JP5697385B2 - ガラス基材の接合体、気密容器、及びガラス構造体の製造方法 - Google Patents

ガラス基材の接合体、気密容器、及びガラス構造体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス基材の接合体、気密容器、及びガラス構造体の製造方法に関する。本発明は、酸素、水等のガスの侵入によって性能が低下するおそれのあるデバイスを内部に有するディスプレイ等の外囲器及びその製造方法に特に好適に適用できる。
従来、対向するガラス基材を気密接合して気密性を有する内部空間を形成する技術が知られている。この技術は、真空断熱ガラス、有機LEDディスプレイ(OLED)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)等の、フラットパネルの気密容器(外囲器)の製造方法に適用されている。これらの気密容器の製造においては、対向するガラス基材の間に必要に応じて間隔規定部材や局所的な接着材等を配置した上で、周縁部に接合材を配置して、加熱等によりガラス基材同士を接合する。ガラス基材同士の接合方法としては、ガラス基材を仮組みして得られた組立体を加熱炉によって全体加熱(ベーク)する方法と、組立体の周縁部のみを局所加熱手段によって選択的に加熱する方法と、が提案されている。加熱冷却時間、加熱に要するエネルギーの低減、容器内部の機能デバイスの熱劣化防止といった観点で、局所加熱は全体加熱よりも有利である。
特許文献1には、局所加熱の長所を生かしてレーザ光による気密接合をOLEDの外囲器の製造方法に適用した例が開示されている。この製造方法では、まず2つのガラス基材の間に配置されたフリットを第1のレーザ光によって加熱溶融させ、ガラス基材同士を接合する。次に、接合された領域に第2のレーザ光を照射して、接合された領域をアニールする。第2のレーザ光によるアニール効果によって、その後の切断工程時において不適切な方向のガラス割れが生じるのが防止される。
特許文献2には、極短パルス幅のレーザ光によってガラス基材の破壊強度を高める技術が開示されている。この技術では、ガラス基材に極短パルス幅のレーザ光を照射することによってガラス基材に異質相が形成される。この異質相はガラス基材の表面近傍に形成された圧縮応力層である。ガラス基材の表面近傍に圧縮応力層が形成されることによって、ガラス基材の強度が高められる。
特許文献3には、FEDの外囲器の製造方法が開示されている。この製造方法では、まず対向配置された第1のガラス基材と第2のガラス基材の周縁部に枠部材と接合材(フリット)を配置する。次に、接合材の延びる方向に沿って、レーザ光を断続的に照射して、離散的な部分接合を得る。次に、部分接合された領域を含む接合材の全周に渡って連続的にレーザ光を照射して、連続的な気密接合を得る。
特許文献4には、融着ガラスの製造方法が開示されている。この製造方法では、まず、対向配置された第1のガラス基材と第2のガラス基材の周縁部に接合材(フリット)を配置する。次に、予熱、接合、徐冷のための局所加熱光源をこの順に近接配置した光源を用いて、接合材の全周に渡って連続的にレーザ光を走査しながら照射し、連続的な気密接合を得る。予熱、接合、徐冷の目的で3段階のレーザ照射が行われるため、被照射物の温度分布が緩やかとなり、クラックの防止が容易となる。予熱の段階ではガラス融着温度未満に加熱されるため、ガラスの融着は生じない。
特許文献5には、表示装置の2つの基板を接合する方法が開示されている。この接合方法では、まず対向配置された第1のガラス基板と第2のガラス基板の周縁部に封止材料を
配置する。次に、照射範囲が広く封止材料とその周辺の基板を同時に加熱できる第1のレーザ光と、照射範囲が狭く封止材料に対する吸収率が高い第2のレーザ光と、を同時に照射する。第1のレーザ光の方が広い照射範囲を有しているため、封止材料はまず第1のレーザ光で、溶融しない程度に加熱され、その後第2のレーザ光で加熱溶融される。
特許文献6には、表示装置の2つの基板を接合する方法が開示されている。この接合方法では、第1の基板上に配置される接合材(フリット)に接触するように第2の基板を配置し、接合材にレーザ光を5mm/s〜300mm/sの速度で走査照射することで2つの基板を接合する。
米国特許出願公開第2008/0171485号明細書 特開2003−286048号公報 米国特許第5820435号明細書 特開2000−313630号公報 特開2006−315902号公報 米国特許出願公開第2007/0128966号明細書
ガラス基材の接合体において、ガラス基材同士を接合する接合部材に外力が作用すると、接合部材にクラックが発生し、接合部材の強度が低下する場合がある。ガラス基材の接合体により構成される気密容器にあっては、接合部材の強度低下は気密性の長期的な信頼性の低下につながり、ディスプレイ装置の安定動作に影響する場合がある。
気密容器などのガラス基材の接合体に作用する外力としては、圧力変動や振動などがある。例えば、1気圧の圧力環境で製造された気密容器は、空輸時には0.2気圧程度の低圧環境に晒され、標高の高い地域へ出荷された場合には0.6気圧程度の低圧環境で使用されることもある。このように、気密容器が製造時の圧力環境よりも低圧の圧力環境に晒されると、外部空間の圧力による気密容器への加圧が減少し、気密容器の接合部において圧縮応力の低下や引張応力の増大が発生することがある。そうすると、接合部材にクラックが発生し易くなり、また、接合部材に発生したクラックが接合部材内を進展し易くなるため、接合部材の強度低下や気密性の低下が起こり易くなる。
そこで本発明は、接合部材によって接合された一対のガラス基材を含むガラス基材の接合体において、外力によって接合部材にクラックが発生することを抑制することができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、
第1のガラス基材と、
第2のガラス基材と、
前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材とを接合し、粘度が負の温度係数と前記第1のガラス基材及び前記第2のガラス基材のいずれよりも低い軟化点温度とを有し、前記第1のガラス基材及び前記第2のガラス基材の対向する面に沿って所定の幅で延在する接合部材と、
を有するガラス基材の接合体であって、
前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材の少なくとも一方は、前記接合部材の幅方向の端部近傍においてガラス基材の内部方向に押し込まれて弾性変形しており、
前記接合部材の幅方向の端部近傍における、前記弾性変形しているガラス基材と前記接合部材との境界面及び前記弾性変形しているガラス基材の表面は、前記接合部材の幅方向の中央部近傍における、前記弾性変形しているガラス基材と前記接合部材との境界面よりも、ガラス基材内部側に位置し、
前記接合部材の幅方向の端部近傍において、前記接合部材の厚さ方向における残留応力が圧縮応力となる領域が形成されているガラス基材の接合体である。
本発明は、
第1のガラス基材と、
第2のガラス基材と、
前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材とを接合し、粘度が負の温度係数と前記第1のガラス基材及び前記第2のガラス基材のいずれよりも低い軟化点温度とを有し、前記第1のガラス基材及び前記第2のガラス基材の対向する面に沿って所定の幅で延在する接合部材と、
を有する気密容器であって、
前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材の少なくとも一方は、前記接合部材の幅方向の端部近傍においてガラス基材の内部方向に押し込まれて弾性変形しており、
前記接合部材の幅方向の端部近傍における、前記弾性変形しているガラス基材と前記接合部材との境界面及び前記弾性変形しているガラス基材の表面は、前記接合部材の幅方向の中央部近傍における、前記弾性変形しているガラス基材と前記接合部材との境界面より
も、ガラス基材内部側に位置し、
前記接合部材の幅方向の端部近傍において、前記接合部材の厚さ方向における残留応力が圧縮応力となる領域が形成されている気密容器である。
本発明は、
第1のガラス基材と、該第1のガラス基材とともにガラス構造体の少なくとも一部を形成する第2のガラス基材と、を接合することを含む、ガラス構造体の製造方法であって、
前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材との間に、粘度が負の温度係数と前記第1のガラス基材及び前記第2のガラス基材のいずれよりも低い軟化点温度とを有し、前記第1のガラス基材及び前記第2のガラス基材の対向する面に沿って所定の幅で延在する接合部材を、該接合部材が前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材の双方に接触するように配置する工程と、
前記接合部材を、該接合部材の厚さ方向に押圧する工程と、
前記接合部材に、前記第1のガラス基材を介して、照射位置が前記接合部材の延在する方向に沿って移動するように第1の局所加熱光を照射し、前記接合部材を幅方向全域で加熱溶融させた後に軟化点温度以下まで冷却させる第1の接合工程と、
を有し、
前記第1の局所加熱光による照射位置の移動速度v(m/s)及び前記第1の局所加熱
光のビーム径φ(m)は、前記第1のガラス基材の厚さをd(m)、前記第1のガラス基材の熱拡散率をa(m/s)、前記接合部材の幅をw(m)とした場合、
φ/v<(d/8)/(12a)・・・(式1)
φ>w ・・・(式2)
を満たすガラス構造体の製造方法である。
さらに、本発明は、
第1のガラス基材と、該第1のガラス基材とともに気密容器の少なくとも一部を形成する第2のガラス基材と、を接合することを含む、気密容器の製造方法であって、
前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材との間に、粘度が負の温度係数と前記第1のガラス基材及び前記第2のガラス基材のいずれよりも低い軟化点温度とを有し、前記第1のガラス基材及び前記第2のガラス基材の対向する面に沿って所定の幅で延在する接合部材を、該接合部材が前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材の双方に接触するように枠状に配置する工程と、
前記接合部材を、該接合部材の厚さ方向に押圧する工程と、
前記接合部材に、前記第1のガラス基材を介して、照射位置が前記接合部材の延在する方向に沿って移動するように第1の局所加熱光を照射し、前記接合部材を幅方向全域で加熱溶融させた後に軟化点温度以下まで冷却させる第1の接合工程と、
を有し、
前記第1の局所加熱光による照射位置の移動速度v(m/s)及び前記第1の局所加熱
光のビーム径φ(m)は、前記第1のガラス基材の厚さをd(m)、前記第1のガラス基材の熱拡散率をa(m /s)、前記接合部材の幅をw(m)とした場合、
φ/v<(d/8) /(12a)・・・(式1)
φ>w ・・・(式2)
を満たす気密容器の製造方法である。
本発明によれば、接合部材によって接合された一対のガラス基材を含むガラス基材の接合体において、外力によって接合部材にクラックが発生することを抑制することができる。
実施形態に係る気密容器の概略構成を示す図 ガラス基材の弾性変形を確認する方法を説明する図 レーザ照射時のガラス基材の変形のしかたを示す図 レーザ照射に伴う接合材及びガラス基材の状態変化を示す図 実施例1、2における局所加熱光の照射方法を示す図 実施例1、2における接合材の温度の観測方法を示す図 接合部材における応力分布を示す図 実施例1、3、4、6、7、8、9に係る気密容器の製造方法を示す図 実施例2に係る気密容器の製造方法を示す図 実施例に係る気密容器を含むFEDの部分破断斜視図 実施例3、5、6、7、8、9に係る接合領域の状態を示す図 実施例4に係る接合領域の状態を示す図 実施例3〜9における局所加熱光の照射方法を示す図 接合材の温度と接合部のクラック密度の関係を示す図 実施例において接合材が形成された状態を示す図 実施例5に係る気密容器の製造方法を示す図
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明のガラス基材の接合体及び気密容器は、外部雰囲気から気密遮断されることが必要なデバイスを内部空間に有するFED、OLED、PDP等の外囲器に好適に適用することが可能である。また、本発明のガラス構造体の製造方法は、外部雰囲気から気密遮断されることが必要なデバイスを内部空間に有するFED、OLED、PDP等の外囲器の製造に適用することが可能である。特に、内部が減圧空間とされたFED等の画像表示装置の外囲器の気密容器では、内部空間の負圧によって気密容器が大気圧荷重を受け、その大気圧荷重によって気密接合部にクラックが発生することがある。このようなクラックは、気密容器の気密性の長期的な信頼度を損なう場合がある。本発明のガラス構造体の製造方法によれば、気密性の長期的な信頼度の高い気密容器を得ることができる。なお、本発明のガラス構造体の製造方法は、内部が減圧空間とされた気密容器の製造や、対向するガラス基材の周縁部が気密性を要求される接合部材によって接合された気密容器の製造に限定されるものではない。本発明のガラス構造体の製造方法は、ガラス基材同士が接合部材により接合されたガラス構造体一般の製造に広く適用することができ、それにより外力に対して接合部材にクラックが発生しにくいガラス構造体を得ることができる。
図10は、本実施形態に係る気密容器を含む画像表示装置(FED)の部分破断斜視図である。画像表示装置11の外囲器(気密容器)10は、いずれもガラス製のフェースプレート12と、リアプレート13と、枠部材14と、を有している。枠部材14はそれぞれが平板状のフェースプレート12とリアプレート13との間に位置し、フェースプレート12とリアプレート13との間に密閉空間を形成している。具体的には、フェースプレート12と枠部材14、及びリアプレート13と枠部材14の互いに対向する面同士が接合されることによって、密閉された内部空間を有する外囲器10が形成されている。外囲器10の内部空間は真空に維持され、フェースプレート12とリアプレート13との間の間隔規定部材であるスペーサ8が所定のピッチで設けられている。フェースプレート12と枠部材14、またはリアプレート13と枠部材14は、あらかじめ接合され、または一体形成されていてもよい。
リアプレート13には、画像信号に応じて電子を放出する多数の電子放出素子27が設けられ、画像信号に応じて各電子放出素子27を作動させるための駆動用マトリックス配線(X方向配線28、Y方向配線29)が形成されている。リアプレート13と対向して位置するフェースプレート12には、電子放出素子27から放出された電子の照射を受けて発光し画像を表示する蛍光体からなる蛍光膜34が設けられている。フェースプレート12上にはさらにブラックストライプ35が設けられている。蛍光膜34とブラックストライプ35は交互に配列して設けられている。蛍光膜34の上にはAl薄膜よりなるメタ
ルバック36が形成されている。メタルバック36は電子を引き付ける電極としての機能を有し、外囲器10に設けられた高圧端子Hvから電位の供給を受ける。メタルバック36の上にはTi薄膜よりなる非蒸発型ゲッタ37が形成されている。
フェースプレート12、リアプレート13、及び枠部材14は、透明で透光性を有していればよく、ソーダライムガラス、高歪点ガラス、無アルカリガラス等が使用可能である。後述する局所加熱光の使用波長及び接合材の吸収波長域において、これらの部材が良好な波長透過性を有していることが望ましい。
次に本実施形態におけるガラス基材の接合体、気密容器、及びガラス構造体の製造方法について、図面を参照して説明する。
図1は、画像表示装置11の外囲器10の概略構成を示す図である。図1(a)は外囲器10をフェースプレート12に垂直の方向から見た図である。なお図1(a)においてフェースプレート12は省略してある。図1(b)は図1(a)のAA’線による外囲器10の断面図、図1(c)は図1(a)のBB’線による外囲器10の断面図、図1(d)は図1(a)のCC’線による外囲器10の断面図、図1(e)は図1(d)の破線で囲んだ部分90の拡大図である。
図1(e)に示すように、リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材1の幅方向の端部91は、リアプレート13(第1のガラス基材)及び枠部材14(第2のガラス基材)に食い込んでいる。図1(e)の右側の接合部材端部91とガラス基材14(枠部材)を例に説明すると、接合部材端部91近傍において、ガラス基材14は、ガラス基材14の内部方向へ押し込まれて変形している。接合部材端部91近傍におけるガラス基材14の表面94や、接合部材端部91近傍において接合部材1とガラス基材14とが接触している部分の境界面93に着目する。この表面94や境界面93は、接合部材1の幅方向の中央部近傍において接合部材1とガラス基材14とが接触している部分の境界面96よりも、ガラス基材14の内部側に位置している。接合部材端部91の、最大厚さ部92における接合部材厚さをdとして、ガラス基材14の表面における、最大厚さ部92からの接合部材1の幅方向での距離がdである位置141及び142を直線で結んで得られる仮想的な境界線143を考える。このとき、境界面93及び表面94が仮想的な境界線143よりもガラス基材14の基材内部側にある。
接合部材端部91近傍における上述したガラス基材14の変形は弾性変形である。接合部材端部91近傍においてガラス基材14が基材内部側へ押し込まれて弾性変形することにより、接合部材端部91近傍のガラス基材14には圧縮応力が発生する。この圧縮応力が駆動力となり、ガラス基材14は、接合部材端部91を、ガラス基材13(リアプレート)側へ押しつける。同様に、接合部材端部91近傍のガラス基材13内部に発生した圧縮応力が駆動力となり、ガラス基材13は、接合部材端部91を、ガラス基材14側へ押しつける。このように、対向するガラス基材の少なくとも一方が接合部材端部91を他方のガラス基材の側へ押しつける作用によって、接合部材端部91は圧縮されるため、接合部材端部91は圧縮応力領域となる。すなわち、本実施形態においてガラス基材同士を接合する接合部材1は、幅方向の両方の端部に圧縮応力領域が形成される。
ガラス基材が接合部材端部91を圧縮する作用の駆動力は、ガラス基材内部に発生した圧縮応力である。この駆動力は、気密容器を構成するガラス基材自体に内在するため、ガラス基材が接合部材端部91を圧縮する作用は、気密容器の外部の圧力変動などによらず持続する。接合部材1の両方の端部91に圧縮応力の領域が形成されることにより、接合部材1には外力に起因するクラックが入りにくくなる。そのため、気密容器の移動や輸送時の圧力変動や製造時と使用時の圧力環境の相違などによらず、接合部材1にクラックが
発生することが抑制され、長期的な気密性の信頼度が高い気密容器が得られる。気密容器に限らず、一般のガラス基材の接合体において、接合部材の両側の端部近傍のガラス基材が基材内部側に弾性変形し、接合部材の両側の端部に圧縮応力の領域が形成されることにより、接合部材に外力に起因するクラックが発生しにくくなる。従って、強度に優れたガラス基材の接合体が得られる。
本発明における気密容器に用いるガラス基材としては、ガラス基材自体からの脱ガスが少ないものが望ましい。本発明の気密容器をFED、OLED等のディスプレイ装置に用いる場合、気密容器のガラス基材としては、装置動作時の温度変動などに対する化学的及び熱的な安定性の点から、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、高歪点ガラスが好適である。
本発明における気密容器に用いる接合材は、接合材自体からの脱ガスが少ないものが望ましい。本発明の気密容器をFED、OLED等のディスプレイ装置に用いる場合、接合材としては、装置動作時の温度変動などに対する化学的及び熱的な安定性の点から、ガラスフリット、無機接着材、低融点ガラス等が好適である。
次に、ガラス基材の接合体が本発明の要件を充足しているかを確認する方法の一例を図2を用いて詳細に説明する。図2は、画像表示装置11の外囲器10の概略構成を示す図である。図2(a)は外囲器10(気密容器)をフェースプレート12に垂直の方向から見た図、図2(b)は図2(a)のBB’線による気密容器の断面図、図2(c)は図2(a)及び(b)の太枠線Dで囲まれた部分を切り出した検体の斜視図である。図2(d)及び(e)は図2(c)の検体における接合部材1の近傍部分95の拡大図である。
まず、気密容器から接合部材1を含む検体を切り出す。検体は、図2(c)に示すように、一対のガラス基材(枠部材14、リアプレート13)の間に接合部材1が挟まれたサンドイッチ状に切り出す。切り出す方法は、特に限定されないが、接合面が平滑で、接合強度を可能な限り低下させない方法がよく、ダイシングカッター、FIB(Focused Ion Beam)等を用いることが可能である。必要に応じて、切断に先立って予め樹脂で補強しても良い。切断面間の厚みは、100μm〜数mm程度とすることが可能である。
次に、用意した検体の温度を、気密容器の想定使用環境に一致する温度又は室温にする。次に、切断面におけるガラス基材の表面及び接合部材1とガラス基材との境界面の形状144を光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡等で取得する。そして、ガラス基材の表面の高さ及び接合部材1とガラス基材との境界面の高さを、接合部材1の幅方向の位置に対してプロットして、ガラス基材の表面及び接合部材1とガラス基材との境界面の形状144(以下、境界形状という)を特定する。(図2(d))
次に、不図示の加熱装置にて検体を加熱し、検体の温度を接合材の軟化点温度以上にする。検体の温度を10分程度、接合材の軟化点温度以上に維持した後、境界形状144を取得したときの温度(気密容器10の想定使用環境温度又は室温)まで冷却する。そして、加熱前の境界形状144を取得した方法と同様に、ガラス基材の境界形状145を特定する。(図2(e))
得られたガラス基材の境界形状144及び145を比較する。そして、接合部材端部91近傍において加熱後の境界形状145が加熱前の境界形状144に対してより直線的であれば、接合部材1が軟化する前の状態(図2(d))においてガラス基材が弾性変形していたことを確認できる。
さらに、加熱前のガラス基材の境界形状144において、接合部材端部91の最大厚さ部92における接合部材1の厚さをdする。そして、ガラス基材14の表面における、最大厚さ部92からの幅方向での距離がdである位置141及び142を直線で結び、仮想的な境界線143を考える。このとき、加熱前のガラス基材の境界形状144が仮想的な境界線143よりもガラス基材14の基材内部側にあれば、ガラス基材が基材内部側へ押し込まれて変形していることを確認できる。
本発明の気密容器は、気密容器外部の圧力変動によらず安定的に接合部材端部91に圧縮応力が残留する。そのため、気密容器を0.1気圧(10kPa)の減圧室に入れた際にも、その減圧環境下で接合部材にクラックが発生しにくいだけでなく、クラックが発生した場合においても、接合部材端部91にはクラックが進展しにくいことを確認できた。
本発明の気密容器の接合部材の幅方向の応力分布は、図2(c)に示すような接合部材を含む検体を切り出して光弾性応力測定装置(Stress Photonics社製のGFP1400等)を用いて確認することができる。
次に本発明の気密容器の製造方法を図3及び図4を用いて詳細に説明する。
本発明のガラス構造体の製造方法では、図3に示すように、一対のガラス基材13及び
14に接合材1aを狭持させた仮組物に、接合の厚さ方向(ガラス基材対及び接合材に垂直の方向)の加圧力を持続的に印加する工程を含む。そして、この仮組物に対し第1の局所加熱光41を照射する工程を含む。この照射工程には、仮組物又は第1の局所加熱光41の光源を、接合材1aの延在する方向(図2で接合材1aの幅方向と垂直かつガラス基材13や14と平行の方向。図3の矢印Dで示す方向)に移動させる工程が含まれる。このガラス構造体の製造方法では、第1の局所加熱光41の照射時に照射領域421においてガラス基材13、14が選択的(局所的)に弾性変形することにより、照射領域421における接合材1aへの加圧力が増大することを特徴としている。
前記加圧力の増大は、第1の局所加熱光41が入射する側に位置する第1のガラス基材13及びそれに対向する側に位置する第2のガラス基材14の基材厚さ方向(図3の矢印yで示す)の温度差(温度分布)によって生じる。ガラス基材の厚さ方向の温度差は、以下のようにして生じる。すなわち、接合材1aが第1の局所加熱光4のエネルギーを吸収することで接合材1aの温度が局所的に上昇し、温度上昇領域421において接合材1aが軟化溶融して流動性を生じる。軟化溶融した接合材1aがガラス基材13、14に伝熱的に良好に接触することにより、ガラス基材13、14は、高温かつ流動性を有する接合材1aに接触し、急激に加熱される。
なお、ガラス基材13、14自体は第1の局所加熱光41の波長に対するエネルギー吸収性が低い。これにより、ガラス基材13、14の内部には、厚さ方向で接合材1aに近いほど高温となり、接合材1aから離れるほど(ガラス基材内部側の位置になるほど)低温となるような温度分布が基材厚さ方向に形成される。このようなガラス基材13、14の厚さ方向の温度差により、ガラス基材13、14の熱膨張の態様が厚さ方向で異なることになるため、ガラス基材13、14には、図3に示すように、接合材1aに近い方が凸になる反りが生じる。このガラス基材13、14の反りにより、第1の局所加熱光41の照射領域421において軟化溶融した接合材1aをガラス基材13、14が選択的(局所的)に押圧するため、接合材1aに対する加圧力が照射領域421において増大する。
上記のガラス基材内部の温度分布によって厚さ方向で熱膨張の態様に差が生じてガラス基材が反る現象は、バイメタルにおいて厚さ方向の熱膨張率の相違によって厚さ方向で熱膨張の態様に差が生じてバイメタルが反る現象と似ている。以下、本発明のガラス構造体の製造方法においてガラス基材が厚さ方向の温度分布によって反る現象を「バイメタル効
果」と称する。
第1の局所加熱光41の照射後、接合材の溶融に伴いガラス基材の厚さ方向の温度差が増大する。ガラス基材の厚さ方向の温度差が最大となる時刻が過ぎると、熱拡散作用により次第にガラス基材の厚さ方向の温度差が緩和する。第1の局所加熱光41の照射条件を適切に設定することにより、第1の局所加熱光41の照射後に生じるガラス基材の厚さ方向の温度差の緩和速度を調節し、接合材に対する加圧力の増大作用を調節することができる。
上述したバイメタル効果によるガラス基材の弾性変形と、接合部材端部における接合部材とガラス基材との境界面及び接合部材端部近傍におけるガラス基材表面の基材内部側へ押し込まれる弾性変形と、の素過程を図4を用いて詳細に説明する。図4の各図は、図3のEE’線によるガラス基材13、14及び接合材1aの断面図である。図4における符号Dは第1の局所加熱光41による照射位置の移動方向を表す。
図4(a)は、一対のガラス基材13、14に挟まれるように接合材1aを配置したアセンブリ段階を表す図である。この段階では、ガラス基材対を介して、接合材1aには圧力が印加されている。
図4(b)は、接合材1aの幅方向全体を加熱するに十分なビーム径を有する第1の局所加熱光41を、ガラス基材13(第1のガラス基材)を介して接合材1aに照射する段階を表す図である。
図4(c)は、接合材1aが温度上昇により軟化変形した状態を表す図である。本発明に係る接合材1aは、粘度が負の温度係数を有する。すなわち、温度変化に対し負の傾きで粘度が変化する。また、接合材1aは、第1の局所加熱光41の波長に対してエネルギーを吸収する材料である。すなわち、第1の局所加熱光41の波長は接合材1aの吸収帯に含まれる。また、第1の局所加熱光41はガラス基材13、14を透過する。第1の局所加熱光41の照射により接合材1aが温度上昇すると、アセンブリ段階の押圧により、接合材1aは軟化変形する。この段階では、接合材1aは流動性を有していないが、接合材1aの微小な凹凸が加圧により潰されて、ガラス基材との密着性が図4(b)の段階より高くなる。
図4(d)は、図4(c)の段階よりさらに接合材1aの温度が上昇し、高温の接合材1aがよりガラス基材に密着した状態を表す。この段階では、高温の接合材1aからガラス基材への伝熱が促進され、ガラス基材の接合材1aと接触している面に近い側と当該接触面と反対側の面に近い側との温度差が拡大する。そして、上述したガラス基材の厚さ方向のバイメタル効果により、ガラス基材が接合材1aを押圧する加圧力がより強くなる。
図4(e)は、着目している箇所の接合材1aに対する第1の局所加熱光41の照射が終わる段階を表す図である。この段階では、接合材1aが軟化溶融しており、接合材1a側に反って変形したガラス基材によって接合材1aがより一層強く押圧されている。この段階で接合材1a及びガラス基材は最高到達温度になる。
図4(f)は、第1の局所加熱光41が通過した後、接合材1aの冷却固化が開始する段階を表す図である。この段階では、周辺の非加熱領域を含む低温領域への熱拡散により、接合材1aは、幅方向の端部910から固化し始める。このとき、ガラス基材のバイメタル効果が減少し始め、ガラス基材の反りが低減し始めるが、接合材1aの端部910が固化し始める段階ではまだガラス基材の反りが大きい。そのため、固化した接合材1aの端部910の厚さhは、ガラス基材に反りがほとんど生じていない状態(ガラス基材対がほぼ平行の状態)である図4(c)の段階における接合材1aの厚さhより高くなる
図4(g)は、図4(f)の段階よりさらに接合材1a及びガラス基材の冷却が進み、接合材1aの端部領域910から接合材1aの幅方向中央部920へと固化が進んでいく段階を表す図である。図4(e)の段階における接合材1aの最高到達温度とガラス基材の最高到達温度とでは、接合材1aの最高到達温度の方が高い。このため、冷却に伴う接合材1aの収縮量とガラス基材の収縮量とでは、接合材1aの収縮量の方が相対的に大きくなる。また、ガラス基材は、図4(d)〜図4(f)の段階でバイメタル効果によって反るが、これは弾性変形であり、冷却に伴って、ガラス基材は、ガラス基材対がほぼ平行であった図4(c)の状態まで復元しようとする。これにより、接合材1aの中央部920が固化する段階では、接合材1aの厚さは図4(c)の段階における接合材1aの厚さhに近くなる。
図4(h)は、接合材1aが固化して、ガラス基材同士が接合部材1によって接合された状態を表す図である。ガラス基材対が反った状態で端部910の接合材1aが先ず固化し、ガラス基材対の反りが復元した状態で中央部920の接合材1aが遅れて固化することにより、ガラス基材間に形成される接合部材1は、図4(h)に示すようになる。すなわち、膜厚の高い接合部材端部91をガラス基材内部に抱き込むような形状となる。この段階では、先に固化して形成された接合部材端部91は、接合部材1の幅方向の中央領域95より厚く、かつ、ガラス基材対内部に食い込む態様で接合面(境界面)を形成している。ガラス基材は、接合部材端部91付近で、接合部材端部91によりガラス基材の内部方向に押し込まれて弾性変形している。この接合部材1によって接合されるガラス基材対においては、接合部材1の幅方向端部においてガラス基材が基材内部方向に弾性変形した状態が維持されることになる。このため、この接合部材1によって接合されるガラス基材対においては、接合部材1の幅方向端部に、安定的に圧縮応力領域が形成されることになる。
なお、図4(d)〜(f)に至る段階で発生しているバイメタル効果は、紙面の左右方向のみならず、奥行き方向を含めて、第1の局所加熱光41による加熱領域を中心とするガラス基材13の平面内全周に発生している。ここでは、簡単のため図4(d)〜(f)においては図示を一部省略している。
次に本発明ガラス構造体の製造方法が満たすべき要件について説明する。
本発明に係るガラス構造体の製造方法では、第1の局所加熱光の照射位置近傍のガラス基材に上述した意味でのバイメタル効果を生じさせる必要がある。そして、バイメタル効果でガラス基材が反っている状態において、接合材の幅方向の端部の溶融接合が行われる必要がある。そのためには、加熱溶融した高温の接合材からガラス基材内部へ伝達した熱がガラス基材内部で拡散してガラス基材内部の温度分布が均一化してしまう前の段階で、接合材の幅方向端部の接合が行われればよい。この要件は、ガラス基材対の少なくとも一方において満たされれば、接合部材の幅方向端部に圧縮応力領域が形成されるという本発明の効果を得ることができる。そこで、以下では、第1の局所加熱光の入射側に配された第1のガラス基材(リアプレート13)について議論する。
ガラス基材13には、図4(d)〜(f)の段階で、高温になった接合材1aからの伝熱が発生する。ここでは、図4(e)に示す、ガラス基材13の面131に対して急激な加熱を行う接合材1aが接触している状態において、ガラス基材13の厚さ方向に発生する温度分布を扱う非定常熱伝導を考えれば良い。
ガラス基材13の面131に高温の接合材1aが極めて短い時間t(s)接触してガラス基材13を加熱した場合に、ガラス基材13の基材内部に温度が拡散する範囲(温度浸
透厚さ)δ(m)は、
δ=(12at)0.5
と表せる。ここで、ガラス基材13の熱拡散率(Thermal Diffusivity)をa(m/s
)とした。本発明においては、加熱時間t(s)は、第1の局所加熱光の通過時間として良く、第1の局所加熱光による照射位置の移動速度v(m/s)、移動方向の第1の局所加熱光のビーム径φ(m)とすれば、
t=φ/v
と表せる。
ガラス基材において上述したバイメタル効果が生じる条件は、ガラス基材の厚さをdとすると、d≫δと表せる。発明者等の実験及び検討によれば、最終的に形成される接合部材の幅方向の端部91付近(図4(h)参照)に十分な圧縮応力を発生させるための条件は、
d>8×δ
と表せる。これに、上記のδ及びtを代入して変形すると、
φ/v<(d/8)/(12a)・・・・・(式1)
となる。第1の局所加熱光が入射する側の第1のガラス基材の厚さd及び該第1のガラス基材の熱拡散率aが与えられたとき、上記の式1を満たすような移動速度v及び移動方向のビーム径φを、第1の局所加熱光の照射条件として選択すればよい。これにより、照射位置におけるガラス基材に上述したバイメタル効果が生じ、最終的に形成される接合部材の幅方向の端部91に十分な圧縮応力の領域が形成される。
前記ガラス基材の厚さdは、第の局所加熱光により優先的に加熱された接合材からみた入射側のガラス基材の厚みを代表することが可能である。したがって、局所加熱段階にある入射側のガラス基材が、加熱工程より前に接合された二以上のガラス機材が一体的な構造物として捉える事が可能な場合は、一体的に扱える基材の厚みの合計をガラス機材の厚みdとする。
ここで第1の局所加熱光の移動方向のビーム径φは、接合材1aをその幅方向全域で加熱するために、接合材1aの幅をwとすると、
φ>w・・・・・(式2)
を満足することが必要である。
尚、ガラス基材の熱拡散率aが直接判明していない場合は、下の式3より求められる。
a=λ/Cp/ρ・・・・・(式3)
ここでλはガラス基材の熱伝導率、Cpはガラス基材の比熱容量、ρはガラス基材の密度である。
本発明のガラス基材の接合体、気密容器、及びガラス構造体の製造方法に適用可能な接合材は、軟化点がガラス基材の軟化点より低く、粘度が負の温度係数を有する材料であれば特に限定されない。粘度が負の温度係数を有する、とは、温度が高くなると粘度が小さくなること、すなわち粘度の温度依存性が負であることを意味する。これらの条件は、接合材が軟化した段階でガラス基材が弾性的に変形し、ガラス基材対の間に狭まれている接合材が溶融した段階でガラス基材対に良好に接触するために要請される(図4(d)〜(e)参照)。本発明に適用可能な接合材としては、ガラスフリットや低融点金属等を例示できる。特に、非結晶型のガラスフリットは、雰囲気や温度の影響を受け難いのでより好適である。
本発明のガラス基材の接合体、気密容器、及びガラス構造体の製造方法に適用可能なガラス基材は、前述の軟化点の条件(接合材の軟化点より高い)を満足すれば、特に限定されない。製造時の熱影響による化学的安定性や寸法公差の安定性の観点から、一般的にディスプレイガラスに適用可能な、無アルカリガラス、高歪点ガラスが好適である。
本発明のガラス構造体の製造方法及び気密容器の製造方法に適用可能な第1の局所加熱光は、その波長特性が、ガラス基材に対して透過性があり、接合材に対して吸収性がある光であれば特に限定されない。例えば、収束光学系と組み合わせた赤外ランプ等を本発明の第1の局所加熱光として使用できる。また、移動照射を行う場合に好都合である点と照射スポットが尖鋭である点から、半導体レーザやCOレーザ等のガスレーザが好適である。
本発明のガラス構造体の製造方法及び気密容器の製造方法に適用可能な第1の局所加熱光の照射条件は、上述した式1及び2を満足すれば良い。照射加熱中のガラス基材のバイメタル効果によって荷重が集中する領域を局在させるために、第1の局所加熱光のビーム径φを接合材の幅w以下にならない範囲内で小さくし、移動速度vをより高速にして照射することが好適である。
次に、本発明のガラス構造体の製造方法におけるガラス基材の接合方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。この実施形態では、上述した式1及び式2の照射条件を満たす第1の局所加熱光に加えて、第2の局所加熱光を接合材1aに照射することによって、ガラス基材の接合を行う。ここで説明する実施形態では、第1の局所加熱光の照射を行った後、これに追従させて第2の局所加熱光の照射を行う。
(ステップ1)
まず、図8(a)に示すように、枠部材14(第1のガラス基材)を準備し、次に、図8(b)に示すように、接合材1aを枠部材14の上に配置し、全体として枠部材14と同様の枠状の形状になるように接合材1aを形成する。接合材1aは、所定の幅Wで、枠部材14とリアプレート13の対向する面に沿って延在するように配置される。接合材1aは、粘度が負の温度係数を有し、高温で軟化し、かつフェースプレート12、リアプレート13、及び枠部材14のいずれよりも軟化点が低いことが望ましい。接合材1aの例として、ガラスフリット、無機接着剤、有機接着剤が挙げられる。接合材1aは、後述する局所加熱光の波長に対して高い吸収性を示すことが好ましい。内部空間の真空度維持が要求されるFED等に用いられる気密容器を製造する場合は、残留ハイドロカーボンの分解を抑制できるガラスフリットや無機接着剤が好適に用いられる。
(ステップ2)
次に、図8(c)に示すように、電子放出素子27等が形成されたリアプレート13(第2のガラス基材)と枠部材14とが接合材1aを挟んで対向するように配置する。これによって、枠部材14(第1のガラス基材)とリアプレート13(第2のガラス基材)との間に、枠部材14とリアプレート13の双方に接触するように、接合材1aが配置される。この際、図8(d)に示すように、接合材1aとリアプレート13との接触を確実なものとするために、枠部材14を、接合材1aが配置された面とは反対側からガラス基材52(第3のガラス基材)で覆う。そして、接合材1aをリアプレート13に押しつけるような、接合材1aの厚さ方向の補助的な荷重を加えることが好ましい。
(ステップ3:第1及び第2の接合工程)
次に、図8(e)に示すように、第1及び第2の局所加熱光41、42を接合材1aに移動照射し、対向配置されたリアプレート13と枠部材14とを接合する。第1及び第2の局所加熱光41、42は、接合材1aが延びる方向D(図5(a)参照)に沿って、第2の局所加熱光42が第1の局所加熱光41に追従して移動しながら、接合材1aに照射される。第1及び第2の局所加熱光41、42は、接合領域の近傍を局所的に加熱可能であればよく、光源としては半導体レーザが好適に用いられる。接合材1aを局所的に加熱する性能やガラス基材の透過性等の観点から、赤外域に波長を有する加工用半導体レーザ
が局所加熱光41、42の光源として好ましい。
図5(a)を参照すると、第1の局所加熱光41を出射する第1のレーザヘッド61と、第2の局所加熱光42を出射する第2のレーザヘッド62とが、接合材1aが延在する方向Dに沿った所定の光軸間距離Cでブレッドボード60に固定されている。このため、第2の局所加熱光42は第1の局所加熱光41と同一の速度で第1の局所加熱光41に追従する。接合材1aを含む被照射物を移動させることによって、第1の局所加熱光41による照射位置に第2の局所加熱光42による照射位置が同一速度で追従するようにしてもよい。また、ブレッドボード60を方向Dに沿って移動させることによって、第1の局所加熱光41による照射位置に第2の局所加熱光42による照射位置が同一速度で追従するようにしてもよい。
本明細書では、第1の局所加熱光41の照射による接合材1aの加熱溶融及びその後の冷却過程を第1の接合工程と呼び、第2の局所加熱光42の照射による接合材1aの加熱溶融及びその後の冷却過程を第2の接合工程と呼ぶ。本実施形態では、ブレッドボード60に固定された第1のレーザヘッド61と第2のレーザヘッド62を用いて、2回の局所加熱光の照射を僅かな時間差でほぼ同時に行っている。しかし、第1の接合工程と第2の接合工程は、互いに別々のタイミングで行ってもよい。
接合材1aは、第1の局所加熱光41の照射によって、接合材1aの延在する方向Dに沿って順次加熱されて溶融し、その後軟化点以下まで冷却する。第1の局所加熱光41は、枠部材14上に配置され全体として枠状の形状に形成された接合材1aに沿って移動しながら照射される。この際、図5(a)、(c)に示すように、第1の局所加熱光41のビームスポットを大きめに設定し、接合材1aの幅方向全域で接合材1aを加熱溶融させる。なお、図5(c)は図5(a)のCC線から見た平面図である。
第1の局所加熱光41の照射によって溶融した接合材1aが軟化点以下まで冷却した後に、第2の局所加熱光42が照射される。第2の局所加熱光42は、第1の局所加熱光41との光軸間間隔Cを維持しながら、第1の局所加熱光41に追従して照射される。これにより、軟化点以下まで冷却した接合材1aの幅方向の一部が加熱され、再び溶融する。
第2の局所加熱光42は、接合材1aの加熱再溶融部の周囲が軟化点以下の接合材1aで囲まれるように照射する。具体的には、図5(d)に示すように、第2の局所加熱光42のビーム径を接合材1aの幅Wより小さくする。これにより、接合材1aの幅方向の両側側部44に挟まれた中央部45だけを加熱再溶融させ、両側側部44を軟化させないように第2の局所加熱光42を照射する。ここで、図5(d)は、図5(c)の破線で囲ったA部の拡大図である。この結果、接合材1aの幅方向の一部が加熱再溶融し、かつ、接合材1aの幅方向において、加熱再溶融部の両側それぞれに、少なくとも一部が再溶融していない側部44が確保される。加熱再溶融した中央部45はその後、軟化点以下まで冷却する。
第2の局所加熱光42の照射による加熱再溶融部の周囲が軟化点以下の接合材1aで囲まれるようにするためには、次の条件を満たす必要がある。すなわち、第1の局所加熱光41の照射により幅方向全域で加熱溶融した接合材1aが、第2の局所加熱光42が照射されるまでの間に軟化点以下まで冷却されている必要がある。これは、第1の局所加熱光41と第2の局所加熱光42との光軸間距離Cや接合材1aの冷却速度を調整することによって可能となる。加熱再溶融部の両側に再溶融しない側部44を確保するには、ビーム径などの第2の局所加熱光42の照射条件を調整して所望の範囲を加熱再溶融させるようにすればよい。
第2の局所加熱光42を照射する際には、接合材1aは、接合材1aの幅方向全域で加熱溶融した後、軟化点以下まで冷却された状態となっていればよい。
第1及び第2の局所加熱光41,42は、それぞれ所定領域(第1の局所加熱光41は幅方向全域、第2の局所加熱光42は幅方向中央部)の接合材1aを照射して加熱できれば、接合対象物に対して同じ側から照射しても互いに反対側から照射してもよい。例えば、枠部材14とリアプレート13の間の接合材1aを照射する場合、図5に示すように第1及び第2の局所加熱光41、42の両方とも枠部材14の側から入射しても良いし、一方が枠部材14の側から入射して他方がリアプレート13の側から入射しても良い。
図7は、枠部材14とリアプレート13とを接合する接合部材1の応力分布について説明するための図である。図7(a)に示すような、接合材1aの延びる方向に垂直の仮想面Sによる枠部材14、接合部材1及びリアプレート13の断面図を図7(b)〜(d)に示す。
図7(b)は、上述した式1及び式2を満たす第1の局所加熱光41の照射を行わず、加熱炉を用いた全体加熱のみで接合材1aを加熱溶融させ、その後接合材1aを軟化点以下まで冷却させて得られる接合部材1の残留応力の分布を示している。
図7(c)は、図5(c)に示す第1の局所加熱光41のみで接合材1aを加熱溶融させ、その後接合材1aを軟化点以下まで冷却させて得られる接合部材1の残留応力の分布を示している。
図7(d)は、図5(c)に示す第1の局所加熱光41及び第2の局所加熱光42を上述した照射条件で照射して得られる接合部材1の残留応力の分布を示している。
この応力分布は、接合材1aが延在する方向をX、接合材1aの幅方向をY、接合材1aの厚さ方向をZとしたときに、Y、Z方向に対して45°傾いた面でのせん断応力に対応した、Z方向(厚さ方向)の引張応力及び圧縮応力の分布を示している。
図7(b)に示す、加熱炉を用いて接合材1aを全体加熱することでガラス基材を接合した場合は、接合部材1にクラックの進展を妨げる圧縮応力の領域を発生させることは困難であった。
図7(c)に示す、第1の局所加熱光41の照射のみでガラス基材を接合した場合は、接合部材1の幅方向端部に圧縮応力領域71が形成された。接合部材1の幅方向端部の圧縮応力領域71に隣接する接合部材1の幅方向中央部は、引張応力領域72となった。このため、気密容器の外部からの外力によって接合部材1の幅方向端部にクラックが生じることが抑制されるので、気密性の低下が抑制される。また、接合部材1の幅方向中央部にクラックが発生した場合、クラックは接合部材1の幅方向Yに引張応力領域72を横断するように進展するが、圧縮応力領域71においてクラックの進展が妨げられるため、やはり気密性の低下が抑制される。
図7(d)に示す、本実施形態では、第1の局所加熱光41で加熱溶融されその後軟化点以下まで冷却された接合材1aに、第2の局所加熱光42を照射し、接合材1aを局所的に再溶融させるとともに、再溶融部の周囲が軟化点以下の領域で囲まれるようにする。その結果、第2の局所加熱光42が照射された部位が圧縮され、図4(d)に示すように、接合部材1の幅方向中央部及び幅方向端部に接合部材1の厚さ方向の残留応力が圧縮応力となる圧縮応力領域71が形成される。そして、これら圧縮応力領域71に隣接して、接合部材1の厚さ方向の残留応力が引張応力となる引張応力領域72が形成される。クラックの進展しやすい引張応力領域72がクラックの進展しにくい圧縮応力領域71によって分断されるため、クラックの進展が抑制されやすくなる。このようにして第1及び第2の局所加熱光41、42を接合材1aに照射してガラス基材対を接合することによって、接合部材の長期的な気密信頼度をより確実なものとすることが可能となる。
(ステップ4)
次に、図8(g)〜(k)に示すように、ステップ1〜3と同様の手順で、フェースプレート12と枠部材14とを接合する。具体的にはまず、図8(g)に示すように、蛍光膜34等が形成されたフェースプレート12を準備する。次に、図8(h)に示すように、フェースプレート12の上に、ステップ1と同様にして接合材1bを枠状に形成する。次に、図8(i)に示すように、ステップ2と同様にして、フェースプレート12と枠部材14とを接合材1bを介して接触させる。ここではガラス基材52は用いていない。次に、図8(j)及び図5(b)に示すように、ステップ3と同様にして第1及び第2の局所加熱光41、42を照射する。これによって、図8(k)に示すように、フェースプレート12とリアプレート13とが枠部材14を介して対向し、内部空間が形成された外囲器10が形成される。本実施形態では、接合材1bはフェースプレート12に形成しているが、枠部材14に形成することも可能である。接合材1bの種類、物性、レーザ光の照射条件等はステップ1〜3と同様とすることが好ましい。
以上説明した実施形態では、リアプレート13と枠部材14とを接合し、さらにフェースプレート12と枠部材14とを接合し、それによってフェースプレート12とリアプレート13との間に枠部材14が挿入された外囲器10が製造される。しかし、本発明はより一般的には、少なくとも一部がリアプレート13とフェースプレート12とからなる気密容器を製造する方法を提供するものである。従って、枠部材14の形状をした突状部があらかじめ一体形成されたガラス基材をリアプレート13またはフェースプレート12の一方として用い、他方のプレートと接合することも可能である。また、フェースプレート12と枠部材14を先に接合し、その後にリアプレート13と枠部材14を接合することも可能である。
さらに、以上説明した実施形態は画像表示装置に用いる気密容器の製造方法だが、本発明はより一般的に、第1のガラス基板と第2のガラス基板との接合に適用することができる。この場合、第1及び第2の局所加熱光は共に第1のガラス基板側から照射してもよく、一方を第1のガラス基板側から、他方を第2のガラス基板側から照射してもよく、共に第2のガラス基板側から照射してもよい。
次に、本発明のガラス構造体の製造方法におけるガラス基材の接合方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。この実施形態では、上述した式1及び式2の照射条件を満たす局所加熱光を第1の局所加熱光とし、これに加えて第2の局所加熱光を接合材1aに照射することによってガラス基材の接合を行う。ここで説明する実施形態では、第1の局所加熱光の照射に先立って、第2の局所加熱光の照射を行う。そして、第2の局所加熱光による照射位置に、第1の局所加熱光による照射位置が追随するように、第1及び第2の局所加熱光の照射を行う。以下の説明では、第1のガラス基材を接合材が形成される基材、第2のガラス基材を接合材を挟んで第1のガラス基材に対向配置される基材という意味で用いている。このため、後述するステップ1〜3では、接合材1aが配置される枠部材14が第1のガラス基材、それに対向するリアプレート13が第2のガラス基材である。また、ステップ4では、接合材が配置されるフェースプレート12が第1のガラス基材、それに対向する枠部材14が第2のガラス基材である。
(ステップ1)
まず、図8(a)に示すように、枠部材14(第1のガラス基材)を準備し、次に、図8(b)及び図15(a)に示すように、接合材1aを枠部材14の上に配置し、全体として枠部材14と同様の枠状の形状になるように接合材1aを形成する。接合材1aは、所定の幅Wで、枠部材14とリアプレート13の対向する面に沿って延在するように配置される。図15(a)は、図8(b)のA−A線から見た平面図であり、枠部材14上に接合材1aが形成された状態を示す。接合材1aは、粘度が負の温度係数を有し、高温で軟化し、フェースプレート12、リアプレート13、及び枠部材14のいずれよりも軟化
点が低いことが望ましい。接合材1aの例として、ガラスフリット、無機接着剤、有機接着剤等が挙げられる。接合材1aは、後述する局所加熱光の波長に対して高い吸収性を示すことが好ましい。内部空間の真空度維持が要求されるFED等に用られる気密容器を製造する場合は、残留ハイドロカーボンの分解を抑制できるガラスフリットや無機接着剤が好適に用いられる。
接合材1aは、図11(a)の右図(枠部材14及び接合材1aの断面図)に示すように、接合材1aの幅方向(図15も参照)の両側側部46が突き出すように枠部材14の上に形成することが望ましい。他の実施形態では、図12(a)の右図に示すように、接合材1aを、接合材1aの幅方向の中央部分66が突き出すように枠部材14の上に形成してもよい。図12は、接合材1aの幅方向における中央部に凸部が形成された例について示す、図11と同様の図である。これらの接合材1aの凸形状は、後述するように、第2の局所加熱光42によって、接合材1aの幅方向の一部だけを確実に溶融させる目的で設けられる。
(ステップ2)
次に、図8(c)及び図15(b)に示すように、電子放出素子27等が形成されたリアプレート13(第2のガラス基材)と枠部材14とが接合材1aを挟んで対向するように配置する。上述のように、接合材1aは幅方向の一部が突き出すように形成されているため、その突き出した部分だけが、接合材1aが延在する方向D(図15(b)参照)に沿って、リアプレート13に連続的に接触する。図15(b)は、図8(c)のB−B線から見た平面図であり、接合材1aが形成された枠部材14とリアプレート13とが対向配置された状態を示す。
この際、図8(d)に示すように、接合材1aとリアプレート13との接触を確実なものとし、接合材1aへの押圧力を均一化するために、枠部材14を、接合材1aが配置された面とは反対側からガラス基材52(第3のガラス基材)で覆う。そして、接合材1aをリアプレート13に押しつけるような、接合材1aの厚さ方向の補助的な荷重を加えることが好ましい。
(ステップ3)
次に、図8(e)、図13(a)に示すように、第1及び第2の局所加熱光41、42を接合材1aに照射し、対向配置されたリアプレート13と枠部材14とを接合する。第1及び第2の局所加熱光41、42は、接合材1aの延在する方向D(図15(b)及び図13(a)参照)に沿って、第1の局所加熱光41が、第2の局所加熱光42に追従して移動しながら、接合材1aに照射される。図13(a)を参照すると、第2の局所加熱光42を出射する第2のレーザヘッド62と、第1の局所加熱光41を出射する第1のレーザヘッド61とが、接合材1aが延在する方向Dに沿った所定の光軸間距離Cでブレッドボード60に固定されている。このため、第1の局所加熱光41は第2の局所加熱光42と同一の速度で第2の局所加熱光42に追従する。接合材1aを含む被照射物を移動させることによって、第2の局所加熱光42による照射位置に第1の局所加熱光41による照射位置が同一速度で追従するようにしてもよい。また、ブレッドボード60を方向Dに沿って移動させることによって、第2の局所加熱光42による照射位置に第1の局所加熱光41による照射位置が同一速度で追従するようにしてもよい。
第1及び第2の局所加熱光41、42は、接合領域近傍を局所的に加熱可能であればよく、光源としては半導体レーザが好適に用いられる。接合材1aを局所的に加熱する性能、ガラス基材の透過性等の観点から、赤外域に波長を有する加工用半導体レーザが局所加熱光41、42の光源として好適である。
接合材1aは、第2の局所加熱光42の照射によって、接合材1aの延在する方向Dに沿って順次加熱されて溶融し、その後軟化点以下まで低下する。第2の局所加熱光42は、枠部材14上に配置され全体として枠状の形状に形成された接合材1aの延在する方向に沿って移動しながら照射される。このとき、接合材1aの幅方向の少なくとも一部が溶融し、その後接合材1aの温度が軟化点以下に低下する。これにより、接合材1aの延在する方向Dに沿って、接合材1aの幅方向の一部領域に、リアプレート13と枠部材14とを部分的に接合する部分接合部が順次形成される。図11(a)に示すように、接合材1aの幅方向の両側側部46が突き出すように形成されている場合、図11(b)に示すように、この幅方向両側側部の突き出した部分に部分接合部55が形成される。また、図12(a)に示すように、接合材1aの幅方向の中央部が突き出すように形成されている場合には、図12(b)に示すように、この幅方向中央部の突き出した部分に部分接合部75が形成される。第2の局所加熱光42の照射によって枠部材14とリアプレート13との間に部分接合部を形成するためには、上述したように、接合材1aの膜厚に接合材1aの幅方向で分布を持たせ、部分接合部を形成したい部分の膜厚を他の部分の膜厚より大きくすればよい。第2の局所加熱光42の照射によって枠部材14とリアプレート13との間に部分接合部を形成するための他の方法としては、第2の局所加熱光42のビーム強度に接合材1aの幅方向で分布を持たせてもよい。例えば、上述した幅方向に膜厚分布を有する接合材1aを、幅方向の膜厚分布がフラットな接合材に置換した場合、第2の局所加熱光42のビームプロファイルを、部分接合部を形成したい部分のビーム強度が他の部分のビーム強度より強いプロファイルにすればよい。部分接合を形成したい部分のビーム強度が局所的に増大するビームプロファイルとすることで、接合材1aの膜厚に幅方向の分布を持たせた場合と同様に、第2の局所加熱光42の照射により枠部材14とリアプレート13との間に部分接合部が形成される。これは、第2の局所加熱光42のビーム強度に接合材1aの幅方向の分布があると、第2の局所加熱光42の照射時の接合材1aの膨張率に幅方向の分布が生じ、第2の局所加熱光42の照射中の接合材1aの膜厚に幅方向の分布が形成されることによるものである。このように、部分接合部を形成するためには、予め用意した接合材の膜厚分布を利用しても良い。あるいは、第2の局所加熱光42の強度分布に応じた接合材1aの膨張率分布によって生じる第2の局所加熱光42の照射中の接合材1aの膜厚分布を利用しても良い。さらにまた、それらを組合せてもよい。
第2の局所加熱光42は、接合材1aの延在する方向に沿った各位置において、部分接合部55、75が接合材1aの全幅Wの1%〜90%の範囲で形成されるように照射されることが望ましい。また、第2の局所加熱光42は、接合材1aの延在する方向に沿った各位置において、部分接合部55、75が接合材1aの全幅Wの2%〜50%の範囲で形成されるように照射されることがさらに望ましい。
前述のように、接合材1aは粘度が負の温度係数を有しているため、加熱溶融すると一旦粘度が下がって流動化するが、照射が終わると粘度が回復する。接合材1aは、粘度が106.7(Pa・sec)以上に回復すると流動状態を脱し、その粘性によってリアプレ
ート13と枠部材14との間にある程度の拘束作用を及ぼす。つまり、第2の局所加熱光42は、リアプレート13と枠部材14とを仮接合する(図8(f))。部分接合部は、接合材1aの全幅W(接合予定幅)の一部に形成されていればよく、部分接合部55と、部分接合部55が形成されない部位である非接合領域54とは、接合材1aの幅方向のどの位置にあってもよい。第2の局所加熱光42の目的はリアプレート13と枠部材14とを仮接合させることにあるため、部分接合部55は方向Dに沿って、リアプレート13と枠部材14とを拘束する程度の連続性で形成されればよい。従って、部分接合部55は方向Dに沿って切れ目なく連続的に形成されることが好ましいが、方向Dに沿って部分接合部55が形成されない領域が一部存在してもよい。また、非接合領域54が方向Dに沿って連続的に形成されていると、後述するように接合領域に残留しやすい空隙(ボイド)を効率的に排出できるため、好ましい。
第1の局所加熱光41は、接合材1aの各位置において、第2の局所加熱光42の照射によって溶融した接合材1aの温度が軟化点以下となった後に照射される。具体的には、第1の局所加熱光41は、接合材1aの各位置において、第2の局所加熱光42の照射により溶融した接合材1aの粘度が106.7(Pa・sec)以上となったときに照射され
る。第1の局所加熱光41は、部分接合部55、75を方向Dに沿って順次加熱し再溶融させるとともに、非接合領域54、74を方向Dに沿って順次加熱溶融させる。そして、リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材56、76が形成される(図11(c)、図12(c))。このため、第1の局所加熱光41は、第2の局所加熱光42よりも大きなパワーを有していることが好ましい。
より詳細には、第1の局所加熱光41の照射タイミングは、第2の局所加熱光42の照射を受けて溶融状態になった接合材1aが冷却され、枠部材14とリアプレート13が、接合材1aの幅方向の一部だけで接合している状態になったタイミングである。幅方向の一部だけで接合している状態とは、言い換えると、接合材1aが、枠部材14とリアプレート13を拘束している状態である。この状態を接合材1aの粘度に置き換えて表現すると、接合材1aの軟化点以下、すなわち接合材1aの粘度η(Pa・sec)がlog(η)≦6.7である状態であり、このタイミングが第1の局所加熱光41の望ましい照射タイミングである。
軟化点以下の状態で第1の局所加熱光41を照射するためには、第2の局所加熱光42の照射後に接合材1aの冷却時間を確保する必要がある。この目的のために、第2のレーザヘッド62と第1のレーザヘッド61の光軸間距離Cを、接合材1aの冷却速度や第1及び第2の局所加熱光41、42の走査速度(移動照射速度)を考慮して調整することができる。
第1の局所加熱光41と第2の局所加熱光42は、所望の接合予定領域を加熱できればよいため、接合対象物に対して、同じ側に位置していても、互いに反対側に位置していてもよい。
(ステップ4)
次に、図8(g)〜(k)に示すように、ステップ1〜3と同様の手順で、フェースプレート12(第1のガラス基材)と枠部材14(第2のガラス基材)とを接合する。具体的にはまず、図8(g)に示すように、蛍光膜34等が形成されたフェースプレート12を準備する。次に、図8(h)に示すように、フェースプレート12の上に、ステップ1と同様にして接合材1bを枠状に形成する。次に、図8(i)に示すように、ステップ2と同様にして、フェースプレート12と枠部材14とを接合材1bを介して接触させる。ここでは第3のガラス基材52は用いていない。次に、図8(j)及び図13(b)に示すように、ステップ3と同様にして第2及び第1の局所加熱光42、41を照射する。そして、図8(k)に示すように、フェースプレート12とリアプレート13が枠部材14を介して対向し、内部空間が形成された外囲器10を形成する。本実施形態において、接合材1bはフェースプレート12に形成しているが、枠部材14に形成することも可能である。なお、接合材1bの種類・物性、レーザ光の照射条件等はステップ1〜3と同様とすることが好ましい。
従来技術では、レーザ光を接合材に複数回照射しているが、接合材の溶融加熱は1回の照射で行われている。米国特許出願公開第2008/0171485号明細書に記載の技術でも、部分接合領域以外の領域は1回の照射だけで接合されている。このように1回の照射だけで溶融加熱を行う場合には、接合材の溶融加熱に必要な熱エネルギーを1回で供給する必要があり、加えられる熱量が大きくなりやすい。このため、照射位置における局
部的な熱変形が大きくなり、両ガラス基材の接触が不安定になり、接合部材にクラックを引きおこす空隙(ボイド)を残留させる原因となりうる。
これに対して、本実施形態では、第2の局所加熱光42を先行照射させて、リアプレート13と枠部材14との間に部分接合部を形成してこれらを仮接合させている。また、フェースプレート12と枠部材14との間に部分接合部を形成してこれらを仮接合させている。このため、第1の局所加熱光41の照射中の両ガラス基材の接触が安定化し、接合領域に空隙が残留することが抑制され、接合部材の気密性が高められる。
さらに、第1の局所加熱光41が照射される際に、図3に示すように、上述したバイメタル効果によってガラス基材(図示の例ではリアプレート13と枠部材14)が溶融している接合材1aに向かって弾性変形する(矢印A)。このため、第1の局所加熱光41の照射位置において接合材1aの溶融部断面積が絞られ、溶融部77が第1の局所加熱光41の移動方向Dに押し出される(矢印B)。これにより、溶融部内の空隙も排出されるため、一層空隙が残留しにくくなる。
次に、第1の局所加熱光41を照射するときの部分接合部の接合材1aの適正温度を求める。そのために、第1及び第2の局所加熱光41、42の照射タイミングを変化させて、試験片の接合部材1に発生したクラックの密度と、第1の局所加熱光41の入射直前の接合材の温度との関係を求めた。接合材の温度は、室温(25℃を仮定)との温度差で規格化し、規格化された接合材の温度を横軸として図14に示すグラフを作成した。縦軸は接合部材の長さ100mm当たりのクラック数を示している。図14において、Tsfは接合材の軟化点を表し、Tは第1の局所加熱光41の入射直前の接合材の温度を表す。
合材として1mm幅、5μm厚のフリット(旭硝子株式会社社製BAS115)を用い、被接合ガラス基材として高歪点ガラス基材(旭硝子株式会社製PD200)を用いた。第2の局所加熱光42は、パワー212W、波長808nm、ビーム径1.2mmφ、走査速度600〜2000mm/s、レーザ光出力強度120Wの条件で照射した。第1の局所加熱光41は、波長808nm、ビーム径1.2mmφ、走査速度600〜2000mm/sの条件で照射し、レーザ光出力強度は280W〜350Wの範囲で変化させた。
図14に示すように、第1の局所加熱光41の入射直前の接合材の温度が軟化点以上の場合(図14において横軸の値が1以上の場合)、クラック密度の増加が認められる。これは、試験片の接合面を観察すると、残留した空隙を起因とするマイクロクラックが支配的であった。これは、部分接合部によるガラス基材の拘束作用が十分に得られなかったことが原因と推定される。第1の局所加熱光41の入射直前の接合材の温度が室温以下の場合(図14において横軸の値が0以下の場合)、クラック密度の増大が若干認められるが、これは、第1の局所加熱光41の照射時点で、接合材に生じていた応力が増大したことが原因と推定される。
図14に示す実験結果より、第1の局所加熱光41は、接合材の延在する方向に沿った各位置において、第2の局所加熱光42の照射により溶融した接合材の温度が−0.1≦(T2−25)/(Tsf−25)≦1の範囲を満たす間に照射されることが望ましい。こ
こで、T2は接合材の温度、Tsfは接合材の軟化点である。
このように、第1の局所加熱光41は、部分接合部の接合材の温度が室温あるいはそれ以下まで低下し、該接合材が冷却・固化した状態で照射することが可能である。ただし、軟化点温度以下での接合材の冷却過程において、ガラス基材の収縮が進行し、引張応力が生じるため、形成された接合部材において経時的にクラックの発生確率が増加する可能性
がある。このため、長期的に信頼性の高い接合部材によって接合されたガラス構造体を得るためには、経験的に、第2の局所加熱光42の照射後第1の局所加熱光41を照射するタイミングは、以下の条件を満たすタイミングが好適である。すなわち、第2の局所加熱光42の照射後、接合材の粘度ηが1018(Pa・sec)以下、すなわちlog(η)≦18の条件を満たす温度範囲のときに、第1の局所加熱光41の照射を行うことが望ましい。より好ましくは、同様の理由により、第2の局所加熱光42の照射後、接合材の粘度ηが1013.5(Pa・sec)以下、すなわちlog(η)≦13.5の条件を満たす温度範囲で第1の局所加熱光41の照射を行うことが望ましい。log(η)≦13.5の条件を満たす粘度は歪点温度に相当するため、後者の照射条件は、第2の局所加熱光42の照射後、接合材の温度が軟化点以下かつ歪点温度以上の範囲にあるときに第1の局所加熱光41の照射を行うことを意味する。これにより、接合部材におけるクラックの発生を一層抑制することができる。
以上説明した実施形態では、リアプレート13と枠部材14とを接合し、さらにフェースプレート12と枠部材14とを接合し、それによってフェースプレート12とリアプレート13との間に枠部材14が挿入された外囲器10が製造される。しかし、本発明はより一般的には、少なくとも一部がリアプレート13とフェースプレート12とからなる気密容器を製造する方法を提供するものである。従って、枠部材14の形状をした突状部があらかじめ一体形成されたガラス基材をリアプレート13またはフェースプレート12の一方として用い、他方のプレートと接合することも可能である。また、フェースプレート12と枠部材14を先に接合し、その後にリアプレート13と枠部材14を接合することも可能である。
さらに、以上説明した実施形態は画像表示装置に用いる気密容器の製造方法だが、本発明はより一般的に、第1のガラス基板と第2のガラス基板との接合に適用することができる。この場合、第1及び第2の局所加熱光は共に第1のガラス基板側から照射してもよく、一方を第1のガラス基板側から、他方を第2のガラス基板側から照射してもよく、共に第2のガラス基板側から照射してもよい。
(実施例1)
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。第1の実施例は、上記実施形態で説明した製造方法を適用して枠部材とリアプレートとの気密接合を行い、さらに、枠部材とフェースプレートとの気密接合を行い、これによって真空気密容器を製造するものである。
工程1(接合材の枠部材(第1のガラス基材)への形成)
第1のガラス基材として枠部材14を形成した。具体的にはまず、1.5mm厚の高歪点ガラス基材(旭硝子株式会社製PD200)を用意し、外形980mm×580mm×1.5mmに切り出した。次に、切削加工により、中央部の970mm×570mm×1.5mmの領域を切り出して、幅5mm、厚さ1.5mmの略四角形断面の枠部材14を成形した。次に、有機溶媒洗浄、純水リンス及びUV−オゾン洗浄によって、枠部材14の表面を脱脂した。
本実施例では、接合材1a、1bとしてガラスフリットを用いた。ガラスフリットとしては、熱膨張係数α=79×10-7/℃、転移点357℃、軟化点420℃のBi系鉛
非含有ガラスフリット(旭硝子株式会社社製BAS115)を母材とし、バインダーとして有機物を分散混合したペーストを用いた。このペーストを、枠部材14上にスクリーン印刷で、枠部材14の周長に沿って幅1.5mm、厚さ7μmで形成した後、120℃で乾燥した。次に、有機物をバーンアウトするため460℃で加熱、焼成し、接合材1aを形成した(図8(a)、(b))。
工程2(枠部材と電子源基材と接合材とを接触させる工程)
第2のガラス基材として、リアプレート13(電子源基材)を形成した。具体的にはまず、外形1000mm×600mm×1.8mmの大きさのガラス基材(旭硝子株式会社製PD200)を用意し、有機溶媒洗浄、純水リンス及びUV−オゾン洗浄により表面を脱脂した。次に、このようにして得られたガラス基材の中央部の960mm×550mmの領域に、表面電子伝導型電子放出素子27とマトリクス配線28、29を形成した。形成した電子放出素子27は、1920×3×1080の画素数を個別に駆動可能なように、マトリクス配線28、29に接続した。次に、マトリクス配線28、29上に、Tiからなる非蒸発ゲッタ材料を、厚さ2μmでスパッタリングにより成膜し、非蒸発型ゲッタ(不図示)を形成した。以上のようにして、第2のガラス基材であるリアプレート13を用意した。なお、真空排気を行うために、リアプレート13のマトリクス配線28、29が形成されていない領域に、ガラス基材を貫通する直径3mmの開口(不図示)を予め設けた。
次に、接合材1aが形成された枠部材14をリアプレート13に対してアライメントしながら、接合材1aがリアプレート13の電子放出素子27を備えた面と接触するように、これらの部材を仮組みした。その後、接合材1aへの加圧力を均一化するために、補助的に、ガラス基材52(旭硝子株式会社製PD200)を、枠部材14を覆うように配置した。ガラス基材52は、リアプレート13と同じサイズのものを用いた。さらに、加圧力を補助するために、不図示の加圧装置によってリアプレート13と、接合材1aと、枠部材14とを加圧した。このようにして、リアプレート13と枠部材14とを接合材1aを介して接触させた(図8(c)、(d))。
工程3(接合材に第1の局所加熱光を照射する第1の接合工程)及び工程4(接合材に第2の局所加熱光を照射して再溶融させる第2の接合工程)
図4、図5、図6及び図8を用いて、本発明の特徴である式1及び式2を満たす第1の局所加熱光及びそれに追随する第2の局所加熱光を利用した接合工程を詳細に説明する。
まず、図8(d)に示す工程で作成した、リアプレート13と枠部材14と接合材1aとからなる仮組み構造体に、第1の局所加熱光(レーザ光)を照射した。本実施例においては、加工用半導体レーザ装置を2個用意して、レーザヘッド61、62を、光軸間距離40mmでブレッドボード60に固定した。第1及び第2の局所加熱光41、42はいずれも、ガラス基材52に対して垂直方向に光軸を設定した。レーザヘッド61は、レーザ出射口とガラス基材52との距離が8cmとなるように配置し、レーザヘッド62は、レーザ出射口とガラス基材52との距離が11cmとなるように配置した(図5(a))。
第1の局所加熱光41の照射条件は、波長980nm、レーザパワー736W、有効ビーム径3.5mmとし、走査方向Dに600mm/sの速度で走査した。第2の局所加熱光42の照射条件は、波長980nm、レーザパワー73W、有効ビーム径0.9mmとした。第2の局所加熱光42は、第1の局所加熱光41に対して40mmの光軸間間隔Cを維持したまま、第1の局所加熱光41と同一方向かつ同一速度で、第1の局所加熱光41に追従させて走査した。図5(c)に示すように、第1の局所加熱光41は、接合材1aの全幅が有効ビーム内に含まれるように、接合材1aに合焦させて照射した。図5(d)に示すように、第2の局所加熱光42の有効ビームは接合材1aの幅方向の中心部のみを含むように設定した。第2の局所加熱光42の有効ビームの端部から接合材1aの幅方向端部までの距離は図5(d)に示すように、0.3mmとした。第1及び第2の局所加熱光41、42の走査は、接合材1aを含む被照射物を移動させることにより行った(図8(e)、図5(a))。なお、本明細書中において、レーザパワーは、レーザヘッドから出射した全光束を積分した強度値として規定し、有効ビーム径は、レーザ光の強度がピ
ーク強度のe−2倍以上となる範囲として規定した。
上記の工程を残りの3つの周辺部に対しても同様に行い、リアプレート13と枠部材14との接合を完了した。(図8(f))
図7(d)には、本実施例に従い製造された気密容器の接合部材の断面応力分布を示す。接合部材内部の応力状態の観察には、液晶偏光顕微鏡システムLC-Pol Scop
e(米国CRI社製)を使用した。接合部材1の幅方向端部は圧縮応力領域71となっており、引張応力領域72に挟まれた接合部材1の幅方向中央部に、圧縮応力領域71が生じていた。加熱炉による全体加熱方式や従来の局所加熱方式で得られた断面応力分布と異なり、中央部に圧縮応力領域71が形成されているためクラックが進展しにくく、一層信頼度の高い気密容器が得られた。
第1及び第2の局所加熱光41、42の照射工程において、第1及び第2の局所加熱光の照射位置の近傍に放射温度計を設定し、接合材1aの温度を測定した。具体的には、図6に示した測温点A1〜A5(0.1mmφ)において、接合材1aの温度を測定した。
まず、第1の局所加熱光41の有効ビーム内に含まれる測温点A1及び測温点A2において、接合材1aの温度を測定した。測温点A2は、第1の局所加熱光41の中心位置から第2の局所加熱光42側に1.5mm離れた位置とした。測温点A1は測温点A2から局所加熱光の走査方向と垂直の方向に0.6mm離れた位置とした。第1の局所加熱光41照射中の接合材の温度は、測温点A2において640℃〜700℃であり、測温点A1において600℃〜690℃であった。これより、測温点A1及びA2で接合材1aが溶融していることが確認された。
次に、第2の局所加熱光42の有効ビーム内に含まれる測温点A5と、第2の局所加熱光42の有効ビーム外に位置する測温点A3、A4において、接合材1aの温度を測定した。測温点A5は第2の局所加熱光42の中心位置から第1の局所加熱光41と反対方向に0.3mm離れた位置とした。測温点A3は第2の局所加熱光42中心位置から第1の局所加熱光41側に1.0mm離れた位置とした。測温点A4は測温点A5からレーザ光の走査方向と垂直な方向に0.6mm離れた位置とした。2の局所加熱光42を照射中の接合材の温度は、測温点A5において670℃〜710℃であった。一方、測温点A3においては110℃〜180℃であり、測温点A4においては230℃〜330℃であった。
以上の測定結果より、第1の局所加熱光41の照射によって接合材1aが溶融後に一旦軟化点以下まで冷却され、続いて第2の局所加熱光42の照射によって接合材1aが再溶融したことが確認された。加えて、第2の局所加熱光42の照射位置周辺の接合材1aは、走査方向に対して垂直な方向(幅方向)も含めて軟化点以下に保持されていることが確認された。なお、本実施例では、レーザ光を照射しながら放射温度計の表示を観察して接合材の温度を確認したが、接合材に熱伝対を接触させて測温してもよい。
工程5(枠部材と、接合材と、フェースプレートを準備する工程)
次に、リアプレート13と同様に、リアプレートと同じ外形寸法の旭硝子株式会社製PD200をガラス基材として用いて、蛍光膜34等を具備したフェースプレート12を作成した。
工程6(枠部材と、接合材と、フェースプレートとを接触させる工程)、工程7(接合材に第1の局所加熱光を照射する第1の接合工程)及び工程8(接合材に第2の局所加熱光を照射して再溶融させる第2の接合工程)
工程1〜4と同様にして、フェースプレート12と枠部材14を第1及び第2の局所加
熱光41、42を用いて接合し、気密容器を完成させた。工程6〜8では、ガラス基材52は用いなかった。レーザ光の照射条件や走査方法は、工程3、4の条件と同じとした。レーザヘッド61、62と被照射物との位置関係は、図5(b)に示す通りとした。工程5〜8では、工程1〜4のようにフリットペーストを枠部材14に形成せず、フェースプレート12に形成した。その他は工程1〜4と同様にして、フェースプレート12と枠部材14とを接合した(図8(e)〜(h)、図5(b))。
以上の様にして、FED装置を作成した。装置を動作させたところ、電子放出性能及び画像表示性能が長時間安定して維持され、接合部材が、FEDに適用可能な程度の強度と安定した気密性とを確保していることが確認された。
本実施例の条件で、工程3において、第1の局所加熱光41、枠部材14に関して、
φ=3.5mm
w=1.5mm
v=600mm/s
d=1.5mm
a=4.5×10−1 mm/s
より、
φ/v=5.8×10−3
(d/8)/12a=6.5×10−3
となり、第1の局所加熱光41の照射が式1及び式2を満たすことが確認された。
同様にして、本実施例の条件で、工程7において、第1の局所加熱光41、フェースプレート12に関して、
φ=3.5mm
w=1.5mm
v=600mm/s
d=1.8mm
a=4.5×10−1 mm/s
より、
φ/v=5.8×10−3
(d/8)/12a=9.4×10−3
となり、第1の局所加熱光41の照射が式1及び式2を満たすことが確認された。
本実施例において作成した真空気密容器を10kPaの減圧室に100時間配置したが、接合部材端部に至るクラックの進展と、真空度の低下が発生していないことを確認した。リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材及びフェースプレート12と枠部材14とを接合する接合部材の端部を含む切断検体を調べて、接合部材端部近傍のガラス基材の基材内部方向への弾性変形を確認した。リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材及びフェースプレート12と枠部材14とを接合する接合部材の端部および接合部材幅方向の中央位置に、図7(d)に示すような圧縮応力領域71が形成されていることを確認した。
(実施例2)
実施例2では、図9に示すように、まずフェースプレート12と枠部材14とを接合した(図9(a)〜(f))。具体的には、フェースプレート12と枠部材14とを、第1の局所加熱光ではなく、加熱炉81による全体加熱によって接合した(図9(c))。その後、実施例1の工程4と同様にして、第2の局所加熱光42(実施例1における第2の局所加熱光42と同じ)を接合材1aに照射し、フェースプレート12と枠部材14とを接合した(図9(e))。加熱炉81としては大気炉を用い、フェースプレート12と枠部材14と接合材1aとの組立体を加熱炉81内で、温度500℃で30分保持した。そ
の後枠部材14とリアプレート13とを実施例1の工程3、4と同様の方法で接合し、気密容器を作製した(図9(g)〜(j))。その他の工程は実施例1と同様とした。
フェースプレート12と枠部材14とを接合する接合部材に関しては、接合部材の幅方向中央部に圧縮応力領域が形成され、それを挟むようにその両側に引張応力領域が形成された。従って、接合部材に作用する外力によって接合部材の幅方向端部からクラックが発生した場合でも、中央部の圧縮応力領域においてクラックの進展が妨げられるので、気密性が長期に亘って維持される。リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材に関しては、実施例1と同様、接合部材の幅方向中央部及び幅方向端部に圧縮応力領域が形成され、これらに挟まれるように引張応力領域が形成された。従って、クラックが進展しにくいだけでなく、外力によって接合部材にクラックが発生すること自体を好適に抑制し得るため、より一層安定的に長期間の気密性の維持が可能となる。
以上の様にして、FED装置を作成した。装置を動作させたところ、電子放出性能及び画像表示性能が長時間安定して維持され、接合部材が、FEDに適用可能な程度の強度と安定した気密性とを確保していることが確認された。
本実施例の条件で、図9(i)の工程において、第1の局所加熱光41及びフェースプレート12および枠部材14と接合材1aとの一体物に関して、
φ=3.5mm
w=1.5mm
v=600mm/s
d=3.3mm
a=4.5×10−1 mm/s
より、
φ/v=5.8×10−3
(d/8)/12a=3.2×10−2
となり、第1の局所加熱光41の照射が式1及び式2を満たすことが確認された。
本実施例において作成した真空気密容器を10kPaの減圧室に100時間配置したが、接合部材端部に至るクラックの進展と、真空度の低下が発生していないことを確認した。リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材の端部を含む切断検体を調べて、接合部材端部近傍のガラス基材の基材内部方向への弾性変形を確認した。リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材端部及び接合部材幅方向の中央位置に、図7(d)に示すような圧縮応力領域71が形成されていることを確認した。
(実施例3)
上述した実施形態を適用して枠部材とリアプレートの気密接合を行い、さらに、枠部材とフェースプレートの気密接合を行い、真空気密容器を製造した。
(ステップ1)
まず、枠部材14を形成した。具体的には、1.5mm厚の高歪点ガラス基材(PD200)を、外形980mm×580mm×1.5mmに切り出した。次に、切削加工によって、中央部の970mm×560mm×1.5mmの領域を切り出して、幅5mm、高さ1.5mmの略四角形断面の枠部材14を成形した。次に、有機溶媒洗浄、純水リンス及びUV−オゾン洗浄により、枠部材14の表面を脱脂した。
次に、枠部材14上に接合材1aを形成した。実施例3では、接合材1aとしてガラスフリットを用いた(接合材1bも同様)。使用したガラスフリットは、熱膨張係数α=79×10-7/℃、転移点357℃、軟化点420℃のBi系鉛レスガラスフリット(BA
S115)を母材とし、バインダーとして有機物を分散混合したペーストである。次に、枠部材14上の周長に沿って、スクリーン印刷にて、幅1mm、厚さ7μmの接合材1aを形成し、120℃で乾燥した。そして、有機物をバーンアウトするため460℃で加熱、焼成し、接合材1aを形成した(図8(a)、(b))。接合材1aは、スクリーン印刷後の乾燥過程における収縮により、接合材1aの幅方向の両側が中央部に対して1.5μm突き出た断面プロファイルを示した(図11(a))。
(ステップ2)
次に、リアプレート13として、外形1000mm×600mm×1.8mmの大きさの高歪点ガラス基材(PD200)からなるガラス基材上に電子放出素子27と駆動用マトリックス配線28、29とが予め形成された電子放出素子基板を用意した。次に、接合材1aが形成された枠部材14とリアプレート13とを、接合材1aを介して互いに接触するように対向配置した。具体的には、枠部材14の接合材1aが形成された面と、リアプレート13の電子放出素子27が形成された面(気密容器の内面側となる面)とが対向するように、枠部材14とリアプレート13とを向かい合わせて、アライメントしながら接触させた。接合材1aへの押圧力を均一化するために、高歪点ガラス基材(PD200)からなりリアプレート13と同一サイズの第3のガラス基材52を枠部材14の上に載置し、さらに、押圧力を補助するために不図示の加圧装置によって第3のガラス基材52を押圧した。以上のようにして、リアプレート13と枠部材14を、接合材1aを介して接触させた(図8(c)、(d))。
(ステップ3)
次に、リアプレート13と枠部材14と接合材1aと第3のガラス基材52とからなる仮組み構造体に、レーザ光を照射した。レーザ光源として、加工用半導体レーザ装置を2つ用意し、レーザヘッド61、62を、光軸間距離50mmにてブレッドボード60に固定した。レーザヘッド61,62はいずれも、第1及び第2の局所加熱光41、42の光軸が第3のガラス基材52に対して垂直となるように設定し、レーザ出射口と第3のガラス基材52との距離は10cmとなるように配置した(図13(a))。
第2の局所加熱光42は、波長980nm、レーザパワー212W、有効径2mmのレーザ光とし、1000mm/sの速度で方向Dに走査した(図8(e))。第1の局所加熱光41は、波長980nm、レーザパワー298W、有効径2mmのレーザ光とし、第2の局所加熱光42に対して50mmの光軸間距離Cを維持したまま、同一方向、同一速度で第2の局所加熱光42に追従させて走査した。レーザパワーは、レーザヘッドから出射した全光束を積分した強度値として定義し、有効径は、ピーク強度のe-2(eは自然対数)となる強度範囲の径として定義した。第1及び第2の局所加熱光41、42は、その有効径がいずれも接合材1aの幅Wを含み、接合材1aに合焦するように照射した。以上の工程をリアプレート13及び枠部材14の一辺について行い、さらに残りの3辺に対しても同様に実施し、枠部材14のリアプレート13への接合を完了した(図8(f))。
第1及び第2の局所加熱光41、42が照射される前後の接合部材の状態を確認するため、レーザヘッドの照射位置近傍に観測範囲を設定した不図示の高速度カメラと不図示の放射温度計で、接合状態を確認した。図11(a)の左図は、第1の局所加熱光41が照射される前の、リアプレート13と枠部材14の接触状況を示す図である。接合材1aの幅方向における両側側部46がリアプレート13に接触していることが確認された。図11(b)は、第2の局所加熱光42が照射され、第1の局所加熱光41が照射される直前の接合材1aの状況を示す図である。接合材1aの温度は放射温度計の測定値で250℃〜270℃であり、接合材1aの軟化点以下であった。これより、第2の局所加熱光42の照射によって接合材1aの両側側部46におけるリアプレート13との接触部付近が加熱溶融し、その後軟化点以下に冷却して、接合材1aの幅方向における両側側部に部分接
合部55が形成されたことが確認された。図11(c)は、第1の局所加熱光41が照射された後の接合部材1の状況を示す図である。接合材1aの幅方向全域が加熱溶融し、最終的な接合部材56が得られたことが確認された。
光学顕微鏡でリアプレート13と枠部材14の接合状態を確認したところ、接合材1aの幅Wのほぼ全体に渡って、空隙のない良好な接合が得られていることが確認された。
(ステップ4)
次に、蛍光膜等が形成されかつリアプレート13と外形寸法が同一のフェースプレート12を準備し、以上のステップ1〜3と同様の手順で、フェースプレート12と枠部材14を接合した。本ステップでは押圧用の第3のガラス基材52は用いず、フェースプレート12の上から直接レーザ光を照射した。接合材1bはフェースプレート12に形成し、レーザ光の照射条件(配置条件、レーザヘッドの仕様等)はステップ3と同一とした(図8(g)〜(k)、図13(b))。
以上の様にして気密容器を作成し、さらに通常の方法に従ってFED装置を完成させた。完成したFEDを作動させたところ、長時間安定した電子放出と画像表示が可能であり、FEDに適用可能な程度の安定した気密性が確保されていることが確認された。
本実施例の条件で、ステップ3において、第1の局所加熱光41、枠部材14に関して、
φ=2mm
w=1mm
v=1000mm/s
d=1.5mm
a=4.6×10−1 mm/sより、
φ/v=2×10−3
(d/8)/12a=6.4×10−3
となり、第1の局所加熱光41の照射が式1及び式2を満たすことが確認された。
同様にして、本実施例の条件で、ステップ4において、第1の局所加熱光41、フェースプレート12に関して、
φ=2mm
w=1mm
v=1000mm/s
d=1.8mm
a=4.6×10−1 mm/sより、
φ/v=2×10−3
(d/8)/12a=9.2×10−3
となり、第1の局所加熱光41の照射が式1及び式2を満たすことが確認された。
本実施例において作成した真空気密容器を10kPaの減圧室に100時間配置したが、接合部材端部に至るクラックの進展と、真空度の低下が発生していないことを確認した。リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材及びフェースプレート12と枠部材14とを接合する接合部材の端部を含む切断検体を調べて、接合部材端部近傍のガラス基材の基材内部方向への弾性変形を確認した。応力分布を評価し、リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材及びフェースプレート12と枠部材14とを接合する接合部材の端部に、図7(c)に示すような圧縮応力領域71が形成されていることを確認した。
(実施例4)
実施例4は、図12(a)に示すように、接合材1aの幅W方向における中央部をその周辺に対して1.3μm高くなるように形成したことを除き、実施例3と同様である。このような中央が凸状となった接合材の断面プロファイルは、例えば、接合材の幅を変えて2回塗布することによって得ることができる。第2の局所加熱光42が照射される前は、接合材1aは幅方向における中央部分66でリアプレート13と接触していた。第2の局所加熱光42が照射された後は、図12(b)に示すように、リアプレート13と接触している部分とほぼ同様の範囲に部分接合部75が形成された。このときの接合材1aの温度は放射温度計の測定値で210〜260℃であり、軟化点以下の温度となっていた。第1の局所加熱光41が照射された後は、図12(c)に示すように、接合材1aの幅方向全域が加熱溶融し、最終的な接合部材76が得られた。
光学顕微鏡でリアプレート13と枠部材14の接合状態を確認したところ、接合材1aの幅Wのほぼ全体に渡って、空隙のない良好な接合が得られていることが確認された。
以上の様にして気密容器を作成し、さらに通常の方法に従ってFED装置を完成させた。完成したFEDを作動させたところ、長時間安定した電子放出と画像表示が可能であり、FEDに適用可能な程度の安定した気密性が確保されていることが確認された。
本実施例の条件で、ステップ3において、第1の局所加熱光41、枠部材14に関して、
φ=2mm
w=1mm
v=1000mm/s
d=1.5mm
a=4.6×10−1 mm/s
より、
φ/v=2×10−3
(d/8)/12a=6.4×10−3
となり、第1の局所加熱光41の照射が式1及び式2を満たすことが確認された。
同様にして、本実施例の条件で、ステップ4において、第1の局所加熱光41、フェースプレート12に関して、
φ=2mm
w=1mm
v=1000mm/s
d=1.8mm
a=4.6×10−1 mm/sより、
φ/v=2×10−3
(d/8)/12a=9.2×10−3
となり、第1の局所加熱光41の照射が式1及び式2を満たすことが確認された。
本実施例において作成した真空気密容器を10kPaの減圧室に100時間配置したが、接合部材端部に至るクラックの進展と、真空度の低下が発生していないことを確認した。リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材及びフェースプレート12と枠部材14とを接合する接合部材の端部を含む切断検体を調べて、接合部材端部近傍のガラス基材の基材内部方向への弾性変形を確認した。応力分布を評価し、リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材及びフェースプレート12と枠部材14とを接合する接合部材の端部に、図7(c)に示すような圧縮応力領域71が形成されていることを確認した。
(実施例5)
実施例5は、図16に示すように、接合材1aをレーザヘッドからみて遠方側の基材であるリアプレート13に形成したことを除き、実施例3と同様とした。第1の局所加熱光41を照射する直前の接合材1a、1bの温度は放射温度計の測定値で250〜290℃であり、接合材1a、1bの軟化点以下であった。
以上の様にして気密容器を作成し、さらに通常の方法に従ってFED装置を完成させた。完成したFEDを作動させたところ、長時間安定した電子放出と画像表示が可能であり、FEDに適用可能な程度の安定した気密性が確保されていることが確認された。なお、実施例5において、接合材1bは枠部材14に形成しているが、フェースプレート12に形成することも可能である。
本実施例の条件で、図16(e)において、第1の局所加熱光41、枠部材14に関して、
φ=2mm
w=1mm
v=1000mm/s
d=1.5mm
a=4.6×10−1 mm/s
より、
φ/v=2×10−3
(d/8)/12a=6.4×10−3
となり、第1の局所加熱光41の照射が式1及び式2を満たすことが確認された。
同様にして、本実施例の条件で、図16(i)において、第1の局所加熱光41、フェースプレート12に関して、
φ=2mm
w=1mm
v=1000mm/s
d=1.8mm
a=4.6×10−1 mm/sより、
φ/v=2×10−3
(d/8)/12a=9.2×10−3
となり、第1の局所加熱光41の照射が式1及び式2を満たすことが確認された。
本実施例において作成した真空気密容器を10kPaの減圧室に100時間配置したが、接合部材端部に至るクラックの進展と、真空度の低下が発生していないことを確認した。リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材及びフェースプレート12と枠部材14とを接合する接合部材の端部を含む切断検体を調べて、接合部材端部近傍のガラス基材の基材内部方向への弾性変形を確認した。応力分布を評価し、リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材及びフェースプレート12と枠部材14とを接合する接合部材の端部に、図7(c)に示すような圧縮応力領域71が形成されていることを確認した。
(実施例6)
実施例6では、フェースプレート12と枠部材14を全体加熱で接合し、その後、リアプレート13と枠部材14を実施例3と同様にしてレーザ接合した。第1の局所加熱光41を照射する直前の接合材1aの温度は放射温度計の測定値で260〜290℃であり、接合材1aの軟化点以下であった。
以上の様にして気密容器を作成し、さらに通常の方法に従ってFED装置を完成させた。完成したFEDを作動させたところ、長時間安定した電子放出と画像表示が可能であり
、FEDに適用可能な程度の安定した気密性が確保されていることが確認された。フェースプレート12にはリアプレート13と異なり、熱による影響を受けやすい部材が設置されていないため、このような製造方法が可能である。
本実施例の条件で、ステップ4(図9(i))において、第1の局所加熱光41、フェースプレート12、枠部材14および接合材1aとの一体物に関して、
φ=2mm
w=1mm
v=1000mm/s
d=3.3mm
a=4.6×10−1 mm/s
より、
φ/v=2×10−3
(d/8)/12a=3.1×10−2
となり、第1の局所加熱光41の照射が式1及び式2を満たすことが確認された。
本実施例において作成した真空気密容器を10kPaの減圧室に100時間配置したが、接合部材端部に至るクラックの進展と、真空度の低下が発生していないことを確認した。リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材の端部を含む切断検体を調べて、接合部材端部近傍のガラス基材の基材内部方向への弾性変形を確認した。応力分布を評価し、リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材の端部に、図7(c)に示すような圧縮応力領域71が形成されていることを確認した。
(実施例7)
実施例7は、実施例3における第1の局所加熱光41と第2の局所加熱光42の光軸間距離50mmを200mmに変更したことを除き、実施例3と同様とした。第1の局所加熱光41を照射する直前の接合材1a、1bの温度は放射温度計の測定値で150〜190℃であり、接合材1a、1bの軟化点以下であった。また、接合材1a、1bは幅方向の一部だけが接合し、仮固定状態が得られたことを確認した。
以上の様にして気密容器を作成し、さらに通常の方法に従ってFED装置を完成させた。完成したFEDを作動させたところ、長時間安定した電子放出と画像表示が可能であり、FEDに適用可能な程度の安定した気密性が確保されていることが確認された。
本実施例の条件で、ステップ3(図8(e))において、第1の局所加熱光41、枠部材14に関して、
φ=2mm
w=1mm
v=1000mm/s
d=1.5mm
a=4.6×10−1 mm/s
より、
φ/v=2×10−3
(d/8)/12a=6.4×10−3
となり、第1の局所加熱光41の照射が式1及び式2を満たすことが確認された。
同様にして、本実施例の条件で、ステップ4(図8(j))において、第1の局所加熱光41、フェースプレート12に関して、
φ=2mm
w=1mm
v=1000mm/s
d=1.8mm
a=4.6×101 /s
より、
φ/v=2×10−3
(d/8)/12a=9.2×10−3
となり、第1の局所加熱光41の照射が式1及び式2を満たすことが確認された。
本実施例において作成した真空気密容器を10kPaの減圧室に100時間配置したが、接合部材端部に至るクラックの進展と、真空度の低下が発生していないことを確認した。リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材及びフェースプレート12と枠部材14とを接合する接合部材の端部を含む切断検体を調べて、接合部材端部近傍のガラス基材の基材内部方向への弾性変形を確認した。応力分布を評価し、リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材及びフェースプレート12と枠部材14とを接合する接合部材の端部に、図7(c)に示すような圧縮応力領域71が形成されていることを確認した。
(実施例8)
実施例8は、第2の局所加熱光42の照射を行わず第1の局所加熱光41だけを照射したことを除き、実施例3と同様とした。
本実施例の条件で、ステップ3(図8(e))において、第1の局所加熱光41、枠部材14に関して、
φ=2mm
w=1mm
v=1000mm/s
d=1.5mm
a=4.6×10−1 mm/s
より、
φ/v=2×10−3
(d/8)/12a=6.4×10−3
となり、第1の局所加熱光41の照射が式1及び式2を満たすことが確認された。
同様にして、本実施例の条件で、ステップ4(図8(j))において、第1の局所加熱光41、フェースプレート12に関して、
φ=2mm
w=1mm
v=1000mm/s
d=1.8mm
a=4.6×10−1 mm/s
より、
φ/v=2×10−3
(d/8)/12a=9.2×10−3
となり、第1の局所加熱光41の照射が式1及び式2を満たすことが確認された。
本実施例において作成した真空気密容器を10kPaの減圧室に100時間配置したが、接合部材端部に至るクラックの進展と、真空度の低下が発生していないことを確認した。リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材及びフェースプレート12と枠部材14とを接合する接合部材の端部を含む切断検体を調べて、接合部材端部近傍のガラス基材の基材内部方向への弾性変形を確認した。応力分布を評価し、リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材及びフェースプレート12と枠部材14とを接合する接合部材の端部に、図7(c)に示すような圧縮応力領域71が形成されていることを確認し
た。
(実施例9)
実施例9は、実施例3における第1の局所加熱光41と第2の局所加熱光42の光軸間距離50mmを2mmに変更したことを除き、実施例3と同様とした。
本実施例の条件で、ステップ3(図8(e))において、第1の局所加熱光41、枠部材14に関して、
φ=2mm
w=1mm
v=1000mm/s
d=1.5mm
a=4.6×10−1 mm/s
より、
φ/v=2×10−3
(d/8)/12a=6.4×10−3
となり、第1の局所加熱光41の照射が式1及び式2を満たすことが確認された。
同様にして、本実施例の条件で、ステップ4(図8(j))において、第1の局所加熱光41、フェースプレート12に関して、
φ=2mm
w=1mm
v=1000mm/s
d=1.8mm
a=4.6×10−1 mm/s
より、
φ/v=2×10−3
(d/8)/12a=9.2×10−3
となり、第1の局所加熱光41の照射が式1及び式2を満たすことが確認された。
本実施例において作成した真空気密容器を10kPaの減圧室に100時間配置したが、接合部材端部に至るクラックの進展と、真空度の低下が発生していないことを確認した。リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材及びフェースプレート12と枠部材14とを接合する接合部材の端部を含む切断検体を調べて、接合部材端部近傍のガラス基材の基材内部方向への弾性変形を確認した。応力分布を評価し、リアプレート13と枠部材14とを接合する接合部材及びフェースプレート12と枠部材14とを接合する接合部材の端部に、図7(c)に示すような圧縮応力領域71が形成されていることを確認した。
実施例8、9が示すように、ガラス基材の厚さd、ガラス基材の熱拡散率a、接合材の幅wに対し、式1及び式2を満たすビーム径φ及び移動速度vで第1の局所加熱光の照射を行うことにより、少なくとも接合部材の幅方向端部に圧縮応力領域71が形成される。従って、外力によってクラックが入ることを好適に抑制することができる接合部材によって接合されたガラス基材の接合体、気密容器又はガラス構造体を得ることができる。
実施例1から7では、式1及び式2で表される照射条件を満たす第1の局所加熱光によって主たる照射を行うことに加えて、補助的な第2の局所加熱光の照射を行う。これにより、より一層クラックの発生や進展を抑制可能な接合部材によって接合されたガラス基材の接合体、気密容器又はガラス構造体が得られる。
実施例1及び2が示すように、第1の局所加熱光による主たる照射に追従して、接合材
の幅方向中央部のみを加熱溶融させる補助的な第2の局所加熱光の照射を行うことで、接合部材の幅方向中央部にも圧縮応力領域71が形成される。従って、クラックの進展をより確実に抑制することができる。
実施例3から7が示すように、第1の局所加熱光による主たる照射に先立って、接合材の幅方向の一部のみを加熱溶融させる補助的な第2の局所加熱光の照射を行うことで、主たる照射を行うときにガラス基材対を仮固定することができる。これにより、主たる照射による接合をより安定的に行うことができ、接合部材内部における空隙(ボイド)の残留を好適に抑制でき、接合部材内部からのクラックの発生を抑制することができる。
1:接合部材、12:フェースプレート、13:リアプレート、14:枠部材

Claims (15)

  1. 第1のガラス基材と、
    第2のガラス基材と、
    前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材とを接合し、粘度が負の温度係数と前記第1のガラス基材及び前記第2のガラス基材のいずれよりも低い軟化点温度とを有し、前記第1のガラス基材及び前記第2のガラス基材の対向する面に沿って所定の幅で延在する接合部材と、
    を有するガラス基材の接合体であって、
    前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材の少なくとも一方は、前記接合部材の幅方向の端部近傍においてガラス基材の内部方向に押し込まれて弾性変形しており、
    前記接合部材の幅方向の端部近傍における、前記弾性変形しているガラス基材と前記接合部材との境界面及び前記弾性変形しているガラス基材の表面は、前記接合部材の幅方向の中央部近傍における、前記弾性変形しているガラス基材と前記接合部材との境界面よりも、ガラス基材内部側に位置し、
    前記接合部材の幅方向の端部近傍において、前記接合部材の厚さ方向における残留応力が圧縮応力となる領域が形成されているガラス基材の接合体。
  2. 前記接合部材の幅方向の中央部において、前記接合部材の厚さ方向における残留応力が圧縮応力となる領域が形成され、
    前記接合部材の幅方向の中央部に形成される圧縮応力となる領域と、前記接合部材の幅方向の端部に形成される圧縮応力となる領域と、に隣接して、前記接合部材の厚さ方向における残留応力が引張応力となる領域が形成されている請求項1に記載のガラス基材の接合体。
  3. 第1のガラス基材と、
    第2のガラス基材と、
    前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材とを接合し、粘度が負の温度係数と前記第1のガラス基材及び前記第2のガラス基材のいずれよりも低い軟化点温度とを有し、前記第1のガラス基材及び前記第2のガラス基材の対向する面に沿って所定の幅で延在する
    接合部材と、
    を有する気密容器であって、
    前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材の少なくとも一方は、前記接合部材の幅方向の端部近傍においてガラス基材の内部方向に押し込まれて弾性変形しており、
    前記接合部材の幅方向の端部近傍における、前記弾性変形しているガラス基材と前記接合部材との境界面及び前記弾性変形しているガラス基材の表面は、前記接合部材の幅方向の中央部近傍における、前記弾性変形しているガラス基材と前記接合部材との境界面よりも、ガラス基材内部側に位置し、
    前記接合部材の幅方向の端部近傍において、前記接合部材の厚さ方向における残留応力が圧縮応力となる領域が形成されている気密容器。
  4. 前記接合部材の幅方向の中央部において、前記接合部材の厚さ方向における残留応力が圧縮応力となる領域が形成され、
    前記接合部材の幅方向の中央部に形成される圧縮応力となる領域と、前記接合部材の幅方向の端部に形成される圧縮応力となる領域と、に隣接して、前記接合部材の厚さ方向における残留応力が引張応力となる領域が形成されている請求項3に記載の気密容器。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の気密容器と、
    前記気密容器の内部における前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材の一方の側に設けられ画像信号に応じて電子を放出する電子源と、
    前記気密容器の内部における前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材の他方の側に設けられ、前記電子源から放出された電子を受けて発光し画像を表示する表示部材と、を有する画像表示装置。
  6. 第1のガラス基材と、該第1のガラス基材とともにガラス構造体の少なくとも一部を形成する第2のガラス基材と、を接合することを含む、ガラス構造体の製造方法であって、
    前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材との間に、粘度が負の温度係数と前記第1のガラス基材及び前記第2のガラス基材のいずれよりも低い軟化点温度とを有し、前記第1のガラス基材及び前記第2のガラス基材の対向する面に沿って所定の幅で延在する接合部材を、該接合部材が前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材の双方に接触するように配置する工程と、
    前記接合部材を、該接合部材の厚さ方向に押圧する工程と、
    前記接合部材に、前記第1のガラス基材を介して、照射位置が前記接合部材の延在する方向に沿って移動するように第1の局所加熱光を照射し、前記接合部材を幅方向全域で加熱溶融させた後に軟化点温度以下まで冷却させる第1の接合工程と、
    を有し、
    前記第1の局所加熱光による照射位置の移動速度v(m/s)及び前記第1の局所加熱
    光のビーム径φ(m)は、前記第1のガラス基材の厚さをd(m)、前記第1のガラス基材の熱拡散率をa(m/s)、前記接合部材の幅をw(m)とした場合、
    φ/v<(d/8)/(12a)・・・(式1)
    φ>w ・・・(式2)
    を満たすガラス構造体の製造方法。
  7. 前記第1の接合工程において軟化点温度以下まで冷却した前記接合部材に、照射位置が前記接合部材の延在する方向に沿って移動するように第2の局所加熱光を照射し、前記接合部材の前記幅方向における両側側部が軟化しないように該両側側部に挟まれた中央部の接合部材だけを加熱溶融させた後、加熱溶融した該中央部の接合部材を軟化点温度以下まで冷却させる第2の接合工程を有する請求項に記載のガラス構造体の製造方法。
  8. 前記第2の局所加熱光による照射位置が、前記第1の局所加熱光による照射位置に追従
    するように、前記第2の局所加熱光を照射する請求項に記載のガラス構造体の製造方法。
  9. 前記第1の接合工程における前記第1の局所加熱光の照射に先立って、前記接合部材に、照射位置が前記接合部材の延在する方向に沿って移動するように第2の局所加熱光を照射し、前記接合部材の延在する方向に沿って前記接合部材の幅方向の一部を順次加熱溶融させた後、加熱溶融した該一部の接合部材を軟化点温度以下まで冷却させ、前記接合部材の延在する方向に沿って、前記接合部材の幅方向の一部領域に部分接合部を順次形成する第2の接合工程を有し、
    前記第1の局所加熱光による照射位置が、前記第2の局所加熱光による照射位置に追従するように、前記第2の局所加熱光を照射する請求項に記載のガラス構造体の製造方法。
  10. 前記第2の局所加熱光は、前記接合部材の延在する方向に沿って連続的に前記部分接合部が形成されるように照射される請求項に記載のガラス構造体の製造方法。
  11. 前記第1の局所加熱光は、前記接合部材の各位置において、前記接合部材の温度が−0.1≦(T2−25)/(Tsf−25)≦1(ここでT2は前記接合部材の温度、Tsfは前記接合部材の軟化点温度。)の範囲を満たす間に照射される請求項に記載のガラス構造体の製造方法。
  12. 前記第1の局所加熱光は、前記接合部材の各位置において、前記接合部材の粘度が1018(Pa・sec)以下である間に照射される請求項に記載のガラス構造体の製造方法。
  13. 前記第1の局所加熱光は、前記接合部材の各位置において、前記接合部材の粘度が1013.5(Pa・sec)以下である間に照射される請求項12に記載のガラス構造体の製造方法。
  14. 第1のガラス基材と、該第1のガラス基材とともに気密容器の少なくとも一部を形成する第2のガラス基材と、を接合することを含む、気密容器の製造方法であって、
    前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材との間に、粘度が負の温度係数と前記第1のガラス基材及び前記第2のガラス基材のいずれよりも低い軟化点温度とを有し、前記第1のガラス基材及び前記第2のガラス基材の対向する面に沿って所定の幅で延在する接合部材を、該接合部材が前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材の双方に接触するように枠状に配置する工程と、
    前記接合部材を、該接合部材の厚さ方向に押圧する工程と、
    前記接合部材に、前記第1のガラス基材を介して、照射位置が前記接合部材の延在する方向に沿って移動するように第1の局所加熱光を照射し、前記接合部材を幅方向全域で加熱溶融させた後に軟化点温度以下まで冷却させる第1の接合工程と、
    を有し、
    前記第1の局所加熱光による照射位置の移動速度v(m/s)及び前記第1の局所加熱
    光のビーム径φ(m)は、前記第1のガラス基材の厚さをd(m)、前記第1のガラス基材の熱拡散率をa(m /s)、前記接合部材の幅をw(m)とした場合、
    φ/v<(d/8) /(12a)・・・(式1)
    φ>w ・・・(式2)
    を満たす気密容器の製造方法。
  15. 請求項14に記載の気密容器の製造方法と、
    前記気密容器の内部における前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材の一方の側
    に、画像信号に応じて電子を放出する電子源を設ける工程と、
    前記気密容器の内部における前記第1のガラス基材と前記第2のガラス基材の他方の側に、前記電子源から放出された電子を受けて発光し画像を表示する表示部材を設ける工程と、
    を有する画像表示装置の製造方法。
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