JP4941358B2 - 無段変速機用ベルトおよび無段変速機用ベルトのエレメント - Google Patents

無段変速機用ベルトおよび無段変速機用ベルトのエレメント Download PDF

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Description

この発明は、プーリの巻き掛け溝に挟み込まれてトルクを伝達するベルトおよびそのベルトを構成するエレメントに関するものである。
車両用の無段変速機に用いられるベルトとして、ブロックもしくはエレメントと称される板状の金属片を、多数、環状に配列し、それらの金属片をリングもしくはフープと称される金属製の帯状材によって結束した構成のものが知られている。この種のベルトは、互いに接触して配列されているエレメント同士の押圧力によってトルクを伝達するように構成されたものであり、駆動側のプーリにおける巻き掛け溝に挟み込まれたエレメントが、そのプーリが回転することによりその巻き掛け溝から順次押し出されて先行するエレメントを押圧し、こうして前進させられるエレメントが従動側のプーリにおける巻き掛け溝に進入することにより、エレメントの進行に伴って従動側のプーリにトルクが伝達される。
このようなベルトの一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されたベルトは、左右両側面をプーリに接触させてそのプーリに挟み込まれるエレメントに相当する横断素子を、リングに相当するバンド・パッケージによって結束して構成されている。このバンド・パッケージは、環状のバンドを内外に複数積層して構成されている。また、横断素子は、プーリに挟み付けられかつバンド・パッケージが巻き掛けられる第1の部分と、その第1の部分の幅方向での中央部に上方に向けて突出した状態に形成された第2の部分と、その第2の部分の上端部に左右方向に延びて形成された第3の部分とを備えている。すなわち第1の部分は、バンド・パッケージを巻き掛けるサドル面を備えたいわゆる本体部に相当し、また第2の部分は、サドル面の上方に突出したいわゆる首部に相当し、さらに第3の部分は、サドル面の上方を一部覆ういわゆる抜け止め部に相当している。そして、特許文献1に記載されたベルトでは、抜け止め部と本体部との間に、ベルトの幅方向の深さを有する保持部(隙間)が形成され、その保持部にバンド・パッケージがそれぞれ配置されている。この保持部は首部の両側に配置されており、首部に最も近い箇所が、窪み部を形成している。この窪み部は、内面が一定の曲率の凹円弧面をなすように形成されており、バンド・パッケージの側部が首部に干渉することを防止し、また応力ピークを予防するためのものとされている。
特開2002−39280号公報
上述した特許文献1に記載されたベルトにおける窪み部は、応力ピークを予防する機能を果たすものであるから、その内面の曲率半径は、想定される応力に応じて大きい半径とすることになる。このため、バンド・パッケージが、その幅方向に動作して首部に近づいて窪み部に進入すると、バンド・パッケージの幅方向の一部がエレメントに接触しない状態となる。その結果、バンド・パッケージが厚さ方向に撓みを生じたり、またはバンド・パッケージを構成するリング同士が幅方向にズレを生じたりして、バンド・パッケージに付加的な応力が発生し、バンド・パッケージの耐久性が低下する虞があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、エレメントを支持するリングの耐久性を向上させることの可能な無段変速機用ベルトおよび無段変速機用ベルトのエレメント提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、姿勢を揃えて環状に配列された複数のエレメントと、これら複数のエレメントを支持する環状の帯状材を半径方向に積層したリングとを有し、前記エレメントが、前記リングが接触するそのリングの幅方向に沿って形成されたサドル面を有し、かつ板状に構成された基部と、この基部から前記リングの半径方向で外側に突出された首部と、前記サドル面に滑らかに連続しかつ前記首部の先端方向に湾曲したアール面を内面とした窪み部とを備えている、無段変速機用ベルトにおいて、前記リングの幅方向の端部を接触させて前記リングの移動を防止する防止部が、前記首部の前記サドル面側の側部に、前記サドル面よりも上方で、前記窪み部の内周面の上端よりも下方に向けて突出した状態で首部と一体に形成され、かつその防止部の下端と前記サドル面との間の隙間が、前記リングを構成する1本の帯状材の厚さよりも狭く設定されていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、環状の帯状材を半径方向に積層したリングが接触するそのリングの幅方向に沿って形成されたサドル面を有する基部と、この基部から前記リングの半径方向に突出された首部と、前記サドル面に滑らかに連続しかつ前記首部の先端方向に湾曲したアール面を内面とした窪み部とを有し、複数個が環状に配列されて前記サドル面に前記リングが接触して環状に保持され、かつ板状に構成される、無段変速機用ベルトのエレメントにおいて、前記リングの幅方向の端部を接触させて前記リングの移動を防止する防止部が、前記首部の前記サドル面側の側部に、前記サドル面よりも上方で、前記窪み部の内周面の上端よりも下方に向けて突出した状態で首部と一体に形成され、かつその防止部の下端と前記サドル面との間の隙間が、前記リングを構成する1本の帯状材の厚さよりも狭く設定されていることを特徴とするものである。
請求項1に係る発明によれば、複数のエレメントが環状に配列され、リングがサドル面に接触するとともに、リングとエレメントとが、リングの幅方向に相対移動して、リングが首部に近づいた場合、リングが窪み部に進入することを防止できる。したがって、リングがエレメントに常に接触した状態に維持され、リングが内外周に沿った方向に撓むことを抑制でき、リングで応力が発生することを防止でき、リングの耐久性を向上できる。また、リングは、環状の帯状材がリングの幅方向に動作して首部に近づく場合に、その帯状材が窪み部に進入することを防止できる。また、リングが防止部に接触して、リングが窪み部に進入することを防止できる。さらに、防止部とサドル面との間の隙間量が、リングを構成する帯状材の一本の厚さ未満であるため、リングが窪み部に進入することを確実に防止できる。
請求項2の発明によれば、複数のエレメントが環状に配列され、リングがサドル面に接触するとともに、リングとエレメントとが、リングの幅方向に相対移動して、リングが首部に近づいた場合、リングが窪み部に進入することを防止できる。したがって、リングがエレメントに常に接触した状態に維持され、リングが内外周に沿った方向に撓むことを抑制でき、リングに応力が発生することを防止でき、リングの耐久性を向上できる。また、リングが防止部に接触して、リングが窪み部に進入することを防止できる。さらに、防止部とサドル面との間の隙間量が、リングを構成する帯状材の一本の厚さ未満であるため、リングが窪み部に進入することを確実に防止できる。
請求項6の発明によれば、請求項5の発明と同様の効果を得られる他に、リングが突出部に接触して、リングが窪み部に進入することを防止できる。
請求項7の発明によれば、請求項6の発明と同様の効果を得られる他に、突出部とサドル面との間の隙間量が、リングの厚さ未満であるため、リングが窪み部に進入することを確実に防止できる。
つぎに、この発明をより具体的に説明する。先ず、この発明で対象とするベルトについて説明すると、この発明で対象とするベルトは、無段変速機に使用されるものであり、複数のプーリの外周部に形成された断面V字状の巻き掛け溝の内部にベルトが挟み込まれる。その結果、プーリとベルトとの間で摩擦力により動力が伝達され、一方のプーリのトルクが他方のプーリに伝達される。この発明において、エレメントの姿勢が揃えられて、には、リングの半径方向における基部と首部との位置関係が同じであること、ロッキングエッジが同じ方向を向いていること、などの意味が含まれる。
この発明における防止部は、エレメントとリングとが、リングの幅方向に相対移動することを規制する機構もしくは要素である。ここで、防止部は、エレメントまたはリング自体の一部により構成してもよいし、エレメントまたはリングとは別の部材により構成された防止部を設け、その防止部をエレメントまたはリングに取り付けてもよい。また、この発明におけるリングは、複数のエレメントを積層した環状体の形状を保持するための形態保持要素である。この発明におけるリングは、単一部品により構成されていてもよいし、複数の帯状材を内外に積層したものであってもよい。
この発明で対象とする無段変速機、つまり、ベルト式無段変速機の一例を図2に模式的に示してある。ベルト式無段変速機は、例えば、車両の動力源から車輪に至る動力伝達経路に配置される。このベルト式無段変速機は、駆動プーリ2および従動プーリ3を有しており、その駆動プーリ2および従動プーリ3にベルト1が巻き掛けられている。具体的には、動力源から車輪に至る動力の伝達方向で、上流に駆動プーリ2が配置され、下流に従動プーリ3が配置されている。駆動プーリ2は、第1軸線(図示せず)を中心として回転可能に支持され、従動プーリ3は第2軸線(図示せず)を中心として回転可能に支持されている。第1軸線および第2軸線は、略水平に、かつ相互に平行に配置されている。つまり、図2は、2つの軸線に沿った方向における平面図である。
まず、駆動プーリ2は、テーパ面を備えた固定シーブ(固定片)と、テーパ面を備えた可動シーブ(可動片)とを対向させて配置することにより、駆動プーリ2のシーブの間に断面V字状の巻き掛け溝4が形成されている。また、従動プーリ3は、テーパ面を備えた固定シーブ(固定片)と、テーパ面を備えた可動シーブ(可動片)とを対向させて配置することにより、従動プーリ3のシーブの間に断面V字状の巻き掛け溝4が形成されている。そして、駆動プーリ2の可動シーブを、油圧シリンダなどのアクチュエータ5によって固定シーブに対して前後動させることにより、駆動プーリ2におけるベルト1の巻き掛け半径を変化させるように構成されている。一方、従動プーリ3の可動シーブを、油圧シリンダなどのアクチュエータ5によって固定シーブに対して前後動させることにより、従動プーリ3からベルト1に加えられる挟圧力を変化させるように構成されている。
この発明で対象とするベルト1は、全体として環状をなし、かつ両側面がV字状もしくはテーパ状をなすように構成されている。また、ベルト1は、多数のエレメントを積層し、積層されたエレメント同士をリングで支持、または結束することにより、全体として環状のベルト1を構成している。リング8は、可撓性の金属材料を環状に成形して構成されている。
(第1実施例)
上記の図2に示すベルト1を構成しているエレメント6の第1実施例を図1に示してある。この図1は、ベルト1の回転方向に対して略垂直な平面内におけるエレメントの正面図である。このエレメント6は板形状の金属片であり、同一の形状および寸法のエレメント6が、厚さ方向に多数個を積層して配置される。各エレメント6は、基部7と、この基部7に連続して形成された首部9と、首部9に連続して形成された抜け止め部10とを有している。前記ベルト1の半径方向、つまり、ベルト1の内外に沿った方向で、最も内側に基部7が形成され、その基部7の外側に首部9が形成され、首部9の外側に抜け止め部10が形成されている。ベルト1の幅方向で、基部7の略中央に首部9が形成されている。この基部7は、ベルト1の外側から内側に向けて幅が狭くなる向きで傾斜されており、その基部7の幅方向の両端に傾斜面11が形成されている。そして、ベルト1が駆動プーリ2および従動プーリ3に巻き掛けられると、エレメント6の接触面11が、駆動プーリ2のテーパ面12、および、従動プーリ3のテーパ面13に接触する。
また、ベルト1の半径方向で、基部7の上端にはサドル面14が形成されている。このサドル面14は、リング8の内周面が接触する箇所であり、ベルト1の幅方向で、首部9の両側に配置されている。このサドル面14は、リング8の幅方向に沿ってほぼ平坦に構成されている。前記リング8は2本設けられており、各リング8は環状に構成されている。リング8は、複数の帯状材15を内外に積層して構成されている。この帯状材15は、可撓性を有する材料、例えば金属材料により構成されている。上記の首部9は、前記基部7からリング8の厚さ方向に突出されている。
さらに、前記抜け止め部10は、ベルト1の幅方向に沿った平面内でほぼ三角形に構成された部分であり、その三角形の頂角がベルト1の外周に位置するように、抜け止め部10が構成されている。この抜け止め部10の頂角の両側に形成された2つの底角が、ベルト1の幅方向で首部9の外側に配置されている。つまり、抜け止め部10の幅は、首部9の幅よりも広い。そして、ベルト1の半径方向で、抜け止め部10と前記サドル面14との間に形成された空間に、リング8の幅方向の一部が配置されている。この抜け止め部10は、リング8からエレメント6が脱落することを防止するものである。さらに、ベルト1の幅方向で、首部9の両端には窪み部17が形成されている。この窪み部17は、エレメント17における応力集中を抑制するものである。この窪み部17は、リング8の半径方向でサドル面14よりも外側に配置されている。具体的には、エレメント6を正面から見て、窪み部17の内周形状はほぼ円弧もしくは曲面で構成されており、窪み部17を形成するアール面は、サドル面14に連続して滑らかに延長されている。
さらに、ベルト1の幅方向において、首部9の両側にはストッパ18が形成されている。このストッパ18は、この発明の防止部および突出部に相当する構成であり、リング8が幅方向に移動した時に、リング8の幅方向の端部がストッパ18に接触することで、リング8の移動を防止する機構である。このストッパ18は、リング8の半径方向、つまり、リング8の厚さ方向に突出された突出部である。具体的には、ストッパ18の固定端はサドル面14よりも上方に配置されており、そのストッパ18の先端(自由端)が、窪み部17の内周面の上端よりも下方に位置している。そして、ストッパ18の下端とサドル面14との間の隙間は、リング8における全体の厚さ、より具体的には、リング8を構成する1本の帯状材15の厚さよりも狭い。
さらに、エレメント6の厚さ方向で、抜け止め部10における一方の面には、エレメント6の厚さ方向に突出されたディンプル(凸部)20が形成されている。これに対して、抜け止め部10における他方の面には、エレメント6の厚さ方向の深さを有する凹部21が形成されている。前記エレメント6の幅方向における中央に、ディンプル20および凹部21が配置されている。第1実施例においては、エレメント1を正面から見てディンプル20および凹部21の形状は、共にほぼ円形に構成されており、凹部21の直径の方がディンプル20の直径よりも大きい。そして、エレメント6同士が厚さ方向に積層されると、前記ディンプル20が凹部21に挿入されて、エレメント6同士が平面方向に相対移動する範囲、もしくは量が規制される。
一方、前記エレメント6の厚さは、ベルト1の内外方向で異なる値に構成されている。具体的には、抜け止め部19および首部9は厚さがほぼ均一に構成されている。これに対して、基部7における首部9に近い領域の厚さは首部9の厚さと同じであり、これよりも首部9から遠い領域の厚さは、首部9よりも薄い。具体的には、図1の上下方向で、基部7の厚さが異なっており、その厚さの異なる領域の境界にロッキングエッジ22が形成されている。エレメント6を正面から見た場合、ロッキングエッジ22はベルト1の幅方向にほぼ直線状に構成されている。なお、エレメント6の表裏面のうち、ディンプル20が設けられた表面に、ロッキングエッジ22が形成されており、凹部21が形成された背面は、ほぼ平坦面を構成している。
このように構成されたベルト1を駆動プーリ2および従動プーリ3に巻き掛けるとともに、動力源のトルクが駆動プーリ2に伝達されると、その駆動プーリ2の動力が摩擦力によりエレメント6に伝達される。各エレメント6同士の間では押圧力により動力が伝達され、従動プーリ3に接触しているエレメント6から、従動プーリ3に摩擦力で動力が伝達される。そして、ベルト1がプーリ2,3に巻き掛かっている領域では、エレメント6同士がロッキングエッジ22を支点として相対回転し、ベルト1の半径方向で、ロッキングエッジ22よりも外側ではエレメント6同士の間に隙間が生じる。また、エレメント6の回転により、リング8の内周面とサドル面14との間に摺動が生じ、その摺動に伴って大きい摩擦力が生じる。
ところで、ベルト1、より具体的には、エレメント6が駆動プーリ2または従動プーリ3から離れる時、あるいは、エレメント6同士がベルト1の半径方向に位置ズレしている時などにおいて、抜け止め部10と基部7との間の空間を、図1で上下方向に広げる向きの荷重が生じることがある。これに対して、第1実施例では、首部9に窪み部17が形成されているため、首部9と基部7との接続部分に亀裂が生じるような付加的な応力が集中することを回避でき、エレメント6の耐久性を向上できる。さらに、第1実施例では、エレメント6の幅方向で、窪み部17の入り口にストッパ18が設けられている。このため、リング8が首部9に近づく向きで移動した場合、リング8がストッパ18の側面に接触することで、リング8の移動が防止され、リング8が窪み部17に進入することを防止できる。より具体的には、ストッパ18の先端とサドル面14との間の隙間が、1本の帯状材15の厚さ未満であるため、1本の帯状材15がベルト1の幅方向に移動した場合でも、その帯状材15が窪み部17に進入することを確実に防止できる。したがって、リング6が窪み部17の内面に接触して、リング6に付加的な応力が生じることを回避できる。
(第2実施例)
つぎに、ベルト1およびエレメント6の第2実施例を、図3に基づいて説明する。この第2実施例におけるベルト1でも、エレメント6は厚さ方向に複数個が積層されて、2本のリング8によりエレメント6が結束され環状のベルト1が組み立てられている。この第2実施例におけるエレメント6は、基部7の両端、具体的にはエレメント6の幅方向の両端に首部9が形成されており、その首部9にそれぞれ抜け止め部10が連続して形成されている。2個の抜け止め部10は相互に近づく向きで突出されている。つまり、第2実施例では、首部9および抜け止め部10により、フックが構成されている。また、エレメント6の両端には接触面11が形成されている。また、ベルト1の幅方向において、首部9同士の間の間隔は、抜け止め部10同士の間の間隔よりも長く構成されている。このようにして、エレメント6には、首部9同士の間、および抜け止め部10同士の間に亘り、リング8を保持する凹部23が形成されている。この凹部23の底面が、基部7のサドル面14を構成している。この第2実施例では、凹部23は単数設けられており、サドル面14も単数設けられている。この凹部23に、2本のリング8が配置されている。2本のリング8は、幅方向に並べて配置されている。2本のリング8の構成は、第1実施例と同じである。
また、首部9には、第1実施例と同様に構成された窪み部17が形成されている。この窪み部17の内面は円弧面または曲面であり、第1実施例と同様にサドル面14の延長上に連続して形成されている。また、首部9には2個の窪み部17に対応させて、2個のストッパ18が形成されている。このストッパ18の構成および機能は、第1実施例と同じである。さらに、第2実施例においても、抜け止め部10および首部9は厚さが略均一であり、基部7は高さ方向の上側と下側とで厚さが異なる。そして、基部7における上側の厚い領域と下側の薄い領域との境界に、ロッキングエッジ22が形成されている。このロッキングエッジ22が形成されている面は、ディンプル20が形成されている面と同じである。また、第2実施例では、図3で基部7におけるロッキングエッジ22よりも下方に、ディンプル20および凹部21が形成されている。このディンプル20および凹部21の構成および機能は、第1実施例と同じである。
この第2実施例では、全てのエレメント6が厚さ方向に積層され環状体が形成され、その環状体の外側に位置する凹部23に、2本のリング8が配置されて、多数のエレメント6が全体として環状に形態が保持され、ベルト1が組み立てられている。2本のリング8は第1実施例のリング8と同様に構成されており、2本のリング8の最も内周側を構成する帯状材15が、サドル面14に接触する。この第2実施例では、凹部23に2本のリング8が並べて配置され、リング8の幅方向の両端同士が接触することがある。この第2実施例においても、第1実施例と同様の原理で駆動プーリ2と従動プーリ3との間で源動力伝達がおこなわれる。なお、図1に示されたベルト1は、厳密には第2実施例のベルト1に相当する。
また、第2実施例でも第1実施例と同様に、抜け止め部10と基部7との間の空間を、図3で上下方向に広げる向きの荷重が生じることがある。しかしながら、第2実施例では、首部9と基部7との接続部分に窪み部17が形成されているため、エレメント6で応力が集中することを緩和でき、エレメント6の耐久性を向上できる。また、第2実施例では、リング8がベルト1の幅方向に移動した場合、そのリング8の縁がストッパ18に接触するため、リング8が窪み部17に進入することを防止できる。より具体的には、1本の帯状材15の厚さの方が、ストッパ18とサドル面14との間の隙間未満であるため、1本の帯状材15が窪み部17に進入することを防止できる。したがって、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
なお、第1実施例および第2実施例では、リング8の厚さ方向で、ストッパ18の先端が、窪み部17の内面の上端よりも下方に位置しているが、エレメント6に突出部を設けることなく、防止部を構成することも可能である。例えば、窪み部を半円形状と、かつ、窪み部の入口の高さを窪み部の直径と同一にする構成である。この構成の場合でも、窪み部の入り口の高さは、リングの厚さ未満であることは言うまでもない。この構成によれば、リングが首部の側面に接触することで、リングの移動が規制されてリングが窪み部に進入することを防止できる。また第1実施例および第2実施例では、防止部がエレメント自体に設けられていたが、防止部をリングに設けることも可能である。例えば、リングの一部を厚さ方向に突出する突出部を設けると、この突出部が首部に接触することで、窪み部にリングが進入することを回避できる。
ぎに、参考例を図4に基づいて説明する。この参考例は、エレメント6またはリング8とは別の部材により、防止部を構成する実施例である。例えば、エレメント6の抜け止め部10に、ベルト1の半径方向に貫通する貫通孔30を設け、かつ、エレメント6の基部7に凹部31を設けるとともに、貫通孔30および凹部31に亘って1本のピン32を圧入固定するものである。この参考例において、エレメント6の幅方向で、同じ位置に貫通孔30および凹部31が形成されている。具体的には、エレメント6の幅方向で、リング8と窪み部17との間にピン32が設けられている。なお、参考例におけるエレメント6の他の構成は、第1実施例で説明したエレメント6の構成と同じである。この参考例では、リング8が幅方向に移動すると、リング8の縁がピン32に接触するため、リング8の縁が窪み部17に進入することを防止でき、第1実施例と同様の効果を得られる。なお、第2実施例で説明したエレメントにおいても、防止部としてピンを用いることが可能である。この参考例で説明したピンが、この発明の防止部に相当する。
なお、第1実施例ないし第2実施例では、リング8の厚さ方向で、サドル面14よりも外側に窪み部17の全部が形成されている。つまり、エレメント6において、サドル面14よりも抜け止め部10に近い位置に、窪み部17の全部を設けた例である。また、この発明には、第1実施例ないし第2実施例において、リング8の厚さ方向で、サドル面14よりも下側に窪み部17の一部が設けられている構成、つまり、エレメント6において、サドル面14よりも基部7に近い位置に、窪み部17の一部が設けられている構成のベルトまたはエレメントが含まれる。
この発明に係る無段変速機用のベルトおよびそのエレメントの構成を示す第1実施例の正面図である。 この発明に係る無段変速機用のベルトを用いた無段変速機の構成を示す模式図である。 この発明に係る無段変速機用のベルトおよびそのエレメントの構成を示す第2実施例の正面図である。 この発明に係る無段変速機用のベルトおよびそのエレメントの構成を示す参考例の正面図である。
符号の説明
1…ベルト、 6…エレメント、 8…リング、 9…首部、 14…サドル面、 15…帯状材、 17…窪み部、 18…ストッパ、 32…ピン。

Claims (2)

  1. 姿勢を揃えて環状に配列された複数のエレメントと、これら複数のエレメントを支持する環状の帯状材を半径方向に積層したリングとを有し、前記エレメントが、前記リングが接触するそのリングの幅方向に沿って形成されたサドル面を有し、かつ板状に構成された基部と、この基部から前記リングの半径方向で外側に突出された首部と、前記サドル面に滑らかに連続しかつ前記首部の先端方向に湾曲したアール面を内面とした窪み部とを備えている、無段変速機用ベルトにおいて
    前記リングの幅方向の端部を接触させて前記リングの移動を防止する防止部が、前記首部の前記サドル面側の側部に、前記サドル面よりも上方で、前記窪み部の内周面の上端よりも下方に向けて突出した状態で首部と一体に形成され、かつその防止部の下端と前記サドル面との間の隙間が、前記リングを構成する1本の帯状材の厚さよりも狭く設定されていることを特徴とする無段変速機用ベルト。
  2. 環状の帯状材を半径方向に積層したリングが接触するそのリングの幅方向に沿って形成されたサドル面を有する基部と、この基部から前記リングの半径方向に突出された首部と、前記サドル面に滑らかに連続しかつ前記首部の先端方向に湾曲したアール面を内面とした窪み部とを有し、複数個が環状に配列されて前記サドル面に前記リングが接触して環状に保持され、かつ板状に構成される、無段変速機用ベルトのエレメントにおいて、
    前記リングの幅方向の端部を接触させて前記リングの移動を防止する防止部が、前記首部の前記サドル面側の側部に、前記サドル面よりも上方で、前記窪み部の内周面の上端よりも下方に向けて突出した状態で首部と一体に形成され、かつその防止部の下端と前記サドル面との間の隙間が、前記リングを構成する1本の帯状材の厚さよりも狭く設定されていることを特徴とする、無段変速機用ベルトのエレメント。
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