装鋼板、フッ素樹脂塗装鋼板、アクリル電着塗装アルミニウム板のいずれか一つであることを特徴とする、請求項2に記載のシーリング材施工用プライマー組成物。
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