JP4942207B2 - 気密容器の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、気密容器の製造方法に関する。
従来、内部を真空気密に維持するガラス外囲器を製造する際には、一例としてフェースプレート、リアプレートおよび外枠からなる各ガラス部材の間にシール材であるフリットガラスを塗布または載置して、電気炉などの封着炉に入れ、または、ホットプレートに載せ(上下からホットプレートで挟む場合もある)、ガラス外囲器全体を封着温度に加熱して、ガラス部材の封着部分をフリットガラスで融着する封着方法が採られている。
特許文献1のガラス外囲器の製造方法においては、まず、サブ局所加熱用ヒータ106により封着部近傍を加熱し、アシスト加熱用ホットプレートヒータ105により封着部および封着部近傍以外のガラス外囲器全体を加熱している。次いで、半導体レーザ照射走査により、リアプレート102と外枠103の封着部分であるフリットガラス104aを局所的に封着温度まで加熱する。その後、さらに、フェースプレート101と外枠103の封着部分であるフリットガラス104bを封着温度まで局所的に加熱する。すなわち、特許文献1におけるレーザ照射は、外枠103の斜め上方から行われ、フリットガラス104aとフリットガラス104bとは別個にレーザ照射が行われている。
特開2000−149783号公報
特許文献1に開示されている製造方法の場合、エネルギービームが枠の側面から入射するため、エネルギービームの一部が枠内面で全反射してしまう。このため、エネルギーが接合材へと到達せず、エネルギーを効率的に利用することが困難であった。
また、第2の接合材側面から入射する残りのエネルギービームは、接合材の温度分布を大きくしてしまっていた。このため、良好な接合を得る面積が低下し、それに伴って接合強度が低下するという問題もあった。
また、上記2点の課題を解決すると同時に、製造時のタクト向上が望まれていた。
そこで、本発明は、エネルギービームを効率的に利用できるとともに所望の接合強度を得つつ、製造時のタクトを向上させることができる気密容器の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の気密容器の製造方法は、第1の板構造体と、枠と、第1の板構造体側の面上に配線が配置された第2の板構造体と、を有する気密容器の製造方法であり、以下の工程を有する。
溶融することで第1の板構造体と枠とを接合する第1の接合材を第1の板構造体と枠との間に配置する。また、溶融することで第2の板構造体と枠とを接合する第2の接合材を、第2の接合材の一部が配線と枠との間に位置するように第2の板構造体と枠との間に配置する。以上の配置工程終了後に、第1の接合工程にて、エネルギービームを、第1の接合材透過させて、第1の接合材に照射して第1の板構造体と枠とを接合する。また、第2の接合工程にて、エネルギービームの少なくとも一部を、第1の接合材を介さずに、第1の板構造体と、枠の第1の板構造体側の面を透過するように枠とに透過させて、第2の接合材にエネルギービームを照射して第2の板構造体と枠とを接合する。
本発明によれば、本発明は、エネルギービームを効率的に利用できるとともに所望の接合強度を得つつ、製造時のタクトを向上させることができる。
本発明の気密容器は、第1の板構造体、第2の板構造体および枠を有する。第1の板構造体と枠との間には、これらを接合する第1の接合材が配置されている。第2の板構造体と枠との間にはこれらを接合する第2の接合材が配置されている。第1の板構造体と枠とは第1の接合材により接合されている。第2の板構造体と枠とは第2の接合剤により接合されている。
また、第2の板構造体上には、配線が設けられており、第1の板構造体、第2の板構造体および枠で囲まれる空間の外側まで延在している。例えば、気密容器内に表示素子を配置し、表示素子を配線に接続させると、配線に電位を供給することで表示素子に電位を供給可能な画像表示装置を構成することができる。この配線の材料としては、抵抗値などの要求から光透過性の低い材料が用いられる場合がある。
第1の板構造体と枠、第2の板構造体と枠、のそれぞれを接合する方法として、加熱したい部分のみを局所的に加熱できる点で有利であるため、エネルギービームを第1および第2の接合材に照射する方法が用いられる。
エネルギービームの照射の方法としては、従来技術の方法の他に、第2の接合材に第2の接合材側とは反対側の面から第2の板構造体を透過してエネルギービームを第2の接合材に照射する方法を用いることができる。
しかし、第2の板構造体上に配線を設ける気密容器では、第2の板構造体と枠との接合部を通って気密容器外まで配線が延在するため、第2の板構造体と枠との間に配線が存在する。すなわち、第2の板構造体と枠との接合部は、第2の板構造体、配線、第2の接合材、枠、の順に配置される部分を有する。
そのため、上記の構成の気密容器では、配線によりエネルギービームが弱められる、または遮られるため、配線と枠との間の第2の接合材に十分なエネルギーを与えることができないことがある。これにより、第2の板構造体と枠との接合が不十分になることがある。
そこで、本発明では、エネルギービームを第1の板構造体を透過させて、第1および第2の接合材の両方に照射させることで、第2の板構造体と枠との良好な接合を実現することができる。
本発明の実施の形態について、図1〜図9を用い、以下に具体的に説明する。
図1は本発明の気密容器を示す図であり、図1(a)、及び図1(b)はそれぞれ断面図、上面図である。図2〜図5は図1(a)の破線で示す部分図であり(配線17は不図示)、本発明の気密容器が適用される、第1の接合材及び第2の接合材の配置を説明する図である。図6〜図9は、同じく図1(a)の破線で示す部分図であり、本発明における気密容器の製造方法の、他の例を示す。
図1において、第1の板構造体11、枠12、第2の板構造体13は、ガラス、プラスチック等の、特定のエネルギービーム16を透過する材料からなる。また、これら各部材に高い真空度が求められ、かつ内部が空間であって耐大気圧構造が必要な場合、より気体分子を通過させにくく剛性の高いガラスを適用するのが好ましい。
枠12の第1および第2の板構造体が対向する方向の厚さ(枠12の厚さ)は、実質的には0.5mm以上2mm以下である。また、枠12の延在方向に垂直方向の厚さ(枠12の幅)は、実質的に1mm以上10mm以下である。
第1の接合部材14及び第2の接合部材15は、金属、ガラス、樹脂等の特定のエネルギービーム16を吸収する材料からなるが、材料コスト、加工コストが安価であることからアルミニウム等の金属が好ましい。
これら部材を、まず、配線17が形成された第2の板構造体13、第2の接合部材15、枠12、第1の接合部材14、第1の板構造体11の順の位置関係になるように配置する、配置工程を行なう。このとき配線17は、第2の接合部材15が金属等の電気伝導体である場合、必要に応じて絶縁体材料で覆う等の処理を行う。また、表示素子に接続するように配線17を配置する。
なお、第1の接合材および第2の接合材は、第1の板構造体、枠、第2の板構造体のいずれかの表面に予め接合、あるいは形成されていてもよい。
エネルギービーム16としては、ランプ、電子線、レーザ(マイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線)等が挙げられるが、周囲への熱等の影響を小さくするために照射スポットが絞れ、入手しやすいレーザが好ましい。その中でも、ガラスを透過し、アルミニウム等の金属で吸収される、可視光〜近赤外の波長が好ましく、入手しやすい点から800nm〜1100nm程度の波長のレーザがさらにより好ましい。
エネルギービーム16は、枠12の第1の板構造体11側の面に照射される。このとき、照射される領域の少なくとも一部が、第2の接合材15の枠12側の面内に投影されるように、エネルギービーム16の枠12の第1の板構造体11側の面に対する入射角度、枠12の幅に対する位置を適切に調整する。
ここで、枠12の第1の板構造体11側の面に照射される領域とは、あるエネルギービーム16が第1の板構造体11を屈折、透過するビームスポットの大きさのうち、第1の接合材14に吸収されずに枠12に到達する領域のことである。またエネルギービーム16の枠12の第1の板構造体11側の面に対する入射角度は、枠12に沿う方向、枠12と垂直な方向のいずれに対しても、−90°〜+90°の任意の値をとっても実現可能である。
上記の照射条件を満たすため、例えば、第1の板構造体11、枠12、第2の板構造体13、第1の接合材14、第2の接合材15及びの配置としては図2〜図5のような配置が考えられる。
図2では、第1の接合材14と第2の接合材15が、板構造体11、13の表面に対して平行な方向にずれて配置される。そして、第1の板構造体11の表面に対して垂直に入射したエネルギービーム16が第2の接合材15に照射される。
また、エネルギービーム16の入射角度は、図2のように第1の板構造体11の表面に対して垂直させるだけでなく、図3のように、エネルギービーム16の入射角度を調整してもよい。図3に示すエネルギービーム16の入射角は、第1の板構造体11の表面に対して垂直ではなく、若干傾斜させている。
また、図4のように、第2の接合材15は、第1の接合材14の直下に位置する部分を有していてもよい。あるいは、図5のように、第1の接合材14は、第2の接合材15の真上に位置する部分を有していてもよい。
これら図4及び図5の構成の場合、エネルギービーム16は第1の板構造体11の表面に対して垂直および平行にならないようにして、第2の接合材15に照射させる。すなわち、エネルギービーム16が第1の接合材14に遮られることなく、枠12の第1の板構造体11側の面を通過して第2の接合材15に到達するようにするためである。
なお、第1の接合材14と同じ幅の第2の接合材15が、第1の接合材14の直下に正対するように配置してもよい。
また、他の配置方法として、図6のように、第1の板構造体11と枠との間の、第1の接合材14の近傍に、エネルギービーム16を透過するような部材31があってもよく、図7のように第1の接合材14と第2の接合材15の位置関係が逆でもよい。
上記配置工程の後、図1(b)に示すように、第1の板構造体11を透過する局所的なビームスポット形状を持つエネルギービーム16を、第1の接合材14に沿って周状に照射する。さらに、第1の板構造体11および枠12を透過する局所的なビームスポット形状を持つエネルギービーム16を、第2の接合材15に沿って周状に照射する。実質的なスポットサイズは、ビームスポットが円形の場合0.1mm〜10mmの値をとる。また、パワーは10W〜1kW、移動速度は0.001m/sec〜10m/secの値をとる。
このようにして第1の接合材14及び第2の接合材15を局所的に軟化あるいは溶融させ、第1の板構造体11と枠12、枠12と第2の板構造体13をそれぞれ接合する。
なお、第2の接合材15に照射するエネルギービーム16は、枠12の第1の板構造体11側の面を透過するように照射することで、エネルギー吸収効率が高い状態で第2の接合材15に照射できるため好ましい。
これは、以下のように説明できる。エネルギービーム16の波長が1μm以下のときに、一般的なガラスや、プラスチック等の一般的な樹脂の屈折率は通常1.45程度より大きい値をとる。このとき、枠12と第2の接合材15との接触面に垂直方向に対する角度(入射角)が40度以上になると、エネルギービーム16が枠12と第2の接合材15との接触面で全反射され、第2の接合材15が十分加熱されない。
ここで、枠12の側面を透過するようにエネルギービームを照射すると、枠12の側面に対して入射される角度をどのようにしても、枠12と第2の接合材15との接触面へのエネルギービームの入射角が40度以上となる。これは、空気と枠12との屈折率の違いによってエネルギービームが枠12の側面で屈折されて、枠12と第2の接合材15の接触面への入射角の範囲が小さくなることによるものである。従って、エネルギービームは枠12と第2の接合材15との接触面で全反射するため、第2の接合材15には吸収されない。
一方、エネルギービーム16を枠12の第1の板構造体11側の面を透過するように照射すれば、枠12と第2の接合材15との接触面へのエネルギービームの入射角を40度未満とすることができる。
ところで、第2の接合材15を加熱する方法として、エネルギービーム16を第2の接合材15の側面へ直接照射することも考えられる。この方法では、第2の接合材15の側面での発熱が大きく、第2の接合材15の温度分布が大きい。このため、良好な接合状態をなすための温度領域が狭くなってしまい、従って接合領域が狭くなってしまう。
これに対して、本発明の製造方法は、第2の接合材15にエネルギービームスポットサイズでエネルギーを伝達でき、良好な接合状態をなす、温度分布がゆるやかな領域を広く取ることができる。
より好ましい接合をなすために、図8のように第1の接合材14に対するエネルギービーム16と、第2の接合材15に対する第2のエネルギービーム32の、スポットサイズ、パワー、移動速度、波長等を任意に調整してもよい。
また、装置構造をより簡略化して装置コストを抑え、エネルギービームの照射のタクトを短縮するため、図9に示すような照射方法を採用してもよい。すなわち、第1の接合材14と第2の接合材15を同時に照射するように、エネルギービーム16のビームスポット形状を、円形、楕円形、矩形のように調整してもよい。あるいは、ビームスポット内でのエネルギー密度に分布を、一様、または正規分布等のような、任意のプロファイルを持たせてもよい。
また、エネルギービーム16の数、すなわち、エネルギー源は1つでもよいし、複数でもよく、工程のタクトと装置のコストを鑑み、好適な本数を選択できる。エネルギービーム16が複数のときは、お互いに距離をおいて走査してもよいし、近接して走査してもよく、温度分布を鑑み、好適な位置関係を選択できる。またエネルギービーム16は、同一の場所に対して、1回または複数回照射してもよく、好適な接合を得るために、それぞれのエネルギービーム16のエネルギー強度、ビームスポット形状が互いに異なっても良い。
なお、本発明では、上述のように第2の板構造体13、第2の接合部材15、枠12、さらには第1の接合部材14、第1の板構造体11を全て配置した後、エネルギービームを照射した。これに対して、第2の板構造体13、第2の接合部材15、枠12の配置後、エネルギービーム16を照射し、その後に、第1の接合部材14、第1の板構造体11を配置後、エネルギービームを照射する2段階配置−接合工程が考えられる。しかしながら、配置工程を2段階に分けると製造タクトが低下してしまう。これに対して本発明の場合、配置工程が一回省略できることでタクトが短縮されるため、より好ましい製造方法といえる。
次に、このような気密容器を用いて構成した、画像表示装置の一例について、図10を用いて説明する。
図10は、電子放出素子を備える画像表示装置の斜視図である。説明の便宜上、一部を取り除いた図を示している。
図10において、21は電子放出素子部分、22、23は、電子放出素子の一対の電極と接続された行方向配線および列方向配線、24はメタルバック、25は蛍光膜、26はメタルバック24に電位を供給する端子である。行方向配線22および列方向配線23は、前述した配線17に相当する。尚、第1の板構造体11第2の板構造体13との間に、スペーサとよばれる不図示の支持体を少なくとも1つ設置することにより、大気圧に対して十分な強度をもつ外囲器66を構成することもできる。
図10の画像表示装置の製造方法を以下に説明する。
(1)従来公知の手法により、第1の板構造体11上に蛍光膜25およびメタルバック24を設ける。
(2)従来公知の手法により、第2の板構造体13上に電子放出素子21および行方向配線22と列方向配線23とを設ける。
(3)(1)で得られた第1の板構造体11と(2)で得られた第2の板構造体13とを対向させ、第1の板構造体11、第1の接合材14、枠12、第2の接合材15、第2の板構造体13の順に配置する。
(4)上述した気密容器の製造方法を適用し、エネルギービームを第1の接合材14、第2の接合材15に照射し、第1の板構造体11と枠12、第2の板構造体13と枠12のそれぞれを接合する。
以上により、画像表示装置を作成することができる。
なお、本発明の画像表示装置は、上述の電子放出素子を用いたものだけでなく、有機ELを表示素子としたものや、プラズマディスプレイなどにも適用可能である。
[実施例1]
本発明による気密容器の製造方法は、図1に示すように、まず対角7インチの高歪点ガラス基板に、薄膜素子、配線、絶縁材料、その他の材料などを形成し、第1の板構造体および第2の板構造体を作成する。薄膜素子は表示素子を構成するための素子である。配線は、薄膜素子を駆動する信号を送るためのものである。絶縁材料は、配線と接合材との絶縁を確保するためのものである。
なお、第1および第2の板構造体は、既存の平面型表示装置用として適用されるものをそのまま適用し、第1および第2の板構造体を封着する前までの作業工程は既存の技術と同一の工程が実施される。
次に、幅2mm、厚さ1.6mmの枠を用意し、第2の板構造体に、枠が配置される位置の外側に沿うように、厚さ50um、幅1mmの純度99.99%のアルミニウム材でできた第2の接合材を配置した。
この後、第2の板構造体の上に配置された第2の接合材の上に枠を配置し、枠上の枠の内側に沿うように、厚さ50um、幅1mmの純度99.99%のアルミニウム材でできた第1の接合材を配置した。その上に第1の板構造体を配置し、適切アライメントを行なった。
このように配置したワークに対し、照射するエネルギービームとして、波長が近赤外線の半導体レーザを2本用いた。内1本のスポットが、第1の接合材に全て収まるように配置し、別の一本のスポット面積の80%が、第2の接合材に入るように、第2の接合材の端部付近に配置した。
いずれのレーザも、第1の板構造体の表面に対して90度の角度となるように調整した。
第1の板構造体を透過して第1の接合材に対してレーザ1を20mm/secの速さで移動照射し、第1の板構造体および枠を透過して、第2の接合材に対してレーザ2を同じ速さで移動照射した。この照射を連続的に、第1および第2の接合材に対して周状に行い、気密容器を形成した。このとき、第2の接合材の接合でのレーザのエネルギー利用効率は16%であった。また、接合は一様になされており、出来上がった気密容器を300℃でベークしても、剥離が発生することなく、接合は良好に保たれていた。
尚、この一連の工程で15分の時間を要した。
[比較例]
レーザ2を、枠側面の方向から、第2の板構造体に対する入射角を45°にして第2の接合材に照射して接合を行なった。すると、レーザ2が枠を透過した成分に起因する温度上昇はなく、第2の接合材に直接照射した成分によってのみ温度上昇が確認された。このとき、実施例に対して接合領域が1/3程度にとどまっていた。このときのレーザのエネルギー利用効率は1%であった。
でき上がった気密容器を300℃でベークし、接合部を確認したところ、一部にクラックが発生しており、気密容器としての強度を保つことができなかった。
[実施例2]
実施例1と同様にして配置とアライメントを行い、レーザを1本のみ用いることで装置を簡素化した。
図10のように、スポット中心が、第1の接合材の端部になるように配置し、スポット面積の半分が、第2の接合材15に照射されるように配置し、実施例1と同様に移動照射し、気密容器を形成した。このとき、第2の接合材の接合でのレーザのエネルギー利用効率は10%であった。また、実施例1と同様に、接合は一様になされており、出来上がった気密容器を300℃でベークしても、剥離が発生することなく、接合は良好に保たれていた。
[実施例3]
実施例1と同様に配置したワークに対し、照射するエネルギービームとして、波長が近赤外線の半導体レーザを2本用いた。このうち、1本のスポットが、第1の接合材に全て収まるように配置し、別の一本のスポットを、第2の接合材に全て収まるように、第2の接合材の中央付近に配置し、実施例1と同様に移動照射し、気密容器を形成した。このとき、第2の接合材の接合でのレーザのエネルギー利用効率は20%であった。また、実施例1と同様に、接合は一様になされており、さらに、実施例1よりも接合幅を広くなったため接合を強固にすることができた。出来上がった気密容器を300℃でベークしても、剥離が発生することなく、接合は良好に保たれていた。
以上述べたように、本実施例は、比較例に対して、入射エネルギーを効率よく利用でき、良好な接合を可能にした。更に本実施例では比較例に対して装置を簡素化できた。
本発明の気密容器の製造方法の一例を示す、断面図および上面図である。 本発明の気密容器の製造に用いられる接合材の配置の一例を示す図である。 本発明の気密容器の製造に用いられる接合材の配置の他の例を示す図である。 本発明の気密容器の製造に用いられる接合材の配置の他の例を示す図である。 本発明の気密容器の製造に用いられる接合材の配置の他の例を示す図である。 本発明の気密容器の製造に用いられる接合材の配置の他の例及びエネルギービームの照射例示す図である。 本発明の気密容器の製造に用いられる接合材の配置の他の例及びエネルギービームの照射例示す図である。 本発明の気密容器の製造に用いられる接合材の配置の他の例及びエネルギービームの照射例示す図である。 本発明の気密容器の製造に用いられる接合材の配置の他の例及びエネルギービームの照射例示す図である。 本発明の気密容器を用いて構成した画像表示装置の一部破断斜視図である。
符号の説明
11 第1の板構造体
12 枠
13 第2の板構造体
14 第1の接合材
15 第2の接合材
16 エネルギービーム
17 配線

Claims (3)

  1. 第1の板構造体と、枠と、前記第1の板構造体側の面上に配線が配置された第2の板構造体と、を有する気密容器の製造方法において、
    溶融することで前記第1の板構造体と前記枠とを接合する第1の接合材を、前記第1の板構造体と前記枠との間に配置し、かつ溶融することで前記第2の板構造体と前記枠とを接合する第2の接合材を、前記第2の接合材の一部が前記配線と前記枠との間に位置するように前記第2の板構造体と前記枠との間に配置する配置工程と、
    前記配置工程の後に、エネルギービームを、前記第1の板構造体透過させて、前記第1の接合材に照射して前記第1の板構造体と前記枠とを接合する第1の接合工程と、
    前記配置工程の後に、エネルギービームの少なくとも一部を、前記第1の接合材を介さずに、前記第1の板構造体と、前記枠の前記第1の板構造体側の面を透過するように前記枠とに透過させて、前記第2の接合材に照射して前記第2の板構造体と前記枠とを接合する第2の接合工程と、
    を含むことを特徴とする気密容器の製造方法。
  2. 前記第1及び第2の接合工程で、同じエネルギー源から前記第1及び第2の接合材にエネルギービームを照射する、請求項1に記載の気密容器の製造方法。
  3. 第1の板構造体と、枠と、前記第1の板構造体側の面上に配線が配置された第2の板構造体と、を有する気密容器と、前記気密容器内に配置され前記配線に接続された表示素子と、を有する画像表示装置の製造方法において、
    前記気密容器を請求項1又は2に記載の気密容器の製造方法によって製造することを特徴とする画像表示装置の製造方法。
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