JP4946460B2 - 中空樹脂成形方法及び中空樹脂成形装置 - Google Patents
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Description
特許文献1の技術では、分割型の上下方向へくの字形状にキャビティが形成され、一方のキャビティのくの字形状の折曲げ部分に位置するキャビティ縁部を分割型面の面上に突出させている。そして、分割型間に垂下配置されるパリソンの下部をマニュピュレータに取付けられた把持部材で把持し、パリソンの中間部を突出部に巻き込む(又は引っ掛ける)ようにして、分割型の突出部を支点にしてパリソンを曲げ、型締め時にパリソンがキャビティに収容できるようにしている。
特許文献2の技術では、垂直方向から水平方向に曲がりさらに水平方向に直角方向に曲がるような形状の自動車用エアークリーナホースを形成するブロー成形金型が開示されている。このような形状のクリーナホースを形成するために、パリソン押し出し用の移動ダイヘッドを付設し、ダイヘッドから垂下されるパリソンの下端部をクリーナホースの垂直部分に垂下させた後、分割型に設けられているスライドコアと分割型でパリソンの下端部を挟み込み、この部分を支点としてパリソンを水平方向に折り曲げ、水平方向にL字形状に形成されているキャビティ形状に沿って、ダイヘッドを水平方向に移動し、さらに水平方向に直角に移動することによって、型締め時に、キャビティ内にパリソンを収容するようにしている。
特許文献4の技術では、三日月形状に湾曲した容器を形成するため、ブロー成形金型の分割型に三日月形状のキャビティを形成し、キャビティに沿って、一方の分割型面から突出する支点ピンを分割面から複数本突設させ、他方の分割型には、支点ピンに対応する位置に支点ピンの収納孔を形成している。分割型間に垂下されるパリソンを、水平方向に押す誘導部材で支点ピンに巻き付けるようにして三日月形状に曲げ、キャビティ内にパリソンを誘導するようにしている。
特許文献2の技術では、ダイヘッドを移動する機構とスライドコアを移動するための設備が大型化する欠点がある。
特許文献3の技術では、パリソン移動体としてのシリンダが直線運動なので、パリソン曲げの自由度が低く、折り曲げ支持部分がなくパリソンの曲がる位置が一致しないなど、パリソンの曲がりが不安定となる。
特許文献4の技術では、支点ピンが分割型のキャビティ面外の分割面に形成されているため、パリソンが支点ピンに支持されると、支点ピンとキャビティの間にパリソンが挟まれてピンチオフになりやすく、その部分にバリが発生する問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、パリソンの咬み込みがなく、確実にパリソンをキャビティにセットすることができ、また、パリソンの曲げの自由度を大きくすることができる中空樹脂成形方法及び中空樹脂成形装置を提供することを目的とする。
上記中空樹脂成形方法は、前記分割型のキャビティと離間した位置の分割面に該分割面から前進移動可能に配設される補助支持部を設け、該補助支持部はパリソンをキャビティに沿うように配設する際に前記補助支持部を前進させて一時的にパリソンを支持し、型締め時にはパリソンと補助支持部との係合を解除するとよい。
上記中空樹脂成形方法は、前記誘導部材が、複数の回動軸と該回動軸間に連結されるアームとから構成される多関節機構部材と、パリソンを把持するための把持部材と、から構成されることが好ましい。
上記中空樹脂成形装置の前記誘導手段は、複数の回動軸と該回動軸間に連結されるアームとから構成される多関節機構と、パリソンを把持するための把持部と、から構成されるロボットにすることができる。
上記中空樹脂成形装置は、前記分割型の前記キャビティと離間した位置に、前記分割型の移動方向に延びる孔を形成し、該孔に前記分割型の分割面から前進移動可能な補助支持部を形成し、該補助支持部はパリソンをキャビティに沿うように配設する際に前記補助支持部を前進させて一時的にパリソンを支持し、型締め時にはパリソンと補助支持部との係合を解除するようにした。
上記発明は、前記分割型の前記キャビティと離間した位置に、前記分割型の移動方向に延びる孔を形成し、該孔に前記分割型の分割面から前進移動可能な補助支持部を形成し、該補助支持部はパリソンをキャビティに沿うように配設する際に前記補助支持部を前進させて一時的にパリソンを支持し、型締め時にはパリソンと補助支持部との係合を解除するようにしたので、コア型を前進させる際に、パリソンがコア型と接触するのを防止し、型締め時にはパリソンとの係合が解除されるので、バリを発生させることもない。
図1は本発明に係るブロー成形金型1の分割型2,2で成形される容器3の斜視図、図2はブロー成形金型1の平面方向の断面図、図3は正面図(矢視Y−Y)である、なお、分割型2,2はほぼ面対象形状であるので、同一の符号を付して説明する。
先ず、中空樹脂成形装置としてのブロー成形金型1によって成形される容器の例として容器3の形状を説明する。図1に示すように、容器3は口部3aにキャップ4が螺着され、容器3は全体が樹脂で形成され、本体部3bの前面3c裏側の後面(図示せず)は前面3cと同じ形状であって、内側面3d及び外側面3eの面形状がC字形状(図中では裏側の方向から見て略C字形)に形成されている。そして、内側面3dから外側面3eまでの厚さは、全体として同じ厚さに形成され、全体としても本体部3bは、C字の立体中空形状である。なお、図1では、容器3にキャップ4を装着しているが、本実施形態でブロー成形するのは容器3であって、キャップ4は無関係である。
分割型2が互いに対向する面には、平坦な分割面5と、その分割面5に囲まれるようにして、成形部であるキャビティ6が形成されている。キャビティ6は、分割型2とこの分割型2の中央部に配設される可動コア型7によって形成される。これらのうち、分割型2は、上側に容器3の口部3aを形成する口部形成部9がほぼ半円柱形状の孔で形成され、中央部に分割面5側から背面8側に貫通する貫通孔10を形成している。貫通孔10は分割面5側にキャビティ孔側面6aを形成し、背面8側にシリンダ孔11を形成している。
また、コア型7の中央には回転止め穴25が設けられ、図示しないシャフトとキーによって背面より回転止め固定されている。
なお、可動コア型7を中間摺動部材12へ組み付ける際は、例えば、後端フランジ部7eをコア型7から分断(切断)後、中間規制部材の孔(規制部12aの内径部)にコア軸7dを挿入後、コア軸7dとフランジ部7eをボルト等で結合などして、適宜分断、結合することによって行う。
可動コア型7,中間摺動部材12、支持ピン15,17の駆動については、本実施形態では、圧縮空気により前進移動できるように駆動させ、分割型に対し相対的に後退する時(図8B〜C参照)は、分割型閉じ時にピンと孔との嵌合部から圧縮空気を逃がして行っているが、必要に応じて圧縮空気を密閉するOリングなどのシール部材を備えると共に、圧縮空気の吸排気孔を適宜設け、前進だけでなく、後退、前進固定、後退固定可能に機能を付加しても良い。それらの部材の移動方法については、エアシリンダ等に接続するなどして別の駆動手段を介しても良いし、油圧手段や、モータ駆動によって、前進移動させることができる。また、必要に応じて後退移動、前進したまま固定、後退したまま固定できる機能等を駆動手段に付加しても良い。
ブロー成型金型1には、分割型2,2の周辺に多関節ロボット又はマニュピュレータなどの誘導装置21が配設されている。誘導装置21は、固定部に支持されている支持回動軸22を設け、水平方向に軸を向けた支持回動軸22には、第1アーム23aが支持回動軸22に回動可能に設けられている。また、第1アーム23aの先端側には水平方向に軸を向けた第1関節回動軸22aが設けられ、第1関節回動軸22aには、第2アーム23bの基端部が取付けられ第2アーム23bの先端部には、パリソン19の把持部材24を所定角度に回動可能にし、水平方向へ軸を向けた第2関節回動軸22bが設けられている。
誘導装置21は、支持回動軸22、第1及び第2関節回動軸22a,22bをモータ制御で任意に回動することができ、把持部材24を分割型2,2間の分割面5,5に対する平行面を、任意の軌跡によって2次元移動することができる。すなわち、このような多関節機構によって、把持部材24を直線移動、湾曲移動及び角形状の移動が可能になる。したがって、図6に示すように、パリソン19を把持したまま、実線で示す初期位置aから、二点鎖線で示す把持部材24を移動させることができる。
図7及び図8の各図における上側は、分割型を平面方向から見た断面図であり、下側は正面方向から見た図である。(矢視W−W)
初めに、図7のAに示すように、図示しない押出成形機のノズルからパリソン19を押し出して、パリソン19を分割型2,2間に垂下させる。そして、誘導装置21を作動させて、把持部材24をパリソン19の位置まで移動し、把持部材24によってパリソン19の下端部を支持する。
そして、ブロー成形後に分割型2,2を分離すると、可動コア型7,7,補助支持ピン15,15及び支持ピン17,17は、分割型2,2内に収容されたまま各々が分離されて、成形後の容器3が取り出され、その後、図7のAに示す初期位置に戻る。
なお、可動コア型7,7、補助支持ピン15,15及び支持ピン17,17が成形容器側に取り残されることなく分割型2,2に収納されたまま分離され易くなるよう(分割型2,2と共に後退するよう)、適宜圧縮空気を(後退維持するための方向へ)流したり、空気を吸引したり、ロックしたりして、駆動手段を後退維持させるようにすると好ましい。
このように、本実施形態では、パリソン19をキャビティ6の任意の位置に誘導されるので、パリソン19の分割面5,5により挟まれることがないので(本体部3bの先端部3fの部分を除き)、高品質な容器3を製造することができる。
例えば、上記実施形態では、一組の可動コア型7,7を設けて容器3を形成したが、可動コア型については、例えば、S字形状の容器のように湾曲部が2カ所あるような容器であれば、可動コア型を2組設けて容器を成形してもよく、さらには3以上の可動コア型を設けてもよい。この場合は、補助支持ピンの数もさらに増える。
また、上記実施形態では、補助支持ピン15及び支持ピン17を各々の分割型2,2に配設したが、いずれか一方のみに分割型2に設け、他方の分割型2には補助支持ピン15及び支持ピン17の収容孔を形成してもよい。
また、J字形状の容器成形の際など、パリソン初期配置後、下端のみを曲げればよい場合は補助支持ピンを略することが可能であり、同じくJ形状の容器成形の際などパリソン初期配置時に可動コア型との干渉を避けて配置可能で、かつ、成形品離型時に可動コア型にアンダーカット(離型干渉)部分が生じない場合は、可動コア型を分割せず、固定のコア型としてもよい。
本実施形態では、容器3を例にあげて説明したが、自動車のエアダクトのような他の中空成形製品を形成することができる。
上述した中間摺動部材12については、可動コア型7の前進移動量が十分にとれるのであれば、可動コア型7のコア部7aの巻き付ける作業スペースあるような場合は必要としない。
また、パリソンについても、予備成形品である有底中空パリソン(プリフォーム)についても適用可能である。
2 分割型
3 容器
5 分割面
6 キャビティ
7 可動コア型
15 補助支持ピン
17 支持ピン
19 パリソン
21 誘導装置
24 把持部材
Claims (6)
- 分割型間にパリソンを配置し、該パリソンをキャビティ形状に沿うように曲げ、パリソンをキャビティに収容してブロー成形する中空樹脂成形方法において、
前記分割型のキャビティ面からコア型を前進移動可能に配設し、前記コア型を分割面から前進させた後に、パリソンを前記コア型面に巻き付けるようにしてパリソンの誘導部材によってパリソンをキャビティ形状に沿うように配設し、パリソンが前記キャビティ形状に曲げられた後、前記コア型を前進位置に配置させたまま前記分割型を型締めし、パリソンをブロー成形するようにしたことを特徴とする中空樹脂成形方法。 - 前記分割型のキャビティと離間した位置の分割面に該分割面から前進移動可能に配設される補助支持部を設け、該補助支持部はパリソンをキャビティに沿うように配設する際に前記補助支持部を前進させて一時的にパリソンを支持し、型締め時にはパリソンと補助支持部との係合を解除するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の中空樹脂成形方法。
- 前記誘導部材が、複数の回動軸と該回動軸間に連結されるアームとから構成される多関節機構部材と、パリソンを把持するための把持部材と、から構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の中空樹脂成形方法。
- 曲部を有するキャビティが形成された一対の前進移動可能な分割型と、該分割型から前進移動可能に配設され、前記分割型間に配置されるパリソンを前記キャビティに沿うようにパリソンを支持する支持部と、パリソンを把持して前記支持部に誘導する誘導手段とを備えた中空樹脂成形装置において、前記支持部が前記分割型のキャビティ面から前進移動可能に配設されたコア型であって、該コア型の前進位置で該コア型面の外周面にパリソンを巻き付け、該外周面にパリソンを巻き付けた状態で、前記分割型を前進させて型締めを行うようにしたことを特徴とする中空樹脂成形装置。
- 前記誘導手段が、複数の回動軸と該回動軸間に連結されるアームとから構成される多関節機構と、パリソンを把持するための把持部と、から構成されるロボットであることを特徴とする、請求項4に記載の中空樹脂成形装置。
- 前記分割型の前記キャビティと離間した位置に、前記分割型の移動方向に延びる孔を形成し、該孔に前記分割型の分割面から前進移動可能な補助支持部を形成し、該補助支持部はパリソンをキャビティに沿うように配設する際に前記補助支持部を前進させて一時的にパリソンを支持し、型締め時にはパリソンと補助支持部との係合を解除するようにしたことを特徴とする請求項4又は5に記載の中空樹脂成形装置。
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