JP2012216458A - 気密容器の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】気密容器における気密性の長期的な信頼度を高める。
【解決手段】まず、粘度が負の温度係数を有し、互いに間隔をおいて並んでいる複数の接合材1a,1b,1cを、第1の基材と第2の基材の双方に接触するように第1の基材と第2の基材との間に配置する。次に、局所加熱光41を接合材1a,1b,1cに沿って照射し、第1の基材と第2の基材とを接合する。局所加熱光41の照射によって接合材1a,1b,1cを溶融させて、互いに隣接する接合材1a,1b,1c同士を連結させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、気密容器の製造方法に関する。
従来、対向するガラス基材を気密接合して気密性を有する内部空間を形成する技術が知られている。この技術は、真空断熱ガラス、有機LEDディスプレイ(OLED)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)等の、フラットパネルの気密容器(外囲器)の製造方法に適用されている。これらの気密容器の製造においては、対向するガラス基材の間に必要に応じて間隔規定部材や局所的な接着材等を配置した上で、周辺部に接合材を配置して、加熱等によりガラス基材同士を接合する。ガラス基材同士の接合方法としては、ガラス基材を仮組みして得られた組立体を加熱炉によって全体加熱(ベーク)する方法と、組立体の周縁部のみを局所加熱手段によって選択的に加熱する方法と、が提案されている。加熱冷却時間、加熱に要するエネルギーの低減、容器内部の機能デバイスの熱劣化防止といった観点で、局所加熱は全体加熱よりも有利である。
特許文献1には、局所加熱の長所を生かしてレーザ光による気密接合を画像表示装置の外囲器の製造方法に適用した例が開示されている。外囲器を製造するには、ガラス基材の間に複数配置されたフリットをレーザ光によって加熱溶融させ、ガラス基材同士を接合する。複数のフリットによって気密接合する効果により、フラットパネルディスプレイ(FPD)を長時間使用しても、デバイス内部への水分や酸素の侵入は防止される。
特許文献2には、レーザ光を利用した外囲器の気密接合によって、画像表示装置の内部素子の熱影響を低減しつつ、気密性を高める技術が開示されている。気密性を高めるには、複数のループ状のフリットラインを用いて封止される。これにより、気密性を向上することができ、画像表示装置を安定して駆動することができる。
米国特許出願公開第2009/0039780号明細書 米国特許出願公開第2009/0009063号明細書
このように、局所加熱光を用いたガラス基材の接合方法においては、局所加熱光を単純に一つのループ状の接合材に照射するのではなく、複数の接合材に照射して多重に封止することによって内部空間を密閉し、気密信頼性を向上させる方法が知られている。しかしながら、このような方法で製造された気密容器やガラス基材の接合体においても、外力を受けることによって各々の封止ラインにクラックが発生し、気密性の長期的な信頼度が損なわれる場合があった。そこで本発明は、気密性の長期的な信頼度が高い気密容器の製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、第1の基材と、該第1の基材と対向して該第1の基材とともに気密容器の少なくとも一部を形成する第2の基材と、を接合することを含む、気密容器の製造方法が提供される。本発明は、粘度が負の温度係数を有し、互いに間隔をおいて並んでいる複数の線状の接合材を、第1の基材と第2の基材の双方に接触するように第1の基材と第2の基材との間に配置する工程と、局所加熱光を接合材に沿って照射し、第1の基材と第2の基材とを接合する接合工程と、を有する。接合工程では、局所加熱光の照射によって接合材を溶融させて、互いに隣接する接合材同士を連結させる。
本発明によれば、気密性の長期的な信頼度が高い気密容器の製造方法を提供することが可能となる。
局所加熱光の照射方法を示す模式図である。 気密容器の製造プロセスフローの一例を示す接合部の断面図である。 接合材の形成パターンの一例を示す断面図である。 局所加熱光の照射方法を示す模式図である。 加熱溶融部の応力分布を概念的に示す模式図である。 本発明の気密容器の製造方法を適用可能なFEDの部分破断斜視図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の気密容器の製造方法は、内部空間が外部雰囲気から気密遮断されることが必要なデバイスを有するFED、OLED、PDP等に用いられる気密容器の製造方法に適用することが可能である。特に、内部が減圧空間とされたFED等の画像表示装置では、内部空間の負圧によって発生する大気圧荷重に対抗可能な接合強度が求められるが、本発明の気密容器の製造方法によれば、接合強度の確保と気密性とを高度に両立することができる。しかし、本発明の気密容器の製造方法は、上述の用途に限定されるものではなく、互いに対向する基材の周縁部に接合部を有する、気密性が要求される気密容器の製造に広く適用することができる。
図6は、本発明の対象となる画像表示装置の一例を示す部分破断斜視図である。画像表示装置11の外囲器(気密容器)10は、いずれもガラス製のフェースプレート12、リアプレート13、および枠部材14を有している。枠部材14はそれぞれが平板状のフェースプレート12とリアプレート13との間に位置し、フェースプレート12とリアプレート13との間に密閉空間を形成している。具体的には、フェースプレート12と枠部材14、およびリアプレート13と枠部材14とが互いに対向する面同士で接合されることによって、密閉された内部空間を有する外囲器10が形成されている。外囲器10の内部空間は真空に維持され、フェースプレート12とリアプレート13との間の間隔規定部材であるスペーサ8が所定のピッチで設けられている。フェースプレート12と枠部材14、またはリアプレート13と枠部材14は、あらかじめ接合または一体形成されていてもよい。
リアプレート13には、画像信号に応じて電子を放出する多数の電子放出素子27が設けられ、画像信号に応じて各電子放出素子27を作動させるための駆動用マトリックス配線(X方向配線28,Y方向配線29)が形成されている。リアプレート13と対向して位置するフェースプレート12には、電子放出素子27から放出された電子の照射を受けて発光し画像を表示する蛍光体からなる蛍光膜34が設けられている。フェースプレート12上にはさらにブラックストライプ35が設けられている。蛍光膜34とブラックストライプ35は交互に配列して設けられている。蛍光膜34の上にはAl薄膜よりなるメタルバック36が形成されている。メタルバック36は電子を引き付ける電極としての機能を有し、外囲器10に設けられた高圧端子Hvから電位の供給を受ける。メタルバック36の上にはTi薄膜よりなる非蒸発型ゲッタ37が形成されている。
フェースプレート12、リアプレート13、および枠部材14は、透明で透光性を有していればよく、ソーダライムガラス、高歪点ガラス、無アルカリガラス等が使用可能である。後述する局所加熱光の使用波長および接合材の吸収波長域において、これらの部材が良好な波長透過性を有していることが望ましい。
次に、本発明の気密容器の製造方法について、図1から図4を参照して説明する。なお、以下の説明では、第1の基材を接合材が形成される基材、第2の基材を第1の基材と対向配置される基材という意味で用いている。
(ステップ1)
まず、図2(a)に示すように、枠部材14(第1の基材)を準備し、次に、図2(b)に示すように、複数の線状の接合材1を枠状に形成された枠部材14の上に形成する。図の簡略化のために、図2では1つの接合材1のみが示されているが、実際には、接合材1は複数形成される。接合材1は、粘度が負の温度係数を有し、高温で軟化すればよく、かつフェースプレート12、リアプレート13、及び枠部材14のいずれよりも軟化点が低いことが望ましい。接合材1の例として、ガラスフリット、無機接着剤、有機接着剤が挙げられる。接合材1は、後述する局所加熱光の波長に対して高い吸収性を示すことが好ましい。内部空間の真空度維持が要求されるFED等に適用する場合は、残留ハイドロカーボンの分解を抑制できるガラスフリットや無機接着剤が接合材1として好適に用いられる。また本実施形態における接合材1の形成パターンは、図3(a)に示すように、封止ラインに交差する方向に、少なくとも一箇所の不連続部が形成されるように配されていれば良い。接合材1の形成パターンは、好ましくは図3(b)、(c)のように複数の不連続部が形成されるようになっている。つまり、複数の線状の接合材1は、枠部材14上に、互いに間隔を置いて形成される。各々の接合材1は、気密容器の内部空間を取り囲む閉曲線状に形成されることが好ましい。すなわち、下記の接合工程前において、接合材1は、気密容器の内部空間を幾重に取り囲んでいることが好ましい。
(ステップ2)
次に、図2(c)に示すように、電子放出素子27等が形成されたリアプレート13(第2の基材)を枠部材14と対向配置する。これによって、枠部材14(第1の基材)とリアプレート13(第2の基材)との間に、枠部材14とリアプレート13の双方に接触するように、接合材1が配置される。この際、図2(d)に示すように、接合材1とリアプレート13との接触を確保するために、補助的にガラス基材52で枠部材14を覆い、接合材1をリアプレート13に押しつけることが好ましい。
(ステップ3)
次に、図2(e)および図4(a)に示すように、局所加熱光41を接合材1に移動照射し、対向配置されたリアプレート13と枠部材14とを接合する(接合工程)。リアプレート13と枠部材14とを接合後、補助的に用いたガラス基材52は退避させる(図2(f)参照)。局所加熱光41は、接合材1が枠状に延びる方向(封止ライン)D(図4(a)参照)に沿って、接合材1に移動照射される。局所加熱光41は、接合領域の近傍を局所的に加熱可能であればよく、光源としては半導体レーザが好適に用いられる。接合材1を局所的に加熱する性能や、第1および第2の基材としてのガラス基材の透過性等の観点から、赤外域に波長を有する加工用半導体レーザが好ましい。
図4(a)を参照すると、局所加熱光41を出射するレーザヘッド61が、ブレッドボード60に固定されている。本実施形態では、接合材1を含む被照射物を移動させているが、ブレッドボード60を方向Dに沿って移動させてもよい。
前述のように、接合材1は封止ラインDに交差する方向において、少なくとも1箇所の不連続部を備え、各々の接合材1が間隔をおいて配置されている。図5(a)および図5(b)は、それぞれ、局所加熱光41照射前および照射後の、枠部材14、リアプレート13および接合材1を示している。図5(c)は(a)の点線部(接合部)を拡大した模式図であり、図5(f)は(b)の点線部(接合部)を拡大した模式図である。図5(b)〜図5(f)は、局所加熱光41照射中の接合部の様子を経時的に示している。接合材1は、粘度が負の温度係数を有しているため、加熱溶融すると粘度が下がって流動化する。図5(c)に示すように、局所加熱光41を接合材1に照射することによって、流動化した接合材1が潰れて、互いに隣接する接合材1同士の間の空間71に流れていく。それに伴い、図5(d)に示すように、空間71は気泡となる。この気泡71の圧力は一時的に高まるが、接合材1の粘度が低下しているため、この気泡71は容易に外部に排出される(図5(f)参照)。その結果、局所加熱光41が照射された後は、封止ラインDに交差する方向において連続的な接合部が形成される。このようにして、複数の接合材1が一体化される。
局所加熱光41の照射前の接合材1に隣接する、枠部材14の領域72には、局所加熱光41の照射によって加熱された接合材1からの熱が流入し易い(図5(c),(f),(g)も参照)。一方で、接合材1同士の間の空間71に隣接する、枠部材14の領域73には、接合材1が空間71に浸入するまでは熱が流入し難い。そのため、流入する熱の総量は、領域72よりも領域73の方が少ないため、局所加熱光41の照射前に形成されている接合材1の付近の領域72には、熱膨張に起因する引っ張り応力が発生し易い。一方、接合材1同士の間の空間71に隣接する、枠部材14の領域73には圧縮応力が発生し易い。このような応力は、枠部材14だけでなくリアプレート13にも生じる。複数の接合材1は、連結された状態、つまり一体となった状態で固化するため、上記の応力分布は接合工程後にも維持される。その結果、図5(g)に示すように、外力によって封止部にクラック74が発生した際でも、圧縮応力が発生している領域73でクラック74の貫通を防止することが可能である。これにより、気密性の長期的な信頼度が高い気密容器を提供することが可能となる。
本実施形態における局所加熱光41の1つの照射方法は、図1(a)に示されるように、複数の局所加熱光41を、対応する接合材1の各々のライン1a、1b、1cに照射することにより、封止ラインDに交差する方向に連結した1つの接合部を得るものである。この際、複数の接合材1において、両端の接合材1aと1cに、接合材1bに先行して局所加熱光41を照射して接合すると、空間71(気泡)が排出されずに、接合材1中に取り残される場合がある。したがって、図1(a)に示されるように、複数の局所加熱光41を対応する接合材の各々のライン1a、1b、1cに照射する場合においては、先に接合材1bを接合した後に、両端の接合材1aと1cを接合する順序で行うことが好ましい。もしくは、一端部の接合材1aから他端部の接合材1cに向けて順番に局所加熱光を照射して接合を行うことが好ましい。
より具体的には、複数の接合材のうちの一の接合材に沿って一の局所加熱光を照射し、一の局所加熱光の照射の後を追うように、別の局所加熱光を一の接合材に隣接する別の接合材に照射することが好ましい。このように、封止ラインDに直交する方向に関して、各々の封止材を順番に加熱溶融させることで、空間(気泡)71を徐々に接合材の外側へ導いて、最終的に全ての接合材から気泡71を排出させることが容易になる。
また、図1(a)に示されるような複数の局所加熱光41を接合材1の各々のライン1a、1b、1cに任意の接合順序で照射する場合、接合材1が潰れて空間(気泡)71が排出されるという効果が阻害される場合がある。これは、局所加熱光41が照射されている部分に隣接する接合材が非溶融状態にあるからである。したがって、図1(b)に示されるように、封止ラインDに交差する方向において、複数の接合材1a、1b、1cが同時に加熱溶融するように局所加熱光41を照射することがより好ましい。この場合、図1(b)に示すように、局所加熱光41の有効ビーム径は、複数の接合材1が全て含まれるように調整する。
なお、局所加熱光(レーザ)41の走査速度、パワー、スポット径サイズ、波長、使用台数(個数)等は、工業的な生産性や接合材1の温度特性に応じて任意に選択可能である。本実施形態においては、例えば、接合材1a、1bまたは1cとして、幅が0.1mm以上1.0mm以下、厚さが5μm以上30μm以下のガラスフリットを使用することができる。接合材同士の間の空間71の幅は0.05mm以上1.0mm以下の範囲とすることが可能である。また、第1および第2の基材として、高歪点ガラス基材を使用することができる。その場合、局所加熱光41は、パワー10W〜1000W、波長808nm〜980nm、スポット径0.1mmφ〜6.0mmφ、走査速度5〜2500mm/sの範囲であることが好ましい。ただし、局所加熱光41の照射条件は、これらの条件に限定されない。より好ましい接合をするために、すなわち、接合材1同士の間の空間(気泡)71を排出し、接合材1で空間71を満たし、封止ラインDに交差する方向に連結された接合部を形成するように、接合材の特性に合わせて照射条件を調整することが望ましい。
以上のように、本実施形態では、互いに隣接する接合材1同士の間の空間71が接合材1によって満たされるように、局所加熱光41を照射することが重要である。しかしながら、本発明の気密容器の製造方法はこれに限定されず、互いに隣接する接合材1同士の間の空間71が接合材1によって完全に満たされなくても構わない。具体的には、互いに隣接する接合材1同士の間の空間71を部分的に連結するような形態となったり、上述したように照射順序によっては微小な気泡が混在するような形態となったりする場合がある。このような場合においても、接合材1同士の間の空間71を完全に満たす場合と同様の効果により、信頼性の高い気密容器の製造方法として広く適用することができる。
(ステップ4)
次に、図2(g)から図2(k)に示すように、上記ステップ1〜3と同様の手順で、フェースプレート12(第1の基材)と枠部材14(第2の基材)とを接合する。具体的にはまず、図2(g)に示すように、蛍光膜等が形成されたフェースプレート12を準備する。次に、図2(h)に示すように、フェースプレート12の上に、ステップ1と同様に、封止ラインに交差する方向において、少なくとも一箇所の不連続部を備えるように複数の接合材2を枠状に形成する。次に、図2(i)に示すように、ステップ2と同様にして、フェースプレート12と枠部材14とを接合材2を介して接触させる。ただし、ここでは補助的なガラス基材52は用いていない。次に、図2(j)および図4(b)に示すように、ステップ3と同様にして、枠状の接合材2の各辺に沿って局所加熱光41を照射する。このようにして、図2(k)に示すように、フェースプレート12とリアプレート13が枠部材14を介して対向し、内部空間が形成された外囲器10を形成する。本実施形態において、接合材2はフェースプレート12に形成されているが、枠部材14に形成することも可能である。なお、接合材2の種類・物性、レーザ光の照射条件等はステップ1〜3と同様とすることが好ましい。
以上説明した実施形態では、リアプレート13と枠部材14を接合し、さらにフェースプレート12と枠部材14を接合し、それによってフェースプレート12とリアプレート13の間に枠部材14が挿入された外囲器10が製造される。しかし、本発明はより一般的には、少なくとも一部がリアプレート13とフェースプレート12とからなる気密容器を製造する方法を提供するものである。従って、枠部材14の形状をした突状部があらかじめ一体形成されたガラス基材をリアプレート13またはフェースプレート12の一方として用い、他方のプレートと接合することも可能である。また、フェースプレート12と枠部材14を先に接合し、その後にリアプレート13と枠部材14を接合することも可能である。
さらに、以上説明した実施形態は画像表示装置を対象としたが、本発明はより一般的に、第1の基材と第2の基材との接合に適用することができる。複数の局所加熱光を用いる場合は、局所加熱光はすべて第1の基材側から照射してもよく、いくつかを第1の基材側から、残りを第2の基材側から照射してもよく、あるいは、すべてを第2の基材側から照射してもよい。
(実施例1)
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。第1の実施例は、上記実施形態で説明した製造方法を適用して枠部材とリアプレートとの気密接合を行い、さらに、枠部材とフェースプレートとの気密接合を行い、これによって真空気密容器を製造するものである。
工程1(接合材の枠部材(第1の基材)への形成)
第1の基材として枠部材14を形成した。具体的にはまず、1.5mm厚の高歪点ガラス基材(旭硝子株式会社製PD200)を用意し、外形980mm×580mm×1.5mmに切り出した。次に、切削加工により、中央部の970mm×570mm×1.5mmの領域を切り出して、幅5mm、厚さ1.5mmの略四角形断面の枠部材14を成形した。次に、有機溶媒洗浄、純水リンス及びUV-オゾン洗浄によって、枠部材14の表面を脱脂した。
本実施例では、接合材1、2としてガラスフリットを用いた。ガラスフリットとしては、熱膨張係数α=79×10-7/℃、転移点357℃、軟化点420℃のBi系鉛非含有ガラスフリット(旭硝子株式会社社製BAS115)を母材とし、バインダーとして有機物を分散混合したペーストを用いた。このペーストを、図3(b)に示されるように、枠部材14上にスクリーン印刷で、枠部材14の周長に沿って幅0.4mm、厚さ7μmで形成した。その際、互いに隣接する接合材1同士の間の空間71の幅は0.07mmとした。次に120℃で乾燥し、その後有機物をバーンアウトするため460℃で加熱、焼成し、3つの接合材1を形成した(図2(a)〜(b)参照)。
工程2(枠部材と電子源基材と接合材とを接触させる工程)
第2の基材として、リアプレート13(電子源基材)を形成した。具体的にはまず、外形1000mm×600mm×1.8mmの大きさのガラス基材(旭硝子株式会社製PD200)を用意し、有機溶媒洗浄、純水リンス及びUV−オゾン洗浄により表面を脱脂した。次に、このようにして得られたガラス基材の中央部の960mm×550mmの領域に、表面電子伝導型の電子放出素子27とマトリクス配線28,29を形成した。形成した電子放出素子27は、1920×3×1080の画素数を個別に駆動可能なように、マトリクス配線28,29に接続した。次に、マトリクス配線28,29上に、Tiからなる非蒸発ゲッタ材料を、厚さ2μmでスパッタリングにより成膜し、非蒸発型ゲッタ(不図示)を形成した。以上のようにして、第2の基材であるリアプレート13を用意した。なお、真空排気を行うために、リアプレート13のマトリクス配線28,29が形成されていない領域に、ガラス基材を貫通する直径3mmの開口(不図示)を予め設けた。
次に、接合材1が形成された枠部材14をリアプレート13に対してアライメントしながら、接合材1がリアプレート13の電子放出素子27を備えた面と接触するように、これらの部材を仮組みした。その後、接合材1への加圧力を均一化するために、補助的に、ガラス基材52(旭硝子株式会社製PD200)を、枠部材14を覆うように配置した。ガラス基材52は、リアプレート13と同じサイズのものを用いた。さらに、加圧力を補助するために、不図示の加圧装置によってリアプレート13と、接合材1と、枠部材14とを加圧した。このようにして、リアプレート13と枠部材14とを接合材1を介して接触させた(図2(c)〜(d)参照)。
工程3(接合材に局所加熱光を照射する工程)
図1,2,4を用いて、本発明の特徴部分である局所加熱光を利用した接合工程を詳細に説明する。
まず、図2(d)のようなリアプレート13と枠部材14と接合材1とからなる仮組み構造物に、局所加熱光(レーザ光)41を照射した。本実施例においては、加工用半導体レーザ装置を1個用意して、ブレッドボード60に固定した。局所加熱光41はいずれも、ガラス基材52に対して垂直方向に光軸を設定した。レーザヘッド61は、レーザ出射口とガラス基材52との距離が8cmとなるように配置した(図4(a)参照)。
局所加熱光41の照射条件は、波長980nm、レーザパワー450W、有効ビーム径2.0mmとし、走査方向Dに1000mm/sの速度で走査した。図1(b)に示すように、局所加熱光41は、3つの接合材1a、1b、1cの全幅が有効ビーム内に含まれるように、接合材1に合焦させて照射した。局所加熱光41の走査は、接合材1a、1b、1cを含む被照射物を移動させることにより行った(図2(e)および図1(b)参照)。なお、本明細書中において、レーザパワーは、レーザヘッドから出射した全光束を積分した強度値として規定し、有効ビーム径は、レーザ光の強度がピーク強度のe-2倍以上となる範囲として規定した。
上記の工程を、枠部材14の残りの3つの周辺部に対しても同様に行い、リアプレート13と枠部材14との接合を完了した(図2(f)参照)。
工程4(枠部材と、接合材と、フェースプレートを準備する工程)
次に、リアプレート13と同様に、旭硝子社株式会社製PD200をガラス基材として用いて、蛍光膜34等を具備したフェースプレート12を作成した(図2(g)参照)。このフェースプレート12の上に、工程1と同様にして接合材2を形成した(図2(h)参照)。
工程5(枠部材と、接合材と、フェースプレートとを接触させる工程)
枠部材14を、接合材2が形成されたフェースプレート12に対してアライメントしながら、フェースプレート12と、接合材2と、枠部材14とを加圧した。(図2(i)参照)。
工程6(接合材に局所加熱光を照射する工程)
工程3と同様にして、フェースプレート12と枠部材14を、局所加熱光41を用いて接合し、気密容器を完成させた。工程5,6では、補助的なガラス基材52は用いなかった。レーザ光の照射条件や走査方法は、工程3の条件と同じとした。レーザヘッド61と被照射物との位置関係は、図4(b)に示す通りとした。工程4〜6では、工程1〜3のようにフリットペーストを枠部材14に形成せず、フェースプレート12に形成した。その他は工程1〜3と同様にして、フェースプレート12と枠部材14とを接合した(図2(g)〜(k)および図4(b)参照)。
以上の様にして、気密容器を備えたFED装置を作成した。装置を動作させたところ、電子放出性能及び画像表示性能が長時間安定して維持され、気密容器の接合部が、FEDに適用可能な程度の強度と安定した気密性とを確保していることが確認された。
(実施例2)
本実施例では、実施例1の工程3及び工程6において、図1(a)に示されるように、各々の接合材1a、1b、1cに、それに対応する局所加熱光41を順番に照射したこと以外は実施例1と同様にしてFED装置を作成した。局所加熱光41は、一方の端に配置された接合材1aから、他方に配置された接合材1cに向けて順番に照射した。具体的には、局所加熱光41の照射条件は、波長980nm、レーザパワー32W、有効ビーム径0.5mmとし、走査方向Dに1000mm/sの速度で走査した。
以上の様にして、気密容器を備えたFED装置を作成した。装置を動作させたところ、電子放出性能及び画像表示性能が長時間安定して維持され、気密容器の接合部が、FEDに適用可能な程度の強度と安定した気密性とを確保していることが確認された。
1,2 接合材
12 フェースプレート
13 リアプレート
14 枠部材
41 局所加熱光

Claims (6)

  1. 第1の基材と、該第1の基材と対向して該第1の基材とともに気密容器の少なくとも一部を形成する第2の基材と、を接合することを含む、気密容器の製造方法であって、
    粘度が負の温度係数を有し、互いに間隔をおいて並んでいる複数の線状の接合材を、前記第1の基材と前記第2の基材の双方に接触するように前記第1の基材と前記第2の基材との間に配置する工程と、
    局所加熱光を前記接合材に沿って照射し、前記第1の基材と前記第2の基材とを接合する接合工程と、を有し、
    前記接合工程では、前記局所加熱光の照射によって前記接合材を溶融させて互いに隣接する接合材同士を連結させる、気密容器の製造方法。
  2. 前記接合工程では、互いに隣接する前記接合材同士の間の空間を、前記局所加熱光の照射によって溶融させた前記接合材によって満たす、請求項1に記載の気密容器の製造方法。
  3. 各々の前記接合材を前記気密容器の内部空間を取り囲む閉曲線状に形成するように前記複数の接合材を配置する、請求項1または2に記載の気密容器の製造方法。
  4. 前記接合工程は、前記複数の接合材を順番に加熱溶融させる、請求項1から3のいずれか1項に記載の気密容器の製造方法。
  5. 前記接合工程では、前記複数の接合材のうちの一の接合材に沿って一の局所加熱光を照射し、前記一の局所加熱光の照射の後を追うように、別の局所加熱光を前記一の接合材に隣接する別の接合材に照射する、請求項1から3のいずれか1項に記載の気密容器の製造方法。
  6. 前記接合工程では、前記複数の接合材を一の局所加熱光によって同時に加熱溶融させる、請求項1から3のいずれか1項に記載の気密容器の製造方法。
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