JP2767851B2 - 無水マレイン酸の着色防止方法 - Google Patents

無水マレイン酸の着色防止方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は無水マレイン酸の加熱溶融時に於ける熱安定
性を向上し着色を防止する方法に関する。
〔従来技術〕
無水マレイン酸はベンゼン又は炭素数4の炭化水素留
分(以下C4留分と記す)を接触酸化して得られる代表的
な不飽和二塩基酸であり、2個のカルボキシル基を酸無
水物の形で有し、他に反応性の大きい二重結合を有して
いるので化学的に様々な反応を行うことが出来、合成ゴ
ム、可塑剤、合成樹脂、接着剤、合成繊維、合成皮革、
農薬等の原料として広く使用される有用な物質である、 この無水マレイン酸の一般的な製造方法は、ベンゼン
又はC4留分を触媒を用いて接触気相酸化し、得られた粗
生成物を蒸留によって精製し無水マレイン酸を得るもの
である。
しかしながら精製した無水マレイン酸においても酸化
副生成物等の除去困難な不純物を微量含んでおり、その
ため熱安定性に欠け加熱溶融時に着色すると言う傾向が
あり、特に長期間保存した場合に於いてこの傾向が著し
い。そしてこの加熱溶融時の着色性は、無水マレイン酸
を原料とする各種二次製品の品質と大いに関係しこれら
の商品価値を著しく損なう結果となる。
従って、工業原料としての無水マレイン酸には加熱溶
融による着色現象を起こさない事が厳しく要求されてい
る。
この様な状況に於いて、着色防止のために従来から種
々の方法が提案されてきている、例えば特公昭41−1940
5号に於いては、無水マレイン酸に対して一般式 で表される化合物を添加し、更にこれに亜鉛、銅、アル
ミニウム或いはその酸化物又はその塩類を添加して熱安
定性を改善する方法が示されている、又、特公昭47−26
766号では無水マレイン酸に対し、ハイドロキノンと銅
もしくはモリブデンの単体もしくは化合物又はこれらの
混合物を添加して加熱溶融色を安定化する方法が示され
ている。更に、特公昭57−51393号では精製マレイン酸
に有機リン酸ポリエステル類とフルオホウ酸金属塩類、
金属銅及び銅化合物を添加する色安定化法が示されてい
る、その他、特開昭49−116023号の無水マレイン酸に対
して亜リン酸エステル又は、亜リン酸エステルと金属ハ
ロゲン化物とを共に添加することにより無水マレイン酸
の熱安定性を改善せしめる方法、特開昭48−23719号の
無水マレイン酸に対してチオ燐酸ハイドロカービノール
を添加することにより高温における無水マレイン酸の着
色度を安定化する方法、等が知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、これらの従来技術による方法では昨今
の厳しい品質要求に対しては何れも充分な結果を得る事
が出来ない。
無水マレイン酸の色安定化の機構はまだ充分に解明さ
れておらず、いまも優れた色安定化方法の探索が行われ
ており、加熱溶融色の良好な、然も無水マレイン酸を溶
融状態又は固化して長期間ストックしておいた場合でも
色安定性を良好に保つ方法が求められている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記問題点につき鋭意研究を行った結果
本発明に到達したものである。
即ち、本発明の無水マレイン酸の着色防止方法は無水
マレイン酸に対して重量比で没食子酸n−プロピルエス
テルを1〜100ppm、塩化第一銅を0.1〜5ppm、更に塩化
亜鉛を0.1〜5ppm添加することを特徴とするものであ
る。本発明に於ける安定剤の添加方法は、特に限定はさ
れないが例えば蒸留工程から留出した精製無水マレイン
酸或いは溶融状態で貯蔵している無水マレイン酸に添加
混合攪拌することにより実施される。添加方法は、没食
子酸n−プロピルエステルと塩化第一銅を各々単独に何
れを先に添加しても良く、叉予め混合して添加しても良
い、次いで塩化亜鉛をそのまま直接添加しても良く、
水、有機溶媒例えばエタノール等に溶解して添加しても
良い、その何れの方法においても目的とする効果が確実
に得られる。安定剤の添加量は、重量比で無水マレイン
酸に対して、没食子酸n−プロピルエステルは1〜100p
pmの範囲と塩化第一銅は0.1〜5ppmの範囲が適当であ
り、更に塩化亜鉛を0.1〜5ppmの範囲で適量を選択すれ
ば良い。
没食子酸n−プロピルエステルと塩化第一銅を組み合
わせる色安定剤は特公昭41−19405に於いて既に提案さ
れているが、前述の如くこの組み合わせでは現在要求さ
れている加熱溶融時に於ける熱安定性と着色防止には未
だ不充分であり、本発明者らは種々実験の結果、没食子
酸n−プロピルエステルと塩化第一銅にさらに塩化亜鉛
を組み合わせることにより驚くべきことに極めて顕著な
熱安定性を得ることが出来たものである。没食子酸n−
プロピルエステルと塩化第一銅の組み合わせの場合、後
述の比較例で示すように添加量を増加しても本発明の水
準よりもはるかに劣り、塩化亜鉛単独でみても同様であ
る。しかも多量の安定剤を使用することは無水マレイン
酸の品質、特に化学的性質上不純物として好ましくな
い。
本発明による色安定化剤の添加量は微量で充分な効果
を得るものであり、無水マレイン酸の品質上何らの悪影
響も及ぼすことは無く、従ってこの無水マレイン酸を原
料とした2次加工製品に対しても何らの障害も与えるこ
とは無い。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明の方法を更に具体的に説明
する。
尚実施例に示すppmは重量単位により示したものであ
る。
叉、「溶融色」とはJISK−1359により溶融時の色相を
APHA表示したものであり、「加熱溶融色」とは無水マレ
イン酸を入れた直径約20mm、高さ150mmの石英製試験管
(JISK−1359溶融色測定に用いたものと同型)を181℃
に調節された油浴に60分間浸漬加熱した後の色相をAPHA
により表示したものである。
実施例1 C4留分の接触酸化反応で得られた粗無水マレイン酸を
蒸留により精製して得られた溶融無水マレイン酸に、没
食子酸n−プロピルエステルと塩化第一銅さらに塩化亜
鉛をそれぞれ所定量添加し均一に攪拌混合した後、石英
試験管に採り溶融色及び加熱溶融色を測定した。添加量
の一部を塩化させた結果を第1表に示す。
比較例1 他の安定剤の組み合わせにより実施例1と同様の方法
で溶融色及び加熱溶融色を測定して得た結果を第2表に
示す。
実施例2 実施例1と同様の方法で安定剤を添加し、経日変化を
知るために各安定剤を添加した試料を液状(65℃)及び
固体状で30日間ストックした場合について、それぞれ溶
融色と加熱溶融色とを測定した結果を第3表に示す。
〔発明の効果〕
本発明の方法に於いては、従来知られていた没食子酸
n−プロピルエステルと塩化第一銅の組み合わせに更に
塩化亜鉛を組み合わせる事により無水マレイン酸の高温
溶融色の色相を従来考えられなかった程度に低下させる
ことが出来る、又、溶融ストック時における経時的色相
劣化をも大幅に抑制することができる。然もこれら添加
剤の添加量も少量で充分その効果を得ること出来るた
め、製品への不純物的影響は皆無であり、無水マレイン
酸の高品質化に寄与すること大である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無水マレイン酸に対して重量比で没食子酸
    n−プロピルエステルを1〜100ppm、塩化第一銅を0.1
    〜5ppm、更に塩化亜鉛を0.1〜5ppm添加することを特徴
    とする無水マレイン酸の着色防止方法
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