JP4947835B2 - 無水物の安定化 - Google Patents

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Description

【0001】
本出願は01/13/99に提出して現在もまだ係属中の暫定的米国出願番号60/115,770の利点を請求するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は無水有機酸の色安定化に関する。より詳細には、本発明は、無水マレイン酸および他の無水物がそれらの製造、貯蔵および取り扱い過程中に長期間に渡って高温に保持された時に起こす色の安定化に関する。その目的で本明細書に教示する安定化方法および組成物は、従来技術の組成物および方法に比べて安定化処理レベルが低くても大きな色安定化を与える今までにま見られなかった相乗効果を提供するものである。
【0003】
(背景)
カルボン酸の無水物はいろいろな産業で原料として重要であり、最終使用者はそのような材料を個々の無水物および意図した使用に応じて典型的には固体形態または溶融形態のいずれかで入手することができる。アクリル酸、酢酸、こはく酸、フタル酸およびマレイン酸の無水物がそのような材料の中のほんの5例であり、そのような種類の無水物は全体が化学技術の技術者に良く知られている。
【0004】
大部分の無水有機酸は、それらを最初に製造して精製した直後には外観が無色ではあるが、高温に長期間、或は場合によりある程度の時間貯蔵されると色を持つようになるか或は色を発することが分かっている。そのような材料が色を発する正確な反応機構は各場合とも組成に伴って変わり、本発明者は如何なる特別な理論でも範囲を限定することを望むものでないが、存在する痕跡量の不純物が酸化、連成、重合を起こすか或は他の様式でそれら自身または存在する他の不純物分子または当該不純物自身と反応すると推測され得る。また、そのような不純物が当該無水物の酸化またはそれ自身の反応の触媒として働き得る可能性もある。そのような機構に関係なく、前記材料が色を発することは一般に不純物が存在していてそれらに関連した反応および/または酸化が起こったことを示している。
【0005】
製造工程における品質管理が厳格になるにつれて、一般に、化学原料に存在する少量の不純物および他の物理的属性、例えば外観など(これらは過去においてしばしば見落とされていた)により大きな注意が払われるようになってきた。使用者に供給する原料の品質が一貫していることが原料供給業者にとって益々重要な要求になって来ている。従って、所定原料の安定性をいくらかでも向上させることが出来れば当該材料の使用者およびそれから生じさせる製品にとって有益であると考える。従って、無水カルボン酸に添加可能でそれが通常の取り扱いおよび処理中に通常さらされる温度に保持された時にその材料内で起こる化学反応を色変化が長期間に渡って最小限である度合にまで有効に抑制する化学材料または系を提供することが出来れば、それによって著しい利点が得られるであろう。
【0006】
いろいろな有機分子を安定にする技術が見いだされた時期は、恐らく、樽にワインを充填する前に樽の中で硫黄のロウソクを燃焼させるとエタノールが水溶液に存在する不純物が触媒作用を及ぼす酸化に対して安定になることを1500年代に見いだした時点よりも早い時期にさかのぼるであろう。その時から公知有機分子の数および種類が劇的に多くなった。多様な材料に関連して用いるに有用な安定化用添加剤の数が多くなったことに付随して公知有機分子の数も多くなり、そのことから、本明細書で処理を受けさせるべき材料の数および種類はあまりに多大である。しかしながら、近年、無水カルボン酸の安定化に向けた出版物が数多く出版された。
【0007】
産業で特に重要な1つの主要な無水カルボン酸は無水マレイン酸である。この材料は、少しではあるが挙げると、完成ファイバーグラス製品の製造を包含する多様な産業で用いられる有用な化学製品の原料、無水ポリイソブチレンこはく酸(「PIBSA」)を基とするモーターオイルおよび火花点火燃料の分散剤を生じさせる時に用いられるポリイソブチレンとのグラフトコポリマー、そしていろいろな多機能もしくは高度に工学処理された共重合体を製造する時の共重合用単量体として幅広く用いられている。
【0008】
無水マレイン酸の製造は数十年に渡って知られている方法を用いて幅広く多様な原料から出発して実施可能である。この材料は典型的に炭化水素の接触酸化で製造されており、このような接触酸化は、気体状の炭化水素を酸素の存在下で適切な触媒材料の上に通すことを伴う。無水マレイン酸を生じさせる時に用いることができる炭化水素の数は多大であるが、最も近代的な無水マレイン酸製造は、炭素原子を1分子当たり4個含む炭化水素原料を基にした製造である。好適な触媒系は元素であるバナジウムと燐の混合酸化物を含んで成る系であり、それらの製造は、触媒調製中に金属の酸化状態を注意深く調節しそして次にアニーリングまたは他の処理を伴わせるいろいろな独占および特許方法を用いて行われている。無水マレイン酸の製造で用いるに有用な方法および触媒の例が下記の米国特許に具体的に示されている:3,832,359;4,111,963;4,149,992;4,276,222;4,253,988;4,304,723;4,337,174;4,359,405;4,501,907;4,515,973;4,528,280;4,562,268;4,567,158;4,632,915;4,670,415;4,560,674;4,855,459;5,137,860;5,168,090;5,185,455;5,275,996;5,364,824;5,617,208;5,631,387;5,641,722;5,734,066および5,773,382[これらの内容ばかりでなく各々に参考文献として引用されている特許の内容は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる]。そのような方法を用いて生じさせたままの無水マレイン酸は副生成物である他の有機酸もしくは無水物、色原体、一酸化炭素、二酸化炭素および水などを含有している可能性がある。精製を受けさせる前の粗無水マレイン酸は水のように白色ではなく色が着いている可能性があり、それに精製を受けさせて実質的に無色の材料にすることは可能であるが、本明細書の上に記述したように貯蔵すると一般に色が現れる。これは、少なくともある程度であるが、製造業者の観点から貯蔵する無水マレイン酸を約60から70℃の範囲の温度に維持するのが便利なことによる。そのような高温にすると、有機分子間で着色物形成反応(colorant−forming reactions)を包含する数多くの反応が起こり易くなる。従って、作業者は、無水有機酸の色安定化で用いるに有用な改良色安定化向上用添加剤組み合わせもしくは系を絶えず探求している。
【0009】
添加剤もしくは系は、当該無水物が他の様式で色を発する原因になる反応を抑制すべきであることに加えて、また、酸無水物の物性に如何なる度合でも影響を与えてはならずかつ当該無水物を原料として用いる最終使用者が用いる方法(1種または2種以上)も使用も決して妨害してはならない。従って、極めて低い濃度で効果を示す材料または系が最も望ましい。
【0010】
Boyer他の米国特許第3,975,408号に、ジカルボン酸、特に無水マレイン酸の色安定化の改良が開示および請求されており、そのような改良は、チタン、ジルコニウム、コバルト、ニッケル、ルテニウム、バナジウム、クロム、マンガン、水銀、ケイ素、燐、ビスマス、アンチモン、鉛、セリウムおよび硫黄を包含する遷移元素のハロゲン化物から選択した化学作用剤を添加することを含んで成る。このような処理のレベルは当該無水物の全重量を基準にして約0.01から1,000ppm(parts per million)(重量)の範囲である。
【0011】
Samans他の米国特許第3,985,776号に、第一錫化合物、例えば塩化第一錫および脂肪族モノカルボン酸の第一錫塩などを用いて無水マレイン酸を安定にすることが教示されている。この処理のレベルは無水マレイン酸の重量を基準にして約1から2,000ppmの範囲である。
【0012】
Samans他の米国特許第3,998,854号には、トリチオホスファイトを無水マレイン酸の色安定化で用いられる安定化用添加剤として用いることが挙げられており、特にそれに関して亜燐酸のトリアルキル誘導体を無水マレイン酸の重量を基準にして1から2,000ppmの範囲の濃度で用いるのが有効であるとして開示されている。
【0013】
Schiaraffa他の米国特許第4,062,874号には、無水マレイン酸の安定化で4,4’−ジ(ヒドロキシフェニル)アルカンまたは4−アルキルフェノールを用いる使用が教示されている。開示されている濃度レベルは無水物の全重量を基準にして1から200ppmの範囲である。
【0014】
Kuhlmann他の米国特許第4,358,600号には、老化後の色特性が向上した無水マレイン酸を製造する方法が開示されており、この方法は、精製(rectification)過程で蒸留を受けさせる前の粗無水マレイン酸に存在する着色体に金属塩化物を触媒として用いた重合をで受けさせることを含んで成る。
【0015】
Cottmanの米国特許第4,446,264号には、無水マレイン酸またはそれの酸もしくはエステルとチオールを反応させることで生じさせた抗酸化剤の混合物が挙げられており、それらはそれらをフェノール系抗酸化剤と一緒に組み合わせた時に相乗効果を示しかつ重合体、潤滑剤よび油の安定化で用いるに有用であると主張されている。
【0016】
Spivac他の米国特許第4,547,539号には、無水置換こはく酸をポリオレフィンおよびゴム用の安定剤として用いることが教示されている。
【0017】
Lim他の米国特許第4,590,301号には、ある系列の置換フェノールおよびキノノイド化合物がアクリル系および他の単量体の重合抑制剤として用いるに有用であるとして開示されている。
【0018】
Kwon他の米国特許第5,319,106号には、無水マレイン酸に精製を受けさせる前にフェノチアジンを禁止剤として用いて粗無水マレイン酸から残存するアクリル酸を除去する方法が開示されている。
【0019】
この上に引用した特許[これら(各々に引用されている特許を包含)は各々引用することによって本明細書に組み入れられる]の各々は、無水有機酸が周囲温度より高い温度に長期間保持された時に生じる色の発生を防止することに関して望ましい特性をいろいろな度合で示しはするが、各々がそれに関連した欠点を1つ以上持ち、そのような欠点には処理レベルが比較的高いこと、コストが比較的高いこと、使用が厄介なこと、毒性があることなどが含まれる。無水有機酸のサンプルを色安定化に関して評価する目的で、一定分量のサンプルを適切な容器、例えばビーカー、試験管または便利な容量、一般に約50から250ミリリットルの範囲の類似した通常容器に入れるが、この用いるサンプルの量は約25から約100ミリリットルの範囲であり得る。前記容器とそれの内容物を温度を一定にした場所に指定時間置く。1つの好適な方法は、元素状金属(metallic element)または金属合金のブロックを用いて、これに各々の直径が評価を受けさせるべきサンプルを入れる容器の外側直径に比べてほんの僅かに大きい複数の穴を少なくとも当該容器に入れる無水物のレベルの深さにまるまで開けておくことを伴う。前記ブロックの温度を前記サンプルをさらすに望ましい温度に外部手段でか或はより好適には内部加熱手段、例えば抵抗コイルなどで持って行く。別の好適な方法は、試験を受けさせるべきサンプルを入れた容器を一定の温度で撹拌されている浴液、例えばオイルバスなどに指定時間入れておくことを伴う。このような熱応力処理を受けさせた後のサンプルの色を観察して、それを未処理のサンプルまたは標準的チャート(chart)などと比較して数値を記録する。
【0020】
色安定化に関する評価の目的で所定の有機無水物サンプルをさらす時に普遍的に受け入れられているIUPACも相当する温度/時間プロファイル標準も現在のところ全く存在しない。いろいろな国および地域がそのようなプロファイルを採用している理由は、むしろ、それらの各々が主に歴史的実験観察を基にしてそれら自身に最も適合すると見なしていることによる。例えば、米国およびヨーロッパの一部では無水マレイン酸のサンプルに色安定化に関する試験を140℃で2時間受けさせており、受け入れられる色の仕様はAPHA色に関係している。しかしながら、アジアの大部分の製造業者は、当該無水物を約180から185℃の範囲の温度に約13から15分の範囲の時間さらす方を好んでいる。これは、一般に、産業的に製造された無水有機酸のサンプルはこれを低い方の温度に保持した時に比較して温度が高い方の条件下の方が色変化がより急速に起こる傾向があることに当てはまる。これに関して、試験温度を高くすればするほど迅速に結果を得ることができる。
【0021】
有機液の色を測定する手段が数年に渡っていろいろな規模で提案されてきた。American Public Health Asssociation(本明細書では以降「APHA」)は色合致(color−matching)試験を開発し、いくつかの製造業者および消費者が前記試験は便利であると認識している。このような規模は本技術分野で良く知られていて、いろいろな化学材料がどれぐらいのオフカラー(off−color)を示すかを報告する時にしばしば用いられている。標準を用いて単に液体の色を一連の黄色もしくは黄色−褐色標準と比較する。このような試験の結果は「Hazen」単位として知られる単位で報告され、そのような単位の使用はいろいろな技術で良く知られている。特に明記しない限り、本明細書に無水物材料の色に関して報告するデータは全部Hazen値で表したデータである。
【0022】
(発明の要約)
本発明は高い度合の耐変色性(discoloration resistance)を示す無水有機酸生成物に関する。カルボン酸の酸ハロゲン化物とヒドロキシカルボン酸(好適な態様では炭素原子数が1分子当たり2から16の範囲)の誘導体を含んで成る添加剤と無水有機酸の混合物から本発明に従う無水有機酸生成物を生じさせる。前記ヒドロキシカルボン酸の誘導体は酸自身または塩、エステル、または他の酸誘導体であり得る。本発明の別の態様では、また、ヒドロキシカルボン酸の2種以上の誘導体を含有させた組み合わせを用いることも可能である。本発明に従う前記態様に従って安定化を受けさせる無水物に、場合により追加的に、有機もしくは無機アニオンのいずれかを有する遷移金属塩、または無機および/または有機アニオンを有する複数のいろいろな遷移金属塩を含有させることも可能である。
【0023】
本発明は、また、そのような安定化を受けさせた無水有機酸組成物を製造する方法にも関し、この方法は、前記組成物に含めるいろいろな成分の混合物を有機無水物に入れることを包含する。そのような混合の結果として生じる無水物生成物は、特に、これを周囲温度または高温で長期間に渡って貯蔵した時の経時的色変化に関して安定である。そのような無水物に添加する添加剤の量はppmの範囲である。
【0024】
この直ぐに利用できる発明を実施する時、無水有機酸を準備した後、本明細書に教示する相乗添加剤を前記無水物に指定量で添加する。この無水物は、好適には、均一な混合が助長されるように溶融状態または液体状態であるが、必ずしも絶対的には必要でない。例えば、周囲温度で固体である無水物の場合、本明細書に教示する添加剤を有効な色安定化量(color−stabilizing amount)で含んで成る組成物は、当該無水物の固体状ペレット、固まり、ブリケットまたは他の固体状塊を粉じんにする可能性がある。周囲温度で通常は固体状である無水物の消費者はほとんど全部がそのような材料を最終的な使用で用いる前にそれを液体状態にすることから、粉じん被膜(dust coating)は溶融時にそのような溶融させた物質の塊の中に容易に取り込まれるであろう。
【0025】
この直ぐに利用できる発明で教示する組成物をこれが無水有機酸が起こす色発生反応(color−forming reactions)を抑制する能力に関して記述するが、本組成物は同様な出発材料から同様な生成物を生じさせるか或は同様な生成物が同様な貯蔵条件にさらされる場合にはそのような他の材料および系でも等しく良好に機能し得ることは容易に予測され得るであろう。そのような他の材料には、望ましくない度合の変色を起こすことが有機化学技術分野の技術者に知られている全ての有機分子が含まれ得る。
【0026】
本発明に従う安定化を受けさせることができる有機無水物には、これらに限定するものでないが、加水分解時に1分子当たりの炭素原子数が1から16の範囲の有機酸を生じる無水物が含まれ、それらの例は無水酢酸、無水こはく酸、無水マレイン酸および無水フタル酸である。
【0027】
(詳細な説明)
本発明に従う最終的な組成物を生じさせる時に用いる添加剤系にカルボン酸の酸ハロゲン化物とヒドロキシカルボン酸の金属塩を含めるが、それらを無水有機酸生成物に単独でか或は本明細書に教示する他の添加剤と組み合わせてppmのレベルで添加する。本発明の好適な形態における金属塩は遷移金属塩であり、そして前記酸ハロゲン化物と遷移金属を当該無水物に好適には前記無水物が液体状態の時に添加する。
【0028】
典型的には、市販の無水有機酸に本分野の技術者に公知の手段を用いた蒸留で精製を受けさせる。新しく蒸留した混ぜ物なしの無水物が色変化を起こし易いことを説明する目的で、新しく蒸留した混ぜ物なしの無水マレイン酸(「MAA」)のサンプルを商業的生産プラントから取得して65℃で5日間貯蔵した。HF Scientific,Inc.(3170 Metro Parkway、Fort Meyers、Florida)から入手可能な「Lovibond TintometerモデルPFX 990」(この装置を用いて本明細書に示すいろいろな表に挙げる他の全てのHazen値データを集めた)を用いてAPHA色を測定した。また、同じ材料のサンプルに140℃で2時間および182℃で1時間の熱応力試験条件を受けさせた。表Iに、貯蔵したままの材料のデータそして上述した熱応力条件を受けさせた後のデータを挙げる。このようなデータから、混ぜ物なしのMAAは中程度の温度でも色変化を非常に受け易くかつ温度がより高くなると極めて色変化を受け易いことは明らかである。同じことが他の有機酸および無水物、特に周囲温度で固体の有機酸および無水物にも当てはまることが分かるであろう。
【0029】
【表1】
Figure 0004947835
【0030】
酸ハロゲン化物成分
商業的に生産されている無水酸の変色を防止する時に用いる目的で調べた一群の添加剤はカルボン酸の酸ハロゲン化物である。カルボン酸の酸ハロゲン化物(アリールおよびアシルハライド類を包含)は本技術分野で良く知られていて、高品質の大学レベルの有機化学教科書に記述されており、その一例は“Introduction to Organic Chemistry”StreitweiserおよびHeathcock,著第2版MacMillan Publishing Company,New York(1981)(これの内容は全体が引用することによって本明細書に組み入れられる)の517頁以降である。酸ハロゲン化物は、カルボン酸(本分野の技術者はカルボン酸を時にはまた「有機酸」とも呼ぶ)と適切なハロゲン化剤(halogenating agent)、例えば燐の三塩化物および五臭化物またはハロゲン化チオニル、例えば塩化チオニルまたは臭化チオニルなどの間の反応生成物である。酸ハロゲン化物を生じさせる時、カルボン酸官能のヒドロキシ基がハロゲン原子、通常は塩素または臭素に置き換わる。従って、この直ぐに利用できる明細書および添付請求の範囲の目的で、言葉「酸ハロゲン化物」は、カルボキシル官能を少なくとも1つ有するカルボン酸とハロゲン化剤(これには、これらに限定するものでないが、五塩化燐または塩化チオニルが含まれる)の反応生成物(結果として、カルボキシル炭素原子のカルボン酸官能が有するヒドロキシ基がハロゲン原子、例えば塩素原子などに置き換わっている)を意味する。前記ハロゲン化剤およびN−ブロモスクシニミドの如き他のハロゲン化剤も本分野の技術者に公知であり、本明細書および添付請求の範囲の目的で、ハロゲン化剤は、酸ハロゲン化物を生じさせる場合のように他の異なる分子の中に取り込まれ得るハロゲン原子を与え得る分子を意味する。酸ハロゲン化物は加水分解を受けるとカルボン酸とハロゲン化水素を生じる。使用する酸ハロゲン化物は、好適には、加水分解を受けた時に1分子当たりの炭素原子数が1から25の範囲[この範囲に存在する全ての炭素原子数(整数)を包含]の有機酸をもたらす酸ハロゲン化物である。典型的な酸ハロゲン化物には塩化ホルミル、塩化アセチル、塩化フタロイル、塩化スクシニルおよび塩化マレイルが含まれる。
【0031】
この直ぐに利用できる発明で用いるに適した酸ハロゲン化物には、これらに限定するものでないが、米国特許第3,903,117号[これの内容は全体が引用することによって本明細書に組み入れられる]に挙げられている酸ハロゲン化物を包含する公知の酸ハロゲン化物全部が含まれ、それらには、1分子当たりの炭素原子数が2から20の直鎖もしくは分枝カルボン酸のアシルハライド類、例えば塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化ブチロイルなどが含まれる。また、二酸から誘導されたアシルハライドも本発明で用いるに有用であり、それらには、これらに限定するものでないが、例えば塩化オクザリル、臭化オクザリル、塩化マロニル、塩化スクシニル、臭化スクシニル、一塩化マレイル、二塩化マレイル、臭化マレイル、塩化フタロイル、臭化フタロイル、塩化ベンゾイル、塩化テレフタロイル、臭化サリシリルなどが含まれる。ジカルボン酸の場合、必ずしも全てのカルボン酸官能がハロゲン原子に置き換わっている必要はない。これに関して、本明細書では、二酸の一ハロゲン置換誘導体、三酸の一ハロゲン置換または二ハロゲン置換誘導体などが有用であるとして示し、本明細書および添付請求の範囲の目的で酸ハロゲン化物の定義に入る。また、公知のあらゆるアリールハロゲン化物も酸ハロゲン化物として用いるに有用である。この使用における塩化フタロイルの有効性を表IIに示すデータで説明し、この表に、塩化フタロイルを約9ppmのレベルで含有させたMAAの2サンプルに関して実施した色安定性試験の結果を挙げる。
【0032】
【表2】
Figure 0004947835
【0033】
塩化フタロイルを9.0ppm存在させると用いた試験条件下でMAAが暗色になる度合が有意に抑制されることはサンプル1および2が示したHazen値から明らかである。しかしながら、前記サンプルに182℃の試験を受けさせた時の方が暗色になる度合が大きいことは明らかである。
【0034】
酸ハロゲン化物、例えば塩化フタロイルなどを含有させたMAAに化学化合物の特定組み合わせを添加するとこのような化合物のいずれかを単独でMAAに添加した時に比較してMAAが変色する傾向が大きな度合で低下すると言った相乗効果がもたらされることを徹底的な実験で予想外に見いだした。これに関してそのように有用であることを見いだした化合物はヒドロキシカルボン酸の誘導体であり、このような誘導体には特にそれらの金属塩およびエステルが含まれる。従って、そのように相乗性が存在することを見いだしたことから、本発明に従って色安定化を受けさせるべき有機無水物に添加する必要がある酸ハロゲン化物の量は少量のみである。本発明に従う組成物を生じさせる時に用いる酸ハロゲン化物の量は、当該無水物生成物の全重量を基準にして典型的に0.000001%から1.000000%の範囲(この範囲に存在する全ての増分0.000001%を包含)である。本発明に従って生じさせる生成物に存在させる酸ハロゲン化物の量は、一般的な意味で、当該無水物生成物がこの無水物の融点より少なくとも10℃高い温度より高い温度にさらされた時に前記生成物が起こす色変化を抑制するに有効な量である。
【0035】
ヒドロキシカルボン酸およびそれらの誘導体
この直ぐに利用できる明細書および添付請求の範囲で用いる如き用語「ヒドロキシカルボン酸」は、カルボン酸官能を分子構造中に1つ以上含みかつカルボン酸の炭素原子以外の炭素原子に結合しているヒドロキシ基を分子構造中に少なくとも1つ含む有機化合物を意味する。そのような化合物は本技術分野で良く知られており、それらには、これらに限定するものでないが、グルコン酸、グルコヘプトン酸(glucoheptonic acid)、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシプロピオン酸(a.k.a.「プロパン酸」)、ヒドロキシ酪酸、グリコール酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、2,3−ジヒドロキシプロピオン酸、3,4−ジヒドロキシグルタル酸、3,4,5−トリヒドロキシグルタル酸、ウロン酸、例えばD−グルクロン酸など、アルドン(グリコン)酸、アルダル(グリカル)酸およびケトアルドン酸などの如き酸が含まれる。この幅広い一般的種類の材料の数多くの員は炭水化物、例えばグルコース、グリセルアルデヒド、エノース、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソースなどから誘導され得るが、それらが全部本分野の技術者に公知の手段でカルボン酸に酸化され得るアルコールまたはアルデヒド官能を有する(他の官能基が存在していることに関係なく)ことを条件とする。また、ポリヒドロキシカルボン酸、即ちヒドロキシが分子中に2つ以上存在するカルボン酸も前記定義の範囲内に含まれる。また、性質が芳香族のヒドロキシカルボン酸そしてカルボン酸官能を1分子当たり2つ以上有するそのようなヒドロキシカルボン酸も前記定義に包含され、本発明の文脈内で添加剤として用いるに適切である。そのような酸またはそれらの誘導体を含んで成る分子には下記が含まれる:
【0036】
【化4】
Figure 0004947835
【0037】
[ここで、R1、R2は、各々独立して、カチオン種、水素、C1からC12の直鎖、分枝もしくは環状アルキル、C1からC12の直鎖、分枝もしくは環状アルケニル、置換もしくは未置換フェニルから成る群から選択され、そしてR3は、水素、C1からC12の直鎖もしくは分枝アルキル、置換もしくは未置換フェニルから成る群から選択され、そしてaは、1から4の範囲のいずれかの整数である]
そしてそれらのあらゆる異性体(位置、構造または立体異性体であるかに拘わらず)。化学分野の技術者に公知の他の置換基が芳香環に付いていても構わない。
【0038】
本明細書および添付請求の範囲の目的で、言葉「ヒドロキシカルボン酸の誘導体」は、縮合生成物、イオン種、エステル、配位化合物、エーテル、アルドール、アルデヒド、ラクトン、アセタール、ヘミアセタール、ケタール、付加体、グラフト共重合体などである全ての有機化合物、またはヒドロキシカルボン酸から直接誘導可能な有機化合物を意味する。ヒドロキシカルボン酸の一般的誘導体には、これらに限定するものでないが、金属塩、アミン類(ニトリルの還元による)、アミド類、イミド類、アルコール類(還元による如き)、ニトリル類(親酸から誘導されるアルキルハライドの求核置換による)、ハロゲン化アルキルおよびアンモニウム塩が含まれ、そして有機化学の技術者に公知の他のヒドロキシカルボン酸誘導体もこの定義内に入る。
【0039】
本発明に従う「塩」は、化学者が塩であるとして一般的に認識する種類の化合物を意味し、それらには金属塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、または電荷均衡を維持するに有効なように電荷を分子に供与し得る他の如何なるイオン種(公知の錯体および錯体イオンの全部を包含)が含まれる。また、フェノールのプロトン(これの反応性は本分野の技術者に良く知られている)が芳香環に存在している場合のように化学的に起こり得る時には有機酸のカルボキシル官能が有するプロトンの反応で生じる塩ばかりでなくヒドロキシ基のプロトンの反応で生じる塩も塩に含まれる。即ち、フェノールまたはそれの公知誘導体に存在する酸性プロトンはアルカリ性ナトリウムを持つ物質と極めて容易に反応を起こしてナトリウムフェノラートを生じることは良く知られている。本発明で用いるに適したヒドロキシカルボン酸誘導体(単に本発明を例示する目的であり、限定する目的でない)は、エチル没食子酸モノ、ジもしくはトリナトリウム(または遷移金属、ランタニド類またはアクチニド類のいずれも包含する他の任意金属種)塩であろう。他の場合、例えばヒドロキシ基を持つ炭素原子に隣接する炭素原子に電子求引基もしくは原子、例えばハロゲン原子などが結合している場合などでは、ヒドロキシ基のプロトンが塩生成部位を与えるに充分なほどの酸性度を示す可能性がある。従って、芳香族ヒドロキシプロトンの反応で生じるヒドロキシカルボン酸塩も本明細書および添付請求の範囲の目的でヒドロキシカルボン酸誘導体の定義の範囲内に含まれる。ある典型的化合物は、これらに限定するものでないが、2−クロロ、3−ヒドロキシ、ベンジルプロピオン酸のナトリウム塩である。本発明に従う生成物を生じさせる時にヒドロキシカルボン酸の誘導体である塩を用いる場合、そのような塩を当該無水物生成物の全重量を基準にして約0.000001%から1.000000%の範囲(この範囲に存在する全ての0.000001%増分を包含)の量で存在させる。本発明に従って用いるに有用な典型的塩には、ヒドロキシカルボン酸の金属塩が含まれ、そのような金属塩には銅塩、亜鉛塩、ニッケル塩、錫塩、鉄塩、コバルト塩およびアンモニウム塩が含まれる。
【0040】
本明細書および添付請求の範囲で用いる如き用語「金属」は遷移金属の全部を意味しかつ全てのアルカリ金属、全てのアルカリ土類、全てのIII族金属、ランタニド類の全部およびアクチニド類の全部を包含する、と言うのは、そのような元素は化学技術の技術者に金属であると一般に認識されているからである。
【0041】
本発明に従う生成物を生じさせる時に用いるヒドロキシカルボン酸の誘導体を、一般的な意味で、炭素原子を1分子当たり2から25個の数の範囲[この範囲に存在する全ての炭素原子数(整数)を包含]で含むヒドロキシカルボン酸から誘導する。本発明に従って生じさせる生成物を生じさせる時に用いるヒドロキシカルボン酸の選択した誘導体の各々の量は、前記無水物生成物が当該無水物の融点より少なくとも10℃高い温度より高い温度にさらされた時にこの生成物が起こす色変化を抑制するに有効な量である。本発明に従う組成物を生じさせる時に用いるヒドロキシカルボン酸の選択した誘導体の各々の量(用いることを望むヒドロキシカルボン酸の誘導体が1種類のみであるか或は2種類であるか或は3種類であるかに拘わらず)は、当該無水物生成物の全重量を基準にして好適には0.000001%から1.000000%の範囲(この範囲に存在する全ての増分0.000001%を包含)である。この量は、より好適には、0.10ppmから5.00ppmの範囲(この範囲に存在する全ての1/100ppmを包含)である。
【0042】
本発明に従う無水物生成物を生じさせる時にヒドロキシカルボン酸の誘導体を2種類以上用いることを望む時には各誘導体を好適には無水物生成物が182℃の温度に1時間さらされた時に示すHazen値が50未満であるに有効な量で存在させる。そのような量は、典型的に、当該無水物生成物の全重量を基準にして約100ppb(parts per billion)から1000ppmの範囲(この範囲に存在する全ての増分ppbを包含)である。しかしながら、そのような量はより好適には5.0ppm未満であり、0.5ppmが更により好適である。
相乗組成物
見いだした効果を説明する目的で、グルコン酸銅(II)と3,5−ジイソプロピルサリチル酸銅(II)(「3,5−DIPS」)の各々を塩化フタロイルと組み合わせて表IIIに挙げる如き量でMAAに添加する。このような化合物の各々を単独で用いた時にこれらがMAAが試験条件下で暗色になる度合を抑制することに関して示す能力は僅かのみであることがサンプル3および4のデータから分かるであろう。しかしながら、サンプル5、6、7および8の場合のように塩化フタロイルと組み合わせた時にそのような組み合わせが相乗効果を示すことは明らかである。サンプル5から8が変色抑制の達成に要した処理レベルが非常に低いことは非常に注目すべきことであり、その結果として、そのような組み合わせは今まで入手可能であった系に比べて無水有機酸、特にMAAの製造業者および使用者両方の観点から特に有利である。
【0043】
【表3】
Figure 0004947835
【0044】
本発明に従う安定化を受けた無水物組成物を製造する好適な方法は、当該酸無水物にこの無水物が溶融状態の間に遷移金属塩と酸ハロゲン化物を添加することを包含する。無水マレイン酸の場合にMAAを前記添加中に維持する好適な温度は、それのほぼ融点からこの融点より50℃高い温度の範囲の温度であり、前記融点より15℃高い温度が最も好適である。他の無水物の場合にも、そのようにそれの融点より約15℃高い温度を同様に適用することができる。この直ぐに利用できる安定系(stabilization system)に含める成分を添加する好適な順は存在しないが、粉末状の添加剤成分が溶融時に塊を形成しないようにするのが好適である。この目的で、そのような材料を微粉末形態で存在させてそれを添加する液状の無水物全体に渡って均一に分散させるのが最も好適であり、例えば作業原理がパン焼き用小麦粉をふるいにかける時に用いられるそれに類似したふるいを用いることなどでそれを行うのが最も好適である。
【0045】
サンプル3から8の調製では前記銅塩と酸ハロゲン化物を65℃で溶融させたMAAに直接添加した後、結果として生じた溶液が均一になることを確保するに充分な混合を行った。塩化フタロイルと銅塩の両方を含有させたサンプル(表IIIに示した)では最初に塩化フタロイルを添加した。しかしながら、塩化フタロイルを添加する前に銅塩を添加することで安定化を受けたMAAの最終サンプルで観察される変色抑制にも注目すべき差がないことが観察される。
【0046】
個々の添加剤もしくは添加剤組み合わせを所望結果の達成に必要な量のみ用いる方が経済性の観点から望ましく、いくらかでも過剰量は一般に無駄であると見なされる。このような一般的規則の観点から、塩化フタロイルを9.0ppm含有させたMAAの色安定化に有効なグルコン酸第二銅の最適量を決定する方が望ましかった。従って、各々に塩化フタロイルを9.0ppm含有させた2つの異なるMAAサンプル(サンプル9および13)にグルコン酸第二銅を用いた処理を以下の表IVに示す如きいろいろなレベルで受けさせ、表IVにまた熱による色安定性試験の試験結果も挙げる。
【0047】
【表4】
Figure 0004947835
【0048】
サンプル13のロットとは異なるロットから作成したサンプル9のより大きな部分からサンプル10、11および12を作成し、そしてサンプル13からサンプル14、15および16を調製した。用いた範囲の全体に渡ってグルコン酸第二銅の添加量を最も少なくするとそれに付随して色安定性の度合が高くなることが前記データから分かる。即ち、182℃の試験で得たHazen値はサンプルに添加するグルコン酸塩の量を少なくすればするほど低くなることが観察された。このような結果は、これをグルコン酸第二銅を全く含有させなかったサンプルで得た結果と組み合わせることで、塩化フタロイルとグルコン酸第二銅の両方を存在させることで与えられる色安定性に対する効果は期待したように加法的でなく、むしろ相乗的であることを立証している。
【0049】
この直ぐに利用できる発明の別の面は、無水有機酸を高温に長期間維持した時にそれが起こす暗色化の抑制に対して芳香族酸および/またはそれらのエステル(ヒドロキシカルボン酸の誘導体であるエステルを包含)が塩化フタロイルとグルコン酸第二銅の組み合わせと一緒になってさらなる相乗作用を示し得る面にある。この目的で、没食子酸とn−プロパノールから生じさせたエステル(没食子酸n−プロピル)が特に有益であることを見いだした。説明の目的で、MAAの新鮮なサンプルに塩化フタロイルを9ppm添加して、このサンプルに関して行った熱応力試験の結果を表IVに示したサンプル9で行ったのと同様に表Vに報告する[この材料に関する試験結果のデータは塩化フタロイルを9.0ppm含有させたMAAに関してこの上に示した表に報告した試験結果とは若干異なることを注目することができる。これは、製造工程が典型的に変動することが理由で混ぜ物なしの材料が有する組成が若干変動することが通常見られることにあり、本明細書では、通常起こる製造変動を基にした結果の片寄りを最小限にするか或はなくす目的でそのような個々の「ブランク」サンプル(例えばサンプル9、13および17)を用いる]。
【0050】
【表5】
Figure 0004947835
【0051】
没食子酸プロピルを表Vに挙げた量でMAAに添加するとMAAが暗色になる傾向(特に182℃のより厳しい試験条件下で1時間)が更に抑制されることが分かる。本発明の好適な形態に従い、没食子酸n−プロピルとグルコン酸Cu(II)と塩化フタロイルを含有させた無水マレイン酸サンプルは、そのような添加剤を含有させた前記無水マレイン酸サンプルを溶融状態で少なくとも4週間の長期間に渡って貯蔵した時でも、この無水物が溶融状態で示す変色を抑制する能力を保持する。
【0052】
この上に挙げた没食子酸n−プロピルの代わりに本明細書に記述する如き他のエステルも有用であることも分っており、そのような他のエステルには、1分子当たりの炭素原子数が2から20の範囲[この範囲に存在する全ての炭素原子数(整数)を包含]のアルコールから生じさせたエステルが含まれる。そのようなエステルを本発明に従って生じさせる無水物生成物にこの無水物生成物の全重量を基準にして好適には0.001ppmから10.000ppmの範囲(この範囲に存在する全ての1/1000ppm増分を包含)の量で存在させる。この量は、より好適には、前記無水物生成物の全重量を基準にして0.100ppmから5.000ppmの範囲(この範囲に存在する全ての1/1000ppm増分を包含)の量である。
【0053】
本発明に従う相乗性混合物の1成分として有益であることを見いだした別の化合物は3,5−ジ−イソプロピルサリチル酸第二銅(「Cu(II)3,5−DIPS」)である。MAAと塩化フタロイルとグルコン酸第二銅とそのようなヒドロキシカルボン酸誘導体を含有させた調合物の調製と試験をこの上に示したのと同様に行った。そのような調合物の組成ばかりでなくそれに関して得た試験結果を以下の表VIに挙げる:
【0054】
【表6】
Figure 0004947835
【0055】
再び、片寄りを最小限にする目的で新鮮なブランクサンプル(サンプル22)にも試験を受けさせた。表VIにスラッシュマーク(”/”)の左側に示したHazen値は、これらのサンプルを調製した日と同じ日にそれに試験を受けさせることで得たHazen値であり、中心の値は、前記サンプルに老化を65℃で2週間受けさせた後に試験を受けさせることで得た値であり、そして2番目の”/”マークの右側に示したHazen値は、前記サンプルに老化を65℃で30日間受けさせた後の試験で得た値である。表VIにおいて、Cu3,5−DIPSを含有させた調合物が示した性能はグルコン酸第二銅を含有させた相当する調合物に比較して全てのレベルで若干良好であった。このような差は劇的ではないが、それでも相乗性が存在する。サンプル26と28の両方が示した結果は同じであり、このことは、サンプル28の場合のように添加剤をより少ない量で用いて優れた色変化抑制を達成するのが最も好適であることを示しており、これは予想外であった。
【0056】
従って、特定のヒドロキシカルボン酸誘導体(芳香族酸のエステルおよびアルコキシ置換芳香族酸のアニオンを包含)はこれを酸ハロゲン化物と一緒にppmのレベルで組み合わせた時に相乗的に機能して無水有機酸が高温に維持された時に暗色になる傾向を有効に抑制する。ヒドロキシカルボン酸の定義の範囲内に入る構造的に類似した他の化学化合物を本明細書に記述する如き組み合わせで塩化フタロイルと組み合わせることも可能であり、そのような化合物には、これらに限定するものでないが、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,3,4−トリヒドロキシ安息香酸、2,3,5−トリヒドロキシ安息香酸、2,3,6−トリヒドロキシ安息香酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、2,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸、ナフタレンおよびアントラセンのカルボン酸のモノヒドロキシおよびポリヒドロキシ誘導体、そして前記全部の全ての塩またはエステルが含まれ、それらには、そのような分子のヒドロキシ基が有する少なくとも1つの水素原子の水素原子が直鎖もしくは分枝アルキル基に置き換わっている(従って、アルコキシ基を形成している)化合物[前記アルコキシ基はアルコキシ基当たり炭素原子を1から12個含む]、または前記いずれかの組み合わせが含まれる[Cu(II)3,5−DIPSと没食子酸n−プロピルの組み合わせの場合のように]。
【0057】
ヒドロキシカルボン酸の定義の範囲内に入る他の構造的に類似した化学化合物を本明細書に記述する如き組み合わせの状態で塩化フタロイルと組み合わせることも可能であり、そのような化合物には、これらに限定するものでないが、芳香族二酸であるフタル酸、テレフタル酸およびイソフタル酸の誘導体が含まれ、それらには、これらに限定するものでないが、3−ヒドロキシフタル酸、4−ヒドロキシフタル酸、5−ヒドロキシフタル酸、3,4−ジヒドロキシフタル酸、3,5−ジヒドロキシフタル酸、3,6−ジヒドロキシフタル酸、4,5−ジヒドロキシフタル酸、3,4,5−トリヒドロキシフタル酸、3,4,6−トリヒドロキシフタル酸、2−ヒドロキシイソフタル酸、2,4−ジヒドロキシイソフタル酸、2,5−ジヒドロキシイソフタル酸、4,5−ジヒドロキシイソフタル酸、4,6−ジヒドロキシイソフタル酸、2,4,5−トリヒドロキシイソフタル酸、4,5,6−トリヒドロキシイソフタル酸、2−ヒドロキシテレフタル酸、2,3−ジヒドロキシテレフタル酸、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸、2,6−ジヒドロキシテレフタル酸、2,3,5−トリヒドロキシテレフタル酸、そして前記全部の全ての塩またはエステルが含まれ、それらには、そのような分子のヒドロキシ基が有する少なくとも1つの水素原子の水素原子が直鎖もしくは分枝アルキル基に置き換わっている(従って、アルコキシ基を形成している)化合物[前記アルコキシ基はアルコキシ基当たり炭素原子を1から12個含む]、または前記いずれかの組み合わせが含まれる[Cu(II)3,5−DIPSと没食子酸n−プロピルの組み合わせの場合のように]。
【0058】
この上に挙げた種類の芳香族酸のアニオン塩を本発明に従う他の種と組み合わせて用いる場合、任意のカチオン種を前記アニオンの電荷均衡剤として用いてもよいが、但し色安定化結果が有害な影響を受けないことを条件とする。これは、一般に、用いる化合物を全体としてppmの濃度範囲で溶解させるべき場合に当てはまる。この直ぐに利用できる発明および添付請求の範囲の目的で、言葉「カチオン種」は、これらに限定するものでないが、正電荷を持ち得る金属および他の原子全部を包含し、それらには、アルカリ金属、アルカリ土類金属、元素周期律表のIIIB,IVB,VB,VIB,VIIB,VIIIB,IXBおよびXB族の遷移金属[特に二価の後期(late)遷移金属、例えば銅および亜鉛]、ランタニド類、アクチニド類、IIIA族の金属、正帯電した有機種、そして正帯電した化学種[元素周期律表のIVおよびV族の原子(置換もしくは未置換のアンモニウム、ホスホニウムおよびアルソニウム(arsonium)を包含)から生じたか或はそのような原子を含有する]が含まれる。
【0059】
有機無水物を通常は周囲温度より高い温度に保持する有機無水物製造業者および使用者の1つの懸念は、そのような材料が長期貯蔵期間の間に変色する傾向がある点にある。安定化を受けさせたMAAサンプルに関していくらか観察され得る有害な影響が如何なる影響であるかを確認しかつ本発明の組み合わせに関して実際に長期の貯蔵性が存在することを再実証する目的で以下の表VIIに概略を示す如きMAAサンプルに関して熱応力試験を実施してHazen値データを集めた:
【0060】
【表7】
Figure 0004947835
【0061】
表VIIの縦列に示したスラッシュマークの左側のHazen値データはサンプル調製直後に得たデータである一方、スラッシュマークの右側のデータは65℃の溶融状態に1週間保持した後に得たデータである。これらのデータは、試験期間全体に渡って否定的影響が全く観察されないことを示しており、むしろ塩化フタロイルまたはn−PGと一緒に組み合わせてグルコン酸第二銅を含有させたサンプルが予想外に経時的にある程度向上していることを示し、従って見いだした相乗性が長期に渡って安定であることの証拠を示している。
【0062】
無水有機酸が通常は周囲温度で固体であり、従って溶融状態で取り扱う必要がある無水有機酸製造および使用に関する別の懸念は、そのような材料を液体状態と固体状態の間を繰り返し通すことが原因で起こる影響は如何なる影響であるかにある(もしあれば)。このような疑問に答える目的で、表VIIIに挙げたMAA組成物を調製して、それに関して熱応力試験を実施した。
【0063】
【表8】
Figure 0004947835
【0064】
この上で用いた方法と同じ方法を用いて表VIIIの値を得た。各縦列に示す1番目のHazen値はサンプルを製造して1日目に65℃で一晩貯蔵した後に得た値である。この最初の試験を行った後、前記サンプルを65℃で2週間貯蔵し、次に周囲温度で1週間貯蔵することで固化させ、そして最終的に65℃の環境に置くことで再び溶融させて少なくとも12時間溶融状態に置いた後、試験を実施した。データが示すように、得られるHazen値は若干高いと思われる。しかしながら、この高い度合は、そのような材料の安定性が本技術で現在得ることができる安定性に比べて望ましない点にまで至るほどではない。
【0065】
商業的有機無水物は一般にこれを貯蔵している間に経時的に相当する酸を少量(典型的には約0.10%以下)含有するようになることが認められていることから、生じる別の問題は、通常量で存在する相当する酸が本明細書に教示して開示する組み合わせの有益な効果にとって有害であるか否かである。このような疑問に答える目的で、以下の表IXに挙げる組成に従ってMAAサンプルを調製して65℃で6日間貯蔵した後に熱応力試験を実施したが、ここでは、それらのいくつかに遊離マレイン酸を含有させそしてそれらのいくつかには含有させなかった。表IXでは新しく調製したサンプルに関して得た値をスラッシュ(”/”)の左側に示す一方、65℃で6日間貯蔵した後に得た値をスラッシュマークの後方に示す:
【0066】
【表9】
Figure 0004947835
【0067】
表IXに示したデータ、特にサンプル41−45のデータは、本発明に従う安定化を受けさせた無水物に遊離有機酸が通常量で存在していてもそれが原因で悪い影響が生じることはないことを示していることに加えて、相乗的安定化効果が示されるようにするには酸ハロゲン化物とヒドロキシ酸誘導体の両方が必要であることを再び示している。
【0068】
本発明の好適な態様は、塩化フタロイルとグルコン酸第二銅と没食子酸n−プロピルをppmのレベルで含有させた無水マレイン酸に銅以外の2番目の遷移金属の塩をppmのレベルで添加することを包含する。このような銅以外の2番目の遷移金属の塩はいずれかの遷移金属を本明細書または添付請求の範囲に挙げるか或は記述するアニオンいずれかを伴う化合物の状態で含んで成り得るが、この2番目の遷移金属が亜鉛塩であるのが好適であり、塩化亜鉛が最も好適である。以下に示す組成および試験結果は、本発明に従う組成物に亜鉛塩を任意の添加剤として入れた時の効力を示すものである。
【0069】
【表10】
Figure 0004947835
【0070】
本明細書に教示する組成物が色変化を抑制することに関して長期に渡って安定であることを実証する目的でさらなるMAA組成物を調整して評価した。表Xに示したデータは、サンプルを65℃に保持した時の安定性(サンプル53、55および57)を周囲温度の固体状態で貯蔵したサンプルの安定性および試験直前に65℃のオーブンに入れて溶融させたサンプル(サンプル54、56、58)の安定性との対比で示している。下記の表に示すAPHA値は1週間離して行った逐次的試験の値である。従って、例えばサンプル53に関して頭語「182℃、1時間」の下方に挙げるデータは、このサンプルに老化を1週間受けさせた後のHazen値が14で、2週間受けさせた後の値が16で、3週間受けさせた後の値が16で、4週間受けさせた後の値が18であることを示している。
【0071】
【表11】
Figure 0004947835
【0072】
サンプル59は、示した組成を持たせた材料を連続的に再溶融させたサンプルの結果を示している。1番目のAPHA値は調製したままのサンプルが示したAPHA値であり、各縦列に示す引き続く値は各々それぞれを後で1日目、2日目、7日目、8日目および9日目に再溶融させた後のサンプルが示したAPHA値を示している。
【0073】
全体として、表XIのデータは、本発明に従う安定化を受けさせた無水物組成物はMAAの製造、貯蔵および使用に関連した典型的時間枠中に通常直面する長期間に渡って実際に安定であることを示している。
【0074】
本発明を無水有機酸、カルボン酸の酸ハロゲン化物およびヒドロキシカルボン酸の少なくとも1種の誘導体を包含する成分から生じさせた無水物生成物として記述してきたが、存在させる他の任意成分が当該無水物生成物の高温における色安定性に対して有意な悪影響を及ぼさずかつ当該無水物生成物の消費者が選択する最終使用において前記無水物生成物が示す反応性を望ましくなく妨害することがないことを条件として、この示した成分以外の成分を存在させることも可能である。
【0075】
本明細書に示した教示を利用してこの上に記述した添加剤成分を無数に組み合わせることができるが、本発明に従う最も好適な安定化を受けさせた無水有機酸は、塩化フタロイルを12.0ppmとグルコン酸第二銅を0.5ppmと塩化亜鉛を0.5ppmと没食子酸プロピルを0.5ppm含有させた無水マレイン酸で例示される無水有機酸を包含し、ここでは、それらの全部を好適には溶融させた無水マレイン酸に均一な混合物が生じるに充分な撹拌を伴わせて添加する。しかしながら、好適および最も好適な態様を包含する本明細書に挙げた態様の相当する変形および修飾形が本明細書および添付請求の範囲を読んで完全に理解した後の本分野の通常の技術者に明らかになるであろうことを前以て定めておく。本発明はそのような修飾形および変形の全部を包含し、それを限定するのは本請求の範囲のみである。

Claims (1)

  1. 耐変色性の度合が高い無水有機酸生成物であって、
    a)無水マレイン酸、
    b)塩化アセチル、塩化フタロイル、塩化スクシニルおよび塩化マレイルからなる群から選択されるカルボン酸の酸塩化物、
    c)無水物生成物の全重量を基準にして0.10重量%未満の量の、サリチル酸および没食子酸からなる群から選択される少なくとも1種の第1のヒドロキシカルボン酸の金属塩又はエステル、および
    d)グルコン酸、グルコヘプトン酸、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシプロピオン酸およびヒドロキシ酪酸から成る群から選択されるヒドロキシカルボン酸の金属塩である第2のヒドロキシカルボン酸の誘導体
    を組み合わせて形成され、
    ここで、第1のヒドロキシカルボン酸の金属塩又はエステルの量が、生成物の全重量を基準にして0.000001%から0.100000未満の範囲である
    生成物。
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